特許第6561875号(P6561875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 住友電装株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6561875-ケーブルガイドおよびワイヤハーネス 図000002
  • 特許6561875-ケーブルガイドおよびワイヤハーネス 図000003
  • 特許6561875-ケーブルガイドおよびワイヤハーネス 図000004
  • 特許6561875-ケーブルガイドおよびワイヤハーネス 図000005
  • 特許6561875-ケーブルガイドおよびワイヤハーネス 図000006
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6561875
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】ケーブルガイドおよびワイヤハーネス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/04 20060101AFI20190808BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20190808BHJP
   H01R 13/56 20060101ALI20190808BHJP
   H01B 7/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   H02G3/04 037
   B60R16/02 623D
   H01R13/56
   H01B7/00 301
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-35698(P2016-35698)
(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2017-153317(P2017-153317A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 直幸
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 克彦
(72)【発明者】
【氏名】木田 雄次
(72)【発明者】
【氏名】松田 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】寺本 圭佑
【審査官】 久保 正典
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−008922(JP,A)
【文献】 特開2012−222900(JP,A)
【文献】 特開2014−150601(JP,A)
【文献】 特開2012−205414(JP,A)
【文献】 特開2002−199547(JP,A)
【文献】 特開2008−305612(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
B60R 16/02
H01B 7/00
H01R 13/56
H02G 3/08− 3/16
H05K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
大径のケーブル及び小径のケーブルが配置される配置面と、
前記配置面の幅方向における両端に立ち上げられた第1側部および第2側部と、
前記配置面のうち前記第1側部に寄った部位に立設された第1リブと、
前記配置面のうち前記第2側部に寄った部位に立設され、前記大径のケーブルに係止する第2リブと、
を備え
前記第1リブは、前記第2側部側の部分に、前記大径のケーブルに係止する係止部を有しているケーブルガイド。
【請求項2】
前記第1リブが、軸方向に交互に連続して形成された溝部と突部とを有して前記大径のケーブルを構成する電線を包囲する外装材の前記溝部に入り込み可能となっている請求項1に記載のケーブルガイド。
【請求項3】
前記第2リブが、前記外装材の溝部に入り込み可能である請求項2に記載のケーブルガイド。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちいずれか一項に記載されたケーブルガイドと、
前記ケーブルガイドが取り付けられたケーブルと、を備えているワイヤハーネス。
【請求項5】
記小径のケーブルが前記第1リブに載置されている請求項4に記載のワイヤハーネス。
【請求項6】
前記ケーブルガイドが、前記ケーブルの端末部に接続されたコネクタに取り付けられている請求項4または請求項5に記載のワイヤハーネス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルガイドおよびワイヤハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ケーブルの一部を保持して、ケーブルの配索方向を定めるケーブルガイドが知られている。例えば、下記特許文献1に記載されたケーブルガイドは、ケーブルを包囲するコルゲートチューブを保持するようになっている。ケーブルガイドは、半円弧状部分の両端から上方に向けて一対の直線状部分が立ち上る断面U字形状に形成されている。コルゲートチューブは半円弧状部分に載置され、テープあるいはバンドが巻き付けられることによりケーブルガイドに固定される。直線状部分は、内側に撓み変形してコルゲートチューブの外周に沿った状態になる。
