(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561418
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】複数の配管吊下支持具を具備する配管の吊下支持構造
(51)【国際特許分類】
F16L 3/14 20060101AFI20190808BHJP
F16L 3/08 20060101ALI20190808BHJP
F16B 1/00 20060101ALN20190808BHJP
F16B 2/10 20060101ALN20190808BHJP
F16B 2/08 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
F16L3/14 B
F16L3/08 C
!F16B1/00 A
!F16B2/10 B
!F16B2/08 H
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-211770(P2017-211770)
(22)【出願日】2017年11月1日
(65)【公開番号】特開2019-86015(P2019-86015A)
(43)【公開日】2019年6月6日
【審査請求日】2017年11月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】591021958
【氏名又は名称】株式会社アカギ
(74)【代理人】
【識別番号】100073210
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 信昭
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 隆次郎
【審査官】
岩▲崎▼ 則昌
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−222074(JP,A)
【文献】
特表2002−525528(JP,A)
【文献】
米国特許第05295646(US,A)
【文献】
米国特許第04078752(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0024127(US,A1)
【文献】
中国特許出願公開第106594395(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 3/14
F16L 3/08
F16L 3/133
F16B 1/00
F16B 2/08
F16B 2/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記「配管の吊下支持構造における方向の定義」に基づいている複数の配管支持具を具備する配管の支持構造において、
配管を抱持するバンド抱持部と、該バンド抱持部の開放両端部に連設されたバンド端部とを有し、天井スラブやトンネル天井等の取付面から吊り下げられる吊りボルトに、吊下接続部材を介して前記バンド端部を接続することにより、配管の1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具と、
配管を抱持するバンド抱持部と、該バンド抱持部の左側方部から左横方向外側に延伸した状態で設けられた左係止部とを有し、この左係止部には透孔が形成され、この透孔に、前記取付面であって配管軸方向の左前方位置に一端が固定されて斜めに吊下げられる左前方吊下支持杆の他端が接続取付された状態で係合されることにより、配管の左方向における斜め1点吊下支持が可能な構成の左サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、
配管を抱持するバンド抱持部と、該バンド抱持部の右側方部から右横方向外側に延伸した状態で設けられた右係止部とを有し、この右係止部には透孔が形成され、この透孔に、前記取付面であって配管軸方向の右後方位置に一端が固定されて斜めに吊下げられる右後方吊下支持杆の他端が接続取付された状態で係合されることにより、配管の右方向における斜め1点吊下支持が可能な構成の右サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、
を有して成り、
左サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、右サポート支持構成を有する配管吊下支持具とを、配管軸方向において、間に1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具を挟んだ状態で交互に吊下配設する構成を、配管すべき略全域に亘って繰り返して配設することによって、1点吊下支持構成を挟んで隣接する2種類の斜め1点吊下支持構成である左サポート支持構成・右サポート支持構成を有する配管吊下支持具同士が平面視した際に配管軸方向において対称の斜め吊下支持構成を有する構成であること、
を特徴とする複数の配管吊下支持具を具備する配管の吊下支持構造。
[「配管の吊下支持構造における方向」の定義]
配管の吊下支持構造において複数の配管支持具に抱持支持される配管の一端側を正対視した際の該配管の一端を正面として、該配管の正面の左方向側を左とし、該配管の正面の右方向側を右とし、配管軸方向における手前側を前方とし、配管軸方向における奥側である配管の他端方向を後方とする。
