【文献】
「秘宝伝〜封じられた女神〜」,パチスロ攻略マガジン2011年5月号,株式会社双葉社,2011年 4月 7日,p.54
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシン10に本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
図1はスロットマシン10の正面図であり、
図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
【0011】
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
【0012】
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
【0013】
前面扉12の中央部上寄りには、
図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
【0014】
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0015】
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
【0016】
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
【0017】
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
【0018】
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲームに相当する。
【0019】
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、
図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、投入可能時であればホッパ装置53へ導かれ、投入不可時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、メインラインML上にメダルの付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
【0020】
メダル投入口45の下方には、
図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
【0021】
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
【0022】
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、
図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57と、を備えている。
【0023】
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
【0024】
図3には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0025】
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。そして、
図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0026】
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
【0027】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行という利益のいずれかが付与される。
【0028】
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。なお、メインラインMLは1本に限定されることはなく2本、3本、4本又は5本以上であってもよく、このようにメインラインMLが複数設定されている構成においてはベット枚数に応じて有効化されるメインラインMLの数が相違する構成としてもよい。また、メインラインMLが折れ曲がりラインである構成に限定されることはなく、一直線に延びるラインであってもよい。
【0029】
以下、
図5〜
図7を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。
図5は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図であり、
図6(a)〜
図6(h)及び
図7(a)〜
図7(c)は各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
【0030】
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1〜第10補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第3ベル入賞、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞がある。
【0031】
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞〜第9補填入賞のいずれかとなる。また、メインラインML上において左から「ベル」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第10補填入賞となる。第1補填入賞〜第10補填入賞のいずれかとなった場合、3枚ベット時であれば1枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
【0032】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。第1ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
【0033】
第1ベル入賞となる場合、
図6(a)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、第1ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0034】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2ベル入賞となる。第2ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば9枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
【0035】
第2ベル入賞となる場合、
図6(b)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1ベル入賞と第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
【0036】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第3ベル入賞となる。第3ベル入賞となった場合、3枚ベット時であれば3枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
【0037】
第3ベル入賞となる場合、
図6(c)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第3ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第3ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL1であり、第1ベル入賞及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及びサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第3ベル入賞と、第1ベル入賞及び第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
【0038】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
【0039】
第1スイカ入賞となる場合、
図6(d)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となり得る。これにより、第1スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32Lの停止タイミングによっては「スイカ」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。なお、「チェリー」図柄が上段、中段又は下段を通過するタイミングで左リール32Lを停止操作する場合には、第1スイカ入賞に際して、サブラインSL1にて「スイカ」図柄の組合せが停止表示される。
【0040】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄及び「赤7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、3枚ベット時であれば4枚のメダルが払い出され、2枚ベット時であれば2枚のメダルが払い出される。
【0041】
第2スイカ入賞となる場合、
図6(e)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、第2スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL4であり、第1スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1スイカ入賞と第2スイカ入賞とを区別させることが可能となる。
【0042】
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、第1ベルリプレイ入賞、第2ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞、及び特別リプレイ入賞がある。
【0043】
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、通常リプレイ入賞となる。
【0044】
通常リプレイ入賞となる場合、
図6(f)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、通常リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
【0045】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1ベルリプレイ入賞となる。
【0046】
第1ベルリプレイ入賞となる場合、
図6(g)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第1ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第1ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1ベルリプレイ入賞を第1ベル入賞及び第2ベル入賞に対して区別させることが可能となる。
【0047】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「リプレイ1」図柄、及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2ベルリプレイ入賞となる。
【0048】
第2ベルリプレイ入賞となる場合、
図6(h)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL3であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5及び第1ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL2とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第2ベルリプレイ入賞を第1ベル入賞、第2ベル入賞及び第1ベルリプレイ入賞に対して区別させることが可能となる。
【0049】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1チェリーリプレイ入賞となる。
【0050】
第1チェリーリプレイ入賞となる場合、
図7(a)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第1チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32L又は右リール32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL1において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。
【0051】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2チェリーリプレイ入賞となる。
【0052】
第2チェリーリプレイ入賞となる場合、
図7(b)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第2チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL2において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。また、第2チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、同一図柄の組合せが停止表示されたか否かによって入賞の有無を判断する遊技者に対して、第1チェリーリプレイ入賞と第2チェリーリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
【0053】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄及び「リプレイ1」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄である場合、特別リプレイ入賞となる。
【0054】
特別リプレイ入賞となる場合、
図7(c)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。また、これ以外にも、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「白7」図柄となり得る。これにより、特別リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。特別リプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置66にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「白7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「白7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42〜44が停止操作されることにより、サブラインSL2又はサブラインSL4において3個の「白7」図柄が停止表示され得る。
【0055】
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。また、メダルを2枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、2枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
【0056】
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、CB(チャレンジボーナス)入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「赤7」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「BAR」図柄である場合、CB入賞となる。CB入賞が成立した場合には、遊技状態がCB中状態に移行する。
【0057】
CB中状態とは、メインラインMLで小役入賞に対応した図柄の組合せが停止すると、当選役の有無に関わらず入賞成立としてメダルの払い出しが行われる遊技状態である。例えば、第1ベル入賞に対応した当選フラグに「1」がセットされていない場合であっても、第1ベル入賞に対応した図柄の組合せがメインラインML上に停止すると、当該第1ベル入賞に対応した枚数のメダルが遊技者に付与される。一方、リプレイ入賞に関しては、抽選で対応する役に当選していることを条件として成立する。
【0058】
CB中状態では、CB中状態ではない非CB状態とは異なるリール制御が行われる。非CB状態では、ストップボタン42〜44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、非CB状態では、ストップボタン42〜44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が、各リール32L,32M,32Rについて行われるとも言える。一方、CB中状態では、中リール32Mと右リール32Rについて上記リール制御、すなわち通常ゲームと同様のリール制御が行われるが、左リール32Lについて上記リール制御が行われない。左リール32Lについては、左ストップボタン42を操作されてから最大1図柄分までしか滑らせないリール制御が行われる。換言すれば、CBゲーム状態では、左ストップボタン42が操作されてから規定時間より短い規定時間(75msec)が経過するまでに停止させるリール制御が、左リール32Lについて行われるとも言える。
【0059】
CB中状態では、リプレイ入賞に対応した役に当選している場合にはリプレイ入賞が優先され、リプレイ入賞が不可であればいずれかの小役入賞が100%で発生する。また、リプレイ入賞に対応した役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が100%で発生する。この場合に、CB中状態では、各ゲームのベット枚数が2枚に定められる。既に説明したとおりベット枚数が2枚である場合、いずれの小役入賞が成立したとしてもメダルの払い出し枚数は2枚となる。したがって、CB中状態では小役入賞成立時のメダルの払い出し枚数は2枚のみとなる。また、CB中状態においてリプレイ入賞が成立した場合、次のゲームにおけるベット枚数は2枚となる。したがって、CB中状態では2枚ベットされた各ゲームにおいて2枚のメダルの払い出し及び2枚ベット状態での再遊技のいずれかが発生することとなり、CB中状態においては遊技者の所有メダルの増減が発生しない。当該CB中状態は、小役入賞が19回発生した場合に終了する。
【0060】
なお、CBゲームにおいて、最大1図柄分までしか滑らないリール制御は、左リール32Lに限定されるものではなく、最初に操作されたストップボタン42〜44に対応したリール32L,32M,32Rについて最大1図柄分までしか滑らない制御が行われてもよく、予め定められたリール32L,32M,32Rについてのみ最大1図柄分しか滑らないリール制御が行われてもよい。さらには、2番目に操作されたストップボタン42〜44又は最後に操作されたストップボタン42〜44に対応したリール32L,32M,32Rについて最大1図柄分までしか滑らないリール制御が行われるといったように、ある順番目に操作されたストップボタン42〜44に対応したリール32L,32M,32Rについて最大1図柄分しか滑らないリール制御が行われてもよい。
【0061】
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
【0062】
前面扉12の上部には、
図1に示すように、上部ランプ64及びスピーカ65が設けられているとともに画像表示装置66が設けられている。上部ランプ64は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ64は、画像表示装置66における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ65は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ65は、画像表示装置66における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
【0063】
画像表示装置66は表示面を有しており、スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置66は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。
【0064】
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、
図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主基板が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
【0065】
スロットマシン10には、主制御装置70以外にもサブ制御装置80が設けられている。サブ制御装置80は、前面扉12において画像表示装置66の後方に重ねて配置されている。サブ制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66の制御を実行する。なお、サブ制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
【0066】
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、
図8のブロック図に基づいて説明する。
【0067】
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
【0068】
ROM73には、非内部状態用抽選テーブル73a、内部後状態用抽選テーブル73b及びCB中状態用抽選テーブル73cが設けられている。これらテーブルの具体的な内容については後述する。
【0069】
RAM74には、仮想メダル用エリア74a、CB中カウンタ74b及びベット規定数カウンタ74cが設けられている。これらエリア及びカウンタの具体的な内容については後述する。
【0070】
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
【0071】
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、ホッパ装置53の払出モータ及びサブ制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われるとともに、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御がMPU72により行われる。また、サブ制御装置80には、各ゲームの各タイミングでMPU72からコマンドが送信される。
【0072】
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
【0073】
サブ制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83と、そのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路85と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。
【0074】
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給され、当該バックアップ電力が供給されている状況(例えば1日や2日)ではRAM84においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM84に記憶保持されているデータは初期化される。
【0075】
ROM83には、ゲーム数テーブル83a、種別抽選テーブル83b、チャンスゾーン抽選テーブル83c、延長抽選テーブル83d、通常抽選テーブル83e及び∞抽選テーブル83fが設けられている。これらテーブルの具体的な内容については後述する。
【0076】
RAM84には、AT状態カウンタ84a、ペナルティカウンタ84b、ゲーム数解除カウンタ84c、サブ側抽選用カウンタ84d、移行チャンスカウンタ84e、移行待機カウンタ84f、チャンスゾーン管理カウンタ84g、チャンスゾーンカウンタ84h、延長発生カウンタ84i、延長当選カウンタ84j及びチャンスゾーン残カウンタ84kが設けられている。これらカウンタの具体的な内容については後述する。
【0077】
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。
【0078】
MPU82の出力側には、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ64の発光制御、スピーカ65の音出力制御、及び画像表示装置66の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。
【0079】
なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、サブ制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれサブ側MPU82、サブ側ROM83及びサブ側RAM84という。
【0080】
<主側MPU72及びサブ側MPU82により実行される処理>
次に、主側MPU72及びサブ側MPU82により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72にて実行される基本的な処理の内容について説明する。
【0081】
かかる主側MPU72の処理としては大別して、電源投入に伴い起動されたメイン処理の実行後に繰り返し実行される通常処理と、当該通常処理に対して定期的に割り込んで起動されるタイマ割込み処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後、通常処理を説明する。
【0082】
<タイマ割込み処理>
図9は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
【0083】
レジスタ退避処理(ステップS101)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74に退避させる。ステップS102では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS103に進み、停電時処理を実行する。
【0084】
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74に保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74に保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0085】
ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。
【0086】
ステップS110では、各種コマンドをサブ制御装置80へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS112では、先のステップS101にて主側RAM74に退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS113にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0087】
<通常処理>
次に、通常処理について
図10のフローチャートに基づき説明する。
【0088】
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS201)、その後に開始待ち処理を実行する(ステップS202)。開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかのリプレイ入賞が発生したか否かを判定する。いずれかのリプレイ入賞が発生していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。いずれのリプレイ入賞も発生していなかった場合には、精算ボタン51が操作されたか否かを判定し、精算ボタン51が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。メダル返却処理の終了後又は精算ボタン51が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入ボタン47〜49の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入ボタン47〜49の操作との両方が行われていない場合にはそのまま開始待ち処理を終了する。
【0089】
開始待ち処理の終了後、メダルのベット数が規定数(本実施の形態では「3」又は「2」)に達しているか否かを判定し(ステップS203)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS202)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS204)。
【0090】
スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS202)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、セレクタ52を制御することによりベット受付を禁止する(ステップS205)。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS206)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理(ステップS206)の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS207)。
【0091】
その後、メダル払出処理を実行する(ステップS208)。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合には主側RAM74に設けられた仮想メダル用エリア74aに今回の小役入賞に対応した値を加算し、仮想メダル用エリア74aの値が最大値に達している場合にはその最大値を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
【0092】
その後、CB中状態を制御するためのCB中状態処理を実行する(ステップS209)。CB中状態処理では、CB中状態ではない場合には、CB役に当選している状況においてCB入賞が成立したことを条件にCB中状態フラグに「1」をセットすることでCB中状態を開始させる。また、CB中状態の開始に際して、主側RAM74に設けられたCB中カウンタ74bに「19」をセットする。CB中カウンタ74bは、CB中状態において発生した小役入賞の回数がCB終了条件回数に達したか否かを主側MPU72にて特定するためのカウンタである。また、主側RAM74に設けられたベット規定数カウンタ74cに「2」をセットする。これにより、通常処理のステップS203では、ベット数が「2」であるか否かが判定されることとなる。したがって、ベット数が「2」に達していないとスタートレバー41の操作が無効化されるとともに、3枚以上のベットが不可となる。また、CB中状態が開始されたことを示すデータを含むCB開始コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。これにより、サブ側MPU82ではCB中状態に対応した演出が実行されるようにスピーカ65及び画像表示装置66などを制御する。なお、CB中状態が開始される場合に、CB役の当選データは消去される(つまりCB当選フラグが「0」クリアされる)。
【0093】
一方、CB中状態である場合には、小役入賞が成立した場合にCB中カウンタ74bの値を1減算する。そして、CB中カウンタ74bの値が「0」となっている場合にはCB中状態フラグを「0」クリアすることでCB中状態を終了させる。この場合、主側RAM74のベット規定数カウンタ74cに「3」をセットする。これにより、通常処理のステップS203では、ベット数が「3」であるか否かが判定されることとなる。したがって、ベット数が「3」に達していないとスタートレバー41の操作が無効化されるとともに、4枚以上のベットが不可となる。また、CB中状態が終了したことを示すデータを含むCB終了コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。これにより、サブ側MPU82では、スピーカ65及び画像表示装置66などにおけるCB中状態に対応した演出を終了させる。ステップS209の処理を実行した後は、ステップS201の処理に戻る。
【0094】
<抽選処理>
図11は、通常処理(
図10)におけるステップS206の抽選処理を示すフローチャートである。
【0095】
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS301)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
【0096】
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73から読み出す(ステップS302)。本スロットマシン10では、主側MPU72において抽選テーブルが相違する遊技状態として、CB非内部状態と、CB内部後状態と、CB中状態との3種類が存在している。CB非内部状態とは、CB中状態ではない状態であってCB当選フラグに「1」がセットされていない状態であり、CB内部後状態とは、CB中状態ではない状態であってCB当選フラグに「1」がセットされている状態である。
【0097】
なお、「1」がセットされた当選フラグがCB当選フラグではない場合、当該当選フラグがセットされたゲームの終了後に「0」クリアされる。一方、「1」がセットされた当選フラグがCB当選フラグである場合、CB入賞が成立したことを条件の1つとして「0」クリアされる。すなわち、CB当選フラグに「1」がセットされた状態は、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。
【0098】
ステップS302では、主側RAM74に設けられた遊技状態に対応したフラグの内容に基づいてスロットマシン10の現在の遊技状態を判別し、遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。具体的には、現在の遊技状態がCB非内部状態である場合には非内部状態用抽選テーブル73aを選択し、現状の遊技状態がCB内部後状態である場合には内部後状態用抽選テーブル73bを選択し、現状の遊技状態がCB中状態である場合にはCB中状態用抽選テーブル73cを選択する。
【0099】
また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。内部後状態用抽選テーブル73bは6段階の設定状態に1対1で対応させて用意されており、ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い内部後状態用抽選テーブル73bを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い内部後状態用抽選テーブル73bを選択する。一方、非内部状態用抽選テーブル73a及びCB中状態用抽選テーブル73cは全ての設定状態に共通となるように1種類のみ用意されている。
【0100】
各抽選テーブルについて説明する。まず
図12の説明図を参照しながら、非内部状態用抽選テーブル73aについて説明する。なお、以下の説明では
図14の説明図を適宜参照する。
【0101】
非内部状態用抽選テーブル73aには、
図12に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
【0102】
具体的には、IV=1には、第2ベル当選データと、第1補填当選データと、第5補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=1で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0103】
IV=2には、
図12に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=2で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0104】
IV=3には、
図12に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第6補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。IV=3で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0105】
IV=4には、
図12に示すように、第2ベル当選データと、第3補填当選データと、第5補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。IV=4で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0106】
IV=5には、
図12に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第3補填当選データと、第4補填当選データと、第5補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=5で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、IV=1〜4の場合よりも低い。
【0107】
IV=6には、
図12に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第6補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。IV=6で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、IV=1〜4の場合よりも低い。
【0108】
IV=7には、
図12に示すように、第1スイカ当選データと、第2スイカ当選データと、第10補填当選データとが設定されている。IV=7で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1スイカ入賞又は第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第10補填入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、第10補填入賞が発生しない可能性がある。
【0109】
IV=8には、
図12に示すように、第3ベル当選データが設定されている。IV=8で当選となった場合、
図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第3ベル入賞が確実に発生する。
【0110】
IV=9には、
図12に示すように、通常リプレイ当選データと、特別リプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データとが設定されている。IV=9で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が左リール32L又は中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。それ以外の場合には、特別リプレイ入賞又は第1チェリーリプレイ入賞が発生する。IV=9で当選となり右リール32Rが最初に停止操作された場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には特別リプレイ入賞の発生が優先され、特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。
【0111】
IV=10には、
図12に示すように、CB当選データが設定されている。IV=10で当選となった場合、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくCB入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42〜44の操作タイミングによっては、CB入賞が発生しない可能性がある。
【0112】
非内部状態用抽選テーブル73aが選択される場合、IV=1の際に当選となる確率、IV=2の際に当選となる確率、IV=3の際に当選となる確率、IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、IV=5の際に当選となる確率、及びIV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/11.6であり、IV=7の際に当選となる確率は約1/66.7であり、IV=8の際に当選となる確率は約1/32.8であり、IV=9の際に当選となる確率は約1/8.9であり、IV=10の際に当選となる確率は約1/4.2である。
【0113】
次に、
図13の説明図を参照しながら、内部後状態用抽選テーブル73bについて説明する。なお、以下の説明では
図14の説明図を適宜参照する。
【0114】
内部後状態用抽選テーブル73bには、
図13に示すように、非内部状態用抽選テーブル73aと同様に、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
【0115】
IV=1〜9に設定されている当選データは、非内部状態用抽選テーブル73aの場合と同様である。
【0116】
IV=10には、
図13に示すように、第1ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データとが設定されている。IV=10で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1ベルリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1チェリーリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
【0117】
IV=11には、
図13に示すように、第2ベルリプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データとが設定されている。IV=11で当選となった場合、
図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合には、第2ベルリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第1チェリーリプレイ入賞が各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
【0118】
IV=12には、
図13に示すように、第1チェリーリプレイ当選データが設定されている。IV=12で当選となった場合、
図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第1チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
【0119】
IV=13には、
図13に示すように、第2チェリーリプレイ当選データが設定されている。IV=13で当選となった場合、
図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第2チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
【0120】
内部後状態用抽選テーブル73bが選択される場合、IV=1の際に当選となる確率、IV=2の際に当選となる確率、IV=3の際に当選となる確率、IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、IV=5の際に当選となる確率、及びIV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/11.6であり、IV=7の際に当選となる確率は約1/66.7であり、IV=8の際に当選となる確率は約1/32.8であり、IV=9の際に当選となる確率は約1/3.2であり、IV=10の際に当選となる確率は約1/63.8であり、IV=11の際に当選となる確率は約1/114であり、IV=12の際に当選となる確率は約1/212であり、IV=13の際に当選となる確率は約1/185である。
【0121】
次に、CB中状態用抽選テーブル73cについて説明する。
【0122】
CB中状態用抽選テーブル73cには、非内部状態用抽選テーブル及び内部後状態用抽選テーブル73bと同様に、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。当該CB中状態用抽選テーブル73cでは、IV=1として通常リプレイ当選データが設定されているのみであり、それ以外の当選データは設定されていない。また、その当選確率は、内部後状態用抽選テーブル73bの場合と同一となっている。但し、これに限定されることはなく、内部後状態用抽選テーブル73bの場合よりも通常リプレイ役の当選確率が高い構成としてもよく、低い構成としてもよい。
【0123】
