特許第6561425号(P6561425)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6561425
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】光探索システム
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/88 20060101AFI20190808BHJP
   B64D 47/02 20060101ALI20190808BHJP
   B64D 47/08 20060101ALI20190808BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20190808BHJP
   G06K 7/12 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   G01S17/88
   B64D47/02
   B64D47/08
   G06K7/14 017
   G06K7/12
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-226904(P2018-226904)
(22)【出願日】2018年12月3日
【審査請求日】2018年12月25日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年10月17日に「近畿大学 NEWS RELEASE」にて発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年10月17日に http://www.news2u.net/releases/162934 に発表
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510227942
【氏名又は名称】光トライオード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 佳伸
【審査官】 ▲高▼場 正光
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/007076(WO,A1)
【文献】 特開2018−155663(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0225777(US,A1)
【文献】 特開2008−269101(JP,A)
【文献】 特表2002−509276(JP,A)
【文献】 米国特許第10032384(US,B1)
【文献】 登録実用新案第3169522(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48 − G01S 7/51
G01S 17/00 − G01S 17/95
G06K 7/10 − G06K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
探索光照射装置から地上、雪中、雪面、水面或いは水中へ向かって照射された探索光を被探索体に装着された光タグに反射させ、前記光タグにより反射された反射光を探索光受信装置により受けて前記被探索体を探索する光探索システムであって、
前記光タグは、マトリックス型二次元識別コードパターンが設けられた反射面を有し、前記探索光を受けて前記反射光を前記探索光照射装置へ向かって反射する再帰性光反射タグであり、
前記探索光受信装置は、前記再帰性光反射タグからの前記反射光を用いて前記マトリックス型二次元識別コードパターンを撮像するCCDカメラを含み、
前記CCDカメラにより撮像された前記マトリックス型二次元識別コードパターンから識別情報を抽出する識別情報抽出手段を、含み、
前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、飛翔体に搭載され、
前記探索光照射装置は、前記探索光を走査する光偏向器を備え、
前記CCDカメラにより前記反射光から前記マトリックス型二次元識別コードパターンが撮像されたときの、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置の位置および地上高と、前記探索光照射装置からの前記探索光の照射方向とから、前記マトリックス型二次元識別コードパターンが設けられた前記再帰性光反射タグの地上位置を算出して出力するタグ位置算出手段を、備える
ことを特徴とする光探索システム。
【請求項2】
前記探索光照射装置は、水中での吸収率がきわめて低い紫色から緑色までの波長帯から選択された波長を有するレーザ光を、前記水面又は前記雪面に向かって出力するものである
ことを特徴とする請求項1の光探索システム。
【請求項3】
前記再帰性光反射タグは、人の被服、帽子、鞄、或いは靴、部品、製品、又は、前記部品或いは製品の梱包に装着される
ことを特徴とする請求項1または2の光探索システム。
【請求項4】
前記探索光は、レーザ光であり、
前記飛翔体は、ドローン、ヘリコプター、飛行船、飛行機、又は、人工衛星である
