特許第6561590号(P6561590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561590
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】パーティクル計数装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/06 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   G01N15/06 D
   G01N15/06 C
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-109862(P2015-109862)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-223887(P2016-223887A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2017年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】森 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】井上 統宏
(72)【発明者】
【氏名】梶山 理沙
(72)【発明者】
【氏名】山蔭 康弘
【審査官】 磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−230891(JP,A)
【文献】 実開昭62−123554(JP,U)
【文献】 特開2006−234836(JP,A)
【文献】 特開2005−172636(JP,A)
【文献】 実開平03−068048(JP,U)
【文献】 米国特許第05619043(US,A)
【文献】 特開2009−270917(JP,A)
【文献】 特開平07−035678(JP,A)
【文献】 特開平02−055937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00 − 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーティクルを測定対象領域に導入するための開口と、前記測定対象領域に導入されたパーティクルによる散乱光を検出して検出信号を生成する散乱光検出手段とを有する測定ヘッドと
記測定対象領域にレーザ光を出射する光照射手段を有するケース部と、
前記測定ヘッドと前記ケース部とを接続する接続部と
前記接続部と前記ケース部との間に挟持され、前記レーザ光を透過させる出射窓とを備えるパーティクル計数装置であって、
前記出射窓は、弾性封止体を介して前記ケース部に接触し、かつ、前記接続部に直接に接触していることを特徴とするパーティクル計数装置。
【請求項2】
前記出射窓には、反射防止コーティング膜が形成されていないことを特徴とする請求項1に記載のパーティクル計数装置。
【請求項3】
前記出射窓は、弾性体を介さず前記接続部と接触していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパーティクル計数装置。
【請求項4】
前記開口と前記出射窓との間で、前記出射窓の前方の所定領域に、レーザ光通過孔を有するブロックが配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のパーティクル計数装置。
【請求項5】
前記ブロックは、前記所定領域に取付け取外し可能となっていることを特徴とする請求項4に記載のパーティクル計数装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な塵埃(パーティクル)を検出するパーティクル計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、イオン注入装置や有機EL用成膜装置等の半導体製造装置は、パーティクルが半導体製造装置(真空の処理室)内に存在すると、このパーティクルがウェハに付着して歩留りが低下することが知られている。特に、近年のように半導体装置の高密度化や微細化が進むと、このパーティクルによる製造歩留りの低下は大きな問題となる。
【0003】
そこで、半導体製造装置には、その処理室内を浮遊するパーティクルをリアルタイムで検出するパーティクル計数装置が設けられている(例えば、特許文献1参照)。このパーティクル計数装置を用いて処理室内に存在するパーティクルを計測し、その計測値に基づいて製造プロセスの条件を最適化及びクリーニングすることにより、製造歩留りの低下を防止している。
