(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一次集光部で集光した太陽光を二次集光部で発電素子に導く集光型太陽光発電ユニットであって、光路上の位置の上下関係を、前記二次集光部に対して前記一次集光部が上方にあると定義した場合、前記二次集光部は、
前記発電素子の上に設けられる二次レンズと、
前記発電素子を囲み、前記二次レンズを上に乗せる台であって、前記二次レンズを前記発電素子から上方へ浮かした状態で支持するレンズ支持部と、
前記二次レンズの表面を覆う、透光性の樹脂製の被覆部と、
前記発電素子と前記二次レンズとの隙間の空間を満たす透光性の樹脂製のシール部と、
太陽光を透過させない平板状の部材に形成された孔から前記二次レンズの上部を露出させ、前記二次レンズから外れた位置に集束する光を遮り、前記レンズ支持部に乗った状態で固着されている遮蔽板と、を備え、
前記レンズ支持部の上端面は、前記二次レンズに接する内側エッジ、及び、前記二次レンズに触れることなく前記内側エッジから外側へ拡がって前記被覆部の下端を受け止めている樹脂受け部を有し、
前記上端面は、前記二次レンズを前記内側エッジで支持する内側の低段部と、外側の高段部とを有し、
前記遮蔽板は前記高段部に乗った状態で固着されている、集光型太陽光発電ユニット。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
【0013】
(1)これは、一次集光部で集光した太陽光を二次集光部で発電素子に導く集光型太陽光発電ユニットであって、光路上の位置の上下関係を、前記二次集光部に対して前記一次集光部が上方にあると定義した場合、前記二次集光部は、
前記発電素子の上に設けられる二次レンズと、前記発電素子を囲み、前記二次レンズを上に乗せる台であって、前記二次レンズを前記発電素子から上方へ浮かした状態で支持するレンズ支持部と、前記二次レンズの表面を覆う、透光性の樹脂製の被覆部と、前記発電素子と前記二次レンズとの隙間の空間を満たす透光性の樹脂製のシール部と、を備え、
前記レンズ支持部の上端面は、前記二次レンズに接する内側エッジ、及び、前記二次レンズに触れることなく前記内側エッジから外側へ拡がって前記被覆部の下端を受け止めている樹脂受け部を有している。
【0014】
上記の集光型太陽光発電ユニットでは、被覆部が二次レンズと空気との間に介在することにより、光の反射を抑制し、発電効率を向上させる。また、レンズ支持部の上端面は、二次レンズに接する内側エッジから二次レンズに触れることなく外側へ拡がって被覆部の下端を受け止める樹脂受け部を有している。このような上端面は、製造過程で液状樹脂を二次レンズに垂らして被覆部を形成する場合に、液状樹脂の受け皿となることができ、液状樹脂がレンズ支持部の外側にこぼれ出ることを抑制できる。
【0015】
(2)また、(1)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、前記上端面は、前記内側エッジから外側に向かって高くなる形状を含んでいてもよい。
この場合、液状樹脂を二次レンズに垂らして被覆部を形成する場合に、液状樹脂の受け皿となることができ、かつ、液状樹脂が外側へこぼれ出ることを確実に防止できる。
【0016】
(3)また、(1)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、太陽光を透過させない平板状の部材に形成された孔から前記二次レンズの上部を露出させ、前記二次レンズから外れた位置に集束する光を遮る遮蔽板が、前記レンズ支持部に乗った状態で固着されていてもよい。
この場合、太陽の追尾のずれによって光軸のずれが生じたとき(OFF−AXISのとき)二次レンズに入射しない光を遮蔽板が遮るので、遮蔽板の下にあるレンズ支持部その他の焼損を防止することができる。
【0017】
(4)また、(3)の集光型太陽光発電ユニットにおいて、前記上端面は、前記二次レンズを前記内側エッジで支持する内側の低段部と、外側の高段部とを有し、前記遮蔽板は前記高段部に乗った状態で固着されている、という構成であってもよい。
この場合、高段部による遮蔽板の安定した支持が容易である。
