特許第6561705号(P6561705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561705
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20190808BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20190808BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H04M1/02 C
   G06F1/16 312L
   G06F1/16 312G
   G06F1/16 312E
   H05K5/02 L
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-177991(P2015-177991)
(22)【出願日】2015年9月9日
(65)【公開番号】特開2017-55271(P2017-55271A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2018年6月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 剛樹
(72)【発明者】
【氏名】山東 由幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 康史
(72)【発明者】
【氏名】中根 智史
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0060684(KR,A)
【文献】 特開2005−340683(JP,A)
【文献】 特開2012−195631(JP,A)
【文献】 特開2014−120076(JP,A)
【文献】 特開2010−067730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/02
G06F 1/16
H05K 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用の画面と、
前記画面が搭載される第1面を有する第1部材と、
前記第1部材と嵌合して、内部空間を有し且つ前記第1面を一方の面とする板状の筐体を形成し、前記筐体の前記第1面と反対側の第2面を有する第2部材と、
前記内部空間に前記第1部材及び前記第2部材に対して固定され配置される第3部材と、
前記第1部材の前記内部空間の壁から前記第2部材の方向に突出するように、前記筐体の四隅近傍に配置されたボスと、
前記ボスと前記第1部材の前記四隅の側壁とを接続する接続部材と、
前記内部空間に配置された前記第3部材と接触するように前記ボスから延びる接触部材と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ボスは、前記第1部材と前記第2部材又は前記第3部材とを固定する留具受けであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1部材と前記第2部材とを組み合わせた状態での前記筐体の側面の四隅における前記第1面の近傍に配設された突起をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記四隅は前記突起の頂点に向かって前記第2面側から広がっていく形状を有することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記四隅の近傍に配置され、前記第1部材と前記第2部材とを厚み方向に固定する留具と、
前記第1部材と接触し、前記留具の内側を経由し且つ前記筐体の側面近傍を経由する環状の経路を有する防水部材と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、時間や場所を問わずに、情報にアクセスするために、タブレット型端末装置などの薄型で軽量な小型の情報処理装置が多く普及してきている。このような、小型の情報処理装置は持ち運ぶことが多いため、誤って落下させてしまう事態が多々発生する。
【0003】
一方、このような小型の情報処理装置では、薄型化、軽量化及び小型化の要望が大きく、また製造者にとってはコストダウンも重要な事項であり、堅牢性の対策が取りにくい状態にある。しかし、小型の情報処理装置は、極めて精密な電子部品が高密度に内蔵されていることから、耐衝撃性が著しく低い。そのため、誤って落下させた場合、情報処理装置が損壊してしまい、誤動作の発生や動作不能に陥る危険性が高い。
【0004】
