(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る経路案内システム、経路案内方法、及び経路案内プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0014】
本実施の形態においては、車載用ナビゲーション装置(以下、車載装置)に経路案内プログラムをインストールすることにより、車載装置が経路案内システムとして機能する場合について説明する。ただし、これに限られず、例えば、スマートフォンや携帯用ナビゲーション装置を含む任意の装置によって施設案内システムを構成してもよい。また、経路案内システムにおける車載装置としての機能については、公知の車載用ナビゲーション装置と同様の構成により得ることができるので、その説明は省略することとする。なお、以下では、この車載装置を搭載した車両(車載装置を操作するユーザが搭乗する車両)を「自車両」と称して説明する。また、「自車両」とは、例えば、四輪自動車、二輪自動車、及び自転車等を含む概念であるが、以下では、自車両が四輪自動車である場合について説明する。
【0015】
(構成)
最初に、実施の形態に係る経路案内システムが適用される車載装置の構成について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る車載装置を例示するブロック図である。
図1に示すように、車載装置1は、概略的に、現在位置検出部10、タッチパネル20、ディスプレイ30、スピーカ40、制御部50、及びデータ記録部60を備えている。
【0016】
(構成−現在位置検出部)
現在位置検出部10は、車載装置1の現在位置を検出する現在位置検出手段である。この現在位置検出部10は、GPS又は地磁気センサ(いずれも図示省略)を有し、現在の車載装置1の位置(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0017】
(構成−タッチパネル)
タッチパネル20は、ユーザの指等で押圧されることにより、当該ユーザから各種操作入力を受け付ける操作手段である。このタッチパネル20は、透明又は半透明状に形成され、ディスプレイ30の前面において当該ディスプレイ30の表示面と重畳するように設けられている。このタッチパネル20としては、例えば、抵抗膜方式や静電容量方式等による操作位置検出手段を備えた公知のタッチパネルを用いることができる。
【0018】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ30は、後述する制御部50の制御に基づいて各種の画像を表示する表示手段であり、特に、後述する地図データベース61(以下、データベースを「DB」と称する)に格納された地図情報に基づいて地図を表示する表示手段である。このディスプレイ30の具体的な構成は任意であり、例えば、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイ等を用いることができる。
【0019】
(構成−スピーカ)
スピーカ40は、後述する制御部50の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ40より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0020】
(構成−制御部)
制御部50は、車載装置1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、実施の形態に係る経路案内プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して車載装置1にインストールされることで、制御部50の各部を実質的に構成する。
【0021】
また、この制御部50は、
図1に示すように、機能概念的に、探索部51、及び案内部52を備えている。
【0022】
探索部51は、所定方法で指定された探索条件と、後述する地図情報とに基づいて、出発地から目的地に至る第1経路を探索し、第2経路を探索し、探索条件に応じたリスクを特定する探索手段である。
ここで、「出発地」とは、ユーザが移動を開始する地点を意味し、「目的地」とは、ユーザの移動の目的となる地点を意味する。
また、「探索条件」とは、経路を探索するための条件を意味する。この探索条件は、例えば、出発地から目的地に至るまでの距離が短くなる経路を優先して探索する距離優先条件、出発地から目的地に至るまでに要する時間が短くなる経路を優先して探索する時間優先条件、出発地から目的地に至るまでの燃費が低くなる経路を優先して探索する燃費優先条件、出発地から目的地に至るまでに要する道路料金が低くなる経路を優先して探索する料金優先条件等を挙げることができる。
また、「第2経路」とは、第1経路とは異なる経路であって出発地から第1経路上の分岐点に接続された分岐道路を経由して目的地に至る経路を意味する。ここで、「分岐点」とは、道路が二つ以上の方向に分かれる地点を意味し、例えば、交差点や、高速道路の合流地点等を含む概念である。また、「分岐道路」とは、分岐点に接続された道路であって、第1経路上に存在しない道路を意味する。
また、「リスク」とは、第1経路を外れて第2経路を移動した際のリスクを意味し、例えば、第2経路を移動した場合に、第1経路に比べてユーザが負う可能性がある損失(時間的損失や金銭的損失等)である。また、この「リスク」とは、「リスクの種類」と「リスクの量」を含む概念である。このうち、「リスクの種類」としては、例えば、探索条件に応じたリスクの種類があり、具体的には、距離のリスク、時間のリスク、燃費のリスク、料金のリスク等を挙げることができる。また、「リスクの量」とは、リスクの度合いを意味する。
【0023】
案内部52は、リスクに関する情報を案内する案内手段である。ここで、「リスクに関する情報」とは、リスクの内容に関する情報であり、例えば、後述するリスクDB62に格納される情報であって、後述する案内対象分岐点、分岐道路、第2経路、リスクの量等を含んで構成された情報である。
【0024】
(構成−データ記録部)
データ記録部60は、車載装置1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0025】