ことを特徴とする請求項1の光探索システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地上或いは水面に存在する被探索体を、光を空中から地上或いは水面に向かって照射しつつ探索する光探索システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザビームを生成するレーザ発生器光源と、前記レーザビームを走査し、且つレーザビームを所定の探索パターンで走査させるビーム走査装置と、被追尾体である標的物体から反射した反射レーザ光を受信し、その反射レーザ光に応答して上記ビーム走査装置に前記探索パターンを変化させる受信装置とを備えた、レーザ光探索システムが提案されている。たとえば、特許文献1に記載された標的追尾用レーザ指示装置がそれである。
【0003】
この特許文献1に記載されたレーザ光探索システムは、被探索体からの反射レーザ光を受信すると、それに応答して探索パターンを縮小させる受信デバイスを備え、受信した反射レーザ光に基づいて絶えず更新される追尾データを利用して標的物体を正確に追尾するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−118929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されているレーザ光探索システムを、広範囲の探索に使用した場合、所定の探索パターンで走査したレーザビームに対して被探索体から反射して受信デバイスに受信される反射レーザ光は、被探索体の大きさや形状に起因して微弱な信号となり易く受信ゲインが低いため、被探索体の探索を正確に行なえない場合があった。また、反射レーザ光には、被探索体を識別する情報が含まれていないため、多数の反射光中から目的とする被探索体であるか否かを識別することが難しく、被探索体を個別に抽出する用途に用いることが困難であった。
【0006】
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、地上、雪中、雪面、水面或いは水中等に存在する被探索体を、空中から探索光を用いて正確に探索することができる光探索システムを提供することにある。
【0007】
本発明者は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、探索光を照射する探索光照射装置を用いるとともに、被探索体には、前記探索光を受けて前記探索光照射装置に向かって反射する再帰性反射器を装着し、その再帰性反射器の反射面に識別符号を設けると、空中から探索光を所定の領域に照射したときに得られた反射探索光を受けて撮像した撮像画像内に含まれる前記識別符号に基づいて、被探索体を個別に正確に探索することができることを見いだした。本発明は斯かる知見に基づいて為されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、探索光照射装置から地上、雪中、雪面、水面或いは水中へ向かって照射された探索光を被探索体に装着された光タグに反射させ、前記光タグにより反射された反射光を探索光受信装置により受けて前記被探索体を探索する光探索システムであって、(a)前記光タグは、マトリックス型二次元識別コードパターンが設けられた反射面を有し、前記探索光を受けて前記反射光を前記探索光照射装置へ向かって反射する再帰性光反射タグであり、(b)前記探索光受信装置は、前記再帰性光反射タグからの前記反射光を用いて前記マトリックス型二次元識別コードパターンを撮像するCCDカメラを含み、(c)前記CCDカメラにより撮像された前記マトリックス型二次元識別コードパターンから識別情報を抽出する識別情報抽出手段を、含み、(d)前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、飛翔体に搭載され、(e)前記探索光照射装置は、前記探索光を走査する光偏向器を備え、(f)前記CCDカメラにより前記反射光から前記マトリックス型二次元識別コードパターンが撮像されたときの、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置の位置および地上高と、前記探索光照射装置からの前記探索光の照射方向とから、前記マトリックス型二次元識別コードパターンが設けられた前記再帰性光反射タグの地上位置を算出して出力するタグ位置算出手段を、備えることにある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光探索システムによれば、探索光照射装置から地上、雪中、雪面、水面或いは水中へ向かって照射された探索光を被探索体に装着された光タグに反射させ、前記光タグにより反射された反射光を探索光受信装置により受けて前記被探索体を探索する光探索システムであって、(a)前記光タグは、マトリックス型二次元識別コードパターンが設けられた反射面を有し、前記探索光を受けて前記反射光を前記探索光照射装置へ向かって反射する再帰性光反射タグであり、(b)前記探索光受信装置は、前記再帰性光反射タグからの前記反射光を用いて前記マトリックス型二次元識別コードパターンを撮像するCCDカメラを含み、(c)前記CCDカメラにより撮像された前記マトリックス型二次元識別コードパターンから識別情報を抽出する識別情報抽出手段を、含み、(d)前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、飛翔体に搭載され、(e)前記探索光照射装置は、前記探索光を走査する光偏向器を備え、(f)前記CCDカメラにより前記反射光から前記マトリックス型二次元識別コードパターンが撮像されたときの、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置の位置および地上高と、前記探索光照射装置からの前記探索光の照射方向とから、前記マトリックス型二次元識別コードパターンが設けられた前記再帰性光反射タグの地上位置を算出して出力するタグ位置算出手段を、備える。