このような耐衝撃性の観点から、小型の情報処理装置において、筐体の四隅を画面方向に突出させる従来技術が提案されている。このように筐体の四隅を画面方向に突出させることで、カバーガラスが直接地面と接触することを回避し、落下によるカバーガラスの割れを防止する従来技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−99686号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、タブレット型端末装置などは、タッチパネルなどを搭載する側に重心が存在する。そのため、タブレット型端末装置が角を下に落下した場合、角が地面に接触した後に、重心方向、すなわちタッチパネル方向に倒れていく可能性が高い。その場合、タッチパネル方向に倒れながら、落下により上からの力がタブレット型端末装置にくわわるため、筐体がタッチパネル面を押し出すような形で反ることになる。タッチパネル面を押し出すような形で筐体が沿った場合、タッチパネルが引っ張られる方向にタブレット型端末装置が曲がってしまう。
【0007】
この点、タッチパネルは、強化ガラスを使用しているので、正面からの衝撃などにはある程度の耐性を有するが、特性上引っ張りには比較的弱い構造となっている。そのため、タブレット型端末装置が落下した場合、タッチパネルが引っ張られることで、割れてしまう可能性が高かった。
【0008】
また、筐体の四隅を画面方向に突出させる従来技術を用いても、角を下にした落下時には、同様の作用が働き、タッチパネルの損壊を防ぐことは困難であった。
【0009】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、落下に伴う破損を軽減する情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願の開示する情報処理装置は、一つの態様において、表示用の画面を有する。第1部材は、前記画面が搭載される第1面を有する。第2部材は、前記第1部材と嵌合して、内部空間を有し且つ前記第1面を一方の面とする板状の筐体を形成し、前記筐体の前記第1面と反対側の第2面を有する。第3部材は、前記内部空間に前記第1部材及び前記第2部材に対して固定され配置される。ボスは、前記第1部材の前記内部空間の壁から前記第2部材の方向に突出するように、前記筐体の四隅近傍に配置される。接続部材は、前記ボスと前記第1部材の前記四隅の側壁とを接続する。接触部材は、前記内部空間に配置された前記第3部材と接触するように前記ボスから延びる。
【発明の効果】
【0011】
本願の開示する情報処理装置の一つの態様によれば、落下に伴う破損を軽減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、タブレット型端末装置をタッチパネル側から見た斜視図である。
図2図2は、タブレット型端末装置をリアカバー側から見た斜視図である。
図3図3は、タブレット型端末装置の分解斜視図である。
図4図4は、タブレット型端末装置の平面図である。
図5A図5Aは、実施例1に係るタブレット型端末装置の角の部分の斜視図である。
図5B図5Bは、実施例1に係るタブレット型端末装置の角の部分を他の角度から見た斜視図である。
図6図6は、実施例1に係るタブレット型端末装置の角の部分の平面図である。
図7図7は、タブレット型端末装置が角を下にして落下した場合の状態を説明するための図である。
図8図8は、変形例1に係るタブレット型端末装置の角の部分の斜視図である。
図9図9は、変形例2に係るフロントカバーの角の部分の側面図である。
図10図10は、変形例3に係るフロントカバーの角の部分の側面図である。
図11図11は、実施例2に係る中子カバーの斜視図である。
図12図12は、ネジ止め箇所が角から離れた位置に配置された中子カバーの斜視図である。
図13図13は、ネジ止め箇所が角から離れた位置に配置されたタブレット型端末装置にかかる力を表す図である。
図14図14は、実施例3に係るフロントカバーの角の部分の斜視図である。
図15図15は、実施例3に係るフロントカバーと中子カバーとが嵌合した状態を表す図である。
図16図16は、変形例4に係るタブレット型端末装置の角の部分の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本願の開示する情報処理装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する情報処理装置が限定されるものではない。
【実施例1】
【0014】
図1は、タブレット型端末装置をタッチパネル側から見た斜視図である。また、図2は、タブレット型端末装置をリアカバー側から見た斜視図である。
【0015】
タブレット型端末装置100は、タッチパネル1、フロントカバー2及びリアカバー3を有する。タッチパネル1は、フロントカバー2の上に配置される。またタッチパネル1を搭載したフロントカバー2とリアカバー3は組み合わされて嵌合し、内部に空間を有する1つの筐体を形成する。
【0016】
以下では、リアカバー3からタッチパネル1へ向かう方向をZ方向、タッチパネル1からリアカバー3へ向かう方向を逆Z方向という。また、タブレット型端末装置100の短手方向で図の矢印の向かう方向をY方向とし、その逆方向を逆Y方向という。また、タブレット型端末装置100の長手方向で図の矢印の向かう方向をX方向とし、その逆方向を逆X方向という。
