(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
情報表示装置との通信を行う通信部と、調理器具への加熱動作を行う加熱部と、ユーザの操作を受け付ける入力部と、前記入力部における前記ユーザの操作に基づいて制御対象である前記通信部および前記加熱部のいずれかを制御するコンピュータとを備える加熱調理装置の動作を制御する制御方法であって、
前記コンピュータに対して、
前記通信部に前記情報表示装置と通信させ、
前記情報表示装置とのリンクの有無を示すリンク状態情報を管理させ、
前記加熱部に調理器具への加熱動作を行わせ、
前記入力部に前記ユーザの操作を受け付けさせ、
前記入力部における前記ユーザの操作に基づいて、前記制御対象を制御させ、
前記リンクが有るときに、前記ユーザの操作を受け付けた場合、前記制御対象である前記通信部に対して、前記情報表示装置において表示されている第1画像を第2画像へ切り替える指示を示す指示情報を、前記情報表示装置へ送信させ、前記入力部における前記ユーザの操作に応じて、前記加熱部に対して前記加熱動作を制御せず、前記リンクが無いときに、前記入力部における前記ユーザの操作が行われた場合、前記通信部に対して、前記情報表示装置において表示されている第1画像を第2画像へ切り替える指示を示す指示情報を、前記情報表示装置へ送信せず、前記入力部における前記ユーザの操作に応じて、前記加熱部に対して前記加熱動作を制御する、
制御方法。
情報表示装置との通信を行う通信部と、調理器具への加熱動作を行う加熱部と、ユーザの操作を受け付ける入力部と、前記入力部における前記ユーザの操作に基づいて制御対象である前記通信部および前記加熱部のいずれかを制御するコンピュータとを備える加熱調理装置の動作を制御するコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに対して、
前記通信部に前記情報表示装置と通信させる処理と、
前記情報表示装置とのリンクの有無を示すリンク状態情報を管理させる処理と、
前記加熱部に調理器具への加熱動作を行わせる処理と、
前記入力部に前記ユーザの操作を受け付けさせる処理と、
前記入力部における前記ユーザの操作に基づいて、前記制御対象を制御させる処理と、
前記リンクが有るときに、前記ユーザの操作を受け付けた場合、前記制御対象である前記通信部に対して、前記情報表示装置において表示されている第1画像を第2画像へ切り替える指示を示す指示情報を、前記情報表示装置へ送信させ、前記入力部における前記ユーザの操作に応じて、前記加熱部に対して前記加熱動作を制御せず、前記リンクが無いときに、前記入力部における前記ユーザの操作が行われた場合、前記通信部に対して、前記情報表示装置において表示されている第1画像を第2画像へ切り替える指示を示す指示情報を、前記情報表示装置へ送信せず、前記入力部における前記ユーザの操作に応じて、前記加熱部に対して前記加熱動作を制御する処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1について説明する。
【0016】
本実施の形態に係る表示制御システムの構成について
図1を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る表示制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、この表示制御システムは、端末100(本発明の情報表示装置の一例)と調理機器200(本発明の加熱調理装置の一例)を有する。
【0017】
図1において、端末100と調理機器200は、例えば、無線ネットワークを介して接続される。無線ネットワークで用いられる通信方式は、例えば、公知の近距離無線通信方式である。
【0018】
まず、端末100の構成について説明する。
【0019】
端末100は、例えば、スマートフォンまたはタブレットなどの情報処理装置である。端末100は、通信部10、記憶部11、制御部12、出力部13を備える。なお、図示を省略しているが、端末100は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力部を備えてもよい。
【0020】
通信部10は、他の装置と通信する通信インターフェースである。
【0021】
例えば、通信部10は、調理機器200から送信された遷移指示情報を受信する。遷移指示情報とは、端末100における画面表示の遷移を制御する情報である。なお、本明細書において「画面表示」とは、ある画像(例えば、文字、図形、記号等を含む)が画面に表示されることを意味する。また、本明細書において「画面表示の遷移」とは、ある画像が画面に表示されている状態から別の画像が画面に表示される状態へ切り替わることを意味する。また、ここでいう画像とは、例えば、後述する調理工程画像である。
【0022】
記憶部11は、メモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスである。
【0023】
例えば、記憶部11は、調理工程画像の情報(以下、調理工程画像情報という)を記憶する。調理工程画像とは、所定の料理(レシピ)の複数の調理工程それぞれに対応する画像である。また、調理工程画像では、画面表示される順番が予め定められている。
【0024】
制御部12は、プロセッサなどの制御デバイスである。
【0025】
例えば、制御部12は、記憶部11から調理工程画像情報を読み出し、その調理工程画像情報に基づいて調理工程画像を出力するように出力部13を制御する。この制御により、出力部13では、調理工程画像が画面に表示される。
【0026】
ここで、調理工程画像の一例を
図2に示す。調理工程画像31は、第1の調理工程に対応する画像である。第1の調理工程は、所定の料理の最初の調理工程である。調理工程画像32は、第2の調理工程に対応する画像である。第2の調理工程は、第1の調理工程の次の調理工程である。調理工程画像33は、第3の調理工程に対応する画像である。第3の調理工程は、第2の調理工程の次の調理工程であり、所定の料理の最後の調理工程である。よって、出力部13では、最初に調理工程画像31が表示され、その次に調理工程画像32が表示され、最後に調理工程画像33が表示される。
【0027】
なお、ここでは例として、3つの調理工程としたが、調理工程の数は、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0028】
また、ここでは例として、調理工程画像31〜33は、文字のみの画像としたが、静止画または動画が含まれてもよい。また、調理工程画像31〜33の表示とともに、調理方法に関する音声が出力されてもよい。
【0029】
以上、調理工程画像の一例について説明した。
【0030】
また、例えば、制御部12は、通信部10により遷移指示情報が受信された場合、その遷移指示情報に基づいて画面表示が遷移するように出力部13を制御する。この制御により、出力部13では、所定の調理工程画像の画面表示から別の調理工程画像の画面表示へと遷移する。
【0031】
ここで、画面表示の遷移の一例について
