(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を詳細に説明する。
少なくとも着色剤、樹脂、および溶剤を含む着色組成物の製造方法であって、0.2〜2.0mmφの範囲のメディアを有するメディア型分散機で、前記顔料の平均粒径が1μm以下となるよう分散処理する第1の分散工程で分散した分散液を、高速遠心力によって前記顔料の平均粒径が1μmより大きい粒子を有する分散液と1μm以下の粒子を有する分散液に分級し、前記1μmより大きい粒子を有する分散液は第1の分散工程に戻し、前記1μm以下の粒子を有する分散液は、0.005〜0.1mmφの範囲のメディアを有するメディア型分散機で、分散処理する第2の分散工程で連続的に分散することを特徴とする。
【0022】
本発明における分級機としては、溶剤を含んだ状態で粒を分級できればよく、遠心分離機構による分級を特徴とするKRETTEK社製マイクロカット、大川原製作所製サイクロン等が利用できる。他にも分級機としてふるい分け式の分級機が開発されているが、1μmといった非常に細かい領域での分級には高速で遠心力を増加させた遠心分離機構による分級機が必要とされる。
【0023】
本発明において、1μmより大きい粒子を有する分散液は第1の分散工程に戻すことを特徴とする。これは、単に、1μm以下の粒子のみで、第2の分散工程を行うことの効果が得られる他に、連続工程にも、バッチ工程にも適用でき、工程管理上も安定した安定した組成物を与えることが出来る。
【0024】
メディア型分散機としては、円筒型分散機の横型、縦型、さらには環状型(アニュラータイプ)等があり、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライタ、振動ミル等のメディアを用いた各種分散機が利用できる。
【0025】
このメディア型分散機の回転軸には、種々の形状をした攪拌羽根が備えられており、ディスク型、ピン型などが知られているが、中でもロータピンを備えているものが本発明の効果をよりいっそう顕著にするために好ましい。
また、このメディア型分散機のメディア分離機構としては、遠心分離方式、スリット方式(ギャップセパレータ方式)、スクリーン方式等があるが、遠心分離によるものが好ましい。粒径が0.1mmφ以下の微小メディアを分離できるスリットまたはスクリーンの製作は、機械加工精度の関係上非常に難しく、ミルベース顔料分散体を供給する際に、目詰まりするという可能性があるためである。
【0026】
ロータピンおよび遠心分離によるメディア分離機構を備えた湿式分散機としては、例えばスーパーアペックスミル(寿工業社製)、ウルトラアペックスミル(寿工業社製)、デュアルアペックスミル(寿工業社製)、DCP型パールミル(アイリッヒ社製)、ピコグレンミル(浅田鉄工社製)、エコミル(浅田鉄工社製)などがある。
また、分散効率の良い分散機内のメディア充填率は、好ましくは50〜100容量%、更に好ましくは60〜80容量%である。
メディアの材質は、特に限定されるものでなく、一般に用いられているガラス、スチール、ステンレス、陶磁器、ジルコン、ジルコニア等が挙げられる。また、メディアの粒径は、微分散、整粒効果、高コントラスト比を達成するために0.1mmφ以下でなければならず、特に0.05mmφ〜0.005mmφの微小メディアを用いるとその効果は非常に大きくなるため好ましい。
【0027】
次に、分散機中に供給されカラーフィルタ用着色組成物を構成する原材料について説明する。
(着色剤)
本発明の着色組成物に含まれる着色剤としては、有機または無機の顔料を、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。顔料は、発色性が高く、且つ耐熱性の高い顔料、特に耐熱分解性の高い顔料が好ましく、通常は有機顔料が用いられる。
以下に、本発明のカラーフィルタ用着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す。
【0028】
本発明の着色組成物を用いて赤色フィルタセグメントを形成する場合には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1、81:2、81:3、97、122、123、146、149、166、168、176、177、178、179、180、184、185、187、192、200、202、208、210、215、216、217、220、221、223、224、226、227、228、240、242、246、254、255、264、269、272等の赤色顔料を用いることができる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 36、38、43、71、又は73等の橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。
【0029】
本発明の着色組成物を用いて緑色フィルタセグメントを形成する場合には、例えばC.I.ピグメント グリーン 7、10、36、37、58、59、特開2004−333817号公報、特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
また緑色着色組成物には、C.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214等の黄色顔料を併用することができる。
【0030】
本発明の着色組成物を用いて青色フィルタセグメントを形成する場合には、例えばC.I.ピグメント ブルー 15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64等の青色顔料を用いることができる。
また青色着色組成物には、C.I.ピグメント バイオレット 1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、50等の紫色顔料を併用することができる。
【0031】
また、無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、合成鉄黒等が挙げられる。無機顔料は、彩度と明度のバランスを取りつつ良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、有機顔料と組み合わせて用いられる。
本発明で用いられる着色剤は、前記顔料を含むが、そのほか、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることもできる。
【0032】
(樹脂)
樹脂は着色剤を着色剤担体中に分散するものであって、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色組成物の形態で用いる場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和活性二重結合を有するエネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