CB中状態用抽選テーブル73cには、上記のとおり通常リプレイ役のみが設定されているが、既に説明したとおり、CB中状態では通常リプレイ役に当選していない状況では抽選処理の結果に関係なく小役入賞を発生させることが可能であり、さらには通常リプレイ役に当選していない状況ではいずれかの小役入賞が確実に発生するようにリール制御が実行される。したがって、CB中状態では、通常リプレイ役に当選している場合には通常リプレイ入賞が確実に発生し、通常リプレイ役に当選していない場合にはいずれかの小役入賞が確実に発生する。
【0124】
抽選処理(
図11)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS302)、インデックス値IVを1とし(ステップS303)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS304)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
【0125】
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS305)。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS306)。
【0126】
判定値DVが65535を超えなかった場合には(ステップS305:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(ステップS307)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS308)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
【0127】
ステップS306の処理を実行した場合、又はステップS308にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、抽選結果コマンドをセットする(ステップS309)。抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドであり、当該抽選結果コマンドには役の当否判定の結果に対応したデータが含まれる。その後、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を行い(ステップS310)、本抽選処理を終了する。
【0128】
<リール制御処理>
次に、通常処理(
図10)におけるステップS207のリール制御処理について、
図15のフローチャートに基づき説明する。
【0129】
リール制御処理では、まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS401)。回転開始処理では、前回の遊技でリール32L,32M,32Rが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(
図9)におけるステップS106のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42〜44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
【0130】
回転開始処理に続き、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS402)。いずれのストップボタン42〜44も操作されていない場合には、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップボタン42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、回転中のリール32L,32M,32Rと対応するストップボタン42〜44が操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(ステップS403)。停止指令が発生していない場合には、ステップS402に戻り、ストップボタン42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、停止指令コマンドをセットする(ステップS404)。
【0131】
停止指令コマンドとは、いずれのストップボタン42〜44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべくサブ制御装置80に送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリール32L,32M,32Rを停止させるべくステップS405〜ステップS411に示す停止制御処理を行う。
【0132】
停止制御処理では、ストップボタン42〜44の操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS405)。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rのスベリ数を算出する(ステップS406)。
【0133】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリール32L,32M,32Rを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS406では、主側RAM74に格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」〜「4」のいずれかの値を算出する。但し、CB中状態において左リール32Lの停止制御を行う場合にはスベリ数は「0」又は「1」となる。
【0134】
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS407)。そして、今回停止させるべきリール32L,32M,32Rの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS408)、等しくなった場合にはリール32L,32M,32Rの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS409)。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS410)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS411)、ステップS402に戻る。
【0135】
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(
図11)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42〜44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」〜「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
【0136】
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(
図11)のステップS310にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(
図15)のステップS411にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。この場合に設定される停止情報は、CB非内部状態におけるIV=1〜7,9であれば、
図14に示すような第1停止と入賞役との関係に対応した停止情報を設定し、CB内部後状態におけるIV=1〜7,9〜11であれば、
図14に示すような第1停止と入賞役との関係に対応した停止情報を設定する。
【0137】
停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74に格納された停止情報を、リール32L,32M,32Rの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、CB非内部状態及びCB内部後状態においてIV=1〜7,9〜11の際に当選となった場合(
図14参照)に、セットされている当選データと、停止指令を発生させたストップボタン42〜44の操作順序と、停止出目とによって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
【0138】
ちなみに、CB内部後状態においてはCB当選フラグに「1」がセットされている状況下でいずれかの小役又はリプレイ役に当選することになるが、この場合、その当選に対応した小役入賞又はリプレイ入賞がCB入賞よりも優先されるように停止情報が設定される。例えば、CB内部後状態においてIV=1で当選となった場合、CB入賞を発生させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、停止情報との関係で小役入賞が優先されるスベリ数が選択されることで小役入賞が発生してCB入賞は発生しない。但し、所謂取りこぼしが発生するIVの値で当選となった場合には、ストップボタン42〜44の操作タイミングによってはCB入賞が発生し得る。また、例えば、CB内部後状態においてリプレイ役に当選となった場合、CB入賞を発生させることが可能なタイミングでストップボタン42〜44が操作されたとしても、停止情報との関係でリプレイ入賞が優先されるスベリ数が選択されることでリプレイ入賞が発生してCB入賞は発生しない。
【0139】
リール制御処理(
図15)の説明に戻り、ステップS410にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS412にて入賞判定処理を実行し、続くステップS413にて当該入賞判定処理の結果に対応したデータを含む入賞結果コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットした後に、本リール制御処理を終了する。なお、当該入賞結果コマンドには、入賞判定処理の結果に対応したデータだけではなく、今回のゲームの開始時に実行された役の抽選処理の結果に対応したデータも含まれる。
【0140】
図16は、ステップS412の入賞判定処理を示すフローチャートである。
【0141】
入賞判定処理では、まず左リール32LにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、中リール32MにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、右リール32RにおいてメインラインMLに停止している図柄の種類と、を把握する(ステップS501〜ステップS503)。この図柄の種類の把握に際しては、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。そして、図柄組合せの論理演算処理として、ステップS501〜ステップS503にて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する(ステップS504)。
【0142】
その後、ステップS504において導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505にて肯定判定をした場合には、入賞対応処理を実行する(ステップS506)。入賞対応処理では、今回発生した入賞に対応した当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定し、「1」がセットされていない場合には異常コマンドをサブ制御装置80への出力対象としてセットする。サブ側MPU82では、当該異常コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ65及び画像表示装置66により実行する。当選フラグに「1」がセットされている場合には、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74の払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、通常処理(
図10)における次回のステップS202にて、今回のベット数と同一数のベット設定を可能とするためのフラグ設定処理を実行する。
【0143】
<サブ側MPU82における各種報知及び各種演出の実行制御>
次に、各種報知及び各種演出を実行するためのサブ側MPU82の処理構成について説明する。
【0144】
<周期処理>
まず、サブ側MPU82において定期的(例えば2msec周期)に実行される周期処理について、
図17のフローチャートを参照しながら説明する。
【0145】
周期処理では、主側MPU72から新たなコマンドを受信している場合(ステップS601:YES)、サブ側RAM84に設けられたリングバッファに今回受信したコマンドを格納する(ステップS602)。リングバッファは、複数のコマンドを格納することが可能なバッファであり、書き込みポインタが示すエリアへのコマンドの書き込み処理が実行されるとともに書き込み処理が実行される度に当該書き込みポインタが更新され、読み出しポインタが示すエリアからのコマンドの読み出し処理が実行されるとともに読み出し処理が実行される度に当該読み出しポインタが更新される。なお、読み出しポインタの更新は、周期処理の1処理回においてコマンドの読み出しが行われた場合においてその次の処理回の周期処理が開始された場合に行われる。
【0146】
ステップS601にて否定判定をした場合、又はステップS602の処理を実行した場合には、CB内部後状態であるか否かを判定する(ステップS603)。サブ側MPU82では、主側MPU72からCB役当選に対応した抽選結果コマンドを受信することでCB内部後状態が開始されたことを特定し、CB開始コマンドを受信することでCB内部後状態が終了したことを特定する。
【0147】
CB内部後状態である場合には、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタ84aの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS604)。AT状態カウンタ84aは、サブ側MPU82にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。非AT状態である場合はAT状態カウンタ84aの値が「0」であり、AT状態である場合にはAT状態カウンタ84aの値が1以上である。AT状態カウンタ84aの値が「0」である場合には非AT中処理を実行し(ステップS605)、AT状態カウンタ84aの値が1以上である場合にはAT中処理を実行する(ステップS606)。
【0148】
ここで、AT状態について説明する。AT状態とは、ストップボタン42〜44の押し順が所定の正解順序となった場合に対応する図柄の組み合わせがメインラインML上に成立してメダルの払い出しが実行される抽選役に当選した状況において、その正解順序となる押し順が報知される状態のことをいう。かかる押し順対応の抽選役には、非AT状態及びAT状態のいずれにおいても比較的高い確率で当選し得るが、非AT状態では正解順序となる押し順が報知されないのに対してAT状態では正解順序となる押し順が報知される構成であるため、AT状態の方が非AT状態よりも単位ゲーム数当たりのメダルの払出枚数が増加することとなる。
【0149】
ステップS603にて否定判定をした場合、ステップS605の処理を実行した場合、又はステップS606の処理を実行した場合には、演出用データの設定処理を実行する(ステップS607)。演出用データの設定処理では、各ゲームにおける役の抽選結果又は入賞結果に応じた演出、AT状態の移行期待度を示す演出、及びAT状態の進行状況に応じた演出を、上部ランプ64、スピーカ65及び画像表示装置66にて行わせるための処理を実行する。その後、本周期処理を終了する。
【0150】
<サブ側MPU82の制御下で発生する遊技状態の移行の態様>
周期処理(
図17)において非AT中処理(ステップS605)が実行されることにより、サブ側MPU82にて非AT状態用の制御が実行され、周期処理(
図17)においてAT中処理(ステップS606)が実行されることにより、サブ側MPU82にてAT状態用の制御が実行される。ここで、これら非AT中処理及びAT中処理の説明に先立ち、非AT状態ST10及びAT状態ST20,ST30について
図18の説明図を参照しながら説明する。
【0151】
非AT状態ST10には、通常状態ST11と、チャンスゾーン状態ST12とが設定されている。通常状態ST11は、非AT状態ST10においてチャンスゾーン状態ST12でない状況で滞在する状態である。例えば、CB非内部状態からCB内部後状態に移行した場合には通常状態ST11となる。
【0152】
通常状態ST11において予め定められた移行条件が成立した場合にチャンスゾーン状態ST12に移行する。チャンスゾーン状態ST12は、ノーマルAT状態ST30への直接の移行は発生しないが、ボーナスAT状態ST20への移行は発生し得る状態である。チャンスゾーン状態ST12における単位ゲーム数当たりのボーナスAT状態ST20への移行期待度は通常状態ST11よりも高い。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として10ゲーム、20ゲーム及び∞の3種類が設定されている。チャンスゾーン状態ST12への移行時において、当該チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として10ゲームが設定される。そして、当該10ゲーム間において予め設定されたチャンスゾーン状態ST12の継続条件が1回成立し、且つ当該10ゲーム間において予め設定されたボーナスAT状態ST20への移行条件が成立しない場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として20ゲームが設定される。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合に、当該10ゲーム間において予め設定されたチャンスゾーン状態ST12の継続条件が1回成立し、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として20ゲームが設定された10ゲーム間において、予め設定されたチャンスゾーン状態ST12の継続条件が1回成立した場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が設定される。また、チャンスゾーン状態ST12の継続ゲーム数が10ゲームである場合に、当該10ゲーム間において予め設定されたチャンスゾーン状態ST12の継続条件が2回成立し、且つチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数である20ゲーム間において予め設定されたボーナスAT状態ST20への移行条件が成立しない場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が設定される。
【0153】
また、チャンスゾーン状態ST12において予め設定された移行条件が成立することでボーナスAT状態ST20に移行する。当該チャンスゾーン状態ST12からボーナスAT状態ST20への移行が発生する場合、移行対象は第1ボーナスAT状態ST21となる。また、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行が発生することなく終了条件が成立することで、通常状態ST11に移行する。
【0154】
非AT状態ST10からボーナスAT状態ST20への移行は、ボーナスAT状態ST20が前回終了した場合、又はノーマルAT状態ST30が前回開始された場合に設定された解除ゲーム数分のゲームの消化が完了した場合にも発生する。解除ゲーム数分のゲームの消化が完了することによるボーナスAT状態ST20への移行は、通常状態ST11において発生し、チャンスゾーン状態ST12においては発生しない。当該解除ゲーム数分のゲームの消化に伴いボーナスAT状態ST20への移行が発生する場合、移行対象は第1ボーナスAT状態ST21及び第2ボーナスAT状態ST22となる。
【0155】
ボーナスAT状態ST20には、上述した第1ボーナスAT状態ST21と、第2ボーナスAT状態ST22とが設定されている。これらボーナスAT状態ST21,ST22はいずれも既に説明したAT状態であり、主側MPU72における役の抽選処理(
図11)にてIV=1〜6のいずれかにて当選となった場合には対応するベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置66にて報知される。これにより、非AT状態ST10の場合よりも単位ゲーム数当たりのメダルの獲得期待枚数が向上する。
【0156】
第1ボーナスAT状態ST21及び第2ボーナスAT状態ST22は、主側MPU72における役の抽選処理(
図11)にてIV=1〜6のいずれかにて当選となった回数が終了基準回数となるまで継続する。当該終了基準回数は、第1ボーナスAT状態ST21よりも第2ボーナスAT状態ST22の方が多く、具体的には第1ボーナスAT状態ST21の当該終了基準回数は10回であり、第2ボーナスAT状態ST22の当該終了基準回数は20回である。
【0157】
また、非AT状態ST10からボーナスAT状態ST20へは、ボーナス準備状態を経てから移行する。当該ボーナス準備状態は、ある特定の条件が成立するまで継続する。当該終了条件は、ボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選した場合である。また、ボーナス準備状態では第1ボーナスAT状態ST21から第2ボーナスAT状態ST22へのボーナス昇格抽選処理が実行され、ボーナス昇格当選となった場合には第1ボーナスAT状態ST21から第2ボーナスAT状態ST22へ昇格する。
【0158】
また、第1ボーナスAT状態ST21中においてもボーナス昇格抽選処理が実行され、ボーナス昇格当選となった場合には第1ボーナスAT状態ST21の途中であっても第2ボーナスAT状態ST22に昇格する。この場合、当該昇格時における残りの終了基準回数に対して「10」が加算されることで、今回のボーナスAT状態における合計の終了基準回数が第2ボーナスAT状態ST22の終了基準回数となる。第2ボーナスAT状態ST22ではAT発生抽選処理が実行され、AT発生当選となった場合には当該第2ボーナスAT状態ST22の終了後にノーマルAT状態ST30に移行することとなる。なお、第1ボーナスAT状態ST21であってもAT発生抽選処理が実行される構成としてもよく、この場合、AT発生抽選処理においてAT発生当選となる確率を第1ボーナスAT状態ST21よりも第2ボーナスAT状態ST22の方が高くなるようにすることで第2ボーナスAT状態ST22の有利性を担保することが可能となる。
【0159】
第1ボーナスAT状態ST21においてIV=1〜6のいずれかにて当選となった回数が終了基準回数となった場合、又は第2ボーナスAT状態ST22においてAT発生当選となることなくIV=1〜6のいずれかにて当選となった回数が終了基準回数となった場合、非AT状態ST10に復帰することとなる。この場合、通常状態ST11に移行することとなる。
【0160】
ノーマルAT状態ST30は、ベースAT状態ST31と、上乗せAT状態ST32とが設定されている。これらAT状態ST31,ST32はいずれも既に説明したAT状態であり、主側MPU72における役の抽選処理(
図11)にてIV=1〜6のいずれかにて当選となった場合には対応するベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置66にて報知される。これにより、非AT状態ST10の場合よりも単位ゲーム数当たりのメダルの獲得期待枚数が向上する。その一方、ノーマルAT状態ST30はボーナスAT状態ST20とは別の終了条件が設定されるとともに滞在し得る遊技状態の種類及び遊技状態の移行態様が相違する状態ではあるが、単位ゲーム数当たりのメダルの獲得期待枚数はボーナスAT状態ST20と同一である。
【0161】
ベースAT状態ST31は、ノーマルAT状態ST30において上乗せAT状態ST32ではない状況で滞在する状態である。また、ボーナスAT状態ST20からノーマルAT状態ST30に移行した場合、ベースAT状態ST31に最初に滞在することとなる。また、非AT状態ST10からノーマルAT状態ST30への移行は発生しない。
【0162】
また、ノーマルAT状態ST30中において、ボーナスAT状態ST20が前回終了した場合に設定された解除ゲーム数に到達した場合にはボーナスAT状態ST20への移行が発生することとなる。この場合、解除ゲーム数に関係なく第2ボーナスAT状態ST22に移行する。ここで、上述したように、通常状態ST11において解除ゲーム数分のゲームの消化に伴いボーナスAT状態ST20への移行が発生する場合、移行対象は第1ボーナスAT状態ST21及び第2ボーナスAT状態ST22である。また、上述したように、第1ボーナスAT状態ST21及び第2ボーナスAT状態ST22の終了基準回数は、第1ボーナスAT状態ST21よりも第2ボーナスAT状態ST22の方が多く、具体的には第1ボーナスAT状態ST21の当該終了基準回数は10回であり、第2ボーナスAT状態ST22の当該終了基準回数は20回である。したがって、通常状態ST11からボーナスAT状態ST20へ移行する時よりもノーマルAT状態ST30からボーナスAT状態ST20へ移行する時の方が優遇されている。
【0163】
ベースAT状態ST31において予め定められた移行条件が成立した場合に上乗せAT状態ST32に移行する。上乗せAT状態ST32は、所定ゲーム数が消化されるまで継
続する。この場合、所定ゲーム数が消化され上乗せAT状態ST32が終了する場合には、当該上乗せAT状態ST32のそれまでのゲーム結果に応じてベースAT状態ST31の継続ゲーム数の上乗せが発生する。
【0164】
なお、各ゲームにおいて継続ゲーム数の上乗せ及び第2ボーナスAT状態ST22の実行回数の加算のいずれかが確実に発生する構成としてもよい。また、第2ボーナスAT状態ST22の実行回数の加算が行われる構成においては、上乗せAT状態ST32の途中で第2ボーナスAT状態ST22の実行回数の加算が発生した場合、第2ボーナスAT状態ST22の実行回数は複数回となる。この場合、上乗せAT状態ST32が終了した後に開始された第2ボーナスAT状態ST22の1実行回が終了した直後に、第2ボーナスAT状態ST22の新たな実行回が開始されることとなる。
【0165】
<非AT中処理>
次に、周期処理(
図17)のステップS605にて実行される非AT中処理について、
図19のフローチャートを参照しながら説明する。
【0166】
非AT中処理では、まず主側MPU72から抽選結果コマンドを受信している場合(ステップS701:YES)、その抽選結果コマンドに対応した当選役データをサブ側RAM84に書き込む(ステップS702)。そして、非AT中の停止順報知用処理を実行する(ステップS703)。非AT中の停止順報知用処理では、詳細は後述するが、当選役データの内容に応じて、リール32L,32M,32Rの停止順序をゲームの開始に際して報知するか否かを決定するとともに、報知することを決定した場合にはその報知内容を決定する。
【0167】
非AT中処理では主側MPU72から停止指令コマンドを受信している場合(ステップS704:YES)、今回のゲームにおける各リール32L,32M,32Rの停止順序を記憶するために停止順序データをサブ側RAM84に書き込む(ステップS705)。
【0168】
非AT中処理では、主側MPU72から入賞結果コマンドを受信している場合(ステップS706:YES)、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS707)。ペナルティ事象とは、CB内部後状態であって非AT状態ST10においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されていない状況で、第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させるとともに、いずれかの入賞が発生する事象のことである。ペナルティ事象が発生すると、スロットマシン10の設計段階において設定されている非AT状態ST10中のメダルの付与率よりも、実際のメダルの付与率の方が高くなってしまう可能性がある。そこで、ペナルティ事象が発生した場合には、遊技者に不利益を与えることにより、非AT状態ST10中においては第1停止として左リール32Lを停止させることを促すようにしている。
【0169】
なお、ペナルティ事象が発生した場合には、周期処理(
図17)における演出用データの設定処理(ステップS607)にてペナルティ用の表示データが設定されるとともに、ペナルティ用の音データが設定される。これにより、ペナルティ事象が発生したことが遊技者に報知される。
【0170】
ペナルティ事象が発生した場合(ステップS707:YES)には、サブ側RAM84に設けられたペナルティカウンタ84bへの加算処理を実行する(ステップS708)。当該加算処理では、ペナルティ対応ゲーム数に対応した値である「5」をペナルティカウンタ84bの値に加算する。ペナルティカウンタ84bの値が1以上の場合、ペナルティカウンタ84bの値分だけボーナスAT状態ST20への移行が遅延される。
【0171】
ステップS708の処理を実行した後は、入賞対応処理(ステップS709)を実行した後に本非AT中処理を終了する。入賞対応処理では、今回の入賞役に対応した画像が画像表示装置66にて表示されるようにするための処理を実行するとともに、入賞の発生に対応した音がスピーカ65を通じて出力されるようにするための処理を実行する。
【0172】
ペナルティ事象が発生しなかった場合(ステップS707:NO)、ステップS710以降のAT状態への移行設定を行うための処理を実行する。当該処理として、まず非AT中のゲーム数解除管理処理を実行する(ステップS710)。非AT中のゲーム数解除管理処理では、詳細は後述するが、非AT状態ST10が継続している状態において消化されたゲーム数が解除ゲーム数に到達したか否かを特定するとともに、解除ゲーム数に到達している場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理を実行する。
【0173】
非AT中のゲーム数解除管理処理に続き、チャンスゾーン管理処理(ステップS711)を実行し、入賞対応処理(ステップS709)を実行した後に本非AT中処理を終了する。上記チャンスゾーン管理処理では、詳細は後述するが、チャンスゾーン状態ST12への移行契機が発生しているか否かを特定し、当該移行契機が発生している場合にはチャンスゾーン状態ST12に遊技状態を移行させるための処理やチャンスゾーン状態ST12中の処理が行われる。
【0174】
<非AT中のゲーム数解除管理処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS710にて実行される非AT中のゲーム数解除管理処理について
図20を参照しながら説明する。
図20はサブ側MPU82にて実行される非AT中のゲーム数解除管理処理を示すフローチャートである。
【0175】
非AT中のゲーム数解除管理処理では、上述したように、非AT状態ST10が継続している状態において消化されたゲーム数が解除ゲーム数に到達したか否かを特定するとともに、解除ゲーム数に到達している場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理を実行する。解除ゲーム数は、ボーナスAT状態ST20が前回終了した場合、又はノーマルAT状態ST30が前回開始された場合に設定される。この解除ゲーム数の設定に際してはサブ側ROM83に予め記憶されたゲーム数テーブル83aが参照される。
【0176】
当該ゲーム数テーブル83aは複数種類設けられている。これらゲーム数テーブル83aは、解除ゲーム数として選択されるゲーム数の種類、及びゲーム数の選択率が相違している。したがって、遊技者はどのゲーム数テーブル83aが選択されているのか予想しながら遊技を行うことが可能となるため、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
【0177】
非AT中のゲーム数解除管理処理では、サブ側RAM84のペナルティカウンタ84bの値が1以上である場合(ステップS801:YES)、当該ペナルティカウンタ84bの値を1減算するだけで(ステップS802)、サブ側RAM84に設けられたゲーム数解除カウンタ84cの値を変更しない。ゲーム数解除カウンタ84cは、解除ゲーム数に到達したか否かを特定するためのカウンタである。ペナルティカウンタ84bには、既に説明したとおりペナルティ事象が発生した場合にペナルティ対応ゲーム数に対応した値である「5」が加算される。これにより、ペナルティ事象が発生した場合には、消化ゲーム数が解除ゲーム数に到達することによるボーナスAT状態ST20への移行が遅延されることとなる。
【0178】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合(ステップS801:NO)、サブ側RAM84のゲーム数解除カウンタ84cの値を1加算する(ステップS803)。ゲーム数解除カウンタ84cの値は、解除ゲーム数の新たな選択が行われる場合に「0」クリアされる。その後、ゲーム数解除カウンタ84cの値が、解除ゲーム数に対応する値となっているか否かを判定する(ステップS804)。なお、解除ゲーム数の新たな選択が行われた場合には、その解除ゲーム数がサブ側RAM84に書き込まれる。そして、ステップS804では、そのサブ側RAM84に書き込まれた解除ゲーム数がゲーム数解除カウンタ84cの値と一致しているか否かを判定する。
【0179】
解除ゲーム数に対応する値となっている場合(ステップS804:YES)、サブ側RAM84に設けられた天井フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、今回選択されている解除ゲーム数が複数種類のゲーム数テーブル83aの中でも最大の解除ゲーム数(例えば1000ゲーム)であるか否かを判定する(ステップS805)。当該天井フラグは、ボーナスAT状態ST20から非AT状態ST10に復帰する場合において、選択され得る最大の解除ゲーム数(例えば1000ゲーム)が選択された場合に「1」がセットされる。
【0180】
天井フラグに「1」がセットされている場合(ステップS805:YES)、サブ側R
AM84の第2ボーナス状態フラグに「1」をセットするとともに、サブ側RAM84のAT状態カウンタ84aに「1」をセットする(ステップS806)。これにより、遊技状態が非AT状態ST10からボーナスAT状態ST20に移行するとともに、この時点における移行対象が第2ボーナスAT状態ST22となる。つまり、選択され得る最大のゲーム数(例えば1000ゲーム)が解除ゲーム数として選択された場合であって当該解除ゲーム数(例えば1000ゲーム)に到達した場合には、ボーナスAT状態ST20において遊技者にとって最も有利な第2ボーナスAT状態ST22への移行が確定する。
【0181】
天井フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS805:NO)、ボーナス種別の抽選処理を実行する(ステップS807)。ボーナス種別の抽選処理では、種別抽選テーブル83bをサブ側ROM83から読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記種別抽選テーブルに対して照合する。種別抽選テーブル83bは、第1ボーナスAT状態ST21が当初の移行対象として選択される確率が80%となり、第2ボーナスAT状態ST22が当初の移行対象として選択される確率が20%となるように設定されている。その後、サブ側RAM84の第1及び第2ボーナス状態フラグのうち、ボーナス種別の抽選処理の結果に対応したボーナスAT状態ST20に対応するフラグに「1」をセットするとともに、サブ側RAM84のAT状態カウンタ84aに「1」をセットする(ステップS808)。これにより、遊技状態が非AT状態ST10からボーナスAT状態ST20に移行するとともに、この時点における移行対象がボーナス種別の抽選処理の結果に対応するボーナスAT状態ST20となる。
【0182】
<チャンスゾーン管理処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS711にて実行されるチャンスゾーン管理処理について
図21を参照しながら説明する。チャンスゾーン管理処理では、上述したように、チャンスゾーン状態ST12への移行契機が発生しているか否かを特定し、当該移行契機が発生している場合にはチャンスゾーン状態ST12に遊技状態を移行させるための処理やチャンスゾーン状態ST12中の処理が行われる。
図21はサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン管理処理を示すフローチャートである。
【0183】
まずサブ側RAM84に設けられた移行チャンスカウンタ84eの値が1以上であるか否かを判定することで、チャンスゾーン状態ST12であるか否かを判定する(ステップS901)。移行チャンスカウンタ84eは、チャンスゾーン状態ST12であるか否か及びチャンスゾーン状態ST12の終了契機をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。チャンスゾーン状態ST12ではない場合(ステップS901:NO)には、サブ側RAM84に設けられた移行待機カウンタ84fの値が1以上であるか否かを判定することで、チャンスゾーン前兆状態中であるか否かを判定する(ステップS902)。移行待機カウンタ84fは、チャンスゾーン前兆状態であるか否か及びチャンスゾーン前兆状態の終了契機をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
【0184】
チャンスゾーン前兆状態中ではない場合(ステップS902:NO)には、チャンスゾーン状態ST12への移行契機役に当選しているか否かを判定する(ステップS903)。チャンスゾーン状態ST12への移行契機役は、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)においてIV=7,10〜13のいずれかである。
【0185】
チャンスゾーン状態ST12への移行契機役に当選している場合(ステップS903:YES)、サブ側RAM84のペナルティカウンタ84bの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS904)。ペナルティカウンタ84bの値が1以上の場合にはステップS905〜ステップS908の処理を実行しないことで、チャンスゾーン状態ST12の移行契機が発生しない。一方、ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合には、ステップS905に進む。
【0186】
ステップS905では、チャンスゾーン状態ST12への移行契機役に対応したチャンスゾーン抽選テーブル83cをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す。そして、ステップS906にて、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記チャンスゾーン抽選テーブル83cに対して照合する。
【0187】
当該チャンスゾーン抽選テーブル83cは、チャンスゾーン状態ST12への移行契機役の種類に対応させて設けられている。また、当該チャンスゾーン抽選テーブル83cは、移行当選又は移行非当選となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。また、役の当選確率が低いチャンスゾーン状態ST12への移行契機役程、チャンスゾーン当選に対応した上記サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲が広く設定されている。つまり、役の当選確率が低いチャンスゾーン状態ST12への移行契機役程、チャンスゾーン当選となる確率が高くなるよう設定されている。具体的には、IV=10で当選となった場合に移行当選となる確率は10%であり、IV=7で当選となった場合に移行当選となる確率は15%であり、IV=11で当選となった場合に移行当選となる確率は20%であり、IV=13で当選となった場合に移行当選となる確率は30%であり、IV=12で当選となった場合に移行当選となる確率は40%である。
【0188】
チャンスゾーン抽選処理にてチャンスゾーン状態ST12に当選となった場合(ステップS907:YES)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン管理カウンタ84gの値を1加算する(ステップS908)。チャンスゾーン管理カウンタ84gは、チャンスゾーン状態ST12への移行契機が存在しているか否かをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
【0189】
チャンスゾーン管理カウンタ84gの値が1以上である場合(ステップS909:YES)、現状設定されている解除ゲーム数からサブ側RAM84のゲーム数解除カウンタ84cの値を減算することで残りの解除ゲーム数を算出するとともに、当該残りの解除ゲーム数が規制基準数以下となっているか否かを判定する(ステップS910)。ステップS910にて肯定判定をした場合にはチャンスゾーン前兆状態への設定を行うことなく、そのまま本チャンスゾーン管理処理を終了する。これにより、解除ゲーム数の消化に基づくボーナスAT状態ST20への移行が発生する直前でチャンスゾーン状態ST12に移行したり、チャンスゾーン状態ST12に滞在したりする事象が発生しないようにすることが可能となり、ボーナスAT状態ST20への移行契機が複合的に発生してしまうことが防止される。
【0190】
ステップS910にて否定判定をした場合には、サブ側RAM84の移行待機カウンタ84fに、チャンスゾーン前兆状態の継続ゲーム数である「10」をセットする(ステップS911)。これにより、チャンスゾーン前兆状態となる。移行待機カウンタ84fの値が1以上の場合、画像表示装置66の演出内容がチャンスゾーン前兆状態に対応した内容とされる。
【0191】
チャンスゾーン前兆状態となった場合、ステップS902にて肯定判定をすることでステップS912に進む。ステップS912では、サブ側RAM84のペナルティカウンタ84bの値が1以上であるか否かを判定する。ペナルティカウンタ84bの値が1以上である場合にはそのまま本チャンスゾーン管理処理を終了する。これにより、ペナルティ状態においてはチャンスゾーン前兆状態の継続ゲーム数が消化されないこととなり、チャンスゾーン状態ST12への移行が遅延されることとなる。
【0192】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合には(ステップS912:NO)、サブ側RAM84の移行待機カウンタ84fの値を1減算する(ステップS913)。その減算後の移行待機カウンタ84fの値が「0」である場合(ステップS914:YES)、サブ側RAM84のチャンスゾーン管理カウンタ84gの値を1減算するとともに(ステップS915)、サブ側RAM84のチャンスゾーンカウンタ84hに、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数である「10」をセットする(ステップS916)。これにより、チャンスゾーン状態ST12となる。上記チャンスゾーンカウンタ84hは、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。チャンスゾーンカウンタ84hの値が1以上の場合、画像表示装置66においてチャンスゾーン状態ST12であることを遊技者に明示するための表示演出が実行される。
【0193】
チャンスゾーン状態ST12となった場合、ステップS901にて肯定判定をすることでステップS917に進む。ステップS917ではチャンスゾーンゲーム数表示処理を実行する。チャンスゾーンゲーム数表示処理では、詳細は後述するが、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数を画像表示装置66に表示させるための処理を実行する。ステップS918ではチャンスゾーン中処理を実行する。チャンスゾーン中処理では、詳細は後述するが、チャンスゾーン状態ST12においてボーナス当選したか否かを特定するとともに、ボーナス当選となった場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理を実行する。
【0194】
<チャンスゾーンゲーム数表示処理>
次に、サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図21)におけるステップS917にて実行されるチャンスゾーンゲーム数表示処理について
図22を参照しながら説明する。チャンスゾーンゲーム数表示処理は、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数を画像表示装置66に表示させるための処理である。
図22はサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーンゲーム数表示処理を示すフローチャートである。
