(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記液体システムは、前記液体を少なくとも一時的に貯める槽、前記液体が流れる流体部材、及び、散布状態又はミスト状態で前記液体が提供されるチャンバーの少なくとも1つを有し、
前記捕獲領域は、前記槽内の液層、前記流体部材における液層、及び前記チャンバー内の空間の少なくとも一部を含む、
請求項1に記載の捕虫装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1実施形態に係る捕虫装置について、
図1を参照して説明する。
図1は、捕虫装置10の概略図である。
【0012】
捕虫装置10は、液体が提供される捕獲領域に向けて虫を案内するためのガイド管(虫ガイド)20と、その捕獲領域を有する液体システム30と、流体機械(気体機械、気体供給機構)を有し虫が液体に接するようにガイド管20内の気体を捕獲領域に向けて推進させるための気体システム40とを備える。液体システム40は、液体を少なくとも一時的に貯める槽、液体が流れる流体部材、及び、散布状態又はミスト状態で液体が提供されるチャンバーの少なくとも1つを有する。捕獲領域は、槽内の液層、流体部材の液層、及びチャンバー内の空間の少なくとも一部を含む。
【0013】
捕獲対象の虫としては、主に、飛ぶ虫が挙げられる。また、ガイド管20で案内可能であれば、飛ばない虫も捕獲対象にできる。
【0014】
図1に示すように、本実施形態において、ガイド管20は、ガイド管20の入口21から侵入した虫が通過可能な案内路(流路)22を有する。一例において、案内路22の大部分は、実質的な曲げ部無しで水平方向に延在する。代替的及び/又は追加的に、案内路22は、実質的な曲げ部、分岐路、及び/又は流路断面積(内径)の変化を有することができる。案内路22の長さ、形状、延在方向、流路断面積等は適宜設定される。ガイド管20の入口21は、所定空間における収集ターゲット位置付近においてターゲット領域に面するように配置される。ガイド管20の出口23は、チャンバー31内の液体の表面に面して配される。また、出口23付近におけるガイド管20の軸方向(気体排出方向)は、液面と交差する。その交差角度は、実質的に直角又は直角以外の角度にできる。また、ガイド管20は、入口21及び/又は出口23が軸方向及び/又は軸方向と交差する方向に動く構成を有してよい。
【0015】
ガイド管20の案内路22を通過した虫は、ガイド管20の出口23から出て、液体システム30のチャンバー31内へ入る。一例において、ガイド管20の一部がチャンバー31に接続され、ガイド管20の出口23がチャンバー31の内部空間に配される。一例において、ガイド管20は、液体システム30のチャンバー31に設けられた開口部を通ってチャンバー31の内部に水平方向に延びている。ガイド管20は、チャンバー31内で水平方向に延びた後、出口23より内側にて垂直方向の下向きに屈曲して形成されている。一例において、ガイド管20の入口21の近傍には、光によって虫を集めやすくするための誘虫装置(例えば誘虫灯)25が設置されている。他の例において、ガイド管20の入口21の近傍に、虫を誘導するための別の装置(例えば、匂い、フェロモン、又は音などを使って虫を誘う装置)を設けることができる。
【0016】
本実施形態において、液体システム30は、チャンバー31と、液体を少なくとも一時的に貯めることができる槽33と、チャンバー31及び/又は槽33に液体を供給可能な給液経路35と、チャンバー31及び/又は槽33に貯まった液体を排出可能な排出経路37と、チャンバー31内の気体を排気可能な排気経路39とを備える。
【0017】
本実施形態において、チャンバー31は、壁面によって周囲と隔離された空間を形成する筐体構造を有する。チャンバー31内に、後述する捕獲領域50が形成される。一例において、槽33は、チャンバー31の内部に設けられている。槽33は、垂直方向の下向きに形成されたガイド管20の出口23の近傍に設置される。なお、給液経路35から供給される液体をチャンバー31のみで貯めることによって、捕獲領域50を形成することもできる。その場合には、槽33を省略してもよい。