これにより、反射光は、再帰性光反射タグから反射されることから、受信ゲインが比較的高いため、地上、雪中、水面、或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができる。また、反射光には、被探索体を識別する情報が含まれているため、多数の反射光中から目的とする被探索体であるか否かを識別することが可能となり、被探索体を個別に抽出することが可能となる。また、前記再帰性光反射タグに設けられたマトリックス型二次元識別コードパターンは、マトリックス型二次元コードであることにある。このマトリックス型二次元コードは、所謂QRコード(登録商標)であって、多くの情報が含まれるので、地上、雪中或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。また、前記探索光受信装置は、CCDカメラを含み、前記識別情報抽出手段は、CCDカメラにより前記反射光からマトリックス型二次元識別コードパターンを容易に抽出することができるので、そのマトリックス型二次元識別コードパターンが表す被探索体に関連する識別情報に基づいて、地上、雪中或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。
【0010】
ここで、好適には、前記探索光照射装置は、固体レーザ光、半導体レーザダイオードから出力されるレーザ光、発光ダイオードから出力されるLED光、或いは、フラッシュランプ光を探索光として照射するものである。この場合、前記再帰性光反射タグは、前記反射探索光を前記探索光照射装置に向かって反射する再帰性反射層と、前記再帰性反射層に設けられ、前記識別情報を示す識別コードパターンとを有するものであることから、その再帰性光反射タグからの反射探索光からそれに含まれる識別コードパターンを抽出することで、識別コードパターンが表す被探索体に関連する識別情報に基づいて、地上、雪中或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。この識別情報は、文字、記号、バーコード等により示される被探索者自体の名称および連絡先、被探索体に装着される部品の名称、型式、サイズ、製造者、製造時期等の製造情報等の、被探索体に直接的或いは間接的に関連するものである。
【0011】
また、好適には、前記再帰性光反射タグに設けられた前記識別コードパターンは、マトリックス型二次元コードであることにある。このマトリックス型二次元コードは、所謂QRコード(登録商標)であって、多くの情報が含まれるので、地上、雪中或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。たとえば、上記のマトリックス型二次元コードには、被探索体が行方不明者が装着した被服であれば、その被服の名称および型式番号、その被服のサイズ、その被服の製造メーカー、製造時期或いは製造ロット、販売店、購入者およびその連絡先等の情報が、含まれる。
【0012】
また、好適には、前記探索光照射装置は、水中での吸収率がきわめて低い紫色から緑色までの波長帯から選択された波長を有するレーザ光を、前記水面又は前記雪面に向かって出力するものである。これにより、被探索体に装着された光タグが水中或いは氷雪中にあっても、反射探索光から前記識別情報を得ることができるので、その識別情報に基づいて地上、雪中或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。
【0013】
また、好適には、前記再帰性光反射タグは、人(ヒト)の被服、帽子、鞄、或いは靴、部品、製品、又は、前記部品或いは製品の梱包に装着されるものである。これにより、被探索体が人(ヒト)であっても、その探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。また、被探索体が部品または製品或いはその梱包である場合には、大規模な物流倉庫内において多量の部品或いは製品から所望の部品或いは製品を直ちに探索し、速やかに出荷することができるようになる。
【0014】
また、好適には、前記探索光受信装置は、前記撮像装置は、前記光再帰性光反射タグから反射された前記反射探索光を受信し、前記反射レーザ光に含まれる、前記識別情報を示す識別コードパターンを撮像するCCDカメラであり、前記識別情報抽出手段は、前記識別コードパターンから前記識別コードパターンにより示された識別情報を抽出するものである。このことから、CCDカメラにより前記反射探索光から識別コードパターンを容易に抽出することができるので、その識別コードパターンが表す被探索体に関連する識別情報に基づいて、地上、雪中或いは水中に存在する被探索体の探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。
【0015】