【0017】
図3は、タブレット型端末装置の分解斜視図である。タブレット型端末装置100は、Z方向に向けて、リアカバー3、中子カバー4、内部部品5、フロントカバー2及びタッチパネル1の順に重ねられ組み上げられる。
【0018】
タッチパネル1は、例えば液晶ディスプレイを有する。そして、タッチパネル1は、ディスプレイへの画像の表示を行う。また、タッチパネル1は、ディスプレイが押圧されることにより押圧された画面上の位置の入力を受ける。このタッチパネル1が、「表示用の画面」の一例にあたる。
【0019】
フロントカバー2は、タッチパネル1のはめ込み用の枠を有する。また、フロントカバー2は、タブレット型端末装置100のタッチパネル1の周りのカバー及び側面のカバーを有する。そして、タッチパネル1が搭載されたフロントカバー2は、中子カバー4と組み合わされることで、中子カバー4に組み付けられた内部部品5を覆う。このフロントカバー2が、「第1部材」の一例にあたる。そして、フロントカバー2におけるタッチパネル1の搭載面が、「第1面」の一例にあたる。
【0020】
内部部品5は、メインボードを含むタブレット型端末装置100の各種機能を実現する部品群である。内部部品5には、他にもハードディスク、通信装置、スピーカ及び接続ケーブルなどが含まれる。
【0021】
中子カバー4は、内部部品5を組み付ける部材である。中子カバー4は、内部部品5が取り付けられた状態で、フロントカバー2及びリアカバー3で覆われる。具体的には、中子カバー4には、CPU(Central Processing Unit)を搭載するメインボードが取り付けられる。さらに、中子カバー4には、例えば、W−LAN(Wireless Local Area Network)アンテナ、スピーカ及びマイクなどが取り付けられる。
【0022】
中子カバー4は、フロントカバー2及びリアカバー3により外部が覆われる。すなわち、中子カバー4は、フロントカバー2とリアカバー3とが組み合わされたことで形成される内部の空間に配置される。
【0023】
さらに、本実施例における中子カバー4は、フロントカバー2と接する場所に防水パッキンが配置される。防水パッキンは、中子カバー4に搭載された部品を囲むように配置される。この防水パッキンにより、中子カバー4に搭載された部品への外部からの水の侵入が防がれる。ただし、防水性を向上させなくてもよい場合、防水パッキンは設けられなくてもよい。この中子カバー4が、「第3部材」の一例にあたる。
【0024】
リアカバー3は、中子カバー4のフロントカバー2と反対の側の面を覆う。そして、リアカバー3は、中子カバー4を挟みフロントカバー2と嵌合させられ、ネジなどの留具によってリアカバー3と結合される。リアカバー3と中子カバー4との間に、バッテリなどが配置されてもよい。このリアカバー3が、「第2部材」の一例にあたる。また、リアカバー3のフロントカバー2と逆方向に向いた面が、「第2面」の一例にあたる。タブレット型端末装置100は、フロントカバー2及びリアカバー3が組み合わさり嵌合することにより形成される板状の筐体を有する。
【0025】
図4は、タブレット型端末装置の平面図である。そして、タブレット型端末装置100は、フロントカバー2で形成される角21〜24という四隅を有する。以下では、四隅のそれぞれを区別しない場合、「角20」という。角20は、カーブを描くように形成されている。
【0026】
図5Aは、実施例1に係るタブレット型端末装置の角の部分の斜視図である。また、5Bは、実施例1に係るタブレット型端末装置の角の部分を他の角度から見た斜視図である。
【0027】
図5A及び5Bに示すように、フロントカバー2は、角20に突起201を有する。突起201は、角20における厚み方向、すなわち、Z方向のタッチパネル1が配置された面の近傍に設けられる。本実施例に係るタブレット型端末装置100の場合、側面の厚みが11.7mmであり、突起201は、タッチパネル1の表面からの距離が1.5mmより大きく2mm以下の位置に設けられることが好ましい。具体的には、突起201は、フロントカバー2の突起201にあたる部分の厚みを肉増しすることで形成される。
【0028】
図6は、実施例1に係るタブレット型端末装置の角の部分の平面図である。図6に示す破線カーブは、突起201が形成するカーブを表す。また、一点鎖線カーブは、角20における肉厚にされていない部分が形成するカーブを表す。以下では、角20における肉厚にされていない部分を「通常部分」という。そして、R1は、突起201が形成するカーブの半径を表す。また、R2は、通常部分が形成するカーブの半径を表す。ここで、R1は、R2より長くなるように形成される。すなわち、突起201の曲率が、通常部分の曲率より小さくなるように形成される。そして、突起201のカーブを、角20以外の領域で通常部分のカーブに収束させる。これにより、タブレット型端末装置100の角20を外に膨らませるだけで、縦横の寸法を大きくすることなく、突起201を設けることができる。すなわち、耐衝撃性の対策を施しつつ、小型化されたタブレット型端末装置100のサイズを維持できる。
