(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すフィラーパイプでは、リテーナが給油ガンを受け付ける注入口付近に取り付けられているため、挿入時の給油ガンの引っかかり、および、挿入時の給油ガンとリテーナとの接触により、フィラーパイプとリテーナとの取り付け部が破損したり、外れたりする場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[形態1]
燃料タンクへと液体燃料を供給するための燃料供給装置であって、
液体燃料を供給する給油ガンが挿入される開口部と、前記燃料タンク側の端部に形成された連通口と、を有し、供給された液体燃料を前記開口部から前記連通口まで導く燃料通路を形成する筒状のフィラーネック本体と、
前記フィラーネック本体における径方向の内側に配置されるネック内蔵部品であって、前記給油ガンが挿入される挿入通路を形成するネック内蔵部品と、を備え、
前記ネック内蔵部品は、前記フィラーネック本体の内側または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部と係合しており、
前記ネック内蔵部品における前記燃料タンク側の端部は、挿入された前記給油ガンの前記燃料タンク側の端部である給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側に位置し、
前記ネック内蔵部品は、前記給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側において、前記フィラーネック本体の内側または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部と係合しており、
前記フィラーネック本体は、前記給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側において、内周側に形成され、他の部分よりも径方向の中心に向かって突出した突出部と、前記突出部よりも前記燃料タンク側に位置し、前記燃料通路が拡径する第1溝部と、を有し、
前記ネック内蔵部品は、前記径方向への突出量が変化可能な第1爪部を有し、前記第1溝部に前記第1爪部が係合することで、前記フィラーネック本体または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部の内側と係合している、燃料供給装置。
この形態の燃料供給装置によれば、フィラーネックとネック内蔵部品が開口部側ではなく、より下流側である燃料タンク側において係合する。そのため、給油ガンが開口部に挿入されたときに、係合している部分が開口部付近における給油ガンの接触による荷重を受けづらい。これにより、フィラーネック本体からネック内蔵部品が外れるおそれ、および、フィラーネック本体とネック内蔵部品との係合している部分が破損するおそれを抑制できる。またこの形態の燃料供給装置によれば、挿入された前記給油ガンが、フィラーネック本体とネック内蔵部品とが係合している部分に接触しない。これにより、ネック内蔵部品は、挿入された給油ガンによって発生する力を直接的に受けない。よって、フィラーネック本体からネック内蔵部品が外れるおそれ、および、フィラーネック本体とネック内蔵部品との係合している部分が破損するおそれを抑制できる。またこの形態の燃料供給装置によれば、給油ガンが挿入される際に加わる力の方向と異なる方向の力によって、ノズルガイドがフィラーネック本体に固定されている。これにより、燃料供給装置に給油ガンが挿入される際に、フィラーネックからノズルガイドが外れるおそれ、および、フィラーネックとノズルガイドとが係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0006】