【0018】
(5)また、(1)〜(4)のいずれかの集光型太陽光発電ユニットにおいて、前記レンズ支持部は、前記発電素子を収容するパッケージの一部であってもよい。
この場合、パッケージと一体で、レンズ支持部を容易に、精度良く作製することができる。また、共通のパッケージに支持される発電素子と二次レンズとは、互いの光学的な位置関係を正確に維持することができる。
【0019】
(6)また、(1)の集光型太陽光発電ユニットを複数個並べて成る集光型太陽光発電モジュールとすることができる。
(7)また、(6)の集光型太陽光発電モジュールを複数個並べて成る集光型太陽光発電パネルとすることができる。
(8)また、(7)の集光型太陽光発電パネルと、当該集光型太陽光発電パネルが太陽の方向を向いて太陽の動きに追尾動作するように駆動する駆動装置とを備えた集光型太陽光発電装置とすることができる。
【0020】
[実施形態の詳細]
《集光型太陽光発電装置/集光型太陽光発電パネル》
以下、本発明の実施形態の詳細について、図面を参照して説明する。まず、集光型太陽光発電装置の構成から説明する。
【0021】
図1は、集光型太陽光発電装置の一例を示す斜視図である。図において、集光型太陽光発電装置100は、集光型太陽光発電パネル1と、これを背面側で支持する支柱3a及びその基礎3bを備える架台3とを備えている。集光型太陽光発電パネル1は、多数の集光型太陽光発電モジュール1Mを縦横に集合させて成る。この例では、中央部を除く、62個(縦7×横9−1)の集光型太陽光発電モジュール1Mが縦横に集合している。1個の集光型太陽光発電モジュール1Mの定格出力が例えば約100Wであるとすると、集光型太陽光発電パネル1全体としては、約6kWの定格出力となる。なお、これらの数値は一例に過ぎない。
【0022】
集光型太陽光発電パネル1の背面側には、駆動装置(図示せず)が設けられており、この駆動装置を動作させることにより、集光型太陽光発電パネル1を方位角及び仰角の2軸に駆動することができる。これにより、集光型太陽光発電パネル1は、常に、方位角及び仰角の双方において太陽の方向へ向くよう駆動される。また、集光型太陽光発電パネル1のいずれかの場所(この例では中央部)又は当該パネル1の近傍には追尾センサ4及び日射計5が設けられている。太陽の追尾動作は、追尾センサ4と、設置場所の緯度、経度、時刻から算出される太陽の位置とを頼りにして行われる。
【0023】
すなわち、上記の駆動装置は、太陽が所定角度動くごとに、その所定角度だけ集光型太陽光発電パネル1を駆動する。所定角度動いたという事象は、追尾センサ4によって判定してもよいし、緯度・経度・時刻によって判定することもできる。従って、追尾センサ4は省略される場合もある。所定角度とは、例えば一定値であるが、太陽の高度や時刻によって値を変えることも可能である。
【0024】
図2は、上記駆動装置等を含めた集光型太陽光発電システムの一例を示す図である。なお、これは、追尾動作制御の観点から見た図である。
図2において、集光型太陽光発電装置100は、前述のように、例えば背面側に太陽の追尾動作のための駆動装置200を備えている。駆動装置200は、仰角方向への駆動用のステッピングモータ201e、方位角方向への駆動用のステッピングモータ201aと、これらを駆動する駆動回路202とを備えている。なお、ステッピングモータは一例に過ぎず、他の動力源でもよい。
【0025】
日射計5の出力信号は、駆動回路202及び制御装置400に入力される。また、集光型太陽光発電パネル1の発電電力は、電力計300で検知することができ、制御装置400には検知した電力を示す信号が入力される。駆動装置200は、集光型太陽光発電パネル1の設置場所の緯度、経度を記憶し、また、時計機能を有している。駆動装置200は、追尾センサ4の出力信号と、緯度・経度・時刻から演算される太陽の位置とに基づいて、集光型太陽光発電パネル1が常に太陽に向くよう、追尾動作を行う。但し、前述のように、追尾センサ4は設けない場合もある。その場合には、緯度・経度・時刻から演算される太陽の位置にのみ基づいて追尾動作が行われる。
【0026】
《集光型太陽光発電モジュールの一例》