【0004】
図3は、従来のパーティクル計測システムの一例を示す概略構成図である。また、図4は、図3に示すパーティクル計数装置の斜視図であり、図5は、図4の断面図である。
図3に示すパーティクル計測システムは、パーティクル計数装置100と、制御ユニット30と、パーソナルコンピュータ40と、制御ユニット30とパーソナルコンピュータ40とを接続するためのシリアルクロスケーブル33と、パーティクル計数装置100と制御ユニット30とを接続するためのコントロールケーブル34とを備える。
【0005】
パーティクル計数装置100は、ハウジング20と、発光素子となる半導体レーザ素子(光照射手段)13と、受光素子となるフォトダイオード(散乱光検出手段)14a、14bと、光学レンズ11と、出射窓板15と、ビームストッパ19と、半導体レーザ素子13を駆動するための前置増幅器(図示せず)とを備える。
【0006】
ハウジング20は、外径r、内径rの円筒形状の測定ヘッド21と、円筒形状のハーメチックフランジ(接続部)22と、円筒形状のケース部23とを有する。そして、測定ヘッド21は、ハーメチックフランジ22の前部にネジ機構等(図示せず)によって取り付け及び取り外しが可能となっている。
【0007】
ケース部23には、コントロールケーブル34と接続されるための接続口23aが形成されている。これにより、パーティクル計数装置100と制御ユニット30とは、コントロールケーブル34を介して信号の送受信が可能となっている。
また、ケース部23内には半導体レーザ素子13と、光学レンズ11とが配置されており、所定波長のレーザ光Lを前方に出射するようになっている。
【0008】
ハーメチックフランジ22は、前後方向に貫通する複数個のネジ穴22aを有する。このネジ穴22aにネジ42を通すことで、イオン注入装置41に形成されている接続口(測定対象物)41aとハーメチックフランジ22とを固定することが可能となっている。
【0009】
出射窓板15は、AR(反射防止)コーティング膜が形成されたサファイア製の円板体(直径r)であり、出射窓板15前面の周縁部とハーメチックフランジ22の円形状の開口部後面(直径r)の周縁部とがゴム製の円環形状のOリング(弾性体)111を介して接触するとともに、出射窓板15後面の周縁部とケース部23の開口部前面の周縁部とがゴム製の円環形状のOリング(弾性体)12を介して接触している。
【0010】
測定ヘッド21の内部には、直径rの円形状の開口17aを有する仕切板17が形成されており、この仕切板17により測定ヘッド21の内部は前部と後部とに分離されている。そして、測定ヘッド21の前側先端部には、レーザ光Lを吸収するビームストッパ19が配置されている。
【0011】
測定ヘッド21の壁面前部の所定位置には、上下方向に貫通し前後方向に延びる長孔状の開口18aが形成されるとともに、開口18aと上下方向に対向する測定ヘッド21の壁面の所定位置にも、上下方向に貫通し前後方向に延びる長孔状の開口18bが形成されている。つまり、開口18a、18bによりパーティクルが測定ヘッド21内部の前方部分(測定対象領域)に侵入するような構成となっている。
また、2つの開口18a、18bの間となる測定ヘッド21の前部側壁面の所定位置には、長方形状のフォトダイオード14aが配置されるとともに、このフォトダイオード14aと左右方向に対向する所定位置にも、長方形状のフォトダイオード14bが配置されている。フォトダイオード14a、14bは、光が照射されることによりパルス状の電気信号(以下「パーティクル信号」という)を生成する構成となっている。
【0012】
このようなパーティクル計数装置100によれば、半導体レーザ素子13から出射されたレーザ光Lは光学レンズ11により集光され、出射窓板15を通過し、仕切板17の開口17aを通過して測定ヘッド21内部の前方部分(測定対象領域)を通過した後にビームストッパ19に吸収される。このとき、パーティクルが測定対象領域に存在すれば、レーザ光Lとパーティクルとが衝突し、レーザ光Lはパーティクルにより散乱されて散乱光が発生する。この散乱光がフォトダイオード14a、14bで受光されることにより生成されたパーティクル信号は、コントロールケーブル34を介して制御ユニット30に出力される。
【0013】