図2を用いて説明する。例えば、調理工程画像32の画面表示から調理工程画像33の画面表示への遷移を指示する旨の遷移指示情報を通信部10が受信したとする。この場合、制御部12は、調理工程画像33を生成して表示するように出力部13を制御する。これにより、出力部13では、調理工程画像32の画面表示から調理工程画像33の画面表示に切り替わる。なお、以下では、上述した調理工程画像32の画面表示から調理工程画像33の画面表示への遷移のように、所定の調理工程画像の画面表示から次(後)の調理工程画像の画面表示の遷移を「順遷移」という。
【0032】
また、例えば、調理工程画像32の画面表示から調理工程画像31の画面表示の遷移を指示する旨の遷移指示情報を通信部10が受信したとする。この場合、制御部12は、調理工程画像31を生成して表示するように出力部13を制御する。これにより、出力部13では、調理工程画像32の画面表示から調理工程画像31の画面表示に切り替わる。なお、以下では、上述した調理工程画像32の画面表示から調理工程画像31の画面表示への遷移のように、所定の調理工程画像の画面表示から前の調理工程画像の画面表示の遷移を「逆遷移」という。
【0033】
以上、画面表示の遷移の一例について説明した。
【0034】
出力部13は、ディスプレイなどの表示デバイスである。なお、出力部13は、スピーカなどの音声出力デバイスを含んでもよい。
【0035】
例えば、出力部13は、上述したとおり、制御部12によって制御されることで、調理工程画像情報に基づいて調理工程画像を画面に表示する。
【0036】
また、例えば、出力部13は、上述したとおり、制御部12によって制御されることで、所定の調理工程画像の画面表示から別の調理工程画像の画面表示へ遷移させる。
【0037】
次に、調理機器200の構成について説明する。
【0038】
調理機器200は、例えば、IH(Induction Heating)調理器、ガスコンロ、またはフライパンなどである。調理機器200は、入力部20、制御部21、機能部22、切替部23、記憶部24、通信部25を備える。
【0039】
入力部20は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスである。
【0040】
入力部20は、後述する機能部22にその機能を発揮するように指示する操作を受付ける。例えば、入力部20は、機能部22の加熱機能における温度設定の操作を受け付ける。この操作を以下「通常操作」という。
【0041】
また、入力部20は、端末100における画面表示の遷移を指示する操作を受け付ける。この操作を以下「遷移操作」という。
【0042】
制御部21は、プロセッサなどの制御デバイスである。
【0043】
例えば、制御部21は、入力部20により操作が受け付けられた場合、後述の記憶部24から状態情報を読み出し、その状態情報に基づいて、上記操作を通常操作として扱うかまたは遷移操作として扱うかを判定する。状態情報とは、入力部20が通常操作を受け付ける状態(以下、通常操作受付状態という)であるか、または、入力部20が遷移操作を受け付ける状態(以下、遷移操作受付状態という)であるかを示す情報である。
【0044】
よって、状態情報が通常操作受付状態を示す場合、制御部21は、入力部20が受け付けた操作を通常操作として扱う。すなわち、制御部21は、通常操作に対応する指示内容に基づいて、調理機器200を制御する。例えば、通常操作に対応する指示内容が150度での加熱である場合、制御部21は、150度での加熱を行うように機能部22を制御する。
【0045】
一方、状態情報が遷移操作受付状態を示す場合、制御部21は、入力部20が受け付けた操作を遷移操作として扱う。すなわち、制御部21は、遷移操作に対応する指示内容に基づいて、遷移指示情報を生成する。例えば、遷移操作に対応する指示内容が調理工程画像32の画面表示から調理工程画像33の画面表示への順遷移である場合、制御部21は、その順遷移を端末100に指示する遷移指示情報を生成する。そして、制御部21は、生成した遷移指示情報を端末100へ送信するように通信部25を制御する。
【0046】
機能部22は、対象物(例えば、鍋、フライパンなどの器具、または食材)の状態に変更を加えるデバイスであり、例えば、ヒータなどの加熱デバイスである。なお、ここでは加熱機能を例として説明するが、調理機器200の機能はこれに限定されない。
【0047】
例えば、機能部22は、上述したとおり、制御部21によって制御されることで、ユーザに指示された温度での加熱を行う。
【0048】
切替部23は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスである。
【0049】
例えば、切替部23は、通常操作受付状態と遷移操作受付状態との切り替えを指示する操作(以下、切替操作という)を受け付ける。この切替操作は、通常操作受付状態から遷移操作受付状態への切り替えを指示する第1の切替操作、または、遷移操作受付状態から通常操作受付状態への切り替えを指示する第2の切替操作のいずれかである。
【0050】
ここで、入力部20および切替部23の一例を
図3A、
図3Bに示す。
図3Aは、調理機器200が例えばIH調理器である場合を示し、
図3Bは、調理機器200が例えばフライパンである場合を示している。
【0051】
図3Aに示すように、IH調理器200aは、入力部20の一例である入力ボタン20a、20bと、切替部23の一例である切替ボタン23aとを備えている。入力ボタン20a、20bおよび切替ボタン23aは、ユーザによって押下される物理的なボタンである。
【0052】
例えば、切替ボタン23aの押下により第1の切替操作が行われた場合、入力ボタン20aの押下は順遷移を指示する遷移操作として扱われ、入力ボタン20bの押下は逆遷移を指示する遷移操作として扱われる。
【0053】
また、例えば、切替ボタン23aの押下により第2の切替操作が行われた場合、入力ボタン20aの押下は設定温度の減少を指示する通常操作として扱われ、入力ボタン20bの押下は設定温度の増加を指示する通常操作として扱われる。
【0054】
また、
図3Bに示すように、フライパン200bは、取っ手40において、入力部20の一例である入力ボタン20a、20bと、切替部23の一例である切替ボタン23aとを備えている。なお、
図3Bに示す入力ボタン20a、20bおよび切替ボタン23aは、それぞれ、
図3Aに示すものと同じ機能であるので、ここでの説明は省略する。
【0055】
なお、ここでは例として、切替部23を、操作のときにユーザによる接触(例えば、押下)が必要となるデバイスとしたが、非接触でのユーザ操作(例えば、ジェスチャ入力)を受け付け可能なデバイスであってもよい。
【0056】
以上、入力部20および切替部23の一例について説明した。
【0057】
記憶部24は、メモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスである。
【0058】
例えば、記憶部24は、通常操作受付状態または遷移操作受付状態のいずれかを示す状態情報を記憶する。そして、例えば、切替部23により第1の切替操作が受け付けられた場合、記憶部24の状態情報の内容は、制御部21によって制御されることで、通常操作受付状態から遷移操作受付状態へ更新される。また、例えば、切替部23により第2の切替操作が受け付けられた場合、記憶部24の状態情報の内容は、制御部21によって制御されることで、遷移操作受付状態から通常操作受付状態へ更新される。
