特許第6561404号(P6561404)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561404
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】多機能老人行跡管理システム
(51)【国際特許分類】
   A45B 9/00 20060101AFI20190808BHJP
   G06Q 50/22 20180101ALI20190808BHJP
【FI】
   A45B9/00 B
   G06Q50/22
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-255723(P2016-255723)
(22)【出願日】2016年12月28日
(65)【公開番号】特開2018-102844(P2018-102844A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2018年6月15日
(31)【優先権主張番号】201611227476.4
(32)【優先日】2016年12月27日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519220870
【氏名又は名称】蒋 歓
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】鄭 中書
【審査官】 木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/050118(WO,A1)
【文献】 特開2003−098953(JP,A)
【文献】 特開2016−180763(JP,A)
【文献】 特開2014−182713(JP,A)
【文献】 特開2002−015215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 1/00 − 27/02 ,
G06Q 10/00 − 99/00 ,
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の杖行跡データの収集端末と、データ管理センターとを含み、
それぞれの前記杖行跡データの収集端末は、杖手元および杖支柱を含み、
前記杖手元は、位置追跡モジュールと行跡データ収集モジュールと行跡データ伝送モジュールとを含み、
前記位置追跡モジュールは、リアルタイムで老人の現在の位置を追跡するように構成されており、
前記行跡データ収集モジュールは、追跡された老人の現在の位置情報を収集するように構成されており、
前記行跡データ伝送モジュールは、収集された老人の現在の位置情報をデータ管理センターへ伝送するように構成されており、
前記データ管理センターは、それぞれの前記杖行跡データの収集端末から伝送されたそれぞれの老人の位置情報を受信するように構成された行跡データ受信モジュールと、受信されたそれぞれの老人の位置情報に基づいて老人の行跡のビッグデータを取得し、前記老人の行跡のビッグデータ情報に基づいて老人の行跡の規則データを取得するように構成された行跡データ処理モジュールとを含み、
前記位置追跡モジュールは、GPS追跡またはモバイル基地局情報による位置追跡を利用するように構成されており、
前記老人の行跡の規則データは、老人の人気の集まり位置および老人の人気の歩行路線を含み、
それぞれの前記杖行跡データの収集端末は、前記杖支柱の頂部に開口されて下へ向いて凹んで形成された第1収納部と、前記杖支柱の頂部の先端横断面に円周に沿って均等分布されるように設けられた複数の係止穴と、前記杖手元の前記杖支柱と連接された下部に下へ開口された第2収納部と、前記第2収納部の内壁に設けられている球状の係止突起とを更に含み、
前記第1収納部の内壁には、ガイド溝部が設けられており、前記第1収納部の内部には、前記ガイド溝部に沿って折りたたまれる傘布部分が設けられ、前記傘布部分には傘柄が設けられ、前記傘柄の下段に弾性フックが備えられており、傘布を開く場合には、前記傘柄の下段の前記弾性フックが対応する係止穴に挿入され、前記傘布の底部の支え部を構成しており、前記傘布をたたむ場合には、前記傘布が前記ガイド溝部に沿って前記第1収納部に収納され、該当杖手元の前記第2収納部の内壁の前記球状の係止突起が対応する前記係止穴に挟まれ、一体でなった杖を構成している多機能老人行跡管理システム。