【0195】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値が「2」であるか否かを判定する(ステップS1001)。当該延長発生カウンタ84iとは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。上述したように、本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として、10ゲーム、20ゲーム、及び∞の3種類が設定されている。上記延長発生カウンタ84iの値が「0」である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は10ゲームであり、上記延長発生カウンタ84iの値が「1」である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は20ゲームであり、上記延長発生カウンタ84iの値が「2」である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は∞となる。詳細については後述するが、当該延長発生カウンタ84iに「2」がセットされた状態とは、ボーナスAT状態ST20への移行が確定した状態であり、ボーナスAT状態ST20へ移行するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することとなる。これに伴い、上記延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合と、そうではない場合とでチャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数の表示の仕方が相違している。したがって、ステップS1001の処理を設けることにより、上記延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合と、そうではない場合とでチャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数の表示の仕方を異ならせることが可能となる。
【0196】
延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1001:NO)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hにセットされている値を把握する(ステップS1002)。チャンスゾーンカウンタ84hにセットされている値を把握した後は、画像表示装置66の左上端に上記チャンスゾーンカウンタ84hにセットされている値に対応した数字を表示させる(ステップS1003)。これにより、遊技者にチャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数を解り易く報知することが可能となる。また、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数を表示させる場所は、画像表示装置66の左上端に限定されることはなく、例えば画像表示装置66の右上端や左下端でもよい。チャンスゾーン状態ST12移行時においては、チャンスゾーン管理処理(
図21)のステップS916にてチャンスゾーンカウンタ84hの値に「10」がセットされるため、画像表示装置66の左上端に「10」が表示されることとなる。また、詳細については後述するが、チャンスゾーン状態ST12のゲーム数が消化されるにつれて、画像表示装置66の左上端に表示された数字が減算されていく。具体的には、画像表示装置66の左上端に表示された数字が「10」である状況で、チャンスゾーン状態ST12のゲーム数を1ゲーム消化した場合、画像表示装置66の左上端に表示された数字が「9」となる。チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数の表示は、チャンスゾーン状態ST12が終了するまで継続して行われる。
【0197】
延長発生カウンタ84iの値が「2」である場合(ステップS1001:YES)、画像表示装置66の左上端に「∞」を表示させる(ステップS1004)。「∞」が画像表示装置66の左上端に表示されることにより、遊技者にボーナスAT状態ST20への移行が発生するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することを解り易く報知することが可能となる。
【0198】
<非AT中の停止順報知用処理>
次に、サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS703にて実行される非AT中の停止順報知用処理について、
図23を参照しながら説明する。非AT中の停止順報知用処理とは、チャンスゾーン状態ST12において、上記IV=1〜6のいずれかで当選となった場合に対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知を行うための処理である。
図23はサブ側MPU82にて実行される非AT中の停止順報知用処理を示すフローチャートである。
【0199】
チャンスゾーン状態ST12である場合(ステップS1101:YES)、サブ側RAM84のペナルティカウンタ84bの値が1以上であるか否かを判定する(ステップS1102)。ペナルティカウンタ84bの値が1以上である場合(ステップS1102:YES)、そのまま本停止順報知用処理を終了する。これにより、ペナルティ状態においては非AT時のボーナス状態ST20に移行させるための停止順序が報知されないこととなり、非AT時のボーナス状態ST20への移行が不可となる。
【0200】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合(ステップS1102:NO)、今回のゲームにおいて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となったか否かを判定する(ステップS1103)。上述したように、チャンスゾーン状態ST12において、上記IV=1〜6の役はボーナスAT状態ST20に移行させるか否かを決定するための移行契機役である。当該IV=1〜6のいずれかで当選となっている場合、押し順ベル停止順設定処理を実行する(ステップS1104)。当該押し順ベル停止順序設定処理では、対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序を報知するためのデータ設定を行う。これにより、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始されるように画像表示装置66が表示制御される。
【0201】
ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知は、全てのリール32L,32M,32Rが回転している状態から全てのリール32L,32M,32Rが停止するまでの停止順序の報知と、全てのリール32L,32M,32Rが回転している状態から第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止するまでの停止順序の報知とがある。具体的には、IV=1で当選となった場合、中リール32M→左リール32L→右リール32Rの順序でリール32L,32M,32Rを停止すべきことが報知される。IV=2で当選となった場合、中リール32M→右リール32R→左リール32Lの順序でリール32L,32M,32Rを停止すべきことが報知される。IV=3で当選となった場合、右リール32R→左リール32L→中リール32Mの順序でリール32L,32M,32Rを停止すべきことが報知される。IV=4で当選となった場合、右リール32R→中リール32M→左リール32Lの順序でリール32L,32M,32Rを停止すべきことが報知される。IV=1〜4にて、ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われ、その停止順序でリール32L,32M,32Rを停止させた場合、第2ベル入賞が発生する。また、IV=5で当選となった場合、第1停止として中リール32Mを停止すべきことだけが報知される。これは、第2停止として左リール32L又は右リール32Rが停止されたとしても、ベル入賞が発生するからである。IV=6で当選となった場合、第1停止として右リール32Rを停止すべきことだけが報知される。これは、第2停止として左リール32L又は中リール32Mが停止されたとしても、ベル入賞が発生するからである。IV=5又は6にて、ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われ、その停止順序でリール32L,32M,32Rを停止させた場合、第1ベル入賞が発生する。
【0202】
上述したように、CB内部後状態であって非AT状態ST10において第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させるとペナルティ状態となる可能性がある。そうすると、遊技者は非AT状態ST10においては左リール32Lを第1停止させるものと考えられる。この場合に、上記のように第1ベル入賞又は第2ベル入賞の成立を可能とするための停止順序が中リール32M又は右リール32Rを第1停止させる順序として設定されていることにより、第1ベル入賞又は第2ベル入賞の成立を可能とするための停止順序が報知されていない状況下で、リール32L,32M,32Rの停止順序が第1ベル入賞又は第2ベル入賞の成立を可能とするための停止順序となってしまう可能性が低減される。また、押し順ベル停止順設定処理が実行される場合には、第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させたとしてもペナルティ事象とはならない。
【0203】
押し順ベル停止順設定処理(ステップS1104)を実行した後は、サブ側RAM84の報知済みフラグに「1」をセットする(ステップS1105)。当該報知済みフラグに「1」がセットされることで、サブ側MPU82に押し順ベル停止順設定処理を実行済みであることを特定させることが可能となる。
【0204】
<チャンスゾーン中処理>
次に、サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図21)におけるステップS918にて実行されるチャンスゾーン中処理について
図24を参照しながら説明する。チャンスゾーン中処理は、上述したように、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選したか否かを特定するとともに、ボーナスに当選した場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理である。
図24はサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。
【0205】
まず、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1201)。上述したように、チャンスゾーン状態ST12は、非AT時のボーナス状態ST20への移行契機が発生し得る状態である。当該移行契機は、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6,8のいずれかで当選となり、ベル入賞に対応した停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合にボーナスAT状態ST20へ移行させるか否かの抽選処理が行われ、当該抽選処理においてボーナス当選となった場合である。チャンスゾーン状態ST12において内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前のタイミングにおいて画像表示装置66において第1ベル入賞又は第2ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始される。一方、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=8で当選となった場合は、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前のタイミングにおいて画像表示装置66において第3ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われない。なぜなら、上述したように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく第3ベル入賞が確実に発生するからである。
【0206】
報知済みフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1201:NO)、主側MPU72における役の抽選処理(
図11)にてチャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選したか否かを判定する(ステップS1202)。チャンスゾーン状態ST12の延長契機役は、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)においてIV=7、10〜13のいずれかである。
【0207】
チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選している場合(ステップS1202:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値に「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1203)。当該延長当選カウンタ84jは、延長発生当選となった回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。ここで、延長発生当選である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が大きくなる。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況で、当該10ゲーム間において、延長発生当選となった回数が1回である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームとなる。つまり、チャンスゾーン状態ST12を最大で20ゲーム消化することが可能となる。また、延長発生当選となった回数が2回である場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する。したがって、延長発生当選となった回数が2回である場合、それ以降は延長発生抽選を行う必要がない。ステップS1203の処理を設けることにより、無意味な抽選処理が実行されてしまうことを阻止することが可能なる。
【0208】
延長当選カウンタ84jの値が「2」未満の場合(ステップS1203:NO)、延長発生抽選処理を実行する(ステップS1204)。延長発生抽選処理では、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に対応した延長抽選テーブル83dをサブ側ROM83から読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記延長抽選テーブル83dに対して照合する。
【0209】
当該延長抽選テーブル83dはチャンスゾーン状態ST12の延長契機役の種類に対応させて設けられている。また、当該延長抽選テーブル83dは、延長発生当選又は延長発生非当選となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。また、役の当選確率が低いチャンスゾーン状態ST12の延長契機役程、延長発生当選に対応した上記サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲が広く設定されている。つまり、役の当選確率が低いチャンスゾーン状態ST12の延長契機役程、チャンスゾーンの延長発生抽選に当選する確率が高くなるよう設定されている。具体的には、IV=10で当選となった場合に延長発生当選となる確率は10%であり、IV=7で当選となった場合に延長発生当選となる確率は15%であり、IV=11で当選となった場合に延長発生当選となる確率は20%であり、IV=13で当選となった場合に延長発生当選となる確率は30%であり、IV=12で当選となった場合に延長発生当選となる確率は40%である。
【0210】
延長発生当選である場合(ステップS1205:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値及びチャンスゾーン残カウンタ84kの値を1加算する(ステップS1206)。当該チャンスゾーン残カウンタ84kとは、チャンスゾーン状態ST12を継続させるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。延長発生当選となった回数が1回の場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームとなる。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナスAT状態ST20への移行が発生することなく終了したとしても、チャンスゾーン状態ST12が継続することとなる。また、上記延長当選カウンタ84jの値に「1」が加算されることで、延長発生当選となった回数をサブ側MPU82に特定させることが可能となる。また、延長発生当選となった回数が2回の場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する。この場合、延長当選カウンタ84jの値に「1」が加算され、当該延長当選カウンタ84jの値が「2」となる。よって、これ以降は上記ステップS1203の処理にて肯定判定がされるため、延長発生抽選処理が実行されることはない。
【0211】
チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選していない場合(ステップS1202:NO)、ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第3ベルが入賞したか否かを判定する(ステップS1207)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、上記ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第3ベルが入賞したか否かを判定する。上述したように、チャンスゾーン状態ST12におけるボーナスAT状態ST20への移行契機役として第1ベル、第2ベル及び第3ベルが設定されている。IV=1〜6のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前のタイミングにおいて画像表示装置66にて第1ベル入賞又は第2ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始される。一方、IV=8で当選となった場合は、リール32L,32M,32Rの停止操作が可能となる前のタイミングにおいて画像表示装置66において第3ベル入賞の停止順序の報知が行われない。したがって、画像表示装置66において第1ベル入賞又は第2ベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われない場合でも、遊技者にボーナスAT状態ST20への移行に期待させることができる。これにより、遊技者を遊技に集中させることが可能となる。
【0212】
サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値に「2」がセットされている場合(ステップS1203:YES)、延長発生当選ではない場合(ステップS1205:NO)、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値及びチャンスゾーン残カウンタ84kの値を1加算した場合、並びにボーナスAT状態ST20への移行契機役である第3ベルが入賞していない場合(ステップS1207:NO)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1208)。当該延長発生カウンタ84iとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。ここで、詳細については後述するが、チャンスゾーン状態ST12のゲーム数を1ゲーム消化した場合、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hの値が「1」減算される。当該チャンスゾーンカウンタ84hの値が「0」になると、チャンスゾーン管理処理(
図21)のステップS901の処理にて否定判定となり、チャンスゾーン中処理が行われなくなってしまう。したがって、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する場合において、チャンスゾーンカウンタ84hの値が減算され、当該チャンスゾーンカウンタ84hの値が「0」になることで、ボーナスAT状態ST20に移行することなくチャンスゾーン状態ST12が終了してしまう。その点、本構成では、ステップS1208の処理が設けられているため、延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされている場合には、チャンスゾーンカウンタ84hの値が減算されることはない。したがって、延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされている場合は、上記チャンスゾーンカウンタ84hの値が「1」以上の値に保持される。これにより、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する場合において、チャンスゾーン中処理の実行を担保することが可能となる。
【0213】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1208:NO)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hの値を1減算する(ステップS1209)。上述したように、画像表示装置66の左上端にはチャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数が表示される。チャンスゾーン状態ST12移行時や再度チャンスゾーン状態ST12の実行回が開始される場合においては、画像表示装置66の左上端に上記チャンスゾーン状態ST12の1実行回のゲーム数である10ゲームに対応させて「10」が表示される。ステップS1209の処理において、チャンスゾーンカウンタ84hの値が1減算されることにより、チャンスゾーンゲーム数表示処理(
図22)のステップS1003の処理にて、画像表示装置66の左上端に表示されたゲーム数が1減算された数字が表示される。したがって、画像表示装置66の左上端に「10」が表示されている場合、「9」が表示されることとなる。
【0214】
減算の結果、チャンスゾーンカウンタ84hの値が「0」となった場合(ステップS1210:YES)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kの値が「1」以上であることを条件として(ステップS1211:YES)、ステップS1212に進む。ステップS1212では、チャンスゾーン残カウンタ84kの値を1減算するとともに、チャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットし、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値を1加算する。当該延長発生カウンタ84iの値が「1」となった場合、画像表示装置66の左上端に「10」が表示される。また、当該延長発生カウンタ84iの値が「2」となった場合、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示される。
【0215】
一方、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1201:YES)、ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第1ベル又は第2ベルが入賞したか否かを判定する(ステップS1213)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、上記ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第1ベル又は第2ベルが入賞したか否かを判定する。
【0216】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞した場合(ステップS1213:YES)、又は第3ベルが入賞した場合(ステップS1207:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1214)。当該処理を設けることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に対応した抽選テーブル83e,83fをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出すことが可能となる。当該抽選テーブル83e,83fについては後述する。
【0217】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1214:NO)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームに対応した通常抽選テーブル83eをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1215)。当該通常抽選テーブル83eには、ボーナス抽選テーブルと、後述する昇格抽選テーブルとが設けられている。上記ボーナス抽選テーブルには、ボーナス当選又はボーナス非当選となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。
【0218】
一方、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS1214:YES)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に対応した∞抽選テーブル83fをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1216)。当該∞抽選テーブル83fには、上記通常抽選テーブル83eと同様に、ボーナス抽選テーブルと、後述する昇格抽選テーブルとが設けられている。
【0219】
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20への移行契機役に応じて、ボーナス当選確率が異なっている。具体的な違いについて
図25を参照しながら説明する。
図25はチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20への移行契機役に応じたボーナス当選確率を説明するための説明図である。
【0220】
図25に示すように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数毎に比較した場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合と、20ゲームである場合とにおけるボーナス当選確率は同一であるが、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合とを比較すると、後者の方がボーナス当選確率が高くなるよう設定されている。上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となることでボーナス当選が確定した状態となる。ここで、ボーナス当選が確定した状態において、速やかにボーナスAT状態ST20へ移行させないと早くボーナスAT状態ST20を楽しみたい遊技者に苛立ちを与えてしまう恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることで、ボーナスAT状態ST20への移行契機役入賞時におけるボーナス当選確率が高くなりボーナスに当選しやすくなっている。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってもボーナス当選確率が変化しない構成に比べて、速やかにボーナスAT状態ST20に移行させることが可能となる。したがって、遊技者の苛立ちを抑制することが可能となる。
【0221】
また、通常抽選テーブル83eに設けられたボーナス抽選テーブルにおいて、ボーナスAT状態ST20への移行契機役毎に比較した場合、第2ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は10%であり、第1ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は20%であり、第3ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は50%である。つまり、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20への移行契機役程、ボーナスに当選する確率が高くなるよう設定されている。これにより、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20への移行契機役の有利性を担保することが可能となる。
【0222】
また、∞抽選テーブル83fに設けられたボーナス抽選テーブルにおいて、ボーナスAT状態ST20への移行契機役毎に比較した場合、第2ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は95%であり、第1ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は98%であり、第3ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は99%である。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、第1ベル〜第3ベルのいずれかが入賞した場合、ボーナスAT状態ST20に移行する確率が高い。よって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームの状態でボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞するよりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞の状態でボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞する方が、ボーナスAT状態ST20に移行する確率が高くなる。
【0223】
ここで、本実施形態はチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況を経てからボーナスAT状態ST20への移行が発生する構成である。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になったことに対する安心感を遊技者に与えることが可能となる。
【0224】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になっても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と同様に、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞を契機としてボーナスAT状態ST20への移行が発生する。したがって、ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞することでボーナス当選となったことを遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞した場合においても、ボーナスAT状態ST20への移行に遊技者を期待させることが可能となる。
【0225】
また、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、第2ベル入賞時におけるボーナス当選確率は95%であり、第1ベル入賞時におけるボーナス当選確率は98%であり、第3ベル入賞時におけるボーナス当選確率は99%である。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞しても必ずボーナスAT状態ST20へ移行するわけではない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況においても、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞時にボーナスAT状態ST20への移行に遊技者を期待させることが可能となる。
【0226】
チャンスゾーン中処理(
図24)の説明に戻り、通常抽選テーブル83eをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出した場合、又は∞抽選テーブル83fをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出した場合、ボーナス抽選処理を実行する(ステップS1217)。具体的には、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、上記サブ側抽選用カウンタ84dの値を通常抽選テーブル83eに設けられたボーナス抽選テーブル、又は∞抽選テーブル83fに設けられたボーナス抽選テーブルに対して照合する。
【0227】
ボーナス当選となった場合(ステップS1218:YES)、チャンスゾーンカウンタ84h、延長発生カウンタ84i、延長当選カウンタ84j及びチャンスゾーン残カウンタ84kの値を「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタ84a及び第1ボーナス状態フラグに「1」をセットする(ステップS1219)。当該AT状態カウンタ84aに「1」がセットされることで、サブ側MPU82の周期処理(
図17)のステップS604において否定判定がされ、AT中処理が実行される。また、ステップS1219の処理において、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン管理カウンタ84gの値は「0」クリアされない。当該チャンスゾーン管理カウンタ84gとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12への移行契機が存在しているか否かをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。したがって、今回のチャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行が行われない場合でも、上記チャンスゾーン管理カウンタ84gの値が「1」以上であれば、再度チャンスゾーン状態ST12へ遊技状態が移行する。また、今回のチャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行が行われた場合、上記チャンスゾーン管理カウンタ84gの値が「1」以上であれば、ボーナスAT状態ST20が終了した後に、再度チャンスゾーン状態ST12へ遊技状態が移行する。
【0228】
また、ステップS1215又はステップS1216にて読み出されたチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に対応した抽選テーブル83e,83fは読み出されたままである。上述したように、当該抽選テーブル83e,83fには上記ボーナス抽選テーブルだけでなく、昇格抽選テーブルが設けられている。詳細については後述するが、当該昇格抽選テーブルはボーナスAT状態ST20の昇格抽選に使用されるテーブルである。当該昇格抽選テーブルを参照することで、ボーナスAT状態ST20の昇格抽選が行われる。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に応じてボーナスAT状態ST20の昇格当選確率が異なっている。チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に対応した抽選テーブル83e,83fを消去せず、読み出したままとすることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に対応した昇格抽選を実行することが可能となる。
【0229】
<ボーナス準備状態処理>
ボーナス準備状態は、上述したように、非AT状態ST10又はノーマルAT状態ST30においてボーナスAT状態ST20への移行条件が成立した場合にボーナスAT状態ST20に移行する前に滞在することとなる状態である。ここで、ボーナスAT状態ST20への移行は、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=9で当選となり、ボーナス契機対応の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合に発生する。上記ボーナス契機対応の停止順序とは、特別リプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序のことである。このようにIV=9で当選となりボーナス契機対応の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合にボーナスAT状態ST20への移行が発生する構成とすることで、サブ側MPU82においてボーナスAT状態ST20の開始制御を実行する構成においてサブ側MPU82から主側MPU72に情報を送信しない構成であってもボーナスAT状態ST20への移行が発生したことを主側MPU72にて特定することが可能となる。これにより、遊技ホールの管理コンピュータに対する外部出力がサブ側MPU82からは行われずに主側MPU72から行われる構成であっても、ボーナスAT状態ST20への移行が発生したことに対応する外部出力を行うことが可能となる。
【0230】
ボーナス準備状態は、ボーナスAT状態ST20への移行条件が成立した場合においてIV=9で当選となりボーナス契機対応の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されるまで滞在することとなる。また、ボーナス準備状態では、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1又は2で当選となった場合、ベル入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、ボーナス準備状態においては非AT状態ST10よりも単位ゲーム数当たりにおけるメダルの獲得期待枚数を高めることが可能となる。その一方、AT状態ST20,ST30においてボーナス準備状態以外の状態の場合、IV=3〜6で当選となった場合にもベル入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。したがって、AT状態ST20,ST30においてボーナス準備状態以外の状態の方がボーナス準備状態よりも単位ゲーム数当たりにおけるメダルの獲得期待枚数を高めることが可能となる。
【0231】
また、ボーナス準備状態においては、移行対象となるボーナスAT状態ST20の種類が昇格し得る。これにより、ボーナスAT状態ST20への移行が発生しないことによりボーナス準備状態が長く継続した場合には、ボーナスAT状態ST20の種類が昇格する可能性を高めることが可能となる。よって、ボーナス準備状態が長く継続した場合の不利益感を抑えることが可能となる。
【0232】
サブ側MPU82の周期処理(
図17)におけるステップS606のAT中処理にて実行されるボーナス準備状態処理について
図26を参照しながら説明する。
図26はサブ側MPU82にて実行されるボーナス準備状態処理を示すフローチャートである。
【0233】
まず、昇格抽選に対応したゲームにおける入賞結果コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1301)。昇格抽選に対応したゲームとは、主側MPU72における役の抽選処理(
図11)にて内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=7,10〜13のいずれかに当選したゲームのことである。これらのいずれかの役に当選したことを示す抽選結果コマンドを受信したゲームにおいて入賞結果コマンドを受信した場合にステップS1301にて肯定判定をする。
【0234】
ステップS1301にて肯定判定をした場合には、サブ側RAM84に設けられた昇格不可フラグに「1」がセットされているか否かを判定するとともに、サブ側RAM84の第2ボーナス状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1302)。昇格不可フラグは、ボーナス準備状態においてボーナスAT状態ST20の種類を昇格させるための昇格抽選処理の実行が不可であるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。昇格不可フラグには、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=9にて当選となりボーナス契機対応の停止順序が報知されているにも関わらず当該停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかった場合に「1」がセットされる。なお、昇格不可フラグはボーナスAT状態ST20に移行した場合に「0」クリアされる。
【0235】
昇格不可フラグに「1」がセットされておらず、さらに第2ボーナス状態フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1302:NO)、昇格抽選処理を実行する(ステップS1303)。当該昇格抽選処理を実行する場合、上述したように、サブ側ROM83の抽選テーブル83e,83fに設けられた昇格抽選テーブルが参照される。当該昇格抽選テーブルは、ボーナスAT状態ST20の昇格契機役の種類に対応させて設けられている。また、当該昇格抽選テーブルは、昇格当選又は昇格非当選となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。ここで、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20の昇格契機役(IV=7,10〜13)に応じてボーナスAT状態ST20の昇格当選確率が異なっている。具体的な違いについて
図27を参照しながら説明する。
図27は直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20の昇格契機役に応じた昇格当選確率を説明するための説明図である。
【0236】
図27に示すように、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数毎に比較した場合、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が10ゲームである場合と、20ゲームである場合とにおける昇格当選確率は同一であるが、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が∞である場合とを比較すると、後者の方が昇格当選確率が高くなるよう設定されている。
【0237】
また、通常抽選テーブル83eに設けられた昇格抽選テーブルにおいて、ボーナスAT状態ST20の昇格契機役毎に比較した場合、IV=10で当選となった場合に昇格当選となる確率は10%であり、IV=7で当選となった場合に昇格当選となる確率は15%であり、IV=11で当選となった場合に昇格当選となる確率は20%であり、IV=13で当選となった場合に昇格当選となる確率は30%であり、IV=12で当選となった場合に昇格当選となる確率は40%である。つまり、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20の昇格契機役程、昇格する確率が高くなるよう設定されている。これにより、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20の昇格契機役の有利性を担保することが可能となる。
【0238】
また、∞抽選テーブル83fに設けられた昇格抽選テーブルにおいて、ボーナスAT状態ST20への移行契機役毎に比較した場合、IV=10で当選となった場合に昇格当選となる確率は50%であり、IV=7で当選となった場合に昇格当選となる確率は60%であり、IV=11で当選となった場合に昇格当選となる確率は70%であり、IV=13で当選となった場合に昇格当選となる確率は80%であり、IV=12で当選となった場合に昇格当選となる確率は90%である。つまり、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、ボーナスAT状態ST20の昇格契機役に当選するよりも、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が∞である状況で、ボーナスAT状態ST20の昇格契機役に当選する方が昇格当選しやすくなっている。つまり、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が∞である状況において、ボーナス当選となった場合は昇格当選しやすいという恩恵を受けることになる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12において遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0239】
また、本構成においては、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値が「2」であるにも関わらず、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値が「2」未満の状況でボーナス当選となった場合には、昇格抽選処理において延長当選カウンタ84jの値が「2」となった恩恵を受けられない。ここで、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値が「2」、且つ延長発生カウンタ84iの値が「2」未満の状況でボーナス当選となった場合に昇格当選しやすいという恩恵を与えてしまうと、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達した際にボーナス当選となった場合だけを優遇することができなくなってしまう。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることができなくなってしまう。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達した時にだけ遊技者に恩恵を与える構成であるため、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12において遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0240】
