【実施例】
【0100】
[0138]本発明は、以下の非限定的な実施例によって、より深く理解可能である。
【0101】
実施例1:心外膜全体にわたる時空間測定/刺激のための3D多機能外皮膜
[0139]基礎心臓病学及び臨床心臓病学の両者において、高密度で大面積のコンフォーマルマルチパラメータ生理学的マッピング及び刺激のための手段が非常に重要である。最近開発されたコンフォーマル電子システムは、重要な機能を可能としているが、2Dシートとしての実施形態により、3D心外膜表面全体への統合及び縫合糸又は接着剤を使用しない常用の確実な接触が阻害されている。本実施例は、多機能センサ、電子コンポーネント、及び光電子コンポーネントの変形可能なアレイのプラットフォームとして、3D印刷技術により心臓の心外膜に合わせて正確に成形した3D弾性膜を利用する質的に異なる手法を提示する。このような外皮デバイスは、人工心膜のようなものとして、形状が適合した様態で心臓を完全に包む。柔軟な膜の固有の弾力性によって、流体中に完全に浸漬された場合であっても、有害な生理学的反応を引き起こすことなく、通常の心周期における機械的に安定した生物/非生物界面が提供される。コンポーネントの例は、電気的、熱的、及び光学的刺激用アクチュエータからpH、温度、及び機械的歪み用のセンサにまで及ぶ。半導体材料としては、これら及び他の動作能力を提供するものとして、金属、金属酸化物、及びポリマーと一体化したシリコン、ヒ化ガリウム、及び窒化ガリウムが挙げられる。生体外の生理学的実験によって、心臓研究及び治療の様々な機能及び方法の可能性が実証されている。
【0102】
[0140]心臓の生理学的マッピング用の器具は、興奮収縮連関、代謝機能不全、不整脈等のメカニズムの臨床的識別及び理解に不可欠である。1980年代に開発されたデバイスは、心室の形状に大まかに類似するように縫合され、このプラットフォームにバルク電極が手動で組み付けられて織り込まれた合成繊維を用いてこのニーズに対処しようとしていた。このような方式は何らかの効用をもたらすものの、心臓全体にわたる均一な接触品質、臨床設定での実用的な展開、高密度のマッピング機能、多機能で高精度な測定/刺激の提供、又は長期埋め込みとしての展開が不可能である。結果として、点接触カテーテルを用いた連続マッピング又は蛍光、核磁気共鳴、若しくは超音波を用いた撮像技術に基づく別の方策が出現しているが、それぞれに重大な欠点がある。
【0103】
[0141]理想的なシナリオは依然として、デバイスの機能が心臓と直接的且つ非侵襲に一体化して、長期の使用に適したものとなることである。本質的な課題は、心臓が複雑な電気機械的合胞体であり、多くの要素が同調作用して血液を確実に送り出すとともに変化する代謝要求に応答することである。単独の細胞研究によって多くのことが得られているものの、臓器レベルでの全体的な機能的挙動並びに疾患状態における特に生体内の電気的、代謝的、及び機械的再構成間の相互作用は、適切な器具が不足しているため、十分に探究されていない。したがって、従来の材料、デバイス技術、又は撮像診断技術では実現不可能なコンフォーマル且つ高解像度の様態での電気的検知を含むがこれをはるかに超えるマルチパラメータマッピング機能が依然として求められている。
【0104】
[0142]伸縮性の電子機器に関する材料及び機構概念の最近の開発によって、デバイスの心外膜表面との直接的且つ完全な3D一体化に関するこの課題を満足する機会が生じている。本実施例は、過去に報告されている2D柔軟シートとしての小規模な電子デバイスを拡張して、心臓の形状に一致するように特別に形成された薄い3D弾性膜上に、リソグラフィによって規定された構成の多機能半導体システムを構築する。物理的な構成は、心臓を囲む自然発生の膜すなわち心膜の構成に類似している。本明細書において3D多機能外皮膜(3D−MIM)と称するこれらのシステムは、心臓上のすべての点とのコンフォーマル界面を提供しており、液状媒体中に完全に浸漬された場合であっても、動的な心周期全体で、膜自体の柔軟な弾力性によって堅牢でありながら非侵襲の接触が実現されている。単独の灌流ラビット心臓に関する測定によって、多機能高密度の心外膜マッピング/刺激の一般的なプラットフォームとしてのこれらアイデアの有用性が実証されている。その結果は、基礎心臓病学及び臨床心臓病学の高度な方法の可能性を提供している。
【0105】
[0143]製造は、心臓に合わせて成形した薄い3D弾性膜の作成から始める。
図2Aに示すように、まず、光学セグメント化技術によって、関心心臓の全体3D形状を捕捉する。その後、市販の3Dプリンタ(ZPrinter 450、Z−Corporation)によって、後述の通り、平面基板上に別途既製の極薄電子/光電子及びセンサシステムを装着する基板として機能する心臓のソリッドモデルを比例縮尺で描写する。これらの多機能デバイスを心臓モデルの表面に用いてモデル上にシリコンエラストマの薄層を成型して硬化させることにより、全体構成を規定する。デバイスコンポーネントの前面がモデルに接触する一方、後面はエラストマに接合される。モデルからシステム(すなわち、デバイスコンポーネントが一体化した3D膜)を取り除くことにより、一種の「搭載」人工心膜として、拍動する心臓の周りへの設置の準備をする。
【0106】
[0144]
図2Bは、光学的マッピング用の窒化インジウムガリウム(InGaN)を用いたマイクロスケールの無機発光ダイオード(μ−ILED)と、歪みゲージ用のシリコン(Si)ナノ膜と、電気的検知/刺激用の金(Au)電極と、pHセンサ用の酸化イリジウム(IrO
x)パッドと、温度センサ/ヒータ用のAu蛇行抵抗とを具備した代表的な3D−MIMを示している。これらのコンポーネントを作成する方法では、最新の集積回路技術を利用して、手動組み立てアレイで可能な空間解像度をはるかに超える空間解像度を実現する。また、薄くて柔軟性のヒートシール導電性ケーブル(Elform、HST−9805−210)によって、データ収集、電源、及び制御用の外部ハードウェアとの接続を提供する。3D−MIMは、実際の心臓よりもわずかに小さな全体寸法で設計することにより、心臓拡張期及び心臓収縮期における心外膜との堅牢な接触のための適切な弾力性及び機械的支持を提供する一方、十分に小さな圧力によって、心臓組織の自然な挙動を阻害しないようにしている。デバイスコンポーネントを相互接続する蛇行メッシュは、心室を覆って、心外膜の外形に適合している。本実施例は、ラビット心臓に関する研究用途で設計されているが、同じ方策が人間の心臓にも適用可能であり、他の臓器系にも適用可能である。ここで、3D形状は、同様の3D印刷基板を用いることにより、患者固有のMRI又はCT臓器セグメント化によって得られる。
【0107】
[0145]この種のデバイスの有用且つ重要な特徴は、収縮及び弛緩している心筋に及ぶ力を最小限に抑えつつ、組織との安定した機械的界面を維持するように設計可能な点である。人間及び他の脊椎動物の心臓解剖学において、心筋は、心膜によって封止された空間中に囲まれており、特定の範囲内での可逆的な容積変化が可能である。病態生理学的条件によって炎症が起こっている場合、心膜は、心腔の運動を制限する圧力を与える。定量的な解析によって、心外膜上の3Dデバイス膜に関連する圧力並びに材料特性及び設計パラメータに対するこの圧力の依存性を比較評価することができる。
図3Aは、3D有限要素法(FEM)を用いて計算した心臓形状の様々な容積膨張状態(1+ε)
3における膜厚150μm及び有効ヤング率が約60kPaの3D−MIM(Ecoflex、Smooth−on)の結果を示しており、εは線形膨張率である。膜の厚さは解析において均一であるが、電子デバイスに起因する不均一性によって、後述するとともに
図7A及び
図7Bに示す通り、有効ヤング率が約80kPaまで局所的に高くなるとともに、概算圧力が50%未満だけ高くなる。変形していない膜の形状は、実際の心臓への適用に際して基礎圧力レベルを保証するように比例的にサイズが縮小された(実際の心臓の拡張状態と比較して約30%の容積低減)3Dモデルの形状に従う。演算は、収縮容積(3Dモデル)並びに収縮状態(収縮容積の120%)及び拡張状態(収縮容積の145%)の心臓に対応する。計算した平均圧力は、通常の生理学的条件下における心膜と同様であり、心膜制約条件下では、この圧力の約20%に過ぎない。その結果は、後述の生体外研究で確認されたような限定的影響をデバイスが生じる可能性が低いことを示唆している。また、FEM及び解析的モデリングによって、圧力と設計パラメータとの間の一般的な関係が構築されている。
図3Bは、容積膨張、膜厚、及びヤング率の関数としての平均圧力を示している。解析モデルには、部分楕円を用いて、心臓の形状を近似している。詳細は、以下並びに
図7A及び
図7Bの通りである。以下の式は、平均圧力、膜形状、機械的特性、及び膨張率を関連付けている。
【数3】
ここで、tは膜厚であり、E及びvはそれぞれ、有効ヤング率及びポアソン比である。定数Cは、心臓のサイズが大きくなるに従って小さくなり、また、心臓の形状に依存する(ラビット心臓の場合は約0.2mm
−1)。膜厚及びヤング率の両者が小さくなると、圧力も線形的に低下する。このスケーリングによって、センサ/アクチュエータネットワークと心外膜表面との間の良好な接触を維持するのには十分高いが、固有の生理機能への影響を回避するのには十分低い圧力を与える設計が可能となる。これらの効果は、3D−MIMを有する場合及び有しない場合において、単独圧力を印加した拍動しているラビット心臓のモデルにおける虚血を示す複数の電気生理学的パラメータの経時変化をモニタリングすることによって明らかである。その結果は、対照心臓(N=3)及び実験心臓(N=3)に基づいて(
図8A及び
図8B)、ST上昇及びLV圧力波形の振幅によって測定される通り、デバイスによる虚血が何ら生じていないことを示唆している。
【0108】
[0146]様々な機能的動作モードを実証するため、心外膜電気活動の高精度マッピングから始める。これらの実験及び以下すべての実験においては、移植したランゲンドルフ灌流ラビット心臓を使用した。また、デバイスには、心外膜の前後両面全体に分布した68個のAu電極(表面積1mm
2で間隔3.5mm)を内蔵している(
図4A、
図4D、及び
図9)。個々の電極の電気化学的インピーダンスは、リン酸緩衝生理食塩水中で測定して、周波数1kHzで約2kΩである(
図10)。また、膜の透明性により、電気的測定結果を検証する手段として、電圧依存性蛍光による同時光学的マッピングが可能である。実験には、正常洞調律及び様々な電極対からの様々な周波数でのペーシングによる空間的興奮マップにおける伝搬パターンの変動の増加といった多様な条件で4つの心臓から得られた信号を伴う。表面電位図によって、QRS及びT波と関連付けられた種々重要な形態が捕捉された(