【請求項2】
前記第1収納部の底部は、V型またはU型で形成され、V型またはU型で形成された底部の最低部に外部と連通している排水ホールが配置されている請求項1に記載の多機能老人行跡管理システム。
【請求項3】
前記杖手元の先端には照明灯が配置され、後段には該当照明灯のスイッチが配置されている請求項1に記載の多機能老人行跡管理システム。
【請求項4】
前記球状の係止突起の数は前記係止穴より少なく、前記弾性フックの数は前記係止穴の数と同一である請求項1に記載の多機能老人行跡管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はビッグデータ管理システムに関する、さらに具体的には多機能老人行跡管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在の中国はすでに老齢化社会に入り始めている。したがって、どのようにビッグデータによって老人に有効なサービスを提供するかは業界で解決しなければならない問題点である。老人用品に対する需要がますます増える一方、機能もより一層多様化になっている中で、老人が日常的に使っている杖は機能が単一であり、現在の老人たちのニーズを満たさない。たとえ現在でもいろいろな新しい杖が出ているが、いずれも多種の製品の簡単な組み合わせに限られ、生産および使用の実際的な状況に合わなく、老人の使用や操作にも不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、リアルタイムで老人の行跡のビッグデータを収集および把握し、老人の操作および使用に便利な多機能老人行跡管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明の多機能老人行跡管理システムは複数の杖行跡データの収集端末と、データ管理センターとを含み、
それぞれの前記杖行跡データの収集端末は、杖手元および杖支柱を含み、
前記杖手元は、位置追跡モジュールと行跡データ収集モジュールと行跡データ伝送モジュールとを含み、
位置追跡モジュールは、リアルタイムで老人の現在の位置を追跡するように構成されており、
行跡データ収集モジュールは、追跡された老人の現在の位置情報を収集するように構成されており、
行跡データ伝送モジュールは、収集された老人の現在の位置情報をデータ管理センターへ伝送するように構成されており、
前記データ管理センターは、それぞれの杖行跡データの収集端末から伝送されたそれぞれの老人の位置情報を受信するように構成された行跡データ受信モジュールと、受信されたそれぞれの老人の位置情報に基づいて老人の行跡のビッグデータを取得し、前記老人の行跡のビッグデータ情報に基づいて老人の行跡の規則データを取得するように構成された行跡データ処理モジュールとを含む。
【0005】
好ましくは、それぞれの前記杖行跡データの収集端末は、前記杖支柱の頂部に開口されて下へ向いて凹んで形成された第1収納部と、前記杖支柱の頂部の先端横断面に円周に沿って均等分布されるように設けらされた複数の係止穴と、杖手元の杖支柱と連接された下部に下へ開口された第2収納部と、第2収納部の内壁に設けられている球状の係止突起とを更に含み、
前記第1収納部の内壁には、ガイド溝部が設けられており、前記第1収納部の内部には、ガイド溝部に沿って折りたたまれる傘布部分が設けられ、傘布部分には傘柄が設けられ、傘柄の下段に弾性フックが備えられており、傘布を開く場合には、傘柄の下段の弾性フックが対応する係止穴に挿入され、傘布の底部の支え部を構成しており、傘布をたたむ場合には、傘布がガイド溝部に沿って第1収納部に収納され、該当杖手元の第2収納部の内壁の球状の係止突起が対応する係止穴に挟まれ、一体でなった杖を構成している。
【0006】
それなりに、本発明が提供する杖行跡データの収集端末は、杖手元および杖支柱を含み、
前記杖手元は、位置追跡モジュールと行跡データ収集モジュールと行跡データ伝送モジュールとを含み、
位置追跡モジュールは、リアルタイムで老人の現在の位置を追跡するように構成されており、
行跡データ収集モジュールは、追跡された老人の現在の位置情報を収集するように構成されており、
行跡データ伝送モジュールは、収集された老人の現在の位置情報をデータ管理センターへ伝送するように構成されている。
【0007】
