(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(A)成分が、2個の(メタ)アクリロイル基を有し、ポリエステル骨格及び/又はポリカーボネート骨格を有し、さらに重量平均分子量が10,000〜40,000である化合物である請求項1又は請求項2に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
(B)成分が、脂肪族二塩基酸と脂環式ジアミンとの共重合体である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
(C)成分が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及び/又はエポキシ化合物のモノ(メタ)アクリレートである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
被着体が難接着性プラスチック製フィルム又はシートである請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
難接着性プラスチック製フィルム又はシートが表面処理されていないプラスチックである請求項項6に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
一方の被着体がプラスチック製フィルム又はシートであり、他方の被着体が無機基材である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物。
一方の被着体がポリイミド製フィルム又はシートであり、他方の被着体が金属箔又は金属線である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線接着剤組成物。
プラスチック製フィルム又はシート、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の硬化物及びプラスチック製フィルム又はシートから構成される積層体。
プラスチック製フィルム又はシート、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の硬化物及び無機基材から構成される積層体。
ポリイミド製フィルム又はシート、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のプラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の硬化物及び金属箔又は金属線から構成される積層体。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチックフィルムの薄層被着体同士、又はプラスチックフィルムの薄層被着体とこれと他の素材からなる薄層被着体とを貼り合わせるラミネート法においては、エチレン−酢酸ビニル共重合体やポリウレタン系重合体を含む溶剤型接着剤組成物を第1の薄層被着体に塗布して乾燥させた後、これに第2の薄層被着体をニップ・ローラー等にて圧着するドライラミネート法が主に行われている。
この方法で使用される接着剤組成物は、一般に組成物の塗布量を均一にするため溶剤を多く含むものであるが、このため乾燥時に多量の溶剤蒸気が揮散してしまい、毒性、作業安全性及び環境汚染性が問題となっている。又、当該接着剤組成物は、薄層被着体を貼り合わせた直後に、得られたラミネートフィルムを接着するためのヒートシール、溝を刻設する罫線工程等の後加工工程において、薄層被着体同士が剥離してしまうという問題を有している。
これらの問題を解決する接着剤組成物として、無溶剤系の接着剤組成物が検討されている。
【0003】
無溶剤系接着剤組成物としては、2液型接着剤組成物及び紫外線又は電子線等の活性エネルギー線により硬化する接着剤組成物が広く用いられている。
2液型接着剤組成物としては、主に末端に水酸基を有するポリマーを主剤とし、末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を硬化剤とする、いわゆるポリウレタン系接着剤組成物が用いられている。しかしながら該組成物は、硬化に長時間を要するという欠点があり、このため薄層被着体の貼り合わせ直後に罫線工程等の後加工工程に入ることができない等の生産性上の問題がある。
これに対して、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物は、硬化速度が速いことから生産性に優れ、最近注目されている。
【0004】
一方、液晶表示装置は、薄型、軽量及び省消費電力等の特長から、自動車用のナビゲーションシステム、携帯電話及びPDA等の小型電子機器から、ワープロやパソコンの画面、さらにはテレビ受像機にも普及している。
近年、当該液晶表示素子に使用される各種光学フィルム等の貼り合わせにも、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が使用されてきている。
【0005】
光学フィルム等としては、偏光板、位相差フィルム、視野角補償フィルム、輝度向上フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム、レンズシート及び拡散シート等が挙げられ、これらには様々な種類のプラスチックが用いられている。