ボーナス準備状態処理(
図26)の説明に戻り、昇格抽選処理では、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、上記サブ側抽選用カウンタ84dの値を通常抽選テーブル83eに設けられた昇格抽選テーブル、又は∞抽選テーブル83fに設けられた昇格抽選テーブルに対して照合する。
【0241】
昇格抽選処理の結果が昇格当選である場合(ステップS1304:YES)、ボーナス状態フラグの設定処理を実行する(ステップS1305)。ボーナス状態フラグの設定処理では、ボーナスAT状態ST20の種類を現状の移行対象よりも有利な種類に昇格させる。具体的には、第1ボーナス状態フラグに「1」がセットされている場合には当該第1ボーナス状態フラグを「0」クリアするとともに第2ボーナス状態フラグに「1」をセットすることで、移行対象のボーナスAT状態ST20を第1ボーナスAT状態ST21から第2ボーナスAT状態ST22に昇格させる。
【0242】
昇格抽選に対応したゲームの入賞結果コマンドを受信していない場合(ステップS1301:NO)、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)のIV=9に当選したゲームにおける入賞結果コマンドを受信しているか否かを判定する(ステップS1306)。つまり、IV=9に当選したことを示す抽選結果コマンドを受信したゲームにおいて入賞結果コマンドを受信したか否かを判定する。
【0243】
ステップS1306にて肯定判定をした場合には、特別リプレイ又は第1チェリーリプレイが入賞したか否かを判定する(ステップS1307)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、特別リプレイ又は第1チェリーリプレイが入賞したか否かを判定する。
【0244】
特別リプレイ又は第1チェリーリプレイが入賞していない場合(ステップS1307:NO)、サブ側RAM84の昇格不可フラグに「1」をセットする(ステップS1308)。これにより、今回のボーナス準備状態においては昇格抽選処理が実行されない状態となる。つまり、報知された停止順序に従わずにリール32L,32M,32Rを停止させたペナルティとして、昇格抽選処理が実行されない状態となる。
【0245】
特別リプレイ又は第1チェリーリプレイが入賞した場合(ステップS1307:YES)、サブ側RAM84のAT状態カウンタ84aに「2」をセットする(ステップS1309)。これにより、遊技状態がボーナス準備状態から第1ボーナスAT状態ST21又は第2ボーナスAT状態ST22に移行する。
【0246】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0247】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になると、ボーナスAT状態ST20へ移行するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することとなる。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることでボーナス当選確率が高くなる。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になっても、ボーナスAT状態ST20への移行契機役入賞時におけるボーナス当選確率がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームの場合と同一であると、ボーナスAT状態ST20への移行が確定しているにも関わらずなかなかボーナスAT状態ST20へ移行しない可能性がある。この場合、速やかにボーナスAT状態ST20へ移行したい遊技者に苛立ちを与えてしまう恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることでボーナス当選確率が高くなるため、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。これにより、ボーナスAT状態ST20へなかなか移行しないことに対する苛立ちを抑制することが可能となる。
【0248】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況を経てからボーナスAT状態ST20への移行が発生する構成である。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になったことに対する安心感を遊技者に与えることが可能となる。
【0249】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になっても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と同様に、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞を契機としてボーナスAT状態ST20への移行が発生する。したがって、ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞することでボーナス当選となったことを遊技者に印象付けることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞した場合においても、ボーナスAT状態ST20への移行に遊技者を期待させることが可能となる。
【0250】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞しても必ずボーナスAT状態ST20へ移行するわけではない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況においても、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞時にボーナスAT状態ST20への移行に遊技者を期待させることが可能となる。
【0251】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態でボーナスAT状態ST20へ移行した場合、第1ボーナスAT状態ST21から第2ボーナスAT状態ST22への昇格当選確率が高くなる。つまり、直前のチャンスゾーン状態ST12において設定されていた継続可能なゲーム数が∞である状況において、ボーナス当選となった場合は昇格当選しやすいという恩恵を受けることになる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12において遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0252】
また、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値が「2」であるにも関わらず、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値が「2」未満の状況でボーナス当選となった場合には、昇格抽選処理において延長当選カウンタ84jの値が「2」となった恩恵を受けられない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達した時にだけ遊技者に恩恵を与える構成であるため、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12において遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0253】
<第2の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になった場合におけるチャンスゾーン中処理が第1の実施形態とは異なっている。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおけるボーナス当選確率は第1の実施形態を前提としている。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0254】
<チャンスゾーン中処理>
サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図21)におけるステップS918にて実行されるチャンスゾーン中処理について
図28を参照しながら説明する。チャンスゾーン中処理は、上述したように、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選したか否かを特定するとともに、ボーナスに当選した場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理である。
図28は第2の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。
【0255】
ステップS1401〜ステップS1414までの処理はステップS1201〜ステップS1214までの処理と同様であり、ステップS1415の処理はステップS1215の処理と同様であり、ステップS1416〜ステップS1418までの処理はステップS1217〜ステップS1219までの処理と同様である。
【0256】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞した場合(ステップS1413:YES)、又は第3ベルが入賞した場合(ステップS1407:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1414)。サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS1414:YES)、チャンスゾーンカウンタ84h、延長発生カウンタ84i、延長当選カウンタ84j及びチャンスゾーン残カウンタ84kの値を「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタ84a及び第1ボーナス状態フラグに「1」をセットする(ステップS1418)。
【0257】
つまり、本実施形態ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6,8のいずれかで当選となり、第1ベル入賞、第2ベル入賞、又は第3ベル入賞が成立した場合、ボーナス抽選処理が行われず、そのままボーナスに当選となる。これにより、第1ベル入賞時、第2ベル入賞時、及び第3ベル入賞時にボーナス抽選処理が行われる構成に比べて、速やかにボーナスAT状態ST20へ移行させることが可能となる。
【0258】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0259】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6,8のいずれかで当選となり、第1ベル入賞、第2ベル入賞、又は第3ベル入賞が成立した場合、ボーナス抽選処理が行われず、そのままボーナスに当選となる。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることで、ボーナス当選確率が100%に近い値となる構成としても、第1ベル入賞時、第2ベル入賞時、又は第3ベル入賞時に必ずボーナスに当選する訳ではない。つまり、ボーナス当選が確定している状況において、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることができない可能性がある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6,8のいずれかで当選となり、第1ベル入賞、第2ベル入賞、又は第3ベル入賞が成立した場合、ボーナス抽選処理が行われず、そのままボーナスに当選となる。したがって、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。これにより、遊技者に苛立ちを与えてしまう可能性を低減させることが可能となる。
【0260】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームの状態で、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立したとしても、ボーナス当選にあまり期待が持てない。ここで、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞の状態で、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立した場合は、そのままボーナス当選となる。したがって、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立した際にもボーナス当選となることを遊技者に意識させることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいて、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立した際の遊技者のボーナス当選に対する期待感を高めることが可能となる。
【0261】
<第3の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知を行うか否かが抽選によって決定される。また、チャンスゾーン状態ST12においてベル入賞が成立した場合のボーナス当選確率は第1の実施形態を前提としている。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0262】
<非AT中の停止順報知用処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS703にて実行される非AT中の停止順報知用処理について、
図29を参照しながら説明する。
図29は第3の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行される非AT中の停止順報知用処理を示すフローチャートである。
【0263】
ステップS1501〜ステップS1502までの処理はステップS1101〜ステップS1102までの処理と同様である。
【0264】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合(ステップS1502:NO)、今回のゲームにおいて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となったか否かを判定する(ステップS1503)。上述したように、チャンスゾーン状態ST12において、上記IV=1〜6の役はボーナスAT状態ST20に移行させるか否かを決定するための移行契機役である。
【0265】
今回のゲームにおいて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合(ステップS1503:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1504)。当該延長発生カウンタ84iとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。当該処理を設けることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合と、そうでない場合とで処理を異ならせることが可能となる。
【0266】
延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1504:NO)、押し順ベル抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1505)。そして、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記押し順ベル抽選テーブルに対して照合する(ステップS1506)。
【0267】
当該押し順ベル抽選テーブルには、押し順ベル停止順報知又は押し順ベル停止順非報知となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。また、押し順ベル停止順報知に対応したサブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲と、押し順ベル停止順非報知に対応したサブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが同一になるように設定されている。したがって、押し順ベル停止順報知となる確率と押し順ベル停止順非報知となる確率は同一である。但し、これに限定されることはなく、例えばスロットマシン10の設定状態に応じて押し順ベル停止順報知となる確率を相違させる構成としてもよい。具体的には、スロットマシン10の設定状態に応じて上記押し順ベル抽選テーブルが設けられている。スロットマシン10の設定状態に応じて押し順ベル停止順報知に対応したサブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲が広く設定されている。詳細には、スロットマシン10の設定状態が「設定1」から「設定6」になるにつれて、押し順ベル停止順報知となる確率が高くなるよう押し順ベル停止順報知に対応したサブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲が設定されている。
【0268】
延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS1504:YES)、又は押し順ベル停止順報知となった場合(ステップS1507:YES)、押し順ベル停止順設定処理を実行する(ステップS1508)。当該押し順ベル停止順設定処理とは、上述したように、対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序を報知するためのデータ設定を行う。これにより、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始されるように画像表示装置66が表示制御される。
【0269】
押し順ベル停止順設定処理を実行した場合、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」をセットする(ステップS1509)。当該報知済みフラグに「1」がセットされることで、サブ側MPU82に押し順ベル停止順設定処理を実行済みであることを特定させることが可能となる。
【0270】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0271】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいて、今回の遊技回にて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序を報知するか否かが抽選によって決定される。また、延長発生カウンタ84iに「2」がセットされた場合(チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合)において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が必ず発生する。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況の方が、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況よりも、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合に、対応するベル入賞が成立する可能性が高くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、速やかにボーナスAT状態ST20に移行させることが可能となる。これにより、早くボーナスAT状態ST20を楽しみたい遊技者の苛立ちを抑制することが可能となる。
【0272】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になった状況において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が必ず発生するため、遊技者にベル入賞の当選確率が高くなったと思わせることが可能となる。これにより、遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0273】
<第4の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に応じて、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合に、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知の仕方が異なっている。また、チャンスゾーン状態ST12においてベル入賞が成立した場合のボーナス当選確率は第1の実施形態を前提としている。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0274】
<非AT中の停止順報知用処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS703にて実行される非AT中の停止順報知用処理について、
図30を参照しながら説明する。
図30は第4の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行される非AT中の停止順報知用処理を示すフローチャートである。
【0275】
ステップS1601〜ステップS1602までの処理はステップS1101〜ステップS1102までの処理と同様である。
【0276】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合(ステップS1602:NO)、今回のゲームにおいて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となったか否かを判定する(ステップS1603)。上述したように、チャンスゾーン状態ST12において、上記IV=1〜6の役はボーナスAT状態ST20に移行させるか否かを決定するための移行契機役である。
【0277】
今回のゲームにおいて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合(ステップS1603:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1604)。当該延長発生カウンタ84iとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。当該処理を設けることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合と、そうでない場合とで処理を異ならせることが可能となる。
【0278】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1604:NO)、押し順ベル停止順2択設定処理を実行する(ステップS1605)。当該押し順ベル停止順2択設定処理では、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序を遊技者に当てさせるためのデータ設定を行う。また、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜4のいずれかで当選となった場合と、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=5又は6で当選となった場合とでは停止順序の報知の仕方が異なっている。具体的には、例えば内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1で当選となった場合、第2ベル入賞の成立を可能とする停止順序は、中リール32M→左リール32L→右リール32Rである。この場合、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、第1停止として中リール32Mを停止させ、第2停止を遊技者に選択させるように画像表示装置66が表示制御される。第1停止として中リール32Mを停止させることで、中リール32M→左リール32L→右リール32Rの停止順序と、中リール32M→右リール32R→左リール32Lの停止順序との2パターンとなる。したがって、IV=1で当選した場合に第2ベル入賞の停止順序となる確率は50%となる。
【0279】
また、例えば内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=5で当選となった場合、第1ベル入賞の成立を可能とする停止順序は、中リール32M→左リール32L→右リール32Rと、中リール32M→右リール32R→左リール32Lとの2パターンである。この場合、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、第1停止として中リール32M又は右リール32Rを遊技者に選択させるように画像表示装置66が表示制御される。また、この時第1停止として左リール32Lが停止されないように画像表示装置66が表示制御される。第1停止として中リール32Mが停止されれば第1ベル入賞の停止順序となる。したがって、IV=5で当選した場合に第1ベル入賞の停止順序となる確率は50%となる。また、押し順ベル停止順2択設定処理が実行される場合、押し順ベル停止順設定処理が実行される場合と同様に、第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させたとしてもペナルティ事象とはならない。
【0280】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS1604:YES)、押し順ベル停止順設定処理を実行する(ステップS1606)。当該押し順ベル停止順設定処理とは、上述したように、対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序を報知するためのデータ設定を行う。これにより、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始されるように画像表示装置66が表示制御される。ここで、上述したように、上記ステップS1605にて実行される押し順ベル停止順2択設定処理では、IV=1〜6で当選となった場合に対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序の報知が部分的にしか行われない。したがって、遊技者はIV=1〜6で当選となった場合に対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序を当てないといけない。一方、ステップS1606にて実行される押し順ベル停止順設定処理では、IV=1〜6で当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序の報知が行われる。したがって、IV=1〜6で当選となった場合に対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序を当てなくても、報知された停止順序でリール32L,32M,32Rを停止させれば、対応するベル入賞が成立する。
【0281】
押し順ベル停止順2択設定処理を実行した場合、又は押し順ベル停止順設定処理を実行した場合、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」をセットする(ステップS1607)。当該報知済みフラグに「1」がセットされることで、サブ側MPU82に押し順ベル停止順2択設定処理又は押し順ベル停止順設定処理を実行済みであることを特定させることが可能となる。
【0282】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0283】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序を遊技者自身が当てることになる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいてボーナスに当選した場合、自力でボーナスに当選したという達成感を遊技者に与えることができる。一方、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序が遊技者に報知される。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況の方が、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況よりも、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合に、対応するベル入賞が成立する可能性が高くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、速やかにボーナスAT状態ST20に移行させることが可能となる。これにより、早くボーナスAT状態ST20を楽しみたい遊技者の苛立ちを抑制することが可能となる。
【0284】
<第5の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイもボーナスAT状態ST20への移行契機役となる。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0285】
<リール32L,32M,32Rの停止順序と成立する入賞態様との関係>
まず、本実施形態における各リール32L,32M,32Rの停止順序と成立する入賞態様との関係について、
図31を参照しながら説明する。
図31は第5の実施形態におけるリール32L,32M,32Rの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【0286】
図31に示すように、IV=1〜9,12,13におけるリール32L,32M,32Rの停止順序と成立する入賞態様との関係は第1の実施形態と同様である。
【0287】
IV=10には、通常リプレイ当選データと、第1ベルリプレイ当選データとが設定されている。IV=10で当選となった場合、第1停止が左リール32L又は右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が発生する。第1停止が中リール32Mである場合に第1ベルリプレイ入賞が発生する。通常リプレイ入賞及び第1ベルリプレイ入賞とも、各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。
【0288】
IV=11には、通常リプレイ当選データと、第2ベルリプレイ当選データとが設定されている。IV=11で当選となった場合、第1停止が左リール32L又は中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が発生する。第1停止が右リール32Rである場合に第2ベルリプレイ入賞が発生する。通常リプレイ入賞及び第2ベルリプレイ入賞とも、各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく発生する。
【0289】
<非AT中の停止順報知用処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS703にて実行される非AT中の停止順報知用処理について、
図32を参照しながら説明する。
図32は第5の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行される非AT中の停止順報知用処理を示すフローチャートである。
【0290】
ステップS1702〜ステップS1702までの処理はステップS1101〜ステップS1102までの処理と同様である。
【0291】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合(ステップS1702:NO)、今回のゲームにおいて主側MPU72から受信している抽選結果コマンドに基づき、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となったか否かを判定する(ステップS1703)。上述したように、チャンスゾーン状態ST12において、上記IV=1〜6の役はボーナスAT状態ST20に移行させるか否かを決定するための移行契機役である。
【0292】
内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=1〜6のいずれかで当選ではない場合(ステップS1703:NO)、内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=10又は11で当選となっているか否かを判定する(ステップS1704)。
【0293】
内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=10又は11で当選となった場合(ステップS1704:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1705)。上記延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされている状態とは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞であることを意味している。また、本実施形態ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった状態でのみ、IV=10又は11で当選となった場合に対応するベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われる。したがって、ステップS1705の処理を設けることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、IV=10又は11で当選となった場合に、対応するベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われないようにすることが可能となる。
【0294】
上記延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされている場合(ステップS1705:YES)、ベルリプレイ停止順設定処理を実行する(ステップS1706)。当該ベルリプレイ停止順設定処理では、対応するベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序を報知するためにデータ設定を行う。これにより、今回の遊技回においてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、対応するベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始されるように画像表示装置66が表示制御される。
【0295】
ベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序は、全てのリール32L,32M,32Rが回転している状態から第1停止として中リール32M又は右リール32Rが停止するまでの停止順序である。具体的には、IV=10で当選となった場合、第1停止として中リール32Mを停止すべきことだけが報知される。これは、第2停止として左リール32L又は右リール32Rが停止されたとしても、第1ベルリプレイ入賞が発生するからである。IV=11で当選となった場合、第1停止として右リール32Rを停止すべきことだけが報知される。これは、第2停止として左リール32L又は中リール32Mが停止されたとしても、第2ベルリプレイ入賞が発生するからである。
【0296】
ここで、内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=10又は11で当選となり(ステップS1704:YES)、延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1705:NO)は、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序が報知されない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合よりもチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合の方がボーナスAT状態ST20へ移行しやすくなる。
【0297】
一方、内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=1〜6のいずれかで当選となった場合(ステップS1703:YES)、押し順ベル停止順設定処理を実行する(ステップS1707)。当該押し順ベル停止順設定処理とは、上述したように、対応するベル入賞の成立を可能とする停止順序を報知するためのデータ設定を行う。これにより、今回のゲームにおいてリール32L,32M,32Rの停止が有効となるまでに(すなわちリール32L,32M,32Rの加速期間中において)、対応するベル入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が開始されるように画像表示装置66が表示制御される。
【0298】
ベルリプレイ停止順設定処理を実行した場合、又は押し順ベル停止順設定処理を実行した場合、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」をセットする(ステップS1708)。当該報知済みフラグに「1」がセットされることで、サブ側MPU82にベルリプレイ停止順設定処理又は押し順ベル停止順設定処理を実行済みであることを特定させることが可能となる。
【0299】
<チャンスゾーン中処理>
サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図21)におけるステップS918にて実行されるチャンスゾーン中処理について
図33を参照しながら説明する。
図33は第5の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。
【0300】
ステップS1801〜ステップS1812までの処理は、ステップS1201〜ステップS1212までの処理と同様であり、ステップS1818〜ステップS1820までの処理はステップS1217〜ステップS1219までの処理と同様である。
【0301】
サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS1801:YES)、第1ベル、第2ベル、第1ベルリプレイ、又は第2ベルリプレイが入賞したか否かを判定する(ステップS1813)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、第1ベル、第2ベル、第1ベルリプレイ、又は第2ベルリプレイが入賞したか否かを判定する。当該処理を設けることにより、第1ベル、第2ベル、第1ベルリプレイ、又は第2ベルリプレイが入賞していない場合に、ボーナスAT状態ST20への移行抽選が行われてしまうことを阻止することが可能となる。
【0302】
ステップ1813を肯定判定した場合(ステップS1813:YES)、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立したか否かを判定する(ステップS1814)。ここで、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合とでは、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時におけるボーナス当選確率が異なっている。したがって、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立した場合は、その後の処理においてサブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iにセットされている値を特定する処理を行わないといけない。また、第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイがボーナスAT状態ST20への移行契機役となるのは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる場合(サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値が「2」である場合)だけである。したがって、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞が成立した場合は、その後の処理においてサブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iにセットされている値を特定する処理を行う必要がない。また、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞が成立した場合は、当該ベルリプレイ入賞時に対応したボーナス抽選テーブルを参照して、ボーナス抽選処理が行われる。
【0303】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞した場合(ステップS1814:YES)、又は第3ベル入賞が成立した場合(ステップS1807:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS1815)。サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS1815:NO)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームに対応した通常抽選テーブル83eをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1816)。
【0304】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞していない場合(ステップS1814:NO)、又はサブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS1815:YES)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に対応した∞抽選テーブル83fをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS1817)。本実施形態におけるチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20への移行契機役に応じたボーナス当選確率について
図34を参照しながら説明する。
図34は第5の実施形態におけるチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20への移行契機役に応じたボーナス当選確率を説明するための説明図である。
【0305】
図34に示すように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームに対応した通常抽選テーブル83eには、第1ベルリプレイ入賞時又は第2ベルリプレイ入賞時に対応したボーナス抽選テーブルが設けられていない。これは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合、ベルリプレイ(第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイ)はボーナスAT状態ST20への移行契機役ではないからである。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、ベルリプレイ(第1ベルリプレイ又は第2ベルリプレイ)入賞が成立した場合、ペナルティ事象となる。
【0306】
一方、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に対応した∞抽選テーブル83fには、第1ベルリプレイ入賞時又は第2ベルリプレイ入賞時に対応したボーナス抽選テーブルが設けられている。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞が成立した場合、ボーナス抽選処理が実行される。その際のボーナス当選確率は99%である。これは、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立した場合におけるボーナス当選確率と略同一であり、第3ベル入賞が成立した場合におけるボーナス当選確率と同一である。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=10又は11で当選となった場合に、対応するベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合、ボーナスに当選する確率が高い。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になった場合、ボーナス当選確率が高いボーナスAT状態ST20への移行契機役の種類が増えるため、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。
【0307】
また、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞が成立した場合、ベル入賞(第1ベル、第2ベル、又は第3ベル)が成立した場合と同様にベル図柄が一直線上に停止表示される。具体的には、第1ベル入賞となる場合、