【0033】
着色剤を好ましく分散または溶解させるためには、樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
【0034】
樹脂をカラーフィルタ用着色組成物に使用する場合には、感光性着色組成物の分散性、安定性、現像性、及び耐熱性の観点から、着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び造塩化合物の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKOH/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。また300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
【0035】
樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、30重量%以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、500重量%以下の量で用いることが好ましい。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、顔料誘導体、樹脂型分散剤、界面活性剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、コントラストの高いカラーフィルタが得られる。
【0036】
(顔料誘導体)
顔料誘導体は、下記一般式(1)で示される化合物であり、塩基性置換基を有するものと酸性置換基を有するものとがある。
一般式(1)
A−B
A:有機顔料残基
B:塩基性置換基または酸性置換基
【0037】
一般式(1)中、Aの有機顔料残基を構成する有機顔料としては、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、ビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料等が挙げられる。
【0038】
一般式(1)中、Bの塩基性置換基としては、下記式(2)、式(3)、式(4)、および式(5)で示される置換基が挙げられ、酸性置換基としては、式(6)および式(7)で示される置換基が挙げられる。
式(2)
【化1】
式(3)
【化2】
式(4)
【化3】
式(5)
【化4】
式(6)
【化5】
式(7)
【化6】
【0039】
X:−SO
2−、−CO−、−CH
2NHCOCH
2−、−CH
2−または直接結合を表す。
n:1〜10の整数を表す。
R
1、R
2:それぞれ独立に、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基、またはR
1 とR
2 とで一体となって更なる窒素、酸素または硫黄原子を含む置換されていてもよい複素環を表す。
R
3:炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
R
4、R
5、R
6、R
7:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Y:−NR
8−Z−NR
9−または直接結合を表す。
R
8、R
9:それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいフェニル基を表す。
Z:炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキレン基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニレン基、または置換されていてもよいフェニレン基を表す。
【0040】
R:式(8)で示される置換基または式(9)で示される置換基を表す。
Q:水酸基、アルコキシル基、式(8)で示される置換基または式(9)で示される置換基を表す。
式(8)
【化7】
式(9)
【化8】
【0041】
M:水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子またはアルミニウム原子を表す。
i:Mの価数を表す。
R
10、R
11、R
12、R
13:それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜36の置換されていてもよいアルキル基、炭素数2〜36の置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいフェニル基またはポリオキシアルキレン基を表す。
【0042】
式(2)〜式(5)および式(8)、式(9)で示される置換基を形成するために使用されるアミン成分としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−エチルイソプロピルアミン、N,N−エチルプロピルアミン、N,N−メチルブチルアミン、N,N−メチルイソブチルアミン、N,N−ブチルエチルアミン、N,N−tert−ブチルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジプロピルアミン、N,N−sec−ブチルプロピルアミン、ジブチルアミン、ジーsec−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、N,N−イソブチル−sec−ブチルアミン、ジアミルアミン、ジイソアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジ(2−エチルへキシル)アミン、ジオクチルアミン、N,N−メチルオクタデシルアミン、ジデシルアミン、ジアリルアミン、N,N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N,N−メチルヘキシルアミン、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノアミルアミン、N,N−ジメチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノエチルアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジエチルアミノヘキシルアミン、N,N−ジエチルアミノブチルアミン、N,N−ジエチルアミノペンチルアミン、N,N−ジプロピルアミノブチルアミン、N,N−ジブチルアミノプロピルアミン、N,N−ジブチルアミノエチルアミン、N,N−ジブチルアミノブチルアミン、N,N−ジイソブチルアミノペンチルアミン、N,N−メチルーラウリルアミノプロピルアミン、N,N−エチルーヘキシルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノエチルアミン、N,N−ジオレイルアミノエチルアミン、N,N−ジステアリルアミノブチルアミン、ピペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、ピペコリン酸、イソニペコチン酸、イソニコペチン酸メチル、イソニコペチン酸エチル、2−ピペリジンエタノール、ピロリジン、3−ヒドロキシピロリジン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−メチルピペラジン、N−ブチルピペラジン、N−メチルホモピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−シクロペンチルピペラジン等が挙げられる。