また、このデータ記録部60は、地
図DB61と、リスクDB62と、閾値テーブル63と、基準距離テーブル64とを備えている。
【0026】
地
図DB61は、地図情報を格納する地図情報格納手段である。ここで、「地図情報」とは、道路、道路構造物、施設等を含む各種の位置の特定に必要な情報であり、例えば、道路上に設定された各ノードに関するノードデータ(例えばノードID、座標等)や、道路上に設定された各リンクに関するリンクデータ(例えばリンクID、リンク名、接続ノードID、道路座標、道路種別(例えば、有料道路、一般道路等)、車線数等)、地物データ(例えば信号機、道路標識、ガードレール、施設等)、地形データ等を含んで構成されている。
【0027】
リスクDB62は、リスクに関する情報を格納するリスク情報格納手段である。
図2は、リスクDB62の構成例を示す図である。
図2に示すように、リスクDB62は、項目「案内対象分岐点」、項目「分岐道路」、項目「第2経路」、及び項目「リスクの量」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「案内対象分岐点」に対応する情報は、後述する案内対象分岐点を特定する情報(例えば、後述する案内対象分岐点に対応するノードのノードID等)である。また、項目「分岐道路」に対応する情報は、分岐道路を特定する情報(例えば、分岐道路に対応するリンクのリンクID)である。また、項目「第2経路」に対応する情報は、第2経路を特定する情報(例えば、第2経路上に存在するリンクのリンクID)である。また、項目「リスクの量」に対応する情報は、リスクの量を特定する情報である。
【0028】
図1の閾値テーブル63は、後述する経路案内処理のSA14で用いられる閾値に関する情報を格納する閾値情報格納手段である。
図3は、閾値テーブル63の構成例を示す図である。
図3に示すように、閾値テーブル63は、項目「探索条件」、項目「リスクの種類」、及び項目「閾値」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「探索条件」に対応する情報は、探索条件を特定する情報である。また、項目「リスクの種類」に対応する情報は、リスクの種類を特定する情報である。また、項目「閾値」に対応する情報は、閾値を特定する情報である。
【0029】
図1の基準距離テーブル64は、後述する基準距離に関する情報を格納する基準距離情報格納手段である。
図4は、基準距離テーブル64の構成例を示す図である。
図4に示すように、基準距離テーブル64は、項目「地図縮尺」、及び「基準距離」と、各項目に対応する情報とを、相互に関連付けて構成されている。ここで、項目「地図縮尺」に対応する情報は、ディスプレイ30上に表示される地図の縮尺を特定する情報である。また、項目「基準距離」に対応する情報は、後述する基準距離を特定する情報である。
【0030】
(処理)
次に、このように構成される車載装置1によって実行される経路案内処理について説明する。
図5は、実施の形態に係る経路案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この経路案内処理は、概略的には、出発地から目的地に至る経路を探索し、当該探索した経路を案内する処理である。なお、この経路案内処理を実行するタイミングは任意であり、実施の形態では、車載装置1の電源が投入された後に起動されるものとして説明する。ただし、これに限られず、例えば、自車両が移動している途中で探索した経路を外れた場合に、再度経路の探索を行う指示が受け付けられた後に起動されてもよい。あるいは、外部装置から取得したプローブ情報の中に、交通事故の発生に関する情報が含まれている場合には、当該プローブ情報を取得した後に起動されてもよい。
【0031】
経路案内処理が起動されると、出発地から目的地に至る第1経路を探索し、且つ、第1経路に関する情報を特定するために、制御部50は、SA1からSA8の処理を行う。
【0032】
まず、
図5に示すように、SA1において制御部50は、出発地及び目的地の設定指示が受け付けられたか否かを判定する。この出発地の設定については任意であるが、実施の形態においては、タッチパネル20を介してユーザの所定操作が受け付けられることで設定する。ただし、これに限られず、例えば、現在位置検出部10によって検出された現在位置を出発地として設定してもよい。また、この目的地の設定については任意であるが、実施の形態においては、タッチパネル20を介してユーザの所定操作が受け付けられることで設定する。そして、制御部50は、出発地及び目的地の設定指示が受け付けられるまで待機し(SA1、No)、出発地及び目的地の設定指示が受け付けられた場合(SA1、Yes)、SA2へ移行する。
【0033】
SA2において制御部50は、ユーザによってタッチパネル20を介して所定操作が受け付けられることにより、探索条件の指定指示が受け付けられたか否かを判定する。この探索条件の指定については任意であるが、実施の形態においては、ディスプレイ30上にある所定の表示領域に、探索条件を特定する情報(例えば、距離優先条件、時間優先条件、燃費優先条件、料金優先条件等)を一覧表示させ、この探索条件を特定する情報のいずれか1つをタッチパネル20を介してユーザが選択することにより指定する。そして、制御部50は、探索条件の指定指示が受け付けられるまで待機し(SA2、No)、探索条件の指定指示が受け付けられた場合(SA2、Yes)、SA3へ移行する。
【0034】
SA3において探索部51は、リスクの種類を特定する。このリスクの種類の特定については、具体的には、閾値テーブル63に格納されているリスクの種類を特定する情報の中から、SA2にて受け付けられた探索条件に基づいて、当該探索条件に対応するリスクの種類を特定する情報を抽出し、当該抽出した情報をリスクの種類として特定する。
【0035】
SA4において探索部51は、SA1にて設定された出発地及び目的地と、SA2にて指定された探索条件(例えば、距離優先条件等)と、地
図DB61に格納された地図情報とに基づいて、公知の経路探索手法を用いて第1経路を探索する。
【0036】