図6(a)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。第2ベル入賞となる場合、
図6(b)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。第3ベル入賞となる場合、
図6(c)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。また、第1ベルリプレイ入賞となる場合、
図6(g)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。第2ベルリプレイ入賞となる場合、
図6(h)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。つまり、一直線上に並ぶサブラインSL1,SL2,SL3,SL4,SL5は異なっているが、一直線上に並ぶ図柄の組合せは同一である。したがって、それぞれの役の入賞を区別させるとともに、第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイがボーナスAT状態ST20への移行契機役であることを遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0308】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0309】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、内部後状態用抽選テーブル73b(
図31)におけるIV=10又は11で当選となった場合、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞の成立を可能とするための停止順序の報知が行われる。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞において、第1ベルリプレイ入賞時及び第2ベルリプレイ入賞時におけるボーナス当選確率は99%である。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になると、ボーナス当選確率が高いボーナスAT状態ST20への移行契機役の種類が増加するため、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。
【0310】
また、第1ベルリプレイ入賞又は第2ベルリプレイ入賞が成立した場合、ベル入賞(第1ベル、第2ベル、又は第3ベル)が成立した場合と同様にベル図柄が一直線上に停止表示される。この場合、一直線上に並ぶサブラインSL1,SL2,SL3,SL4,SL5は異なっているが、一直線上に並ぶ図柄の組合せは同一である。したがって、それぞれの役の入賞を区別させるとともに、第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイがボーナスAT状態ST20への移行契機役であることを遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0311】
<第6の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数がチャンスゾーン状態ST12移行時に抽選により決定される。また、チャンスゾーン状態ST12においてベル入賞が成立した場合のボーナス当選確率は第1の実施形態を前提としている。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0312】
<チャンスゾーン管理処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS711にて実行されるチャンスゾーン管理処理について、
図35を参照しながら説明する。
図35は第6の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン管理処理を示すフローチャートである。
【0313】
ステップS1901〜ステップS1911までの処理は、ステップS901〜ステップS911までの処理と同様である。
【0314】
チャンスゾーン前兆状態となった場合、ステップS1902にて肯定判定をすることでステップS1912に進む。ステップS1912では、サブ側RAM84のペナルティカウンタ84bの値が1以上であるか否かを判定する。ペナルティカウンタ84bの値が1以上である場合にはそのまま本チャンスゾーン管理処理を終了する。これにより、ペナルティ状態においてはチャンスゾーン前兆状態の継続ゲーム数が消化されないこととなり、チャンスゾーン状態ST12への移行が遅延されることとなる。
【0315】
ペナルティカウンタ84bの値が「0」である場合には(ステップS1912:NO)、サブ側RAM84の移行待機カウンタ84fの値を1減算する(ステップS1913)。その減算後の移行待機カウンタ84fの値が「0」である場合(ステップS1914:YES)、サブ側RAM84のチャンスゾーン管理カウンタ84gの値を1減算する(ステップS1915)。サブ側RAM84のチャンスゾーン管理カウンタ84gの値を1減算した後は、チャンスゾーンゲーム数抽選処理を実行する(ステップS1916)。当該チャンスゾーンゲーム数抽選処理とは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するために行われる処理である。具体的な処理内容については後述する。
【0316】
一方、チャンスゾーン状態ST12である場合(ステップS1901:YES)、チャンスゾーンゲーム数表示処理を実行する(ステップS:1917)。当該チャンスゾーンゲーム数表示処理とは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数を画像表示装置66に表示させるための処理である。処理内容に関しては、ステップS917の処理と同様である。具体的には、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされていない場合は、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hの値を画像表示装置66の左上端に表示させる。また、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされている場合は、画像表示装置66の左上端に「∞」を表示させる。
【0317】
チャンスゾーンゲーム数表示処理を実行した後は、チャンスゾーン中処理を実行する(ステップS1918)。具体的な処理内容については後述する。
【0318】
<チャンスゾーンゲーム数抽選処理>
次に、サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図35)におけるステップS1916にて実行されるチャンスゾーンゲーム数抽選処理について、
図36を参照しながら説明する。チャンスゾーンゲーム数抽選処理とは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するために行われる処理である。
図36はサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーンゲーム数抽選処理を示すフローチャートである。
【0319】
まず、チャンスゾーンゲーム数抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS2001)。ステップS2001を実行した場合、チャンスゾーンゲーム数抽選処理を実行する(ステップS2002)。具体的には、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記チャンスゾーンゲーム数抽選テーブルに対して照合する。
【0320】
当該チャンスゾーンゲーム数抽選テーブルには、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が大きい程、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲が小さく設定されている。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として10ゲームに当選する確率が最も高く、∞に当選する確率が最も低い。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として10ゲームが選択される確率は80%であり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として20ゲームが選択される確率は15%であり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択される確率は5%である。
【0321】
ステップS2002の抽選結果が10ゲームとなった場合(ステップS2003:YES)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットする(ステップS2004)。
【0322】
一方、ステップS2002の抽選結果が10ゲームではなく(ステップS2003:NO)、20ゲームである場合(ステップS2005:YES)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットするとともに、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「1」をセットする(ステップS2006)。したがって、チャンスゾーン状態ST12の1実行回(10ゲーム)が終了したとしても、再度チャンスゾーン状態ST12の1実行回(10ゲーム)が開始される。
【0323】
ステップS2002の抽選結果が20ゲームではない場合(ステップS2005:NO)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットするとともに、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」をセットする(ステップS2007)。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合においても、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hに「10」がセットされるため、画像表示装置66の左上端に「∞」ではなく「10」が表示される。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合に、画像表示装置66の左上端にそのまま「∞」と表示してしまうと、ボーナスAT状態ST20へ移行するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することがチャンスゾーン状態ST12に移行したタイミングで遊技者に把握されてしまう。そうすると、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞が成立したとしても、遊技者の高揚感を高めることができない恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合でも、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示されない。これにより、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞が成立した場合における遊技者の高揚感が低下してしまうのを抑制することが可能となる。
【0324】
<チャンスゾーン中処理>
次に、サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図35)におけるステップS1918にて実行されるチャンスゾーン中処理について、
図37を参照しながら説明する。
図37は第6の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。また、本実施形態ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数の延長抽選処理は行われないものとする。
【0325】
ステップS2101及びステップS2102の処理はステップS1201及びステップS1207の処理と同様であり、ステップS2112〜ステップS2114までの処理はステップS1217〜ステップS1219までの処理と同様である。
【0326】
ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第3ベルが入賞していない場合(ステップS2102:NO)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2103)。サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS2103:NO)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hの値を1減算する(ステップS2104)。
【0327】
減算の結果、チャンスゾーンカウンタ84hの値が「0」となった場合(ステップS2105:YES)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kの値が「1」以上であることを条件として(ステップS2106:YES)、ステップS2107に進む。ステップS2107では、チャンスゾーン残カウンタ84kの値を1減算するとともに、チャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットし、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値を1加算する。当該延長発生カウンタ84iの値が「1」となった場合、画像表示装置66の左上端に「10」が表示される。また、当該延長発生カウンタ84iの値が「2」となった場合、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示される。上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合においても、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示されない。本構成とすることで、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞が成立した場合における遊技者の高揚感が低下してしまうのを抑制することが可能となる。
【0328】
一方、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2101:YES)、ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第1ベル又は第2ベルが入賞したか否かを判定する(ステップS2108)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、上記ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第1ベル又は第2ベルが入賞したか否かを判定する。
【0329】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞した場合(ステップS2108:YES)、又は第3ベルが入賞した場合(ステップS2102:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2109)。当該処理を設けることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数に対応した抽選テーブル83e,83fをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出すことが可能となる。
【0330】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS2109:NO)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームに対応した通常抽選テーブル83eをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS2110)。
【0331】
一方、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS2109:YES)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に対応した∞抽選テーブル83fをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS2111)。
【0332】
本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームに対応した通常抽選テーブル83eが参照される。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択されたとしても、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞時におけるボーナス当選確率はチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームの場合と同様である。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合に、必ず∞抽選テーブル83fが参照される構成とすると、チャンスゾーン状態ST12において1回目に入賞したボーナスAT状態ST20への移行契機役でボーナスに当選する確率が高くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況でしかボーナス当選とならない可能性がある。その点、本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは通常抽選テーブル83eが参照される。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合においても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまではボーナス当選確率が高くならない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達した時にだけ遊技者に恩恵を与える構成とすることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12において遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0333】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0334】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数がチャンスゾーンゲーム数抽選処理によって決定される。チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示されない。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合に、画像表示装置66の左上端にそのまま「∞」と表示してしまうと、ボーナスAT状態ST20へ移行するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することがチャンスゾーン状態ST12に移行したタイミングで遊技者に把握されてしまう。そうすると、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞が成立したとしても、遊技者の高揚感を高めることができない恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合でも、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示されない。これにより、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスAT状態ST20への移行契機役の入賞が成立した場合における遊技者の高揚感が低下してしまうのを抑制することが可能となる。
【0335】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に「2」がセットされるまでは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞に対応した∞抽選テーブル83fが参照されるのではなく、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームに対応した通常抽選テーブル83eが参照される。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合においても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまではボーナス当選確率が高くならない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達した時にだけ遊技者に恩恵を与える構成とすることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいと遊技者に思わせることが可能となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12において遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0336】
<第7の実施形態>
本実施形態は、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になっても、第3ベル入賞時におけるボーナス当選確率は変更されないが、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時におけるボーナス当選確率は高くなる構成である。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0337】
<ボーナス当選確率>
チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20への移行契機役に応じたボーナス当選確率について
図38を参照しながら説明する。
図38は第7の実施形態におけるチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及びボーナスAT状態ST20への移行契機役に応じたボーナス当選確率を説明するための説明図である。
【0338】
図38に示すように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数毎に比較した場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合と、20ゲームである場合とにおけるボーナス当選確率は同一であるが、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である場合とを比較すると、後者の方がボーナス当選確率が高くなるよう設定されている。上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となることでボーナス当選が確定した状態となる。ここで、ボーナス当選が確定した状態において、速やかにボーナスAT状態ST20へ移行させないと早くボーナスAT状態ST20を楽しみたい遊技者に苛立ちを与えてしまう恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることで、ボーナスAT状態ST20への移行契機役入賞時におけるボーナス当選確率が高くなりボーナスに当選しやすくなっている。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってもボーナス当選確率が変化しない構成に比べて、速やかにボーナスAT状態ST20に移行させることが可能となる。したがって、遊技者の苛立ちを抑制することが可能となる。
【0339】
また、通常抽選テーブル83eに設けられたボーナス抽選テーブルにおいて、ボーナスAT状態ST20への移行契機役毎に比較した場合、第2ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は10%であり、第1ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は20%であり、第3ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は50%である。つまり、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20への移行契機役程、ボーナスに当選する確率が高くなるよう設定されている。これにより、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20への移行契機役の有利性を担保することが可能となる。
【0340】
また、∞抽選テーブル83fに設けられたボーナス抽選テーブルにおいて、ボーナスAT状態ST20への移行契機役毎に比較した場合、第2ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は95%であり、第1ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は98%であり、第3ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は50%である。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が発生した場合、ボーナスAT状態ST20に移行する確率が高い。また、第3ベル入賞時におけるボーナス当選確率はチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである場合と同一である。
【0341】
上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、第1ベル入賞時におけるボーナス当選確率は10%であり、第2ベル入賞時におけるボーナス当選確率は20%である。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、第1ベル入賞又は第2ベル入賞が成立したとしても遊技者にボーナス当選に対する期待感を与えることができない。ここで、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況においては、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時におけるボーナス当選確率だけが高くなり、第3ベル入賞時におけるボーナス当選確率は変化しない。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況で、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時においてボーナス当選となる機会が増加する。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時における遊技者のボーナス当選に対する期待感を高めることが可能となる。
【0342】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0343】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況において、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時におけるボーナス当選確率だけが高くなり、第3ベル入賞時におけるボーナス当選確率は変化しない構成となっている。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況で、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時においてボーナス当選となる機会が増加する。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時における遊技者のボーナス当選に対する期待感を高めることが可能となる。
【0344】
<他の実施形態>
(1)第1〜第5、第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった状況でチャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選となった場合、ボーナスAT状態ST20への移行抽選が行われる構成としてもよい。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった状況でチャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選となった場合、そのままボーナスAT状態ST20へ移行する構成としてもよい。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、速やかにボーナスAT状態ST20に移行させることが可能となる。
【0345】
(2)第1〜第7の実施形態において、一直線上に並ぶ図柄の組合せが異なっている役もボーナスAT状態ST20への移行契機役とする構成としてもよい。これにより、一直線上に並ぶ図柄の組合せが同一でなくてもボーナスAT状態ST20への移行に期待させることが可能となる。
【0346】
(3)チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞であることが遊技者に報知されていなくても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が設定される条件と同じ条件が設定されている場合又はチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が設定されている場合は、ボーナスAT状態ST20の昇格抽選において昇格当選となりやすい構成としてもよい。具体的には、第1〜第5、及び第7の実施形態においては、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jの値が「2」である場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に関係なく、ボーナスAT状態ST20の昇格抽選において昇格当選となりやすくなる構成としてもよい。ここで、上記延長当選カウンタ84jの値に「2」がセットされる状態とは、チャンスゾーン状態ST12において延長発生当選となった回数が2回の場合である。これは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になり得る状態である。また、第6の実施形態においては、チャンスゾーンゲーム数抽選処理(
図36)にてチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に関係なく、ボーナスAT状態ST20の昇格抽選において昇格当選となりやすくなる構成としてもよい。本構成によれば、引きに見合った恩恵を確実に遊技者に与えることが可能となる。これにより、遊技者のモチベーションを高めることが可能となる。
【0347】
(4)第1〜第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合はボーナス準備状態におけるボーナスAT状態ST20の昇格当選が優遇される構成に限定されることはなく、例えばチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態でボーナスに当選した場合は昇格抽選が行われず、そのまま第2ボーナスAT状態ST22に移行する構成としてもよい。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況においてボーナスに当選したことに対する恩恵を遊技者に確実に付与することが可能となる。
【0348】
(5)第1〜第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームと、20ゲームとにおいてボーナス当選確率が同一である構成としたが、これに限定されることはなく、例えばチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が大きくなるにつれて単位ゲーム数当たりにおけるボーナス当選確率が高くなる構成としてもよい。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームよりも20ゲームの方が単位ゲーム数当たりにおけるボーナス当選確率が高くなる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の1実行回が新たに開始された場合、ボーナス当選に対する期待感を高めることが可能となる。したがって、遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0349】
(6)第1〜第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が設定されていない構成としてもよい。本構成において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームよりも20ゲームの方が単位ゲーム数当たりにおけるボーナス当選確率が高くなる構成としてもよい。また、上記構成において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームよりも10ゲームの方が単位ゲーム数当たりにおけるボーナス当選確率が高くなる構成としてもよい。
【0350】
(7)第1〜第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の1実行回である10ゲーム間で内部後状態用抽選テーブル73b(
図13又は
図31)におけるIV=1〜6のいずれにも当選しない場合は、チャンスゾーン状態ST12の1実行回が新たに開始される構成としてもよい。ここで、チャンスゾーン状態ST12に移行したにも関わらず、ボーナスAT状態ST20への移行契機役に1回も当選しないまま、上記チャンスゾーン状態ST12の1実行回が終了してしまうと、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまう恐れがある。その点、本構成によれば、ボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選するまではチャンスゾーン状態ST12が継続するため、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下するのを抑制することが可能となる。また、チャンスゾーン状態ST12に移行し、ボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選しないまま、チャンスゾーン状態ST12の1実行回が終了することが複数回発生すると、チャンスゾーン状態ST12に移行してもドキドキすることがなくなってしまう。その点、本構成によれば、ボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選するまではチャンスゾーン状態ST12が継続するため、チャンスゾーン状態ST12移行時のドキドキ感が薄れてしまうことを阻止することが可能となる。
【0351】
(8)第1〜第7の実施形態において、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の種類に応じて、当該ボーナスAT状態ST20への移行契機役対応の停止順序を報知するための押し順ナビのサイズや色が変化する構成としてもよい。具体的には、ボーナス当選確率が高いボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選すると、ボーナスAT状態ST20への移行契機役対応の停止順序を報知するための押し順ナビのサイズが大きくなる。また、ボーナス当選確率が高いボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選すると、ボーナスAT状態ST20への移行契機役対応の停止順序を報知する押し順ナビの色が赤くなる。この場合、遊技者はリール32L,32M,32Rを停止させなくても、スタートレバー41を操作時に画像表示装置66を見るだけでボーナス当選期待度を把握することが可能となる。これにより、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。また、ボーナス当選確率が高いボーナスAT状態ST20への移行契機役に当選すると、ボーナスAT状態ST20への移行契機役対応の停止順序を報知する際の背景画像が赤くなる構成としてもよい。
【0352】
(9)第1〜第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の終了条件が所定ゲーム数(例えば10ゲーム)を消化することに限定されることはなく、例えば終了抽選処理が行われ、その抽選結果が終了当選となることで終了条件が成立する構成としてもよい。具体的には、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値が「2」でない状況、且つサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kの値が「0」である状況において、チャンスゾーン状態ST12の最終ゲームの役の抽選結果において終了抽選処理が行われる。当該終了抽選処理では、定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値をサブ側RAM84に設けられた終了抽選テーブルに対して照合する。当該終了抽選テーブルは、チャンスゾーン状態ST12の終了抽選役の種類に対応させて設けられている。チャンスゾーン状態ST12の終了抽選役とは、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13又は
図31)においてIV=1〜13に対応する抽選役のことである。上記終了抽選テーブルは、終了当選又は終了非当選となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。また、役の当選確率が高いチャンスゾーン状態ST12の終了抽選役程、チャンスゾーン状態ST12の終了当選に対応した上記サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲が広く設定されている。つまり、役の当選確率が高いチャンスゾーン状態ST12の終了抽選役程、チャンスゾーン状態ST12が終了となる確率が高くなるよう設定されている。上記終了抽選処理の結果が終了非当選となった場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値を「1」加算するとともに、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hの値に「10」をセットする。これにより、再度チャンスゾーン状態ST12の1実行回が開始される。
【0353】
また、終了抽選処理にて終了条件が成立した場合にチャンスゾーン状態ST12が終了する構成において、上記終了抽選処理がチャンスゾーン状態ST12の各ゲームにて行われ、終了当選となった場合にはチャンスゾーン状態ST12が終了となる構成としてもよい。また、終了抽選処理が実行されずにボーナス当選となるまでチャンスゾーン状態ST12が継続することが、チャンスゾーン状態ST12の終了条件としてもよい。この場合、画像表示装置66の左下端にチャンスゾーン状態ST12の終了確率が毎ゲーム表示される。そして、遊技者にボーナス当選となるまでチャンスゾーン状態ST12が継続することが報知された場合、ボーナス当選確率を高くする。これにより、ボーナス当選となるまでチャンスゾーン状態ST12が継続することを遊技者が把握している状況において、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。
【0354】
(10)第1〜第7の実施形態において、主側MPU72においてAT用の制御が実行される構成としてもよい。具体的には、主側MPU72にてAT中処理が行われる。当該AT中処理が行われるのは、主側RAM74に設けられたAT状態カウンタの値に「1」以上の値がセットされている場合である。当該AT状態カウンタとは、主側MPU72にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。また、主側MPU72にて抽選モードの移行処理、チャンスゾーン状態ST12に遊技状態を移行させるための処理、及びチャンスゾーン状態ST12中の処理が行われる構成としてもよい。上記抽選モードの移行処理とは、主側MPU72における抽選モードを今回の入賞結果に対応させて変更させるために行われる処理である。当該抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードと、上乗せRTモードと、ボーナスRTモードとが設定されている。各抽選モードの抽選テーブルにおいては、メダルの払出を可能とする役の種類及び各役の当選確率は同一となっている。また、各抽選モードにおいて、リプレイ入賞を成立可能とする役の当選確率は同一ではない。通常モード以外の抽選モードにおけるリプレイ確率は同一であり、当該リプレイ確率は通常モードにおけるリプレイ確率よりも高くなっている。上記チャンスゾーン状態ST12に遊技状態を移行させるための処理では、チャンスゾーン状態ST12への移行契機が発生しているか否かを特定し、当該移行契機が発生している場合にはチャンスゾーン状態ST12に遊技状態を移行させるための処理やチャンスゾーン状態ST12中の処理が行われる。当該チャンスゾーン状態ST12中の処理では、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選したか否かを特定するとともに、ボーナスに当選した場合には主側RAM74に設けられたAT状態カウンタの値に「1」をセットする。
【0355】
また、主側MPU72において画像表示装置66の制御が行われる構成としてもよい。この場合、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数の表示制御が主側MPU72にて行われることとなる。具体的には、主側RAM74に設けられたチャンスゾーンカウンタの値を把握して、当該チャンスゾーンカウンタにセットされている値に対応した数字を画像表示装置66の左上端に表示させる。また、主側RAM74に設けられた延長発生カウンタの値に「2」がセットされている場合は、画像表示装置66の左上端に「∞」を表示させる。
【0356】
(11)第1〜第7の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、逆押しで「白7」図柄を停止させる報知が行われる構成としてもよい。この場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況で、中押しで「白7」図柄を停止させる報知が行われる構成としてもよい。具体的には、第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立しないインデックス値IVと、第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立するインデックス値IVとが設定されている。第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立しないインデックス値IVには、通常リプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、特別リプレイとが設定されている。第1停止が中リール32Mである場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には特別リプレイ入賞の発生が優先され、特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。第1停止が左リール32L又は右リール32Rである場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に発生する。第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立しないインデックス値IVの際に当選となる確率は約1/3である。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立しないインデックス値IVの際に当選となった場合、逆押しで「白7」図柄を停止させる報知が行われる。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況で、第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立しないインデックス値IVの際に当選となった場合、第1停止として中リール32Mを停止させる報知が行われる。これにより、ボーナス当選となるまでチャンスゾーン状態ST12が継続することを遊技者が把握している状況において、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。一方、第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立するインデックス値IVにも、通常リプレイ当選データと、第1チェリーリプレイ当選データと、特別リプレイとが設定されている。第1停止が右リール32Rである場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングが特別リプレイ入賞の発生を可能とするタイミングである場合には特別リプレイ入賞の発生が優先され、特別リプレイ入賞の発生が不可となるタイミングである場合には第1チェリーリプレイ入賞が発生する。第1停止が左リール32L又は中リール32Mである場合、各ストップボタン42〜44の操作タイミングに関係なく通常リプレイ入賞が確実に発生する。第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立するインデックス値IVの際に当選となる確率は約1/10である。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム、20ゲーム、又は∞である状況で、第1停止が右リール32Rである場合に特別リプレイが成立するインデックス値IVの際に当選となった場合、逆押しで「白7」図柄を停止させる報知が行われる。
