特許第6561364号(P6561364)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 理研興業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6561364
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】ワイヤロープ用回転移動体
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/12 20060101AFI20190808BHJP
   B66B 5/02 20060101ALI20190808BHJP
   D07B 7/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   B66B7/12 Z
   B66B5/02 C
   D07B7/00
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-193186(P2018-193186)
(22)【出願日】2018年10月12日
【審査請求日】2019年4月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】501095473
【氏名又は名称】理研興業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100195006
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 勇蔵
(72)【発明者】
【氏名】柴尾 幸弘
【審査官】 大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−034916(JP,A)
【文献】 特開2018−080018(JP,A)
【文献】 特開2017−039559(JP,A)
【文献】 特開2018−197141(JP,A)
【文献】 特開2009−263101(JP,A)
【文献】 特表2009−514519(JP,A)
【文献】 実公昭60−006478(JP,Y2)
【文献】 実開平6−073071(JP,U)
【文献】 国際公開第2015/126358(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 5/00 − 7/12
D07B 7/00 − 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本のストランドを撚り合わせたワイヤロープが内部を貫通する回転部と、
前記回転部に設けられ、前記ワイヤロープの外形の一部に係合する、少なくとも2つのロープ係合部とを備え、
前記少なくとも2つのロープ係合部は、前記ワイヤロープの延長方向に所定の間隔をおいて配置され、
前記複数本のストランドの各々が、前記少なくとも2つのロープ係合部のうちのいずれかに接触した状態で、前記回転部は、前記ワイヤロープの延長方向に沿って移動するとともに、前記ストランドの捻れに沿って回転する、ワイヤロープ用回転移動体。
【請求項2】
前記ロープ係合部は、前記ワイヤロープが貫通するロープ貫通孔が形成される回転プレートを有し、
前記ロープ貫通孔には、少なくとも1つのロープ係合凹部が形成され、
前記ロープ係合凹部は、前記ワイヤロープの前記複数本のストランドのうち、互いに隣り合ういずれか2本の前記ストランドに係合する、
請求項1に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【請求項3】
前記回転プレートの前記ロープ貫通孔には、2つの前記ロープ係合凹部が形成される、
請求項2に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【請求項4】
前記ロープ係合部は、前記回転部の内側に突出するロープ係合突起部を有し、
前記ロープ係合突起部は、前記ワイヤロープの前記複数本のストランドのうち、互いに隣り合ういずれか2本の前記ストランドの間の溝に係合する、
請求項1に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【請求項5】
前記回転部の内側には、前記ワイヤロープの前記ストランドに面接触するストランド接触部が設けられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【請求項6】
前記回転部には、前記ワイヤロープの前記ストランドに接触し、前記ワイヤロープの表面形状の変化を検知する触針センサが設けられる、請求項1〜5のいずれか一項に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【請求項7】
前記回転部は、前記ワイヤロープの延長方向に沿って配置され、互いに相対的に回転可能な少なくとも2つの筒状のケース部を有し、
各々の前記ケース部の内側には、前記ロープ係合部が設けられる、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【請求項8】
前記ロープ係合部は、弾性体によって形成される、請求項1〜7のいずれ一項に記載のワイヤロープ用回転移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ワイヤロープに使用されるワイヤロープ用回転移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図2及び特許文献2の図2に記載されるように、ワイヤロープに取り付けられる従来のワイヤロープ用回転移動体には、筒形状の部材の内周面にワイヤロープの形状に沿った螺旋形状部が形成されている。このようなワイヤロープ用回転移動体は、ワイヤロープに沿って回転しながら移動する。これによって、ワイヤロープを清掃したり、ワイヤロープのストランドに発生したキンク等の変形の有無の点検を行ったりすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−194386号公報