【0018】
本実施形態において、給液経路35は、チャンバー31及び/又は槽33に液体を供給し、チャンバー31内にて、ガイド管20の出口23から出た虫を捕獲する捕獲領域50(液層、液部、液面)の少なくとも一部を形成する。一例において、給液経路35から供給される液体は、通常の水である。他の例において、液体は、添加物が付加された水や薬液(例えば、虫の活動を鈍らせる作用を有する物質を含む液体)など、水以外の液体にできる。また、液体は、常温に限らず、比較的高温又は比較的低温に設定できる。すなわち、給液経路35から供給される液体は、温度管理された水や薬液であってもよい。
【0019】
一例において、給液経路35は、液体を用いてチャンバー31や槽33などを清掃する機構を有することができる。代替的及び/又は追加的に、給液経路35は、散液機構を有することができる。例えば、供給経路35は、虫に向けて液体を散液する機構を有してもよい。あるいは、給液経路35は、スプレー式で間欠的に液体を噴出しながら、チャンバー31や槽33内の清掃をおこなったり、虫の捕獲の補助をおこなったりしてもよい。
【0020】
一例において、給液経路35は、液体をミストの状態で供給する機構を有することができる。例えば、給液経路35は、供給する液体をミストの状態で供給することにより、チャンバー31内を液体のミストで充満させることができる。
【0021】
本実施形態において、排出経路37は、チャンバー31及び/又は槽33内に貯まった液体を、捕獲された虫とともに排出するように構成される。排出経路37は、チャンバー31の下部に設けられている。
【0022】
一例において、給液経路35からの液体供給と、排出経路37からの液体及び捕獲した虫の排出とは、同じタイミングで行なわれてもよいし、異なるタイミングで行われてもよい。給液経路35からの液体供給と、排出経路37からの液体及び捕獲した虫の排出とは、同時に行なわれてもよい。給液経路35からの液体供給が行われている間に、排出経路37からの液体及び捕獲した虫の排出は、行なわれなくてもよい。排出経路37からの液体及び捕獲した虫の排出が行われている間に、給液経路35からの液体供給が行なわれなくてもよい。また、給液経路35からの液体供給量と、排出経路37からの液体及び捕獲した虫の排出量は、同じであってもよいし、異なってもよい。なお、捕獲領域50の形態(例えば、
図1〜5参照)に応じて、給液経路35からの液体供給のタイミングと供給量と、排出経路37からの液体及び捕獲した虫の排出のタイミングと排出量とを、適宜調整することができる。
【0023】
本実施形態において、排気経路39は、チャンバー31内の排気を行うように、チャンバー31に設けられた開口部付近においてチャンバー31に接続されている。一例において、排気経路39は、チャンバー31の上部から排気するように設けられる。代替的及び/又は追加的に、排気経路39は、チャンバー31の上部以外の位置に設けられる。
【0024】
本実施形態において、気体システム40は、ファンや、ブロアなどの流体機械41を有し、ガイド管20内の気体とともに虫を捕獲領域50に向けて推進させる。一例において、流体機械41の作動部は、ガイド管20の入口21と出口23の間に配されて、入口21側の気体を出口23側へと移動させる。代替的及び/又は追加的に、流体機械41の作動部は、ガイド管20の入口32側に配することができる、又はガイド管20の出口23側に配することができる。他の例において、流体機械41の数は1に限らず、2以上にできる。気体システム40が発生させる気体の流れによって、ガイド管20の入口21側にいる虫が、出口23側に吸い込まれ、チャンバー31内への虫の移動が促進される。代替的及び/又は追加的に、流体機械41は、ファンやブロア以外の流体機械(コンプレッサなど)を有することができる。また、追加的に、気体システム40は、後述するように、吸引作用を提供するエジェクタを備えることができる。また、追加的に、液体システム30は、貯留液を撹拌する機能を有することができる。
【0025】