【0043】
式(7)のスルホン酸アミン塩を形成するために使用されるアミン成分は1級、2級、3級、4級のいずれのアミンでもよく、例えば、1級アミンとしては、側鎖を有していてもよいへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ノナデシルアミン、エオコシルアミン等のアミン、もしくはそれぞれの炭素数に対応する不飽和アミンが挙げられる。
【0044】
2級、3級および4級アミンとしては、ジオレイルアミン、ジステアリルアミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン、ジメチルジドデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオレイルアンモニウムクロリド、ジメチルジデシルアンモニウムクロリド、ジメチルジオクチルアンモニウムクロリド、トリメチルステアリルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、トリメチルデシルアンモニウムクロリド、トリメチルヘキサデシルアンモニウムクロリド、トリメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ジメチルドデシルテトラデシルアンモニウムクロリド、ジメチルヘキサデシルオクタデシルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
また、式(7)におけるR
10、R
11、R
12、R
13のいずれかがポリオキシアルキレン基を表す場合、その例としてはポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等が挙げられる。
【0045】
顔料誘導体の具体例を、化合物番号を付して以下に示す。
化合物1
【化9】
CuPcは、銅フタロシアニン残基を表す。
化合物2
【化10】
化合物3
【化11】
【0046】
化合物4
【化12】
化合物5
【化13】
化合物6
【化14】
【0047】
化合物7
【化15】
化合物8
【化16】
化合物9
【化17】
【0048】
着色組成物中の顔料誘導体の配合量は、顔料100重量部に対し好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは5〜15重量部である。顔料誘導体の配合量が1重量部より少ないと、分散効果が不十分となり、20重量部より多いと、余剰の顔料誘導体で分散に影響を及ぼすことがある。
【0049】
(樹脂型分散剤)
樹脂型顔料分散剤は、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、顔料担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の顔料担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などが用いられる。また、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加物等が用いられる。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
具体的には、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Terra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
【0050】
(界面活性剤)
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミンなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0051】
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤の全量を基準(100重量%)とし、好ましくは0.1〜55重量%、さらに好ましくは0.1〜45重量%である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1重量%未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55重量%より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
【0052】
(その他の添加剤成分)
また、カラーフィルタ用着色組成物には、経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。貯蔵安定剤としては、例えばベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色組成物中の着色剤を基準(100重量%)として、0.1〜10重量%の量で用いることができる。
(粗大粒子および塵の除去)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このようにカラーフィルタ用着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ましくは0.3μm以下であることが好ましい。
【0053】
(溶剤)
本発明の着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
溶剤としては、例えばベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル、乳酸ブチル等が挙げられる。
【0054】
中でも、本発明の着色剤の分散性が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。また、溶剤は1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。