SA5において制御部50は、第1経路に関する移動情報を特定する。ここで、「第1経路に関する移動情報」とは、自車両が第1経路を移動した場合の移動内容を特定する情報であり、例えば、第1経路の距離、第1経路を移動する場合に要する時間、第1経路を移動する際の燃費、第1経路を移動する場合に要する料金等を含む概念である(なお、後述する第2経路に関する移動情報についても同様とする)。
【0037】
また、この第1経路に関する移動情報の特定については、例えば、以下に示す方法により特定する(なお、後述する第2経路に関する移動情報の特定についても同様とする)。ただし、以下に示す方法に限らず、公知の方法を用いて特定してもよい。
【0038】
具体的には、第1経路の距離の特定については、地
図DB61に格納されているノードの座標の中から、SA4にて探索された第1経路に基づいて、当該第1経路上に存在するノードの座標を特定し、当該特定したノードの座標に基づいて隣接するノード間の距離を算出し、当該算出した隣接するノード間の距離の合計値を、第1経路の距離として特定する。
【0039】
また、第1経路を移動する場合に要する時間の特定については、第1経路の距離の特定と同様に、第1経路上に存在するノード間の距離を算出する。次に、地
図DB61に格納されているリンクデータの中から、SA4にて探索された第1経路に基づいて、第1経路に含まれるリンクの道路種別を特定し、当該特定したリンクの道路種別と、上記算出したノード間の距離とに基づいて、各道路種別の総距離を算出する。次いで、各道路種別の総距離をリンクの道路種別に応じた速度(例えば、国道の場合には時速40km/h等)でそれぞれ除算し、当該除算した値の合計値を、第1経路を移動する場合に要する時間として特定する。なお、道路種別に応じた速度は、プローブ情報等として得られた道路の状況(渋滞や天候等)を考慮して決定してもよい。
【0040】
また、第1経路を移動する際の燃費の特定については、第1経路の距離の特定と同様に、第1経路上に存在するノード間の距離を算出する。次に、地
図DB61に格納されているリンクデータの中から、SA4にて探索された第1経路に基づいて、第1経路に含まれるリンクの道路種別を特定し、当該特定したリンクの道路種別と、上記算出したノード間の距離とに基づいて、各道路種別の総距離を算出する。次いで、各道路種別の総距離をリンクの道路種別に応じた燃料使用量(例えば、国道の場合には、10km程度で0.5L等)でそれぞれ除算し、当該除算した値の平均値を、第1経路を移動する際の燃費として特定する。なお、燃料使用量は、プローブ情報等として得られた道路の状況(渋滞や天候等)を考慮して決定してもよい。
【0041】
また、第1経路を移動する場合に要する料金の特定については、SA4にて探索された第1経路と、地
図DB61に格納された地図情報に基づいて、第1経路上に有料道路が存在するか否かを判定し、有料道路が存在する場合は、この有料道路を移動するのに要する通行料金を、第1経路を移動する場合に要する料金として特定する。なお、有料道路が存在しない場合は、通行料金がかからないので、第1経路を移動する場合に要する料金は無料となる。
【0042】
SA6において制御部50は、後述するSA14にて用いられる閾値を特定する。ここで、閾値の種類については任意であるが、実施の形態においては、第1経路に関する移動情報に対する所定の割合(例えば、第1経路の距離の10%等)として説明する。また、この閾値の特定については、具体的には、閾値テーブル63に格納されている閾値を特定する情報の中から、SA3にて特定されたリスクの種類(例えば、距離のリスク等)に基づいて、当該リスクの種類に対応する閾値を特定する情報(すなわち、第1経路に関する移動情報に対する所定の割合)を抽出し、当該抽出した情報と、SA5にて特定された第1経路に関する移動情報とに基づいて、第1経路に関する移動情報(例えば、第1経路の距離等)に所定の割合(例えば、10%等)を積算した値を算出し、当該算出した値を閾値として特定する。
【0043】
SA7において制御部50は、SA4にて探索された第1経路上に存在する分岐点を特定する。この分岐点の特定については、具体的には、地
図DB61に格納されているノードIDの中から、SA4にて探索された第1経路に基づいて、第1経路上に存在するノードであって、第1経路上に存在しないリンクと接続されたノードのノードIDを抽出し、当該抽出したノードIDを、分岐点として特定する。
【0044】
SA8において制御部50は、SA7にて特定された分岐点に接続された分岐道路を特定する。この分岐道路の特定については、具体的には、地
図DB61に格納されているリンクIDの中から、SA7にて特定された分岐点に基づいて、当該特定された分岐点の各々に対応するノードに接続されたリンクのリンクIDであって、第1経路上に存在しないリンクのリンクIDを抽出し、当該抽出したリンクIDを、分岐道路として特定する。
【0045】
次に、リスクに関する情報を生成するために、制御部50は、SA9からSA17の処理を行う。
【0046】
まず、SA9からSA17の間のループにおいて制御部50は、SA7にて特定された分岐点をそれぞれ対象として、SA10からSA16の処理を順次行う(例えば、分岐点に対応するノードのノードIDが若い順等)。また、SA10からSA16の間のループにおいて制御部50は、SA8にて特定された分岐道路をそれぞれ対象として、SA11からSA15の処理を順次行う(例えば、分岐道路に対応するリンクのリンクIDが若い順等)。以下、SA9からSA17の間のループにおいて処理対象となる分岐点を「第1対象分岐点」と称し、SA10からSA16の間のループにおいて処理対象となる分岐道路を「対象分岐道路」と称する。
【0047】
SA10からSA16の間のループにおいては、最初に、SA11において探索部51は、第2経路を探索する。この第2経路の探索については、具体的には、SA1にて指定された出発地及び目的地と、対象分岐道路と、地
図DB61に格納された地図情報とに基づいて、ダイクストラ法等の公知の経路探索手法を用いて当該対象分岐道路を経由する第2経路を探索する。
【0048】
SA12において制御部50は、上記SA5にて特定された第1経路に関する移動情報と同様に、第2経路に関する移動情報を特定する。
【0049】