図4A)。電気的興奮伝達時間と光学的興奮伝達時間との間の代表的なマップ及び相関はそれぞれ、
図4C及び
図4Bに示す通りである。光学的興奮伝達時間と電気的興奮伝達時間との間の全体的な線形相関は、洞データの場合は0.957、ペーシングデータの場合は0.943であった。これらの研究は、この測定電極の構成によって、光学的に観測される空間的変動を捕捉する解像度まで興奮パターンを複製可能であることを示している。付加的な電気生理学的パラメータの解析については、
図12A、
図12B、及び
図12Cにまとめる。
図4Dは、心臓の前後両面から記録された信号に由来する3Dマップを提示している。モーションアーチファクトが測定品質に著しく影響するため静的な心臓形状が必要な光学的マッピングと異なり、3D−MIMによる電気生理学的マッピングは、通常の心拍動条件下において適用可能である。集積センサが下層の心臓組織と同期して移動することが観測された。心拍動周期におけるセンサと心外膜との間の相対的な横方向運動を回避するのは、3D−MIMの設計形状のため実用上困難であるが、センサの特性サイズよりも小さくなるように変位を最小化して、信号品質への影響を無視できるようにすることは可能である(
図11A、
図11B、及び
図11C)。この特徴は、実験室での研究を超えてマッピング機能を拡張し、臨床電気生理学に実装するのに重要である。
【0109】
[0147]pHの変化のマッピングは、心臓の代謝状態に関する有用な情報を提供する。ここでは、pH検知用の確立した材料である酸化イリジウム(IrO
x)によって測定を実現する。Au電極上の電着IrO
xによって、タイロード液中の37℃における開回路電位(OCP)応答が68.9±8.6mV/pHのpHセンサが得られる(
図13)。このようなpHセンサは、光学的マッピング技術と併せて、全体的な無血流虚血再灌流時のpHマップ、膜電位(Vm)、及びカルシウム過渡信号(CaT)を収集可能である。pHセンサは、ラビット心臓の左側前後面を覆っている(
図5A)。基礎値においては、すべてのpHセンサが7.34〜7.40の値を記録している。また、手順全体にわたって、2つのpHセンサの応答(灰色及び濃灰色で強調)をプロットしている(
図5B)。時点t
1(基礎値)、t
2(虚血に入って10分)、及びt
3(再灌流に入って20分)における完全な空間的pHマップについては、
図5D及び
図5E(左)に示す通りである。灌流ポンプをオフにすると、冠状動脈圧が0mmHgまで急減し、pHが略線形に最小値6.40(灰色)及び6.22(濃灰色)まで低下した。再灌流に際しては、心室頻拍(VT)が始まるまでpHが急速に上昇して、基礎値をいくぶん下回るレベルで安定した。再灌流誘起VTのファーフィールドECGのサンプルは、
図5Cに示す通りである。洞調律へと自然に戻った後、pH値は再び、虚血前の値まで上昇した。
図5D〜
図5Fは、pHマップ(左)、代表的な光信号(Vmが黒色、CaTが灰色;中央)、並びに70%再分極での活動電位持続時間(APD70)及び70%基礎値復帰でのカルシウム過渡持続時間(CaT70)のマップを並べて示している。基礎値においては、pH、APD70、及びCaT70マップによって、pH及び電気生理学的パラメータが心臓表面において当初は均一であることが強調されている。虚血の10分後、pH、APD70、CaT70は変化したが、これは、空間的に均一ではない。再灌流の20分後、パラメータは、基礎値に近い値に戻った。この実験は、虚血/再灌流時のマルチパラメータマッピングの可能性を実証している。また、この情報は、代謝と興奮収縮連関との間の解剖学的関係を確立している。
【0110】
[0148]温度センサアレイを備えた3D−MIMは、心臓温度の空間的分布をモニタリングする能力を示す。温度センサ素子は、過去に確立された設計を使用しており、抵抗変化が温度変化と相関する金の蛇行トレース(幅20μm、厚さ50nm)から成る(
図14)。温度センサは、生理学的範囲における線形応答を示し、通常の病院設定における2Hzでのサンプリング時の測定精度は約23mKである。
図6Aは、拍動している心臓での使用時の16個の統合温度センサを備えた3D−MIMを示している。センサは、動物実験の前に温度制御水槽中で較正しており、アレイ全体の16個のセンサにおいて1.23±0.05Ω/℃の応答を示す(
図15)。1つの実験においては、灌流の温度を変えることによって、心臓の温度を変化させた。
図6Aに示すように、測定した心外膜温度は、心臓全体に均一分布した状態で、灌流液の冷却時に約7℃だけ徐々に低下した。ファーフィールド電位図によって測定される心拍数は、温度の低下に伴って少なくなり、温度が生理学的レベルに戻ると元の値に復帰したが、これは、心筋代謝の温度制御速度を示す。第2の実験においては、焼灼ペンを用いて、心外膜の微小領域を激しく焼いた。関連する温度マップ(
図6B)は、切除点近くの局所的な温度上昇を示している。このような情報は、患部の切除時間及びサイズの臨床制御のためのフィードバックとして利用可能である。このようなデバイスは、電気センサと組み合わせると、温度と励起との間の実時間の関係を提供することも可能である。
【0111】
[0149]電気的及び化学的な評価に加えて、機械的特性も決定することができる。ここでは、Siナノ膜中の圧電抵抗効果に基づく歪みセンサによって、多様な伝搬状態における心臓の収縮の機構をモニタリング可能である。蛇行相互接続構造の入念な機械的設計によって、過去に報告されている小規模な2Dデバイスに記載の通り、通常の心外膜歪みがSi破壊閾値を大きく上回るという事実にも関わらず、正確な測定が可能となる。本設計において、3D−MIM歪みセンサは、ロゼット構成の3つのpドープSi圧電抵抗を具備する(
図16の(A)及び(B))。圧電抵抗のうち、縦軸が互いに垂直な2つは、Siの<110>結晶方向に整列して、圧電抵抗ごとに約0.33の有効縦方向ゲージ率及び約−0.06の有効横方向ゲージ率を与える(
図17)。もう1つの圧電抵抗は、<100>結晶方向に整列して、結晶方向及びデバイス全体形状に関連する固有感度のため、歪み下では相対的に小さな抵抗変化を示す。<110>方向に整列した圧電抵抗は、心臓の機械的拍動を特性化する最大感度を与える。一方、<100>方向に整列した圧電抵抗は、温度の影響の較正に利用可能である。実験によって、洞調律時の機械的挙動、心室ペーシング、及び薬理学的に誘起されたピナシジルによる心室細動(VF)が明らかとなった。槽電極によって、ファーフィールドECGの同時記録による電気的及び機械的挙動間の時間的相関の確立が可能となった。
図6Cは、<110>方向に整列した代表的な圧電抵抗の応答を示している。測定結果から、ECG記録に一致したタイミングでの心臓周期の機械的拍動が明らかである。VF条件下において、歪みゲージ及びECGの両者から、波形が通常の拍動を失っており、VFに一般的なランダムパターンを表示していることが分かる。
【0112】
[0150]最後の実証では、μ−ILEDアレイを利用して、高度な半導体一体化及び光学的マッピング/刺激を行う能力を示す。ここでは、ピーク発光波長が670nmのリン化アルミニウムガリウムインジウム(AlInGaP)に基づく9つの極薄(3μm)マイクロスケール(300×300μm
2)発光ダイオード(LED)が、膜電位感受性色素の励起用局所光源として機能するようにした(
図18、
図19A、
図19B、及び
図19C)。これらの色素に関連する蛍光の変化によって、心臓の活動電位の測定が可能となった。
図6Dは、外部光源(Prizmatrix、630nm)及び集積μ−ILEDにより得られた信号を比較している。LEDは、サイズが小さいにも関わらず、外部光に一致した波形で活動電位を明確に記録可能である。その結果は、3D集積構成の生体内光学的マッピング及び/又は刺激システムの可能性を実証している。
【0113】
[0151]本実施例に記載の結果は、生物医学研究及び臨床用途の両者における潜在的な有用性を伴って、能動的な電子材料及びセンサを3Dの臓器固有設計に統合する道筋を示唆している。材料、設計機構、及び機能デバイスに注意すると、これらのシステムによって、心外膜とのコンフォーマル界面を確立するとともに、多様な高密度且つ大面積のマルチパラメータ生理学的マッピング及び刺激を行うことができる。これらのデバイスは、代謝状態、興奮状態、イオン状態、収縮状態、及び熱的状態に関する局所的な情報を提供することによって、多様な損傷、疾患、及び治療に対する空間的応答及び時間的応答の両者を調べることができる。また、これらデバイスの使用により、不整脈、虚血、低酸素症、切除による外傷、又は心不全等の病態生理学的条件の起点を示す臨界領域を識別することも可能である。そして、これらの領域を用いることにより、治療的介入を案内することも可能である。これらの手法は、致死的な心臓疾患を診断及び治療する高精細度の埋め込み可能なデバイスを設計して実装する有望な機会を提供する。
【0114】
方法
[0152]3D−MIMの製造:以下に詳述するプロセスは、無機半導体材料(Si、InGaN、又はAlInGaP)の標準的な平面処理から始めた後、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)上のポリイミド(PI)又はポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)上のポリ(エチレンテレフタレート)(PET)の二重層で被膜した基板への転写を行う。デバイスは、PMMAの溶解又はPDMSからの剥離によって解放可能である。また、金属層(Cr/Au)を真空蒸着するとともにパターン化して、相互接続、抵抗、及び電極を形成する。デバイス上にポリマー封入層(PI又は感光性エポキシSU8)を適用してパターン化することにより、製造は完了となる。得られた構造は、転写によって、低弾性率のシリコンエラストマ(Ecoflex、Smooth−on)の薄膜に移動させる。また、周辺のコンタクトパッドに接合された柔軟な導電性ケーブル(Elform)によって、外部ハードウェアとのインターフェースを提供する。デバイスは、積層プロセスによって、心臓の所望の3D印刷モデルに取り付け、センサを表面に直接接触させる。そして、同じ種類のエラストマの別の層の成型及び硬化によって、システムの全体3D形状を規定する。場合により、エラストマストラップによって、ランゲンドルフ灌流心臓実験に用いる操作性を向上させた(
図20)。膜には、別の開口を具備することにより、支持槽中の流れに伴う流体蓄積を防止することができる。モデルから取り外すことにより、IrO
xの電着によって、高精度なpH検知のための初期表面を得ることができる。
【0115】