【0357】
(12)第1〜第7の実施形態において、画像表示装置66上にチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が減算式で表示される構成に限定されることはなく、例えば画像表示装置66上にチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数と、消化ゲーム数との両方が表示される構成としてもよい。
【0358】
(13)第1〜第7の実施形態において、主制御装置70により直接的に表示制御される表示部を備え、主制御装置70からのコマンドに基づきサブ制御装置80により停止順序の報知が行われるように画像表示装置66が表示制御される場合には、その停止順序に対応する表示が行われるように上記表示部が表示制御される構成としてもよい。
【0359】
具体的には、表示部には7個の表示用セグメントが設けられている。各表示用セグメントは、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組合せの表示用セグメントを点灯させることができる。上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントにおいてはいずれも同一の色が表示されることとなるが、これに限定されることはなく、各表示用セグメントにおいて異なる色が表示される構成としてもよく、各表示用セグメントのそれぞれにおいて複数種類の色を表示することが可能な構成としてもよい。第1〜第7表示用セグメントはいずれも直線状の表示用セグメントであり、所謂7セグメント表示器となるように第1〜第7表示用セグメントが配列されている。これにより、表示部において、数字の「1」〜「9」及びアルファベットの「H」といったように複数種類の表示を行うことが可能である。なお、表示部は上記のようなセグメント表示器である構成に限定されることはなく、複数種類の記号、数字又は文字を表示することが可能であれば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置を用いてもよい。
【0360】
また、上記表示部では当選役との関係で画像表示装置66にて報知される内容に対応させた表示が行われる。表示部の表示内容は、画像表示装置66における8種類の停止順序の報知内容に1対1で対応させて設定されている。具体的には、第1停止が中リール32Mであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「1」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「2」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「3」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「4」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「5」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「6」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「7」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「8」の数字が表示内容として設定されており、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置66にて行われることに対応させて「H」の文字が表示内容として設定されている。
【0361】
インデックス値IV=1〜6のいずれかで当選となった場合、主側RAM74に設けられたAT状態カウンタの値が「1」以上であり、主側RAM74に設けられたペナルティフラグの値が「0」であることを条件として第1表示データの設定処理を実行する。第1表示データの設定処理では、主側ROM73に設けられた表示対応テーブルを参照することで、今回当選となったインデックス値IVにおいてベル入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73に設けられた表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って表示部の表示制御を実行する。これにより、ベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が表示部にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドをサブ側MPU82への送信対象としてセットする。
【0362】
報知実行コマンドは、今回のゲームにおいて当選役と関係する報知を実行すべきことをサブ制御装置80に認識させるためのコマンドであり、停止順コマンドは、今回のゲームにおいて報知すべきリール32L,32M,32Rの停止順序をサブ制御装置80に認識させるためのコマンドである。報知実行コマンドは1種類のみ設定されており、画像表示装置66における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドが送信対象としてセットされる。停止順コマンドは、画像表示装置66にて報知させる停止順序の種類に1対1で対応させて設定されており、ベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。当該セットされた各種コマンドをサブ制御装置80に送信する。サブ側MPU82は、主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドの両方を受信している場合、停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置66にて表示するために必要なデータの設定を行う。但し、このタイミングでは今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序の画像は画像表示装置66に表示されない。その後、サブ側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする。報知遅延期間はリール32L,32M,32Rが回転を開始して定速回転となるまでの加速期間よりも短い期間として設定されており、例えば0.5msecに設定されている。計測用カウンタにセットされた値は、報知用処理が開始される度に減算される。報知用処理では、サブ側RAM84の計測用カウンタを利用して計測している報知遅延期間が経過した場合、報知開始処理を実行する。報知開始処理では、今回セットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、設定したデータに基づき画像表示装置66にて画像を表示させる。
【0363】
本構成によれば、所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合に停止順序の報知がサブ側MPU82の制御に基づき画像表示装置66にて実行される構成であることにより、画像表示装置66への遊技者の注目度を高めるべく画像表示装置66にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が主側MPU72に及ばないようにすることが可能となる。但し、サブ側MPU82の制御に基づき画像表示装置66にて停止順序の報知が実行される構成においては、主側MPU72とサブ側MPU82との間の通信経路やサブ側MPU82に対して不正を施すことで画像表示装置66にて停止順序の報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、画像表示装置66にて停止順序の報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。これに対して、サブ側MPU82により制御される画像表示装置66にて停止順序の報知が実行されるだけではなく、主側MPU72により直接的に制御される表示部においてその報知対象の停止順序に対応する報知が行われる。これにより、停止順序の報知が画像表示装置66において実行されている場合に表示部においても報知対象の停止順序に対応する報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0364】
また、所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選していない場合、表示部において役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されない。これにより、表示部の役割を明確なものとすることが可能となる。また、表示部における停止順序に対応する報知は画像表示装置66における停止順序の報知よりも、報知対象となっている停止順序の内容を遊技者が把握しづらい態様で行われる。これにより、画像表示装置66だけではなく表示部が設けられた構成において画像表示装置66への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、表示部における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。また、表示部において停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降のタイミングで画像表示装置66において停止順序の報知が開始される。これにより、画像表示装置66において停止順序の報知が開始されたタイミングで表示部を確認することで、その停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
【0365】
(14)第5の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況においても、ベルリプレイ(第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイ)がボーナスAT状態ST20への移行契機役となる構成としてもよい。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状況で、IV=10又は11で当選となった場合、対応するベルリプレイの成立を可能とする停止順序の報知が必ず行われる。一方、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況で、IV=10又は11で当選となった場合、対応するベルリプレイの成立を可能とする停止順序の報知が行われない。ここで、ベルリプレイ(第1ベルリプレイ及び第2ベルリプレイ)を入賞させるためには、第1停止として左リール32L以外のリール32M,32Rを停止させる必要があり、対応するベルリプレイを成立させるための停止順序が報知されていない状況で、対応するベルリプレイを成立させるための停止順序でリール32L,32M,32Rを停止させた場合、ペナルティ事象となりボーナスAT状態ST20への移行抽選が行われない。
【0366】
(15)第6の実施形態において、チャンスゾーンゲーム数抽選処理にてチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、そのまま画像表示装置66上に「∞」と表示してもよい。この場合、ボーナスAT状態ST20への移行が発生するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することが速やかに遊技者に報知されることとなる。また、本構成においては、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iの値に関係なく、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に対応した∞抽選テーブル83fが参照される構成としてもよい。したがって、ボーナスAT状態ST20への移行が発生するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することが遊技者に報知された場合に、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。これにより、ボーナスAT状態ST20へなかなか移行しないことに対する苛立ちを抑制することが可能となる。
【0367】
(16)第6の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役を設け、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を延長させる延長発生抽選処理が行われる構成としてもよい。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の延長発生契機役に当選することで上記延長発生抽選処理が行われ、当該延長発生抽選処理において延長発生当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の実行回が1回分増加する。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された状況でチャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選した場合、延長発生抽選処理ではなくボーナス抽選処理が実行される構成としてもよい。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数として∞が選択された場合、ボーナスAT状態ST20への移行契機役の種類が増加するため、速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。
【0368】
(17)上記実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシン10においては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
【0369】
(18)本発明を所謂Bタイプのスロットマシン10に適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はARTゲームを備えたタイプなど、どのようなタイプのスロットマシン10においてもこの発明を適用しても良い。
【0370】
(19)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。すなわち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
【0371】
(20)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、パチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシン10とパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
【0372】
<第8の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合におけるボーナス準備状態への移行タイミングが第1の実施形態と相違している。また、チャンスゾーン状態ST12の継続ゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいてベル入賞が成立した場合のボーナス当選確率は第1の実施形態を前提としている。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0373】
<チャンスゾーン中処理>
サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図21)におけるステップS918にて実行されるチャンスゾーン中処理について
図39を参照しながら説明する。チャンスゾーン中処理とは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選したか否かを特定するとともに、ボーナスに当選した場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理である。
図39は第8の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。
【0374】
報知済みフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2201:NO)、主側MPU72における役の抽選処理(
図11)にてチャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選したか否かを判定する(ステップS2202)。チャンスゾーン状態ST12の延長契機役は、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)においてIV=7、10〜13のいずれかである。
【0375】
チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選している場合(ステップS2202:YES)、延長発生処理を実行する(ステップS2203)。当該延長発生処理について、
図40を参照しながら説明する。
図40はサブ側MPU82にて実行される延長発生処理を示すフローチャートである。
【0376】
まず、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2301)。当該ボーナス当選フラグとは、チャンスゾーン状態ST12において、ボーナスに当選している状態であるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。本実施形態ではボーナス当選となった際に、当該ボーナス当選となった次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる場合と、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってからボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる場合とが存在している。ボーナス当選となった際に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってからボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる場合、上記ボーナス当選フラグに「1」がセットされる。ステップS2301の処理を設けることにより、ボーナスAT状態ST20への移行が確定している状況において、延長発生抽選処理が行われてしまうことを阻止することが可能となる。これにより、無意味な抽選処理が実行されてしまうことを阻止することが可能となる。
【0377】
サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2301:NO)、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84jが「2」であるか否かを判定する(ステップS2302)。当該延長当選カウンタ84jは、上述したように、延長発生当選となった回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。ここで、延長発生当選である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が大きくなる。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況で、当該10ゲーム間において、延長発生当選となった回数が1回である場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームとなる。つまり、チャンスゾーン状態ST12を最大で20ゲーム消化することが可能となる。また、延長発生当選となった回数が2回である場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する。したがって、延長発生当選となった回数が2回である場合、それ以降は延長発生抽選を行う必要がない。ステップS2302の処理を設けることにより、無意味な抽選処理が実行されてしまうことを阻止することが可能なる。
【0378】
延長当選カウンタ84jが「2」未満の場合(ステップS2302:NO)、延長発生抽選処理を実行する(ステップS2303)。延長発生抽選処理では、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に対応した延長抽選テーブル83dをサブ側ROM83から読み出すとともに、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記延長抽選テーブル83dに対して照合する。
【0379】
延長発生当選である場合(ステップS2304:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長当選カウンタ84j及びチャンスゾーン残カウンタ84kを1加算する(ステップS2305)。当該チャンスゾーン残カウンタ84kとは、チャンスゾーン状態ST12を継続させるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。延長発生当選となった回数が1回の場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームとなる。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナスAT状態ST20への移行が発生することなく終了したとしても、チャンスゾーン状態ST12が継続することとなる。また、上記延長当選カウンタ84jに「1」が加算されることで、延長発生当選となった回数をサブ側MPU82にて特定することが可能となる。また、延長発生当選となった回数が2回の場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続する。この場合、延長当選カウンタ84jに「1」が加算され、当該延長当選カウンタ84jが「2」となる。よって、これ以降は上記ステップS2302の処理にて肯定判定がされるため、延長発生抽選処理が実行されることはない。
【0380】
チャンスゾーン中処理(
図39)の説明に戻り、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選していない場合(ステップS2202:NO)、ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第3ベルが入賞したか否かを判定する(ステップS2204)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、上記ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第3ベルが入賞したか否かを判定する。
【0381】
一方、サブ側RAM84に設けられた報知済みフラグに「1」がセットされている場合(ステップS2201:YES)、ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第1ベル又は第2ベルが入賞したか否かを判定する(ステップS2205)。具体的には、主側MPU72から送信された入賞結果コマンドを参照することにより、上記ボーナスAT状態ST20への移行契機役である第1ベル又は第2ベルが入賞したか否かを判定する。
【0382】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞した場合(ステップS2205:YES)、又は第3ベルが入賞した場合(ステップS2204:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2206)。当該延長発生カウンタ84iとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
【0383】
当該延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS2206:NO)、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2207)。当該ボーナス当選フラグとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12において、ボーナスに当選している状態であるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。当該処理を設けることで、既にボーナスに当選している状況において再度ボーナス抽選処理が行われることを阻止することが可能となる。
【0384】
サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2207:NO)、ボーナス抽選処理を実行する(ステップS2208)。当該ボーナス抽選処理について
図41を参照しながら説明する。
図41は第8の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるボーナス抽選処理を示すフローチャートである。
【0385】
まず、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iが「1」であるか否かを判定する(ステップS2401)。当該処理を設けることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数(10ゲーム又は20ゲーム)に対応した抽選テーブルを読み出すことが可能となる。
【0386】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iが「1」ではない場合(ステップS2401:NO)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームに対応した10ゲーム対応抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS2402)。一方、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iが「1」である場合(ステップS2401:YES)、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームに対応した20ゲーム対応抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS2403)。
【0387】
上記10ゲーム対応抽選テーブル及び上記20ゲーム対応抽選テーブルについて説明する。当該10ゲーム対応抽選テーブル及び当該20ゲーム対応抽選テーブルには、ボーナス抽選テーブルと、ボーナス移行抽選テーブルとが設けられている。上記ボーナス抽選テーブルには、ボーナス当選又はボーナス非当選となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。また、ボーナス移行契機役ごとに比較した場合、第2ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は10%であり、第1ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は20%であり、第3ベル入賞時においてボーナス当選となる確率は50%である。つまり、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20への移行契機役程、ボーナスに当選する確率が高くなるよう設定されている。これにより、役の当選確率が低いボーナスAT状態ST20への移行契機役の有利性を担保することが可能となる。
【0388】
上記ボーナス移行抽選テーブルには、即ボーナス移行又は前兆移行となる抽選結果と、サブ側RAM84に設けられた移行抽選用カウンタの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。上記即ボーナス移行では、ボーナス当選となった場合、当該ボーナス当選となった次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる。上記前兆移行では、ボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまでボーナス準備状態へ遊技状態を移行させず、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった状態でボーナスAT状態ST20への移行契機役であるベル入賞が発生することで、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる。
【0389】
ここで、サブ側RAM84に設けられたボーナス移行抽選テーブルに前兆移行が設定されている理由について説明する。まず、ボーナス当選となった場合、必ず次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる構成とすると、ボーナスAT状態ST20への移行契機役であるベル入賞時の次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行しなかった場合、その時点でボーナスに当選していないことが遊技者に特定されてしまう。この場合、ボーナスに当選しているかもしれないという期待感を遊技者に与えることができない。その点、本構成によれば、ボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させてから、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる前兆移行が設定されている。したがって、ベル入賞時の次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行しなくても、遊技者にボーナスに当選しているかもしれないという期待感を与えることが可能となる。これにより、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0390】
また、サブ側RAM84に設けられたボーナス移行抽選テーブルに前兆移行が設定されていることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度が高くなる。したがって、ボーナス当選確率を変更しなくても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度を高めることが可能となる。
【0391】
また、上記10ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルと、上記20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルとを比較した場合、上記20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルの方が上記10ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルよりも、前兆移行に対応した移行抽選用カウンタの数値範囲が広く設定されている。
図42を参照しながら、10ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブル及び20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルにおけるボーナス準備状態への移行タイミングの振り分けについて説明する。
図42は、10ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブル及び20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルにおけるボーナス準備状態への移行タイミングの振り分けについて説明するための説明図である。
【0392】
図42に示すように、上記10ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルにおいて即ボーナス移行となる確率及び前兆移行となる確率はいずれも50%である。上記20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルにおいて即ボーナス移行となる確率は20%であり、前兆移行となる確率は80%である。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームでボーナスに当選する方が、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合にボーナスに当選するよりも前兆移行に当選する確率が高くなる。
【0393】
ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合よりも、前兆移行に当選する確率が高くなっている理由について説明する。
【0394】
まず、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は、10ゲーム→20ゲーム→∞と移行していく。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合よりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達しやすい状況と言える。この場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合よりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいという気持ちが強くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの場合よりも、前兆移行に当選する確率が高く設定されていることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいという気持ちが強い状況において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させやすくすることが可能となる。
【0395】
また、本構成によれば、20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルにおいて前兆移行となる確率が100%に設定されていない。これは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達することよりも、早くボーナスAT状態ST20を消化したいと考える遊技者も存在しているからである。また、20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルに即ボーナス移行が設定されていないと、ベル入賞時にボーナス当選となったことが告知されることに期待することができない。その点、本構成によれば、20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルに、即ボーナス移行と、前兆移行とが設定されていることにより、ベル入賞時にボーナス当選となったことが告知されることへの期待感と、ベル入賞時にボーナス当選となったことが告知されなかった状況においてボーナスに当選しているかもしれないという期待感とを遊技者に与えることが可能となる。
【0396】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである場合よりも前兆移行となる確率が低くなるよう設定されている。上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は10ゲーム→20ゲーム→∞と移行していく。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの場合よりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達するまでに要するゲーム数が多くなってしまう。これに対して、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである場合よりも前兆移行となる確率が低くなるよう設定されている。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、即ボーナス移行となる確率が高くなる。これにより、前兆期間の長さに遊技者のストレスが蓄積されてしまうことを阻止することが可能となる。
【0397】
ボーナス抽選処理(
図41)の説明に戻り、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームに対応した10ゲーム対応抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出した場合、又はチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームに対応した20ゲーム対応抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出した場合、抽選処理を実行する(ステップS2404)。具体的には、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を10ゲーム対応抽選テーブル又は20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス抽選テーブルに対して照合する。
【0398】
チャンスゾーン中処理(
図39)の説明に戻り、ボーナス抽選処理の結果、ボーナス当選となった場合(ステップS2209:YES)、ボーナス移行抽選処理を実行する(ステップS2210)。具体的には、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec)に更新される移行抽選用カウンタの値を読み出し、当該移行抽選用カウンタの値を10ゲーム対応抽選テーブル又は20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルに対して照合する。
【0399】
即ボーナス移行ではない場合(ステップS2211:NO)、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」をセットするとともに、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」をセットする(ステップS2212)。当該処理においてサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」をセットする理由について説明する。チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況、且つ延長発生当選となった回数が0回である状況において、ボーナス当選となり前兆移行が選択された場合、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kが「0」であるため、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hが「0」となった際に、再度チャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットすることができなくなるため、ボーナス準備状態へ遊技状態が移行することなくチャンスゾーン状態ST12が終了してしまうことになる。その点、本構成によれば、ボーナス当選となり前兆移行が選択された場合、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」がセットされる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数及び延長当選となった回数に限らず、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を確実に∞に到達させることが可能となる。
【0400】
また、ステップS2212の処理において、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」がセットされることで、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選していなくてもチャンスゾーン状態ST12が継続することとなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選していない状況において、チャンスゾーン状態ST12が継続した場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することに遊技者を期待させることが可能となる。
【0401】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状況において、ボーナス当選となり前兆移行が選択された場合も、ステップS2212の処理においてサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」がセットされる。本実施形態では後述する処理において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームからチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に移行する場合、上記チャンスゾーン残カウンタ84kが1減算される。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状況において、ボーナス当選となり前兆移行が選択され、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態に移行した場合、上記チャンスゾーン残カウンタ84kに「1」がセットされたままの状態となる。ここで、本実施形態では後述する処理において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態でベル入賞が発生した場合、上記チャンスゾーン残カウンタ84kが「0」クリアされる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態において、上記チャンスゾーン残カウンタ84kに「1」がセットされていても問題はない。
【0402】
ステップS2203の処理を実行した場合、ステップS2204にて否定判定した場合、ステップS2205にて否定判定した場合、ステップS2207にて肯定判定した場合、ステップS2209にて否定判定した場合、又はステップS2212の処理を実行した場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2213)。当該延長発生カウンタ84iとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。
【0403】
ステップS2213にて否定判定した場合(ステップS2213:NO)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hを1減算し(ステップS2214)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hが「0」(ステップS2215:YES)、且つサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kが「1」以上であることを条件として(ステップS2216:YES)、ステップS2217の処理に進む。ステップS2217では、チャンスゾーン残カウンタ84kを1減算するとともに、チャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットし、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iを1加算する。当該延長発生カウンタ84iが「1」となった場合、画像表示装置66の左上端に「10」が表示される。また、当該延長発生カウンタ84iが「2」となった場合、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示される。
【0404】
一方、ベル入賞が発生している状況(ステップS2204:YES、又はステップS2205:YES)において、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS2206:YES)、又はステップS2211にて肯定判定した場合、チャンスゾーンカウンタ84h、延長発生カウンタ84i、延長当選カウンタ84j、チャンスゾーン残カウンタ84k及びボーナス当選フラグを「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタ84a及び第1ボーナス状態フラグに「1」をセットする(ステップS2218)。
【0405】
つまり、本実施形態ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態(サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iが「2」である状態)で、内部後状態用抽選テーブル73b(