これらを構成するプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」という)及びシクロオレフィン(以下、「COP」という)等の難接着性プラスチックフィルムと称されるポリマーが使用されており、接着力の向上が課題となっており、又光学フィルムと液晶表示装置を構成する無機基材、特にガラスとの接着力の向上も課題となっている。
さらに、液晶表示装置は光や熱に長時間晒されるため、光学フィルムに使用する接着剤硬化物に対して、耐熱性等の耐久性が要求されるものであった。
【0006】
又、これらプラスチックの中でも、偏光板用として特に重用されているものとしてポリビニルアルコール、一部に酢酸ビニルを残存させたもの、あるいはこれらの一部をブチラール化したものを含むポリビニルアルコール系樹脂、及びトリアセチルセルロースが挙げられる。これらのプラスチックは水酸基を含有しており、通常のプラスチックと比較して非常に親水性が高いという特徴を持つ。
【0007】
偏光板用の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物としては、光ラジカル重合を利用した組成物、光カチオン重合を利用した組成物及び光ラジカル重合及び光カチオン重合を併用した組成物が知られている。
【0008】
光ラジカル重合を利用した活性エネルギー線硬化型接着剤組成物としては、水酸基等を含有するラジカル重合性化合物及び極性基を含有しないラジカル重合性化合物を特定割合で含む組成物(特許文献1)等が知られている。
しかしながら、当該組成物は、硬化時の収縮が大きく、被着体の種類によっては界面での応力発生により十分な剥離強度を得ることが困難であった。
又、この問題を解決するため、ウレタン(メタ)アクリレートやアクリルアミド誘導体を含む組成物が検討されている(例えば、特許文献2等)。
しかしながら、当該組成物は、親水性プラスチックに対する初期接着力は高いものの、実用上要求される耐水性や耐湿熱性が不十分という問題を有するものであった。又、当該手法では、ポリイミドのような難接着基材への密着性が不十分であるうえ、シクロオレフィンに代表されるような、疎水性が強いフィルムへの密着性も不十分であった。したがって、たとえばガラスのような無機基材とプラスチック基材を貼り合わせる場合には、プラスチック材料ごとに接着剤を変える必要があり、さらにこれらプラスチック基材への密着性と無機基材への密着性を両立するためには煩雑な配合検討が必要であった。
【0009】
無機基材への密着性が良好な接着剤組成物としては、光カチオン重合を利用した活性エネルギー線硬化型接着剤組成物が用いられることがあり、芳香環を含まないエポキシ樹脂を主成分とする組成物(特許文献3)や脂肪族エポキシと、脂環式エポキシ及び/又はオキセタンを含む組成物(特許文献4)等が知られている。
当該組成物は、光ラジカル重合を利用した前記組成物に対して、硬化時の収縮が比較的小さいため、界面での応力発生を抑制できるという利点がある。
しかしながら、光カチオン重合は、水分や塩基性物質による重合阻害が起こることが一般的に広く知られており、湿度の高い環境や、水分を多く含む基材、表面が塩基性の基材においては十分な剥離強度を得ることが困難であった。又、多官能エポキシ樹脂を主成分として含む組成物とすることで、重合阻害による硬化性低下の影響を小さくすることが可能であるが、このような組成物は、高い架橋密度により接着剤層と基材との間の応力が高くなり、接着力が不十分となる等の問題を有するものであった。
【0010】
光ラジカル重合及び光カチオン重合を併用した活性エネルギー線硬化型接着剤組成物としては、イソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ化合物、水酸基を含有する化合物及び光酸発生剤を含む組成物(特許文献5)、2個以上のエポキシ基を有しこの基のうちの少なくとも1個が脂環式エポキシ基であるエポキシ樹脂、2個以上のエポキシ基を有しかつ脂環式エポキシ基を有さないエポキシ樹脂、光カチオン重合開始剤及び重合性モノマーを含む組成物(特許文献6)、(メタ)アクリル基を2以上有する化合物、水酸基と1個の(メタ)アクリル基を有する化合物、(メタ)アクリル基を有するカチオン重合性化合物、光ラジカル重合開始剤及び光カチオン重合開始剤を含む組成物(特許文献7)等が知られている。
【0011】
これらの組成物は、硬化時の収縮と水分による重合阻害という問題をハイブリッド化で解決するというものであるが、本発明者らの検討によると以下に示すような問題点があることが判明した。
【0012】
特許文献5で開示されている組成物は、イソシアヌル環骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を必須成分として含むものであるが、本発明者らの検討によると、2官能性の光ラジカル重合性化合物が組成物中に多く含まれると、硬化時の収縮はそれほど小さくならず、界面での応力発生を抑制できず、このため、基材によっては十分な剥離強度を得ることが困難であることが判明した。
【0013】