【0059】
通信部25は、他の装置と通信する通信インターフェースである。
【0060】
例えば、通信部25は、上述したとおり、制御部21によって制御されることで、遷移指示情報を端末100へ送信する。この遷移指示情報は、上述したとおり、端末100の通信部10により受信される。
【0061】
以上、本実施の形態に係る表示制御システムの構成について説明した。
【0062】
次に、本実施の形態に係る表示制御システムの動作について
図4を用いて説明する。
図4は、本実施の形態に係る表示制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0063】
まず、調理機器200の切替部23は、切替操作を受け付ける(ステップS11)。ここで、切替部23は、第1の切替操作または第2の切替操作のいずれかを受け付ける。
【0064】
制御部21は、状態情報を更新する(ステップS12)。例えば、切替部23により第1の切替操作が受け付けられた場合、制御部21は、記憶部24の状態情報の内容を、通常操作受付状態から遷移操作受付状態に更新する。また、例えば、切替部23により第2の切替操作が受け付けられた場合、制御部21は、記憶部24の状態情報の内容を、遷移操作受付状態から通常操作受付状態に更新する。
【0065】
入力部20は、ユーザによる入力操作を受け付ける(ステップS13)。
【0066】
制御部21は、記憶部24から状態情報を読み出し、その状態情報に基づいて、入力部20により受け付けられた入力操作を通常操作として扱うかまたは遷移操作として扱うかを判定する(ステップS14)。
【0067】
状態情報が通常操作受付状態を示す場合、制御部21は、入力部20が受け付けた入力操作を通常操作として扱う(ステップS14:通常操作)。この場合、制御部21は、通常操作に対応する指示内容に基づいて、機能部22の機能を制御する(ステップS15)。
【0068】
一方、状態情報が遷移操作受付状態を示す場合、制御部21は、入力部20が受け付けた入力操作を遷移操作として扱う(ステップS14:遷移操作)。この場合、制御部21は、遷移操作に対応する指示内容に基づいて、遷移指示情報を生成する(ステップS16)。ここで、制御部21は、順遷移または逆遷移のいずれかを指示する遷移指示情報を生成する。そして、制御部21は、生成した遷移指示情報を端末100へ送信するように通信部25を制御する。
【0069】
通信部25は、遷移指示情報を端末100へ送信する(ステップS17)。
【0070】
端末100の通信部10は、通信部25から送信された遷移指示情報を受信する(ステップS18)。
【0071】
制御部12は、遷移指示情報に基づいて画面表示が遷移するように出力部13を制御する(ステップS19)。これにより、出力部13では、所定の調理工程画像の画面表示から別の調理工程画像の画面表示へと遷移する。
【0072】
以上、本実施の形態に係る表示制御システムの動作について説明した。
【0073】
このように本実施の形態によれば、ユーザは、調理機器200において端末100の画面表示の遷移を指示する切替操作を行うことができる。よって、ユーザが端末100に触れることなく、画面表示を切り替えることができる。また、ユーザが切替操作を手動で行うので、確実に画面表示を切り替えることができる。
【0074】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、実施の形態1で説明した切替操作に基づく画面表示の遷移に加えて、センサにより検出された値に基づく画面表示の遷移を可能とする。
【0075】
本実施の形態に係る表示制御システムの構成について
図5を用いて説明する。
図5は、本実施の形態に係る表示制御システムの構成の一例を示すブロック図である。なお、
図5では、
図1と同じ構成要素には同一符号を付している。以下では、主に
図1との差異を説明する。
【0076】
調理機器200は、対象物の状態を検出するセンサ26をさらに備える。センサ26は、例えば、機能部22に置かれた調理器具(例えば、鍋、フライパン等)の重さを検出する重量センサ、または、機能部22に置かれた調理器具の温度を検出する温度センサである。センサ26は、検出した値(以下、センサ値という)を制御部21へ出力する。
【0077】
制御部21は、センサ26からセンサ値を入力すると、そのセンサ値を含む情報(以下、センサ情報という)を生成し、そのセンサ情報を端末100へ送信するように通信部25を制御する。これにより、センサ情報は、通信部25から端末100へ送信され、端末100の通信部10により受信される。
【0078】
端末100は、プロセッサなどの制御デバイスである判定部14をさらに備える。判定部14は、通信部10によりセンサ情報が受信されると、記憶部11から条件情報を読み出す。条件情報とは、調理工程の調理方法に対応して定められた条件を示す情報である。例えば、「鍋に水を500cc投入する」という調理工程の調理方法に対しては、「センサ値が500gに到達」という条件が定められている。また、例えば、「フライパンを150度まで予熱する」という調理工程の調理方法に対しては、「センサ値が150度に到達」という条件が定められている。
【0079】
そして、判定部14は、センサ情報のセンサ値が、条件情報の条件を満たすか否かを判定する。この判定の結果、センサ値が条件を満たしていない場合、判定部14は、通信部10により新たなセンサ情報が受信されるまで待機する。一方、上記判定の結果、センサ値が条件を満たした場合、判定部14は、順遷移を指示する遷移指示情報を生成し、制御部12へ出力する。
【0080】
制御部12は、判定部14から遷移指示情報を入力すると、遷移指示情報に基づいて画面表示が遷移するように出力部13を制御する。これにより、出力部13における画面表示が、所定の調理工程画像の画面表示から次の調理工程画像の画面表示へと遷移する。
【0081】
以上、本実施の形態に係る表示制御システムの構成について説明した。
【0082】
次に、本実施の形態に係る表示制御システムの動作について
図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る表示制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【0083】
調理機器200のセンサ26は、センサ値を検出する(ステップS21)。例えば、センサ26は、機能部22における重量または温度をセンサ値として検出し、制御部21へ出力する。制御部21は、センサ200からセンサ値を入力すると、そのセンサ値を示すセンサ情報を生成し、そのセンサ情報を端末100へ送信するように通信部25を制御する。
【0084】
通信部25は、センサ情報を、端末100へ送信する(ステップS22)。
【0085】
端末100の通信部10は、通信部25から送信されたセンサ情報を受信する(ステップS23)。
【0086】
判定部14は、通信部10によりセンサ情報が受信されると、記憶部11から条件情報を読み出し、センサ情報のセンサ値が、条件情報の条件を満たすか否かを判定する(ステップS24)。
【0087】