また、好適には、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、監視塔、飛翔体、又は、人工衛星に搭載されるものである。これにより、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、監視塔、飛翔体、または人工衛星のうちから、被探索体の種類や性質に応じて選択されたものに搭載されるので、効率的且つ経済的に被探索体の探索を正確に行なうことができる。
【0016】
また、好適には、前記飛翔体は、ドローン、ヘリコプター、飛行船、又は、飛行機である。これにより、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、ドローン、ヘリコプター、飛行船、又は、飛行機のうちから、被探索体の種類や性質に応じて選択されたものに搭載されるので、効率的且つ経済的に被探索体の探索を正確に行なうことができる。
【0017】
また、好適には、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置は、前記飛翔体に搭載され、前記探索光照射装置は、前記探索光を走査する光偏向器を備え、前記撮像装置により前記反射探索光から前記識別コードパターンが撮像されたときの、前記探索光受信装置および前記探索光照射装置の位置および地上高と、前記探索光照射装置からの探索光の照射方向とから、前記識別コードパターンが設けられた前記再帰性光反射タグの地上位置を算出して出力するタグ位置算出手段を、備える。これにより、被探索体の地上位置が容易に決定されるので、被探索体の捜索が速やかに行なわれ得る。
【0018】
また、好適には、前記探索光は、レーザ光であり、前記飛翔体は、ドローン、ヘリコプター、飛行船、飛行機、又は、人工衛星である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例である、飛翔体としてドローンを用いたレーザ光探索システムを説明する概略図である。
図2図1のレーザ光探索システムにおいて、ドローンに搭載された探索光照射装置およびレーザ光受信装置等の構成を説明する図である。
図3図1のドローン操縦用送信装置に搭載された受信装置の構成を説明する図である。
図4図1のレーザ光探索システムに用いられる、人(ヒト)が着たジャケットに装着された再帰性光反射タグの構成を説明する図である。
図5図4の再帰性光反射タグの反射面の一部に設けられた識別コードパターンの一例であるマトリックス型二次元コードを示す図である。
図6図4の再帰性光反射タグの反射面の一部に設けられた識別コードパターンの他の例である一次元型のバーコードを示す図である。
図7図4の再帰性光反射タグの他の構成例を説明する図である。
図8図4の再帰性光反射タグの他の構成例を説明する図である。
図9】本発明の他の実施例である、人工衛星を用いたレーザ光探索システムを説明する概略図である。
図10図9の光探索システムにおいて、反射レーザ光がタグから人工衛星へ到達するまでの時間と人工衛星の移動距離との関係を説明する図である。
図11図10の関係を前提とした人工衛星のタグ情報受信時間範囲を説明するタイムチャートである。
図12】本発明の光探索システムの他の実施例を説明する図である。
図13】本発明のレーザ光探索システムのさらに他の実施例を説明する図である。
図14図13の実施例の飛行機に搭載されたレーザ光送受信装置、演算装置、および、表示器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。尚、以下の説明に用いる図面において各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の一実施例の光探索システム10の構成の要部を示す略図である。本実施例の光探索システム10は、探索光としてレーザ光を用いたものである。図2は、ドローン12に搭載される探索光送受信装置14の一例であって、ドローン12に固定された探索光(レーザ光)照射装置26および探索光(レーザ光)受信装置28を示している。図1において、たとえば地上から所定の高度を飛翔する飛翔体であるドローン12には、レーザ光送受信装置14が搭載されており、反射レーザ光Lrに関連する信号を表す電波が送信器16およびアンテナ18を介して地上のデータ受信装置25へ送信されるようになっている。地上には、ドローン12のアンテナ18から送信された電波を受けるアンテナ20を備える受信器46と、受信器46で受信された信号を処理する演算処理装置24と、演算処理装置24で処理された情報を出力する表示器50とを備えるデータ受信装置25が、配設されている。データ受信装置25は車両等に搭載されてもよいが、本実施例では図1に示すドローン操縦用送信機30に設けられている。
【0022】
図2では、探索光照射装置26および探索光受信装置28の原理的な構成が示されている。探索光照射装置26は、たとえば水中や雪中での吸収率が低い紫色、青色、緑色などの比較的短い波長帯、たとえば355〜560nmの波長帯内から選択された波長、或いは赤色(2600nm〜700nm)の波長帯から選択された波長、好適にはアイセーフと称される目にやさしい波長(2600nm〜1400nm)の波長帯から選択された波長中のパルス状のレーザ光Loを地上、水面、雪面等へ向かって連続的或いは間欠的に出力するレーザ光源26aと、レーザ光源26aから出力されたレーザ光Loを偏向して地表面でのスポットが直線状或いは格子状に走査されるようにする光偏向器26bと、光偏向器26bにより偏向されたレーザ光Loを地表上で所定の大きさのスポット径となるように集光する集光レンズ装置26cとを、備えている。レーザ光源26aは、レーザ光Loを出力する半導体レーザ素子或いは固体レーザ光を出力するレーザ発振器などから構成される。