図13)におけるIV=1〜6,8のいずれかで当選となり、第1ベル入賞、第2ベル入賞、又は第3ベル入賞が成立した場合、ボーナス抽選処理が行われず、そのままボーナスに当選となる。したがって、ボーナスAT状態ST20へ移行するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することが遊技者に報知された場合には、ボーナス抽選処理を行わず速やかにボーナスAT状態ST20へ遊技状態を移行させることが可能となる。これにより、ボーナスAT状態ST20へなかなか移行しないことに対する苛立ちを抑制することが可能となる。
【0406】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0407】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいて、ボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってからボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる前兆移行が設定されている。ここで、ボーナス当選となった場合に、必ず次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる構成であると、ボーナスAT状態ST20への移行契機役であるベル入賞時の次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行しなかった場合、その時点でボーナスに当選していないことが遊技者に特定されてしまう。この場合、ボーナスに当選しているかもしれないという期待感を遊技者に与えることができない。その点、本構成によれば、ボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させてから、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる前兆移行が設定されている。したがって、ベル入賞時の次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行しなくても、遊技者にボーナスに当選しているかもしれないという期待感を与えることが可能となる。これにより、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0408】
また、サブ側RAM84に設けられたボーナス移行抽選テーブルに前兆移行が設定されていることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度が高くなる。したがって、ボーナス当選確率を変更しなくても、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度を高めることが可能となる。
【0409】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームよりも20ゲームの方がボーナス移行抽選処理において前兆移行に当選する確率が高くなるよう設定されている。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は、10ゲーム→20ゲーム→∞と移行していく。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合よりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達しやすい状況と言える。この場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである場合よりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいという気持ちが強くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの場合よりも、前兆移行に当選する確率が高く設定されていることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させたいという気持ちが強い状況において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を∞に到達させやすくすることが可能となる。
【0410】
また、20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルにおいて前兆移行となる確率が100%に設定されていない。これは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達することよりも、早くボーナスAT状態ST20を消化したいと考える遊技者も存在しているからである。また、20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルに即ボーナス移行が設定されていないと、ベル入賞時にボーナス当選となったことが告知されることに期待することができない。その点、本構成によれば、20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルに、即ボーナス移行と、前兆移行とが設定されていることにより、ベル入賞時にボーナス当選となったことが告知されることへの期待感と、ベル入賞時にボーナス当選となったことが告知されなかった状況においてボーナスに当選しているかもしれないという期待感とを遊技者に与えることが可能となる。
【0411】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである場合よりも前兆移行となる確率が低くなるよう設定されている。上述したように、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数は10ゲーム→20ゲーム→∞と移行していく。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの場合よりも、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達するまでに要するゲーム数が多くなってしまう。これに対して、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方がチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである場合よりも前兆移行となる確率が低くなるよう設定されている。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、即ボーナス移行となる確率が高くなる。これにより、前兆期間の長さに遊技者のストレスが蓄積されてしまうことを阻止することが可能となる。
【0412】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいてボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選していなくてもチャンスゾーン状態ST12が継続することになる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の延長契機役に当選していない状況において、チャンスゾーン状態ST12が継続した場合、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することに遊技者を期待させることが可能となる。
【0413】
<第9の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合におけるボーナス準備状態への移行タイミングが第8の実施形態と相違している。また、チャンスゾーン状態ST12の継続ゲーム数が10ゲーム又は20ゲームにおいてベル入賞が成立した場合のボーナス当選確率は第1の実施形態を前提としており、10ゲーム対応抽選テーブル及び20ゲーム対応抽選テーブルについては第8の実施形態を前提としている。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0414】
<チャンスゾーン中処理>
サブ側MPU82のチャンスゾーン管理処理(
図21)におけるステップS918にて実行されるチャンスゾーン中処理について
図43を参照しながら説明する。チャンスゾーン中処理とは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選したか否かを特定するとともに、ボーナスに当選した場合にはボーナスAT状態ST20への移行を発生させるための処理である。
図43は第9の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。
【0415】
まず、ステップS2501〜ステップS2508までの処理は、ステップS2201〜ステップS2208までの処理と同様である。
【0416】
ボーナス抽選処理の結果、ボーナス当選となった場合(ステップS2509:YES)、ボーナス移行抽選処理を実行する(ステップS2510)。具体的には、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec)に更新される移行抽選用カウンタの値を読み出し、当該移行抽選用カウンタの値を10ゲーム対応抽選テーブル又は20ゲーム対応抽選テーブルに設けられたボーナス移行抽選テーブルに対して照合する。
【0417】
即ボーナス移行ではない場合(ステップS2511:NO)、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」をセットするとともに、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「1」をセットする(ステップS2512)。上記ボーナス当選フラグとは、上述したように、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選している状態であるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。ここで、ステップS2512ではサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「1」がセットされる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を確実に∞に到達させることが可能となる。
【0418】
ステップS2503の処理を実行した場合、ステップS2504にて否定判定した場合、ステップS2505にて否定判定した場合、ステップS2507にて肯定判定した場合、ステップS2509にて否定判定した場合、又はステップS2512の処理を実行した場合、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2513)。
【0419】
サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合(ステップS2513:NO)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hを1減算し(ステップS2514)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hが「0」(ステップS2515:YES)、且つサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kが「1」以上であることを条件として(ステップS2516:YES)、ステップS2517の処理に進む。
【0420】
ステップS2517では、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。本実施形態ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となり、ボーナス移行抽選処理において前兆移行が選択された場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームにならずに、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。ステップS2517の処理を設けることにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数を10ゲームから∞へ移行させることが可能となる。
【0421】
サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2517:NO)、チャンスゾーン残カウンタ84kを1減算するとともに、チャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットし、延長発生カウンタ84iを1加算する(ステップS2518)。当該延長発生カウンタ84iが「1」となった場合、画像表示装置66の左上端に「10」が表示される。
【0422】
一方、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2517:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」をセットする(ステップS2519)。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となった場合、当該継続可能なゲーム数である10ゲームを消化後にチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。また、上記延長発生カウンタ84iが「2」となることで、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示される。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームではなく∞になったことを遊技者に報知することが可能となる。
【0423】
また、上述したように、本実施形態ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状態において前兆移行に当選した場合、当該継続可能なゲーム数である10ゲームを消化した後に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状態からチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態に移行しない構成であるとすると、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状態において、当該継続可能なゲーム数である10ゲームを消化した場合に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となることに期待することができない。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、前兆移行が選択された場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、当該継続可能なゲーム数である10ゲームを消化した場合に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることに期待させることが可能となる。
【0424】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームから∞になる構成とすることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームから∞になるまでの10ゲームを消化しなくてもすむ。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となった場合に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状況を経由してからチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる構成とすると、ボーナスAT状態ST20に移行するまでの前兆期間に遊技者が飽きてしまう恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となり、前兆移行が選択された場合、上記継続可能なゲーム数である10ゲームを消化後に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。これにより、前兆期間の長さに遊技者のストレスが蓄積されてしまうことを阻止することが可能となる。
【0425】
ベル入賞が発生している状況(ステップS2504:YES、又はステップS2505:YES)において、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合(ステップS2506:YES)、又はステップS2511にて肯定判定した場合、チャンスゾーンカウンタ84h、延長発生カウンタ84i、延長当選カウンタ84j、チャンスゾーン残カウンタ84k及びボーナス当選フラグを「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタ84a及び第1ボーナス状態フラグに「1」をセットする(ステップS2520)。
【0426】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0427】
本実施形態によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となり、ボーナス移行抽選処理において前兆移行が選択された場合、上記継続可能なゲーム数である10ゲームを消化した後に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。これにより、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0428】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームから∞になる構成とすることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームから∞になるまでの10ゲームを消化しなくてもすむ。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となった場合に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状況を経由してからチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる構成とすると、ボーナスAT状態ST20に移行するまでの前兆期間に遊技者が飽きてしまう恐れがある。その点、本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となり、前兆移行が選択された場合、上記継続可能なゲーム数である10ゲームを消化後に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。これにより、前兆期間の長さに遊技者のストレスが蓄積されてしまうことを阻止することが可能となる。
【0429】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームから∞になる構成とすることで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、当該継続可能なゲーム数である10ゲームを消化した場合に、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になることに期待させることが可能となる。
【0430】
<第10の実施形態>
本実施形態では、チャンスゾーン状態ST12への移行契機が発生した場合における処理が第1の実施形態と相違している。以下、当該構成について詳細に説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0431】
<チャンスゾーン管理処理>
サブ側MPU82の非AT中処理(
図19)におけるステップS711にて実行されるチャンスゾーン管理処理について、
図44を参照しながら説明する。
図44は第10の実施形態におけるサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン管理処理を示すフローチャートである。
【0432】
まず、ステップS2601〜ステップS2611までの処理は、ステップS901〜ステップS911までの処理と同様である。
【0433】
チャンスゾーン前兆状態となった場合、ステップS2602にて肯定判定をすることでステップS2612に進む。ステップS2612では、サブ側RAM84のペナルティカウンタ84bが「1」以上であるか否かを判定する。当該ペナルティカウンタ84bが「1」以上である場合にはそのまま本チャンスゾーン管理処理を終了する。これにより、ペナルティ状態においてはチャンスゾーン前兆状態の継続ゲーム数が消化されないこととなり、チャンスゾーン状態ST12への移行が遅延されることとなる。
【0434】
ペナルティカウンタ84bが「0」である場合には(ステップS2612:NO)、サブ側RAM84の移行待機カウンタ84fを1減算する(ステップS2613)。その減算後の移行待機カウンタ84fが「0」である場合(ステップS2614:YES)、サブ側RAM84のチャンスゾーン管理カウンタ84gを1減算する(ステップS2615)。サブ側RAM84のチャンスゾーン管理カウンタ84gを1減算した後は、チャンスゾーン振分処理を実行する(ステップS2616)。当該チャンスゾーン振分処理について
図45を参照しながら説明する。
図45はサブ側MPU82にて実行されるチャンスゾーン振分処理を示すフローチャートである。
【0435】
まず、チャンスゾーン振分抽選テーブルをサブ側ROM83からサブ側RAM84に読み出す(ステップS2701)。当該チャンスゾーン振分抽選テーブルは、通常チャンスゾーン状態又は確定チャンスゾーン状態となる抽選結果と、サブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲とが1対1に対応させて設定されている。上記通常チャンスゾーン状態とは、第2の実施形態におけるチャンスゾーン中処理を実行する状態である。当該通常チャンスゾーン状態が選択されボーナス当選となった場合、当該ボーナス当選となった次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行される。また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、ボーナスAT状態ST20への移行契機役であるベル入賞が発生することによりボーナス当選となる。
【0436】
上記確定チャンスゾーン状態とは、チャンスゾーン状態ST12においてボーナスに当選することが確定した状態である。当該確定チャンスゾーン状態が選択された場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状態を経由してから、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる。そして、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、ボーナスAT状態ST20への移行契機役であるベル入賞が発生することによりボーナス当選となる。当該ボーナス当選となった場合、当該ボーナス当選となった次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行される。
【0437】
また、上記チャンスゾーン振分抽選テーブルにおいては、通常チャンスゾーン状態に対応したサブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲の方が確定チャンスゾーン状態に対応したサブ側抽選用カウンタ84dの数値範囲よりも広く設定されている。具体的には、通常チャンスゾーン状態が選択される確率は90%であり、確定チャンスゾーン状態が選択される確率は10%である。
【0438】
上述したように、本実施形態ではサブ側ROM83に設けられたチャンスゾーン振分抽選テーブルに通常チャンスゾーン状態及び確定チャンスゾーン状態が設定されている。ここで、当該通常チャンスゾーン状態だけが設定されている構成とすると、ボーナス当選となった場合にチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってからボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる前兆移行が発生しなくなるため、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度が低くなる。その点、本構成によればサブ側ROM83に設けられたチャンスゾーン振分抽選テーブルに確定チャンスゾーン状態が設定されているため、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度が高くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達することに期待させることが可能となる。
【0439】
ステップS2701を実行した場合、チャンスゾーン振分抽選処理を実行する(ステップS2702)。具体的には、サブ側RAM84において定期的(例えば2msec周期)に更新されるサブ側抽選用カウンタ84dの値を読み出し、当該サブ側抽選用カウンタ84dの値を上記チャンスゾーン振分抽選テーブルに対して照合する。
【0440】
通常チャンスゾーン状態に当選した場合(ステップS2703:YES)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットする(ステップS2704)。
【0441】
通常チャンスゾーン状態に当選していない場合(ステップS2703:NO)、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」をセットするとともに、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットし、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kに「2」をセットする(ステップS2705)。上記ボーナス当選フラグとは、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態においてボーナス当選となることが確定した状態であるか否かをサブ側MPU82にて特定するためのフラグである。当該ボーナス当選となることにより、当該ボーナス当選となった次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行される。
【0442】
本構成によれば、確定チャンスゾーン状態が選択された場合においても、上記チャンスゾーンカウンタ84hに「10」がセットされる。つまり、画像表示装置66の左上端に「∞」ではなく「10」が表示される。ここで、確定チャンスゾーン状態が選択された場合に画像表示装置66の左上端にそのまま「∞」と表示してしまうと、ボーナスAT状態ST20へ移行するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することがチャンスゾーン状態ST12に移行したタイミングで遊技者に把握されてしまう。この場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達するか否かに遊技者をドキドキさせることができなくなってしまう。その点、本構成によれば、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされるまでは、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示されない。これにより、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達するか否かに遊技者をドキドキさせることが可能となる。
【0443】
チャンスゾーン管理処理(
図44)の説明に戻り、チャンスゾーン状態ST12である場合(ステップS2601:YES)、チャンスゾーンゲーム数表示処理を実行する(ステップS2617)。当該チャンスゾーンゲーム数表示処理とは、チャンスゾーン状態ST12の残りのゲーム数を画像表示装置66に表示させるための処理である。処理内容に関しては、ステップS917の処理と同様である。具体的には、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされていない場合は、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hにセットされた値を画像表示装置66の左上端に表示させる。また、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされている場合は、画像表示装置66の左上端に「∞」を表示させる。
【0444】
ステップS2617の処理を実行した場合、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS2618)。当該処理を設けることにより、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされた状態と、当該ボーナス当選フラグに「1」がセットされていない状態とでチャンスゾーン中に行われる処理を相違させることが可能となる。
【0445】
サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS2618:NO)、第1チャンスゾーン中処理を実行する(ステップS2619)。処理内容に関しては、第2の実施形態におけるチャンスゾーン中処理(
図28)と同様である。
【0446】
一方、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされている場合(ステップS2618:YES)、第2チャンスゾーン中処理を実行する(ステップS2620)。当該第2チャンスゾーン中処理について
図46を参照しながら説明する。
図46はサブ側MPU82にて実行される第2チャンスゾーン中処理を示すフローチャートである。
【0447】
まず、ステップS2801の処理はステップS2201の処理と同様であり、ステップS2802の処理はステップS2204の処理と同様であり、ステップS2803の処理はステップS2205の処理と同様である。
【0448】
第1ベルもしくは第2ベルが入賞した場合(ステップS2803:YES)、又は第3ベルが入賞した場合(ステップS2802:YES)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2804)。
【0449】
一方、第1ベルもしくは第2ベルが入賞していない場合(ステップS2803:NO)、又は第3ベルが入賞していない場合(ステップS2802:NO)、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされているか否かを判定する(ステップS2805)。
【0450】
ステップS2804にて否定判定した場合、又はステップS2805にて否定判定した場合、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hを1減算し(ステップS2806)、サブ側RAM84に設けられたチャンスゾーンカウンタ84hが「0」(ステップS2807:YES)、且つサブ側RAM84に設けられたチャンスゾーン残カウンタ84kが「1」以上であることを条件として(ステップS2808:YES)、ステップS2809の処理に進む。ステップS2809では、チャンスゾーン残カウンタ84kを1減算するとともに、チャンスゾーンカウンタ84hに「10」をセットし、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iを1加算する。当該延長発生カウンタ84iが「1」となった場合、画像表示装置66の左上端に「10」が表示される。また、当該延長発生カウンタ84iが「2」となった場合、画像表示装置66の左上端に「∞」が表示される。第2チャンスゾーン中処理ではチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまでにベル入賞が成立したか否かに関係なく、遊技状態がボーナス準備状態に移行しない。
【0451】
ベル入賞が発生している状況(ステップS2802:YES、又はステップS2803:YES)において、サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「1」がセットされている場合(ステップS2804:YES)、延長発生カウンタ84i及びボーナス当選フラグを「0」クリアするとともに、サブ側RAM84に設けられたAT状態カウンタ84a及び第1ボーナス状態フラグに「1」をセットする(ステップS2810)。
【0452】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0453】
本実施形態によれば、サブ側ROM83に設けられたチャンスゾーン振分抽選テーブルに通常チャンスゾーン状態及び確定チャンスゾーン状態が設定されている。ここで、当該通常チャンスゾーン状態だけが設定されている構成とすると、ボーナス当選となった場合にチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になってからボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる前兆移行が発生しなくなるため、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度が低くなる。その点、本構成によれば、サブ側ROM83に設けられたチャンスゾーン振分抽選テーブルに確定チャンスゾーン状態が設定されているため、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となる頻度が高くなる。したがって、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達することに期待させることが可能となる。
【0454】
<他の実施形態>
(1)第8の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームの際にボーナス当選となるよりもチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの際にボーナス当選となる方が、ボーナス移行抽選処理において前兆移行となる確率が高くなる構成としてもよい。ここで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方が20ゲームの場合よりもチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達するまでに要するゲーム数が多い。つまり、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームの方が20ゲームの場合よりもボーナス移行契機役であるベル入賞が成立する回数が多くなる可能性が高い。本構成によれば、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となった場合、前兆移行が選択される確率が高くなるため、ボーナス移行契機役であるベル入賞が成立する回数が多くなる。したがって、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0455】
(2)第8〜第9の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況にて、ボーナス当選となった場合、前兆移行となる確率又は即ボーナス移行となる確率のどちらか一方が100%である構成としてもよい。具体的には、例えばチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、即ボーナス移行となる確率及び前兆移行となる確率はいずれも50%である構成とし、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、必ず前兆移行となる構成としてもよい。
【0456】
また、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲーム又は20ゲームである状況にて、ボーナス当選となった場合、前兆移行となる確率及び即ボーナス移行となる確率のそれぞれが100%である構成としてもよい。具体的には、例えばチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、必ず即ボーナス移行となる構成とし、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、必ず前兆移行となる構成としてもよい。
【0457】
(3)第8〜第10の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となった場合、次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる構成としてもよい。本構成によれば、ボーナスに当選するまでチャンスゾーン状態ST12が継続することが遊技者に報知された場合、速やかにボーナス準備状態へ遊技状態を移行させることが可能となる。これにより、なかなかボーナス準備状態へ移行しないことに対する苛立ちが募ることを阻止することが可能となる。
【0458】
(4)第8〜第10の実施形態において、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされている状況において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまでに、ベル入賞が成立した場合においてもボーナス抽選処理が行われる構成としてもよい。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまでに、ボーナス当選となった回数をサブ側RAM84に設けられたボーナスストックカウンタにセットする。当該ボーナスストックカウンタとは、チャンスゾーン状態ST12においてボーナス当選となった回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。上記状況において、ボーナスに当選する度に上記ボーナスストックカウンタを1加算していく。そして、ボーナスAT状態ST20が終了した場合、再度ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる。上記ボーナスストックカウンタが「0」になるまでこの処理をループさせる。本構成によれば、ボーナスAT状態ST20のゲーム数を消化中に、再度ボーナスAT状態ST20へ遊技状態が移行することに期待させることが可能となる。
【0459】
(5)第8〜第10の実施形態において、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされている状況において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまでに、既にボーナスに当選していることを遊技者に報知する示唆演出が行われる構成としてもよい。具体的には、画像表示装置66上にて「20%」といった確率を表示させる。この場合、既にボーナスに当選している確率が「20%」であることを示している。本構成によれば、画像表示装置66上に表示されるベル入賞の停止順だけではなく、画像表示装置66上に表示される数字にも遊技者を注目させることが可能となる。これにより、遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。また、既にボーナスに当選していることを遊技者に報知する示唆演出が、画像表示装置66上にてボーナス当選となっている確率を表示させる構成に限定されることはなく、例えば前兆期間において頻繁にキャラクタを表示させる構成や、「もしかして」などボーナス当選となっていることに期待させるコメントを表示させる構成としてもよい。
【0460】
(6)第8〜第10の実施形態において、サブ側RAM84に設けられたボーナス当選フラグに「1」がセットされている状況において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまで、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させない構成に限定されることはなく、例えばチャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になる前にボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる構成としてもよい。具体的には、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる前兆期間を抽選によって決定する。当該前兆期間はサブ側RAM84に設けられた前兆カウンタにセットされ、当該前兆カウンタはチャンスゾーン状態ST12の消化ゲーム数を消化する度に1減算されていく。当該前兆カウンタが「0」になるゲームで遊技者にボーナスに当選したことが報知され、次ゲームにおいてボーナス準備状態へ遊技状態が移行される。本構成によれば、ボーナスAT状態ST20への移行契機役であるベル入賞が成立するゲームでなくても、ボーナスに当選したことが遊技者に報知される。したがって、ベル入賞が成立しない場合でもボーナス当選に遊技者を期待させることが可能となる。これにより、遊技者をチャンスゾーン状態ST12に引き付けることが可能となる。
【0461】
(7)第8〜第9の実施形態において、状況に応じて、前兆移行及び即ボーナス移行となる確率が変化する構成としてもよい。具体的には、通常状態ST11を消化したゲーム数が特定のゲーム数以上の状態(例えばボーナスAT状態ST20への移行が終了してから、通常状態ST11を500ゲーム以上消化した状態)からチャンスゾーン状態ST12に遊技状態が移行した場合、前兆移行よりも即ボーナス移行となる確率が高い抽選テーブルが選択される構成としてもよい。当該抽選テーブルが選択された場合、前兆移行となる確率が10%であり、即ボーナス移行となる確率は90%である。ここで、通常状態ST11の遊技を長期間実行した遊技者は早くボーナスに当選したいという気持ちが強くなる。上記状況において、前兆移行が発生した場合、遊技者は相当の苛立ちを感じてしまう可能性がある。その点、本構成によれば、通常状態ST11の遊技を長期間実行した状態からチャンスゾーン状態ST12に遊技状態が移行した場合、ボーナス移行抽選処理において即ボーナス移行が選択される確率が高い。したがって、遊技者の苛立ちが蓄積されてしまうことを阻止することが可能となる。
【0462】
また、第10の実施形態においても、状況に応じて、通常チャンスゾーン状態及び確定チャンスゾーン状態となる確率が変化する構成としてもよい。具体的には、通常状態ST11を消化したゲーム数が特定のゲーム数未満の状態(例えばボーナスAT状態ST20への移行が終了してから、通常状態ST11を消化したゲーム数が500ゲーム未満である状態)からチャンスゾーン状態ST12に遊技状態が移行した場合、必ず通常チャンスゾーン状態となる構成とする。また、通常状態ST11を消化したゲーム数が特定のゲーム数以上の状態(例えばボーナスAT状態ST20への移行が終了してから、通常状態ST11を500ゲーム以上消化した状態)からチャンスゾーン状態ST12に遊技状態が移行した場合、通常チャンスゾーン状態となる確率は20%であり、確定チャンスゾーン状態となる確率は80%である。ここで、通常状態ST11を消化したゲーム数が特定のゲーム数未満であれば、遊技者はそこまで苛立ちを感じていない可能性が高い。しかし、通常状態ST11を消化したゲーム数が特定のゲーム数以上である場合、通常状態ST11の遊技を長期間実行したことに対して苛立っている可能性が高い。本構成によれば、通常状態ST11の遊技を長期間実行した場合に、上記確定チャンスゾーン状態が選択される確率を高くすることで、通常状態ST11の遊技を長期間実行したことに対する苛立ちを軽減させることが可能となる。
【0463】
(8)第8〜第10の実施形態において、ボーナス当選となった場合に、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させるタイミングが3つ以上設定されていてもよい。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況にて、ボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームとなる状態を経由しないで、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となり、当該チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、ベル入賞が成立することで遊技状態をボーナス準備状態へ移行させるパターンと、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況において、ボーナス当選となった場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が20ゲームとなる状態を経由してから、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞となり、当該チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞である状態で、ベル入賞が成立することで遊技状態をボーナス準備状態へ移行させるパターンと、ボーナス当選となった次ゲームにおいて遊技状態をボーナス準備状態へ移行させるパターンとが設定されている構成としてもよい。これにより、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させるタイミングのパターンが増加するため、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0464】