[0153]動物実験:National Institutes of Healthの倫理指針及びInstitutional Animal Care and Use Committee、Washington University、St Louisの許可に従って実験を行った。ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に対する光学的マッピング手順は、文献にて過去に報告されているように実行した。
図21は、代表的な実験設定を示している。簡潔には、開胸術によって心臓を取り除き、大動脈にカニューレを配置して、酸化タイロード液の逆行性灌流を可能にする。灌流は、動物の電解質平衡を模倣して、心臓にエネルギー基質を与えることにより、電気的観点から正常に機能し続けるようにする。心臓は、pH7.4±0.05で37℃に保たれた灌流チャンバに沈める。膜電位(Vm)及びカルシウム過渡信号(CaT)の光信号は、灌流液に添加した電位差感受性色素(di−4 ANEPPS又はRH−237)又はカルシウム指示薬(Rhod−2a)からの蛍光信号のCMOSカメラによる収集に依拠する。モーションアーチファクトを回避する必要がある場合は、興奮収縮脱共役剤(ブレビスタチン)も灌流液に添加する。
【0116】
データ収集及び処理
[0154]1.電気生理学:240チャネル単極電位図収集システム(Astrocard、Boston)及び特注のインターフェースを用いて、3D−MIM上のAu電極から電気信号を記録する。トリガTTLパルスと同調した1kHzのサンプリング周波数で光信号及び電気信号の両者を収集し、別途、特注のMATLABソフトウェアで後処理する。後処理:3D−MIMから収集した電気信号はまず、収集ソフトウェア内部の60Hzノッチフィルタでフィルタリングした後、関心興奮時間の電気生理学的パラメータを計算し(
図4C)、光学背景ファイルに基づいて、電極の空間座標に合わせる。光信号は、ビニング、フィルタリング、及び正規化を行う。また、視野全体について、電気生理学的パラメータを計算する。空間的マップを作成するため、散乱データを3次補間するMATLABの内部関数を用いて興奮時間を補間する。また、電極の座標で光学的マップをサンプリングし、同じ補間方法を適用して、最大解像度の光学パターンをサンプリングした光学的マップ及び電気的マップと比較する。
【0117】
[0155]2.Ag/AgCl電極を基準とする各センサの開回路電位の測定によって、pHデータを収集する。
【0118】
[0156]3.National Instruments PXI−6289ボードに基づく特注のシステムを用いて、各センサの抵抗の測定により、温度及び歪みセンサのデータを収集する。
【0119】
図面の説明
[0157]
図2A、
図2B、及び
図2C:心外膜表面全体にわたって時空間測定/刺激を行う3D多機能外皮膜(3D−MIM)。
図2A:デバイス設計及び製造の重要なステップの図式描写。スケールバー:2cm。
図2B:ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に統合された代表的な3D−MIMの画像。白色矢印は、このシステムの様々な機能要素を強調している。電子機器は、心臓の前後両面を覆うことができる(差し込み図)。スケールバー:6mm。
図2C:心外膜とコンフォーマル接触した機能要素の拡大図。画像は、デバイスの背面から記録している。スケールバー:500μm。
【0120】
[0158]
図3A及び
図3B:3D−MIMの統合に伴う心外膜の圧力の解析。
図3A:心臓形状の様々な体積膨張状態における総厚150μm、有効ヤング率60kPaのデバイスによる計算圧力分布。
図3Bは:膜の体積膨張(左)、厚さ(中央)、及びヤング率(右)の関数としての平均圧力のFEM及び解析結果。
【0121】
[0159]
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4D:高密度電気的マッピングの説明。
図4A:ランゲンドルフ灌流ラビット心臓上の対応する色付き電極位置から同時に取得した代表的な光信号及び電気信号。スケールバー:7mm。
図4B:上:代表的な光学活動電位(OAP)、単極電位図(EG)、及び興奮時間の位置の模式図(OAPは
【数4】
、EGは
【数5】
と定義)。下:種々状態で試験した心臓の電気的及び光学的興奮時間の相関。
図4C:電気的及び光学的測定結果から決定した補間空間的興奮マップ。上:膜上の赤色電極対による心臓ペーシング。下:洞調律。
図4D:心臓の前後両面からの電気信号の3Dマッピング。電気的興奮時間の補間空間的マップは、視覚化のため、代表的なラビット心臓形状に投射されている。スケールバー:7mm。
【0122】
[0160]
図5A、
図5B、
図5C、
図5D、
図5E、及び
図5F:膜電位及びカルシウム過渡信号の同時光学的マッピングと併せた高密度pHマッピングの説明。
図5A:ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に統合されたpHセンサアレイについて、2個のpHセンサを強調した3D−MIMを示しており、値を
図5Bに表示。スケールバー:7mm。
図5B:30分間の再灌流が後続する30分間の無血流虚血中のpHの時間的変化。t
1、t
2、及びt
3として星印を付けた3つの時間は、
図5D〜
図5Fの空間的pHマップに対応。
図5C:基礎値及び再灌流誘起VTにおける代表的なファーフィールドECG。
図5D〜
図5F:基礎値(
図5D)、10分間の無血流虚血(
図5E)、及び20分間の再灌流(
図5F)における32個のセンサのpHマップ(左)、代表的な膜電位及びカルシウム過渡信号(中央)、及びAPD70−CaT70マップ(右)。VTは心室頻拍、Vmは膜電位、CaTはカルシウム過渡信号、APD70は70%再分極での活動電位持続時間、Cat70は70%弛緩でのカルシウム過渡持続時間。
【0123】
[0161]
図6A、
図6B、
図6C、及び
図6D:集積μ−ILEDを用いた高密度の温度及び歪み検知、並びに撮像の説明。
図6A:3D−MIMの適用による低温灌流中の温度モニタリング。左:ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に統合された4×4温度センサアレイを備えた3D−MIMの画像。中央:左の差し込み図に示す代表的なセンサからの温度記録。右:中央の差し込み図の代表的な時点における温度マップ(対応する心拍数をECGから計算)。カラーマップの各画素は、1つの温度センサからの記録に対応。スケールバー:1cm。
図6B:切除実験中の温度測定結果。左の差し込み図には、センサアレイ及び焼灼ペンの位置を図示。切除中の温度マップ(右上)及び代表的なセンサからの記録(右下)をそれぞれ図示。スケールバー:7mm。
図6C:代表的な生理学的条件下でのSi歪みセンサの応答(同時ECG記録との比較)。
図6D:左:光学的マッピング実験におけるμ−ILEDアレイを備えた3D−MIMの画像。差し込み図は、代表的なμ−ILEDの周りの領域の拡大図。右:3D−MIM上のμ−ILEDを用いた励起中及び外部の光学的励起中それぞれに記録した代表的な画素(左の差し込み図の青色ドット)からの光信号の比較。スケールバー:3mm。
【0124】
3D−MIMの機構解析
[0162]I.3D FEMによる数値解析。3D FEMを用いて、広範なデバイスパラメータ及び心臓の膨張の場合の3D多機能外皮膜(3D−MIM)と心臓との間の圧力を調べる。医療スキャンにより得られた光学セグメントによって、心臓の3D形状モデルを再構成する。ABAQUS有限要素プログラムのプリプロセッサに形状モデルをインポートする。ABAQUSにおいては、4ノード線形4面体固体要素C3D4及び4ノード四辺形膜要素M3D4によって、心臓及び3D−MIMをそれぞれモデル化する。要素の総数は60,000個を超えており、メッシュの微調整によって、計算結果の精度を保証する。心臓の規定の膨張の場合、FEMは、3D−MIMと心臓との間の界面における圧力分布を与える。そして、
図3Aに示すように、3D−MIMと心臓すなわち実験における心室との間の接触領域における平均圧力を求める。
【0125】
[0163]II.圧力。3D−MIMにより覆われた心臓の部分(
図3A)は概ね、
図7A及び
図7Bに示すように、長短軸の長さがa及びbの部分非対称楕円である。心臓表面上の3D−MIMは、膜としてモデル化され、モデル上に製造した場合のZ
2/a
2+R
2/b
2=1から心臓の線形膨張εに起因するz
2/[(1+ε)
2a
2]+r
2/[(1+ε)
2b
2]=1まで変形する。ここで、(Z,R)及び(z,r)=[(1+ε)Z,(1+ε)R]はそれぞれ、非対称座標での膨張が無い場合及び有る場合の3D−MIMの軸方向及び半径方向座標である。2軸線形歪みεを有する3D−MIMの平面応力状態は、Eε/(1−v)として2軸応力を与える。ここで、E及びvはそれぞれ、3D−MIMのヤング率及びポアソン比である。線形膨張に起因する長さ変化を考慮した膜力は、以下の通りである。
【数6】
ここで、tは、3D−MIMの厚さである。平面曲線r=r(z)の場合、子午線方向に沿った主曲率は、表面上の任意の点(z,r)において、−(dr
2/dz
2)/[1+(dr/dz)
2]
3/2である。円周方向に沿った他方の主曲率は、以下により与えられる。
【数7】
z=(1+ε)Z及びr=(1+ε)Rの場合、これら2つの主曲率は、以下により与えられる。
【数8】
心臓の圧力は、膜の張力及び曲率に関して、以下により求められる。
P=T(κ
1+κ
2)
心臓に接触している楕円表面のZ
0≦Z≦a(
図7A)の部分の平均は、以下の通りである。
【数9】
これにより、上記の式(1)及び以下が得られる。
【数10】
心臓の形状モデルに最も適合するa=15mm、b=10mm、及び0X=−5.5mmの場合、式(1)の平均圧力は、
図3Bに示すように、3D FEMの結果とよく一致する。
【0126】
[0164]上記の解析には、3D−MIMと心臓との間の圧力に電子デバイスが及ぼす影響を考慮していない。このような影響は、式(1)から、3D−MIMの引張剛性Etを電子デバイス付き3D−MIMの有効引張剛性で置き換えることにより推定可能である。
図7Bの差し込み図は、膜材料のシート(62.8×24.3×0.15mm
3)上の相互接続及び電極から成る電子デバイスを示している。相互接続はすべて、各面を1.2μm厚のポリイミド(PI)層で挟まれたAu(120nm)/Cr(2nm)複合層から成る。電極の断面は、相互接続の断面と同様であるが、上部の1.2μm厚のPI層がなく、Auが露出している。ABAQUSにおいては、シートを8ノード固体要素C3D8Rで、相互接続及び電極を4ノードシェル要素S4Rでそれぞれモデル化する。
図7Bに示すように、FEMは、その引張剛性について、電子デバイスがない場合の約1.5倍になることを示す。
【0127】
3D−MIMの製造手順
[0165]I.