【特許文献2】特開2013−249153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1及び2に記載されるワイヤロープ用の回転移動体では、筒形状の部材の内周面の全面に、ストランドの捻れに沿った螺旋形状部を形成しなければないため、加工に手間がかかり、製造コストが高くなってしまうという問題があった。また、ワイヤロープ用回転移動体に使用される筒形状の単一部材を金属で作成する場合、ワイヤロープ用回転移動体の重量が重くなってしまうという問題もあった。
【0005】
また、ワイヤロープの変形の有無を点検するために、探傷装置を用いてワイヤロープの漏洩磁束を測定する方法もあるが、探傷装置は高価であるため、ワイヤロープの点検作業にかかるコストが高くなってしまうという問題もあった。
【0006】
この発明は、このような問題を解決するためになされ、加工の手間を削減するとともに、軽量化を達成することができ、低コストでワイヤロープの点検作業を行うことができるワイヤロープ用回転移動体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明に係るワイヤロープ用回転移動体は、複数本のストランドを撚り合わせたワイヤロープが内部を貫通する回転部と、回転部に設けられ、ワイヤロープの外形の一部に係合する、少なくとも2つのロープ係合部とを備え、少なくとも2つのロープ係合部は、ワイヤロープの延長方向に所定の間隔をおいて配置され、複数本のストランドの各々が、少なくとも2つのロープ係合部のうちのいずれかに接触した状態で、回転部は、ワイヤロープの延長方向に沿って移動するとともに、ストランドの捻れに沿って回転する。
【0008】
また、この発明に係るワイヤロープ用回転移動体のロープ係合部は、ワイヤロープが貫通するロープ貫通孔が形成される回転プレートを有し、ロープ貫通孔には、少なくとも1つのロープ係合凹部が形成され、ロープ係合凹部は、ワイヤロープの複数本のストランドのうち、互いに隣り合ういずれか2本のストランドに係合してもよい。
【0009】
さらに、回転プレートのロープ貫通孔には、2つのロープ係合凹部が形成されてもよい。
【0010】
また、ロープ係合部は、回転部の内側に突出するロープ係合突起部を有し、ロープ係合突起部は、ワイヤロープの複数本のストランドのうち、互いに隣り合ういずれか2本のストランドの間の溝に係合してもよい。
【0011】
またさらに、回転部の内側には、ワイヤロープのストランドに面接触するストランド接触部が設けられてもよい。
【0012】
また、回転部には、ワイヤロープのストランドに接触し、ワイヤロープの表面形状の変化を検知する触針センサが設けられてもよい。
【0013】
さらに、回転部は、ワイヤロープの延長方向に沿って配置され、互いに相対的に回転可能な少なくとも2つの筒状のケース部を有し、各々のケース部の内側には、ロープ係合部が設けられてもよい。
【0014】
また、ロープ係合部は、弾性体によって形成されてもよい。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係るワイヤロープ用回転移動体によれば、加工の手間を削減するとともに、軽量化を達成することができ、低コストでワイヤロープの点検作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態1に係るワイヤロープ用回転移動体の斜視図である。
図2図1に示すワイヤロープ用回転移動体の分解斜視図である。
図3図1に示すワイヤロープ用回転移動体の回転プレートとワイヤロープとの関係を模式的に示す斜視図である。
図4図1に示すワイヤロープ用回転移動体の回転プレートとワイヤロープとの関係を模式的示す平面図である。
図5図5(a)は、図1に示すワイヤロープ用回転移動体の第一回転プレートとワイヤロープとの関係を模式的に示す側面図であり、図5(b)は、図1に示すワイヤロープ用回転移動体の第二回転プレートとワイヤロープとの関係を模式的に示す側面図である。
図6】この発明の実施の形態2に係るワイヤロープ用回転移動体の斜視図である。
図7図6に示すワイヤロープ用回転移動体の内部構造を示す一部切欠き斜視断面図である。
図8図6に示すワイヤロープ用回転移動体のケース部を構成する第一ケース部の内側の構造を示す斜視図である。
図9】この発明の実施の形態3に係るワイヤロープ用回転移動体の内部構造を示す斜視断面図である。
図10図9に示すワイヤロープ用回転移動体の内部構造を示す斜視図である。
図11図9に示すワイヤロープ用回転移動体のケース部を構成する第一ケース部の内側の構造を示す斜視図である。
図12図9に示すワイヤロープ用回転移動体のロープ係合突起部とワイヤロープとの関係を示す斜視図である。
図13】この発明の実施の形態4に係るワイヤロープ用回転移動体の内部構造を示す斜視図である。
図14図13に示すワイヤロープ用回転移動体のケース部の内側の構造を示す斜視図である。
図15図13に示すワイヤロープ用回転移動体のロープ係合突起部及びストランド接触部とワイヤロープとの関係を示す斜視図である。
図16】この発明の実施の形態5に係るワイヤロープ用回転移動体の斜視図である。
図17図16に示すワイヤロープ用回転移動体の内部構造を示す一部切欠き斜視断面図である。
図18図16に示すワイヤロープ用回転移動体のケース部の内側の構造を示す斜視図である。
図19図16に示すワイヤロープ用回転移動体の触針センサとワイヤロープとの関係を示す斜視図である。
図20】この発明の実施の形態6に係るワイヤロープ用回転移動体の内部構造を示す斜視断面図である。
図21図20に示すワイヤロープ用回転移動体の内部構造を模式的に示す斜視図である。
図22図20に示すワイヤロープ用回転移動体の一部を拡大した斜視断面図である。
図23図20に示すワイヤロープ用回転移動体の回転部とワイヤロープとの関係を示す一部切欠き斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に示すように、ワイヤロープ1に取り付けられるワイヤロープ用回転移動体100は、ワイヤロープ1が内部を貫通する回転部2と、回転部2の上端に取り付けられた接続部15と、接続部15を介して回転部2に連結する4本の棒状の引張部16とを備える。回転部2は、ワイヤロープ1を中心に回転可能である。なお、回転部2の回転中心を回転軸Xとする。