【0003】
ところで、径寸法の異なるケーブルを、一のケーブルガイドに保持させる場合がある。例えば、下記特許文献2に記載されているように、3本の太電線が1本にまとめられてなる一括型のシールド電線に沿って、2本の細電線が配索されているような場合である。このような場合には、2本の細電線を一括してビニールチューブ等に通し、シールド電線と並べてケーブルガイドに保持させることが考えられる。すなわち、小径のケーブル(ビニールチューブ)と大径のケーブル(シールド電線)とを一のケーブルガイドに保持させるのである。
ケーブルガイドは、大径、小径のケーブルを並べて配置可能な幅寸法のもの(半円弧状部分の幅寸法を増したもの)を用い、大径、小径のケーブルをケーブルガイドに並べて載置し、テープあるいはバンドで巻き付けて固定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014−150601号公報
【特許文献2】特開2015−103377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなケーブルガイドは、ケーブルが引張り力等によってずれることのないように、バンド等によりケーブルを強く締め付けることが必要である。
しかしながら、上記のように、径寸法の異なるケーブルを並べて固定する場合には、小径のケーブルの上方(一方の直線状部分の内側)に大きな空間が形成されるため、バンド等を強く締め付けるとケーブルガイドの直線状部分が内側に大きく撓み、破損してしまう虞がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、径寸法の異なるケーブルを強く締め付けることが可能なケーブルガイドおよびワイヤハーネスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のケーブルガイドは、ケーブルが配置される配置面と、前記配置面の幅方向における両端に立ち上げられた第1側部および第2側部と、前記配置面のうち前記第1側部に寄った部位に立設された第1リブと、を備えている。
本発明のワイヤハーネスは、前記ケーブルガイドと、前記ケーブルガイドが取り付けられたケーブルと、を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、大径のケーブルを配置面に載置し、小径のケーブルを第1リブに載置することで、小径のケーブルが第1リブの高さ寸法分だけ上方に位置するから、第1側部の内側に大きな空間が形成されない。したがって、バンド等を強く締め付けても第1側部が内側に大きく撓まないので、径寸法の異なるケーブルを強く締め付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施例におけるケーブルガイドであって、コネクタに取り付けられてケーブルを保持した状態を示す側面図
図2】ケーブルを保持した状態のケーブルガイドを示す正面図
図3】ケーブルを保持した状態のケーブルガイドを示す底面図
図4】ケーブルガイドを示す正面図
図5】ケーブルガイドを示す底面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好ましい形態を以下に示す。
本発明のケーブルガイドは、前記ケーブルが、電線と、前記電線が挿通される外装材とを有し、前記外装材が、軸方向に交互に連続して形成された溝部と突部とを有し、前記第1リブが、前記外装材の溝部に入り込み可能となっているものとしてもよい。このような構成によれば、第1リブが、外装材の溝部に係止するから、外装材の位置ずれを確実に防ぐことができる。
【0011】
また、本発明のケーブルガイドは、前記配置面のうち前記第2側部に寄った部位に、前記外装材の溝部に入り込み可能な第2リブが立設されているものとしてもよい。このような構成によれば、第2リブが、外装材の溝部に係止するから、外装材の位置ずれをより確実に防ぐことができる。
【0012】
また、本発明のワイヤハーネスは、前記ケーブルが、大径のケーブルと小径のケーブルとを有し、前記小径のケーブルが前記第1リブに載置されているものとしてもよい。
また、本発明のワイヤハーネスは、前記ケーブルガイドが、前記ケーブルの端末部に接続されたコネクタに取り付けられているものとしてもよい。
【0013】
<実施例>
以下、本発明を具体化した一実施例について、図1図5を参照しつつ詳細に説明する。
本実施例におけるケーブルガイド10は、大径の電線42と小径の電線43とを複数本ずつ有するワイヤハーネス40の端末部に接続されたコネクタ41に取り付けられるものである。コネクタ41は、電気自動車に搭載された図示しない蓄電装置に充電する際に使用される充電用コネクタであり、車両側に搭載されるものである。以下、各構成部材において、図1の上側を上方、下側を下方、左側を前方、右側を後方とし、また図2の左側を右方、右側を左方として説明する。