SA13において探索部51は、リスクの量を特定する。このリスクの量の特定については、具体的には、SA5にて特定された第1経路に関する移動情報と、SA12にて特定された第2経路に関する移動情報とに基づいて、これら第1経路に関する移動情報と第2経路に関する移動情報との差分を算出し、当該算出した差分をリスクの量として特定する。
【0050】
例えば、探索条件=距離優先条件が指定された場合において、リスクの種類=距離のリスク、及び第1経路に関する移動情報(すなわち、第1経路の距離)=30kmが特定され、第1対象分岐点(すなわち、ノードID)=D1001、及び対象分岐道路(すなわち、リンクID)=1001であった場合の第2経路に関する移動情報(すなわち、第2経路の距離)=40kmが特定された場合には、リスクの量=第2経路に関する移動情報−第1経路に関する移動情報=40km−30km=10kmが特定される。
【0051】
SA14において探索部51は、SA6にて特定された閾値と、SA13にて特定されたリスクの量とに基づいて、リスクの量が閾値以上であるか否かを判定する。そして、探索部51は、上記リスクの量が上記閾値以上でないと判定された場合に(SA14、No)、SA15の処理を行うことなく、第1対象分岐点に接続された他の分岐道路を対象分岐道路として、SA11からSA15の処理を再び繰り返す。一方、上記リスクの量が上記閾値以上であると判定された場合に(SA14、Yes)、SA15に移行する。
【0052】
例えば、探索条件=距離優先条件が指定された場合において、リスクの種類=距離のリスク、及び第1経路に関する移動情報(すなわち、第1経路の距離)=30km、閾値=第1経路の距離の10%=30km×0.1=3kmが特定され、第1対象分岐点(すなわち、ノードID)=D1001、及び対象分岐道路(すなわち、リンクID)=1001であった場合の第2経路に関する移動情報(すなわち、第2経路の距離)=40km、及びリスクの量=10kmが特定された場合に、このリスクの量(=10km)がこの閾値(=3km)を上回るので、上記リスクの量が上記閾値以上であると判定される。
【0053】
SA15において探索部51は、SA14にて上記閾値以上であると判定された上記リスクの量に対応する第1対象分岐点を案内対象分岐点として記録するために、リスクに関する情報をリスクDB62に格納する。ここで、「案内対象分岐点」とは、案内部52にて案内すべき分岐点を意味し、例えば、SA14にて上記閾値以上であると判定された上記リスクの量に対応する第1対象分岐点等が該当する。また、このリスクに関する情報の格納については、具体的には、第1対象分岐点と、対象分岐道路と、SA11にて探索された第2経路、SA13にて特定されたリスクの量と、地
図DB61に格納された地図情報とに基づいて、第1対象分岐点に対応するノードのノードIDと、対象分岐道路に対応するリンクのリンクIDと、第2経路上に存在するリンクのリンクIDと、リスクの量とを相互に関連付けたものを、それぞれ、案内対象分岐点を特定する情報、分岐道路を特定する情報、第2経路を特定する情報、及びリスクの量を特定する情報としてリスクDB62に互いに関連付けて格納する。そして、SA15の処理後、制御部50は、他の分岐道路を対象分岐道路として、SA11からSA15の処理を再び繰り返す。このように、SA14において選別された案内対象分岐点のリスクに関する情報(以下、「案内対象分岐点に関する情報」と称する)のみをリスクDB62に格納するので、リスクの量と閾値とに基づいて特定された情報(ユーザが特に注意を払うべき分岐点に関する情報)のみをユーザに案内することが可能となる。なお、リスクDB62に格納されたリスクに関する情報は、SA15にてリスクDB62に格納されてから経路案内処理が終了するまでの間、リスクDB62に格納されるが、任意の適切なタイミング(例えば、次の経路案内処理を開始する際)に自動的に消去される。
【0054】
以上のように、SA10からSA16の間のループにおいて、第1対象分岐点に接続された分岐道路の全てを対象として、SA11からSA15の処理を順次行った後、制御部50は、他の分岐点を第1対象分岐点として、SA10からSA16の処理を再び繰り返す。次いで、SA9からSA17の間のループにおいて、SA7にて特定された分岐点の全てを対象として、SA10からSA16の処理を順次行った後、制御部50は、表示処理(SA18)を起動する。
【0055】
(処理−表示処理)
次に、表示処理について説明する。この表示処理は、SA15にて格納されたリスクに関する情報を表示するための処理である。
図6は、
図5の表示処理のフローチャートである。
図7は、経路案内処理の処理対象とする第1経路及び第2経路を含む地図を例示した図である。ここで、
図7において、複数の市町村(
図6に示す名古屋市、蟹江町、飛鳥村等)を区切るための境界線を点線で示し、第1経路R0001を太線で示し、第2経路R1001、R2001、R3001、R4001、R5001を第1経路R0001とは異なる太線で示している。また、出発地を「S」で示し、目的地を「G」で示す。
【0056】
図6に示すように、まず、SB1において案内部52は、SA4にて探索された第1経路を、ディスプレイ30に表示された地図に対して重ねて表示させる。ここで、第1経路の表示については、具体的には、
図7に示すように、ディスプレイ30上において、第1経路R0001全体が把握できるように、この第1経路R0001全体が表示可能となるように縮尺調整された地図を表示し、当該表示された地図に対してこの第1経路R0001を重ねて表示する。
【0057】
図6に戻り、SB2において案内部52は、SB1にて表示された地図と、地
図DB61に格納された地図情報とに基づいて、公知の方法を用いて当該SB1にて表示された地図の縮尺を特定する。
【0058】
SB3において案内部52は、基準距離を特定する。ここで、「基準距離」とは、案内対象分岐点間の実距離であって、SB1にてディスプレイ30に表示された地図上で、複数の案内対象分岐点が重複して見えるか否かの基準となる実距離を意味する。この基準距離の特定については、具体的には、基準距離テーブル64に格納されている基準距離を特定する情報の中から、SB2にて特定された地図の縮尺に基づいて、当該地図の縮尺に対応する基準距離を特定する情報を抽出し、当該抽出した情報を基準距離として特定する。