【0055】
次に、カラーフィルタ用感光性着色組成物を構成する原材料について説明する。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
【0056】
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が高いため、好適に用いられる。
【0057】
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
【0058】
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0059】
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)
アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併
用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)
アクリレートが好ましい。
【0060】
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル
安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
【0061】
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2
種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができる。
【0062】
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
【0063】
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
【0064】
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用し
て用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
【0065】
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチ
ルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用するこ
ともできる。
【0066】
(熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
本発明の着色組成物は、さらに光重合性単量体及び/または光重合開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することが出来る。
【0067】
(光重合性単量体)
本発明に用いる光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤の全重量を基準(100重量%)として、5〜400重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量%であることがより好ましい。
【0068】
紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0069】
(光重合開始剤)
本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物を紫外線照射により硬化させ、フォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤等を加えて溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調整することができる。光重合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量を基準として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
【0070】
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、又は2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、又はベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、又は3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、又は2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、又は2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、又はO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、又は2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
【0071】
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、カラーフィルタ用感光性着色組成物中の着色剤の全量を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
【0072】
(増感剤)
さらに、本発明のカラーフィルタ用感光性着色組成物には、増感剤を含有させることができる。
増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,又は4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
【0073】
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
【0074】
増感剤は、必要に応じて任意の比率で二種以上用いてもかまわない。増感剤を使用する際の配合量は、感光性着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量を基準(100重量%)として、3〜60重量%であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量%であることがより好ましい。
【実施例】
【0075】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」を意味する。
実施例に先立ち、着色組成物塗布基板のコントラスト比の測定法について説明する。