好ましくは、前記杖支柱の頂部に開口されて下へ向いて凹んで形成された第1収納部と、前記杖支柱の頂部の先端横断面に円周に沿って均等分布されるように設けられた複数の係止穴と、杖手元の杖支柱と連接された下部に下へ開口された第2収納部と、第2収納部の内壁に設けられている球状の係止突起とを更に含み、
前記第1収納部の内壁には、ガイド溝部が設けられており、前記第1収納部の内部には、ガイド溝部に沿って折りたたまれる傘布部分が設けられ、傘布部分には傘柄が設けられ、傘柄の下段に弾性フックが備えられており、傘布を開く場合には、傘柄の下段の弾性フックが対応する係止穴に挿入され、傘布の底部の支え部を構成しており、傘布をたたむ場合には、傘布がガイド溝部に沿って第1収納部に収納され、該当杖手元の第2収納部の内壁の球状の係止突起が対応する係止穴に挟まれ、一体でなった杖を構成している。
【発明の効果】
【0008】
既存の技術に比べて、本発明には下記のような有益な効果がある。
本発明に係わる多機能老人行跡管理システムは、既存の杖を利用し、老人のビッグデータ行跡管理を行って、複数の杖行跡データの収集端末を介して、老人の行跡のビッグデータ情報を収集した後、データ管理センターによって、前記老人の行跡のビッグデータ情報を分析し、老人の行跡の規則データを取得し、老人のために有効なサービスを提供できる。
【0009】
一方、本発明は更に既存の杖構造から新しい機能を拡張している。すなわち、杖支柱の頂部に開口されて下へ向いて凹んで形成された第1収納部と、杖支柱の頂部の先端横断面に円周に沿って均等分布されるように設けられた複数の係止穴と、杖手元の杖支柱と連接された下部に下へ開口された第2収納部と、第2収納部の内壁に設けられている球状の係止突起とを含み、第1収納部の内壁には、ガイド溝部が設けられており、前記第1収納部の内部には、ガイド溝部に沿って折りたたまれる傘布部分が設けられ、傘布部分には傘柄が設けられ、傘柄の下段に弾性フックが備えられており、このような構成で傘布を開く場合には、傘柄の下段の弾性フックが対応する係止穴に挿入され、傘布の底部の支え部を構成しており、傘布をたたむ場合には、傘布がガイド溝部に沿って第1収納部に収納され、傘布をきちんと収納できる。また、該当杖手元の第2収納部の内壁の球状の係止突起が対応する係止穴に挟まれ、一体でなった杖を構成している。このような構成で、第1収納部は傘の全体の長さである傘柄を収納するのではなく、傘布部分の長さである傘柄を収納する、すなわち傘柄の長さは傘布の長さで良いことになる。そして、複数の段が重なる折り畳み式傘でなく、傘布の長さの傘柄のみが必要で、より細くて短い傘が形成され、杖支柱の内部により容易に収納される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係わる多機能老人行跡管理システムの構成図。
図2】本発明に係わる多機能老人行跡管理システムにおける杖行跡データの収集端末によって行跡データを収集する機能モジュールブロック図。
図3】本発明に係わる多機能老人行跡管理システムにおけるデータ管理センターの具体的な実施例構造図。
図4】本発明に係わる多機能老人行跡管理システムにおける杖行跡データの収集端末の機械構造図。
図5】本発明に係わる杖行跡データの収集端末の係止穴の分布図。
図6】本発明に係わる杖行跡データの収集端末の弾性フックの構造図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は本発明に係わる多機能老人行跡管理システムの構成図であり、具体的には、複数の杖行跡データの収集端末S1とデータ管理センターS2を含むものの、具体的に実現する場合、既存の杖を利用することで、老人にとって便利に使われるようになり、行跡データの収集を行うためには、本実施例のそれぞれの杖行跡データの収集端末S1は杖手元1および杖支柱2を含み、
前記杖手元1は、位置追跡モジュールS11と行跡データ収集モジュールS12と行跡データ伝送モジュールS13とを含み、位置追跡モジュールS11は、リアルタイムで老人の現在の位置を追跡するように構成されおり、具体的に実現する場合、前記位置追跡モジュールS11は、GPS追跡またはモバイル基地局情報による位置追跡を利用できるし、実際にはその他の方式も使うこともできる。ここでさらに繰り返して叙述しない。
【0012】
行跡データ収集モジュールS12は、追跡された老人の現在の位置情報を収集するように構成されており、