図3は、集光型太陽光発電モジュール(以下、単にモジュールとも言う。)1Mの一例を拡大して示す斜視図(一部破断)である。図において、モジュール1Mは、底面11aを有する矩形の器状の筐体11と、底面11aに接して設けられたフレキシブルプリント配線板12と、筐体11の鍔部11bに、蓋のように取り付けられた一次集光部13とを、主要な構成要素として備えている。筐体11の少なくとも底面11aは、金属製である。フレキシブルプリント配線板12の出力の終端は、プラス側と、マイナス側とに分けられて、例えば、底面11aから背面側へ突出して設けられた接続箱14,15に引き出されている。なお、フレキシブルプリント配線板12の形状・配置は一例に過ぎず、その他、種々の形状・配置があり得る。
【0027】
一次集光部13は、フレネルレンズアレイであり、太陽光を集光するレンズ要素としてのフレネルレンズ13fがマトリックス状に複数個(例えば縦14×横10で、140個)並んで形成されている。このような一次集光部13は、例えば、ガラス板を基材として、その裏面(内側)にシリコーン樹脂膜を形成したものとすることができる。フレネルレンズは、この樹脂膜に形成される。
【0028】
図4は、フレキシブルプリント配線板12を拡大した斜視図である。図において、
図3では詳細を省略して簡略に示したが、本例のフレキシブルプリント配線板12は、フレキシブル基板12f上に、図示しない導電パターンが形成されており、発電素子(
図4には図示せず。)が搭載されている。発電素子は、パッケージ17の内部に組み込まれている。パッケージ17上には、球状レンズである二次レンズ18が取り付けられている。発電素子を含むパッケージ17及び二次レンズ18は、二次集光部16を構成している。パッケージ17の外側には、バイパスダイオード19が設けられている。この例のフレキシブル基板12fは、二次集光部16を搭載する箇所で幅が太くなり、それ以外では細くなって基板材料を節減している。
【0029】
《集光型太陽光発電ユニット》
図5は、上記のモジュール1Mを構成する光学系基本単位としての、集光型太陽光発電ユニット(以下、単にユニットとも言う。)1Uを示す略図である。すなわち、ユニット1Uは、一次集光部としてのフレネルレンズ13f(一次レンズ)で集光した太陽光を二次集光部16で、その中に組み込まれている発電素子20に導くものである。
ここで、光路上の位置の上下関係を、二次集光部16に対して一次集光部(フレネルレンズ13f)が上方にあると考えて、「上」又は「下」の、方向性を表す文言を用いるものとする。
【0030】
《二次集光部の構成》
以下、二次集光部16の構成の各実施形態について説明する。
第1、第2実施形態は、光の透過率を高めつつ、製造が容易な構造とすることを主眼としたものである。また、第3〜7実施形態は、集光位置がずれた場合の発電素子周辺の保護を簡易かつ製造容易な構造で実現することを主眼としたものである。
但し、各実施形態については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。
【0031】
(第1実施形態)
図6の(a)は、二次集光部16の第1実施形態を示す平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。図において、発電素子20は、樹脂製のパッケージ17に搭載されている。パッケージ17の底部に埋め込まれた電気接続用のリードフレーム21a,21bはそれぞれ、発電素子20の両極に接続されている。パッケージ17を構成する樹脂としては、例えば、ポリアミドやエポキシが適する。
【0032】
パッケージ17は、底部17bと一体に、レンズ支持部17aを備えている。レンズ支持部17aは、発電素子20を囲み、二次レンズ18を上に乗せる枠状の台である。なお、この「枠状の台」は、四角筒状であるが、その他、円筒状あるいは種々の多角筒状であってもよい。レンズ支持部17aの上端面は平面であり、樹脂受け部17rとなっている。二次レンズ18に当接するのは、上端面の内側エッジ17eである。
【0033】
レンズ支持部17aがパッケージ17の一部であることにより、パッケージ17と一体でレンズ支持部17aを容易に、精度良く作製することができる。また、共通のパッケージ17に支持される発電素子20と二次レンズ18とは、互いの光学的な位置関係を正確に維持することができる。