着色組成物塗布基板を2枚の偏光板の間に挟み、一方の偏光板側から液晶ディスプレー用バックライト・ユニットを用いて光を照射する。バックライト・ユニットから出た光は、1枚目の偏光板を通過して偏光され、ついでレジスト材塗布基板を通過し、2枚目の偏光板に到達する。1枚目の偏光板と2枚目の偏光板の偏光面が平行であれば、光は2枚目の偏光板を透過するが、偏光面が直行している場合には光は2枚目の偏光板により遮断される。しかし、1枚目の偏光板によって偏光された光が、レジスト材塗布基板を通過するときに、顔料粒子による散乱等が起こり偏光面の一部にずれを生じると、偏光板が平行のときは2枚目の偏光板を透過する光量が減り、偏向板が直行のときは2枚目の偏光板を光の一部が透過する。この透過光を偏光板上の輝度として測定し、偏光板が平行のときの輝度と直行のときの輝度との比をコントラスト比とする。
コントラスト比=(平行のときの輝度)/(直行のときの輝度)
【0076】
従って、着色組成物塗布膜中の顔料により散乱が起こると、平行のときの輝度が低下し、かつ直行のときの輝度が増加するため、コントラスト比が低くなる。
なお、輝度計は株式会社トプコン社製の色彩輝度計BM−5A、偏光板はサンリツ社製の偏光フィルムLLC2−92−18を用いた。なお、測定に際しては、不要光を遮断するために、測定部分に1cm角の孔を開けた黒色のマスクを当てて測定を行った。
【0077】
「平均粒径」
第1分散工程にて分散された分散体を、マルバーン株式会社製インライン粒度分布計インシテックによって測定することによって平均粒径とした。
「初期粘度」
実施例1〜31および比較例1〜4の各着色組成物の25℃における粘度をE型粘度計(TOKI SANGYO社製 TVE-20L型)を用い回転数20rpmで測定した。
「粘度安定性」
さらに40℃で1週間促進させた粘度(以下、経時粘度)についても同様に測定し、その差を測定することで粘度安定性(経時粘度−初期粘度)とした。
【0078】
実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液の調整について説明する。樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(アクリル樹脂溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
ここで、アクリル樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
【0079】
第1分散工程後の分級には下記の分級機1〜4を用いて行った。
分級機1.遠心分級機 KRETTEK社製マイクロカット
分級機2.遠心分級機 大川原製作所製サイクロン
分級機3.遠心分級機 村田工業社製スーパークロン
分級機4.ふるい分け式分級機 レッチェ社製AS200
【0080】
【表1】
【0081】
(着色組成物の作製)
(実施例1)
下記の混合物を直径0.5mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製スーパーアペックスミルで3hr分散を行ったところ(第1分散工程)、平均粒径が1μm以下となったため、表1に記載の分級機および分級条件にて分級を開始した。第1分散工程後、粒径が1μmより大きい粗大粒子として分級された分散体は第1分散工程に戻し、追加分散を1hr行って再度同様の条件にて分級を行ったところ、粗大粒子として分級された分散体は戻したミルベースの1.0重量%以下だったため、第1分散工程の終点とした。第1分散工程にて1μm以下の微小粒子と分級された分散体を、直径0.03mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルで1hr分散を行った分散体に(第2分散工程)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)20.5部を加えて希釈した後、1.0μmのフィルタで濾過して赤色着色組成物(RP−1)を得た。
赤色顔料(C.I.ピグメントレッド254) : 20.0部
アクリル樹脂溶液 : 36.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 19.5部
樹脂型分散剤チバ・ジャパン社製「EFKA4300」 : 4.0部
(実施例2〜7、実施例13〜16)
分級条件を表1に記載した通りに代えた以外は、それぞれ実施例1と同様に赤色着色組成物(RP−2〜RP−7、RP−10〜RP−13)を得た。
(実施例8〜9)
第2分散工程のジルコニアビーズのメディア径を表1に記載した通りに代えた以外は、それぞれ実施例1と同様に赤色着色組成物(RP−8〜RP−9)を得た。
(実施例10)
下記の混合物を直径0.5mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製スーパーアペックスミルで2hr分散を行ったところ(第1分散工程)、平均粒径が1μm以下となったため、表1に記載の分級機および分級条件にて分級を開始した。第1分散工程後、粒径が1μmより大きい粗大粒子として分級された分散体は第1分散工程に戻し、追加分散を0.5hr行って再度同様の条件にて分級を行ったところ、粗大粒子として分級された分散体は戻したミルベースの1.0重量%以下だったため、第1分散工程の終点とした。第1分散工程にて1μm以下の微小粒子と分級された分散体を、直径0.03mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルで2hr分散を行った分散体に(第2分散工程)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)20.5部を加えて希釈した後、1.0μmのフィルタで濾過して緑色着色組成物(GP−1)を得た。
緑色顔料(C.I.ピグメントグリーン58) : 20.0部
アクリル樹脂溶液 : 38.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 18.0部
樹脂型分散剤(ビックケミー社製「BYK−111」) : 3.5部
(実施例11)
下記の混合物を直径0.5mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製スーパーアペックスミルで1hr分散を行ったところ(第1分散工程)、平均粒径が1μm以下となったため、表1に記載の分級機および分級条件にて分級を開始した。第1分散工程後、粒径が1μmより大きい粗大粒子として分級された分散体は第1分散工程に戻し、追加分散を0.5hr行って再度同様の条件にて分級を行ったところ、粗大粒子として分級された分散体は戻したミルベースの1.0重量%以下だったため、第1分散工程の終点とした。第1分散工程にて1μm以下の微小粒子と分級された分散体を、直径0.03mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルで1hr分散を行った分散体に(第2分散工程)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)20部を加えて希釈した後、1.0μmのフィルタで濾過して青色着色組成物(BP−1)を得た。