【0023】
光偏向器26bは、たとえば、圧電素子による駆動によって偏向ミラーの角度を所定の周波数で変化させる形式のものや、電気光学効果或いは音響光学効果により半導体光導波路内を伝播するレーザ光を所定の周期で偏向させる形式のものから構成される。なお、レーザ光源26aの構成によって所望のスポット径が得られる場合には、集光レンズ装置26cは必ずしも設けられていなくてもよい。
【0024】
探索光受信装置28は、被探索体たとえば人(ヒト)32に装着される被服たとえばジャケット34や帽子36に装着された光タグ40からの反射レーザ光Lrを集光する望遠レンズ装置28aと、望遠レンズ装置28aを通過した反射レーザ光Lrから光タグ40を撮像する撮像装置として機能するCCDカメラ28bとを、備えている。
【0025】
また、ドローン12には、GPS電波を受信してドローン12の位置(東経および西経の角度)を逐次算出し出力するGPS位置検出器42と、気圧或いは地上からの音波の反射時間に基づいてドローン12の高度(m)を逐次算出して出力する高度計44とが搭載されている。また、光偏向器26bは、図示しないジャイロで定められる方角を基準としたレーザ光Loの出力方向を示すレーザ光出力度角を示す信号を出力する。送信器16は、ドローン12の位置、ドローン12の高度、およびレーザ光Loの出力方向に関する信号を、データ受信装置28へ送信する。
【0026】
図3は、ドローン操縦用送信機30に設けられたデータ受信装置25を説明する図である。データ受信装置25は、送信器16からの電波を受信する受信器46と、受信器46に受けられた送信器16からの情報である、ドローン12の位置、ドローン12の高度、およびレーザ光Loの出力方向に関する信号を処理して光タグ40の位置を算出する演算処理装置24と、光タグ40の位置を表示する表示器50とを備えている。本実施例の光タグ40は、人(ヒト)32のジャケット(被服)34および帽子36に装着されているが、鞄または靴であってもよいし、陸上生物、又は水棲生物に直接装着されてもよい。
【0027】
演算処理装置24は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどを含む所謂マイクロコンピュータ(電子制御装置)であって、予め記憶されたプログラムに従って入力信号を処理し、光タグ40の位置を示す情報を表示器50に表示させる。演算処理装置24は、反射レーザ光Lrに含まれる識別情報を抽出する識別情報抽出手段として機能するものである。
【0028】
演算処理装置24は、光タグ40からの反射レーザ光Lrに含まれる識別コードパターンが表す識別情報の中からどの情報を探索情報として探索するかを外部入力操作たとえばキー入力操作に従って設定する探索条件設定手段52と、探索条件設定手段52により設定された探索情報が反射レーザ光Lrに含まれるか否かを検出する識別パターン検出手段54と、識別パターン検出手段54により識別されたときの、ドローン12の位置、ドローン12の高度、およびレーザ光Loの出力方向に基づいて光タグ40の位置すなわち人(ヒト)32の位置を算出し、表示器50に光タグ40の位置を表示させるタグ位置算出手段56とを、機能的に備えている。
【0029】
図4は、光タグ40の要部を拡大して説明する模式的な断面図である。光タグ40は、合成樹脂繊維或いは合成樹脂フィルムなどから構成された可撓性の樹脂基材60と、樹脂基材60の裏面に設けられた接着層62と、樹脂基材60の表面に反射膜64を介して一面に接着されたガラス製或いはアクリル樹脂等の合成樹脂製の小球状の複数のビーズ66とを備え、入射したレーザ光Loの入射角と同じ角度で反射レーザ光Lrを射出する再帰性光反射タグである。複数のビーズ66は再帰性反射層を構成し、反射面として機能している。
【0030】
上記光タグ40の反射面のうちの一部68には、たとえば図5に示すマトリックス型二次元コードの識別コードパターンを表すように局所的に非反射となるように設けられている。光タグ40の反射面の一部68は、ビーズ66がたとえば熱変形させられることで、非反射とされている。このマトリックス型二次元コードは、たとえばQRコード(登録商標)と称されるものであって、数次、英字、漢字からなるデータが格納されている。
【0031】
たとえば、ジャケット34或いは帽子36の商品名称、型式、サイズ、製造者、製造時期等の製造情報や、販売店名、販売時期などの販売情報、ジャケット34或いは帽子36の購入者である人(ヒト)の氏名、生年月日などの個人情報に関するデータが、識別情報として、マトリックス型二次元コードに格納される。なお、光タグ40の反射面の一部68には、図5に示すマトリックス型二次元コードに替えて、たとえば図6に示すバーコードが識別コードパターンとして用いられてもよいし、文字を示すパターンが直接設けられて識別コードパターンとして用いられてもよい。
【0032】