この判定の結果、センサ値が条件を満たしていない場合(ステップS24:NO)、判定部14は、通信部10により新たなセンサ値の情報が受信されるまで待機する。一方、上記判定の結果、センサ値が条件を満たした場合(ステップS24:YES)、判定部14は、順遷移を指示する遷移指示情報を生成し、制御部12へ出力する。
【0088】
制御部12は、判定部14から遷移指示情報を入力すると、遷移指示情報に基づいて画面表示が遷移するように出力部13を制御する(ステップS25)。これにより、出力部13では、所定の調理工程画像の画面表示から次(後)の調理工程画像の画面表示へと遷移する。
【0089】
このように本実施の形態によれば、ユーザは、調理機器200において調理工程画像に示される調理方法を実行することで、端末100の画面表示を遷移させることができる。よって、ユーザが端末100に触れることなく、画面表示を切り替えることができる。また、ユーザが切替操作を手動で行うので、確実に画面表示を切り替えることができる。また、例えば「鍋に水を500cc投入する」等の調理方法の実行により画面表示が切り替わるので、ユーザは、切替部23を用いた切替操作を行う必要が無い。
【0090】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3について説明する。
図7は、本実施の形態に係る表示制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図7に示すように、この表示制御システムは、端末100(本発明の情報表示装置の一例)と調理機器200(本発明の加熱調理装置の一例)を有する。なお、
図7では、
図1または
図5と同じ構成要素には同一符号を付している。以下では、主に
図1または
図5との差異を説明し、重複する説明は省略する。
【0091】
調理機器200は、さらに、調理器具に対して加熱を行う加熱部27、端末100とのリンクの有無を示すリンク状態情報を管理するリンク状態管理部29を備える。
【0092】
なお、加熱部27は、
図1および
図5における機能部22に対応しており、本実施の形態においても、加熱に限らず、対象物の状態に変更を加えるデバイスであるとして良い。
【0093】
説明の便宜上、機能部22を加熱部27として説明する。
【0094】
制御部21は、通信部25を介して端末100からリンク要求を受信すると、端末100と調理機器200との間でのリンクを確立させる。このとき、制御部21は、調理機器200の状態が端末100とのリンクを確立可能であるか否かを確認し、リンクの確立が可能である場合は、通信部25を介して端末100へリンク応答を送信させる。制御部21は、端末100へリンク応答を送信したのちに、リンク状態管理部29が管理するリンク状態情報を書き換えて、調理機器200をリンク状態へ移行させる。
【0095】
以上、本実施の形態に係る表示制御システムの構成について説明した。
【0096】
次に、本実施の形態に係る表示制御システムの動作について、
図8を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係る表示制御システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0097】
端末100の通信部10は、調理機器200とのリンク状態を確立するために、調理機器200へリンク要求を送信し(ステップS30)、リンク要求が送信されたのち、端末100は、リンク待機状態へ移行する(ステップS31)。このとき、リンク待機状態は、制御部12において管理されるとしてもよいが、端末100内の図示しないリンク待機状態管理部において管理されるとしてもよい。
【0098】
調理機器200の通信部25は、端末100から受信したリンク要求を受信する(ステップS32)。リンク要求を受信すると、制御部21は、センサ26が検知したセンサ値に基づいて、加熱部27にフライパンなどの調理器具が載置されたか否かを判断する(ステップS33)。
【0099】
調理器具が載置されたと判断された場合(ステップS33のYES)、通信部25は端末100へリンク応答を送信する(ステップS34)。一方、調理器具が載置されたと判断されなかった場合(ステップS33のNO)、ステップS33の処理を繰り返す。
【0100】
調理機器200は、端末100へリンク応答を送信したのち、リンク状態管理部29のリンク状態情報を書き換えて、リンク状態へ移行する(ステップS35)。
【0101】
端末100の通信部10においてリンク応答を受信し(ステップS36)、端末100は、リンク状態へ移行する(ステップS37)。
【0102】
調理機器200がリンク状態へと移行したのちに、制御部21は、入力部20における入力の有無を判断する(ステップS38)。
【0103】
入力部20において入力が無かったと判断された場合(ステップS38のNO)、ステップS38の処理を繰り返す。一方、入力が有ったと判断された場合(ステップS38のYES)、制御部21は、リンク状態管理部29の管理するリンク状態情報を参照して、調理機器200がリンク状態であるか否かを判断する(ステップS39)。
【0104】
調理機器200がリンク状態ではない場合(ステップS39のNO)、制御部21は、入力部20における入力に基づいて、加熱部27の動作を制御する(ステップS40)。
【0105】
調理機器200がリンク状態である場合(ステップS39のYES)、通信部25は、入力部20における入力に基づいて、端末100へ指示情報を送信する(ステップS41)。このときの指示情報は、実施の形態1において記述したような、端末100における画面表示の遷移を指示する情報である。
【0106】
端末100の通信部10において指示情報を受信し(ステップS42)、端末100は、受信した指示情報に基づいて、表示画面の遷移を実行する(ステップS43)。
【0107】
以上が本実施の形態に係る表示制御システムの動作の一例である。上述のように、本実施の形態では、調理機器200が端末100とのリンク状態であるか否かを示す情報に基づいて、入力部20における入力を、「通常操作」または「遷移操作」のいずれとして受け付けるかを決定する。すなわち、通常操作受付状態と遷移操作受付状態とを、リンク状態の有無によって切り替える。
【0108】
なお、ステップS33の処理はスキップしてもよく、ステップS32において通信部25がリンク要求を受信したのち、加熱部27に調理器具が載置されたか否かが判断されないまま、通信部25はリンク応答を送信するとしてもよい。
【0109】
なお、端末100においてレシピの画面表示が行われたタイミングで、端末100は調理機器200に対してリンク要求を送信するとしてもよい。また、端末100においてレシピの中の特定のページが表示されたタイミングで、端末100は調理装置200に対してリンク要求を送信するとしてもよい。また、レシピの画面表示が終了したタイミングで、端末100は、調理機器200に対してリンク状態の解除を要求する情報を送信するとしてもよい。
【0110】
さらに、端末100は、調理装置200がリンク状態であるときに入力部20において入力(遷移操作)が行われた際に送信される指示情報に基づいて、表示画面の遷移を実行すればよいため、端末100は、リンク待機状態およびリンク状態を管理する機能を必ずしも備えている必要はない。