(9)第8〜第10の実施形態において、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が10ゲームである状況においてボーナス当選となった場合、ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させるタイミングを遊技者が決定する構成としてもよい。具体的には、ボーナス当選となった場合、前兆期間を経由してボーナス準備状態へ遊技状態を移行させるか、それともボーナス当選となった次ゲームからボーナス準備状態へ遊技状態を移行させるかを遊技者に選択させる。前者が選択された場合、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞に到達するまでに、ベル入賞が成立した際、再度ボーナス抽選処理が実行される構成としてもよい。具体的には、チャンスゾーン状態ST12の継続可能なゲーム数が∞になるまでに、ボーナス当選となった回数をサブ側RAM84に設けられたボーナスストックカウンタにセットする。当該ボーナスストックカウンタとは、チャンスゾーン状態ST12においてボーナス当選となった回数をサブ側MPU82にて特定するためのカウンタである。上記状況において、ボーナスに当選する度に上記ボーナスストックカウンタを1加算していく。そして、ボーナスAT状態ST20が終了した場合、再度ボーナス準備状態へ遊技状態を移行させる。上記ボーナスストックカウンタが「0」になるまでこの処理をループさせる。本構成によれば、遊技者自身の意思でボーナス準備状態への移行タイミングが決定されるため、遊技者がボーナス準備状態への移行タイミングに不満を感じることはない。
【0465】
(10)第10の実施形態において、チャンスゾーン振分抽選処理にて通常チャンスゾーン状態に当選した状況で、ボーナス当選となった場合、前兆移行と、即ボーナス移行とのどちらかが選択される構成としてもよい。
【0466】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0467】
<特徴A群>
特徴A1.特定遊技状態(チャンスゾーン状態ST12)において所定事象が発生したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(第1〜第5、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS918の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1918の処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の終了条件を複数種類の終了条件の中から設定する条件設定手段(サブ側MPU82におけるステップS1916の処理を実行する機能)と、
前記条件設定手段により前記終了条件として特定終了条件が設定されている場合、及び前記条件設定手段により前記終了条件として特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識可能である場合のいずれかである特定状況である場合、前記特定遊技状態において前記特定状況とは異なる所定状況の場合よりも、単位ゲーム数当たりにおける前記特典の付与確率を高くする特定設定手段(第1、第3、第4、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1216の処理を実行する機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1817の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2111の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0468】
特徴A1によれば、特定状況においては所定状況よりも単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる。これにより、終了条件の相違に連動して単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなることとなり、単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率を特定遊技状態の終了条件に対応させることが可能となり、それら特典の付与確率と終了条件との組合せを遊技の興趣向上を図ることに適した組合せとすることが可能となる。
【0469】
特徴A2.前記特定終了条件は、前記特典が付与されるまで前記特定遊技状態が継続するという条件であることを特徴A1に記載の遊技機。
【0470】
特徴A2によれば、特定遊技状態の終了条件として、特典が付与されるまで特定遊技状態が継続するという終了条件が存在していることにより、当該終了条件が設定されることに遊技者を期待させることができるとともに、当該終了条件が設定されていることを遊技者が認識した場合には遊技者は満足感を得ることが可能となる。
【0471】
また、特典が付与されるまで特定遊技状態が継続するという終了条件が設定されている場合、又は当該終了条件が設定されていることを遊技者が認識可能である場合、単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる。これにより、特定遊技状態において特典の付与が確実に発生する状況、又は特定遊技状態において特典の付与が確実に発生することを遊技者が認識している状況においては、当該特典の付与を早期に発生させることが可能となる。
【0472】
特徴A3.前記複数種類の終了条件において前記特定終了条件とは異なる終了条件として、前記特定遊技状態の消化ゲーム数が終了基準ゲーム数となった場合に当該特定遊技状態が終了するという終了条件が設定されており、
前記特定終了条件は、前記特典が付与されるまで前記特定遊技状態が継続するという終了条件であることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0473】
特徴A3によれば、特定遊技状態の消化ゲーム数が終了基準ゲーム数未満である場合、遊技者は特典が付与されることに期待するだけではなく、当該特定遊技状態の終了条件が特定終了条件であることに期待することとなる。これにより、遊技者が期待する態様を多様化させることが可能となり、遊技の興趣向上が図られる。
【0474】
また、特典が付与されるまで特定遊技状態が継続するという終了条件が設定されている場合、又は当該終了条件が設定されていることを遊技者が認識可能である場合、単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる。これにより、特定遊技状態において特典の付与が確実に発生する状況、又は特定遊技状態において特典の付与が確実に発生することを遊技者が認識している状況においては、当該特典の付与を早期に発生させることが可能となる。
【0475】
特徴A4.前記複数種類の終了条件として、前記特定遊技状態が継続可能な継続可能ゲーム数が複数種類設定されており、
複数種類の前記継続可能ゲーム数として、第1継続可能ゲーム数と、前記第1継続可能ゲーム数よりもゲーム数が多い第2継続可能ゲーム数とが含まれており、
当該遊技機は、前記特定遊技状態の消化ゲーム数が前記第1継続可能ゲーム数よりも少ないゲーム数である場合、その時点において前記条件設定手段により設定されている前記継続可能ゲーム数の種類に関係なく前記第1継続可能ゲーム数が前記特定遊技状態の上限ゲーム数であることを遊技者に認識させるための報知を行い、前記消化ゲーム数が前記第1継続可能ゲーム数よりも多いゲーム数であって前記第2継続可能ゲーム数よりも少ないゲーム数である場合、その時点において前記条件設定手段により設定されている前記継続可能ゲーム数の種類に関係なく前記第2継続可能ゲーム数が前記特定遊技状態の上限ゲーム数であることを遊技者に認識させるための報知が行われるようにする報知実行手段(第1〜第5、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS917の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1917の処理を実行する機能)を備えており、
前記特定終了条件は、前記第1継続可能ゲーム数よりも長いゲーム数継続し得る終了条件であることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0476】
特徴A4によれば、特定遊技状態の消化ゲーム数が第1継続可能ゲーム数よりも多いゲーム数とならないと、今回の特定遊技状態の継続可能ゲーム数が第2継続可能ゲーム数であることが遊技者に報知されない。これにより、特定遊技状態の消化ゲーム数が第1継続可能ゲーム数よりも少ない状況においては、特典が付与されることだけではなく、特定遊技状態の継続可能ゲーム数が第1継続可能ゲーム数よりも多いゲーム数であることに期待させることが可能となる。
【0477】
この場合に、特定終了条件は、第1継続可能ゲーム数よりも長いゲーム数継続し得る終了条件である。これにより、例えば特定終了条件が設定されている場合に単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる構成においては、特定遊技状態の消化ゲーム数が第1継続可能ゲーム数よりも少ないゲーム数である状況であっても、実際には単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高い状態ではないのかということを遊技者に期待させることが可能となる。
【0478】
また、例えば、特定終了条件が設定されている場合であって特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識可能な場合に単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる構成においては、特定遊技状態の消化ゲーム数が多くなり特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識可能となる消化ゲーム数に到達することに対して遊技者を期待させることが可能となる。
【0479】
特徴A5.前記特定終了条件は、前記特典が付与されるまで前記特定遊技状態が継続するという条件であり、
複数種類の前記継続可能ゲーム数には、前記特定遊技状態の上限ゲーム数を定める継続可能ゲーム数として所定の継続可能ゲーム数よりも多いゲーム数は設定されておらず、
前記報知実行手段は、前記条件設定手段により前記特定終了条件が設定されている状況であっても、前記特定遊技状態の消化ゲーム数が前記所定の継続可能ゲーム数よりも少ないゲーム数である場合には前記特定終了条件が設定されていることが報知されないようにする手段(サブ側MPU82におけるステップS1001の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
【0480】
特徴A5によれば、条件設定手段により特定終了条件が設定されている状況であっても、特定遊技状態の消化ゲーム数が所定の継続可能ゲーム数よりも少ないゲーム数である場合には特定終了条件が設定されていることが報知されない。つまり、特定遊技状態の消化ゲーム数が所定の継続可能ゲーム数よりも多いゲーム数である場合にのみ、特定終了条件が設定されていることが報知される。したがって、特定遊技状態の消化ゲーム数を所定の継続可能ゲーム数よりも多くしたいと遊技者に思わせることで、遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0481】
この場合に、特定終了条件は、特典が付与されるまで特定遊技状態が継続するという条件である。これにより、例えば特定終了条件が設定されている場合に単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる構成においては、特定遊技状態の消化ゲーム数が所定の継続可能ゲーム数よりも少ないゲーム数である状況であっても、実際には単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高い状態ではないのかということを遊技者に期待させることが可能となる。
【0482】
また、例えば、特定終了条件が設定されている場合であって特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識可能な場合に単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高くなる構成においては、特定遊技状態の消化ゲーム数が多くなり当該消化ゲーム数が所定の継続可能ゲーム数よりも多いゲーム数となることに対して遊技者を期待させることが可能となる。
【0483】
特徴A6.前記特定設定手段は、前記条件設定手段により前記特定終了条件が設定されていたとしても前記特定終了条件が設定されていることが報知されていない状況下においては、単位ゲーム数当たりにおける前記特典の付与確率を前記特定状況に対応する確率とするための設定を行わずに、前記特定終了条件が設定されていることが報知されている状況下において、単位ゲーム数当たりにおける前記特典の付与確率を前記特定状況に対応する確率とするための設定を行うことを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
【0484】
特徴A6によれば、特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識している状況下において特典の付与を発生し易くさせることが可能となる。これにより、特定終了条件に設定されていることが報知されることに対する遊技者の期待感を高めることが可能となり、終了条件の内容だけではなく、終了条件の報知内容にまで遊技者を注目させることが可能となる。
【0485】
特徴A7.前記特定遊技状態において決定契機事象(ボーナスAT状態ST20への移行契機役が入賞する事象)が発生したことに基づいて、遊技者に前記特典を付与するか否かを決定する付与決定手段(第1、第3、第4、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1217の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1416の処理を実行する機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1818の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2112の処理を実行する機能)を備え、
前記特典付与手段は、前記特定状況及び前記所定状況のいずれであっても、前記付与決定手段により遊技者に前記特典を付与することが決定された場合に前記所定事象の発生として遊技者に前記特典を付与することを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
【0486】
特徴A7によれば、特定状況においては単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率が高いため、特定状況においては決定契機事象が発生して特典が付与されるという状況が発生し易くなる。この場合、決定契機事象の発生が特典の付与と結びついているという印象を遊技者に与え易くなり、結果として、所定状況であっても決定契機事象が発生することに対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
【0487】
特徴A8.前記特定設定手段は、前記決定契機事象が発生した場合に前記付与決定手段により前記特典を付与することが決定される確率を、前記所定状況よりも前記特定状況の方が高くなるようにすることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
【0488】
特徴A8によれば、所定状況よりも特定状況の方が決定契機事象が発生した場合に付与決定手段により特典を付与することが決定される確率が高くなる。したがって、特定状況である場合、速やかに遊技者に特典を付与することが可能となる。これにより、なかなか特典が付与されないことに対する苛立ちを抑制することが可能となる。
【0489】
特徴A9.前記決定契機事象は、第1決定契機事象(第1ベル入賞又は第2ベル入賞)及び第2決定契機事象(第3ベル入賞)を含めて複数種類設定されており、
前記特定設定手段は、前記第1決定契機事象が発生した場合において前記付与決定手段により前記特典を付与すると決定される確率、及び前記第2決定契機事象が発生した場合において前記付与決定手段により前記特典を付与すると決定される確率の両方について、前記所定状況よりも前記特定状況の方が高くなるようにすることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
【0490】
特徴A9によれば、所定状況よりも特定状況の方が第1決定契機事象及び第2決定契機事象が発生した場合に、付与決定手段により特典を付与すると決定される確率が高くなる。したがって、特定状況である場合、速やかに遊技者に特典を付与することが可能となる。これにより、なかなか特典が付与されないことに対する苛立ちを抑制することが可能となる。
【0491】
特徴A10.前記決定契機事象として、所定契機事象(第7の実施形態における第3ベル入賞時)と、前記付与決定手段により前記特典を付与すると決定される確率が前記所定状況である場合で比較して前記所定契機事象の場合よりも高い確率となる特定契機事象(第7の実施形態における第1ベル入賞時又は第2ベル入賞時)と、を含み、
前記特定設定手段は、前記特定状況において前記所定契機事象が発生した場合に前記付与決定手段により前記特典を付与すると決定される確率を前記所定状況の場合よりも高くすることはなく、前記特定状況において前記特定契機事象が発生した場合に前記付与決定手段により前記特典を付与すると決定される確率を前記所定状況の場合よりも高くすることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
【0492】
特徴A10によれば、特定状況において特定契機事象が発生した場合に付与決定手段により特典を付与すると決定される回数が多くなる。したがって、所定状況においても特定契機事象が発生した場合に特典が付与されることに遊技者を期待させることが可能となる。
【0493】
特徴A11.前記特定設定手段は、前記決定契機事象が発生する確率を前記所定状況よりも前記特定状況の方が高くなるようにすることを特徴とする特徴A7乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
【0494】
特徴A11によれば、特定状況においては所定状況よりも決定契機事象が発生し易くなるため、単位ゲーム数当たりにおける特典の付与確率だけではなく、特典が付与されるかどうかということに遊技者が注目する状況を早期に生じさせることが可能となる。
【0495】
特徴A12.前記特定設定手段は、前記決定契機事象に該当することとなる事象の種類を前記特定状況においては前記所定状況よりも増加させることにより、前記決定契機事象が発生する確率を前記所定状況よりも前記特定状況の方が高くなるようにすることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
【0496】
特徴A12によれば、特定状況において決定契機事象の種類が増加することで決定契機事象の発生確率が高くなる構成であるため、決定契機事象に該当する個別の事象の発生確率を調整しなくても決定契機事象の発生確率を高くすることが可能となる。また、決定契機事象に該当することとなる決定契機事象の種類が増加することにより意外性を付与することが可能となる。
【0497】
特徴A13.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(各リール32L,32M,32R)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
前記開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72におけるステップS206の処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(各ストップボタン42,43,44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるステップS207の処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として前記当選役対応の制御を実行する対応実行手段(第1、第2、第6、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1104の処理を実行する機能、第3の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1508の処理を実行する機能、第4の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1606の処理を実行する機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1706及びステップS1707の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記決定契機事象は、前記役の抽選処理にて所定の役に当選すること又は所定の前記当選役対応の入賞が成立することであることを特徴とする特徴A7乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
【0498】
特徴A13によれば、役の抽選結果及び入賞結果との関係で決定契機事象を発生させることが可能となり、絵柄の変動表示結果に注目して遊技を行っている遊技者に、決定契機事象が発生したことを認識させ易くすることが可能となる。
【0499】
特徴A14.前記特定設定手段は、前記決定契機事象に該当することとなる事象の種類を前記特定状況においては前記所定状況よりも増加させることにより、前記決定契機事象が発生する確率を前記所定状況よりも前記特定状況の方が高くなるようにし、
前記決定契機事象に対応する役はいずれも、前記絵柄の変動表示後に所定の絵柄組合せが表示され得る役(第1ベル、第2ベル、第3ベル、第1ベルリプレイ、及び第2ベルリプレイ)であることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
【0500】
特徴A14によれば、決定契機事象に対応する役はいずれも、絵柄の変動表示後に所定の絵柄組合せが表示され得る役である。したがって、決定契機事象に対応する役の種類が増加したとしても、その増加した役が決定契機事象に対応する役であることを遊技者に解り易く報知することが可能となる。
【0501】
特徴A15.前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止態様が所定態様となることで所定入賞が成立したことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(サブ側MPU82におけるステップS1706の処理を実行する機能)を備え、
前記決定契機事象には、少なくとも前記所定入賞が成立することが含まれており、
前記特定設定手段は、前記所定状況においては前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様を報知しないようにし、前記特定状況においては前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様を報知することを特徴とする特徴A13又はA14に記載の遊技機。
【0502】
特徴A15によれば、所定対応役に当選した場合に所定態様の停止態様とすることを報知しない状態から報知する状態に切り換えるだけで、特定状況において決定契機事象の種類を増加させることが可能となる。
【0503】
特徴A16.前記特典付与手段は、前記特定状況において前記所定事象が発生した場合の方が前記所定状況において前記所定事象が発生した場合よりも、有利度合いが高い前記特典が付与されるようにする又は有利度合いが高い前記特典が付与され易くすることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
【0504】
特徴A16によれば、特定状況において所定事象が発生した場合の方が所定状況において所定事象が発生した場合よりも、有利度合いが高い特典が付与される又は有利度合いが高い特典が付与され易くなる。したがって、特定状況においてのみ恩恵を与える構成とすることで、遊技者に特定状況に到達させたいと思わせることが可能となる。これにより、遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0505】
特徴A17.前記特典付与手段は、前記条件設定手段により前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識可能である場合に前記所定事象が発生した場合の方が、前記条件設定手段により前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることを遊技者が認識可能ではない場合に前記所定事象が発生した場合よりも、有利度合いが高い前記特典が付与されるようにする又は有利度合いが高い前記特典が付与され易くすることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
【0506】
特徴A17によれば、特定遊技状態の終了条件として特定終了条件が設定されることに期待させるだけではなく、当該特定終了条件に設定されていることを認識可能な状態となることに対しても期待させることが可能となる。
【0507】
なお、特徴A1〜A17のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A17、特徴B1〜B4、特徴C1〜C8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0508】
<特徴B群>
特徴B1.特定遊技状態(チャンスゾーン状態ST12)において所定事象が発生したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(第1〜第5、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS918の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1918の処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態において終了条件が成立した場合に前記特定遊技状態を終了させる終了実行手段(第1、第3、第4、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS901及びステップS1219の処理を実行する機能、第2の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS901及びステップS1418の処理を実行する機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS901及びステップS1820の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1901及びステップS2114の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記終了条件として、
前記特典が付与されるまで前記特定遊技状態が継続するという特定終了条件と、
前記特定遊技状態の消化ゲーム数が特定ゲーム数となった場合に前記特定遊技状態が終了するという所定終了条件と、
が少なくとも設定されており、
前記特定ゲーム数には、前記特定遊技状態の上限ゲーム数を定める特定ゲーム数として所定の特定ゲーム数よりも多いゲーム数は設定されておらず、
当該遊技機は、前記特定終了条件が設定されている状況であっても、前記特定遊技状態の消化ゲーム数が前記所定の特定ゲーム数よりも少ないゲーム数である場合には前記特定終了条件が設定されていることが報知されないようにし、前記特定遊技状態の消化ゲーム数が前記所定の特定ゲーム数よりも多いゲーム数である場合に前記特定終了条件が設定されていることが報知されるようにする報知実行手段(第1〜第5、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS917の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1917の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0509】
特徴B1によれば、特定遊技状態の終了条件として、特典が付与されるまで特定遊技状態が継続するという終了条件が存在していることにより、当該終了条件が設定されることに遊技者を期待させることができるとともに、当該終了条件が設定されていることを遊技者が認識した場合には遊技者は満足感を得ることが可能となる。
【0510】
この場合に、条件設定手段により特定終了条件が設定されている状況であっても、特定遊技状態の消化ゲーム数が所定の特定ゲーム数よりも少ないゲーム数である場合には特定終了条件が設定されていることが報知されない。つまり、特定遊技状態の消化ゲーム数が所定の特定ゲーム数よりも多いゲーム数である場合にのみ、特定終了条件が設定されていることが報知される。したがって、特定遊技状態の消化ゲーム数を所定の特定ゲーム数よりも多くしたいと遊技者に思わせることで、遊技者を遊技に引き付けることが可能となる。
【0511】
特徴B2.前記特典付与手段は、前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることが遊技者に報知されている場合に前記所定事象が発生した場合と、前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることが遊技者に報知されていない場合に前記所定事象が発生した場合とで、前記特典の付与態様を相違させることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0512】
特徴B2によれば、特定終了条件に設定されていることが報知されている状況であるか否かに応じて特典の付与態様が相違することにより、当該報知が行われるまでに特典が付与されて欲しい又は当該報知が行われてから特典が付与されて欲しいといったように、遊技者が期待する対象を増加させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0513】
特徴B3.前記特典付与手段は、前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることが遊技者に報知されている場合に前記所定事象が発生した場合の方が、前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることが遊技者に報知されていない場合に前記所定事象が発生した場合よりも、有利度合いが高い前記特典が付与されるようにする又は有利度合いが高い前記特典が付与され易くすることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0514】
特徴B3によれば、特定遊技状態の終了条件として特定終了条件が設定されることに期待させるだけではなく、当該特定終了条件に設定されていることが報知されることに期待させることが可能となる。また、特定遊技状態の消化ゲーム数が多くなったことに対する利益を遊技者に与えることが可能となる。
【0515】
特徴B4.前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることが遊技者に報知されている場合と、前記特定終了条件が設定されている場合であって前記特定終了条件に設定されていることが遊技者に報知されていない場合とで、単位ゲーム数当たりにおける前記特典の付与確率が相違することを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
【0516】
特徴B4によれば、特定終了条件に設定されていることが報知されている状況であるか否かに応じて特典の付与の発生し易さが相違することとなる。これにより、例えば特定終了条件に設定されていることが報知された後は早期に特典が付与されるようにしたり、例えば特定終了条件に設定されていることが報知されている状態を長く継続させたりすることが可能となる。
【0517】
なお、特徴B1〜B4のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A17、特徴B1〜B4、特徴C1〜C8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0518】
<特徴C群>
特徴C1.特定遊技状態(チャンスゾーン状態ST12)において所定事象が発生したことに基づいて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(第1〜第5、第7〜第9の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS918の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1918の処理を実行する機能、第10の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2619〜ステップS2620の処理を実行する機能)と、
前記特定遊技状態の終了条件として前記特典が付与されるまで前記特定遊技状態が継続するという特定条件が設定されている場合、特別状況(サブ側RAM84に設けられた延長発生カウンタ84iに「2」がセットされた状況)となった場合に前記特定条件が設定されていることを遊技者に認識可能とさせる特別報知(サブ側MPU82におけるステップS1004の処理を実行する機能)が行われるようにする報知実行手段(第1〜第5、第7〜第9の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS917の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1917の処理を実行する機能、第10の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2617の処理を実行する機能)と、
前記特典の付与が発生するまで継続する状態であって、前記特別報知が行われるまで前記所定事象が発生したとしても前記特典が付与されず前記特別報知が行われている状況において前記特典が付与されることとなる状態である所定状態に設定する所定設定手段(第8の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2212の処理を実行する機能、第9の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2512の処理を実行する機能、第10の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2705の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0519】
特徴C1によれば、特定遊技状態の終了条件として特典が付与されるまで特定遊技状態が継続するという特定条件が設定されている場合、特別状況となった場合に特別報知が行われる構成であるため、特定条件が設定されていることを容易に遊技者に認識させることが可能となる。
【0520】
また、特徴C1によれば、特典の付与が発生するまで継続する状態であって、特別報知が行われるまで所定事象が発生したとしても特典が付与されず特別報知が行われている状況において特定が付与されることとなる状態である所定状態が設定される。これにより、特別報知が行われる頻度が高くなるため、当該特別報知が行われることに期待させることが可能となる。
【0521】
また、特典が付与されるまで継続する状態であるため、特典が付与されるまでに所定事象が発生する頻度が高くなる。これにより、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0522】
特徴C2.前記所定状態である場合、前記特別報知が行われている状況において前記所定事象が発生したことを契機として前記特典が付与されることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
【0523】
特徴C2によれば、特別報知が行われたタイミングで遊技者に特典が付与されるのではなく、特別報知が行われている状況において所定事象が発生したことを契機として遊技者に特典が付与される。ここで、特別報知が行われたタイミングで遊技者に特典が付与される構成であると、遊技者は特別報知が行われることにしか期待することができなくなってしまう。つまり、所定事象が発生したとしても特典が付与されることに期待することができなくなってしまう。その点、特徴C2によれば、特別報知が行われている状況において所定事象が発生したことを契機として遊技者に特典が付与される。したがって、特別報知が行われていない状況において所定事象が発生した場合においても、特典が付与されることに期待させることが可能となる。
【0524】
特徴C3.前記特別状況は、前記特定遊技状態において実行されたゲーム数が所定ゲーム数となった場合であっても前記特定遊技状態が継続する場合に発生することを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
【0525】
特徴C3によれば、所定ゲーム数以下である状況において所定事象が発生して特定遊技状態への移行が発生することだけではなく、所定ゲーム数を超えて特定遊技状態が継続することに遊技者を期待させることが可能となる。この場合に、特徴C1を備えており、所定ゲーム数を超えて特定遊技状態が継続する状況を強制的に作り出すことができる。これにより、所定ゲーム数を超えて特定遊技状態が継続する頻度を高くすることで、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0526】
特徴C4.前記所定設定手段は、前記特定遊技状態とは異なる遊技状態において前記特典を付与することが決定された場合に前記所定状態に設定することを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
【0527】
特徴C4によれば、特定条件が設定された特定遊技状態と同様の態様として所定状態を発生させることが可能となるため、特典が付与されるまで継続する状態を強制的に作り出すことが可能となる。これにより、特典が付与されるまで状態が継続する頻度を高くすることで、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0528】
特徴C5.前記所定設定手段は、前記特別状況となっていない前記特定遊技状態において前記所定事象が発生して前記特典を付与することが決定された場合に前記所定状態に設定することを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
【0529】
特徴C5によれば、所定設定手段は、特別状況となっていない特定遊技状態において所定事象が発生して特典を付与することが決定された場合に所定状態に設定する。ここで、特別状況となっていない特定遊技状態において、所定事象が発生して遊技者に特典を付与することが決定したタイミングでしか、遊技者に特典が付与されない構成とすると、その時点で特典が付与されるか否かが遊技者に特定されてしまう。この場合、特典が付与されるかもしれないという期待感を遊技者に与えることができない。その点、本構成によれば、特別状況となっていない特定遊技状態において所定事象が発生して特典を付与することが決定された場合に所定状態に設定されるため、所定事象が発生したタイミングで遊技者に特典が付与されなかったとしても特典が付与されるかもしれないという期待感を遊技者に与えることが可能となる。これにより、遊技者を特定遊技状態に引き付けるとともに、遊技者の高揚感を高めることが可能となる。
【0530】
特徴C6.前記特典付与手段は、前記特別状況となっていない前記特定遊技状態において前記所定事象が発生して前記特典を付与することが決定された場合、前記特別状況となることを待つことなく前記特典を付与する手段(第1、第3、第4、及び第7の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1218〜ステップS1219の処理を実行する機能、第2及び第10の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1417〜ステップS1418の処理を実行する機能、第5の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS1819〜ステップS1820の処理を実行する機能、第6の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2113〜ステップS2114の処理を実行する機能、第8の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2211及びステップS2218の処理を実行する機能、第9の実施形態ではサブ側MPU82におけるステップS2511及びステップS2520の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
【0531】
特徴C6によれば、特別状況となっていない特定遊技状態において所定事象が発生して特典を付与することが決定された場合、所定状態に設定されるパターンと、特別状況となることを待つことなく遊技者に特典が付与されるパターンとが存在している。これにより、遊技者に特典を付与するタイミングのパターンが増加するため、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0532】
特徴C7.前記所定設定手段は、前記特別状況となっていない前記特定遊技状態において前記所定事象が発生して前記特典を付与することが決定された場合、当該特定遊技状態において実行されたゲーム数に応じて前記所定状態の設定確率を相違させることを特徴とする特徴C5又はC6に記載の遊技機。
【0533】
特徴C7によれば、特別状況となっていない特定遊技状態において実行されたゲーム数に応じて所定状態の設定確率を相違させることが可能となる。ここで、特定遊技状態において実行されたゲーム数が特別状況となるゲーム数に近い場合、遊技者は特別状況となることに期待する。したがって、特定遊技状態において実行されたゲーム数が特別状況となるゲーム数に近い状況において所定事象が発生した場合、所定状態の設定確率を高くする構成とすることで、遊技者が特別状況となることに期待している場合に、特別状況を発生させやすくすることが可能となる。
【0534】
特徴C8.前記特定遊技状態において前記特別状況は、当該特定遊技状態において実行されたゲーム数が所定ゲーム数となった場合であっても前記特定遊技状態が継続する場合に発生し、
前記報知実行手段は、前記特定遊技状態において実行されたゲーム数が前記所定ゲーム数よりも少ないゲーム数である特定ゲーム数よりも多い状況で前記所定設定手段により前記所定状態の設定が行われた場合、前記特定遊技状態において実行されたゲーム数が所定ゲーム数となった場合であっても前記特定遊技状態が継続する場合に前記特別報知を開始し、前記特定遊技状態において実行されたゲーム数が前記特定ゲーム数よりも少ない状況で前記所定設定手段により前記所定状態の設定が行われた場合、前記特定遊技状態において実行されたゲーム数が前記所定ゲーム数に達していない状況において前記特別報知を開始することを特徴とする特徴C5乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
【0535】
特徴C8によれば、特定遊技状態において実行されたゲーム数が特定ゲーム数よりも少ない状況で所定設定手段により所定状態の設定が行われた場合、特定遊技状態において実行されたゲーム数が所定ゲーム数に達していない状況において特別報知が開始される。したがって、特定遊技状態において実行されたゲーム数が所定ゲーム数に達していない状況においても、特別報知が行われることに期待させることが可能となる。
【0536】
なお、特徴C1〜C8のいずれか1の構成に対して、特徴A1〜A17、特徴B1〜B4、特徴C1〜C8のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0537】
上記特徴A群、上記特徴B群及び上記特徴C群の各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0538】
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
【0539】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて抽選処理が実行される。また、抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が抽選処理の当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
【0540】
ここで、上記例示等のような遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0541】
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
【0542】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0543】
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。