【0059】
SB4からSB8の間のループにおいて制御部50は、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点をそれぞれ対象として、SB5からSB7の処理を順次行う(例えば、案内対象分岐点に対応するノードのノードIDが若い順等)。以下、SB4からSB8の間のループにおいて処理対象となる案内対象分岐点を「第2対象分岐点」と称する。
【0060】
SB4からSB8の間のループにおいては、最初に、SB1にて表示された地図上において、複数の案内対象分岐点が重複して見えるか否かを判断するために、SB5において案内部52は、第2対象分岐点からSB3にて特定された基準距離以内に他の案内対象分岐点(実施の形態では、今回の第2対象分岐点よりも以前に第2対象分岐点となった案内対象分岐点)が存在するか否かを判定する。この判定については、具体的には、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点と、地
図DB61に格納された地図情報とに基づいて、第2対象分岐点と他の案内対象分岐点との相互間の実距離が基準距離以内であるか否かを判定する。ここで、この相互間の実距離が基準距離以内である場合には、他の案内対象分岐点が存在すると判定される(すなわち、第2対象分岐点と他の案内対象分岐点とが重複して見えるものと判断される)。一方、この相互間の実距離が基準距離以内でない場合には、他の案内対象分岐点が存在しないと判定される(すなわち、第2対象分岐点と他の案内対象分岐点とが重複して見えないものと判断される)。そして、案内部52は、他の案内対象分岐点が存在しないと判定された場合に(SB5、No)、SB6に移行し、他の案内対象分岐点が存在すると判定された場合に(SB5、Yes)、SB7に移行する。
【0061】
例えば、
図7に示すように、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点のうち、案内対象分岐点(すなわち、ノードID)=D2001を第2対象分岐点とした場合において、SB2にて特定された地図の縮尺=1/200000、及びSB3にて特定された基準距離=600mが特定された場合に、第2対象分岐点(=D2001)と他の案内対象分岐点(例えば、案内対象分岐点=D1001等)との相互間の実距離=5km程度であった場合には、当該相互間の実距離が基準距離(=600m)以内でないので、他の案内対象分岐点(=D1001)が存在しないと判定される(すなわち、第2対象分岐点(=D2001)と他の案内対象分岐点(=D1001)とが重複して見えないものと判断される)。また、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点のうち、案内対象分岐点=D4001、D5001を第2対象分岐点とした場合についても、これと同様に判定される。ただし、案内対象分岐点=D1001を第2対象分岐点とした場合については、他の案内対象分岐点が存在しないので、他の案内対象分岐点が存在しないものとみなされる。
【0062】
一方で、
図7に示すように、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点のうち、案内対象分岐点=D3001を第2対象分岐点とした場合において、第2対象分岐点(=D3001)と他の案内対象分岐点(例えば、案内対象分岐点=D2001等)との相互間の実距離=500m程度であった場合には、当該相互間の実距離が基準距離(=600m)以内であるので、他の案内対象分岐点(=D2001)が存在すると判定される(すなわち、第2対象分岐点(=D3001)と他の案内対象分岐点(=D2001)とが重複して見えるものと判断される)。
【0063】
図6に戻り、SB6において案内部52は、SA15にてリスクDB62に格納されたリスクに関する情報と、地
図DB61に格納された地図情報とに基づいて、SB1にて表示された地図上に、SB5にて他の案内対象分岐点とが重複して見えないと判断された第2対象分岐点に関する情報を重畳表示させる。この第2対象分岐点に関する情報の表示については任意であるが、実施の形態においては、SB1にて表示された地図上における第2対象分岐点の位置に、案内対象分岐点であることを示す所定の図形(例えば、白塗りの円等)を表示する。また、第2対象分岐点に関する情報のうちリスクの量と、第2対象分岐点から当該第2対象分岐点に対応する第2経路に進行するための案内情報(例えば、自車両の進行方向に対して第2対象分岐点から第2経路に進行する方向を指示する情報であり、具体的には、「左折」、「斜め左」、「右折」、「斜め右」等))とを示す通知領域(例えば、ポップアップ画像等)を、SB1にて表示された地図上における第2対象分岐点の近傍位置に表示する。さらに、SB1にて表示された地図上において、第2対象分岐点に対応する第2経路を表示する。
【0064】
例えば、
図7に示すように、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点のうち、案内対象分岐点(すなわち、ノードID)=D1001を第2対象分岐点とした場合には、SB1にて表示された地図上における第2対象分岐点(=D1001)の位置に、案内対象分岐点であることを示す所定の図形が表示される。また、第2対象分岐点(=D1001)に関する情報のうちリスクの量=10kmと、第2対象分岐点(=D1001)から当該第2対象分岐点(=D1001)に対応する第2経路R1001に進行するための案内情報=左折とを示す通知領域が、SB1にて表示された地図上における第2対象分岐点(=D1001)の近傍位置に表示される(
図7では、「左折:10km」と表示される)。さらに、第2対象分岐点(=D1001)に対応する第2経路R1001が表示される。また、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点のうち、案内対象分岐点=D2001、D4001、D5001を第2対象分岐点とした場合についても、これと同様に、通知領域及び第2経路R2001、R4001、R5001がそれぞれ表示される。
【0065】