特許文献6で開示されている組成物は、ハイブリッド化された組成物も概念として含むような記載が明細書内になされているが、実施例においては光カチオン重合性モノマーのみで構成された組成物しか示されておらず、具体性に欠けるものである。
【0014】
特許文献7で開示されている組成物は、(メタ)アクリル基を有するカチオン重合性化合物を必須成分として特定割合で含有するが、本発明者らの検討によると、当該化合物が組成物中に多く含まれると、硬化時の収縮はそれほど小さくならず、界面での応力発生を抑制できず、このため、基材によっては十分な剥離強度を得ることが困難であることが判明した。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、下記(A)〜(D)成分を含み、
下記(A)〜(D)成分の合計100重量%中に(A)成分を1〜40重量%、(B)成分を2〜30重量%、(C)成分を30〜97重量%及び(D)成分を0〜20重量%含む
プラスチック製フィルム又はシート用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に関する。
(A)成分:ウレタン(メタ)アクリレート
(B)成分:25℃で固体のポリアミド樹脂
(C)成分:水酸基及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物
(D)成分:(A)及び(C)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物
以下、必須成分の(A)〜(D)成分、その他の成分、組成物、及び使用方法について説明する。
【0020】
1.(A)成分
(A)成分は、ウレタン(メタ)アクリレートである。
本発明では、(A)成分を含むことにより、得られる硬化物が高温条件下においても接着力に優れるものとなる。
(A)成分としては、オリゴマー及びポリマーのいずれも使用可能であり、重量平均分子量(以下、「Mw」と略す)が500〜5万の化合物が好ましく、より好ましく3,000〜4万の化合物であり、さらに好ましく1万〜4万の化合物である。
尚、本発明において、Mwとは、ゲル・パーミエーションクロマトグラフィーにより測定した分子量をポリスチレン換算した値を意味する。
【0021】
(A)成分としては、種々の化合物が使用でき、ポリオールと有機ポリイソシアネートを反応させて得られるイソシアネート基を有する化合物に、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させた化合物等が挙げられる。
さらに、(A)成分としては、2個の(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アクリレート〔以下、2官能ウレタン(メタ)アクリレートという〕であることが好ましい。
【0022】
ポリオールとしては、ポリエステル骨格を有するポリオール、ポリエーテル骨格を有するポリオール及びポリカーボネート骨格を有するポリオール等が挙げることができる。
ポリエステル骨格を有するポリオールとしては、低分子量ジオール又はポリカプロラクトンジオール等のジオールと、二塩基酸又はその無水物等の酸成分とのエステル化反応物等が挙げられる。
低分子量ジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール及びネオペンチルグリコールにポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールを付加したジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
二塩基酸又はその無水物としては、アジピン酸、コハク酸、フタル酸、セバシン酸、テトラヒドルフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びテレフタル酸等、並びにこれらの無水物等が挙げられる。ポリエーテル骨格を有するポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、前記低分子量ジオール又は/及びビスフェノールA等のビスフェノールと、エチレンカーボネート及び炭酸ジブチルエステル等の炭酸ジアルキルエステルの反応物等が挙げられる。
【0023】
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート3量体、水素化トリレンジイソシアネート、水素化4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシイレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート2量体、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート相互付加物、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、トリメチロールプロパントリス(トリレンジイソシアネート)付加物及びイソホロンジイソシアネート等が挙げられる。又、有機ポリイソシアネートとしては、有機ジイソシアネートが好ましい。
【0024】