図2に示す様々な電子コンポーネントアレイを備えた3D−MIM
【0128】
[0166]Siナノ膜のpドーピング
[0167]1.シリコンオンインシュレータ(SOI)ウェハ(150nmの埋め込み酸化物上に320nmのシリコン)をアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)、及び脱イオン(DI)水で洗浄し、110℃で5分間脱水する。
[0168]2.緩衝酸化物エッチング(BOE)6:1で1分間洗浄する。
[0169]3.1,000℃で10分間、拡散ホウ素源に曝露する。
[0170]4.処理水をHFで1分間、RCA1で10分間、RCA2で10分間、及びBOEで1分間洗浄する。
【0129】
[0171]InGaN μ−ILEDの作成
[0172]5.GaN/Si(111)エピウェハ(Azzurro Semiconductor、GaN:Mg(110nm)//InGaN(3nm)、GaN:Si(10nm)の5回繰り返し//GaN:Si(1,700nm)//AlN:Si/GaN:Si(1,900nm)//GaN(750nm)//AlN/AlGaN(300nm)//Si(111))上において、nコンタクト用のフォトレジスト(PR)(AZ 5214 E)をスピンコートしてパターン化する。
[0173]6.誘導結合プラズマ反応性イオンエッチング(ICP−RIE):(a).3mTorr、15sccmのBCl
3(RFパワー300W及び平行板DC電圧100Vで90秒間)の後、(b).3mTorr、15sccmのCl
2(RFパワー300W及び平行板DC電圧100Vで120秒間)。
[0174]7.BOE10:1で120秒間、自然酸化物を除去する。
[0175]8.電子線蒸着器によって、Tiを15nm、Alを60nm、Moを20nm、Auを100nm蒸着する。
[0176]9.リフトオフする(アセトンを用いて超音波で120秒間)。
[0177]10.N
2雰囲気において、860℃で30秒間アニーリングする。
[0178]11.PRパターン化により、p拡散層を形成する。
[0179]12.HCl:Di=3:1中に5分間浸漬する。
[0180]13.電線蒸着器によって、Niを10nm、Auを10nm蒸着する。
[0181]14.リフトオフする。
[0182]15.空気雰囲気において、500℃で10分間アニーリングする。
[0183]16.PRパターン化により、pコンタクトパッドを形成する。
[0184]17.電線蒸着器によって、Tiを10nm、Auを120nm蒸着する。
【0130】
[0185]18.リフトオフする。
[0186]19.プラズマ強化化学気相成長(PECVD)によって、Si
3N
4を300nm堆積させる。
[0187]20.PRパターン化により、アンカーを形成する。
[0188]21.電線蒸着器によって、Tiを50nm、Niを450nm蒸着する。
[0189]22.リフトオフする。
[0190]23.反応性イオンエッチング(RIE)によって、エッチングによりSi
3N
4マスクを形成する(SF
6 40sccm、圧力35mTorr、及びRFパワー100W、エッチング時間3分超)。
[0191]24.ICP−RIEによるSi
3N
4及びGaN/InGaN/AlN/AlGaNエピ層のエッチング:(a).5mTorr、25℃、10sccmのBCl
3、16sccmのCl
2、4sccmのAr(500W、300V、1分間)、(b).5mTorr、25℃、20sccmのCl
2、sccmのAr(500W、260V、8分間)。
[0192]25.100℃のKOH(PSE−200、Transene)に45分間浸漬して(100
*100μm)、Siの異方性アンダーカットを形成する。
[0193]26.Niを約200秒間エッチングする(Transene TFB)(エッチング速度は室温で3nm/s)。
[0194]27.RIEによって、Si
3N
4をエッチングする。
【0131】
[0195]PET基層の作成
[0196]28.ガラススライド上にポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)(Sylgard 184、Dow Corning)を回転成型する(3,000rpm、30秒間)。
[0197]29.70℃で2時間、PDMSを硬化させる。
[0198]30.PDMS表面上に、厚さ2.5μmのポリ(エチレンテレフタレート)(PET)膜を積層する。
【0132】
[0199]PET基層へのSiナノ膜の転写
[0200]31.3μmピッチのドットパターンでPR(S1805、Microposit)をパターン化する。
[0201]32.RIEによって、シリコンをエッチングする(50mTorr、40sccmのSF
6、100W、1分間)。
[0202]33.HF中で30分間、ドットパターンによりSOIウェハの埋め込み酸化物層をアンダーカットする。
[0203]34.PET膜上にSU−8 2エポキシ(Microchem)をスピンコートする(3,000rpm、30秒間)。
[0204]35.65℃で30秒間焼成する。
[0205]36.SOIウェハから、PDMSスタンプによりSiナノ膜を取り上げる。
[0206]37.Si層をSU−8層に印刷する。
[0207]38.ガラススライドの背面からの紫外(UV)光曝露により、SU−8層を硬化させる。
[0208]39.95℃で30秒間焼成し、スタンプを除去する。
[0209]40.150℃で15分間焼成する。
[0210]41.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0133】
[0211]Siパターン化
[0212]42.PR(S1805)をパターン化する。
[0213]43.RIEによって、シリコンをエッチングする(50mTorr、40sccmのSF
6、100W、1分間)。
[0214]44.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0134】
[0215]第1の金属化
[0216]45.電線蒸着器によって、Crを10nm、Auを300nm蒸着する。
[0217]46.PRをパターン化する。
[0218]47.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0219]48.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0135】
[0220]PET平面基板へのInGaN μ−ILEDの転写
[0221]49.SU−8 2をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0222]50.65℃で1分間、95℃で2分間、予備焼成する。
[0223]51.PDMSスタンプによりLEDを印刷する。
[0224]52.365nmのUVを150mJ/cm
2で照射する。
[0225]53.65℃で1分間、95℃で2分間、事後焼成する。
【0136】
[0226]印刷したInGaN μ−ILEDの保護
[0227]54.RIEによって、LED上のSi
3N
4を表面改質除去する(40mTorr、19.6sccmのO
2、40sccmのSF
6、100Wで3分間)。
[0228]55.ベンゾシクロブテン(BCB)(Cyclotene 4024−40、Dow)を回転成型する(2,000rpm、30秒間)。
[0229]56.70℃で90秒間、予備焼成する。
[0230]57.サンプルの背面からUVに曝露する(123mJ/cm
2、405nm)。
[0231]58.70℃で30秒間、事後焼成する。
[0232]59.現像剤DS2100中で70秒間現像する。
[0233]60.無酸素環境において、210℃で120分間、BCBを硬化させる。
[0234]61.RIEによって、デスキューム(descuum)処理する(200mTorr、18sccmのO
2、2sccmのCF
4、150WのRFパワー、30秒間)。
【0137】
[0235]第2の金属化
[0236]62.電線蒸着器によって、Crを10nm、Auを300nm蒸着する。
[0237]63.PRをパターン化する。
[0238]64.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0239]65.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0240]66.150℃で5分間、脱水する。
【0138】
[0241]封入及びポリマーパターン化
[0242]67.ポリイミド(PI)前駆体(ポリ(ピロメリット酸二無水物−co−4,4’−オキシジアニリン)アミック酸溶液(Sigma−Aldrich)をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0243]68.無酸素環境において、210℃で120分間、PIを硬化させる。
[0244]69.電線蒸着器によって、Cuを600nm蒸着する。
[0245]70.PRをパターン化してCuマスクを形成する。
[0246]71.Cuをウェットエッチングする。
[0247]72.RIEによって、ポリマーをエッチングする(200mTorr、3sccmのCF
4及び19.6sccmのO
2、175Wで30分間)。
[0248]73.Cuをウェットエッチングする。
【0139】
[0249]エラストマ基板の作成
[0250]74.トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル トリクロロシラン(UCT Specialties,LLC)によって、ガラススライドをシラン処理する。
[0251]75.ガラススライド上にシリコンエラストマ(Ecoflex 00−30、Smooth−on)をスピンコートする(500rpm、60秒間)。
[0252]76.室温で3時間、硬化させる。
【0140】
[0253]エラストマ基板上への転写及びケーブル接合
[0254]77.水溶性のテープ(3M)を用いて、ポリマー基部及び封入層を備えた電子コンポーネントアレイをPDMS被覆ガラススライドから解放する。
[0255]78.電子線蒸着器によって、PETの背面にTiを3nm、SiO
2を30nm蒸着する。
[0256]79.エラストマ基板を4分間、UV/オゾン処理する。
[0257]80.電子コンポーネントアレイを備えたPETをエラストマ基板に印刷する。
[0258]81.水溶性のテープをDI水で溶解させる。
[0259]82.高温の鉄を用いて強い圧力で、薄くて柔軟なヒートシール導電性ケーブル(Elform、HST−9805−210)を電子コンポーネントアレイに接合する。
【0141】
[0260]3D形状の形成
[0261]83.3D撮像及び3D印刷によって、心臓モデルを作成する。
[0262]84.電子コンポーネントの前部を心臓モデルに接触させた状態で、エラストマ基板を備えた電子コンポーネントアレイを心臓モデルに取り付ける(
図22)。
[0263]85.別のシリコンエラストマ構造も統合可能である(
図20)。
[0264]86.上部にシリコンエラストマ(Ecoflex 00−30、Smooth−on)を成型する。
[0265]87.室温で24時間、硬化させる。
[0266]88.膜の受動領域に別の穴をパンチングして、流体の排出も可能である。
[0267]89.モデルから3D−MIMを取り外す。
【0142】
[0268]IrO
x pHセンサの電気化学的処理
[0269]90.300mgの四塩化イリジウムを200mlのDI水に溶解させて、15分間撹拌する。
[0270]91.2mlの過酸化水素水溶液(30%)を添加して、10分間撹拌する。
[0271]92.1,000mgのシュウ酸無水物を添加して、10分間撹拌する。
[0272]93.微量の無水炭酸カリウムの添加によって、pHを10.5に調整する。
[0273]94.室温で2日間保管する。問題なく作成した溶液は、その間に、黄色から薄紫色に変色する。その後、暗色ボトルに入れた溶液を4℃の冷蔵室で保管する。
[0274]95.作成した容液を用いて、定電流モードの定電位電解装置(VMP−3、BioLogic Inc.)により、3D−MIM上の選択電極上にIrO
xをメッキする。メッキ中、作動電極及び対向電極の電圧は、0.7V前後に維持した(持続時間:20分間)。
【0143】
[0275]II.高精度ECG/pHマッピング用電極アレイ
【0144】
[0276]PI基層の作成
[0277]1.アセトン、IPA、及びDI水でSiウェハを洗浄し、110℃で5分間脱水する。
[0278]2.ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA 495 A2、Microchem)をスピンコートする(3,000rpm、30秒間)。
[0279]3.180℃で1分間焼成する。
[0280]4.PI前駆体をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0281]5.110℃で30秒間焼成する。
[0282]6.150℃で5分間焼成する。
[0283]7.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
【0145】
[0284]金属化
[0285]8.電線蒸着器によって、Crを10nm、Auを300nm蒸着する。
[0286]9.PRをパターン化する。
[0287]10.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0288]11.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0289]12.150℃で5分間、脱水する。
【0146】
[0290]封入及びポリマーパターン化
[0291]13.PI前駆体をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0292]14.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
[0293]15.PR(AZ 4620)をスピンコートする(1000rpm、60秒間)。
[0294]16.PRをパターン化してポリマーをエッチングする。
[0295]17.RIEによって、ポリマーをエッチングする(200mTorr、20sccmのO
2、150Wで20分間)。
[0296]18.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0147】