図6に戻り、SB7において案内部52は、リスクDB62に格納されたリスクに関する情報に基づいて、SB1にて表示された地図上に、SB5にて他の案内対象分岐点とが重複して見えると判断された第2対象分岐点に関する情報を、他の案内対象分岐点に関する情報と共に、一括して重畳表示させる。この第2対象分岐点に関する情報の一括表示については任意であるが、実施の形態においては、SB1にて表示された地図上における他の案内対象分岐点の位置に表示された案内対象分岐点であることを示す所定の図形に代えて、SB1にて表示された地図上における第2対象分岐点の位置及びこの他の案内対象分岐点の位置にわたって、複数の案内対象分岐点が重複していることを示す所定の図形(例えば、白塗りの長円等)を表示する。また、第2対象分岐点に関する情報のうちリスクの量と、第2対象分岐点から当該第2対象分岐点に対応する第2経路に進行するための案内情報とを、この他の案内対象分岐点の通知領域に表示する。さらに、SB1にて表示された地図上において、第2対象分岐点に対応する第2経路を表示する。
【0066】
例えば、
図7に示すように、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点のうち、案内対象分岐点(すなわち、ノードID)=D3001を第2対象分岐点とした場合には、SB1にて表示された地図上における第2対象分岐点(=D3001)の位置及び他の案内対象分岐点(例えば、案内対象分岐点=D2001等)の位置にわたって、複数の案内対象分岐点が重複していることを示す所定の図形が表示される。また、第2対象分岐点(=D3001)に関する情報のうちリスクの量=9kmと、第2対象分岐点(=D3001)から当該第2対象分岐点(=D3001)に対応する第2経路R3001に進行するための案内情報=右折が、他の案内対象分岐点(=D2001)の通知領域に表示される(
図7では、他の案内対象分岐点(=D2001)におけるリスクの量及び案内情報が「(1)左折:7km」と表示されると共に、第2対象分岐点(=D3001)におけるリスクの量及び案内情報が「(2)右折:9km」と表示される)。さらに、第2対象分岐点(=D3001)に対応する第2経路R3001が表示される。
【0067】
このように、SB6、SB7において案内部52が、リスクに関する情報を案内するので、リスクに関する情報を提示できる。これにより、自車両が第1経路に代えて第2経路に進路変更する場合において、ユーザが、第1経路上の分岐点のうち、探索条件に応じた適切な分岐点を、案内されたリスクを参照することで容易且つ正確に選択することができることから、例えば、第1経路に比べて距離等が増加する第2経路に進路変更してしまうことを回避でき、第1経路に比べて距離等が減少する第2経路に進路変更することが可能になる。よって、従来に比べて、経路設定におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0068】
また、SB6、SB7において案内部52が、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報を案内するので、リスクの量が閾値以上である分岐点のみを案内対象分岐点として案内することで、ユーザが、第1経路上の分岐点のうち、特に注意を払うべき分岐点を一層容易且つ正確に把握することができ、経路設定におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能となる。
【0069】
また、SB7において案内部52が、複数の案内対象分岐点に関する情報(例えば、リスクの量等)の案内を一括して行うので、例えば、複数の案内対象分岐点に関する情報の案内を個別的に行った場合にはこれら案内が相互に重なって視認性が低下するよう場合であっても、複数の案内対象分岐点に関する情報の案内を一括して行うことで視認性が低下することを回避でき、ユーザが複数の案内対象分岐点に関する情報を一層容易に確認することが可能となる。
【0070】
また、SB6、SB7において案内部52が、リスクの量をディスプレイ30に表示させるので、ユーザがリスク量を容易且つ正確に把握でき、リスク量に基づく分岐点の選択を一層容易且つ正確に行うことが可能になる。
【0071】
図6に戻り、その後、制御部50は、他の案内対象分岐点を第2対象分岐点として、SB5からSB7の処理を再び繰り返す。
【0072】
以上のように、SB4からSB8の間のループにおいて、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点の全てを対象として、SB5からSB7の処理を順次行った後、制御部50は、表示処理及び経路案内処理を終了する。
【0073】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0074】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。例えば、本発明に係る経路案内システムの経路設定におけるユーザの利便性が従来と同程度であっても、従来と異なる構造により従来と同程度の経路設定におけるユーザの利便性を有している場合には、本願発明の課題は解決されている。
【0075】
(分散や統合について)
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、車載装置1を、相互に通信可能に構成された複数の装置に分散して構成し、これら複数の装置の一部に探索部51を設けると共に、これら複数の装置の他の一部に案内部52を設けてもよい。
【0076】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0077】
(経路案内システムの使用態様について)
上記実施の形態では、経路案内システムの使用態様については、自車両に搭載されるものとして使用されると説明したが、これに限られない。例えば、歩行者が歩行経路を探索する場合には、歩行者によって携帯されるものとして使用されてもよい。この場合には、探索条件のうち燃費優先条件が除外されると共に、リスクの種類のうち燃費のリスクも除外される。
【0078】
(経路案内処理について)