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ、ジ又はモノ(メタ)アクリレート、及びトリメチロールプロパンジ又はモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0025】
(A)成分の製造方法としては、ジブチルスズジラウレート等の付加触媒存在下、ポリオールと有機イソシアネートとを加熱撹拌し付加反応させ、さらにヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを添加し、加熱撹拌し付加反応させることにより得られる。
【0026】
(A)成分としては、得られる組成物の接着強度が特に優れることから、ポリオールとしてポリエステル骨格を有するポリオール及び/又はポリカーボネート骨格を有するポリオールを使用して製造された2官能ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
さらに、(A)成分としては、ポリエステル骨格及び/又はポリカーボネート骨格を有する2官能ウレタン(メタ)アクリレートであって、Mwが10,000〜40,000の化合物がより好ましく、ポリエステル骨格を有する2官能ウレタン(メタ)アクリレートであって、Mwが10,000〜40,000の化合物が特に好ましい。
【0027】
(A)成分としては、これら化合物を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0028】
(A)成分の含有割合は、下記(A)〜(D)成分(以下、これらをまとめて「必須成分」という)の合計100重量%中に1〜40重量%であり、好ましくは2〜20重量%である。
(A)成分の割合を1重量%に満たないと、硬化物が耐熱性や耐水性が低下してしまい、40重量%を超過すると、(B)成分との相溶性が低下し、透明性が低下したり、組成物の高粘度となり塗工性が低下してしまう。
【0029】
2.(B)成分
(B)成分は、25℃で固体のポリアミド樹脂である。
(B)成分は、組成物の接着性や柔軟性等の機能を担う成分である。
(B)成分としては、25℃で固体であれば種々のポリアミド樹脂を使用することができ、その具体例としては、二塩基酸やジアミンを共重合して得られる共重合ポリアミド樹脂や、分子中のポリアミド結合にN−アルコキシメチル基を導入したポリアミド樹脂等が挙げられる。
【0030】
共重合ポリアミド樹脂は、モノマ−として二塩基酸及びジアミンを用いて得られる共重合体である。共重合ポリアミド樹脂としては、二塩基酸とジアミンとして、それぞれのモノマーを単独で使用した共重合体でも、2種以上を併用して得られる共重合体のいずれも使用できる。
二塩基酸としては、具体的には、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸及びドデカン二酸等の脂肪族二塩基酸、ダイマー酸、並びにイソフタル酸、テレフタル酸及び5−スルホイソフタル酸ナトリウム等の芳香族二塩基酸等が挙げられる。
又、ジアミンとしては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン及びヘプタメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、p−ジアミノメチルシクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン及びイソホロンジアミン等の脂環式ジアミン、m−キシレンジアミン等の芳香族ジアミン、並びにピペラジン等が挙げられる。
共重合ポリアミド樹脂としては、脂肪族二塩基酸と脂環式ジアミンの共重合体が、(A)、(C)及び(D)成分への溶解性に優れ、長期間保存しても粘度の上昇がほとんどなく、又、広範囲な被着材に対しての良好な接着性を示すため、好ましい。
【0031】
共重合ポリアミド樹脂の製造においては、アミノカルボン酸及びラクタム等を適宜配合してもよい。
アミノカルボン酸の具体例としては、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、4−アミノメチル安息香酸及び4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等が挙げられ、ラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、α−ピロリドン及びα−ピペリドン等が挙げられる。
【0032】
又、共重合ポリアミド樹脂の製造においては、柔軟性を付与させる目的でポリアルキレングリコールを適宜配合してもよい。
ポリアルキレングリコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキサイドとテトラヒドロフランとのブロック又はランダム共重合体及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0033】
このようにして得られる共重合ポリアミド樹脂は、例えば、6/66、6/6−10、6/66/6−10、6/66/11、6/66/12、6/6−10/6−11、6/11/イソホロンジアミン、6/66/6、6/6−10/12等の構成を有する。
【0034】