【0111】
また、上述の動作の一例においては、端末100から調理機器200へリンク要求を送信する内容を説明したが、調理機器200から端末100へリンク要求を送信するとしてもよい。
【0112】
なお、実施の形態3については、調理機器200がリンク状態であるか否かによって、入力部20における入力を、「通常操作」または「遷移操作」のいずれとして受け付けるかを決定する内容を説明したが、調理機器200がリンク状態であっても、実施の形態1において説明したように、切替部23を用いて、切替操作を受け付けてもよい。
【0113】
上述のように、通常操作受付状態と遷移操作受付状態とを、端末100と調理機器200との間のリンク状態の有無によって切り替えることで、例えば、端末100においてレシピを表示するアプリケーションが実行される際に調理機器200にリンク要求を送信するとすれば、ユーザがレシピを参照している状態において、遷移操作を有効にできる。そのため、例えば、ユーザがレシピを参照せずとも調理可能な献立の調理を実行している場合に、誤って遷移操作が有効となってしまい、調理機器200に対して通常操作が実行できない状態になることがない。また、例えば、ユーザがレシピを参照している状態においては、ユーザが端末100に触れることなく、確実に画面表示を切り替えることもできる。
【0114】
(実施の形態4)
上述の実施の形態3の説明においては、調理機器200をIH調理機器、ガスコンロなどを想定して記載しているが、調理機器200の機能の一部を、フライパンなどの調理器具が備えていてもよい。本実施の形態では、調理機器200の機能の一部を、調理器具が備える場合について説明する。
【0115】
図9は、本実施の形態に係る表示制御システムの構成の一例を示すブロック図である。
図9に示すように、この表示制御システムは、端末100(本発明の情報表示装置の一例)と、調理機器200(本発明の加熱調理装置の一例)と、調理器具300(本発明の調理器具)を有する。なお、
図9では、
図1、
図5、
図8と同じ構成要素には同一符号を付している。本実施の形態は、実施の形態3における調理機器200の機能の一部を調理器具300が備える内容であるため、以下では、主に
図8との差異を説明し、重複する説明は省略する。
【0116】
調理器具300は、例えば、フライパンなどの調理器具であり、入力部30、制御部31、切替部32、記憶部33、通信部34、リンク状態管理部35を備える。
【0117】
入力部30は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスである。入力部30は、調理機器200の加熱部27に対する、通常操作を受け付ける。また、入力部30は、端末100に対する遷移操作を受け付ける。
【0118】
制御部31は、プロセッサなどの制御デバイスである。制御部31は、例えば、後述のように、通信部34を介した端末100または調理機器200との通信を制御する。また、制御部31は、リンク状態管理部35において管理されているリンク状態情報の読み出し、書き換え動作などを制御する。
【0119】
切替部32は、ユーザの操作を受け付ける、ボタン、タッチパネルなどの入力デバイスである。例えば、切替部32は、切替操作を受け付ける。この切替操作は、通常操作受付状態から遷移操作受付状態への切り替えを指示する第1の切替操作、または、遷移操作受付状態から通常操作受付状態への切り替えを指示する第2の切替操作のいずれかである。
【0120】
記憶部33は、メモリまたはハードディスクなどの記憶デバイスである。例えば、記憶部33は、通常操作受付状態または遷移操作受付状態のいずれかを示す状態情報を記憶する。そして、例えば、切替部32により第1の切替操作が受け付けられた場合、記憶部33の状態情報の内容は、制御部31によって制御されることで、通常操作受付状態から遷移操作受付状態へ更新される。また、例えば、切替部32により第2の切替操作が受け付けられた場合、記憶部33の状態情報の内容は、制御部31によって制御されることで、遷移操作受付状態から通常操作受付状態へ更新される。
【0121】
通信部34は、他の装置と通信する通信インターフェースである。例えば、通信部34は、上述したとおり、制御部31によって制御されることで、端末100および調理機器200との通信を実行する。
【0122】
リンク状態管理部35は、調理器具300と端末100との間のリンク状態の有無を示すリンク状態情報を管理する。
【0123】
端末100および調理機器200の構成の説明は、実施の形態1〜3の内容と重複するため、省略する。
【0124】
以上、本実施の形態に係る表示制御システムの構成について説明した。
【0125】
次に、本実施の形態に係る表示制御システムの動作について、
図10を用いて説明する。
図10は、本実施の形態に係る表示制御システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0126】
端末100の通信部10は、調理器具300とのリンク状態を確立するために、調理器具300へリンク要求を送信し(ステップS50)、リンク要求が送信されたのち、端末100は、リンク待機状態へ移行する(ステップS51)。このとき、リンク待機状態は、制御部12において管理されるとしてもよいが、端末100内の図示しないリンク待機状態管理部において管理されるとしてもよい。
【0127】
調理器具300の通信部34は、端末100からリンク要求を受信する(ステップS52)。リンク要求を受信したのち、通信部34は端末100へリンク応答を送信する(ステップS53)。
【0128】
調理器具300は、端末100へリンク応答を送信したのち、リンク状態管理部35のリンク状態情報を書き換えて、リンク状態へ移行する(ステップS54)。
【0129】
端末100の通信部10においてリンク応答を受信し(ステップS55)、端末100は、リンク状態へ移行する(ステップS56)。
【0130】
調理器具300がリンク状態へと移行したのちに、制御部31は、入力部30における入力の有無を判断する(ステップS57)。
【0131】
入力部30において入力が無かったと判断された場合(ステップS57のNO)、ステップS57の処理を繰り返す。一方、入力が有ったと判断された場合(ステップS57のYES)、制御部31は、リンク状態管理部35の管理するリンク状態情報を参照して、調理器具300がリンク状態であるか否かを判断する(ステップS58)。
【0132】
調理器具300がリンク状態ではない場合(ステップS58のNO)、制御部31は、入力部30における入力に基づいて、通信部34に調理機器200への制御情報を送信させる(ステップS59)。この制御情報は、例えば、調理機器200の加熱部27に対する設定温度の変更指示など、調理機器200の加熱部27の動作を制御する情報を含んでいる。
【0133】
調理機器200の通信部25は、制御情報を受信し(ステップS60)、加熱部27の動作を制御する(ステップS61)。
【0134】
調理器具300がリンク状態である場合(ステップS58のYES)、通信部34は、入力部30における入力に基づいて、端末100へ指示情報を送信する(ステップS62)。このときの指示情報は、実施の形態1において記述したような、端末100における画面表示の遷移を指示する情報である。