上記実施の形態では、SA11にて特定された第2経路のリスクに関する情報のうち、リスクが高い情報のみを案内するために、SA6、SA14の処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、SA11にて特定された第2経路のリスクに関する情報の全てを案内できるように、SA6、SA14の処理を省略してもよい。この場合には、閾値テーブル63も省略することができる。
【0079】
また、上記実施の形態では、SA6において、閾値テーブル63に格納されている閾値を特定する情報の中から、SA3にて特定されたリスクの種類に基づいて、当該リスクの種類に対応する閾値を特定する情報を抽出し、当該抽出した情報と、SA5にて特定された第1経路に関する移動情報とに基づいて、第1経路に関する移動情報に所定の割合を積算した値を算出し、当該算出した値を閾値として特定すると説明したが、これに限られない。例えば、閾値を固定値として閾値テーブル63に格納してもよく(例えば、探索条件=距離優先条件に対して、閾値=10Km)、この場合には、閾値テーブル63に格納されている閾値を特定する情報の中から、SA3にて特定されたリスクの種類に基づいて、当該リスクの種類に対応する閾値を特定する情報を抽出し、当該抽出した情報をそのまま閾値として用いてもよい。
【0080】
また、上記実施の形態では、SA10からSA16の間のループにおいて、全ての案内対象分岐点に関する情報をリスクDB62に格納した後に、SA18において、全ての案内対象分岐点に関する情報をまとめて表示すると説明したが、これに限られない。例えば、SA14にて閾値以上であると判定された第1対象分岐点を案内対象分岐点として、当該案内対象分岐点に関する情報を逐次表示できるように、SA15に代えてSA18の処理を行ってもよい。この場合には、SA15を省略することができ、SA17の処理後に経路案内処理を終了させてもよい。また、リスクDB62も省略することができる。
【0081】
また、上記実施の形態では、SA2において、ユーザによってタッチパネル20を介して所定操作が受け付けられることにより、探索条件が指定されると説明したが、これに限られない。例えば、デフォルト設定に基づいて、探索条件が指定されてもよい。あるいは、外部装置から受信した指示データに基づいて、探索条件が指定されてもよい。
【0082】
(表示処理について)
上記実施の形態では、SA15にて格納されたリスクに関する情報のうち、SB1にて表示された地図上において重複して見える複数の案内対象分岐点に関する情報を一括表示するために、SB2からSB5、SB7、及びSB8の処理が行われると説明したが、これに限られない。例えば、SA15にて格納されたリスクに関する情報の全てを、地図上において個別に表示するために、SB2からSB5、SB7、及びSB8の処理を省略してもよい。この場合には、基準距離テーブル64も省略することができる。
【0083】
また、上記実施の形態では、SB1において、第1経路全体が表示可能となるように縮尺調整された地図に、第1経路を重ねて表示すると説明したが、これに限られない。例えば、第1経路の一部が拡大して表示されるように縮尺調整された地図に、第1経路を重ねて表示してもよい。
【0084】
また、上記実施の形態では、SB5において、第2対象分岐点からSB3にて特定された基準距離以内に他の案内対象分岐点が存在するか否かを判定すると説明したが、これに限られない。例えば、SB1にて表示された地図上において、第2対象分岐点から当該表示上の所定距離(例えば、5mm等)以内に他の案内対象分岐点が存在するか否かを判定してもよい。この場合には、SB2、SB3を省略することができる。また、基準距離テーブル64も省略することができる。
【0085】
また、上記実施の形態では、SB5において、今回の第2対象分岐点よりも以前に第2対象分岐点であった案内対象分岐点を他の案内対象分岐点として、第2対象分岐点からSB3にて特定された基準距離以内に当該他の案内対象分岐点が存在するか否かを判定すると説明したが、これに限られない。例えば、SA15にて格納された全ての案内対象分岐点を他の案内対象分岐点として、第2対象分岐点からSB3にて特定された基準距離以内に当該他の案内対象分岐点が存在するか否かを判定してもよい。
【0086】
また、上記実施の形態では、SB6、SB7において、SB1にて表示された地図上に、案内対象分岐点であることを示す所定の図形(又は、複数の案内対象分岐点が重複していることを示す所定の図形)、リスクの量及び案内情報を示す通知領域、及び第2経路を表示させると説明したが、これに限られない。例えば、
図8に示すように、案内対象分岐点であることを示す所定の図形(又は、複数の案内対象分岐点が重複していることを示す所定の図形)のみを表示させてもよい。
【0087】
また、上記実施の形態では、SB6、SB7の処理を行うことにより、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報の全部を表示すると説明したが、これに限られない。例えば、
図9に示すように、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報のうち、リスクが高い順に所定数の案内対象分岐点に関する情報(例えば、リスクが高い上位3位の案内対象分岐点に関する情報)のみを表示させてもよい。あるいは、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報のうち、リスクが低い順に所定数の案内対象分岐点に関する情報(例えば、リスクが低い上位3位の案内対象分岐点に関する情報)のみを表示させてもよい。あるいは、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報が所定数(例えば、5つ等)以上である場合には、リスクが高い上位所定数の案内対象分岐点に関する情報のみを表示し、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報が所定数未満である場合には、当該リスクDB62に格納された全ての案内対象分岐点に関する情報を表示してもよい。
【0088】