青色顔料(C.I.ピグメントブルー15:6) : 18.0部
アクリル樹脂溶液 : 42.3部
シクロヘキサノン : 16.1部
樹脂型分散剤(ビックケミー社製「BYK−111」) : 3.6部
(実施例12)
下記の混合物を直径0.5mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製スーパーアペックスミルで1.5hr分散を行ったところ(第1分散工程)、平均粒径が1μm以下となったため、表1に記載の分級機および分級条件にて分級を開始した。第1分散工程後、粒径が1μmより大きい粗大粒子として分級された分散体は第1分散工程に戻し、追加分散を0.5hr行って再度同様の条件にて分級を行ったところ、粗大粒子として分級された分散体は戻したミルベースの1.0重量%以下だったため、第1分散工程の終点とした。第1分散工程にて1μm以下の微小粒子と分級された分散体を、直径0.03mmのジルコニアビーズを用いた寿工業株式会社製ウルトラアペックスミルで1hr分散を行った分散体に(第2分散工程)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)21.7部を加えて希釈した後、1.0μmのフィルタで濾過して黄色着色組成物(YP−1)を得た。
黄色顔料(C.I.ピグメントエロー150) : 20.0部
アクリル樹脂溶液 : 38.5部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) : 15.6部
樹脂型分散剤(ビックケミー社製「BYK−111」) : 4.2部
(比較例1)
分級条件を表1記載の条件に変えた以外は、実施例1と同様にして赤色着色組成物RP−14を得た。
(比較例2)
第2分散工程を表1記載の条件に変えた以外は、実施例1と同様にして赤色着色組成物RP−15を得た。
【0082】
【表2】
【0083】
(感光性着色組成物の作製)
(実施例17〜25、実施例28〜31)
表3に示した割合で混合し、赤色着色組成物(RP−1〜RP−9、RP−10〜RP−13)に対応して、それぞれ赤色感光性着色組成物(RR−1〜RR−9、RR−10〜13)を得た。
(実施例26)
表3に示した割合で混合し緑色感光性着色組成物(GR−1)を得た。
(実施例27)
表3に示した割合で混合し青色感光性着色組成物(BR−1)を得た。
(比較例3〜4)
表3に示した割合で混合し、赤色感光性着色組成物(RP−14〜RP−15)に対応して、それぞれ赤色感光性着色組成物(RR−14〜RR−15)を得た。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
(カラーフィルタの作製)
(実施例32)
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色感光性着色組成物RR−1をC光源において(以下、緑色、青色にも用いる)x=0.640、y=0.330になるような膜厚に塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて300mJ/cm
2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同様の方法により、緑色感光性着色組成物GR−1をx=0.300、y=0.600になるような膜厚に、青色感光性着色組成物BR−1を用いてx=0.150、y=0.06になるような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成して、カラーフィルタを得た。
【0087】
[実施例1、6〜7、比較例1および実施例17、22〜23、比較例3の評価]
表2に示した通り、赤色着色組成物の製造方法において分級機は実施例1=実施例6=実施例7>比較例1の順にコントラスト比、粘度安定性が良好であった。目標とする分級粒径が1μmと非常に細かく、ふるい分け式の分級機では分級効率が低下して粗大粒子が分級できずに残存してしまって目標の品質が得られなかった。また、表4に示した通り、それらを用いた感光性着色組成物も高コントラスト比で粘度安定性が良好であった(RR−1、RR−6〜RR−7)。
【0088】
[実施例4〜5、15〜16および実施例20〜21、30〜31の評価]
表2に示した通り、赤色着色組成物の製造方法において分級の遠心力は実施例4=実施例5>実施例16>実施例15の順にコントラスト比、粘度安定性が良好であった。遠心力が7000(×g)を上回る場合は、1μm以下の微小粒子も粗大粒子と一緒に分級されてしまった。また、粗大粒子が4000(×g)よりも下回る場合は、遠心効果が小さく粗大粒子の分級効果が小さかったため、第2分散工程での微小ビーズ分散の能力を十分に引き出すことができなかった。また、表4に示した通り、それらを用いた感光性着色組成物も高コントラスト比で粘度安定性が良好であった(RR−4〜RR−5、RR−12〜RR−13)。
【0089】
[実施例2〜3、実施例13〜14および実施例18〜19、実施例28〜29の評価]
表2に示した通り、赤色着色組成物の製造方法において分級の流量は実施例2=実施例3>実施例13>実施例14の順にコントラスト比、粘度安定性が良好であった。流量が20kg/hよりも小さい場合は、分級機からの吐出が脈流となってしまい、目標の粒子径における分級性能が低く、反対に40kg/hよりも大きい場合は、粗大粒子が分級される前に機械から吐出されてしまい、どちらも第2分散工程での微小ビーズ分散の能力を引き出すことができなかった。また、表4に示した通り、それらを用いた感光性着色組成物も高コントラスト比で粘度安定性が良好であった(RR−2〜RR−3、RR−10〜RR−11)。
【0090】
[実施例8〜9、比較例2および実施例24〜25、比較例4の評価]
表2に示した通り、赤色着色組成物の製造方法において第2分散工程の分散ビーズ径は実施例8=実施例9>比較例2の順にコントラスト比、粘度安定性が良好であった。分級後は粗大粒子が除かれているため、0.05mmφ以下のビーズで行う分散であれば粒子界面の出ない非常に優れた製品品質を得ることができた。また、表4に示した通り、それらを用いた感光性着色組成物も高コントラスト比で粘度安定性が良好であった(RR−8〜RR−9)。
【0091】
[実施例10〜12、26〜27の評価]
表2に示した通り、緑色着色組成物、青色着色組成物、黄色着色組成物の製造方法においても分散機1を用いた場合、赤色着色組成物と同様にコントラスト比と粘度安定性を両立する品質を得た(GP−1,BP−1,YP−1)。それらを用いた感光性着色組成物も高コントラスト比で粘度安定性が良好であった(GR−1,BR−1)。