本実施形態において、液体システム30内のチャンバー31及び/又は槽33には、給液経路35から供給された液体が貯められることによって、捕獲領域50の少なくとも一部が形成される。ガイド管20及び気体システム40を利用して、チャンバー31内に送り込まれた虫は、捕獲領域50の液体によって捕獲される。すなわち、ガイド管20及び気体システム40は、チャンバー31内で形成された捕獲領域50に虫が接触するように、捕獲領域50に虫を向かわせる。捕獲領域50に案内された虫は、液体に接触する。その結果、例えば、虫が少なくとも部分的(例えば羽根)に濡れ状態となり、虫の動きが抑制される(例えば、虫の活発な動きや飛翔が抑制される)。及び/又は、液体の粘度によって虫の少なくとも一部が液体に付着する又は液体に覆われる。及び/又は、液体表面との衝突による衝撃によって虫が損傷する。捕獲領域50での液体との接触や衝突により、液体に虫が捕獲される。
【0026】
このように、
図1に示す捕虫装置10において、ガイド管20及び気体システム40を利用して、液体システム30のチャンバー31内に虫が送り込まれる。チャンバー31内に運ばれた虫は、給液経路35から供給されてチャンバー31及び/又は槽33に貯められた液体で形成された捕獲領域50に接触することによって液体に捕獲される。液体によって捕獲された虫は、排出経路37を通って、液体とともに排出可能である。そのため、本実施形態の捕虫装置10では、虫捕獲網やフィルターなどを利用せずに虫を捕獲することで、虫捕獲網やフィルターなどの交換や清掃を不要にできる、又はメンテナンスの頻度を低減できる。例えば、大量の虫を捕獲して処理しなければならない環境下においても、従来のファン式捕虫装置と比べて、連続して運転できる期間を長期化することが可能となる。すなわち、捕虫装置10は、メンテナンス性に優れ、安定的に捕獲性能が維持される。
【0027】
本発明の第2実施形態に係る捕虫装置について、
図2を参照して説明する。
図2は、捕虫装置12の概略図である。
図2において、
図1の捕虫装置10と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略又は簡略化する。
【0028】
図2に示すように、捕虫装置12は、
図1の捕虫装置10と同様に、ガイド管20と、液体システム30と、気体システム40とを備える。
【0029】
本実施形態において、液体システム30は、給液経路35から供給される液体が表面を流れる流体部材60を備える。一例において、流体部材60は、板状部材を有する。他の例において、流体部材60は、チャネル構造や溝構造などの他の形状を有することができる。流体部材60は、少なくとも部分的に、平滑な表面、凹凸表面、孔が設けられた表面、及び/又は網目表面等の、様々な形状の表面を有することができる、一例において、流体部材60は、流路全体が水平方向に対して傾斜するように配される、又は、表面の少なくとも一部が水平方向に対して傾斜するように配される。追加的及び/又は代替的に、液体システム30は、流体部材60の表面の傾斜角度を変える機構を有することができる。一例において、ガイド管20の出口23は、流体部材60の表面(流体部材60上の液面)に面して配される。また、出口23付近におけるガイド管20の軸方向は、流体部材60の表面(流体部材60上の液面)と交差する。その交差角度は、実質的に直角又は直角以外の角度にできる。液体システム30において、流体部材60の表面に液体が供給される。一例において、流体部材60の表面で液体が流れ続けるように、給液経路35から液体が流体部材60に供給される。他の例において、流体部材60への液体の供給量が時間的に変化する。例えば、液体が間欠的に流体部材60に供給される。あるいは、液体システム30は、時間あたりの液体供給量が少ない第1モードと、時間あたりの液体供給量が多い第2モードとを有する。
【0030】
本実施形態において、給液経路35は、流体部材60の表面全体又は表面の少なくとも一部に液体が流れるように、液体を供給する。流体部材60の表面上に流れる液体によって捕獲領域50(液層、液部、液面)の少なくとも一部が形成される。
【0031】