また、上記実施の形態では、SB6、SB7において、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報をディスプレイ30に表示させると説明したが、これに限られず、例えば、SA15にてリスクDB62に格納された案内対象分岐点に関する情報をスピーカ40によって音声出力させてもよい。あるいは、これらディスプレイ30及びスピーカ40による出力の両方を行ってもよい(特に、自車両が案内対象分岐点近傍まで移動した場合に、この案内対象分岐点に関する情報をスピーカ40にて出力することが好適となる)。
【0089】
〔実施の形態の特徴と効果の一部〕
最後に、これまでに説明した実施の形態の特徴と効果の一部を、以下に例示する。ただし、実施の形態の特徴と効果は、以下の内容に限定されず、以下の特徴の一部のみを具備することによって以下の効果の一部のみを奏する場合や、以下の特徴以外の他の特徴を具備することによって以下の効果以外の他の効果を奏する場合がある。
【0090】
実施の形態の1つの側面1に係る経路案内システムは、地図情報を格納する地図情報格納手段と、所定方法で指定された探索条件と、前記地図情報とに基づいて、出発地から目的地に至る第1経路を探索し、前記第1経路とは異なる第2経路であって前記出発地から前記第1経路上の分岐点に接続された分岐道路を経由して前記目的地に至る第2経路を探索し、前記第1経路を外れて前記第2経路を移動した際のリスクであって前記探索条件に応じたリスクを特定する探索手段と、前記リスクに関する情報を案内する案内手段と、を備える。
【0091】
上記側面1に係る経路案内システムによれば、車両が第1経路に代えて第2経路に進路変更する場合において、ユーザが、第1経路上の分岐点のうち、探索条件に応じた適切な分岐点を、案内されたリスクを参照することで容易且つ正確に選択することができることから、例えば、第1経路に比べて距離等が増加する第2経路に進路変更してしまうことを回避でき、第1経路に比べて距離等が減少する第2経路に進路変更することが可能になる。よって、従来に比べて、経路設定におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0092】
実施の形態の他の側面2に係る経路案内システムは、上記側面1に係る経路案内システムにおいて、前記探索手段は、前記リスクの量と、閾値とに基づいて、前記分岐点のうち、前記案内手段にて案内すべき案内対象分岐点を特定し、前記案内手段は、前記案内対象分岐点に関する情報を案内する。
【0093】
上記側面2に係る経路案内システムによれば、例えば、リスクの量が閾値以上である分岐点のみを案内対象分岐点として案内することで、ユーザが、第1経路上の分岐点のうち、特に注意を払うべき分岐点を一層容易且つ正確に把握することができ、経路設定におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能となる。
【0094】
実施の形態の他の側面3に係る経路案内システムは、上記側面2に係る経路案内システムにおいて、前記案内手段は、前記案内対象分岐点が複数特定された場合に、当該複数の案内対象分岐点に関する情報の案内を一括して行う。
【0095】
上記側面3に係る経路案内システムによれば、例えば、複数の案内対象分岐点に関する情報の案内を個別的に行った場合にはこれら案内が相互に重なって視認性が低下するよう場合であっても、複数の案内対象分岐点に関する情報の案内を一括して行うことで視認性が低下することを回避でき、ユーザが複数の案内対象分岐点に関する情報を一層容易に確認することが可能となる。
【0096】
実施の形態の他の側面4に係る経路案内システムは、上記側面1から側面4のいずれかに係る経路案内システムにおいて、前記案内手段は、前記リスクの量を表示手段に表示させる。
【0097】
上記側面4に係る経路案内システムによれば、ユーザがリスク量を容易且つ正確に把握でき、リスク量に基づく分岐点の選択を一層容易且つ正確に行うことが可能になる。
【0098】
実施の形態の他の側面5に係る経路案内方法は、所定方法で指定された探索条件と、地図情報格納手段に格納された地図情報とに基づいて、出発地から目的地に至る第1経路を探索し、前記第1経路とは異なる第2経路であって前記出発地から前記第1経路上の分岐点に接続された分岐道路を経由して前記目的地に至る第2経路を探索し、前記第1経路を外れて前記第2経路を移動した際のリスクであって前記探索条件に応じたリスクを特定する探索ステップと、前記リスクに関する情報を案内する案内ステップと、を含む。
【0099】
上記側面5に係る経路案内方法によれば、車両が第1経路に代えて第2経路に進路変更する場合において、ユーザが、第1経路上の分岐点のうち、探索条件に応じた適切な分岐点を、案内されたリスクを参照することで容易且つ正確に選択することができることから、例えば、第1経路に比べて距離等が増加する第2経路に進路変更してしまうことを回避でき、第1経路に比べて距離等が減少する第2経路に進路変更することが可能になる。よって、従来に比べて、経路設定におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0100】
実施の形態の他の側面6に係る経路案内プログラムは、コンピュータを、所定方法で指定された探索条件と、地図情報格納手段に格納された地図情報とに基づいて、出発地から目的地に至る第1経路を探索し、前記第1経路とは異なる第2経路であって前記出発地から前記第1経路上の分岐点に接続された分岐道路を経由して前記目的地に至る第2経路を探索し、前記第1経路を外れて前記第2経路を移動した際のリスクであって前記探索条件に応じたリスクを特定する探索手段と、前記リスクに関する情報を案内する案内手段と、として機能させるための経路案内プログラムである。
【0101】
上記側面6に係る経路案内プログラムによれば、車両が第1経路に代えて第2経路に進路変更する場合において、ユーザが、第1経路上の分岐点のうち、探索条件に応じた適切な分岐点を、案内されたリスクを参照することで容易且つ正確に選択することができることから、例えば、第1経路に比べて距離等が増加する第2経路に進路変更してしまうことを回避でき、第1経路に比べて距離等が減少する第2経路に進路変更することが可能になる。よって、従来に比べて、経路設定におけるユーザの利便性を向上させることが可能となる。