行跡データ伝送モジュールS13は、収集された老人の現在の位置情報をデータ管理センターへ伝送するように構成されており、
また、本実施例での前記データ管理センターS2は、それぞれの杖行跡データの収集端末から伝送されたそれぞれの老人の位置情報を受信するように構成された行跡データ受信モジュールS21と、受信されたそれぞれの老人の位置情報に基づいて老人の行跡のビッグデータを取得し、前記老人の行跡のビッグデータ情報に基づいて老人の行跡の規則データを取得するように構成された行跡データ処理モジュールS22とを含むことができ、具体的に実現する場合、例えば前記老人のビッグデータ情報に基づいて老人の人気の集まり位置や老人の人気の歩行路線などを含む老人の行跡の規則なデータを取得できる。ここでさらに繰り返して叙述しない。
【0013】
一方、杖行跡データの収集端末を便利に使うために、本実施例では同様に既存の杖構造を改善している。図4-6に示すように、本実施例に係わる多機能老人行跡管理システムにおいて、杖手元1と、杖支柱2と、前記杖支柱2の頂部に開口されて下へ向いて凹んで形成された第1収納部21と、前記杖支柱2の頂部の先端横断面に円周に沿って均等分布されるように設けられた複数の係止穴22と、杖手元1の杖支柱2と連接された部分に下へ開口された第2収納部11と、第2収納部11の内壁に設けられている球状の係止突起と12を含む。
【0014】
通常、傘布をたたむ場合または傘布を傘袋に収納する場合には、傘布を順時計方向または反時計方向へ順番に畳んで整理するが、それには使用者の細心さと忍耐心が必要で、該当動作をするのに一定の時間も必要である。もし間違ってたたんだ場合、傘布が乱雑になり傘袋に入れ難くなる。特に老人の場合、年齢の原因で視力と集中力が良くないので、該当動作をするのはさらに難しい。そのために、本実施例で前記第1収納部21の内壁にはガイド溝部23が設けられており、具体的に実現する場合、ガイド溝部はメネジを採用でき、前記第1収納部21の内部にガイド溝部23に沿って折りたたまれる傘布部分が設けられている。それで、傘布部分を第1収納部21に収納する場合、前記ガイド溝部23は順時計方向または反時計方向へ順番に傘布を便利に収納でき、手軽に操作できる。また、既存の技術と異なって、本実施例の傘布部分には傘柄が設けられ、傘柄の下段には弾性フック3図面6参照が備えられ、傘布を開く場合、すなわち傘布を上に引く場合、傘柄の下段の弾性フック3は傘布と共に上に移動し、弾性フック3が係止穴まで移動する場合、弾力により外へ弾き出され、対応する係止穴に挿入され、傘布の底部の支え部を構成し、傘布をたたむ場合、弾性フック3のフックが圧迫を受けて内側に収縮し、傘布と共に第1収納部に収納される。また、該当杖手元の第2収納部の内壁の球状の係止突起は対応する係止穴に挟まれ、固定されて一体であった杖を構成している。
【0015】
説明が必要なのは、傘を杖の中に収納する場合、雨水が付着する可能性があるが、雨水を容易に除去するために、本実施例で前記第1収納部21の底部はV型またはU型に設けられ、V型またはU型で形成された底部の最低部に外部と連通する排水ホール5が配置される。
【0016】
一方、本実施例で杖手元1および杖支柱2を連接する場合、前記球状の係止突起の数は係止穴より少なく配置されても連接できる。傘布をよりよく支えるために、弾性フックの数は係止穴数と同一に配置するのが好ましい。具体的に実現する場合には、係止穴が三つであってもよく、例えば図2を参照すれば、杖支柱2の上部横断面に円周に沿って均等分布に設けられた三つの係止穴があるが、実際には四つであってもよく、これよりさらに多く配置してもよい。ここでさらに繰り返して叙述しない。
【0017】
一方、一般的に老人の視力は良くないので、暗い照明条件で地面をはっきり見ることができるように、杖の機能をさらに拡張できる。例えば、本発明では杖手元1の先端に照明灯3を配置し、杖手元1の後段に前記照明灯3のスイッチ4を配置することができる。ここでさらに繰り返して叙述しない。
【0018】
本発明の好適な実施例が説明されたが、本発明としてそれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、および図面の記載から逸脱しない限り当業者が本発明に対して変更および調整を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6