【0029】
このように、角20におけるタッチパネル1側に突起201を設けることで、角20を下にしてタブレット型端末装置100が落下した場合に、最初に突起201が地面に接触することになる。以下に、図7を参照して、角20を下にしてタブレット型端末装置100が落下した場合のタブレット型端末装置100の状態について説明する。図7は、タブレット型端末装置が角を下にして落下した場合の状態を説明するための図である。
【0030】
ここでは、図7の下向きにタブレット型端末装置100が落下する場合で説明する。図7に示すように、タブレット型端末装置100が落下した場合、まず突起201が地面に接触する。突起201が地面に接触した状態で、タブレット型端末装置100の重心は突起201よりもリアカバー3側にある。そこで、タブレット型端末装置100は、突起201を頂点としてリアカバー3側、すなわちタッチパネル1とは逆側に傾く。
【0031】
その状態で、タブレット型端末装置100には、図7の下向きにタブレット型端末装置100の荷重P1が掛かる。そこで、突起201を頂点として、タッチパネル1が潰れる方向にフロントカバー2及びタッチパネル1が屈曲する。すなわち、タッチパネル1には、縮める力が働く。このように、タッチパネル1に対して引っ張る方向とは逆の方向の力が加わることにより、タッチパネル1の破損を防ぐことができる。
【0032】
以上に説明したように、本実施例に係るタブレット型端末装置は、四隅においてタッチパネル側に突起を有する。これにより、角を下にした落下時に、タッチパネルに引っ張られる方向の力が加わることが回避でき、タッチパネルの破損を軽減することができる。
【0033】
特に、本実施例に係るタブレット型端末装置を用いたシミュレーションの結果、四隅の内の最も弱い角を下にして落下させた場合に、強度が3割向上した。また、シミュレーションの結果、MIL(Military Standard)規格に対応した試験において、122cmから落下させてもタブレット型端末装置が損壊しないことが確認できた。
【0034】
また、本実施例に係るタブレット型端末装置は、単にフロントカバーの一部を肉厚にするだけで、耐衝撃性能を向上させることができ、追加部品などがないため、耐衝撃性向上のためのコストを抑えることができる。さらに、突起を設けても縦横の寸法は変わらないため、タブレット型端末装置のサイズや重量などに影響を与えずに、耐衝撃性能を向上させることができる。
【0035】
(変形例1)
図8は、変形例1に係るタブレット型端末装置の角の部分の斜視図である。本変形例に係るフロントカバー2は、角20において、リアカバー3側の通常部分から突起201に向かうカーブR3を形成して、通常部分と突起201とを滑らかに接続する。すなわち、フロントカバー2は、通常部分から突起201に向かって滑らかに外側に向かって広がる構成を有する。
【0036】
このように、タブレット型端末装置がリアカバー側から突起へと滑らかなカーブを有する形状であっても、実施例1と同様にタッチパネルの破損を軽減することができる。さらに、リアカバー側から突起へと滑らかなカーブを有する形状にすることで、突起を付ける前のデザインになじませる形で、突起を設けることができる。すなわち、タブレット型端末装置のデザインを損なうことなく、耐衝撃性能を向上させることができる。
【0037】
(変形例2)
図9は、変形例2に係るフロントカバーの角の部分の側面図である。本変形例に係るフロントカバー2は、角20において、リアカバー3側の通常部分から突起201に向かう傾斜を有する斜面により、通常部分と突起201とを滑らかに接続する。すなわち、フロントカバー2は、通常部分から突起201に向かって直線的に外側に向かって広がる構成を有する。
【0038】
このように、タブレット型端末装置がリアカバー側から突起へと向かう斜面を有する形状であっても、実施例1と同様にタッチパネルの破損を軽減することができる。
【0039】
(変形例3)
図10は、変形例3に係るフロントカバーの角の部分の側面図である。本変形例に係るフロントカバー2は、角20において、リアカバー3側の通常部分から突起201に向かう階段状の面を有する。すなわち、フロントカバー2は、通常部分から突起201に向かって段階的に外側に向かって広がる構成を有する。
【0040】
このように、タブレット型端末装置がリアカバー側から突起へと向かう階段状の面を有する形状であっても、実施例1と同様にタッチパネルの破損を軽減することができる。
【0041】
以上に説明したように、ここでは、4種類の角の形状を提示したが、角の形状はタッチパネル側に突起を有する形状であればこれに限らない。
【実施例2】
【0042】
次に、実施例2について説明する。本実施例に係るタブレット型端末装置は、ネジ止め箇所を四隅の近傍に配置した構造を有する。以下に、本実施例に係るタブレット型端末装置における四隅のネジ止め箇所について具体的に説明する。