【0014】
ワイヤハーネス40を構成する大径の電線42と小径の電線43とは、それぞれ別の外装材に挿通されている。大径の電線42を包囲する外装材(以後、大径外装材44と称する)は、溝部51と突部52とが軸方向に交互に連続して形成されたコルゲートチューブとされ、小径の電線43を包囲する外装材(以後、小径外装材45と称する)はビニールチューブとされている。大径の電線42および大径外装材44が大径ケーブル46を構成し、小径の電線43および小径外装材45が小径ケーブル47を構成している。
【0015】
ケーブルガイド10は、コネクタ41の後面を覆うカバー部11と、大径ケーブル46および小径ケーブル47が固定される固定部12とを備えている。
カバー部11は、コネクタ41の後面の外周縁に沿った形状をなす周壁部13と、周壁部13の後端側を塞ぐ後壁部14とを備え、前面側は開口している。カバー部11は、図2に示すように、前方から見ると円形状をなしている。
【0016】
周壁部13には、コネクタ41に設けられた係止突起41Aに係止可能な係止片13Aが、複数箇所に設けられている。複数の係止片13Aは、周壁部13の周方向に所定の間隔をあけて配されている。
【0017】
周壁部13は、周方向における一部(下部)が開放された形態をなしている。周壁部13の開放部15は、一対の係止片13Aの間に形成されている。開放部15の両側縁には、周壁部13から外側(下側)に突出する突縁部16が設けられている。突縁部16は、周壁部13の前後方向における全体にわたって延設されている。
【0018】
固定部12は、周壁部13の下端部(開放部15の形成部位)に設けられている。固定部12は、カバー部11の後壁部14から外方(前後方向に対して直交方向)に突出している。固定部12は、図4に示すように、カバー部11の後壁部14から下方に突出した底部17と、底部17の両側縁から前方に立ち上げられた一対の側部(以後、第1側部18および第2側部19と称する)と、を備えている。
【0019】
底部17は、図3に示すように、平板状をなしている。底部17の前面は、大径ケーブル46および小径ケーブル47が配置される配置面21とされ、後壁部14の前面と段差なく連なっている。
【0020】
第1側部18および第2側部19は、図3に示すように、配置面21の幅方向(左右方向)における両端に立ち、配置面21に対して略直角をなしている。第1側部18および第2側部19の配置面21からの立ち上がり寸法は同等とされ、概ね大径ケーブル46の外径寸法の半分とされている。第1側部18および第2側部19の厚さ寸法(図3では左右方向の寸法)は同等とされている。
【0021】
第1側部18および第2側部19と底部17との間の角部22の内周面は、円弧形状をなす円弧面23とされている。
第1側部18および第2側部19は、図3に示すように、開放部15の突縁部16に連なっている。突縁部16と第1側部18および第2側部19とは、厚さ寸法が同じとされている。
【0022】
第1側部18および第2側部19の上端部(カバー部11側の部分)27は、図1に示すように、底部17からの立ち上がり寸法が、上方に向かって次第に増すような形状をなしている。また、第1側部18および第2側部19のうち上端部27を除く部分は、底部17からの立ち上がり寸法が一定とされている。
【0023】
固定部12の下端部(カバー部11とは反対側の端部)には、結束バンド49が巻き付けられる凹部24が形成されている。凹部24は、第1側部18、第2側部19および底部17にわたって連続して凹み形成されている。結束バンド49は、凹部24に嵌って上下方向の位置決めがなされる。
【0024】
また、固定部12の下端部には、第1リブ25および第2リブ26が設けられている。第1リブ25および第2リブ26は、固定部12の配置面21に立設されている。図5に示すように、第1リブ25は、第1側部18に寄った部位に立設され、第2リブ26は、第2側部19に寄った部位に立設されている。第1リブ25および第2リブ26は、それぞれ固定部12の幅方向における略半分の領域に形成されている。固定部12の幅方向における第1リブ25の形成領域は、第2リブ26の形成領域よりも若干大きくなっている。第1リブ25および第2リブ26を下方から見ると、図5に示すように、第1リブ25は横長形状、第2リブ26は縦長形状をなしている。
【0025】
第1リブ25は、図4に示すように、一定の間隔をあけて複数(本実施例では3つ)が設けられている。第1リブ25の間隔は、大径外装材44の溝部51の間隔に対応している。複数の第1リブ25のうち少なくとも一の第1リブ25は、凹部24の形成部位に配されている。
【0026】
すべての第1リブ25は、同形状をなしている。第1リブ25は、図5に示すように、底部17から第1側部18側の角部22にわたって連続して内側(底部17および角部22から前側)に突出している。
【0027】