【0018】
回転部2は、略直方体形状の筒状のケース部10を有する。回転部2のケース部10の内部には、ワイヤロープ1が貫通している。回転部2のケース部10は、回転軸Xの方向に沿って第一ケース部10aと第二ケース部10bとに二分割される。
【0019】
また、図2に示すように、回転部2のケース部10の内部には、ワイヤロープ1の延長方向に沿って、4枚の回転プレート11,12,13,14が設けられている。4枚の回転プレート11,12,13,14は、回転部2のケース部10の内側に固定されており、ケース部10と一体的に回転する。なお、回転プレート11,12,13,14も、各々、回転部2の回転軸Xの方向に沿って二分割される。二分割される回転プレート11,12,13,14の一方の第一回転プレート11a,12a,13a,14aは、第一ケース部10aの内側に固定され、他方の第二回転プレート11b,12b,13b,14bは、第二ケース部10bの内側に固定される。
なお、回転プレート11,12,13,14は、ロープ係合部を構成する。また、回転プレート11,12,13,14は、鋼材、炭素繊維、樹脂等の弾性体によって形成される。
【0020】
また、ケース部10の上端に取り付けられる取付部17は、回転部2の回転軸Xの方向に沿って、第一取付部17aと第二取付部17bとに分割される。第一取付部17aは、第一ケース部10aの上端に固定されており、第二取付部17bは、第二ケース部10bの上端に固定されている。図2に示すように、半円形状に湾曲した第一取付部17aの一方の端面には、凸部171が形成され、他方の端面には、凹部172が形成される。また、同様に、半円形状に湾曲した第二取付部17bの一方の端面にも、凸部171と同様の形状の凸部(図示せず)が形成され、他方の端面にも、凹部172と同様の形状の凹部(図示せず)が形成される。そして、第一取付部17aの凸部171が第二取付部17bの凹部に嵌合し、第二取付部17bの凸部が第一取付部17aの凹部172に嵌合することにより、第一取付部17aと第二取付部17bとは互いに接合されて、1つの取付部17を構成する。また、取付部17の内周面には、略円環形状の係合溝173が形成されている。
【0021】
さらに、図1及び2に示すように、取付部17には、接続部15が取付られている。図2に示すように、接続部15は、円筒形状部151と、円筒形状部151の上端に設けられるフランジ部152とを有する。また、円筒形状部151の外周面には、略円環形状の係合突出部153が形成される。接続部15の円筒形状部151は、取付部17の内側に嵌合するとともに、接続部15の円筒形状部151の係合突出部153は、取付部17の係合溝173に嵌合する。なお、取付部17と接続部15との間には、ベアリング又はクランプ(図示せず)が設けられている。これにより、接続部15は、取付部17に対して相対的に回転可能に取り付けられる。また、接続部15は、回転部2の回転軸Xの方向に沿って、第一接続部15aと第二接続部15bとに分割される。第一接続部15a及び第二接続部15bの各々のフランジ部152には、引張部16の端部が2つずつ取り付けられている。
【0022】
次に、図3〜5を参照して、回転プレート11,12,13,14の詳細な構造について説明する。
図3及び4に示すように、ワイヤロープ1は、8本のストランド1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1hが撚り合わされることにより形成されている。ここで、回転プレート11の第一回転プレート11aの一辺には、切欠き111aが形成されている。また、第一回転プレート11aの切欠き111aには、ワイヤロープ1のストランド1a,1bに係合可能なロープ係合凹部112aが形成されている。図4に示すように、ロープ係合凹部112aは、ワイヤロープ1のストランド1a,1bの各々の外形に対応する2つの半円部113aを有している。また、2つの半円部113aの間に形成される突出部分114aは、ワイヤロープ1のストランド1a,1bの間の溝に係合する。
【0023】
また、同様に、図4に示すように、第二回転プレート11bの一辺には、切欠き111bが形成されている。また、第二回転プレート11bの切欠き111bには、ワイヤロープ1のストランド1e,1fに係合可能なロープ係合凹部112bが形成されている。ロープ係合凹部112bは、ワイヤロープ1のストランド1e,1fの各々の外形に対応する2つの半円部113bを有している。また、2つの半円部113bの間に形成される突出部分114bは、ワイヤロープ1のストランド1e,1fの間の溝に係合する。
なお、第一回転プレート11aの切欠き111a及び第二回転プレート11bの切欠き111bは、第一回転プレート11aと第二回転プレート11bとを組み合わせた際には、1枚の回転プレート11のロープ貫通孔111を構成する。
【0024】
図3及び4に示すように、第一回転プレート11aの、切欠き111aが設けられている一辺以外の三辺には、下側に向かって屈曲した屈曲部115a,116a,117aが設けられる。同様に、第二回転プレート11bの、切欠き111bが設けられている一辺以外の三辺には、下側に向かって屈曲した屈曲部115b,116b,117bが設けられる。これにより、回転プレート11は、四辺に、下側に屈曲した屈曲部115a,115b,116a,116b,117a,117bを有している。
【0025】
また、回転プレート11よりも下側に配置される回転プレート12,13,14の第一回転プレート12a,13a,14a及び第二回転プレート12b,13b,14bも、回転プレート11の第一回転プレート11a及び第二回転プレート11bと同様の構造を有する。
【0026】