【0043】
本実施例に係るタブレット型端末装置100は、フロントカバー2が中子カバー4と四隅の近傍でネジによって連結され固定される。ここで、本実施例では、フロントカバー2と中子カバー4とを連結するネジを例に説明するが、これは、フロントカバー2とリアカバー3とを連結するネジであってもよい。
【0044】
図11は、実施例2に係る中子カバーの斜視図である。中子カバー4には、角20の近傍に配置されないように、内部部品5が組み付けられる。そして、角20の近傍に内部部品5が配置されないことから、角20の近傍にネジ7を配置する領域を設けることができる。そこで、中子カバー4は、ネジ7が角20の近傍に配置される。このネジ7が、「留具」の一例にあたる。
【0045】
さらに、中子カバー4は、防水パッキン6による止水ルートが、ネジ7の内側を経由し且つそれ以外の部分ではフロントカバー2が形成する側面の近傍を経由するように配置される。止水ルートは、内部部品5を囲む環状の形状を有し、防水パッキン6も、止水ルートに沿って環状の形状を有する。防水パッキン6は、アクリルゴムなどで形成される。ネジ7が配置された角20の近傍には、内部部品5が配置されないため、止水ルートがネジ7の内側を経由しても、内部部品5は水の侵入から守られる。この防水パッキン6が、「防水部材」の一例にあたる。
【0046】
このように、中子カバー4の角20の近傍に配置されたネジ7により、中子カバー4とフロントカバー2とが固定されることで、フロントカバー2の角20の近傍においてネジ止めが行われる。
【0047】
ここで、例えば、フロントカバー2の四隅から離れた位置にネジ止め箇所がある場合について説明する。図12は、ネジ止め箇所が角から離れた位置に配置された中子カバーの斜視図である。また、図13は、ネジ止め箇所が角から離れた位置に配置されたタブレット型端末装置にかかる力を説明するための図である。
【0048】
図12に示すように、この場合、中子カバー41には、角の近傍まで内部部品51が配置される。そのため、角の近傍にネジ71を配置するための領域が設けられない。そこで、ネジ71は、中子カバー41の角から離れた位置に設けられる。さらに、角の近傍まで配置された内部部品51への浸水を防ぐため、角近傍を経由するように防水パッキン61による止水ルートが配設される。
【0049】
図12の中子カバー41を使用したタブレット型端末装置では、図13に示すような力P2及びP3が加わる。図13は、ネジが角から離れた位置に配置されたタブレット型端末装置に掛かる力を表す図である。すなわち、ネジ71によりフロントカバー25と中子カバー41とを固定することで、フロントカバー25及び中子カバー41のそれぞれに、互いに近づける力P2が加わる。角から離れた位置で力P2が加わることで、フロントカバー25及びリアカバー31のそれぞれに、互いから離れる力P3が加わる。さらに、防水パッキン61の反発力により、防水パッキン61を支点として、フロントカバー25とリアカバー31とを離す力P3がより大きく働く。
【0050】
図13に示す状態で、角を下にタブレット型端末装置が落下した場合、タッチパネル11が搭載されたフロントカバー25は、リアカバー31と独離して動いてしまい、変形量が大きくなるため、タッチパネル11が破損する可能性が高くなる。
【0051】
これに対して、本実施例に係るタブレット型端末装置100では、フロントカバー2の角20の近傍にネジ7が配置される。このため、フロントカバー2とリアカバー3とを離す力が小さくなり、フロントカバー2とリアカバー3との乖離が小さくなる。
【0052】
さらに、ネジ7の内側に防水パッキン6が配置されるので、防水パッキン6の反発力によるフロントカバー2とリアカバー3とを乖離させる力が働かない。そのため、フロントカバー2とリアカバー3との乖離を小さく抑えることができる。
【0053】
このように、フロントカバー2とリアカバー3との乖離を小さく抑えることで、フロントカバー2がリアカバー3に対して独立して動くことを低減し、タッチパネル1を搭載したフロントカバー2の変形量を小さく抑えることができる。これにより、タッチパネル1の破損を抑えることができる。
【0054】
以上に説明したように、本実施例に係るタブレット型端末装置は、ネジ止めの位置を角の近傍に置くことで、ネジ止めの位置が角から離れた状態よりも、落下時のフロントカバーの変形量を小さく抑えることができ、タッチパネルの損壊を低減することができる。
【0055】
さらに、四隅のネジに防水ネジを用いなくてもよくなるため、嵌合強化を行いやすい。さらに、ネジが角から離れている場合に比べて、四隅の隙間を小さくすることができ、外観を良くすることができる。
【実施例3】
【0056】
次に、実施例3について説明する。本実施例に係るタブレット型端末装置は、フロントカバーのボスから中子カバーに接するリブが延びている。以下に、本実施例に係るタブレット型端末装置におけるフロントカバーのボスについて具体的に説明する。