(1)本発明の一形態によれば、燃料タンクへと液体燃料を供給するための燃料供給装置が提供される。この燃料供給装置は、液体燃料を供給する給油ガンが挿入される開口部と、前記燃料タンク側の端部に形成された連通口と、を有し、供給された液体燃料を前記開口部から前記連通口まで導く燃料通路を形成する筒状のフィラーネック本体と;前記フィラーネック本体における径方向の内側に配置されるネック内蔵部品であって、前記給油ガンが挿入される挿入通路を形成するネック内蔵部品と、を備え;前記ネック内蔵部品は、前記燃料タンク側における前記フィラーネック本体の内側または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部と係合している。この形態の燃料供給装置によれば、フィラーネックとネック内蔵部品が開口部側ではなく、より下流側である燃料タンク側において係合する。そのため、給油ガンが開口部に挿入されたときに、係合している部分が開口部付近における給油ガンの接触による荷重を受けづらい。これにより、フィラーネック本体からネック内蔵部品が外れるおそれ、および、フィラーネック本体とネック内蔵部品との係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0007】
(2)上記形態の燃料供給装置において、前記ネック内蔵部品における前記燃料タンク側の端部は、挿入された前記給油ガンの前記燃料タンク側の端部である給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側に位置し;前記ネック内蔵部品は、前記給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側において、前記フィラーネック本体の内側または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部と係合している。この形態の燃料供給装置によれば、挿入された前記給油ガンが、フィラーネック本体とネック内蔵部品とが係合している部分に接触しない。これにより、ネック内蔵部品は、挿入された給油ガンによって発生する力を直接的に受けない。よって、フィラーネック本体からネック内蔵部品が外れるおそれ、および、フィラーネック本体とネック内蔵部品との係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0008】
(3)上記形態の燃料供給装置において、前記フィラーネック本体は、前記給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側において、前記燃料通路が拡径する第1溝部を有し;前記ネック内蔵部品は、前記径方向への突出量が変化可能な第1爪部を有し、前記第1溝部に前記第1爪部が係合することで、前記フィラーネック本体の内側または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部と係合していてもよい。この形態の燃料供給装置によれば、給油ガンが挿入される際に加わる力の方向と異なる方向の力によって、ノズルガイドがフィラーネック本体に固定されている。これにより、燃料供給装置に給油ガンが挿入される際に、フィラーネックからノズルガイドが外れるおそれ、および、フィラーネックとノズルガイドとが係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0009】
(4)上記形態の燃料供給装置において、前記フィラーネック本体は、前記燃料タンク側の外周に、前記燃料供給装置と前記燃料タンクとを接続するチューブの内側と係合する環状突部を有してもよい。この形態の燃料供給装置によれば、環状突部にチューブが接続されると、フィラーネック本体は、チューブから径方向の内側に向かう力を受ける。この力は、第1爪部が拡がる力と反対向きであるため、より強くフィラーネック本体にノズルガイドを固定できる。
【0010】
(5)上記形態の燃料供給装置において、前記フィラーネック本体は、前記給油ガン先端部よりも前記開口部側に、前記燃料通路が縮径する第1段部を有し;前記ネック内蔵部品は、前記第1段部に沿った第2段部を有してもよい。この形態の燃料供給装置によれば、挿入された給油ガンは、内蔵ネック部品の第2段部に接触する可能性が高い。そのため、挿入された給油ガンによって発生する力が、第1溝部と第1爪部との係合部に加わりづらい。これにより、燃料供給装置に給油ガンが挿入される際に、フィラーネックからノズルガイドが外れるおそれ、および、フィラーネックとノズルガイドとが係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0011】