具体的には、図5(a)に示すように、回転プレート12,13,14の第一回転プレート12a,13a,14aには、切欠き121a,131a,141aが形成される。また、切欠き121a,131a,141aには、ロープ係合凹部122a,132a,142aが設けられる。ここで、前述のように、第一回転プレート11aのロープ係合凹部112aは、ワイヤロープ1のストランド1a,1bの外形及びストランド1a,1bの間の溝に係合する。また、同様に、第一回転プレート12aのロープ係合凹部122aは、ワイヤロープ1のストランド1h,1aの外形及びストランド1h,1aの間の溝に係合する。第一回転プレート13aのロープ係合凹部132aは、ワイヤロープ1のストランド1g,1hの外形及びストランド1g,1hの間の溝に係合する。第一回転プレート14aのロープ係合凹部142aは、ワイヤロープ1のストランド1f,1gの外形及びストランド1f,1gの間の溝に係合する。
【0027】
また、図5(b)に示すように、第二回転プレート12b,13b,14bには、切欠き121b,131b,141bが形成される。また、切欠き121b,131b,141bには、ロープ係合凹部122b,132b,142bが設けられる。第二回転プレート11bのロープ係合凹部112bは、ワイヤロープ1のストランド1e,1fの外形及びストランド1e,1fの間の溝に係合する。また、同様に、第二回転プレート12bのロープ係合凹部122bは、ワイヤロープ1のストランド1d,1eの外形及びストランド1d,1eの間の溝に係合する。第二回転プレート13bのロープ係合凹部132bは、ワイヤロープ1のストランド1c,1dの外形及びストランド1c,1dの間の溝に係合する。第二回転プレート14bのロープ係合凹部142bは、ワイヤロープ1のストランド1b,1cの外形及びストランド1b,1cの間の溝に係合する。
【0028】
なお、第一回転プレート12a,13a,14aの切欠き121a,131a,141aと、第二回転プレート12b,13b,14bの切欠き121b,131b,141bとは、回転プレート12,13,14のロープ貫通孔121,131,141を構成する。
【0029】
また、第一回転プレート12a,13a,14aと第二回転プレート12b,13b,14bとで構成される回転プレート12,13,14も、回転プレート11と同様に、各々の四辺に、下側に屈曲した屈曲部を有している。
【0030】
なお、図5(a)及び(b)に示すように、隣り合う回転プレート11,12,13,14同士の間隔Dは、1本のストランド分のピッチに等しい。具体的には、8本のストランド1a〜1hを有するワイヤロープ1のピッチが100mmの場合、1本のストランド分のピッチは、100/8=12.5mmである。従って、回転プレート11,12,13,14同士の間隔Dも、12.5mmとなる。これにより、8本のストランド1a〜1hの間に形成される全ての溝に、回転プレート11,12,13,14のロープ係合凹部112a,112b,122a,122b,132a,132b,142a,142bのいずれかを係合させることができる。
【0031】
次に、図1及び2を参照して、ワイヤロープ用回転移動体100の動作について説明する。
まず、ワイヤロープ1にワイヤロープ用回転移動体100を取り付ける際は、図2に示すように、ワイヤロープ用回転移動体100を回転軸Xの方向に沿って二分割した後、ワイヤロープ1を挟んで組み合わせる。
そして、ワイヤロープ用回転移動体100を動作させる時は、図1に示すように、ワイヤロープ1の上方に設けたモータ(図示せず)で引張部16を上向きに引き上げる。これによって、回転部2は、矢印Aに示すように、引張部16に引っ張られながらワイヤロープ1の延長方向に沿って移動するとともに、矢印Bに示すように、ワイヤロープ1の周りをストランド1a〜1hの捻りに沿って回転する。もし、ワイヤロープ1にキンク等の変形が生じている場合は、回転部2の回転プレート11,12,13,14のいずれかが変形箇所の凹凸に引っかかり、ワイヤロープ用回転移動体100は、スムーズに移動することができなくなる。これによって、ワイヤロープ1のキンク、つぶれ、うねり、ストランド1a〜1hの落ち込み又は浮き等による変形を容易に発見することができる。
【0032】
以上より、この実施の形態1に係るワイヤロープ用回転移動体100では、ワイヤロープ1の延長方向に沿って4枚の回転プレート11,12,13,14が、所定の間隔Dをおいて配置されている。また、4枚の回転プレート11,12,13,14に形成されるロープ係合凹部112a,112b,122a,122b,132a,132b,142a,142bは、各々、ワイヤロープ1の外形の一部に係合している。これにより、ロープ係合部である回転プレート11,12,13,14を一枚ずつ、ワイヤロープ1の外形の一部に対応させて加工することで、ワイヤロープ用回転移動体100を製造することができる。従って、1つの筒状の部材の内周面に、ワイヤロープ1のストランド1a〜1hの捻れに沿った螺旋状の凹凸を形成する場合に比べ、簡単にワイヤロープ用回転移動体100を製造することができる。また、加工の手間が削減されるため、ワイヤロープ用回転移動体100の製造コストを抑えることができる。さらに、ロープ係合部は、4枚の薄い回転プレート11,12,13,14によって構成されるため、ワイヤロープ用回転移動体100の軽量化を達成することができる。またさらに、ワイヤロープ用回転移動体100を使用することにより、漏洩磁束法を用いてワイヤロープ1の点検を行う従来の探傷装置に比べて、ワイヤロープ1の変形の有無の点検作業にかかるコストを抑えることができる。
【0033】
さらに、ワイヤロープ1の8本のストランド1a〜1hの各々が、ロープ係合凹部112a,112b,122a,122b,132a,132b,142a,142bのいずれかに接触した状態で、ワイヤロープ用回転移動体100は、回転プレート11,12,13,14ごと、ストランド1a〜1hの捻れに沿って回転移動する。これにより、ワイヤロープ1のストランド1a〜1hのいずれかにキンク等に起因する凹凸が存在していれば、回転プレート11,12,13,14のいずれかが凹凸に引っかかるため、すぐにワイヤロープ1の変形の有無を検知することができる。
【0034】
また、ロープ係合凹部112a,112b,122a,122b,132a,132b,142a,142bは、ワイヤロープ1の8本のストランド1a〜1hのうち、互いに隣り合ういずれか2本のストランドに係合する。これにより、回転プレート11,12,13,14は、ワイヤロープ1により確実に係合することができる。
【0035】