【0034】
二次レンズ18は、球状レンズであり、発電素子20から少し離れて(浮かせて)、レンズ支持部17aに支持されている。レンズ支持部17a内での発電素子20と二次レンズ18との隙間の空間は透光性の樹脂で満たされたシール部22sとなっている。シール部22sにより発電素子20は密封され、水分や埃等が発電素子20に付着しないよう保護されている。シール部22s用の樹脂は例えばシリコーンであり、液状態で流し込まれ、固化してシール部22sとなる。
【0035】
レンズ支持部17aより上方へ出ている二次レンズ18の表面は、被覆部22cにより覆われている。被覆部22cは、シール部22sと同様に透光性の樹脂製であり、樹脂とは例えばシリコーンである。被覆部22cは、二次レンズ18の頂部から液状態のシリコーンを垂らすことにより、容易に形成することができる。
図6の(b)では簡略に図示しているが、二次レンズ18の概ね上半球の表面では被覆部22cは薄膜状になって固化し、被覆部22cの下端は、樹脂受け部17r上に乗って、少し溜まった状態で固化する。
【0036】
上記の「薄膜状」とは、
図6の(b)では図示の便宜上、厚めに描いているが、厚さが例えば0.2mm以下である。空気の屈折率1.0に対して、二次レンズ18及び被覆部22cの屈折率は、例えば以下の通りである。この数値範囲は、太陽光に含まれる紫外光(波長300nm)から赤外光(波長2000nm)までの波長の光に対して、好適な屈折率を設定するものである。
二次レンズ:1.40〜1.60
被覆部 :1.35〜1.55
【0037】
被覆部22cの屈折率は、空気より高い。また、二次レンズ18より低いものを選択する。これらの関係と、被覆部22cが薄膜状であることによって、二次レンズ18に入射しようとする光の反射が抑制できる。これにより、具体的には2〜3%、二次レンズ18の光の透過率を改善することができる。これにより、発電効率が向上する。
【0038】
一方、
図6の(b)に示すように、樹脂受け部17rは、二次レンズ18に接する内側エッジ17eから二次レンズ18に触れることなく外側へ拡がっている。そのため、被覆部22cの下端が若干外側に広がっても、これを受け止めることができる。
すなわち、樹脂受け部17rは、製造過程で液状樹脂を二次レンズに垂らして被覆部を形成する場合に、液状樹脂の受け皿となることができ、液状樹脂がレンズ支持部17aの外側にこぼれ出ることを抑制できる。
【0039】
図7は、二次レンズ18による光の屈折を示す図である。(a)は、太陽光に含まれる光のうち、波長の短い光(例えば紫外光:波長300nm)の屈折を、(b)は、波長の長い光(例えば赤外光:波長2000nm)の屈折を、それぞれ示している。このような二次レンズ18の存在により、入射光の光軸が若干ずれても、発電素子20へ光を導くことができる。すなわち、フレネルレンズ13fとは別に、発電素子20の近くに二次レンズ18を設けることで、光エネルギーを小さなエリアに集中するとともに、一次集光部であるフレネルレンズ13fに対する二次集光部16の光軸のずれの影響を緩和して、集光精度を高めることができる。
【0040】
(第2実施形態)
図8は、二次集光部16の第2実施形態を示す断面図である。第1実施形態(
図6の(b))との違いは、レンズ支持部17aの上端面の形状である。すなわち、レンズ支持部17aの上端面は、内側エッジ17eから途中までは平坦面であるが、途中から外側端まで上り傾斜している。このような形状にすることにより、製造過程で被覆部22cの下端を受け止める「受け皿」としての機能がより効果的になり、液状樹脂がレンズ支持部17aの外側へこぼれ出ることを確実に防止できる。
その他の各部の構成は、第1実施形態と同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