(6)上記形態の燃料供給装置において、前記フィラーネック本体は、前記径方向の突出量が変化可能な第2爪部を有し;前記ネック内蔵部品は、前記径方向の外側に突出した突部を有し、前記突部と前記ネック内蔵部品の外周面とによって形成された第2溝部に前記第2爪部が係合することで、前記フィラーネック本体の内側または前記フィラーネック本体の前記燃料タンク側の端部と係合していてもよい。この形態の燃料供給装置によれば、給油ガンが挿入される際に加わる力の方向と異なる方向の力によって、ノズルガイドがフィラーネック本体に固定されている。これにより、燃料供給装置に給油ガンが挿入される際に、フィラーネックからノズルガイドが外れるおそれ、および、フィラーネックとノズルガイドとが係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0012】
(7)上記形態の燃料供給装置において、前記ネック内蔵部品は、前記フィラーネック本体の内側と係合している第1ネック部品と、前記第1ネック部品よりも前記燃料タンク側に配置される第2ネック部品であって、前記第1ネック部品における前記燃料タンク側の端部によって液体燃料が流れる方向に沿った位置が規制される前記第2ネック部品と、を有し;前記第2ネック部品における前記燃料タンク側の端部は、前記給油ガン先端部よりも前記燃料タンク側に位置してもよい。この形態の燃料供給装置によれば、挿入された給油ガンは、フィラーネック本体に係合している部分の内周側に接触しない。また、第2ネック部品は、第1ネック部品によって位置が規制される。これにより、燃料供給装置に給油ガンが挿入される際に、フィラーネックからノズルガイドが外れるおそれ、および、フィラーネックとノズルガイドとが係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【0013】
なお、本発明は、給油口の閉止装置以外の種々の態様で実現することも可能である。例えば、給油口の閉止装置を搭載する自動車、給油口の閉止装置の製造方法等の形態で実現できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、フィラーネック本体からネック内蔵部品が外れるおそれ、および、フィラーネック本体とネック内蔵部品との係合している部分が破損するおそれを抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
A.第1実施形態:
(1)燃料供給装置FSの概略構成
図1は、燃料供給装置FSに燃料を供給する給油ガンNZが挿入された場合の斜視図である。
図1には、供給された燃料を導く燃料通路を自動車の内部にある燃料タンク(図示せず)へと有する燃料供給装置FSと、燃料供給装置FSに挿入された給油ガンNZと、燃料供給装置FSの周辺に配置される部材とが示されている。自動車の車体には、給油蓋FLが開閉可能に支持されている。給油蓋FLは、車体の外板に倣った蓋本体FLaを備えている。蓋本体FLaは、ヒンジFLbを介して車体の外板に開閉可能に支持されている。給油蓋FLを開いたときに表われるスペースは、給油室FRになっている。給油室FR内には、基板BPに支持された燃料タンクの開閉装置10が配置されている。燃料タンクの開閉装置10は、燃料キャップを用いないで、燃料供給装置FSを介して燃料タンクに燃料を導くための機構である。
【0017】
(2)燃料供給装置におけるフィラーネック本体とノズルガイドとの関係
図2は、給油ガンNZが挿入された燃料供給装置FSおよび燃料供給装置FSに接続されたフィラーチューブ40の断面図である。
図2に示すように、燃料供給装置FSは、給油ガンNZが挿入される反対側である燃料タンク側で、液体燃料を燃料タンクへと導くフィラーチューブ40に接続している。
【0018】