【請求項2】
左サポート支持構成を有する配管吊下支持具・右サポート支持構成を有する配管吊下支持具の各々のバンド抱持部が、相対向する半円形状の2つのバンド抱持部が円形に組合うことによって配管を抱持可能であり、該2つのバンド抱持部の各々の一端に左係止部・右係止部が連設された状態で設けられており、且つ該2つのバンド抱持部の各々の他端が組式又は蝶番式の如き接続部により拡開可能に接続された構成であることを特徴とする請求項1に記載の複数の配管吊下支持具を具備する配管の吊下支持構造。
【請求項3】
左サポート支持構成を有する配管吊下支持具・右サポート支持構成を有する配管吊下支持具の各々のバンド抱持部が一本の帯状バンド体を環状に彎曲することによって配管を抱持可能であり、この帯状バンド体の開放両端部に左係止部・右係止部が連設された構成であることを特徴とする請求項1に記載の複数の配管吊下支持具を具備する配管の吊下支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造に関し、詳しくは天井スラブやトンネル天井等の取付面に、各種配管類を数mから数十m以上に及ぶ長尺スパンで吊下支持する
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
天井スラブやトンネル天井等の取付面に各種配管類を吊下支持するには、例えば、特許文献1〜3等に示すような、吊りボルトと配管バンドとから成る支持構成を一組とする同構成の吊下支持具、或いは、斜めに垂設した1本又は2本の吊下支持杆を更に付加した支持構成を一組とする同構成の吊下支持具を、数mないし数十m間隔で複数個配設することにより行われている。
【0003】
上記の吊下支持構成は、たとえ数百mないし数百m以上に及ぶトンネル内配管等のように超長尺スパンにおける吊下支持であっても、前記したような同構成の配管支持具を多数個用いることにより行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−150452号
【特許文献2】実用新案登録第2524340号
【特許文献3】登録実用新案第3148361号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同構成の配管支持具を長尺スパンにおいて複数個ないし多数個用いて吊下支持した場合、地震等の揺れが発生すると、配管軸方向の振動負荷と配管軸直交方向の振動負荷とが同時に生じることに加えて、捻れを含む軸線回り方向に傾動・揺動する負荷・モーメント・応力・歪等をも生じることになり、揺れを収束させることができないことが多いだけでなく、複数個ないし多数個の配管支持具に掛かる負荷・モーメント・応力・歪等が同調して増幅されてしまうこともあり、配管支持具に歪みや破損が生じ易く、耐震強度の点で問題が起き易いことが判った。
【0006】
そこで本発明の課題は、トンネル天井への長尺スパンにおける配管吊下支持であっても地震時の防震性及び耐震性の高い
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造を提供することにある。
尚、本発明において「防震」、「耐震」は「防振」、「耐振」を含むものとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明は下記構成を有する。
【0008】
1.
下記「配管の吊下支持構造における方向の定義」に基づいている複数の配管支持具を具備する配管の支持構造において、
配管を抱持するバンド抱持部と、該バンド抱持部の開放両端部に連設されたバンド端部とを有し、天井スラブやトンネル天井等の取付面から吊り下げられる吊りボルトに
、吊下接続部材を介して前記バンド端部を接続することにより、配管の1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具と、
配管を抱持するバンド抱持部と、該バンド抱持部の左側方部から左横方向外側に延伸した状態で設けられた左係止部とを有し、この左係止部には透孔が形成され、この透孔に、前記取付面であって配管軸方向の左前方位置に一端が固定されて斜めに吊下げられ
る左前方吊下支持杆の他端
が接続取付された状態で係合されることにより、配管の左方向における斜め1点吊下支持が可能な構成の左サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、
配管を抱持するバンド抱持部と、該バンド抱持部の右側方部から右横方向外側に延伸した状態で設けられた右係止部とを有し、この右係止部には透孔が形成され、この透孔に、前記取付面であって配管軸方向の右後方位置に一端が固定されて斜めに吊下げられ
る右後方吊下支持杆の他端
が接続取付された状態で係合されることにより、配管の右方向における斜め1点吊下支持が可能な構成の右サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、
を有して成り、
左サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、右サポート支持構成を有する配管吊下支持具とを、配管軸方向において、間に1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具を挟んだ状態で交互に吊下配設する構成を、配管すべき略全域に亘って繰り返して配設することによって、1点吊下支持構成を挟んで隣接する2種類の斜め1点吊下支持構成である左サポート支持構成・右サポート支持構成を有する配管吊下支持具同士が平面視した際に配管軸方向において対称の斜め吊下支持構成を有する構成であること、
を特徴とする
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造。
[「配管の吊下支持構造における方向」の定義]
配管の吊下支持構造において複数の配管支持具に抱持支持される配管の一端側を正対視した際の該配管の一端を正面として、該配管の正面の左方向側を左とし、該配管の正面の右方向側を右とし、配管軸方向における手前側を前方とし、配管軸方向における奥側である配管の他端方向を後方とする。
【0009】
2.左サポート支持構成を有する配管吊下支持具・右サポート支持構成を有する配管吊下支持具の各々のバンド抱持部が、相対向する半円形状の2つのバンド抱持部が円形に組合うことによって配管を抱持可能であり、該2つのバンド抱持部の各々の一端に左係止部・右係止部が連設された状態で設けられており、且つ該2つのバンド抱持部の各々の他端が組式又は蝶番式の如き接続部により拡開可能に接続された構成であることを特徴とする上記1に記載の
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造。
【0010】
3.左サポート支持構成を有する配管吊下支持具・右サポート支持構成を有する配管吊下支持具の各々のバンド抱持具が一本の帯状バンド体を環状に彎曲することによって配管を抱持可能であり、この帯状バンド体の開放両端部に左係止部・右係止部が連設された構成であることを特徴とする上記1に記載の
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に示す発明によれば、トンネル天井への長尺スパンにおける配管吊下支持であっても地震時の防震性及び耐震性の高い
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造を提供することができる。
【0012】
2種類の斜め1点吊下支持構成(左サポート支持構成・右サポート支持構成)を有する配管吊下支持具を、配管軸方向において、間に1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具を挟んだ状態で交互に吊下配設した構成とすることによって、1点吊下支持構成を挟んで隣接する2種類の斜め吊下支持構成を有する配管吊下支持具同士が平面視した際に配管軸方向において対称の斜め1点吊下支持構成となるので、配管軸方向の振動負荷と配管軸直交方向の振動負荷とが同時に生じることに加えて、捻れを含む軸線回り方向に傾動・揺動する負荷・モーメント・応力・歪等をも生じた場合であっても、様々な方向における揺れを対称構成の2種類の斜め1点吊下支持構成が互いに打ち消す作用効果を発揮し、揺れを収束させることができる。従って、長尺スパンにおける配管吊下支持であっても、複数個ないし多数個の配管支持具に掛かる負荷・モーメント・応力・歪等が同調して増幅されてしまうことを抑制することができ、配管支持具に歪みや破損が生じ難いという効果を有している。また、地震時に震源地の違いによって地震波の入射方向が変わっても、様々な振動方向にも対処することができるという、本発明に係る特定の2種類の斜め1点吊下支持構成による相乗効果を有している。
【0013】
特に、左サポート支持構成を有する配管吊下支持具と、右サポート支持構成を有する配管吊下支持具との2種類のサポート支持構成と、通常の1点吊下支持構成の採用によって、様々な振動方向にも対処できる、というコスト面及び配管取付面の事情(配管取付面は、必ずしも支持杆を自由に取付け可能であるとは限らない。)を配慮した有意な効果を発揮する。
【0014】
また、吊りボルトと配管支持バンドとによる通常の1点吊下支持構成を有する既存の配管設備に、上記した2種類の斜め1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具を付加することによって本発明と同様の斜め1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具とすることもできる。この場合、既存の1点吊下支持構成を本発明の1点吊下支持構成と見做すことができる。また、既存の1点吊下支持構成の間に、本発明の全ての構成を付加することもできる。即ち、本発明において、間に配設される1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具は、少なくとも1つあればよく、1つあったり、2つ以上あったり、混在していてもよい。
【0015】
以上の効果によって、配管支持具や吊りボルト等の配管支持構成のみならず、配管そのもの、配管の接続部分・継手部分の歪み・損傷・破損等を著しく抑制することができるので、一箇所の被災が全システムに影響を及ぼす水道管等に代表されるライフラインに特に有用である。
【0016】
請求項2に示す発明によれば、一般的な組式の配管支持バンドをそのまま利用することもできるので容易に且つ低コストで提供することが可能である。
【0017】