また、第一回転プレート11a,12a,13a,14aと第二回転プレート11b,12b,13b,14bとで構成される回転プレート11,12,13,14には、各々、ロープ係合凹部が2つずつ形成されている。これにより、8本のストランド1a〜1hに対し、ロープ係合部である回転プレート11,12,13,14の数を、ストランドの本数の半数である4枚にすることができる。従って、ワイヤロープ用回転移動体100の部品点数を減らすことができるとともに、ワイヤロープ用回転移動体100を軽量化かつ小型化することができる。
【0036】
また、回転プレート11,12,13,14が鋼材、炭素繊維、樹脂等の弾性体によって形成されることにより、回転プレート11,12,13,14をより加工しやすくなる。
【0037】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るワイヤロープ用回転移動体200の構成を図6〜8に示す。なお、図1〜5の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図6に示すように、ワイヤロープ用回転移動体200は、内部にワイヤロープ1が貫通する回転部202を有している。回転部202は、ワイヤロープ1の延長方向に沿って、4つの略円筒形状のケース部21,22,23,24を有している。
【0038】
図7に示すように、ケース部21の上端の外周には、略円環形状の帯状の凸部211が形成される。また、凸部211の内周側には、溝部212が形成される。また、ケース部21の下端の外周には、フランジ部213が形成される。
【0039】
なお、ケース部21の下側に配置されるケース部22,23,24も、ケース部21と同様の構造を有している。すなわち、ケース部22,23,24は、各々、凸部211、溝部212及びフランジ部213と同様の形状の凸部221,231,241、溝部222,232,242及びフランジ部223,233,243を有している。
【0040】
ケース部21の溝部212には、接続部15の係合突出部153が係合する。また、ケース部22の溝部222には、ケース部21のフランジ部213が係合する。また、ケース部23の溝部232には、ケース部22のフランジ部223が係合する。また、ケース部24の溝部242には、ケース部23のフランジ部233が係合する。ケース部21,22,23,24は、互いに相対的に回転可能である。
なお、接続部15及びケース部21,22,23,24の各々の連結部分には、図示しないベアリング又はクランプが設けられている。
【0041】
また、ケース部21,22,23,24は、各々、回転軸Xの方向に沿って二分割される。図8に示すように、例えば、二分割されたケース部21の一方の第一ケース部21aは、内側に回転プレート214を有している。回転プレート214には、ワイヤロープ1が貫通するためのロープ貫通孔を構成する切欠き214aが形成される。さらに、切欠き214aには、ワイヤロープ1の8本のストランド1a〜1hのうち、互いに隣り合ういずれか2本のストランド及びストランド同士の間の溝に係合するロープ係合凹部214bが形成されている。
なお、二分割されたケース部21の他方も、第一ケース部21aと同様の形状を有している。すなわち、ケース部21の内部に設けられた回転プレート214には、ロープ係合凹部214bは2つ形成されている。
【0042】
また、ケース部21の下側に配置されるケース部22,23,24も、各々、ケース部21の内側に設けられた回転プレート214と同様の形状の回転プレート224,234,244を有している。回転プレート224,234,244には、ケース部21の回転プレート214と同様に、切欠き214aと、互いに隣り合ういずれか2本のストランド及びストランド同士の間の溝に係合するロープ係合凹部214bとが形成されている。
なお、回転プレート214,224,234,244は、各々、ワイヤロープ1の外形の一部に係合するロープ係合部を構成する。また、回転プレート214,224,234,244は、ワイヤロープ1の延長方向に所定の間隔をおいて配置されている。
【0043】
次に、図7を参照して、ワイヤロープ用回転移動体200の動作について説明する。
まず、ワイヤロープ1にワイヤロープ用回転移動体200を取り付ける際は、二分割された接続部15及びケース部21,22,23,24を、ワイヤロープ1を挟んで組み合わせる。この時、回転プレート214,224,234,244に形成されるロープ係合凹部214bが、ストランド1a〜1h同士の間に設けられる全ての溝に係合するように、ケース部21,22,23,24を配置する。これにより、ストランド1a〜1hの各々は、回転プレート214,224,234,244のいずれかのロープ係合凹部214bに接触する状態となる。
【0044】
そして、ワイヤロープ用回転移動体200を動作させる時は、モータ(図示せず)で引張部16を上向きに引き上げる。これによって、回転部202のケース部21,22,23,24は、矢印Aに示すように、引張部16に引っ張られながらワイヤロープ1の延長方向に沿って移動するとともに、矢印Bに示すように、ワイヤロープ1の周りをストランド1a〜1hの捻りに沿って回転する。もし、ワイヤロープ1に変形が生じている場合は、ケース部21,22,23,24に設けられた回転プレート214,224,234,244のいずれかがワイヤロープ1の変形箇所に引っかかる。これによって、ワイヤロープ1のキンク等の変形を容易に発見することができる。
【0045】
以上より、この実施の形態2に係るワイヤロープ用回転移動体200では、ワイヤロープ用回転移動体100と同様に、ロープ係合部である回転プレート214,224,234,244を一枚ずつ、ワイヤロープ1の外形の一部に対応させて加工する。これにより、ワイヤロープ1に沿って回転移動することができるワイヤロープ用回転移動体200を簡単に製造することができ、加工の手間が削減されるため、ワイヤロープ用回転移動体200の製造コストを抑えることができる。また、ワイヤロープ用回転移動体200を軽量化することができる。さらに、ワイヤロープ1の変形の有無を、低コストで、容易に検知することができる。
【0046】