燃料供給装置FSは、ポリアミドやポリエチレンといった樹脂製のフィラーネック本体110と、フィラーネック本体110の上流側を覆うリテーナ180と、フィラーネック本体110の内側に配置されるノズルガイド150と、NBRなどのゴム製のシールリングSRと、を有している。フィラーネック本体110は、給油ガンNZが挿入される開口部110Mを形成する。フィラーネック本体110は、開口部110Mから燃料タンクへと向かう軸OL1に沿って、中空の燃料通路110Pを形成する円筒状の形状を有する。燃料通路110Pは、燃料タンクへと向かうについて、流路径が小さくなる。本実施形態のフィラーネック本体110は、燃料タンクへと向かうにつれて傾斜する傾斜面114と、軸OL1に垂直な面に沿って径方向に縮径する第1段部119と、を有する。フィラーネック本体110は、開口部110Mを形成する端部とは逆の燃料タンク側の端部に、開口した連通口110Cを形成する。連通口110Cを形成するフィラーネック本体110の外周面に、外周側に略垂直に突出し、燃料タンク側に向かって傾斜して縮径している環状突部112が形成されている。環状突部112によって形成された内周側に凹んでいる凹部111には、軸OL1を中心とするシールリングSRが配置される。環状突部112の外周側にフィラーチューブ40が圧入されることで、フィラーネック本体110とフィラーチューブ40とが固定される。なお、フィラーチューブ40は、請求項におけるチューブに相当する。
【0019】
ノズルガイド150は、フィラーネック本体110の内周側に、フィラーネック本体110の内周面に沿うように配置される円筒状の形状を有する。ノズルガイド150は、樹脂材によって形成されている。ノズルガイド150の内周側には、給油ガンNZを燃料タンク側へと導く挿入通路150Iが形成される。なお、
図2に示すように、本実施形態では、フィラーネック本体110が形成する燃料通路110Pの一部と、ノズルガイド150が形成する150Iの一部とが重複している。
【0020】
ノズルガイド150における燃料タンク側の端部150Eは、フィラーネック本体110における燃料タンク側の端部110Eよりも、燃料タンク側に位置する。ノズルガイド150は、フィラーネック本体110の端部110Eの内周側の近傍で、フィラーネック本体110と係合するための第1爪部152を有する。簡単に言うと、ノズルガイド150は、フィラーネック本体110の燃料タンク側において、フィラーネック本体110と係合している。第1爪部152は、ノズルガイド150の外周全周にわたって形成されているわけではなく、
図2に示すように、軸OL1を中心として対称的な位置の2箇所に形成されている。なお、第1爪部152の詳細については、
図3に示すX1部(
図2)の拡大図を用いて後述する。本実施形態では、ノズルガイド150の第1爪部152が、フィラーネック本体110の開口部110Mに挿入された給油ガンNZの燃料タンク側の給油ガン先端部NZEよりも燃料タンク側に位置するように形成されている。
【0021】
ノズルガイド150は、径が異なるように形成された位置決め部154を有する。位置決め部154とフィラーネック本体110に形成された段部とによって、フィラーネック本体110に対するノズルガイド150の軸OL1に沿った位置が固定される。なお、ノズルガイド150は、請求項におけるネック内蔵部品に相当する。
【0022】
リテーナ180は、フィラーネック本体110の開口部110M側の端部を覆い、軸OL1を中心とする円状の部材である。リテーナ180は、金属で形成されている。フィラーネック本体110の内周面に沿うリテーナ180における燃料タンク側の端部は、ノズルガイド150の開口部110M側の端部と接している。そのため、リテーナ180の軸OL1に沿った位置は、ノズルガイド150の開口部110M側の端部で決定する。フィラーネック本体110の外周面に沿うリテーナ180は、フィラーネック本体110の外周面に形成された外周傾斜部113と係合する。なお、以降では、開口部110M側を上流側とも呼び、燃料タンク側を下流側とも呼ぶ。
【0023】
図3は、
図2のX1部の拡大図である。
図4は、フィラーネック本体110の内側にノズルガイド150を固定する途中の
図2のX1部に対応する拡大図である。
図2に示すように、フィラーネック本体110は、端部110Eの内周側に、他の部分よりも径方向の中心に向かって突出した突出部116と、突出部116よりも燃料タンク側に位置して、他の部分よりも燃料通路110Pを拡径する第1溝部115と、を有している。突出部116は、下流側につれて径方向の突出量が徐々に大きくなる斜面としての内周面を有している。突出部116および第1溝部115は、フィラーネック本体110の内周側の周方向全周にわたって形成されているわけではなく、
図2に示す第1爪部152に対応する2箇所の位置に形成されている。
【0024】
図4から