本実施形態において、ガイド管20は、気体システム40によって推進された虫を、出口23から流体部材60の捕獲領域50に向かわせる。一例において、ガイド管20は、チャンバー31内で水平方向に延びたまま、出口23を水平方向に向けた形で形成されている。出口23に案内された虫は、流体部材60の表面上を流れる液体に接触する。流体部材60の表面上の液体と接触した虫は、捕獲領域50において液体によって捕獲される。
【0032】
流体部材60の表面上を流れた液体及び流体部材60の表面上で虫を捕獲した液体は、流体部材60の表面上からチャンバー31及び/又は槽33へと流れる。流体部材60の表面上を流れた液体及び流体部材60の表面上で虫を捕獲した液体は、排出経路37から排出可能である。
【0033】
このように、
図2に示す捕虫装置12によれば、ガイド管20及び気体システム40を利用して、液体システム30のチャンバー31内に虫が送り込まれる。チャンバー31内に運ばれた虫は、流体部材60の表面上の液体(捕獲領域50)に接触する。捕獲領域50での液体との接触や衝突により、液体に虫が捕獲される。液体によって捕獲された虫は、排出経路37を通って、液体とともに排出可能である。また、本実施形態において、ガイド管20の出口23付近の部分は、曲げ部分を有することなく水平方向に向いた状態で形成されており、配管抵抗が比較的小さい。すなわち、気体システム40で推進された気体の流れが比較的弱まりにくい。
【0034】
本発明の第3実施形態に係る捕虫装置について、
図3を参照して説明する。
図3は、捕虫装置13の概略図である。
図3において、
図1の捕虫装置10と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略又は簡略化する。
【0035】
図3に示すように、捕虫装置13は、
図1の捕虫装置10と同様に、ガイド管20と、液体システム30と、気体システム40とを備える。
【0036】
本実施形態において、液体システム30の給液経路35は、チャンバー31内に供給する液体をガイド管20の出口23付近に散液供給する機構(散液機構、シャワー機構)を有する。すなわち、給液経路35によって、ガイド管20の出口23近傍の空間領域に液体が散布され、捕獲領域50の少なくとも一部としての散液領域が形成される。散液領域の大きさは、適宜設定される。他の例において、給液経路35は、チャンバー31内のほぼ全体又は大部分に散液する機構を有することができる。また、チャンバー31の下部に貯まった液体によって捕獲領域50の別の一部が形成される。なお、チャンバー31内に貯液用の槽(
図1に示す槽33)が設けられてもよい。
【0037】
一例において、散液における液体の移動方向(散液方向、給液経路35からの液体吐出方向)は、出口23付近におけるガイド管20の軸方向(気体排出方向)と交差する。その交差角度は、実質的に直角又は直角以外の角度にできる。他の例において、散液方向(給液経路35からの液体吐出方向)は、出口23付近におけるガイド管20の軸方向(気体排出方向)と概ね平行にできる。散液用のノズル(ポート)は1でもよく2以上でもよい。散液方向は、1方向に限らず、2方向以上にできる。また、給液経路35は、散液量を変える構成、及び/又は散液方向を変える構成を有してよい。また、給液経路35は、チャンバー31内への通常の液体供給と、ガイド管20の出口23及び/又はチャンバー31の内部全体への液体の散液とを、切り替える構成を有してもよい。
【0038】
本実施形態において、ガイド管20は、気体システム40によって推進された虫を、捕獲領域50としての散液領域に向かわせる。チャンバー31内に運ばれた虫の一部は、チャンバー31に貯められた液体で形成された捕獲領域50に接触することによって液体に捕獲される。虫の他の一部は、チャンバー31の内部空間を動く液体に接触する。その結果、虫の少なくとも一部(例えば羽根)が濡れ状態となり、虫の動きが抑制される(例えば、虫の活発な動きや飛翔が抑制される)。及び/又は、液体の粘度によって虫の少なくとも一部が液体に付着する又は液体に覆われる。及び/又は、液体表面との衝突による衝撃によって虫が損傷する。弱まった虫及び/又は液体に覆われた虫は気流及び/又は重力により落下し、チャンバー31の下部において液体に虫が捕獲される。また、その後に供給される給液経路35からの散液の作用によってさらに他の虫が捕獲される。チャンバー31の下部における、虫を捕獲した液体は、排出経路37から排出可能である。