また、ワイヤロープ用回転移動体200の回転部202は、ワイヤロープ1の延長方向に沿って、互いに独立して相対的に回転可能な4個のケース部21,22,23,24を有している。これにより、メーカーやロットの違いに起因するワイヤロープ1のピッチの僅かな違いや、長期間の仕様によるピッチの経年変化の影響を受けずに、ワイヤロープ用回転移動体200をワイヤロープ1に沿って移動させることができる。
【0047】
さらに、経年変化に伴って、ワイヤロープ1にキンク等の変形、減径やピッチ伸び等が生じた場合、ワイヤロープ用回転移動体200の回転部202のケース部21,22,23,24は互いに位置がずれたり、傾いて角度が変化したりする。従って、ワイヤロープ1の新設時にワイヤロープ用回転移動体200を取り付けた際、ケース部21,22,23,24の相対的な位置をマーキングしておくことで、その後のケース部21,22,23,24の位置ずれや傾きを容易に目視することができる。これにより、ケース部21,22,23,24の相対的な位置や角度が元の位置からどの程度ずれたかによって、ワイヤロープ1の伸びや変形を容易に確認することができ、ワイヤロープ1の使用限界の目安とすることができる。
【0048】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るワイヤロープ用回転移動体300の構成を図9〜12に示す。なお、図1〜8の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図9〜12に示すように、ワイヤロープ用回転移動体300の回転部302は、ワイヤロープ1の延長方向に沿って配置され、互いに相対的に回転可能な略円筒状のケース部21,22,23,24を有している。ケース部21,22,23,24の内周面には、ロープ係合突起部311が複数設けられている。ロープ係合突起部311は、ワイヤロープ1の8本のストランド1a〜1hのうち、互いに隣り合ういずれか2本のストランドの間の溝に係合する。
なお、ロープ係合突起部311は、ロープ係合部を構成する。
【0049】
図10及び11に示すように、1つのケース部21を回転軸Xの方向に沿って二分割した一方の第一ケース部21aの内周面には、1つの溝に係合するロープ係合突起部311aが3個並んで設けられている。さらに、第一ケース部21aの内周面には、別の1つの溝に係合するロープ係合突起部311bが3個並んで設けられている。すなわち、図12に示すように、第一ケース部21aの内周面に設けられるロープ係合突起部311a,311bは、8本のストランド1a〜1hのうちのいずれか1本のストランド1aを挟み込むように設けられている。なお、ケース部21を回転軸Xの方向に沿って二分割した他方の部分も、同様に配置されたロープ係合突起部311a,311bを有している。また、ケース部22,23,24の内周面に設けられるロープ係合突起部311の配置も同様である。
【0050】
ワイヤロープ1にワイヤロープ用回転移動体300を取り付ける際は、ストランド1a〜1h同士の間に設けられる全ての溝に、ロープ係合突起部311を係合させる。さらに、ストランド1a〜1hの各々が二列に配置されたロープ係合突起部311a,311bの間に挟み込まれるように、ケース部21,22,23,24を配置する。これにより、ストランド1a〜1hの各々は、常に、ケース部21,22,23,24の内側に突出するロープ係合突起部311に接触する状態となる。
【0051】
そして、ワイヤロープ用回転移動体300を動作させる時は、モータ(図示せず)で引張部16を上向きに引き上げる。これによって、ケース部21,22,23,24は、図9の矢印Aに示すように、引張部16に引っ張られながらワイヤロープ1の延長方向に沿って移動するとともに、図9の矢印Bに示すように、ワイヤロープ1の周りをストランド1a〜1hの捻りに沿って回転する。もし、ワイヤロープ1に変形が生じている場合は、ケース部21,22,23,24の突起部31がワイヤロープ1の変形箇所に引っかかる。これによって、ワイヤロープ1のキンク等の変形を容易に発見することができる。
【0052】
以上より、この実施の形態3に係るワイヤロープ用回転移動体300では、ケース部21,22,23,24の内周面にロープ係合部としてロープ係合突起部311が設けられる。そのため、1つの筒状の部材の内周面に螺旋状の凹凸を形成する場合に比べ、簡単にワイヤロープ用回転移動体300を製造することができる。また、加工の手間が削減されるため、ワイヤロープ用回転移動体300の製造コストを抑えることができる。さらに、ワイヤロープ用回転移動体300のロープ係合部は、複数のロープ係合突起部311から構成されているため、ワイヤロープ用回転移動体300の軽量化を達成することができる。さらに、ワイヤロープ用回転移動体300を使用することにより、ワイヤロープ1の変形の有無を、低コストで、容易に点検することができる。
【0053】
実施の形態4
この発明の実施の形態4に係るワイヤロープ用回転移動体400の構成を図13〜15に示す。なお、図1〜12の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図13及び14に示すように、ワイヤロープ用回転移動体400の回転部402のケース部21,22,23,24の内周面の下端には、ロープ係合突起部311aの列と別のロープ係合突起部311bの列との間にストランド接触部411が設けられる。ストランド接触部411は、円筒面412を有している。図15に示すように、ストランド接触部411の円筒面412は、ワイヤロープ1のストランド1a〜1hの各々の外形に沿った形状であり、ストランド1a〜1hの各々に面接触する。
【0054】
以上より、この実施の形態4に係るワイヤロープ用回転移動体400では、ケース部21,22,23,24の内周面にロープ係合突起部311及びストランド接触部411を設ければよいため、加工の手間が削減され、ワイヤロープ用回転移動体400の製造コストを抑えることができる。また、ワイヤロープ用回転移動体400を軽量化することができる。またさらに、ケース部21,22,23,24の内周面にストランド接触部411を設けたため、ワイヤロープ用回転移動体400がワイヤロープ1のストランド1a〜1hに接触する面積が広くなり、より確実にキンク等の変形の有無を、低コストで検知することができる。