制御ユニット30は、パーティクル信号(計測値)を整形してパーティクルの計数(処理結果)及びパーティクルの粒径(処理結果)を算出し、シリアルクロスケーブル33を介して処理結果をパーソナルコンピュータ40に出力する信号処理部(図示せず)と、コントロールケーブル34を介してパーティクル計数装置100の動作を制御する制御部(図示せず)とを備える。
【0014】
パーソナルコンピュータ40は、操作ボタンやキーボード等からなる入力部(図示せず)と、モニタ等からなる表示部40aと、信号処理部からの処理結果や計測値を表示部40aに表示したり入力部を用いて設定された測定条件(サンプリング周波数、閾値電圧、測定時間等)等を制御ユニット30にシリアルクロスケーブル33を介して出力したりする制御部(図示せず)と、記憶部(図示せず)とを備える。これにより、例えば、表示部40aには、パーティクル情報(例えば、一定時間の間に通過したパーティクルの数やその粒径及び通過速度等)がリアルタイムで表示される。そして、測定が終了すると、一連の測定結果(測定中の各時点におけるパーティクルの通過数、測定中に通過したパーティクル数の合計、粒径や通過速度の分布等)が測定ファイルとして記憶部に格納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平6−26823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
ところで、イオン注入装置41内では、主にウェハ表面に形成されているレジスト(カーボンを主成分とする)がイオンビームに飛ばされることによりパーティクル(汚染物質)となって浮遊する。このパーティクル(汚染物質)がパーティクル計数装置100の測定対象領域に侵入した後、出射窓板15に「吸い寄せられ」て、出射窓板15の前面に付着することがあり、その結果、レーザ光Lのパワーや検出能力の低下を招くという問題があった。そのため、分析者等は、定期的に溶剤をつけた綿棒を用いて出射窓板15の前面を清掃しなければならず、メンテナンスに手間がかかっていた。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本出願人は、出射窓板15の汚染を防止する方法について検討した。
パーティクル(汚染物質)が出射窓板15に付着することやレーザ光Lの反射を防止するために、出射窓板15上にはARコーティング膜が形成されている。ところで、計測時には粒径の小さいパーティクルに対応するために、405nm等の波長、500mWの「青い」レーザ光Lが使用されているが、この405nm等の波長の「青い」レーザ光Lがパーティクルを「呼び寄せる」(パーティクルが「負性光泳動現象」により出射窓板15側に移動する)ことが知られている。
【0018】
しかし、出射窓板15上に形成されたARコーティング膜は、レーザ光Lのエネルギを吸収・蓄積して温度上昇を招き、出射窓板15へのパーティクル(汚染物質)の「密着性」を向上させていた。また、その際、電界の強い出射窓板15の中心部ほどエネルギを溜めやすく、パーティクルがプロファイル状(局所的)に付着していた。よって、出射窓板15上にARコーティング膜を形成することは、パーティクルが出射窓板15周辺に存在(滞留)することを前提としており、パーティクルが引きつけられることについては考慮されていないことがわかった。
【0019】
そこで、出射窓板15の放熱性(筐体のハウジング20への放熱性)を向上させて、レーザ光Lのエネルギを「溜めこまない」ようにするとともに、局所的な温度勾配が発生しにくくすることにした。ここで、図6は、サファイア製の光学レンズ上にコーティング膜を形成した際の汚染結果(汚染レベル、DC降下率、EDX強度、顕微鏡観察)を示す表である。なお、図6における「汚染レベル」は、5段階評価で「5:良好(汚染無)→1:不充分(汚染有)」とした。
【0020】
図6に示す通り、実施例1に係るパーティクル計数装置(コーティング膜無し)及び実施例2に係るパーティクル計数装置(ITOコーティング膜(透明導電性膜)有り)は、汚染レベルが低く抑えられたが、比較例1に係るパーティクル計数装置(ARコーティング膜有り;図4参照)は、かなり汚染されていた。この結果、熱伝導効率のよいサファイア製の光学レンズに対しては、放熱性の悪いARコーティング膜を形成せずに実装した方がよいことがわかった。なお、光学レンズ上にARコーティング膜を形成しない場合には、光学レンズでのレーザ光の反射分を保証するためにレーザ光のパワーを上げる必要が生じるが、その際の反射分は約10%程度であり、実際の運用上には問題がないこともわかった。
【0021】