本実施例の光探索システム10によれば、地上或いは水面に向かって出力されたレーザ光Loを人(被探索体)32に装着された光タグ40に反射させ、光タグ40により反射された反射レーザ光Lrを受けて人(被探索体)32を探索するものであって、(a)光タグ40は、反射レーザ光Lrをレーザ光送受信装置14へ向かって反射する再帰性光反射タグであり、(b)その再帰性光反射タグは、反射レーザ光Lrに人(被探索体)32に関連する予め定められた識別情報を付与するものであり、(c)反射レーザ光Lrを受信し、受信した反射レーザ光Lrから識別情報を抽出する演算処理装置(識別情報抽出手段)24を、含む。
【0033】
これにより、反射レーザ光Lrは、上記再帰性光反射タグから反射されたものであって受信ゲインが比較的高いため、地上、雪中或いは水中に存在する人(被探索体)32の探索を正確に行なうことができる。また、反射レーザ光Lrには、人(被探索体)32を識別する情報が含まれているため、多数の反射光中から目的とする人(被探索体)32であるか否かを識別することが可能となり、人(被探索体)32を個別に抽出することが可能となる。
【0034】
また、本実施例の光探索システム10によれば、再帰性光反射タグである光タグ40は、反射レーザ光Lrをレーザ光送受信装置14に向かって反射するビーズ(再帰性反射層)66と、ビーズ(再帰性反射層)66の一部68に局所的に設けられ、識別情報を示す識別コードパターンとを有するものであることから、光タグ40からの反射レーザ光Lrからそれに含まれる識別コードパターンを抽出することで、識別コードパターンが表す人(被探索体)32に関連する識別情報に基づいて、地上、雪中或いは水中に存在する人(被探索体)32の探索を正確に行なうことができ、人(被探索体)32を個別に抽出することが可能となる。
【0035】
また、本実施例の光探索システム10によれば、再帰性光反射タグである光タグ40に局所的に設けられた前記識別コードパターンは、マトリックス型二次元コードである。このマトリックス型二次元コードは、所謂QRコード(登録商標)であって、多くの情報が含まれるので、地上或いは水中に存在する人(被探索体)32の探索を正確に行なうことができ、人(被探索体)32を個別に抽出することが可能となる。
【0036】
また、本実施例の光探索システム10によれば、探索光照射装置26は、水中での吸収率がきわめて低い紫色から緑色までの波長帯から選択された波長を有するレーザ光Loを、水面又は雪面に向かって出力するものである。これにより、人(被探索体)32に装着された光タグ40が水中或いは氷雪中にあっても、反射レーザ光Lrから識別情報を得ることができるので、その識別情報に基づいて地上或いは水中に存在する人(被探索体)32の探索を正確に行なうことができ、人(被探索体)32を個別に抽出することが可能となる。
【0037】
また、本実施例の光探索システム10によれば、光タグ40から反射された反射レーザ光Lrを受信し、反射レーザ光Lrに含まれる、識別情報を示す識別コードパターンを撮像するCCDカメラ28bを有するレーザ光受信装置28を備え、演算処理装置(識別情報抽出手段)24は、識別コードパターンから識別コードパターンにより示された識別情報を抽出するものである。このように、CCDカメラ28bにより反射レーザ光Lrから識別コードパターンを容易に抽出することができるので、その識別コードパターンが表す人(被探索体)32に関連する識別情報に基づいて、地上、雪中或いは水中に存在する人(被探索体)32の探索を正確に行なうことができ、人(被探索体)32を個別に抽出することが可能となる。
【0038】
また、本実施例の光探索システム10によれば、探索光受信装置28および探索光照射装置26は、監視塔、飛翔体、または人工衛星に搭載されるものである。これにより、探索光受信装置28および探索光照射装置26は、監視塔、飛翔体、または人工衛星のうちから、被探索体の種類や性質に応じて選択されたものに搭載されるので、効率的且つ経済的に被探索体の探索を正確に行なうことができる。
【0039】
また、本実施例の光探索システム10によれば、前記飛翔体は、ドローン、ヘリコプター、飛行船、または飛行機である。これにより、探索光受信装置28および探索光照射装置26は、ドローン、ヘリコプター、飛行船、または飛行機のうちから、被探索体の種類や性質に応じて選択されたものに搭載されるので、効率的且つ経済的に被探索体の探索を正確に行なうことができる。
【0040】
また、本実施例の光探索システム10によれば、光タグ40は、人(ヒト)の被服、帽子、鞄、或いは靴、陸上生物、又は水棲生物に装着されるものである。これにより、被探索体が人(ヒト)、陸上生物、又は水棲生物であっても、その探索を正確に行なうことができ、被探索体を個別に抽出することが可能となる。
【0041】
また、本実施例の光探索システム10によれば、探索光受信装置28および探索光照射装置26は、ドローン(飛翔体)12に搭載され、探索光照射装置26は、レーザ光Loを走査する光偏向器26bを備え、探索光受信装置28は、光タグ(再帰性光反射タグ)40からの反射レーザ光Lrを受けて、反射レーザ光Lrに含まれる光タグ40に関連する識別コードパターンを撮像するCCDカメラ28bを備え、探索光受信装置28のCCDカメラ28bにより反射レーザ光Lrから人(被探索体)32に関連する識別コードパターンが撮像されて検知されたときの、探索光受信装置28および探索光照射装置26の位置および地上高すなわちドローン12の位置および高度と、探索光照射装置26からのレーザ光Loの出力方向とから、人(被探索体)32に関連する識別コードパターンが設けられた光タグ40の地上位置を算出して出力する演算処理装置(タグ位置算出手段)24とが、備えられる。これにより、人(被探索体)32の地上位置が容易に決定されるので、人(被探索体)32の捜索が速やかに行なわれ得る。