図3への変化で示すように、フィラーネック本体110の上流側からノズルガイド150を下流側へと挿入する際に、第1爪部152は、突出部116に接触して径方向に少し縮径した後、突出部116の下流側に位置すると、径方向に拡径するように突出する。第1爪部152は、上流側に切り欠き152C(
図3)を有しているため、燃料通路110P(挿入通路150I)の径方向に拡大または縮小が可能である。換言すると、切り欠き152Cの径方向に沿った変化によって、第1爪部152が有する径方向への突出量は、拡大および縮小が可能であり、フィラーネック本体110の第1溝部115に係合する。
【0025】
(3)フィラーネックの溝部とノズルガイドの爪部との係合の効果
燃料供給装置FSに給油ガンNZが挿入される場合に、給油ガンNZがノズルガイド150に接触すると、ノズルガイド150に対して、フィラーネック本体110の開口部110Mから燃料タンクへと向かう軸OL1に沿った方向に力が加わる場合がある。本実施形態の燃料供給装置FSでは、ノズルガイド150をフィラーネック本体110に固定するための第1溝部115と第1爪部152とは、挿入された給油ガンNZの給油ガン先端部NZEよりも下流側に位置する。そのため、本実施形態の燃料供給装置FSでは、給油ガンNZは、ノズルガイド150において第1爪部152が形成される内周側に接触しない。これにより、第1爪部152は、挿入された給油ガンNZによって発生する力を直接的に受けない。よって、フィラーネック本体110からノズルガイド150が外れるおそれ、および、フィラーネック本体110とノズルガイド150との係合部が破損するおそれを抑制できる。
【0026】
また、本実施形態の燃料供給装置FSでは、ノズルガイド150の第1爪部152が周方向へと拡がって、フィラーネック本体110の内周側に形成された第1溝部115に係合することで、フィラーネック本体110に対してノズルガイド150が固定される。換言すると、給油ガンNZが燃料供給装置FSに挿入される際に加わる軸OL1に沿った方向と異なる方向の力によって、フィラーネック本体110にノズルガイド150が固定されている。これにより、本実施形態の燃料供給装置FSでは、給油ガンNZが挿入される際に発生する力によって、フィラーネック本体110からノズルガイド150が外れるおそれ、および、フィラーネック本体110とノズルガイド150との係合部が破損するおそれを抑制できる。
【0027】
また、本実施形態の燃料供給装置FSでは、フィラーネック本体110は、下流側の外周に、フィラーチューブ40が圧入される環状突部112を有する。環状突部112にフィラーチューブ40が圧入されると、フィラーネック本体110は、フィラーチューブ40から軸OL1に向かう径方向に沿った力を受ける。この力は、第1爪部152が軸OL1を中心として径方向に拡がる力と反対向きであるため、より強くフィラーネック本体110にノズルガイド150を固定できる。
【0028】
B.第2実施形態:
図5は、第2実施形態におけるフィラーネック本体110aの内側にノズルガイド150aを固定する途中の第1実施形態の
図2のX1部に対応する拡大図である。第2実施形態の燃料供給装置FSaでは、第1実施形態の燃料供給装置FSと比較して、挿入された給油ガンNZの給油ガン先端部NZEよりも下流側で係合するフィラーネック本体110aの形状とノズルガイド150aの形状とが異なり、他の構成については、第1実施形態の燃料供給装置FSと同じである。そのため、第2実施形態では、第1実施形態の燃料供給装置FSと異なる部分についてのみ説明し、燃料供給装置FSと同じ部分についての説明を省略する。
【0029】
図5に示すように、第2実施形態の燃料供給装置FSaでは、第1実施形態のノズルガイド150に形成された第1爪部152の代わりにフィラーネック本体110aに第2爪部117が形成され、第1実施形態のフィラーネック本体110に形成された突出部116の代わりにノズルガイド150aに突部155が形成される。突部155が形成されることで、第2実施形態では、第1実施形態の第1溝部115の代わりに、ノズルガイド150aの外周面に第2溝部155Sが形成される。第2爪部117は、上流側から下流側へ向かい突出し、切り欠き117Cによって、フィラーネック本体110aから内周側へと分岐している。そのため、第2爪部117は、軸OL1を中心とする径方向に拡大および縮小が可能である。突部155は、ノズルガイド150aの外周側に、径方向の外側へと突出している。これにより、突部155、および、ノズルガイド150aの突部155よりも上流側のノズルガイド150aの外周面によって、第2爪部117が係合する第2溝部155Sを形成する。