【0055】
なお、ストランド接触部411は、ロープ係合突起部311とともに用いられる場合に限定されず、実施の形態2のワイヤロープ用回転移動体200の回転プレート214,224,234,244とともに、ケース部21,22,23,24の内周面に設けられもよい。
【0056】
実施の形態5
この発明の実施の形態5に係るワイヤロープ用回転移動体500の構成を図16〜19に示す。なお、図1〜15の参照符号と同一の符号は同一又は同様の構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
【0057】
図16に示すように、ワイヤロープ用回転移動体500の回転部502のケース部21,22,23,24の外側には、各々、円環形状部51,52,53,54が設けられる。図17に示すように、円環形状部51,52,53,54は、各々、ケース部21,22,23,24の内側に貫通して突出する触針センサ511を有する。図18に示すように、ケース部21の内周面には、8本のストランド1a〜1hのうち隣り合う2本のストランド同士の間の溝に係合する2つのロープ係合突起部311設けられている。複数の触針センサ511は、上下方向について、2つのロープ係合突起部311の間に設けられる。図19に示すように、円環形状部51の複数の触針センサ511は、ロープ係合突起部311が係合する溝を構成する2つのストランド1a,1bの外形に沿って配置される。従って、円環形状部51,52,53,54の各々の触針センサ551の先端は、ワイヤロープ1の8本のストランド1a〜1hのうち隣り合ういずれか2本のストランドに接触する。
【0058】
触針センサ551は、ワイヤロープ1の表面形状の変化を検知することができる。従って、ワイヤロープ用回転移動体500の回転移動中に、ワイヤロープ1のストランド1a〜1hにキンク等の凹凸が存在すれば、触針センサ511の先端の位置がずれるため、変形の有無を容易に検出することができる。
【0059】
以上より、この実施の形態5に係るワイヤロープ用回転移動体500では、ワイヤロープ用回転移動体300,400と同様に、加工の手間を削減することができるとともに、ワイヤロープ用回転移動体500を軽量化することができる。また、ワイヤロープ用回転移動体500を使用することにより、ワイヤロープ1の変形の有無を、低コストで、容易に点検することができる。さらに、ケース部21,22,23,24の内側には、触針センサ551が配置されているため、触針センサ511の先端がワイヤロープ1のストランド1a〜1hに接触し、より精密に変形の有無を検知することができる。
【0060】
なお、触針センサ511は、ロープ係合突起部311とともに用いられる場合に限定されず、実施の形態2のワイヤロープ用回転移動体200の回転プレート214,224,234,244とともに、ケース部21,22,23,24の内側に設けられもよい。
【0061】
実施の形態6
この発明の実施の形態6に係るワイヤロープ用回転移動体600の構成を図20〜23に示す。
図20に示すように、ワイヤロープ用回転移動体600は、略円筒形状の回転部保持ケース610を有している。回転部保持ケース610の上端には、内側に突出する略円環形状の内側係合部610aが形成される。また、回転部保持ケース610の内周面には、ワイヤロープ1の延長方向に沿って、8個の略円環形状の回転部保持レール603a,603b,603c,603d,603e,603f,603g,603hが、互いに等間隔に設けられている。
【0062】
回転部保持ケース610の上端には、接続部615が取り付けられている。接続部615は、円形状の外形を有する板状の部材であり、中央にロープ穴615aが形成される。また、接続部615の下面側には、ロープ穴615aに沿って、回転部保持ケース610の内側係合部610aに係合可能な係合溝部615bが形成されている。
【0063】
また、回転部保持ケース610の内周面に設けられている回転部保持レール603a,603b,603c,603d,603e,603f,603g,603hの各々には、外形が円形状である円盤プレート602a,602b,602c,602d,602e,602f,602g,602hが回転可能に保持されている。
ここで、ワイヤロープ1の延長方向に沿って、所定の間隔をおいて配置される円盤プレート602a〜602hは、ワイヤロープ1が内部を貫通する回転部602を構成する。
【0064】
図21及び22に示すように、円盤プレート602a〜602hの各々の中央には、ワイヤロープ1が貫通するためのロープ穴604が形成されている。また、円盤プレート602a〜602hの各々の上面には、係合板611が、固定部材612を介して取り付けられている。係合板611には、ロープ係合孔611aが形成される。係合板611は、ロープ係合孔611aの位置が円盤プレート602a〜602hのロープ穴604に重なり合うように配置される。ロープ係合孔611aには、ワイヤロープ1の8本のストランド1a〜1hのうちの2本と係合可能なロープ係合凹部611bが形成される。ロープ係合凹部611bは、2本のストランドの外形に沿った2つの半円形状部611cを有しており、2つの半円形状部611cの間の突出部611dは、ワイヤロープ1のストランド同士の間の溝に係合する。
なお、係合板611は、ロープ係合部を構成する。
【0065】
ワイヤロープ1にワイヤロープ用回転移動体600を取り付ける際は、図23に示すように、各々の係合板611のロープ係合凹部611bが、互いに異なる組み合わせの隣り合った2本のストランドに係合するように、円盤プレート602a〜602hを配置する。これにより、8本のストランド1a〜1hの各々は、8枚の円盤プレート602a〜602hのうちのいずれか2枚に形成されるロープ係合凹部611bに接触した状態となる。
【0066】
そして、ワイヤロープ用回転移動体600を動作させる時は、モータ(図示せず)で引張部16を上向きに引き上げる。これによって、円盤プレート602a〜602hは、図20の矢印Aに示すように、引張部16に引っ張られながらワイヤロープ1の延長方向に沿って移動するとともに、図20の矢印Bに示すように、ワイヤロープ1の周りをストランド1a〜1hの捻りに沿って回転する。もし、ワイヤロープ1にキンク等の変形が生じている場合は、円盤プレート602a〜602hのいずれかがワイヤロープ1の変形箇所に引っかかり、ワイヤロープ用回転移動体600はスムーズに移動することができなくなる。これによって、ワイヤロープ1の変形を容易に発見することができる。