[0297]エラストマ基板上への転写及びケーブル接合
[0298]19.沸騰したアセトンでPMMAを部分的に溶解させる。
[0299]20.水溶性のテープを用いて、PI基部及び封入層を備えた電極アレイをSiウェハから解放する。
[0300]21.PI基層の背面にTiを3nm、SiO
2を30nm蒸着する。
[0301]21.エラストマ基板を4分間、UV/オゾン処理する。
[0302]22.PI基部及び封入層を備えた電極アレイをエラストマ基板に印刷する。
[0303]23.水溶性のテープをDI水で溶解させる。
[0304]24.高温の鉄を用いて強い圧力で、薄くて柔軟なヒートシール導電性ケーブル(Elform、HST−9805−210)をアレイに接合する。
[0305]3D−MIMへの統合及び選択電極へのIrO
xのメッキにより、製造を完了する。
【0148】
[0306]III.温度センサアレイ
【0149】
[0307]PI基層の作成
[0308]1.アセトン、IPA、及びDI水でSiウェハを洗浄し、110℃で5分間脱水する。
[0309]2.PMMA 495 A2をスピンコートする(3,000rpm、30秒間)。
[0310]3.180℃で1分間焼成する。
[0311]4.PI前駆体をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0312]5.110℃で30秒間焼成する。
[0313]6.150℃で5分間焼成する。
[0314]7.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
【0150】
[0315]第1の金属化
[0316]8.電線蒸着器によって、Crを5nm、Auを40nm蒸着する。
[0317]9.PRをパターン化する。
[0318]10.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0319]11.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0320]12.150℃で5分間、脱水する。
【0151】
[0321]第1の金属の隔離及びビアホールのパターン化
[0322]13.PI前駆体をスピンコートする。
[0323]14.110℃で30秒間焼成する。
[0324]15.150℃で5分間焼成する。
[0325]16.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
[0326]17.スピンコートして(3,000rpm、30秒間)、PR(AZ4620)をパターン化する。
[0327]18.RIEを行う(50mTorr、20sccmのO
2、150Wで35分間)。
【0152】
[0328]第2の金属化
[0329]19.電線蒸着器によって、Crを5nm、Auを200nm蒸着する。
[0330]20.PRをパターン化する。
[0331]21.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0332]22.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0333]23.150℃で5分間、脱水する。
【0153】
[0334]封入及びポリマーパターン化
[0335]24.PI前駆体をスピンコートする。
[0336]25.110℃で30秒間焼成する。
[0337]26.150℃で5分間焼成する。
[0338]27.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
[0339]28.PR AZ4620をパターン化する。
[0340]29.RIEを行う(50mTorr、20sccmのO
2、150Wで35分間)。
【0154】
[0341]エラストマ基板上への転写及びケーブル接合
[0342]30.沸騰したアセトンでPMMAを部分的に溶解させる。
[0343]31.水溶性のテープを用いて、PI基部及び封入層を備えた温度センサアレイをSiウェハから解放する。
[0344]32.PI基層の背面にTiを3nm、SiO
2を30nm蒸着する。
[0345]33.エラストマ基板を4分間、UV/オゾン処理する。
[0346]34.PI基部及び封入層を備えた温度センサアレイをエラストマ基板に印刷する。
[0347]35.水溶性のテープをDI水で溶解させる。
[0348]36.高温の鉄を用いて強い圧力で、薄くて柔軟なヒートシール導電性ケーブル(Elform、HST−9805−210)をアレイに接合する。
[0349]3D−MIMへの統合により、製造を完了する。
【0155】
[0350]IV.Si歪みセンサアレイ
【0156】
[0351]Siナノ膜のpドーピング
[0352]1.SOIウェハをアセトン、イソプロピルアルコール(IPA)、及び脱イオン(DI)水で洗浄し、110℃で5分間脱水する。
[0353]2.BOE6:1で1分間洗浄する。
[0354]3.1,000℃で10分間、拡散ホウ素源に曝露する。
[0355]4.処理水をHFで1分間、RCA1で10分間、RCA2で10分間、及びBOEで1分間洗浄する。
【0157】
[0356]PI基層の作成及びSiナノ膜の転写
[0357]5.3μmピッチのドットパターンでPR(S1805、Microposit)をパターン化する。
[0358]6.RIEによって、シリコンをエッチングする(50mTorr、40sccmのSF
6、100W、1分間)。
[0359]7.HF中で30分間、ドットパターンによりSOIウェハの埋め込み酸化物層をアンダーカットする。
[0360]8.アセトン、IPA、及びDI水でベアSiウェハを洗浄し、110℃で5分間脱水する。
[0361]9.PMMAをスピンコートする(3,000rpm、30秒間)。
[0362]10.180℃で1分間焼成する。
[0363]11.PI前駆体をスピンコートし(4,000rpm、30秒間)、110℃で40秒間アニーリングする。
[0364]12.SOIウェハから、PDMSスタンプによりSiナノ膜を取り上げる。
[0365]13.Si層をPI層に印刷する。
[0366]14.110℃で30秒間焼成し、スタンプを解放する。
[0367]15.150℃で15分間焼成する。
[0368]16.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0369]17.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
【0158】
[0370]Siパターン化
[0371]18.PR(S1805)をパターン化する。
[0372]19.RIEによって、Siをエッチングする(50mTorr、40sccmのSF
6、100W、1分間)。
[0373]20.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0159】
[0374]金属化
[0375]21.電線蒸着器によって、Crを10nm、Auを300nm蒸着する。
[0376]22.PRをパターン化する。
[0377]23.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0378]24.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0379]25.150℃で5分間、脱水する。
【0160】
[0380]封入及びポリマーパターン化
[0381]26.PI前駆体をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0382]27.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
[0383]28.PR(AZ 4620)をスピンコートする(1000rpm、60秒間)。
[0384]29.PRをパターン化してポリマーをエッチングする。
[0385]30.RIEによって、ポリマーをエッチングする(200mTorr、20sccmのO
2、150Wで20分間)。
[0386]31.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0161】
[0387]エラストマ基板上への転写及びケーブル接合
[0388]32.沸騰したアセトンでPMMAを部分的に溶解させる。
[0389]33.水溶性のテープを用いて、PI基部及び封入層を備えた歪みセンサアレイをSiウェハから解放する。
[0390]34.PI基層の背面にTiを3nm、SiO
2を30nm蒸着する。
[0391]35.エラストマ基板を4分間、UV/オゾン処理する。
[0392]36.PI基部及び封入層を備えた歪みセンサアレイをエラストマ基板に印刷する。
[0393]37.水溶性のテープをDI水で溶解させる。
[0394]38.高温の鉄を用いて強い圧力で、薄くて柔軟なヒートシール導電性ケーブル(Elform、HST−9805−210)をアレイに接合する。
[0395]3D−MIMへの統合により、製造を完了する。
【0162】
[0396]V.光学的実験用μ−ILEDアレイ
【0163】
[0397]AlInGaP μ−ILEDの作成
[0398]1.p−GaAs:C(50nm)//Al
0.45Ga
0.55As:C(800nm)//In
0.5Al
0.5P:Zn(200nm)//Al
0.25Ga
0.25In
0.5P(6nm)//In
0.56Ga
0.44P(6nm)、Al
0.25Ga
0.25In
0.5P(6nm)の4回繰り返し//In
0.5Al
0.5P:Si(200nm)//Al
0.45Ga
0.55As:Si(800nm)//n−GaAs:Si(500nm)//Al
0.96Ga
0.04As(500nm)のエピタキシャルスタックをGaAsウェハ上に作成する。
[0400]2.PECVDによって、SiO
2を堆積させる。
[0401]3.PRをパターン化してメサをエッチングする。
[0402]4.BOEによって、SiO
2をエッチングする。
[0403]5.ICP−RIEによるエッチング(2mTorr、4sccmのCl
2、2sccmのH
2、4sccmのAr、RF1:100W、RF2:500W、約5分間)によって、n−GaAsを露出させる。
[0404]6.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0405]7.PRをパターン化してn−GaAsをエッチングする。
[0406]8.H
3PO
4:H
2O
2:H
2O(1:13:12)によってウェットエッチングする(約10秒間)。
[0407]9.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0408]10.PRをパターン化してn−コンタクトを形成する。
[0409]11.n−GaAsの表面をHCl:DI水(1:1)で30秒間洗浄する。
[0410]12.電線蒸着器によって、Pdを5nm、Geを35nm、Auを70nm蒸着する。
[0411]13.リフトオフする。
[0412]14.N
2雰囲気において、175℃で60分間アニーリングする。
[0413]15.PRをパターン化してp−コンタクトを形成する。
[0414]16.BOEによって、30秒間エッチングする。
[0415]17.p−GaAsの表面をHCl:DI水(1:1)で30秒間洗浄する。
[0416]18.電子線蒸着器によって、Ptを10nm、Tiを40nm、Ptを10nm、Auを70nm蒸着する。
[0417]19.リフトオフする。
[0418]20.PRをパターン化して保護アンカーを形成する。
[0419]21.希HF(49%、100:1に希釈)中に約2時間浸して、μ−ILED直下のAl
0.96Ga
0.04As(犠牲層)を除去する。
【0164】
[0420]ポリマー基層の作成及びAlInGaP μ−ILEDの転写
[0421]22.ガラススライド上にCrを10nm堆積させる。
[0422]23.PRをパターン化してCrマーカを形成する。
[0423]24.Crをウェットエッチングする。
[0424]25.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
[0425]26.PMMA 495 A2をスピンコートする(3000rpm、30秒間)。
[0426]27.180℃で1分間焼成する。
[0427]28.SU−8 2をスピンコートする(4,000rpm、30秒間)。
[0428]29.65℃で1分間、95℃で2分間、予備焼成する。
[0429]30.PDMSスタンプによりμ−ILEDを印刷する。
[0430]31.365nmのUVを150mJ/cm
2で照射する。
[0431]32.65℃で1分間、95℃で2分間、事後焼成して、PDMSスタンプを除去する。
[0432]33.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0165】
[0433]AlInGaP μ−ILEDの保護
[0434]34.SU−8 2をスピンコートする(2,000rpm、30秒間)。
[0435]35.65℃で2分間、95℃で3分間、予備焼成する。
[0436]36.365nmのUVを150mJ/cm
2で照射して、ビアホールを作製する。
[0437]37.70℃で40秒間、事後焼成する。
[0438]38.SU 8現像剤中で30秒間現像する。
[0439]39.150℃で30分間焼成する。
【0166】
[0440]金属化
[0441]40.電線蒸着器によって、Crを10nm、Auを300nm蒸着する。
[0442]41.PRをパターン化する。
[0443]42.Cr/Auをウェットエッチングする。
[0444]43.AZ 400TでPRを除去する。
【0167】
[0445]封入及びポリマーパターン化
[0446]44.150℃で5分間、脱水する。
[0447]45.SU8−2をスピンコートする(2000rpm、30秒間)。
[0448]46.65℃で1分間、95℃で2分間焼成する。
[0449]47.N
2ガスを吹き付ける。
[0450]48.PI前駆体をスピンコートする(3,000rpm、30秒間)。
[0451]49.無酸素環境において、250℃で60分間、PIを硬化させる。
[0452]50.PR(AZ 4620)をスピンコートする(1000rpm、60秒間)。
[0453]51.PRをパターン化してポリマーをエッチングする。
[0454]52.RIEによって、ポリマーをエッチングする(200mTorr、20sccmのO