第1リブ25は、小径ケーブル47が載置される載置部32と、大径外装材44に係止する係止部33とを有している。載置部32は、第1リブ25のうち第1側部18側の部分に設けられ、係止部33は、第1リブ25のうち第2側部19側の部分に設けられている。係止部33は、大径外装材44の溝部51に入り込み可能となっている。
【0028】
載置部32の突出端面は、図3に示すように、小径ケーブル47が載置される載置面34とされ、固定部12の配置面21と略平行をなしている。載置面34は、円弧面23の前端(第1側部18と角部22との間の境)と同じ高さに位置している。
【0029】
係止部33の突出端面は、図5に示すように、大径外装材44の外形に沿うような弧状をなす弧状面(以後、第1弧状面35と称する)と、第1弧状面35に向かって、次第に突出寸法が増すように傾斜した傾斜面(以後、第1傾斜面36と称する)とを有している。
【0030】
第1リブ25の上下方向における両面は、図4に示すように、角部22を含む底部17から第1弧状面35に向かって次第に接近するように傾斜している。第1リブ25の突出端面の幅寸法(上下方向の寸法)は、第1傾斜面36および載置面34において大きく、第1弧状面35において最も小さくなっている。第1弧状面35の幅寸法は、一定の寸法となっている。
【0031】
第1傾斜面36の幅寸法は、第2側部19側の端から第1弧状面35に向かって次第に小さくなっている。載置面34の幅寸法は、第1側部18側の端から第1弧状面35に向かって次第に小さくなっている。載置面34の第1側部18側の端部の幅寸法は、第1傾斜面36の幅寸法よりも大きくなっている。第1リブ25の根元部分(角部22を含む底部17に連なる部分)の幅寸法は、全体として、第1側部18側の端から第2側部19側の端に向かって次第に小さくなっている。
【0032】
第2リブ26は、大径外装材44に係止可能なものとされている。第2リブ26は、大径外装材44の溝部51に入り込んで係止するものであり、大径外装材44の溝部51に対応する間隔をあけて複数(本実施例では3つ)が設けられている。すなわち、複数の第2リブ26の上下方向の位置と、複数の第1リブ25の上下方向の位置とが揃っている。
【0033】
第2リブ26は、図5に示すように、底部17から第2側部19にわたって連続して内側(底部17からは前側、第2側部19からは第1側部18との対向面側)に突出して設けられている。第2リブ26の前端部の突出寸法(第2側部19からの内向きの突出寸法)は、後端部の突出寸法(底部17からの前向きの突出寸法)に比して小さくされている。第2リブ26の前端部の突出寸法は、大径外装材44の溝部51の深さ寸法と同等とされている。
【0034】
第2リブ26の突出端面には、図5に示すように、大径外装材44の外形に沿うような弧状をなす弧状面(以後、第2弧状面29と称する)が形成されている。第2弧状面29は、第2リブ26の前端部から後端部にわたって形成されている。第2弧状面29の両端には、傾斜面(以後、第2傾斜面31と称する)が形成されている。第2傾斜面31はいずれも第2弧状面29に向かって、次第に突出寸法が増すように傾斜している。
【0035】
後側の第2傾斜面31は、第1傾斜面36と左右方向に対向している。また、後側の第2傾斜面31から第2弧状面29の後端部にわたる部分と、第1傾斜面36から第1弧状面35の全体にわたる部分とは、その間の左右方向における中心を境にして対称をなしている。
【0036】
第2リブ26の上下方向における両面は、図4に示すように、底部17または第2側部19から第2弧状面29に向かって次第に接近するように傾斜している。第2リブ26の突出端面の幅寸法(上下方向の寸法)は、第2傾斜面31において大きく、第2弧状面29において最も小さくなっている。第2傾斜面31の幅寸法は、第2リブ26の左右方向における両端から第2弧状面29に向かって次第に小さくなっている。第2弧状面29の幅寸法は一定であり、第1弧状面35の幅寸法と同等とされている。第2リブ26の根元部分(底部17または第2側部19に連なる部分)の幅寸法は、全体にわたって略一定とされている。
【0037】
次に、本実施例におけるケーブルガイド10を、大径ケーブル46および小径ケーブル47に取り付ける作業の一例を説明する。
まず、ケーブルガイド10をコネクタ41に取り付ける。コネクタ41の後面から後方に引き出されている大径の電線42および小径の電線43を、カバー部11の内部に収容するようにして、ケーブルガイド10をコネクタ41の後面に接近させる。大径の電線42および小径の電線43は、カバー部11の内部において開放部15側に屈曲され、固定部12の配置面21に沿った状態になる。図1に示すように、ケーブルガイド10の係止片13Aは、コネクタ41の係止突起41Aに係止し、ケーブルガイド10がコネクタ41に取り付けられる。
【0038】
次いで、大径ケーブル46および小径ケーブル47を固定部12に並べて配置する。図3に示すように、大径ケーブル46を配置面21に載置し、小径ケーブル47を載置面34に載置する。大径ケーブル46は、第1側部18および第2側部19よりも前方に突出した状態になる。大径外装材44の溝部51には、第2リブ26および第1リブ25の係止部33が入り込んだ状態になり、大径外装材44の外周面は、第1側部18の内周面および底部17の配置面21に当接した状態になる。