【0039】
このように、
図3に示す捕虫装置13によれば、チャンバー31下部の貯留領域の液体に加え、散液領域の液体を使って、虫が捕獲される。気体中を動く液体を使うことにより、ガイド管20からの気体の排出速度が弱い場合でも、虫に液体をより確実に接触させることができる。また、捕獲領域50を拡大することにより、虫の捕獲能力を高めることができる。
【0040】
本発明の第4実施形態に係る捕虫装置について、
図4を参照して説明する。
図4は、捕虫装置14の概略図である。
図4において、
図1の捕虫装置10と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略又は簡略化する。
【0041】
図4に示すように、捕虫装置14は、
図1の捕虫装置10と同様に、ガイド管20と、液体システム30と、気体システム40とを備える。
【0042】
本実施形態において、ガイド管20の出口23がチャンバー31内の液体中に配される。一例において、ガイド管20における出口23側の部分がチャンバー31の下部に接続され、その接続部から水平方向に延在した端部に出口23が設けられている。他の例において、ガイド管20のチャンバー31内での構造について様々な形態が適用可能である。ガイド管20の出口23についても、様々な形態が適用可能である。出口23における開口は、1でもよく2以上でもよい。一例において、出口23付近におけるガイド管20の軸方向(気体排出方向)は水平方向と概ね平行にできる。他の例において、出口23付近におけるガイド管20の軸方向(気体排出方向)は水平方向と交差するようにできる。その交差角度は、実質的に直角又は直角以外の角度にできる。一例において、ガイド管20の出口23の全体が液中に配される。他の例において、ガイド管20の出口23の一部が液中に配される。また、ガイド管20は、気体排出量を変える構成、及び/又は気体排出方向を変える構成を有してもよい。
【0043】
本実施形態において、ガイド管20は、気体システム40によって推進された虫を、チャンバー31の下部に貯められた液体で形成される捕獲領域50(液部、液層、液面)に向かわせる。少なくとも一部が液中に配される出口23から気体とともに虫が排出され、液体に虫が捕獲される。虫を捕獲した液体は、排出経路37から排出可能である。
【0044】
このように、
図4に示す捕虫装置14によれば、ガイド管20の出口23から出た虫がチャンバー31内の液体に比較的容易に接触する。また、出口23からの気体によってチャンバー31内の液体に動きが生じる。液体の乱れ、撹拌、拍動等の液体の動きにより、虫に対する液体の接触が促進される。また、捕獲した虫の液中への混入が促進され、液面付近に虫が大量に溜まるのが抑制される。
【0045】
本発明の第5実施形態に係る捕虫装置について、
図5を参照して説明する。
図5は、捕虫装置15の概略図である。
図5において、
図1の捕虫装置10と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略又は簡略化する。
【0046】
図5に示すように、捕虫装置15は、
図1の捕虫装置10と同様に、ガイド管20と、液体システム30と、気体システム40とを備える。
【0047】
本実施形態において、液体システム30は、ミスト状の液体を噴霧可能な噴霧器61を備える。一例において、噴霧器61は、ガイド管20の出口23の付近(出口23の近傍かつ出口23が面する空間領域)に対して、ミスト状の液体を噴きつけるように構成される。すなわち、噴霧器61によって、ガイド管20の出口23近傍の空間領域に液体が噴霧され、捕獲領域50の少なくとも一部としてのミスト領域が形成される。ミスト領域の大きさは、適宜設定される。他の例において、噴霧器61は、チャンバー31内のほぼ全体又は大部分に噴霧する機構を有することができる。また、槽33に貯められた液体(液部、液層、液面)によって、捕獲領域50の別の一部が形成される。一例において、噴霧器61で使用する液体は、給液経路35で使用する液体と同じである。他の例において、噴霧器61で使用する液体を、給液経路35で使用する液体と異ならせることができる。例えば、噴霧器61で使用する液体、及び給液経路35で使用する液体の少なくとも1つを、添加物が付加された水や薬液(例えば、虫の活動を鈍らせる作用を有する物質を含む液体)など、水以外の液体にできる。また、ミストは、常温に限らず、比較的高温又は比較的低温に設定できる。