請求項3に示す発明によれば、一般的な提灯式の配管支持バンドをそのまま利用することもできるので容易に且つ低コストで提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る配管吊下支持具の使用状態の実施例を示す概略側面図(配管軸直交方向の側面から見た図)
【
図2】
図1の概略平面図(配管軸直交方向である上方から見た図(II−II線方向平面図))
【
図3】
図1の左サポート支持構成を有する配管吊下支持具のみの概略正面図(配管軸方向から見た図)
【
図4】
図1の右サポート支持構成を有する配管吊下支持具のみの概略正面図(配管軸方向から見た図)
【
図5】
図1の1点吊下支持構成を有する配管吊下支持具のみの概略正面図(配管軸方向から見た図)
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明に係る
複数の配管吊下支持具
を具備する配管の吊下支持構造は、天井スラブやトンネル天井等の取付面に、給水管、排水管、送風管等の各種配管類を数mから数十mに及び長尺スパン、或いは数百m以上に及ぶ超長尺スパンで吊下支持するものであり、配管を抱持した配管バンドを取付面から垂設された釣りボルトと取付面から斜めに垂設した吊下支持杆とによって防振(防震)状態で多点吊下支持する支持構成を1組の吊下支持具とし、この吊下支持具を数mないし数十m間隔で複数個配設する構成である。
【0021】
固定支持する種々の配管としては、一般的な鋼管の他、鋼管に代わって近年多く用いられるようになった合成樹脂管(ポリエチレン管、架橋ポリエチレン管、ポリブデン管、塩化ビニル管、プロピレン管、ABS管等)の固定支持にも有効である。
【0022】
本発明の配管吊下支持具1の具体的構成としては、
図1〜
図5に示すように、
配管Pを抱持するバンド抱持部11と、該バンド抱持部11の開放両端部に連設されたバンド端部13・13とを有し、天井スラブやトンネル天井等の取付面2から吊り下げられる吊りボルト3に、タンバックルの如き吊下接続部材31を介して前記バンド端部13・13を接続することにより、配管Pの1点吊下支持構成Nを有する配管吊下支持具1と、
配管Pを抱持するバンド抱持部11と、該バンド抱持部11の左側方部から左横方向外側に延伸した状態で設けられた左係止部14とを有し、この左係止部14には透孔が形成され、この透孔に、前記取付面2であって配管軸方向の左前方位置に一端が固定されて斜めに吊下げられる吊りボルトの如き左前方吊下支持杆6の他端が直接又は間接的に接続取付された状態で係合されることにより、配管Pの左方向における斜め1点吊下支持が可能な構成の左サポート支持構成Lを有する配管吊下支持具1と、
配管Pを抱持するバンド抱持部11と、該バンド抱持部11の右側方部から右横方向外側に延伸した状態で設けられた右係止部15とを有し、この右係止部15には透孔が形成され、この透孔に、前記取付面2であって配管軸方向の右後方位置に一端が固定されて斜めに吊下げられる吊りボルトの如き右後方吊下支持杆9の各々の他端が直接又は間接的に接続取付された状態で係合されることにより、配管Pの右方向における斜め1点吊下支持が可能な構成の右サポート支持構成Rを有する配管吊下支持具1と、
を有して成り、
左サポート支持構成Lを有する配管吊下支持具1と、右サポート支持構成Rを有する配管吊下支持具1とを、間に1点吊下支持構成Nを有する配管吊下支持具1を挟んだ状態で交互に吊下配設する構成を、配管すべき略全域に亘って繰り返して配設することによって、1点吊下支持構成Nを挟んで隣接する2種類の斜め1点吊下支持構成である左サポート支持構成L・右サポート支持構成Rを有する配管吊下支持具1・1同士が平面視した際に配管軸方向において対称の斜め吊下支持構成を有する構成であること、
を主構成とするものである。
「配管の吊下支持構造における方向の定義」について付記すれば、図3及び図4に示すように、配管の吊下支持構造において複数の配管支持具に抱持支持される配管の一端側を正対視した際の該配管の一端を正面として、該配管の正面の左方向側を左とし、該配管の正面の右方向側を右とし、配管軸方向における手前側を前方とし、配管軸方向における奥側である配管の他端方向を後方とする。即ち、図1及び図2における左方向側が前方であり、右方向側が後方である。また、図2における上方側が左であり、下方側が右である。
【0023】
尚、左サポート支持構成Lを有する配管吊下支持具1の左係止部14の透孔への左前方吊下支持杆6の一端の接続取付は、
図1〜
図3に示す本実施例においてはナット61の螺合によって行われ、右サポート支持構成Rを有する配管吊下支持具1の右係止部15の透孔への右後方吊下支持杆9の各一端の接続取付は、
図1、
図2、
図4に示す本実施例においてはナット91の螺合によって行われる。
【0024】
尚また、符号16は吊下接続部材31にバンド端部13・13を接続固定するためのボルト・ナットを示し、符号12は2つのバンド抱持部11・11の下端部分を接続する組式又は蝶番式(本実施例では蝶番式)の如き接続部を示す。
【0025】
以下、本発明の構成について更に詳説する。
【0026】
本発明の配管吊下支持具1は、この種の配管吊下支持具に用いられる材料として公知公用のものを特別の制限なく用いることができ、好ましくはステンレスやその他の金属製である。
【0027】