【0135】
端末100の通信部10は、指示情報を受信し(ステップS63)、端末100は、受信した指示情報に基づいて、表示画面の遷移を実行する(ステップS64)。
【0136】
以上が本実施の形態に係る表示制御システムの動作の一例である。上述のように、本実施の形態では、調理器具300が端末100とのリンク状態であるか否かを示す情報に基づいて、入力部30における入力を、「通常操作」または「遷移操作」のいずれとして受け付けるかを決定する。すなわち、通常操作受付状態と遷移操作受付状態とを、リンク状態の有無によって切り替える。
【0137】
なお、ステップS52の後に、調理器具300は、調理機器200から、センサ26が検知したセンサ値を受信するとしてもよい。制御部31は、受信したセンサ値に基づいて、加熱部27にフライパンなどの調理器具300が載置されているか否かを判断する。そして、調理器具300が載置されていると判断された場合、通信部34は、端末100へリンク応答を送信するとしてもよい。一方、調理器具300が載置されたと判断されなかった場合、通信部34は、調理機器200から再びセンサ値を受信するとしてもよい。また、通信部34は、調理機器200からセンサ値を受信するのではなく、調理機器200がセンサ値に基づいて判断した、加熱部27に調理機器300が載置されているか否かを示す情報を直接受信するとしてもよい。
【0138】
また、端末100は、調理器具300がリンク状態であるときに入力部30において入力(遷移操作)が行われた際に送信される指示情報に基づいて、表示画面の遷移を実行すればよいため、端末100は、リンク待機状態およびリンク状態を管理する機能を必ずしも備えている必要はない。
【0139】
さらに、上述の動作の一例においては、端末100から調理器具300へリンク要求を送信する内容を説明したが、調理器具300から端末100へリンク要求を送信するとしてもよい。
【0140】
なお、実施の形態4については、調理器具300がリンク状態であるか否かによって、入力部30における入力を、「通常操作」または「遷移操作」のいずれとして受け付けるかを決定する内容を説明したが、調理器具300がリンク状態であっても、実施の形態1において説明したように、切替部32を用いて、切替操作を受け付けてもよい。
【0141】
上述のように、通常操作受付状態と遷移操作受付状態とを、端末100と調理器具300との間のリンク状態の有無によって切り替えることで、例えば、端末100においてレシピを表示するアプリケーションが実行される際に調理器具300にリンク要求を送信するとすれば、ユーザがレシピを参照している状態において、遷移操作を有効にできる。そのため、例えば、ユーザがレシピを参照せずとも調理可能な献立の調理を実行している場合に、誤って遷移操作が有効となってしまい、調理器具300に対して通常操作が実行できない状態になることがない。また、例えば、ユーザがレシピを参照している状態においては、ユーザが端末100に触れることなく、確実に画面表示を切り替えることもできる。
【0142】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。以下、本発明の実施の形態の変形例について説明する。
【0143】
<変形例1>
上記実施の形態1で説明した表示制御システムの構成(
図1の構成)において、調理機器200が2つの機能部を備えたIH調理器である場合の例について説明する。なお、IH調理機器は、実施の形態2で説明したセンサ26を備えるとする。
【0144】
図11は、機能部22L、22R(機能部22の一例)を備えたIH調理器200cの一例を示す図である。機能部22L、22Rは、加熱機能を有する。機能部22Lに対応するボタンとして、入力ボタン20aL、20bL(入力部20の一例)、切替ボタン23aL(切替部23の一例)が設けられている。また、機能部22Rに対応するボタンとして、入力ボタン20aR、20bR(入力部20の一例)、切替ボタン23aR(切替部23の一例)が設けられている。これらのボタンは、それぞれ、
図3Aで説明した入力ボタン20a、20b、切替ボタン23aと同じ機能を有する。
【0145】
また、図示は省略しているが、機能部22L、22Rには、それぞれ、重量センサおよび温度センサ(センサ26の一例)が備えられている。
【0146】
また、機能部22L、22Rをそれぞれ識別可能な識別情報が記憶部24に記憶されている。各識別情報は、センサ情報または遷移指示情報に付加されて、調理機器200cから端末100へ送信される。
【0147】
以下、ユーザがIH調理器200cにおいてレシピAの調理とレシピBの調理を行う場合を順に説明する。
【0148】
まず、ユーザがレシピAの調理を開始する。端末100には「フライパンを置いて下さい」というテキストを含む調理工程画像が表示される。この調理工程画像は、例えば、レシピAの最初の調理工程(例えば、フライパンを調理器に置く調理工程)を示す画像である。その調理工程画像を見たユーザは、例えば、
図12Aに示すようにIH調理器200cの機能部22Rにフライパン50を置く。
【0149】
フライパン50が置かれた機能部22Rに対応する重量センサは、フライパン50の重量値を検出する。次に、制御部21は、検出された重量値(センサ値の一例)を示す重量値情報(センサ情報の一例)を生成し、機能部22Rの識別情報を記憶部24から読み出す。次に、制御部21は、重量値情報および機能部22Rの識別情報を端末100へ送信するように通信部25を制御する。これにより、重量値情報および機能部22Rの識別情報は、通信部25から端末100へ送信され、端末100の通信部10により受信される。
【0150】
端末100の制御部12は、通信部10により重量値情報および機能部22Rの識別情報が受信されると、記憶部11から、条件情報を読み出す。この条件情報は、例えば、レシピAの最初の調理工程に対して「重量値が450グラム以上」という条件が定められた情報である。
【0151】
制御部12は、重量値が条件を満たしていると判定した場合、レシピAと機能部22Rとを対応付け、その対応付けを示す対応付け情報を記憶部11に格納する。これ以降、制御部12は、対応付け情報に基づいて、画面表示の遷移の制御を行う。すなわち、制御部12は、通信部10により遷移指示情報および機能部22Rの識別情報が受信された場合、遷移指示情報に基づいてレシピAの調理工程画像の画面表示の遷移を制御する。これにより、レシピAに係る画面表示の遷移の指示は、機能部22Rに対応する入力ボタン20aR、20bRで受け付けたものだけが有効となる。よって、ユーザが、機能部22Lに対応する入力ボタン20aL、20bLを操作しても、レシピAに係る画面表示の遷移は実行されない。
【0152】
その後、例えば、
図12Bに示すように、ユーザがフライパン50を機能部22Rから機能部22Lへ移動させたとする。この場合、上述した対応付け情報(レシピAと機能部22Rとの対応付け)の更新が行われる。これについて以下に説明する。
【0153】
機能部22Lに対応する重量センサおよび温度センサは、それぞれ、フライパン50が置かれた時点で検出した重量値および温度値を、制御部21へ出力する。また、機能部22Rに対応する重量センサおよび温度センサは、それぞれ、フライパン50が取り除かれる直前に検出した重量値および温度値を、制御部21へ出力する。