【0048】
本実施形態において、ガイド管20は、気体システム40によって推進された虫を、捕獲領域50としてのミスト領域に向かわせる。ガイド管20からの虫は、ミスト状態の液体に接触する。その結果、虫の少なくとも一部(例えば羽根)が濡れ状態となり、虫の動きが抑制される(例えば、虫の活発な動きや飛翔が抑制される)。及び/又は、液体の粘度によって虫の少なくとも一部が液体に付着する又は液体に覆われる。活動が鈍った虫及び/又は液体に覆われた虫は気流及び/又は重力により落下し、チャンバー31の下部において液体に虫が捕獲される。チャンバー31の下部における、虫を捕獲した液体は、排出経路37から排出可能である。
【0049】
このように、
図5に示す捕虫装置15によれば、チャンバー31下部の貯留領域の液体に加え、ミスト領域の液体を使って、虫が捕獲される。ミスト状態の液体を使うことにより、多数の虫のそれぞれに液体が接触する。また、ミストは、薬液や高温液体の効力を虫に伝えるのに有利である。
【0050】
次に、本発明に係る捕虫装置を下水道処理システムに適用した実施形態について、
図6を参照して説明する。
図6は、捕虫装置100の概略図である。
図6において、
図1の捕虫装置10と共通する構成要素については、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略又は簡略化する。
【0051】
図6に示す実施形態において、捕虫装置100は、下水道処理に使用される槽(例えば、汚泥が貯留される汚泥貯留槽など)200に設置されている。
【0052】
図6に示すように、本実施形態において、捕虫装置100は、ガイド管(給気管、虫ガイド)20と、液体システム30と、気体システム40とを備える。
【0053】
本実施形態において、槽200の上部に設けられた第1開口部201にガイド管20の入口21が接続されている。また、第1開口部201の近傍には、誘虫灯125(誘虫装置25)が配置されている。槽200の第1開口部201付近には誘虫灯125の光を槽200の内部空間に導くための透光部(不図示)が設けられている。なお、槽200内の虫に加え、槽周辺の虫をガイド管20内に誘導するように構成してもよい。
【0054】
本実施形態において、液体システム30は、液体を少なくとも一時的に貯める捕集チャンバー(捕集用水槽)130を有する。捕集チャンバー130には、捕集チャンバー130内への液体の供給に用いられる給液管(給液経路35)135と、捕集チャンバー130内に貯まった液体の排出に用いられる排液管(排出経路37)137と、捕集チャンバー130内の気体の排出に用いられる排気管(排気経路39)139とが取り付けられている。
【0055】
本実施形態において、捕集チャンバー130は、壁面によって周囲と隔離された空間を形成する筐体構造を有し、給液管135からの液体が底部に貯まるように構成されている。捕集チャンバー130内の貯留液により捕獲領域50(液部、液層、液面)の少なくとも一部が形成される。液源からの液体が給液管135を介して捕集チャンバー130に供給される。本実施形態において、給液管135からの液体は、主に水である。給液管135からの液体供給は、連続的又は間欠的にできる。
【0056】
本実施形態において、排液管137は、一端が捕集チャンバー130の下部に接続され、他端が槽200の上部に接続されている。捕集チャンバー130からの液体は、排液管137を介して、槽200内に排出される。排液管137による排液は、連続的又は間欠的にできる。
【0057】
本実施形態において、排気管139は、一端が捕集チャンバー130の上部に接続され、他端が槽200の上部に接続されている。捕集チャンバー130からの気体は、排気管139を介して、槽200内に排出される。排気管139による排気は、連続的又は間欠的にできる。
【0058】