【0042】
なお、図4の光タグ40に替えて、図7に示す再帰性光反射タグである光タグ70を用いることができる。図4の光タグ40では、上記光タグ40の反射面のうちの一部68にマトリックス型二次元コードのパターンを表すように、反射面を構成する複数のビーズ66の一部がたとえば熱変形させられることで、非反射とされていた。しかし、本実施例の光タグ70では、光タグ70の反射面のうちの一部68にマトリックス型二次元コードのパターンを表すように、反射面を構成する複数のビーズ66のうちの一部68に対応する部分除去されることで、非反射とされている。
【0043】
また、図4の光タグ40に替えて、図8に示す再帰性光反射タグである光タグ72を用いることができる。本実施例の光タグ72では、光タグ72の反射面のうちの一部68にマトリックス型二次元コードのパターンを表すように、反射面を構成する複数のビーズ66のうちの一部68に対応する部分のビーズ66に再帰光遮蔽層74で覆われることで、非反射とされている。この再帰光遮蔽層74は、たとえば黒色樹脂或いは透明樹脂等が一部68に対応する部分のビーズ66上に平坦に印刷されることで、構成される。
【実施例2】
【0044】
図9は、本発明の他の実施例の光探索システム110の構成の要部を示す略図である。図9において、たとえば地球Eの上空300km程度の低軌道の人工衛星112には、前述の探索光送受信装置14と同様に構成された探索光送受信装置114が搭載されており、反射レーザ光Lrに関連する信号を表す電波が図示しない通信装置およびアンテナ116を介して地上へ送信されるようになっている。地上には、人工衛星112のアンテナ116から送信された電波を受ける地上アンテナ120を備える演算装置122が配置されている。
【0045】
演算装置122は、人工衛星112から逐次送信される電波により表される反射レーザ光Lrに関連する信号に基づいて、被探索体であるマグロ、鯨、海亀などの海洋Wを回遊する海洋生物124に装着された光タグ130からの反射レーザ光Lrに基づいて追尾データを逐次算出して、その海洋生物の回遊軌跡データを生成する。光タグ130は、前述の光タグ40と同様に構成されたものである。
【0046】
図9において、人工衛星112に搭載された図示しない通信装置は、探索光送受信装置114から出力された、反射レーザ光Lrに含まれる海洋生物124の固有の識別コード(パルス信号)を表す電気信号Soutと、その電気信号Soutを受けたときの照射レーザ光Loの地上でのスポット位置を表す位置信号とを、電波により送信する。地上に設けられている演算装置122は、地上アンテナ120を介してその電波を受けるとともに、海洋生物124の固有の識別コードを表す信号と、再帰性反射層130からの反射レーザ光Lrを受けたときの照射レーザ光Loの地上でのスポット位置とに基づいて海洋生物124の位置を特定し、その海洋生物124を追尾する。たとえば、地球Eの海洋Wを示す地図上にその海洋生物124の移動軌跡をリアルタイムで表示する。演算装置122は、タグ位置算出手段として機能している。
【0047】
図10は、レーザ光探索システム110の動作の説明に用いる図であり、図11は伝送タイムチャートを示す図である。図10において、低軌道の人工衛星112の地表からの距離を300kmとすると、人工衛星112から照射された照射レーザ光Loが海洋W中の海洋生物124に貼着された光タグ130から反射して再び当該人工衛星112に到着するまでには、2msecの遅延時間が発生する。一方、人工衛星112の移動速度が10km/secであるとすると、2msecの間に20m移動する。
【0048】
仮に、海洋生物124に貼着された光タグ130から反射した反射レーザ光Lrの光のひろがり角を3.3mradとすると、低軌道の人工衛星112の軌道上では1000mの範囲で反射レーザ光Lrが広がる。この領域を人工衛星112が通過する時間は50msecであるので、反射レーザ光Laの検知には十分な時間を確保できる。この50msecの領域内に光タグ130に関する情報を人工衛星112が検出する必要がある。
【0049】
図11は、これらの条件を勘案した光タグ130に関する情報の伝送タイムチャートの一例を示している。この図11では、人工衛星112から照射される照射レーザ光Loの照射開示時刻を0としている。反射レーザ光Lrのスポット内部に人工衛星112が存在する50msecを受信可能時間として、この受信可能時間内でたとえば10〜100ビットの情報を1msecで受信する。つまり、10〜100kbit/secの通信速度を実現している例である。
【0050】
上述のように、本実施例の光探索システム110によれば、水中に存在する海洋生物(被追尾体)124に装着された光タグ130に到達した水中透過性を有する照射レーザ光Loはその再帰性によって人工衛星112に向かって反射されることにより、海洋生物124からの反射レーザ光Lrは比較的高い受信ゲインにて人工衛星112により受信される。
【実施例3】
【0051】