【0154】
次に、制御部21は、機能部22Lの重量値情報および温度値情報と、機能部22Rの重量値情報および温度値情報を生成する。また、制御部21は、機能部22L、機能部22Rの識別情報を記憶部24から読み出し、機能部22Lの識別情報と機能部22Lの重量値情報および温度値情報とを対応付け、機能部22Rの識別情報と機能部22Rの重量値情報および温度値情報とを対応付ける。
【0155】
次に、制御部21は、機能部22L、機能部22Rそれぞれの重量値情報、温度値情報および識別情報を端末100へ送信するように通信部25を制御する。これにより、上記各情報は、通信部25から端末100へ送信され、端末100の通信部10により受信される。
【0156】
端末100の制御部12は、通信部10により上記各情報が受信されると、センサ値が一致するか否かを判定する。例えば、制御部12は、機能部22Lの重量値情報が示す重量値と、機能部22Rの重量値情報が示す重量値との差が、所定の範囲(例えば、±50グラム)内であるか否かを判定する。また、例えば、制御部12は、機能部22Lの温度値情報が示す温度値と、機能部22Rの温度値情報が示す温度値との差が、所定の範囲(例えば、±5度)内であるか否かを判定する。
【0157】
そして、制御部12は、上記判定の結果、重量値の差および温度値の差が共に所定の範囲内であると判定した場合、対応付け情報を、レシピAと機能部22Rとの対応付けからレシピAと機能部22Lとの対応付けを示すように更新する。これ以降、制御部12は、更新後の対応付け情報に基づいて、画面表示の遷移の制御を行う。すなわち、制御部12は、通信部10により遷移指示情報および機能部22Lの識別情報が受信された場合、遷移指示情報に基づいてレシピAの調理工程画像の画面表示の遷移を制御する。これにより、レシピAに係る画面表示の遷移の指示は、機能部22Lに対応する入力ボタン20aL、20bLで受け付けたものだけが有効となる。よって、ユーザが、機能部22Rに対応する入力ボタン20aR、20bRを操作しても、レシピAに係る画面表示の遷移は実行されない。
【0158】
その後、例えば、
図13に示すように、ユーザが、レシピBの調理を行うために鍋51を機能部22Rへ置いたとする。この場合、レシピBと機能部22Rとの対応付けを示す対応付けが新たに行われる。これは、上述したレシピAと機能部22Rとの対応付けと同様であるので、ここでの説明は省略する。これ以降、制御部12は、新たな対応付け情報に基づいて、画面表示の遷移の制御を行う。すなわち、制御部12は、通信部10により遷移指示情報および機能部22Rの識別情報が受信された場合、遷移指示情報に基づいてレシピBの調理工程画像の画面表示の遷移を制御する。これにより、レシピBに係る画面表示の遷移の指示は、機能部22Rに対応する入力ボタン20aR、20bRで受け付けたものだけが有効となる。よって、ユーザが、機能部22Lに対応する入力ボタン20aL、20bLを操作しても、レシピBに係る画面表示の遷移は実行されない。
【0159】
以上のように本変形例によれば、センサ値に基づいてレシピと機能部との対応付けを行うので、ユーザは、2つの機能部を用いて異なるレシピの調理を並行して行う場合でも、上記対応付けに係る設定操作を行うこと無く、レシピ毎に画面表示の遷移を指示することができる。
【0160】
なお、例えば、機能部22Lにフライパン50が置かれ、かつ、機能部22Rに鍋51が置かれた場合、制御部21は、機能部22L、22Rに対応するリングの表示態様を異なるように制御してもよい。この具体例を
図14Aに示す。
図14Aでは、例えば、機能部22Lに対応するリング60は赤色で表示され、機能部22Rに対応するリング70は青色で表示されている。また、このとき、端末100に表示される調理工程画像の色を、各リングの色に合わせてもよい。この具体例を
図14Bに示す。
図14Bでは、例えば、レシピAの調理工程画像80がリング60と同じく赤色で表示され、レシピBの調理工程画像90がリング70と同じく青色で表示されている。これにより、ユーザは、複数のレシピを並行して調理する場合に、機能部と調理工程画像との対応を把握しやすくなる。特に、1つの端末において、2つのレシピの調理工程画像を切り替えて表示する場合に有効となる。
【0161】
また、例えば、機能部22Lにフライパン50が置かれ、かつ、機能部22Rに鍋51が置かれた場合、制御部21は、端末100から受信した情報(例えば、機能部22L、22Rの識別情報)に基づいて、次に調理すべきレシピをユーザがわかるように、リング60またはリング70を点滅させたり、別の色に変更したりしてもよい。この場合、例えば、端末100では、実施の形態2で説明した条件情報が用いられる。制御部12は、調理機器200から受信したセンサ情報のセンサ値が、現在の調理工程に対応する条件情報の条件を満たした場合、上記センサ情報とともに受信した機能部の識別情報を調理機器200へ送り返すように通信部10を制御する。そして、調理機器200の制御部21は、通信部25により機能部の識別情報を受信すると、その識別情報が示す機能部に対応するリングの表示態様(例えば、点滅、色等)を変更するように制御する。これにより、ユーザは、次に使用すべき機能部を把握できる。
【0162】
また、例えば、複数の機能部のそれぞれにおいてフライパンが使用される場合、どのフライパンを使用しているのか判断する方法として、フライパンに搭載の加速度センサを用いてもよい。調理機器200の制御部21は、加速度センサによる検知結果に基づいてどのフライパンが使用されたかを判断し、フライパンごとに遷移指示情報を生成する。これにより、例えば、25cmフライパンが使用された場合と、15cmフライパンが使用された場合とで、調理工程画像の画面表示の遷移を別々に行うことができる。
【0163】
なお、上記実施の形態2または本変形例で説明した端末100において行われる判定処理(例えば、センサ値が条件を満たすか否かの判定、2つのセンサ値が一致するか否かの判定)は、例えば、調理機器200において行われてもよい。
【0164】
<変形例2>
上記実施の形態1〜4において、調理機器200(例えばIH調理器)または調理器具300(以下、便宜上、調理機器200として説明する)は、周辺状況に基づいて、通常操作受付状態と遷移操作受付状態とを自動的に切り替えてもよい。
【0165】
例えば、制御部21は、調理機器200の電源スイッチがオンされたときに、端末(例えばタブレット)100との通信を試みる。制御部21は、その通信の結果、端末100において調理支援が可能な状態(例えばアプリが起動中)であると判断した場合、記憶部24の状態情報の内容を、通常操作受付状態から遷移操作受付状態に更新する。一方、制御部21は、上記通信の結果、端末100において調理支援が不可能な状態(例えばアプリが停止中)であると判断した場合、記憶部24の状態情報の内容を、遷移操作受付状態から通常操作受付状態に更新する。
【0166】
なお、制御部21は、端末100との通信を一定間隔で試み、上述した判断結果に応じて、記憶部24の状態情報の内容を適宜更新してもよい。
【0167】