図7に示すように、本実施形態において、気体システム40は、流体駆動部としての流体機械(例えば、ファン、ブロア、又はコンプレッサ)242と、吸引作用(アスピレーション作用)を提供するエジェクタ(エジェクタ構造)244とを有する。流体機械241は、エジェクタ244に対して駆動流を提供するように構成される。
【0059】
本実施形態において、エジェクタ244は、ガイド管20の一部を囲む管状部材270と、ガイド管20に設けられた駆動ポート274とを有する。管状部材270は、ガイド管20の軸方向に沿って延在する延在部を有する。ガイド管20の上流側に位置する延在部の第1端部は、流体的に閉じられている。ガイド管20の下流側に位置する延在部の第2端部は、駆動ポート274を介して、ガイド管20の内部空間(案内路22)と流体的につながっている。より具体的には、管状部材270の第2端部は、大径部と小径部と遷移部とを有し、小径部がガイド管20に接続されている。遷移部は、大径部と小径部との間に配され、大径部から小径部に向かって径が徐々に小さくなるように構成される。ガイド管20において、管状部材270との接続部の近傍に、管状部材270の内部空間272とガイド管20の内部空間(案内路22)とを流体的につなぐための駆動ポート274が設けられている。駆動ポート274の数は、1又は2以上にできる。本実施形態において、駆動ポート274の上流側と下流側とで(エジェクタ244の作動部の前後で)、ガイド管20の流路断面積は概ね等しい。また、管状部材270の延在部において、流体機械241からの気体が供給される供給ポート276が設けられている。なお、エジェクタ構造は、吸引作用により、ガイド管20内の気体を流動させることができればよく、
図7の形態に限定されず、代替的に様々な形態が適用可能である。
【0060】
流体機械241からの気体は、供給ポート276を介して管状部材270とガイド管20との間の空間に流入する。管状部材270の延在部において、軸方向に沿って気体が流れる。駆動ポート274からガイド管20の内部空間に勢いよく気体が流入する。この駆動流によってガイド管20内の気体が吸引される。すなわち、管状部材270からガイド管20内に流入した気体の流れにより、ガイド管20の案内路22に対して吸引作用が提供される。その結果、ガイド管20内の気体が、ガイド管20の上流側から下流側へと移動し、これに伴い、ガイド管20内の虫が捕獲領域50(
図6)に向かって推進される。
【0061】
本実施形態では、ガイド管20内の流路上に障害物が少なく(流路断面積が大幅に減少するような閉塞部分が実質的に無い状態。実質的無閉塞状態)、ガイド管20内を流れる虫がガイド管20内の物体に付着したり物体上に堆積するのが抑制される。一方、ガイド管20内の流路上に流体機械の部材(フィン等)が配される場合、虫が付着した部材の清掃や交換などのメンテナンス作業が頻繁に必要となる可能性がある。本実施形態では、エジェクタ244の作動部の前後でガイド管20の流路断面積が概ね等しいことも、虫の付着・堆積防止に有利である。
【0062】
図6に戻り、本実施形態において、液体システム30内の捕集チャンバー130に液体が貯められることによって、捕獲領域50の少なくとも一部が形成される。ガイド管20及び気体システム40を利用して、捕集チャンバー31内に虫が送り込まれる。捕獲領域50での液体との接触や衝突により、液体に虫が捕獲される。虫を捕獲した液体は、排液管137(排出経路37)を介して槽200内に排出可能である。
【0063】
このように、
図6に示す下水道処理システムでは、捕虫装置100によって、槽200内の蝶バエなどの虫が捕獲され、不活発な状態となるように虫が処理される。捕虫装置100を用いた虫処理により、下水道処理システムにおける、フィルタ(例えば脱臭設備エアフィルタ)の詰まり等の、虫原因の不具合が大幅に軽減される、及び/又はメンテナンス性が改善される。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはない。上記説明において使用した数値は一例であって、本発明はこれに限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。