【0030】
第2実施形態の燃料供給装置FSaでは、フィラーネック本体110aの第2爪部117が径方向の外側へと拡径するように切り欠き117Cが縮小して、第2溝部155Sに第2爪部117が係合することで、フィラーネック本体110aに対してノズルガイド150aが固定される。これにより、第2実施形態の燃料供給装置FSaでは、給油ガンNZが挿入される際に発生する力によって、フィラーネック本体110aからノズルガイド150aが外れるおそれ、および、フィラーネック本体110aとノズルガイド150aとの係合部が破損するおそれを抑制できる。
【0031】
C.第3実施形態:
図6は、第3実施形態におけるフィラーネック本体110bの内側にノズルガイド150bを固定した場合の第1実施形態の
図2のX1部に対応する拡大図である。第3実施形態の燃料供給装置FSbでは、第1実施形態の燃料供給装置FSと比較して、燃料通路110Pおよび挿入通路150Iの形状、挿入された給油ガンNZbの位置、およびフィラーネック本体110bとノズルガイド150bとの係合部の位置が異なり、他の構成については、第1実施形態の燃料供給装置FSと同じである。そのため、第3実施形態では、第1実施形態の燃料供給装置FSと異なる部分についてのみ説明し、燃料供給装置FSと同じ部分についての説明を省略する。
【0032】
図6に示すように、第3実施形態の燃料供給装置FSbでは、フィラーネック本体110bとノズルガイド150bとの係合部の位置は、第1実施形態と比較すると上流側に位置する。また、フィラーネック本体110bは、突出部を有さない第1溝部115bを有する。第1溝部115bには、第1実施形態の形状と同じ形状であるノズルガイド150bの第1爪部152bが係合する。フィラーネック本体110bは、第1実施形態のフィラーネック本体110において傾斜面114が形成されている位置に、第1段部119bを有する。換言すると、フィラーネック本体110bは、内周面全周にわたって軸OL1に直交する第1段部119bを有する。ノズルガイド150bは、第1段部119bに沿うように形成された第2段部159を有する。第2段部159によって形成される燃料通路110Pbの流路径は、給油ガン先端部NZEbの直径よりも小さいため、燃料供給装置FSbに挿入された給油ガンNZbは、第2段部159に接触することで、下流側への挿入位置を規制される。そのため、給油ガンNZbの給油ガン先端部NZEbは、第1実施形態の給油ガン先端部NZEよりも上流側に位置している。これにより、第1溝部115bと第1爪部152bとの係合部は、給油ガン先端部NZEbよりも下流側に位置する。
【0033】
以上説明したように、第3実施形態の燃料供給装置FSbでは、ノズルガイド150bは、フィラーネック本体110bの第1段部119に沿った径方向に平行な第2段部159を有する。給油ガンNZbは、第2段部159によって下流側への挿入位置が規制される。そのため、第1溝部115bに係合している第1爪部152bの内周側に、挿入された給油ガンNZbによって発生する力が加わりづらい。これにより、第3実施形態の燃料供給装置FSbでは、給油ガンNZbが挿入される際に発生する力によって、フィラーネック本体110bからノズルガイド150bが外れるおそれ、および、フィラーネック本体110bとノズルガイド150bとの係合部が破損するおそれをより抑制できる。
【0034】
図7は、第3実施形態の変形例の燃料供給装置FScにおけるフィラーネック本体110cの内側にノズルガイド150cを固定した場合の
図6に対応する拡大図である。第3実施形態の変形例の燃料供給装置FScでは、第3実施形態の燃料供給装置FSbと比較して、第1溝部115cおよび第1爪部152cが形成されている位置と、燃料供給装置FScに挿入された給油ガンNZの給油ガン先端部NZEcの位置と、ノズルガイド150cが内周面に傾斜面153とを有することと、が異なり、他の構成については、第3実施形態の燃料供給装置FSbと同じである。そのため、第3実施形態の変形例では、第3実施形態の燃料供給装置FSbと異なる部分についてのみ説明し、燃料供給装置FSbと同じ部分についての説明を省略する。