【0039】
このとき、第1リブ25の第1弧状面35および第2リブ26の第2弧状面29は、溝部51の奥端面に当接または近接した状態になる。第1リブ25の第1弧状面35は、大径外装材44の後端部を左側から支持し、第2リブ26の第2弧状面29は、大径外装材44の後端部を右側から支持した状態になる。これにより、大径外装材44は軸方向(上下方向)および幅方向(左右方向)の位置決めがなされた状態になる。
【0040】
小径ケーブル47は、大径ケーブル46と並んで配される。小径ケーブル47は、第1リブ25の高さ寸法分だけ配置面21よりも前側に位置し、第1側部18と同じ高さ位置に配される。小径ケーブル47は、大径ケーブル46の前後方向における略中心部と隣接し、大径ケーブル46と第1側部18とによって左右両側から挟まれた状態になる。
【0041】
次に、結束バンド49を巻き付ける。結束バンド49を凹部24に沿って巻き、強く締め付ける。第1側部18および第2側部19は内側に押圧され、第1側部18は小径ケーブル47に押し当てられ、第2側部19は大径ケーブル46に押し当てられる。これにより、第1側部18および第2側部19は、内側に大きく撓むことが制限される。
【0042】
結束バンド49の強い締め付け力によって、大径ケーブル46は、底部17と結束バンド49とによって上下両側から強く挟持され、大径ケーブル46および小径ケーブル47は、第1側部18と第2側部19とによって左右両側から強く挟持される。これにより、大径ケーブル46または小径ケーブル47に比較的強い引張り力等が作用しても、大径ケーブル46または小径ケーブル47は、固定部12からずれることなく、しっかりと保持される。
【0043】
次に、上記のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
本実施例のケーブルガイド10は、大径ケーブル46および小径ケーブル47が配置される配置面21と、配置面21の幅方向における両端に立ち上げられた第1側部18および第2側部19と、配置面21のうち第1側部18に寄った部位に立設された第1リブ25と、を備えている。
【0044】
この構成によれば、大径ケーブル46を配置面21に載置し、小径ケーブル47を第1リブ25に載置することで、小径ケーブル47が第1リブ25の高さ寸法分だけ上方に位置するから、第1側部18の内側に大きな空間が形成されない。したがって、結束バンド49を強く締め付けても第1側部18が内側に大きく撓むことを防ぐことができ、もって、径寸法の異なるケーブル46,47を強く締め付けることができる。
【0045】
また、大径ケーブル46が、電線42と、電線42が挿通される大径外装材44とを有し、大径外装材44が、軸方向に交互に連続して形成された溝部51と突部52とを有し、第1リブ25が、大径外装材44の溝部51に入り込み可能となっている。この構成によれば、第1リブ25が、大径外装材44の溝部51に係止するから、大径外装材44の位置ずれを確実に防ぐことができる。
【0046】
また、配置面21のうち第2側部19に寄った部位に、大径外装材44の溝部51に入り込み可能な第2リブ26が立設されている。この構成によれば、第2リブ26が、大径外装材44の溝部51に係止するから、大径外装材44の位置ずれをより確実に防ぐことができる。
【0047】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、大径外装材44がコルゲートチューブ、小径外装材45がビニールチューブとされているが、これに限らず、大径外装材および小径外装材を、これらとは異なる任意の外装材としてもよい。
(2)上記実施例では、大径ケーブル46および小径ケーブル47が大径外装材44および小径外装材45を有し、ケーブルガイド10が両外装材44,45を保持しているが、これに限らず、ケーブルガイドは、外装材で包囲されていないケーブル自体(電線)を保持するものとしてもよい。
(3)上記実施例では、ワイヤハーネス40が、大径の電線42および小径の電線43が複数本ずつ有しているが、これに限らず、例えば、ワイヤハーネスは、大径の電線および小径の電線を1本ずつ有するものであってもよい。
(4)上記実施例では、ケーブルガイド10がコネクタ41に取り付けられるものとされているが、これに限らず、ケーブルガイドはコネクタに取り付けられないものであってもよく、例えばワイヤハーネスの途中の部分や分岐部に取り付けられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0048】
10…ケーブルガイド
18…第1側部
19…第2側部
21…配置面
25…第1リブ
26…第2リブ
40…ワイヤハーネス
41…コネクタ
42…大径の電線(電線)
44…大径外装材(外装材)
46…大径ケーブル(大径のケーブル)
47…小径ケーブル(小径のケーブル)
51…溝部
52…突部
図1
図2
図3
図4
図5