また、調理機器200において、現在通常操作受付状態または遷移操作受付状態のどちらの状態であるかをユーザに通知する表示機能(例えばLED)を備えてもよい。制御部21は、上述した状態情報の更新を行うと、その更新内容を示すように上記表示機能を制御する。
【0168】
また、上記では、端末100が調理支援可能状態であるか否かに応じて、通常操作受付状態と遷移操作受付状態とを切り替える例について説明したが、これに限定されない。例えば、制御部21は、機能部22に特定の調理器具(例えば対応フライパン)が置かれたことを検知した場合、記憶部24の状態情報の内容を、通常操作受付状態から遷移操作受付状態に更新するようにしてもよい。
【0169】
<変形例3>
上記実施の形態1〜4では、調理機器200または調理器具300(以下、便宜上、調理機器200として説明する)において、切替操作の受け付け手段として専用の切替部23を備える構成としたが、切替部23を備えずに入力部20において切替操作を受け付けるようにしてもよい。入力部20で行われる切替操作としては、例えば、
図3Aに示す入力ボタン20aと入力ボタン20bを同時に押下する操作、または、入力ボタン20aまたは入力ボタン20bのいずれかを長押しする操作などが挙げられる。
【0170】
<変形例4>
上記実施の形態1〜4において、調理機器200または調理器具300(以下、便宜上、調理機器200として説明する)の入力部20および切替部23は、調理機器200に着脱可能な構成としてもよい。例えば、調理機器200から取り外された入力部20および切替部23は、無線により調理機器200と通信を行ってもよい。あるいは、入力部20および切替部23は、マグネットにより調理機器200に接続されてもよい。この場合、入力部20および切替部23が調理機器200に置かれる位置に応じて、通常操作または遷移操作が決定されてもよい。
【0171】
<変形例5>
上記実施の形態1〜4では、調理機器200または調理器具300(以下、便宜上、調理機器200として説明する)としてIH調理器、ガスコンロ、フライパンを例示したが、調理機器200は、例えば、オーブンレンジ、デジタルスケール、加速度センサ付き調味料保管容器、または、調理用温度計であってもよい。以下、これらの具体例について説明する。
【0172】
まず、調理機器200がオーブンレンジである場合について説明する。例えば、端末100の出力部13において「オーブンレンジのドアを開けて下さい」というメッセージを含む調理工程画像が表示され、そのメッセージを見たユーザがオーブンレンジのドアを開けたとする。オーブンレンジは、ドアが開けられたことを検知すると、順遷移を指示する遷移指示情報を生成し、その情報を端末100へ送信する。その後、端末100は、遷移指示情報に基づく画面表示の遷移を行う。
【0173】
次に、調理機器200がデジタルスケールである場合について説明する。例えば、端末100の出力部13において「塩2gを計って下さい」というメッセージを含む調理工程画像が表示され、そのメッセージを見たユーザがデジタルスケールに塩2gを載せたとする。デジタルスケールは、塩2gを検知すると、順遷移を指示する遷移指示情報を生成し、その情報を端末100へ送信する。その後、端末100は、遷移指示情報に基づく画面表示の遷移を行う。
【0174】
次に、調理機器200が加速度センサ付き調味料保管容器(以下、保管容器という)である場合について説明する。例えば、端末100の出力部13において「塩の保管容器を5回振って下さい」というメッセージを含む調理工程画像が表示され、そのメッセージを見たユーザが塩の保管容器を5回振ったとする。保管容器は、加速度センサにより5回容器が振られたことを検知すると、順遷移を指示する遷移指示情報を生成し、その情報を端末100へ送信する。その後、端末100は、遷移指示情報に基づく画面表示の遷移を行う。
【0175】
次に、調理機器200が調理用温度計である場合について説明する。例えば、端末100の出力部13において「肉の中心が50度になるまで熱して下さい」というメッセージを含む調理工程画像が表示され、そのメッセージを見たユーザが肉の中心に調理用温度計を挿入し、その肉の加熱を行ったとする。調理用温度計は、50度を検知すると、順遷移を指示する遷移指示情報を生成し、その情報を端末100へ送信する。その後、端末100は、遷移指示情報に基づく画面表示の遷移を行う。
【0176】
<変形例6>
上記実施の形態1〜4では、端末100と通信する機器を調理機器200または調理器具300(以下、便宜上、調理機器200として説明する)としたが、これに限定されない。端末100と通信する機器は、例えば、複数の工程からなる作業(例えば、家具等の組み立て、電子機器等の設定など)を行う際に使用される機器であればよい。または、端末100と通信する機器は、例えば、ユーザがキッチンにいながらテレビの音声または音楽などを聞くことができるキッチンスピーカであってもよい。キッチンスピーカにおける通常操作は、例えば、テレビのチャンネルの選局または音楽の選曲を指示する操作である。
【0177】
以上、本発明に係る実施の形態1〜4の変形例を説明した。なお、上記変形例は任意に組み合わせてもよい。
【0178】
<コンピュータプログラムによる実現例>
以上、本発明に係る実施形態および変形例について図面を参照して詳述してきたが、上述した端末100および調理機器200、調理器具300(以下、各装置という)等の各機能は、コンピュータプログラムにより実現され得る。
【0179】
図15は、各部の機能をプログラムにより実現するコンピュータのハードウェア構成を示す図である。このコンピュータ1000は、入力ボタン、タッチパッドなどの入力装置1001、ディスプレイ、スピーカなどの出力装置1002、CPU(Central Processing Unit)1003、ROM(Read Only Memory)1004、RAM(Random Access Memory)1005を備える。また、コンピュータ1000は、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)などの記憶装置1006、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、USB(Universal Serial Bus)メモリなどの記録媒体から情報を読み取る読取装置1007、ネットワークを介して通信を行う送受信装置1008を備える。上述した各部は、バス1009により接続される。
【0180】
そして、読取装置1007は、上記各部の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置1006に記憶させる。あるいは、送受信装置1008が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各部の機能を実現するためのプログラムを記憶装置1006に記憶させる。
【0181】
そして、CPU1003が、記憶装置1006に記憶されたプログラムをRAM1005にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM1005から順次読み出して実行することにより、上記各部の機能が実現される。また、プログラムを実行する際、RAM1005または記憶装置1006には、各実施の形態で述べた各種処理で得られた情報が記憶され、適宜利用される。