【0067】
以上より、この実施の形態6に係るワイヤロープ用回転移動体600では、ワイヤロープ1の延長方向に沿って8枚の円盤プレート602a〜602hが、所定の間隔をおいて配置されている。従って、円盤プレート602a〜602hの各々に設けられるロープ係合部としての係合板611も、ワイヤロープ1の延長方向に沿って、所定の間隔をおいて配置されている。また、係合板611に形成されるロープ係合凹部612bは、各々、ワイヤロープ1の外形の一部に係合している。これにより、係合板611を一枚ずつ、ワイヤロープ1の外形の一部に対応させて加工することで、ワイヤロープ1に沿って回転移動することができるワイヤロープ用回転移動体600を製造することができる。従って、ワイヤロープ用回転移動体600を製造するための加工の手間が削減されるため、ワイヤロープ用回転移動体600の製造コストを抑えることができる。また、ワイヤロープ用回転移動体600の回転部602は、8枚の円盤プレート602a〜602hから構成されるとともに、ロープ係合部は、8枚の係合板611から構成されるため、ワイヤロープ用回転移動体600の軽量化を達成することができる。また、ワイヤロープ用回転移動体600を用いて、ワイヤロープ1の変形の有無を、低コストで容易に検知することができる。
【0068】
また、ワイヤロープ用回転移動体600の回転部602は、ワイヤロープ1のストランド1a〜1hの間に設けられる8個の溝に応じた、8枚の円盤プレート602a〜602hを有している。すなわち、円盤プレート602a〜602hに設けられる係合板611は、各々、1つのロープ係合凹部611bを有している。さらに、円盤プレート602a〜602hは、各々、独立して相対的に回転可能である。これにより、円盤プレート602a〜602h同士の間隔を、ワイヤロープ1のストランド1a〜1hのピッチに合わせることなく、ワイヤロープ用回転移動体600をワイヤロープ1に沿って移動させることができる。
【0069】
なお、この実施の形態において、係合板611にロープ係合凹部611bが形成される場合に限定されず、ロープ係合凹部611bが円盤プレート602a〜602hに直接形成されてもよい。この場合、円盤プレート602a〜602hは、回転部及びロープ係合部として機能する。
【0070】
また、実施の形態1〜6において、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600は、キンク等の変形の有無を点検する点検治具として使用されるが、これに限られず、ワイヤロープ1の清掃や、屋外に張られたワイヤロープ1の雪庇の除去等に使用されても良い。
【0071】
また、実施の形態1〜6において、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600は、引張部16を介してモータによって上方に引き上げられるが、これに限定されない。すなわち、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600をワイヤロープ1に沿って引き上げるのは、例えば、ウィンチ、油圧アクチュエータ等の機構であってもよい。また、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600を引き上げる機構は、自らも回転しながらワイヤロープ1に沿って昇降するものであってもよく、ワイヤロープ1の上方に固定されているものであってもよい。また、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600は、矢印Aに示すように上昇するのみならず、下降する方向に移動してもよい。
【0072】
また、変形が発生した箇所を視覚的に確認することができるように、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600の上部又は下部に、小型カメラを設置してもよい。また、小型カメラにLEDを設け、LEDの電源は、ワイヤロープ用回転移動体100,200,300,400,500,600の回転によって発電される電力を使用することができるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0073】
100,200,300,400,500,600 ワイヤロープ用回転移動体
1 ワイヤロープ
1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h ストランド
2,202,302,402,502,602 回転部
11,12,13,14,214,224,234,244 回転プレート(ロープ係合部)
21,22,23,24 ケース部
111,121,131,141,214a ロープ貫通孔
112a,112b,122a,122b,132a,132b,142a,142b,214b,611b ロープ係合凹部
311 ロープ係合突起部(ロープ係合部)
411 ストランド接触部
511 触針センサ
611 係合板(ロープ係合部)
【要約】
【課題】加工の手間を削減するとともに、軽量化を達成することができ、低コストでワイヤロープの点検作業を行うことができるワイヤロープ用回転移動体を提供する。
【解決手段】ワイヤロープ用回転移動体100は、8本のストランド1a〜1hを撚り合わせたワイヤロープ1が内部を貫通する回転部2と、回転部2に設けられ、ワイヤロープ1の外形の一部に係合する回転プレート11,12,13,14とを備え、回転プレート11,12,13,14は、ワイヤロープ1の延長方向に所定の間隔Dをおいて配置され、ストランド1a〜1hの各々が、回転プレート11,12,13,14のうちのいずれかに接触した状態で、回転部2は、ワイヤロープ1の延長方向に沿って移動するとともに、ストランド1a〜1hの捻れに沿って回転する。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23