2、150Wで20分間)。
[0455]53.アセトン、IPA、及びDI水によりPRを剥離させる。
【0168】
[0456]エラストマ基板上への転写及びケーブル接合
[0457]54.沸騰したアセトンでPMMAを部分的に溶解させる。
[0458]55.水溶性のテープを用いて、ポリマー基部及び封入層を備えたμ−ILEDアレイをSiウェハから解放する。
[0459]56.PI基層の背面にTiを3nm、SiO
2を30nm蒸着する。
[0460]57.エラストマ基板を4分間、UV/オゾン処理する。
[0461]58.ポリマー基部及び封入層を備えたμ−ILEDアレイをエラストマ基板に印刷する。
[0462]59.水溶性のテープをDI水で溶解させる。
[0463]60.高温の鉄を用いて強い圧力で、薄くて柔軟なヒートシール導電性ケーブル(Elform、HST−9805−210)を電子コンポーネントアレイに接合する。
[0464]3D−MIMへの統合により、製造を完了する。
【0169】
[0465]図面の説明
[0466]
図7A及び
図7B:デバイスの機械的解析。
図7A:解析モデル用の長短軸の長さがa及びbの部分非対称楕円の模式図。
図7B:2方向に沿って電子デバイスを有する場合及び有しない場合の3D−MIMの剛性の比較。
【0170】
[0467]
図8A及び
図8B:3D−MIMを適用した鼓動している心臓の安定性。
図8A:心臓上に3D−MIMを有する場合及び有しない場合の大動脈における圧力波形及び鼓動している心臓の準備中の虚血の電気生理学的インジケータの経時比較。虚血の兆候としては、収縮性の指標である圧力波形の低下、ファーフィールド電位図の補正QT間隔の短縮、及びファーフィールド電位図のSTセグメントの上昇が挙げられる。対照心臓の時間的パターンは、3D−MIMが無い時間であっても、鼓動している心臓の準備が不安定であることを示しているが、圧力波形及びST上昇は、3D−MIMが有害な機能であることを示していないようである。3D−MIM群においては、QTcが短くなっているが、これは、さらなる調査も可能な再分極に対する何らかの影響が存在し得ることを示唆するものではない。
図8B:3D−MIM群及び対照群の安定時間の最初と最後の例示的なトレース。
【0171】
[0468]
図9:高精度ECG及びpHマッピング用電極アレイの設計。差し込み図はそれぞれ、金電極、電着IrO
xを有する電極、並びにPI基部及び封入層を備えた相互接続の拡大画像である。
【0172】
[0469]
図10:リン酸緩衝生理食塩水中で測定した代表的な3D−MIM Au電極の電気化学的インピーダンス分光法(EIS)データ。
【0173】
[0470]
図11A、
図11B、及び
図11C:心拍動及び心停止条件下での3D−MIM電気生理学的測定結果の信号品質の比較。心拍動条件(
図11A)及び心停止条件(
図11B)下での表面電位図記録は、QRS及びT波の様々な形態を捕捉している。
図11C:測定結果の信号対雑音比(SNR)の比較。
【0174】
[0471]
図12A、
図12B、及び
図12C:3D−MIMによる再分極pパラメータの空間的マッピングの説明。
図12A:QRS群後の最大−dV/dtから最大dV/dtまでの興奮回復間隔(ARI)を規定するとともに最大dV/dtから80%回復までの80%再分極(APD80)の活動電位持続時間を規定する検証用の対応する光学的トレースを重ね合わせたデバイスからの代表的な電気的トレース。
図12B:電位図による興奮回復間隔と多様な条件による対応する光学的な活動電位持続時間との間の相関。
図12C:電気デバイス及び光学的マッピングによる再分極パラメータの代表的な空間的再構成。
【0175】
[0472]
図13:pHセンサの較正。開回路電位(OCP)(IrO
x電極対Ag/AgCl基準電極)とpH(ガラス電極から取得)値との間の較正は、37℃のタイロード液中において、32チャネル上の68.9±8.6mV/pHの応答を示した。
【0176】
[0473]
図14:温度センサアレイの設計。差し込み図は、温度検知用Au蛇行トレースの拡大図である。
【0177】
[0474]
図15:温度センサの較正。較正は、16個の温度センサを備えた3D−MIMをデジタル循環水槽(Fisher Scientific 15−474−100)中に沈めることにより行う。抵抗は、National Instruments PXI−6289ボードに基づく特注システムによって測定し、温度は、水槽を通して制御及びモニタリングする。各センサに線形フィッティングを適用して、抵抗と温度との間の関係を求める。
【0178】
[0475]
図16の(A)及び(B)は、Si歪みセンサアレイを内蔵したデバイスの画像を示している。
図16の(A):Si歪みセンサアレイの設計及び光学顕微鏡像。差し込み図:ロゼット構成に配置された3つのpドープSi圧電抵抗の光学顕微鏡像。圧電抵抗1及び3の縦軸は<110>結晶方向に対応し、圧電抵抗2の縦軸は<100>方向に対応する。
図16の(B):ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に統合されたSi歪みセンサアレイを備えた3D−MIMの画像。
【0179】
[0476]
図17:Si歪みセンサの引張試験。
図16の(A)に示す3つのSi圧電抵抗のわずかな抵抗変化は、圧電抵抗1の縦軸に平行な方向に印加された1軸引張歪みの関数である。<110>方向に整列した圧電抵抗(1及び3)に関して、計算した有効縦方向ゲージ率は0.33であり、有効横方向ゲージ率は約−0.06である。
【0180】
[0477]
図18:光学的マッピング実験用のμ−ILEDアレイの設計。
【0181】
[0478]
図19A、
図19B、及び
図19C:光学的マッピング実験用のμ−ILEDの特性。I−V特性(
図19A)、発光スペクトル(
図19B)、及び光学的マッピング実験用の3D−MIMに統合された代表的なμ−ILEDの光出力パワー(
図19C)。
【0182】
[0479]
図20:ランゲンドルフ灌流ラビット心臓実験用の3D−MIMを操作する治具。6つのシリコンストラップを3D−MIMに組み込むことによって、デバイスの開口の支持及び制御を可能とした。各ストラップは、独立制御用の特注治具に取り付けている。
【0183】
[0480]
図21:ランゲンドルフ灌流ラビット心臓実験及び光学的マッピング用の実験設定。
【0184】
[0481]
図22:3D形状を形成する積層プロセス。電子デバイスは、心臓の所望の3D印刷モデルに取り付け、センサを表面に直接接触させた後、上部に別のエラストマ層を成型している。
【0185】
実施例2:低エネルギー除細動用のデバイス及び方法
[0482]本発明の生物医学的デバイス及び方法は、マルチパラメータ心臓マッピング及び刺激等の広範な治療及び診断用途に対応している。本実施例では、心臓組織の広い領域とのコンフォーマル界面の確立による本デバイスの低エネルギー除細動及び熱的検知における有効性を実証した実験結果を提供する。
【0186】
[0483]
図23及び
図24は、本発明の3D多機能外皮デバイスの光学像を提供している。
図23は、ラビット心臓と一体化した3D多機能外皮デバイスを示しており、心臓表面の広い領域とのコンフォーマル接触を確立する能力を実証している。この図において、黒色矢印は、フラクタルに基づく設計の除細動電極及び温度センサアレイを示している。除細動電極は、心外膜の電気的治療を与えるものであり、温度センサは、組織反応のフィードバックが可能である。
図24の左側のパネルは、ラビット心臓を完全に包むように3D多機能外皮デバイスが位置決めされ、除細動電極及び温度センサが心臓の前後両面を覆っていることを示した別の図である。
図24の右側のパネルは、電子デバイスの拡大図であって、黒色矢印は、心室の高さを近似したフラクタルに基づく設計の除細動電極及び温度センサアレイを示している。フラクタル電極は、局所的な組織領域に対して心外膜の電気的治療を与える空間充填構造を提供しており、温度センサは、組織反応のフィードバックをモニタリングする抵抗性の構造として構成されている。
【0187】
[0484]
図25は、本デバイス及び方法を用いた心臓組織の多様な低エネルギー除細動手法を示している。
図25は、心臓組織の低エネルギー除細動のための多重ベクトル回転場電気刺激の模式図である。
【0188】
[0485]
図26は、本発明の3D多機能外皮デバイスの除細動電極形状を比較した光学像を提供している。
図26の左側のパネルは、正方形の形状の除細動電極を内蔵したデバイスを示している。
図26の右側のパネルは、充填率が50%〜60%の空間充填構成を与えるフラクタルに基づく形状の除細動電極を内蔵したデバイスを示している。これらの図に示すように、フラクタルに基づく形状の除細動電極は、正方形の形状の電極と比較して、表面積が約15倍大きくなる。
【0189】
[0486]
図27は、金の正方形電極(正方形Au)、金のフラクタルに基づく電極(フラクタルAu)、及び表面に白金をメッキしたフラクタルに基づく電極(フラクタルPt)という3種類の除細動電極の電気化学的インピーダンススペクトルの比較を示した実験結果を提供している。
図27において、インピーダンス(Ω)は、評価対象の3つの除細動電極形状の周波数(Hz)の関数としてプロットしている。白金は、5mM H
2PtCl
6+1.2mM HCl、−0.1V vs Ag/AgClを用いて30分間、金の表面にメッキした(例えば、J.Phys.Chem.C 117,18957(2013)参照)。
【数11】
【0190】
[0487]
図27に示すように、フラクタルに基づく形状の除細動電極のインピーダンスは、正方形電極よりも大幅に小さい。低い周波数においては、白金メッキフラクタル状電極のインピーダンスが金フラクタル状電極よりもさらに小さい。一方、高い周波数においては、フラクタル状電極のインピーダンスが互いに接近している。
図28は、低インピーダンス材料(Pt−Ir、PEDOT:PSS)を被覆したフラクタル状金電極の顕微鏡写真及び対応する電気化学的インピーダンス分光法データを提供している。
図29は、フラクタル状電極の場合の機械的応力対歪みのデータを提供している。
【0191】
[0488]
図30は、ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に印加されている電気ショックを検出するデバイスにより得られた動物実験データを提供している。
【0192】
[0489]
図31は、別のデバイス電極(例えば、隣接又は近傍電極)により熱が印加された場合の1つ又は複数の電極の温度変化を検出するデバイスにより得られた動物実験データを提供している。
【0193】
[0490]本実施例は、切除治療を提供するとともに対象組織の温度を実質的に同時にモニタリングして切除治療に伴う熱的な副作用を検出及び回避する開示の組織装着型デバイスの適用可能性を示している。
【0194】
実施例3:細胞外カリウム及び水素イオン濃度を検出するデバイス及び方法
[0491]本発明の生物医学的デバイス及び方法は、マルチパラメータ心臓マッピング及び刺激等の広範な治療及び診断用途に対応している。本実施例は、イオン選択電極が十分に一体化した3D−MIMデバイスを用いて、心筋虚血における細胞外カリウム及び水素イオン濃度の実時間検出を実証した実験結果を提供している。
【0195】
[0492]細胞外カリウム(すなわち、K
+)及び水素イオン(すなわち、pH)は、心臓の電気活動の変化及び心筋虚血における不整脈の発生の重要な決定因として認識されている。したがって、これらのイオンをその場で定量的にモニタリングするとともに、心臓血管の3D−MIMデバイスへの十分な生物学的統合を与える柔軟性且つ伸縮性のイオン選択電位差感受性センサが開発されている。これらのセンサは、フォトリソグラフィ及び転写技術によって製造されており、心臓組織の表面にセンサを直接装着して虚血事象を実時間でモニタリングするのに用いられていた。
【0196】
[0493]実験方法及び設計
[0494]
図36は、一実施形態に係る、イオン選択電極の作製方法の模式図である。この模式図は、以下の手順の各ステップを示している。
【0197】
[0495]基板の作成
[0496]シリコンウェハを(1)アセトン/イソプロピルアルコール(IPA)/DI水/IPAの化学薬品ごとにブラシの先端で軽く擦りながら洗浄し、(2)N
2を吹き付けて乾かし、(3)UV下に3分間放置した。
【0198】
[0497]不純物(例えば、塵埃及び気泡)を回避しつつ、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA;495K分子量2%希釈アニソール(A2))を3,000rpm(比率1,000rmp/s)で45秒間スピンコートした。PMMA層は、厚さを100nmとして、転写技術の犠牲層に用いる。
【0199】
[0498]ホットプレート上において、PMMA被覆ウェハを180℃で1分間硬化させた。
【0200】
[0499]PMMA層の上に、ポリイミド(PI)を3,000rpm(1,000rmp/s)で45秒間スピンコートした。PI溶液は、粘度が非常に高いため、N
2ガンを用いてウェハ上に一様に広げることが必要となる場合がある。
【0201】
[0500]作成したウェハを110℃で30秒間、150℃で5分間、緩やかに焼成した後、真空下(約1Toll)の250℃で1時間、急激に焼成した(PIオーブンは、クリーンルームのナノ側に配置)。PI層は、1.2μmとした。
【0202】
[0501]電子線蒸着によって、PMMA/PI被覆ウェハにクロム及び金を蒸着した。クロムは0.5Å/sの速度で厚さ50Å、金は1.0Å/sの速度で厚さ2,000Åとした。
【0203】
[0502]金属線パターン化
[0503]ウェハをアセトン/イソプロピルアルコール(IPA)/DI水/IPAで洗浄し、N
2を吹き付けて乾かした。
【0204】
[0504]フォトレジスト(PR)AZ 5214を3,000rpm(1,000rpm/s)で30秒間、基板にスピンコートし、110℃で1分間、緩やかに焼成した。
【0205】
[0505]金属線マスクを位置合わせし、UVに12秒間(10.0mJ/cm
2)曝露した。PRを917 MIF現像剤中で現像した後、光学顕微鏡で確認した。
【0206】
[0506]金を金エッチャントでエッチングし(約45秒間)、光学顕微鏡で状態を確認した。
【0207】
[0507]クロムをクロムエッチャントで12秒間エッチングした(この手順では揺らさない)。
【0208】