図9は、第2実施形態のレンズ支持部17aのバリエーションを示した断面図である。(a)は、上端面の内側エッジ17eから外側まで一定勾配で徐々に高くなるように傾斜させた例である。(b)は、上端面の内側エッジ17eから外側まで円弧状に徐々に高くなるようにした例である。(c)は、上端面の内側エッジ17eから途中まで上り傾斜し、途中のピークより外側へは下り傾斜させた例である。(d)は、上端面の内側エッジ17eから途中まで平坦面で、途中から垂直に立ち上げてピークとし、ピークより外側へは下り傾斜させた例である。
【0042】
図8及び、
図9の4例は例示に過ぎず、要するに、レンズ支持部17aの上端面は、内側エッジから外側に向かって高くなる形状を含んでいればよい。
この場合、液状樹脂を二次レンズ18に垂らして被覆部22cを形成する場合に、レンズ支持部17aの上端面が液状樹脂の受け皿となることができ、かつ、液状樹脂が外側へこぼれ出ることを確実に防止できる。
【0043】
(第3実施形態)
図10は、二次集光部16の第3実施形態を示す断面図である。第1実施形態(
図6の(b))との違いは、遮蔽板23が設けられている点、及び、レンズ支持部17aの上端面の形状である。遮蔽板23は、太陽光を透過させない平板状の部材であり、中央に孔23aが形成された円板状部材で、ワッシャのような形状である。但し、遮蔽板23の輪郭は、円でも四角でもよい。また、遮蔽板23としては、耐熱性のある軽量な部材が好適であり、材質は、例えば金属製(例えばアルミ、鉄、銅)である。従って、簡易な形状、軽量、かつ、安価な部材を、遮蔽板23とすることができる。なお、金属以外ではセラミック製とすることもできる。
【0044】
遮蔽板23は、孔23aから二次レンズ18の上部を露出させ、レンズ支持部17aに乗った状態で固着されている。遮蔽板23は、二次レンズ18から外れた位置に集束する光を遮り、その下にあるレンズ支持部17aを含むパッケージ17その他の焼損を防止する。
【0045】
すなわち、このような二次集光部16の構成では、遮蔽板23が、二次集光部を構成する一要素となっており、レンズ支持部17aに乗った状態で固着されている。例えば追尾のずれによって集束する光軸のずれ(OFF−AXIS)が生じたとき、二次レンズ18から外れた位置に集束する光を遮蔽板23によって遮ることで、遮蔽板23の下にあるレンズ支持部17aその他の焼損を防止することができる。
【0046】
レンズ支持部17aの上端面は、内側が低く、外側が高い2段形状になっている。内側の低段部は、すなわち樹脂受け部17rであり、被覆部22cの下端を受け止めるとともに、内側エッジ17eで二次レンズ18を支持する。外側の高段部17hは、遮蔽板23を乗せる台座となっている。
【0047】
このような形状とすることにより、高段部17hで遮蔽板23を支持し、低段部の樹脂受け部17rで二次レンズ18を支持することができる。また、低段部の樹脂受け部17rは、液状樹脂を二次レンズ18に垂らして被覆部22cを形成する場合に、液状樹脂の受け皿となることができ、かつ、高段部17hにより液状樹脂が外側へこぼれ出ることを確実に防止できる。なお、液状樹脂は、二次レンズ18と遮蔽板23の孔23aの内周との隙間から樹脂受け部17rに垂れ込んで固化することにより、結果的に、遮蔽板23における孔23aの縁部23bは、被覆部22cに食い込んだ形となる。従って、被覆部22cで遮蔽板23を固定することができる。
【0048】
(第4実施形態)
図11は、二次集光部16の第4実施形態を示す断面図である。第3実施形態(
図10)との違いは、遮蔽板23の孔23aの内径が、被覆部22cを施した二次レンズ18の外径より大きい点である。この場合、先に被覆部22cを形成してから、被覆部22cと干渉することなく、遮蔽板23を取り付けることができる。遮蔽板23は、高段部17hの上面と接着することにより、固定することができる。
【0049】
(第5実施形態)
図12は、二次集光部16の第5実施形態を示す断面図である。第3、第4実施形態(
図10、
図11)との違いは、シール部22sが機能的に、レンズ支持部をも兼ねている点である。また、遮蔽板23も、レンズ支持部を兼ねるシール部22sに固着されている。従って、パッケージ17の一部としてのレンズ支持部は、この実施形態では存在しない。また、シール部22sは、被覆部22cとも繋がっている。遮蔽板23の孔23aの内径は、被覆部22cを施した二次レンズ18の外径より大きい。