【0035】
図7に示すように、フィラーネック本体110cにおいて、第1溝部115cは、第1段部119bよりも上流側に形成されている。同様に、ノズルガイド150cにおいて、第1爪部152cは、第1段部119bよりも上流側に配置されるように形成されている。第1溝部115cおよび第1爪部152cは、燃料供給装置FScに挿入された給油ガンNZcの給油ガン先端部NZEcよりも下流側に位置する。ノズルガイド150cは、第3実施形態のFSbと異なり、第1段部119bに沿うように形成された第2段部159を有していない。第2段部159の代わりに、下流側につれて燃料通路110Pcの流路径を徐々に小さくする傾斜面153を有する。第3実施形態の変形例の燃料供給装置FScであっても、第3実施形態の燃料供給装置FSbと同様に、給油ガンNZcが挿入される際に発生する力によって、フィラーネック本体110cからノズルガイド150cが外れるおそれ、および、フィラーネック本体110cとノズルガイド150cとの係合部が破損するおそれをより抑制できる。
【0036】
D.第4実施形態:
図8は、第4実施形態におけるフィラーネック本体110dの内側にノズルガイド150dを固定した場合の第1実施形態の
図2のX1部に対応する拡大図である。第4実施形態の燃料供給装置FSdでは、第3実施形態の変形例の燃料供給装置FScと比較して、ノズルガイド150dが第1ガイド部170と第2ガイド部190とを備えること、および、給油ガンNZdの給油ガン先端部NZEdの位置が異なり、他の構成については、第3実施形態の変形例の燃料供給装置FScと同じである。そのため、第4実施形態では、第3実施形態の変形例の燃料供給装置FScと異なる部分についてのみ説明し、燃料供給装置FScと同じ部分についての説明を省略する。
【0037】
図8に示すように、燃料供給装置FSdのノズルガイド150dは、第1ガイド部170と、第2ガイド部190とを有する。第1ガイド部170は、下流側の端部170Eに、フィラーネック本体110dの第1溝部115dに係合する第1爪部172を有する。第1爪部172は、燃料供給装置FSdに挿入された給油ガンNZdの給油ガン先端部NZEdよりも下流側に位置する。第2ガイド部190は、給油ガン先端部NZEdから供給された液体燃料を下流側へと導く。第2ガイド部190は、フィラーネック本体110dの第1段部119bに沿うような第2段部199と、傾斜面193と、を有する。傾斜面193は、下流側につれて燃料通路110Pdの流路径を徐々に小さくする。なお、
図8では図示していないが、第2ガイド部190の下流側の端部は、フィラーネック本体110dの下流側の端部よりも下流側に位置する。第2ガイド部190の上流側の端部190Uは、第1ガイド部170の端部170Eと対向する。端部190Uと端部170Eとの隙間はほとんどないため、第2ガイド部190は、第1ガイド部170および第1段部119bによって、上流から下流までの方向に沿った位置を規制される。なお、他の実施形態では、第2ガイド部190と第1ガイド部170とが当接していてもよい。第1ガイド部170は、請求項における第1ネック部品に相当し、第2ガイド部190は、請求項における第2ネック部品に相当する。
【0038】
以上説明したように、第4実施形態の燃料供給装置FSdでは、ノズルガイド150dは、第1ガイド部170と第2ガイド部190とを有する。第1ガイド部170は、フィラーネック本体110dの第1溝部115dに係合する第1爪部172を有する。第1溝部115dと第1爪部172との係合部は、燃料供給装置FSdに挿入された給油ガンNZdの給油ガン先端部NZEdよりも下流側に位置する。第2ガイド部190は、第1ガイド部170の端部170Eによって、上流から下流に沿った位置を規制される。第2ガイド部190の下流側の端部は、フィラーネック本体110dの下流側の端部よりも、下流側に位置する。そのため、第4実施形態の燃料供給装置FSdでは、挿入された給油ガンNZdは、係合部の第1爪部172の内周側に接触しない。また、第2ガイド部190は、第1ガイド部170によって位置が規制される。これにより、フィラーネック本体110でからノズルガイド150dが外れるおそれ、および、フィラーネック本体110dとノズルガイド150dとの係合部が破損するおそれを抑制できる。