[0508]PRをアセトンで洗浄して除去した。スワイプで軽くブラッシングすると、より良い結果が得られる可能性がある。ウェハをIPAで洗浄し、N
2を吹き付けて乾かした。
【0209】
[0509]PI封入
[0510]パターン化した金の上に、ポリイミド(PI)を4,000rpm(1,000rpm/s)で60秒間スピンコートした。ここでも、PI溶液は、粘度が非常に高いため、N
2ガンを用いてウェハ上に一様に広げることが必要となる場合がある。
【0210】
[0511]作成したウェハを150℃で5分間、緩やかに焼成した後、真空下(約1Toll)の250℃で1時間、急激に焼成した。
【0211】
[0512]蛇行パターン化及び電極部ビアホール
[0513]フォトレジスト(PR)AZ 4620を3,000rpm(1,000rpm/s)で30秒間、基板にスピンコートした。サンプルを110℃で3分間アニーリングした。PRは、スピンコート前に室温まで暖めることとした。
【0212】
[0514]「蛇行」マスクを位置合わせし、UVに30秒間曝露した。PRを1:2=AZ 400K:水溶液で現像し、光学顕微鏡で現像度を確認した。
【0213】
[0515]マーチ反応性イオンエッチング(RIE)により、PIを蛇行構造としてパターン化した。マーチRIEのパラメータは、(1)圧力200Torr、(2)パワー150W)、(3)時間600秒(必要に応じて300秒追加)、(4)ガスO
2 20sccmに設定した。
【0214】
[0516]ステップごとに光学顕微鏡で確認することを強く推奨する。
【0215】
[0517]転写
[0518]PMMA(495 A2)を2,000rpm(1,000rpm/s)で30秒間、ガラススライドにスピンコートし、180℃で1分間、アニーリングした。
【0216】
[0519]Ecoflex Aを1:1の比でEcoflex Bに注ぎ込み、撹拌した。Ecoflex混合物を200rpmで60秒間、PMMA/ガラススライドにスピンコートした。作成したEcoflex基板を室温で5分間硬化させ、さらに75℃で30分間固化させた。
【0217】
[0520]ガラススライドとテックワイプとの間に保持した沸騰アセトン(90℃)に15分間浸すことにより、製造したデバイスを解放した。
【0218】
[0521]デバイスを15分間で完全に乾燥させ、細心の注意を払ってテックワイプを除去した。水溶性のテープでデバイスを覆い、完全にアイロンがけした。
【0219】
[0522]水溶性のテープの粘着面でデバイスを素早く取り上げた後、電子線蒸着器によって、テープの粘着面及びデバイスにCr(又は、Ti)/SiO
2を蒸着した。クロム(又は、チタン)は0.5Å/sの速度で厚さ50Å、SiO
2は1.0Å/sの速度で厚さ500Åとした。
【0220】
[0523]Ecoflex基板を3分間UV処理した。そして、転写したデバイスをEcoflex基板上に載置した。これらのデバイスをID水に一晩浸して、水溶性のテープを除去した。
【0221】
[0524]湿ったテックワイプで水溶性の残留物を非常に軽く除去した。
【0222】
[0525]電気的接続を確保したマルチメータによって、PIと絶縁していないコンタクト金属の試験を行った。
【0223】
[0526]ACFケーブルの接合
[0527]ACFケーブルを切断して、パッド領域上に載置した。
【0224】
[0528]PDMSブロック及びガラススライドを間に置いて、ACFケーブルをストレートナーで接合した。接合領域の全4つの方向を強い圧力で40秒間、ストレートナーにより保持するものとした。
【0225】
[0529]ACFケーブルの縁部をPDMS又はエポキシで固定した。
【0226】
[0530]銀作動電極のメッキ
[0531]1重量%のジシアノ銀酸カリウム(aq)を撹拌しつつ、製造した電極を浸漬した。
【0227】
[0532]電極電位を−1V vs Ag/AgClで15分間印加した。
【0228】
[0533]メッキ電荷は、約0.1C/電極(1×1mm
2)とした。
【0229】
[0534]銀電極を0.1MのFeCl
3(aq)に5分間浸して、塩化銀に変換した。
【0230】
[0535]カリウムイオン選択膜
[0536]4%(w/v)の光開始剤(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)を含む2−メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)モノマーの層をAg/AgCl電極部上に成型し、365nmのUV光に3分間露光して電極領域に重合した。
【0231】
[0537]HEMAモノマーをメタノールで洗浄して除去し、電極部上にヒドロゲルを残した。ポリHEMAで被覆した電極は、まず0.1MのKClに30分超浸して、大気条件で乾燥させる。
【0232】
[0538]蒸留水による簡単な洗浄及び表面の軽いブロッティングの後、ドロップキャストによりイオン選択膜混合物を適用した。イオン選択膜には、(1)1.00重量%のカリウムイオノフォアI(すなわち、バリノマイシン)、(2)65.50重量%のビス(2−エチルヘキシル)セバシン酸塩(DOS)、(3)0.50重量%のカリウムテトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸塩、及び(4)33.00重量%の高分子量ポリ(塩化ビニル)(PVC)を含む。膜溶液混合物は、240mgの膜化合物を1mLのテトラヒドロフラン(THF)に溶解して作成する。この膜溶液をポリHEMA上に成型し、大気にて乾燥させた。製造したイオン選択電極を0.1MのNaCl溶液にて使用するまで保管した。
【0233】
[0539]電気化学的評価
[0540]過去に公開されているpHセンサ実験のように、センサの性能を評価した。ISE電極と個別に接続した8チャネル定電位電解装置を用いて、開回路電位を実時間でモニタリングした。
【0234】
[0541]既知の量の検体イオンをDI水又は生理学的溶液(すなわち、タイロード液)に添加することにより、センサを較正した。
【0235】
[0542]概要として、イオン選択電極(ISE)のアレイを細胞外カリウム及び水素イオン濃度の検出に利用した。ポリ(イミド)(PI)で封入した8つの極薄金電極(それぞれ1×1mm
2)をフォトリソグラフィ技術によってシリコンウェハ上に製造し、伸張、屈曲、及び捩じりによって生物力学的適合性を提供可能なエラストマ基板(例えば、Ecoflex(登録商標))に転写した。
【0236】
[0543]各イオン選択電極は、ポリ(メタクリル酸ヒドロキシエチル)(pHEMA)(すなわち、ヒドロゲル)を被覆した後、中性担体であるイオノフォアを埋め込んだイオン選択ポリマー膜を被覆した銀/塩化銀(Ag/AgCl)基準電極を備えていた。Ag/AgCl電極は、1%の塩化鉄(aq)水溶液に銀電極を浸すことにより、電気的に生成した。pHEMA膜は、365nmのUV下で3分間、4重量%の光開始剤(すなわち、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)を含む2−メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)モノマーと光合成した。イオン選択ポリ(塩化ビニル)(PVC)膜による改質の前に、この膜を0.1MのKCl溶液に浸した。イオン選択膜は、イオノフォア(カリウム及び水素イオン選択電極それぞれのバリノマイシン及びトリデシラミン)、可逆剤としてのビス(2−エチルヘキシル)セバシン酸塩(DOS)、脂溶性添加剤としてのカリウムテトラキス(4−クロロフェニル)ホウ酸塩、及び膜マトリクスとしての高分子量ポリ(塩化ビニル)(PVC)を含む。このイオン選択膜をセンサにドロップキャストして、大気条件下で乾燥させた。イオン強度調整液中でイオン選択膜を調整した後、標準的な添加方法に基づいて、DI水及び生理学的緩衝液の両者においてISEを較正した。
【0237】
[0544]また、感度、線形応答範囲、応答時間、及び選択性について、センサの性能を解析的に決定した。膜の境界平衡のため、センサの応答は主に、ネルンストの式に対応するイオン活性の関数として、膜電位の変化(2相境界電位及び膜内の拡散電位の合計)によって決まる。製造したISEは、通常の干渉イオン種に対する高い選択信頼性を有するネルンスト応答(理論的感度が59.2mV/log[検体イオン])に準じていた。
【0238】
[0545]実験結果
[0546]ECG及び酸素レベルモニタリングとともに、3D−MIMデバイス内のISEを用いてカリウム及び水素イオン濃度の時空間変化を決定することにより、生体外ラビット心臓の局所的及び全体的な虚血事象を評価した。虚血事象を引き起こす心筋灌流の中断後、5〜20mMの範囲で細胞外K
+の累積増分を観測し、pO
2の減少によって確認した。局所的及び全体的な虚血を誘発しつつ、カリウムイオン濃度の実時間変化を観測した。
【0239】
[0547]
図32は、DI水中のカリウムイオン選択電極(ISE)の開回路電圧(OCV)対時間を示している。OCVは、58mV/log[K
+]という理想的な応答及びNa
+に対する高い選択性を示していた。
【0240】
[0548]
図33は、生体(タイロード)液中のカリウムイオン選択電極(ISE)の開回路電圧(OCV)を示している。OCVは、42mV/log[K
+]という線形応答及びタイロードに対する安定した電圧を示していた。
【0241】
[0549]
図34は、ランゲンドルフ灌流ラビット心臓にデバイスを適用して、局所的及び全体的な虚血を誘発しつつ左心室及び右心室内の電圧をモニタリングした結果を示している。細胞外カリウムイオン濃度は、一連の心筋虚血中にモニタリングする。開回路電位の上昇は、カリウムイオン濃度の5から20mMへの変化を表している。これらの結果は、4つの電極のうちの1つによる各心室のモニタリングを表している。局所的な左側虚血が誘発された後の再灌流、全体的虚血の後の再灌流、そして、局所的な左側虚血が誘発された後の再灌流となっていた。両心室とも、第2の局所的虚血の影響を受けていた。
【0242】
[0550]
図35は、カリウムイオン濃度を測定するランゲンドルフ灌流ラビット心臓に適用されたデバイスの電気化学的結果(左)及び画像(右)を示している。ランゲンドルフ灌流ラビット心臓に装着した個々のイオン選択電極(ISE)について、心筋虚血時のカリウムレベルの変化をモニタリングした。グラフ上の色は、写真上の代表的な電極の色と同じである。酸素レベルをモニタリングすることによって、虚血事象を確認した。カリウムイオン濃度は、妥当な範囲(5〜20mM)内で徐々に上昇した。
図34に関して記載した虚血/再灌流の手順全体にわたって、色付きのボックスをマークした4つのISEで細胞外カリウムイオン濃度を測定した。第2の左側虚血が全体的虚血を誘発していた。また、右側の電極(青色、赤色)は、左側の電極(緑色、桃色)よりも変化が大きかった。
【0243】
[参考文献]
[0551] Ahn, J.H. et al. Heterogeneousthree-dimensional electronics by use of printed semiconductor nanomaterials. Science 314, 1754-1757 (2006).
[0552] Buck, R. P.; Cosofret, V. V.; Lindner, E.; Ufer, S.;Mudaras, M. B.; Johnson, T. A.; Ash, R. B.; Neumun, M. R., Microfabricationtechnology of flexible membrane based sensors for in vivo applications. Electroanalysis1995, 7 (9), 846-851.
[0553] Burk etal. Electrodeposition of Pt Nanoparticle Catalysts from H
2Pt(OH)
6and Their Application in PEM Fuel Cells. J. Phys. Chem. C 117, 18957 (2013).
[0554] Buhlmann, P. and Chen L.D. Ion-Selective Electrodes WithIonophore-Doped Sensing Membranes. Supramolecular Chemistry. Eds.Gale, P.A. and Steed, J.W. John Wiley and Sons, Ltd. 2012. ISBN:978-0-470-74640-0
[0555] Chan, K.W. Y. et al. MRI-detectable pH nanosensors incorporated into hydrogels for invivo sensing of transplanted-cell viability. Nat. Mater. 12, 268-275 (2013).
[0556] Chung,H.-J. et al. Stretchable, multiplexed pH sensors with demonstrations on rabbitand human hearts undergoing ischemia. Adv. Healthc. Mater., 3(1), 59-68 (2014),doi: 10.1002/adhm.201300124.
[0557] DassaultSystemes Abaqus analysis user's manual v.6.10. (Dassault Systemes SimuliaCorp., Rhode Island, 2010).
[0558] deVries,G., Hamilton, D. R., Ter Keurs, H. E. D. J., Beyar, R. & Tyberg, J. V. Anovel technique for measurement of pericardial pressure. Am. J. Physiol. Heart.Circ. Physiol. 280, H2815-H2822 (2001).
[0559] D'hooge,J. et al. Regional strain and strain rate measurements by cardiac ultrasound: Principles, implementation and limitations. Eur. J.Echocardiogr. 1, 154-170 (2000).