左サポート支持構成L・右サポート支持構成Rの各々の配管吊下支持具1の左係止部14・右係止部15は、その形成に際しての基点位置が本実施例ではバンド抱持部11の左右の側方部の略中央位置であるが、略中央位置より上方位置或いは下方位置であってもよく、この基点の位置を含めて左係止部14・右係止部15の延伸角度については、左係止部14・右係止部15に螺合係止される左前方吊下支持杆6・右後方吊下支持杆9の吊下げ角度等の諸条件によって適宜設定される。
【0028】
左係止部14・右係止部15の形成構成としては、
図1〜
図4に示す本実施例では、バンド抱持部11の開放両端部に連設されたバンド端部13・13をそのまま左係止部14・右係止部15として利用している。即ち、左サポート支持構成L・右サポート支持構成Rを有する配管吊下支持具1として、公知公用の一般的な構成の配管バンドをそのまま利用している。
【0029】
1点吊下支持構成Nは、
図5に示すように、吊りボルト3と、該吊りボルト3にタンバックルの如き吊下接続部材31を介してバンド端部13を接続して、バンド抱持部11に抱持した配管Pを取付面2に吊下支持する公知公用の一般的な構成の配管吊下支持具1とを用いた構成を挙げることができる。
【0030】
以上の構成を有する本発明の配管吊下支持具1は、その使用に際して
図1及び
図2に示すように、
先ず、
図5に示す1点吊下支持構成Nを有する配管吊下支持具1を、取付面2に一端が固定される吊りボルト3にタンバックルの如き吊下接続部材31を介してバンド端部13をボルト・ナット16により固定することで前記取付面2に吊下支持し、
次に、
図3に示す左サポート支持構成Lを有する配管吊下支持具1を、取付面2に一端が固定され、斜め吊下げする公知公用の吊りボルトの如き左前方吊下支持杆6の他端を左係止部14の透孔に挿通してナット61によって螺合緊締することによって配管Pの左方向における斜め1点吊下支持し、
更に、
図4に示す右サポート支持構成Rの配管支持具1を、取付面2に一端が固定され、斜め吊下げする公知公用の吊りボルトの如き右後方吊下支持杆9の他端を右係止部15の透孔に挿通してナット91によって螺合緊締することによって配管Pの右方向における斜め1点吊下支持し、
上記の左サポート支持構成Lを有する配管吊下支持具1と、右サポート支持構成Rを有する配管吊下支持具1とを、配管軸方向において、間に1点吊下支持構成Nを挟んだ状態で交互に繰り返して吊下配設した構成とする。かかる構成によって、1点吊下支持構成Nを挟んで隣接する2種類の斜め1点吊下支持構成L・Rを有する配管吊下支持具1・1同士が
図2に示すように平面視した際に配管軸方向において対称の斜め1点吊下支持構成を有する構成となる。
【0031】
以上の構成、即ち、1点吊下支持構成Nを間に挟んだ状態で2種類の斜め1点吊下支持構成L・Rを有する配管吊下支持具1・1を配管軸方向において交互に用いて配管Pを吊下支持することによって、この2種類(L・R)の配管吊下支持具1が、隣接するもの同士で平面視した際に配管軸方向において対称の斜め1点吊下支持構成となるので、配管軸方向の振動負荷と配管軸直交方向の振動負荷とが同時に生じることに加えて、捻れを含む軸線回り方向に傾動・揺動する振動負荷をも生じた場合であっても、様々な方向における揺れを対称構成の2種類のサポート支持構成L・Rが互いに打ち消す作用効果を発揮し、揺れを収束させることができる。従って、長尺スパンや超長尺スパンにおける配管吊下支持であっても、複数個ないし多数個の配管支持具1・1・1・・・に掛かる負荷が同調して増幅されてしまうことを抑制することができ、配管支持具1に歪みや破損が生じ難いという、本発明に係る特定の2種類の斜め1点吊下支持構成による相乗効果を有している。
【0032】
また、吊りボルト3と配管支持バンド1とによる通常の1点吊下支持構成N・N・N・・・を有する既存の配管設備に、上記した2種類のサポート支持構成L・Rを付加することによって本発明と同様のサポート支持構成を有する配管吊下支持具とすることもできる。
【0033】
また、
図1〜
図4に示す上記実施例では、バンド抱持部11の開放両端部に連設されたバンド端部を左係止部14・右係止部15とした構成であるが、本発明はかかる構成に限定されず、バンド抱持部11と同素材であって別体構成である板材をバンド抱持部11の形成位置に溶接・融着・接着・ネジ留めの如き固着手段により止着した構成とすることもできるし、或いはバンド抱持部の一部を切起すことにより形成した構成とすることもできる。
【0034】
更に、
図1〜
図5に示す上記実施例では、配管吊下支持具1の本体が半円状の2本のバンド抱持部11を下方の蝶番式の接続部12で接続した構成であるが、この種の配管バンドとして公知公用の構成及び素材を有する種々仕様のものを特別の制限なく用いることができ。例えば、組式構成の接続部を有する配管バンドであってもよいし、1本の環状の帯状板材から形成された提灯式の配管バンドであってもよい。
【符号の説明】
【0035】
1 配管吊下支持具
11 バンド抱持部
12 接続部
13 バンド端部
14 左係止部
15 右係止部
16 ボルト・ナット
2 取付面
3 吊りボルト
31 吊下接続部材
6 左前方吊下支持杆
61 ナット
9 右後方吊下支持杆
91 ナット
P 配管
L 左サポート支持構成
R 右サポート支持構成
N 1点吊下支持構成