【0039】
E.第5実施形態:
図9は、第5実施形態におけるフィラーネック本体110eの内側にノズルガイド150eを固定した場合の第1実施形態の
図2のX1部に対応する拡大図である。第5実施形態の燃料供給装置FSeでは、第1実施形態の燃料供給装置FSと比較して、フィラーネック本体110eの端部110Eeの形状と、ノズルガイド150eの端部150Eeの形状と、が異なり、他の構成については、第1実施形態の燃料供給装置FSと同じである。特に、第5実施形態の燃料供給装置FSeでは、フィラーネック本体110eとノズルガイド150eとの下流側での係合する部分の形状が異なる。そのため、第5実施形態では、第1実施形態の燃料供給装置FSと異なる部分についてのみ説明し、燃料供給装置FSと同じ部分についての説明を省略する。
【0040】
図9に示すように、燃料供給装置FSeのノズルガイド150eは、下流側の端部150Eeにフィラーネック本体110eと係合する第1爪部152eを有する。第1爪部152eは、下流側の端部110Eeの軸OL1に直行する端面において、第1爪部152eと係合する。そのため、燃料供給装置FSeは、第1爪部152eと係合する第1溝部を有していない。なお、第5実施形態と異なる他の実施形態において、第5実施形態のノズルガイド150eの下流側の端部150Eeに第1爪部152eが形成される必要はなく、端部150Eeが第1爪部152eよりも下流側まで延出していてもよい。第5実施形態の燃料供給装置FSeでは、第1実施形態の燃料供給装置FSと同様に、給油ガンNZが挿入される際に発生する力によって、フィラーネック本体110eからノズルガイド150eが外れるおそれ、および、フィラーネック本体110eとノズルガイド150eとの係合部が破損するおそれを抑制できる。
【0041】
F.変形例:
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
【0042】
上記第1実施形態から第5実施形態までの各実施形態において、
図3から
図9までの各図に示すように、燃料供給装置FSに挿入された給油ガンNZの給油ガン先端部NZEの位置が異なる。これは、例えば、第1実施形態の給油ガンNZよりも、第4実施形態の給油ガンNZdの長さが短いことを表すことではなく、給油ガンNZの長さおよび燃料供給装置FSに挿入された後の給油ガン先端部NZEの位置については、種々変形可能であることを表す。本発明では、フィラーネック本体110にノズルガイド150を固定するための係合部が、フィラーネック本体110における燃料タンク側に位置する。
【0043】
上記第1実施形態から第4実施形態までの各実施形態において、フィラーネック本体110とノズルガイド150を固定するための係合部の形状の一例、フィラーネック本体110の外周面に形成された環状突部112の一例、および第1段部119および第2段部159の一例を示したが、これらの形状については、種々変形可能である。例えば、第1溝部115と第1爪部152とは、軸OL1に沿って同じ位置に形成されたが、一方がより下流側に形成されてもよいし、軸OL1を中心とする周方向全周に形成されてもよい。また、フィラーネック本体110は、フィラーチューブ40が圧入されるための環状突部112を有さず、ホースバンドによってフィラーチューブ40と固定されてもよい。また、第1段部119および第1溝部115は、軸OL1を中心として周方向外側に拡がる段部であったが、階段状の複数の段部によって構成されてもよいし、上流側または下流側に向かって傾斜していてもよい。また、第1段部119および第1溝部115は、軸OL1を中心とする周方向全周に形成されてもよいし、一部に形成されてもよい。フィラーネック本体110は、単層ではなく、内層ポリアミドと外層ポリエチレンの2層構造、もしくは、多層構造でもよい。フィラーネック本体110は、金属製であってもよい。
【0044】
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行なうことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除できる。