[0560] Efimov,I. R., Nikolski, V. P. & Salama, G. Optical imaging of the heart. Circ.Res. 95, 21-33 (2004).
[0561] Farid, T.A. et al. Role of K-atp channels in the maintenance of ventricular fibrillationin cardiomyopathic human hearts. Circ. Res. 109, 1309-U1301 (2011).
[0562] Faris, O.P. et al. Novel technique for cardiac electromechanical mapping with magneticresonance imaging tagging and an epicardial electrode sock. Ann. Biomed. Eng.31, 430-440 (2003).
[0563] Gutbrod, S.R. et al. Patient-specific flexible andstretchable devices for cardiac diagnostics and therapy. Progress in Biophysicsand Molecular Biology (2014).
[0564] Hancock,E. W. Subacute effusive-constrictive pericarditis. Circulation 43, 183-192 (1971).
[0565] Harrison,L. et al. The sock electrode array - a tool for determining global epicardialactivation during unstable arrhythmias. Pacing Clin. Electrophysiol. 3, 531-540(1980).
[0566] Holt, J.P., Rhode, E. A. & Kines, H. Pericardial and ventricular pressure. Circ.Res. 8, 1171-1181 (1960).
[0567] Janardhan,A. H. et al. Multistage Electrotherapy Delivered ThroughChronically-Implanted Leads Terminates Atrial Fibrillation With Lower EnergyThan a Single Biphasic Shock. J. Am. Coll. Cardiol, 63(1), 40-48 (2014).
[0568] Kim, D.H. et al. Electronic sensor and actuator webs for large-area complex geometrycardiac mapping and therapy. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 109, 19910-19915(2012).
[0569] Kim, H. S. et al. Unusual strategies for using indiumgallium nitride grown on silicon (111) for solid-state lighting. Proc. Natl.Acad. Sci. USA 108, 10072-10077 (2011).
[0570] Kim, R.H. et al. Waterproof AlInGaP optoelectronics on stretchable substrates withapplications in biomedicine and robotics. Nat. Mater. 9, 929-937 (2010).
[0571] Kim, R.H. et al. Flexible vertical light emitting diodes. Small 8, 3123-3128 (2012).
[0572] Lou, Q.,Li, W. W. & Efimov, I. R. The role of dynamic instability and wavelength inarrhythmia maintenance as revealed by panoramic imaging with blebbistatin vs.2,3-butanedione monoxime. Am. J. Physiol. Heart. Circ. Physiol. 302, H262-H269(2012).
[0573] Laughner,J. I., Ng, F. S., Sulkin, M. S., Arthur, R. M. & Efimov, I. R. Processingand analysis of cardiac optical mapping data obtained with potentiometric dyes.Am. J. Physiol. Heart. Circ. Physiol. 303, H753-H765 (2012).
[0574] Moore, C.C., Lugo-Olivieri, C. H., McVeigh, E. R. & Zerhouni, E. A.Three-dimensional systolic strain patterns in the normal human left ventricle:Characterization with tagged MR imaging. Radiology 214, 453-466 (2000).
[0575] Neely, J.R., Lieberme.H, Battersb.Ej & Morgan, H. E. Effect of pressure developmenton oxygen consumption by isolated rat heart. Am. J. Physiol. 212, 804-814(1967).
[0576] Rieke, V.& Pauly, K. B. MR thermometry. J. Magn. Reson. Imaging 27, 376-390 (2008).
[0577] Shabetai,R. Pericardial effusion: Haemodynamic spectrum. Heart 90, 255-256 (2004).
[0578] Smiseth,O. A., Frais, M. A., Kingma, I., Smith, E. R. & Tyberg, J. V. Assessment ofpericardial constraint in dogs. Circulation 71, 158-164 (1985).
[0579] Timoshenko,S., Woinowsky-Krieger, S., Theory of Plates and Shells. (McGraw-Hill,Kogakusha, 1959).
[0580] Tyberg,J. V. et al. The relationship between pericardial pressure and right atrialpressure - an intraoperative study. Circulation 73, 428-432 (1986).
[0581] Webb, R.C. et al. Ultrathin conformal devices for precise and continuous thermalcharacterization of human skin. Nat. Mater. 12, 938-944 (2013).
[0582] Worley,S. J. et al. A new sock electrode for recording epicardial activation from thehuman heart - one size fits all. PacingClin. Electrophysiol. 10, 21-31 (1987).
【0244】
[援用及び変形形態に関する記載]
[0583]例えば発行若しくは付与された特許若しくは同等物を含む特許文献、特許出願公開、及び非特許文献又は他の原資料等、本願全体に引用するすべての参考文献は、各参考文献が本願の開示内容と少なくとも部分的に矛盾しない範囲で、個別援用の如く、そのすべてを本明細書に援用する(例えば、部分的に矛盾する参考文献は、その部分的に矛盾する部分を除いて援用する)。
【0245】
[0584]本明細書に採用した用語及び表現は、説明の用語として使用しており、何ら制限を与えるものではない。また、このような用語及び表現の使用によって、図示及び記載した特徴又はその一部の如何なる均等物も除外することを意図しておらず、特許請求の範囲に係る本発明の範囲内で種々改良が可能であることが認識される。したがって、好適な実施形態、例示的な実施形態、及び任意選択としての特徴により本発明を具体的に開示したものの、当業者であれば、本明細書に開示の概念を改良及び変形可能であり、このような改良及び変形についても、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内にあるものと考え得ることが了解されるものとする。本明細書に提供の具体的な実施形態は、本発明の有用な実施形態の例であり、当業者には、本明細書に記載のデバイス、デバイスコンポーネント、及び方法ステップの多くの変形例を用いて本発明を実行可能であることが明らかとなるであろう。当業者には明らかとなろうが、方法及び当該方法に有用なデバイスは、任意選択としての多くの構成及び処理要素並びにステップを含むことができる。
【0246】
[0585]本明細書において、置換基群を開示している場合は、当該群要素の任意の異性体、鏡像体、及びジアステレオマーを含めて、当該群及びすべての下位群のすべての個別要素を別個に開示していることが了解される。本明細書において、マーカッシュ群等の分類を用いている場合は、当該群のすべての個別要素及び当該群に可能なすべての組み合わせ及び副組み合わせが本開示に個別に含まれることを意図している。本明細書において、例えば化学式又は化学名にて、特定の異性体、鏡像体、又はジアステレオマーが指定されずに化合物が記載されている場合、その記載は、個別又は任意の組み合わせで記載の当該化合物の各異性体及び鏡像体を含むことを意図している。また、特別の定めのない限り、本明細書に開示の化合物のすべての同位体異形は、本開示に包含されるものである。例えば、開示の分子中の1つ又は複数の任意の水素は、重水素又は三重水素で置換可能であることが了解されよう。分子の同位体異形は一般的に、当該分子の分析及び当該分子又はその使用に関する化学的及び生物学的研究における基準として有用である。このような同位体異形を作製する方法は、当技術分野において既知である。化合物の具体名は、例示的なものである。当業者であれば、同じ化合物に別の名称を付与可能であることが知られているためである。
【0247】
[0586]本明細書に開示の分子の多くは、1つ又は複数のイオン化基[プロトンを除去可能な基(例えば、−COOH)若しくは追加可能な基(例えば、アミン)、又は四級化可能な基(例えば、アミン)]を含む。このような分子及びその塩の考え得るすべてのイオン型は、本開示に個別に含まれるものである。本明細書における化合物の塩に関して、当業者は、所与の用途において本発明の塩の作製に適した多種多様の利用可能なイオン対の中から選択可能である。具体的な用途において、塩を作成するための所与のアニオン又はカチオンの選択によって、当該塩の溶解度が上昇又は低下する場合がある。
【0248】
[0587]特に指定のない限り、本明細書に記載又は例示のコンポーネントのあらゆる構成又は組み合わせを用いて、本発明を実施することができる。
【0249】
[0588]本明細書及び添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上の別段の明確な指示がない限り、複数形も含むことに留意する必要がある。したがって、例えば、「a cell」と言及している場合は、複数のこのような細胞(cell)及び当業者が把握しているその均等物等を含む。同様に、本明細書においては、用語「a」(又は、「an」)、「1つ又は複数の(one or more)」、及び「少なくとも1つの(at least one)」を区別なく使用可能である。また、用語「備える(comprising)」、「具備する(including)」、及び「有する(having)」についても区別なく使用可能である。表現「請求項XX〜YYのいずれか一項に記載の(of any of claims XX−YY)」(XX及びYYは、請求項番号を表す)は、選択方式の多項従属請求項を提供することを意図しており、いくつかの実施形態においては、表現「as in any one of claims XX−YY」に置き換え可能である。
【0250】
[0589]例えば温度の範囲、時間の範囲、組成の範囲、又は濃度の範囲等、本明細書において範囲を与えている場合はいつでも、すべての中間範囲及び部分的範囲のほか、与えられた範囲に含まれるすべての個別値が本開示に含まれることを意図している。本明細書の記述に含まれるある範囲又は部分的範囲の任意の部分的範囲又は個別値は、特許請求の範囲から除外可能であることが了解されよう。
【0251】
[0590]本明細書に記載のすべての特許及び刊行物は、本発明が関係する当業者の熟練度を示す。本明細書に引用の参考文献は、そのすべてを本明細書に援用することによって、それぞれの公開日又は出願日の時点での最新技術を示しており、また、この情報は、必要に応じて本明細書に採用することにより、従来技術における具体的な実施形態を除外することができるものである。例えば、組成物を請求している場合、本明細書に引用の参考文献に実施可能な開示が提供された化合物を含めて、本出願人の発明に先立つ技術において既知且つ利用可能な化合物は、特許請求の範囲に係る組成物に含まれるものではないことが了解されるものとする。
【0252】
[0591]本明細書において、「備える(comprising)」は、「具備する(including)」、「含む(containing)」、又は「特徴とする(characterized by)」と同義であり、包含的すなわちオープンエンドであるため、付加的な列挙されていない要素又は方法ステップを除外しない。本明細書において、「から成る(consisting of)」は、特許請求の範囲の要素に指定されていない如何なる要素、ステップ、又は成分も除外する。本明細書において、「から本質的になる(consisting essentially of)」は、特許請求の範囲の基本的且つ新規な特性に対して実質的な影響を及ぼさない材料又はステップを除外しない。本明細書の如何なる場合も、用語「備える(comprising)」、「から本質的になる(consisting essentially of)」、及び「から成る(consisting of)」はそれぞれ、その他2つの用語のいずれかと置き換え可能である。本明細書において説明的に記載した本発明は、本明細書に具体的に開示されていない如何なる(1つ又は複数の)要素、限定がなくても、適切に実施可能である。
【0253】
[0592]当業者には当然のことながら、具体的に例示されていない出発物質、生物材料、試薬、合成方法、精製方法、分析方法、検査方法、及び生物学的方法は、必要以上の実験を行うことなく本発明の実施に採用可能である。このような任意の材料及び方法に関して当技術分野で既知のすべての機能的均等物は、本発明に含まれるものである。以上に採用した用語及び表現は、説明の用語として使用しており、何ら制限を与えるものではない。また、このような用語及び表現の使用によって、図示及び記載した特徴又はその一部の如何なる均等物も除外することを意図しておらず、特許請求の範囲に係る本発明の範囲内で種々改良が可能であることが認識される。したがって、任意選択としての特徴及び好適な実施形態により本発明を具体的に開示したものの、当業者であれば、本明細書に開示の概念を改良及び変形可能であり、このような改良及び変形についても、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内にあるものと考え得ることが了解されるものとする。
【0254】
[0593]参考文献は概して、電子デバイスを作製する製造方法、構造、及びシステムに関連しており、本願の開示内容と矛盾しない範囲で本明細書に援用する。
【0255】
【表1】