【0050】
図12のようなシール部22s及び被覆部22cは、例えば、樹脂モールドによって作製することができる。
この場合、各部を安定した品質で画一的に作製することができる。
【0051】
(第6実施形態)
図13は、二次集光部16の第6実施形態を示す断面図である。第3、第4実施形態(
図10、
図11)との違いは、被覆部を省いている点と、レンズ支持部17aの上端面が平坦面である点とである。レンズ支持部17aは、二次レンズ18を内側エッジ17eで支持するとともに、遮蔽板23を支持し、固着させる台座にもなっている。この場合、レンズ支持部17aの上端面の形状が簡素である。
【0052】
(第7実施形態)
図14は、二次集光部16の第7実施形態を示す断面図である。第6実施形態(
図13)との違いは、遮蔽板23を、より大きく拡げている点である。
この場合の遮蔽板23は、フレキシブル基板12f上で、パッケージ17の近くに設けられるバイパスダイオード19についても、二次レンズ18から外れた位置に集束する光から遮蔽する。言い換えれば、遮蔽板23は、バイパスダイオード19についても遮蔽する大きさを有している。こうして、遮蔽板23は、バイパスダイオード19の焼損をも防止することができる。
【0053】
《二次レンズのバリエーション》
二次集光部16に関する上記各実施形態において、二次レンズ18は代表的な球状レンズとして説明した。但し、球状レンズに限定される訳ではなく、二次レンズは他にも種々の形状であり得る。
【0054】
図15は、二次レンズ18の形状のバリエーションを示す図である。
二次レンズの形状としては、既に示した(a)の球状の他、以下の形状が採用可能である。
(b)楕円体型:楕円の回転体
(c)半球逆円錐型:上が半球体で、下が逆円錐
(d)ホモジナイザ型:上面が平面(正方形)で、その下が角錐(四角錐)
(e)雫型:上部が円錐で、下部が半球体
(f)平凸型:上面が円形の平面で、その下が半球体
【0055】
上記のような種々の形状はいずれも、少なくとも一部に、球面、楕円体面、円錐面、逆向きの角錐面のいずれか1つ以上を有する。このような形状の二次レンズ18は、取り込んだ光を屈折又は全反射させながら、下方、すなわち発電素子へ導く作用をする。
このような形状の二次レンズによれば、一次集光部と光軸が若干ずれても発電素子へ導く光量が大きく減少しないという利点がある。なお、レンズ支持部は、これらの各種形状に合わせて作製することができる。
【0056】
《モジュール/パネル/装置》
上記のような二次集光部16によれば、第1、第2実施形態では、光の透過率を高めつつ、製造が容易な構造とすることができる。また、第3〜7実施形態では、集光位置がずれた場合の発電素子周辺の保護を簡易かつ製造容易な構造で実現することができる。いずれの場合も、二次集光部16の完成度を高め、集光型太陽光発電ユニット1Uに安定した性能をもたらす。
同様に、集光型太陽光発電モジュール1M、集光型太陽光発電パネル1、さらには、集光型太陽光発電パネル1が太陽の方向を向いて太陽の動きに追尾動作するように駆動する駆動装置200を備えた集光型太陽光発電装置100について、安定した性能をもたらすことができる。
【0057】
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0058】
但し、上記発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載した発明の他、例えば以下に付記する発明も含まれている。
(付記1)
一次集光部で集光した太陽光を二次集光部で発電素子に導く集光型太陽光発電ユニットであって、光路上の位置の上下関係を、前記二次集光部に対して前記一次集光部が上方にあると定義した場合、前記二次集光部は、
前記発電素子の上に設けられる二次レンズと、
前記二次レンズを支持するレンズ支持部と、
太陽光を透過させない平板状の部材に形成された孔から前記二次レンズの上部を露出させ、かつ、前記レンズ支持部に乗った状態で固着され、前記二次レンズから外れた位置に集束する光を遮る遮蔽板と、
を備えている集光型太陽光発電ユニット。
なお、前記遮蔽板は、中央に前記孔が形成された円板状部材であってもよい。