また、出射窓板15の放熱効率を向上させるため、出射窓板15を、後述する図2のように放熱性の悪いOリング(弾性体)111を介さずハウジング(筐体)20に「直置き」することも見出した。
【0022】
さらに、パーティクル(汚染物質)が上記の負性光泳動現象により出射窓板15側に移動して滞留することから、パーティクルが出射窓板15に接触する面積を減少させるため、細いレーザ光通過孔を有するブロックを出射窓板15の前方付近に配置することにした。ここで、図7は、ブロックを配置した際の汚染結果(汚染レベル、DC降下率、EDX強度、顕微鏡観察)を示す表である。なお、図7における「汚染レベル」は、図6と同様に5段階評価で「5:良好(汚染無)→1:不充分(汚染有)」とした。また、図8は、図7の比較例2に係るパーティクル計数装置の断面図であり、図9は、図7の参考例1に係るパーティクル計数装置の断面図である。
【0023】
ブロックの配置については、図8の比較例2に係る「長手型ブロック」を有するパーティクル計数装置101のように、出射窓板15と開口18a、18bとの前方空間、すなわちハーメチックフランジ22の開口部と仕切板17の間の空間をブロック10’で「埋めてしまう」形態も考えられる。しかしながら、この構成ではかえってパーティクル(汚染物質)が出射窓板15に到達する経路を提供することとなって、汚染が進行することがわかった。つまり、図9の参考例1に係る「短縮型ブロック」を有するパーティクル計数装置102のように、出射窓板15と開口18a、18bとの間にある程度の空間を残し、パーティクル(汚染物質)を「滞留」させるようなブロック10の配置が望ましいことを見出した。
【0024】
また、汚染発生時におけるブロック10及び出射窓板15の「清掃」を容易にするために、ブロック10は着脱可能とし、汚染発生時には取り外して清掃できるようにすることも見出した。
【0025】
すなわち、本発明のパーティクル計数装置は、パーティクルを測定対象領域に導入するための開口と、前記測定対象領域に導入されたパーティクルによる散乱光を検出して検出信号を生成する散乱光検出手段とを有する測定ヘッドと、前記測定対象領域にレーザ光を出射する光照射手段を有するケース部と、前記測定ヘッドと前記ケース部とを接続する接続部と、前記接続部と前記ケース部との間に挟持され、前記レーザ光を透過させる出射窓とを備えるパーティクル計数装置であって、前記出射窓は、弾性封止体を介して前記ケース部に接触し、かつ、前記接続部に直接に接触するようにしている。
【発明の効果】
【0026】
以上のように、本発明のパーティクル計数装置によれば、出射窓の放熱性を良好にして、出射窓の汚染を防止することができる。
【0027】
(その他の課題を解決するための手段及び効果)
また、本発明のパーティクル計数装置は、前記出射窓には、反射防止コーティング膜が形成されていないようにしてもよい。
また、本発明のパーティクル計数装置は、前記出射窓は、弾性体を介さず前記接続部と接触しているようにしてもよい。
【0028】
そして、本発明のパーティクル計数装置は、前記開口と前記出射窓との間で、前記出射窓の前方の所定領域に、レーザ光通過孔を有するブロックが配置されているようにしてもよい。
ここで、「所定領域」とは、設計者等によって予め決められた任意の距離であり、例えば、開口と出射窓との間の距離の5%以上20%以下であることが好ましく、12%であることが特に好ましい。
本発明のパーティクル計数装置によれば、ブロックが配置されることにより、できるだけ出射窓にパーティクル(汚染物質)が接触しないようにすることができる。
【0029】
さらに、本発明のパーティクル計数装置は、前記ブロックは、前記所定領域に取付け取外し可能となっているようにしてもよい。
本発明のパーティクル計数装置によれば、汚染発生時に出射窓及びブロックを容易に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係るパーティクル計数装置の断面図。
図2図1に示すパーティクル計数装置の分解断面図。
図3】パーティクル計測システムの一例を示す概略構成図。
図4図3に示すパーティクル計数装置の斜視図。
図5図4に示すパーティクル計数装置の断面図。
図6】サファイア製光学レンズ上へのコーティング膜形成時の汚染結果を示す表。
図7】ブロック配置時の汚染結果を示す表。
図8】比較例2に係るパーティクル計数装置の断面図。
図9】参考例1に係るパーティクル計数装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
【0032】