【0057】
図14は、実施例3に係るフロントカバーの角の部分の斜視図である。図14は、フロントカバー2の角20の部分を内側から見た状態を表す。
【0058】
図14に示すように、本実施例に係るフロントカバー2は、角20の近傍にボス210を有する。ボス210は、中子カバー4とフロントカバー2とを連結するネジ7に対応するボスである。
【0059】
そして、ボス210は、側面にフロントカバー2の内壁に延びるリブ211を有する。リブ211は、ボス210の側面とフロントカバー2の内壁とを接続する。ここで、図14では、リブ211は、4つ設けられているが、この数に特に制限はない。このリブ211が、「接続部材」の一例にあたる。
【0060】
さらに、ボス210は、フロントカバー2と中子カバー4とが嵌合された状態で、中子カバー4に向けて延びるリブ212を側面に有する。リブ212は、フロントカバー2と中子カバー4とが嵌合された状態で、中子カバー4が有するフロントカバー2の方向に延びる壁面に接する。ここで、図14では、リブ212は、5つ設けられているが、この数に特に制限はない。このリブ212が、「接触部材」の一例にあたる。
【0061】
図15は、本実施例に係るフロントカバーと中子カバーとが嵌合した状態を表す図である。図15は、フロントカバー2と中子カバー4とを嵌合させた状態で、リブ211及び212の双方が切断される位置の断面を表す。
【0062】
図15に示すように、ボス210から延びるリブ212は、中子カバー4に接する。具体的には、リブ212は、接触領域S1及びS2において中子カバー4に接する。ここで、接触領域S1では、リブ212は、防水パッキン6が配設される止水ルートの壁に接する。さらに、ボス210からフロントカバー2の内壁へ延びるリブ211も接触領域S3において、中子カバー4と接する。
【0063】
ここで、角20を下にしてタブレット型端末装置100が落下した場合、突起201が地面にぶつかることで、タッチパネル1は、縮む方向に力を受ける。その場合、接触領域S1及びS2においてリブ212が中子カバー4と接触することで、タッチパネル1が縮む方向へのフロントカバー2の変形を阻害する。また、接触領域S3においてリブ211が中子カバー4と接触することで、タッチパネル1が縮む方向へのフロントカバー2の変形を阻害する。これにより、タッチパネル1の縮む方向への変形量が抑制され、タッチパネル1の破損を軽減することができる。
【0064】
また、例えば、タッチパネル1が引っ張られる方向へ力がかかってしまった場合であっても、接触領域S1及びS2においてリブ212が中子カバー4と接触することで、フロントカバー2の変形を阻害する。また、接触領域S3においてリブ211が中子カバー4と接触することで、フロントカバー2の変形を阻害する。これにより、タッチパネル1が引っ張られる方向への変形量が抑制され、タッチパネル1の破損を軽減することができる。
【0065】
このように、タッチパネル1が引っ張られる方向及び縮む方向の何れかの方向の力が掛かった場合にも、タッチパネル1の変形を抑制できるので、例えば、突起201を有さない場合でも、タッチパネル1の破損の軽減の効果を得ることができる。
【0066】
また、リブ211は、フロントカバー2の内壁と接続されていることで、落下時のフロントカバー2の変形量を抑制することができる。
【0067】
以上に説明したように、本実施例に係るタブレット型端末装置は、フロントカバーのボスからフロントカバーの内壁に接続するリブ及び中子カバーに接続するリブを有する。これにより、落下時のフロントカバーの変形量を抑制でき、タッチパネルの破損を低減することができる。
【0068】
さらに、本実施例では、止水ルートの壁に接触するようにリブ212を伸ばしたが、接触する壁はとくに制限はなく、例えば、中子カバー4にフロントカバー2へと延びる変形抑制用の壁を形成し、その変形抑制用の壁にリブ212を接触させてもよい。
【0069】
(変形例4)
次に、変形例4について説明する。図16は、変形例4に係るタブレット型端末装置の角の部分の斜視図である。
【0070】
本変形例に係るタブレット型端末装置100は、図16に示すように、タッチパネル1が、実施例3の場合よりも角20から離れた位置に配置される。すなわち、距離Lが実施例3よりも長い。
【0071】
このように、四隅からタッチパネルまでの距離を長くすることで、フロントカバーの変形により落下衝撃を吸収し、タッチパネルに衝撃が伝わりにくくなる。これにより、タッチパネルの破損をより低減することができる。
【符号の説明】
【0072】
1 タッチパネル
2 フロントカバー
3 リアカバー
4 中子カバー
5 内部部品
6 防水パッキン
7 ネジ
20〜24 角
100 タブレット型端末装置
201 突起
210 ボス
211,212 リブ
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16