図12の実施例では、光探索システム110が、不時着した飛行機、ヘリコプター、飛行船などの飛翔体たとえば飛行機80の追尾や探索に適用された例を示している。人工衛星112には、探索光送受信装置114が搭載されており、飛行機180には、光タグ130が、飛行機80の表面の所定の位置または複数の位置に装着されている。
【0052】
本実施例の光探索システム110によれば、たとえがハイジャックなどに起因して電波による通信不能な飛行機180が海洋Wに不時着した場合には、その飛行機180に装着した光タグ130からの反射レーザ光Lrを受けて反射レーザ光Lrに含まれる識別情報から飛行機180を追尾或いは探索することで、その不時着位置を特定できる。これにより、不時着した飛行機180についてその人命救助を速やかに開始することが可能となって、安全、安心な社会の構築に寄与することができる。不時着した飛行機180はしばらく浮くことができるし、乗客はライフクラフトを用いて漂流している可能性がある。
【実施例4】
【0053】
図13および図14は、光探索システム210が、人(ヒト)82の追尾或いは探索に適用された場合を示している。図13の実施例では、前述の探索光送受信装置14と同様に構成された探索光送受信装置114が飛行機、ヘリコプター、飛行船などの飛翔体たとえば小型飛行機184に搭載され、光タグ130は、人(ヒト)82の帽子或いは手足に装着される。探索光送受信装置114、演算装置122および表示器50が、小型飛行機184に搭載されている。これらレーザ光送受信装置114および演算装置122は、探索される人182が滞在する領域たとえば海水浴場を俯瞰可能な比較的高い地上構築物たとえば塔や建築物の頂部に設けられていてもよい。
【0054】
本実施例の光探索システム210によれば、たとえば海水浴場において人(ヒト)82が溺れて行方が不明となった場合において、その人(ヒト)182の帽子或いは手足に装着されている光タグ130からの反射レーザ光Lrを受けて反射レーザ光Lrに含まれる識別情報から人(ヒト)182を追尾或いは探索することで、その位置を特定できる。これにより、水浴中に行方不明となった人(ヒト)182についてその早期の救助開始を可能とするので、人命の救助が可能となって、安全、安心な社会の構築に寄与することができる。
【0055】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0056】
たとえば、前述の実施例の再帰性光反射タグ40、70、72の再帰性反射層は、ビーズ66で構成されていたが、正四面体粒を多数配置したプリズム層から構成されていてもよい。
【0057】
また、前述の実施例では、レーザ光送受信装置14、114がドローン12、人工衛星112、飛行機184に搭載されていたが、たとえば監視塔などの比較的おおきな高さを有する地上構築物に設けられてもよい。
【0058】
また、被探索体は、人(ヒト)、海洋生物、陸上生物や、航空機、ヘリコプターなどの飛翔体に限らない。光タグ130を装着可能な物体であればよく、淡水中に棲む大型もしくは小型の水棲生物などであってもよい。
【0059】
また、図2および図3に示されている探索光送受信装置14は、基本構成が示されているだけであるので、性能を高めるための、光学系装置や電気的装置の追加や変更がされてもよい。
【0060】
また、前述の実施例では、探索光としてレーザ光が用いられていたが、発光ダイオードから出力されるLED光であってもよいし、キセノンランプ等のフラッシュランプからのフラッシュ光などの他の種類の光源からの光であってもよい。
【0061】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0062】
10、110、210:光探索システム
12:ドローン(飛翔体)
14、114:探索光送受信装置
24:演算処理装置(識別情報抽出手段)(タグ位置算出手段)
26:探索光照射装置
28:探索光受信装置
26b:光偏向器
28b:CCDカメラ(撮像装置)
32:人(被探索体)
40、70、72、130:再帰性光反射タグ(光タグ)
56:タグ位置算出手段
66:ビーズ(再帰性反射層)
68:反射面の一部(識別コードパターン)
122:演算装置(タグ位置算出手段)
124:海洋生物(被探索体)
180:飛行機(飛翔体、被追尾体)
182:人(被追尾体)
184:小型飛行機(飛翔体)
【要約】
【課題】地上、雪中或いは水中に存在する被探索体を、空中から探索光を用いて正確に探索することができるレーザ光探索システムを提供する。
【解決手段】光探索システム10の光タグ40は、反射レーザ光Lrをレーザ光送受信装置14へ向かって反射する再帰性光反射タグであって、反射レーザ光Lrに人(被探索体)32に関連する予め定められた識別情報を付与するものであり、光探索システム10は、反射レーザ光Lrを受信し、受信した反射レーザ光Lrから識別情報を抽出する演算処理装置(識別情報抽出手段)24を含む。反射レーザ光Lrは、上記再帰性光反射タグから反射されたものであって受信ゲインが比較的高いため、地上、雪中或いは水中に存在する人(被探索体)32の探索を正確に行なうことができる。反射レーザ光Lrには、人(被探索体)32を識別する情報が含まれていて個別に抽出することが可能となる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14