図1は、本発明に係るパーティクル計数装置の断面図であり、図2は、図1のパーティクル計数装置を分解して示した断面図である。なお、上述したパーティクル計測システムやパーティクル計数装置100と同様のものについては、同じ符号を付している。
本発明におけるパーティクル計測システムは、パーティクル計数装置1と、制御ユニット30と、パーソナルコンピュータ40と、制御ユニット30とパーソナルコンピュータ40とを接続するためのシリアルクロスケーブル33と、パーティクル計数装置1と制御ユニット30とを接続するためのコントロールケーブル34とを備える。
【0033】
パーティクル計数装置1は、ハウジング20と、発光素子となる半導体レーザ素子(光照射手段)13と、受光素子となるフォトダイオード(散乱光検出手段)14a、14bと、光学レンズ11と、出射窓板15と、ビームストッパ19と、半導体レーザ素子13を駆動するための前置増幅器(図示せず)と、ブロック10とを備える。
【0034】
ハウジング20は、外径r、内径rの円筒形状の測定ヘッド21と、円筒形状のハーメチックフランジ(接続部)22と、円筒形状のケース部23とを有する。そして、測定ヘッド21は、ハーメチックフランジ22の前部にネジ機構等(図示せず)によって取り付け及び取り外しが可能となっている。
【0035】
出射窓板15は、直径rのサファイア製の円板体である。なお、本発明における出射窓板15上には、ARコーティング膜が形成されていない。
そして、出射窓板15前面の周縁部とハーメチックフランジ22の円形状の開口部後面(直径r)の周縁部とが直接接触するとともに、出射窓板15後面の周縁部とケース部23の円形状の開口部前面の周縁部とが円環形状のOリング(弾性体)12を介して接触している。つまり、出射窓板15前面の周縁部とハーメチックフランジ22の円形状の開口部後面の周縁部には、Oリングは存在しない。
【0036】
ブロック10は、外径r、内径r、幅lの円筒体である。そして、ブロック10の着脱については、測定ヘッド21をハーメチックフランジ22から取り外すことにより、出射窓板15の前方側の所定領域においてブロック10を配置したり取り出したりすることが可能となっている。
【0037】
上記ブロック10の幅lは、仕切板17と出射窓板15との間の距離の5%以上20%以下であることが好ましく、12%であることが特に好ましい。また、上記内径rは、M3〜M6の雌ネジであり、M5雌ネジであることが特に好ましい。
【0038】
このようなパーティクル計数装置1によれば、半導体レーザ素子13から出射されたレーザ光Lは光学レンズ11により集光され、出射窓板15を通過し、ブロック10の開口(レーザ光通過孔)10aを通過し、さらに仕切板17の開口17aを通過して測定ヘッド21内部の前方部分(測定対象領域)を通過した後にビームストッパ19に吸収される。このとき、パーティクルが測定対象領域に存在すれば、レーザ光Lとパーティクルとが衝突し、レーザ光Lはパーティクルにより散乱されて散乱光が発生する。この散乱光がフォトダイオード14a、14bで受光されることにより生成されたパーティクル信号は、コントロールケーブル34を介して制御ユニット30に出力される。
【0039】
以上のように、本発明のパーティクル計数装置によれば、出射窓板15の放熱性を向上させることにより、出射窓板15の汚染を防止することができる。また、ブロック10が配置されることにより、できるだけ出射窓板15にパーティクル(汚染物質)が接触しないようにすることができる。さらに、汚染発生時にはブロック10及び出射窓板15を容易に清掃することができる。
【0040】
<他の実施形態>
上述したパーティクル計数装置1では、測定ヘッド21の先端部にビームストッパ19が配置される構成としたが、これに代えて、測定対象領域以外に光を反射する反射部材を配置する構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、パーティクルを検出するパーティクル計数装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1: パーティクル計数装置
10: ブロック
11:光学レンズ
13: 半導体レーザ素子(光照射手段)
14a、14b: フォトダイオード(散乱光検出手段)
15: 出射窓板
18a、18b: 開口
21: 測定ヘッド
22: ハーメチックフランジ(接続部)
23: ケース部
L: レーザ光
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9