分子中のポリアミド結合にN−アルコキシメチル基を導入したポリアミド樹脂とは、ポリアミド結合にホルムアルデヒドとアルコ−ルとを付加させ、N−アルコキシメチル基を導入することによってアルコ−ル可溶性ナイロン樹脂としたものである。
具体的には、6−ナイロン、66−ナイロン等をアルコキシメチル化したものが挙げられる。そして、上記N−アルコキシメチル基の導入は、融点の低下、可とう性の増大、溶解性の向上に寄与するものであり、目的に応じて導入率が適宜設定される。
【0035】
(B)成分は、25℃で固体の化合物である。25℃で液状であると、組成物を硬化させた後の硬化物(接着剤層)の耐熱性が十分でなく、接着して得られた積層体が加熱により容易に剥がれてしまうおそれがある。又、意図的に加熱をしない場合も、室温が30℃を超えるような環境条件下で使用すると次第に剥がれが起こる場合がある。
【0036】
(B)成分の融点としては、50〜220℃の範囲であるものが好ましく、より好ましくは70〜180℃の範囲である。上記融点が50℃以上とすることで、硬化物が耐熱性に優れるものとすることができ、220℃以下とすることで、(A)、(C)及び(D)成分に対する溶解性に優れるものとすることができる。
尚、本発明において融点とは、顕微鏡式法により測定された値を意味する。
【0037】
本発明の組成物は、エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂等と配合し、活性エネルギー線照射後に加熱する、いわゆるポストベークして使用することもできる。
この場合、(B)成分のアミノ基と、エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂のエポキシ基とが反応することにより、優れた接着性と耐熱性を得ることができる。一般にポリアミド樹脂のアミン価が高いと、アミノ基とエポキシ基との反応が早く、短い時間での加熱処理で良好な硬化性が得られるが、その一方で常温でも反応が進行するため、混合直後から徐々に反応が進み、液粘度が大幅に上昇したりゲル化したりする。そのため、硬化性と安定性を両立できる適切なアミン価に設定することが好ましく、その範囲は1〜6mgKOH/gである。
【0038】
(B)成分は、固体のまま使用することも、(B)成分の有機溶剤溶液として使用することもできる。
(B)成分を固体として使用する場合は、ペレット状の固体を使用することが好ましい。
(B)成分の有機溶剤溶液として使用する場合の溶剤としては、(B)成を溶解する溶剤であれば良く、例えば、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、n−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテ−ト、3―メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤が挙げられる。
これら有機溶剤は単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。
(B)成分の有機溶剤溶液として使用する場合は、組成物の製造中又は製造後に加熱して、有機溶剤を蒸発させることが好ましい。
【0039】
(B)成分は、(A)、(C)、(D)成分に十分な溶解性を有する必要がある。
当該溶解性の指標としては、(C)成分に60℃及び12時間の条件で溶解するものが好ましい。
【0040】
(B)成分としては、これら化合物を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0041】
(B)成分の含有割合は、必須成分の合計100重量%中に2〜30重量%であり、好ましくは3〜20重量%である。
(B)成分の割合が2重量%に満たないと、接着力が低下してしまい、30重量%を超過すると、組成物が高低粘度で扱い難いものとなったり、又、耐湿熱性や耐水性が低下してしまう。
【0042】
3.(C)成分
(C)成分は、水酸基及び1個のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、(B)成分を組成物に均一に溶解させることを主目的とした成分である。
(C)成分におけるエチレン性不飽和基としては、ビニル基、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、硬化性の観点からは(メタ)アクリロイル基が好ましい。
(C)成分としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及びエポキシ(メタ)アクリレートが好ましく、1個の水酸基を有する化合物が好ましい。
【0043】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら以外にもヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを構成するアルキレン基が長い(メタ)アクリレートを使用することもできるが、前記したアルキレン基が短い化合物、具体的にはエチレン基、プロピレン基及びブチレン基等を有する化合物が(B)成分との相溶性に優れ、均一に溶解するため好ましい。尚、本発明において、アルキレン基とは、アルカンから2個の結合基を有する置換基を意味する。
さらに、比較的揮発性が低く、(B)成分との相溶性に優れる点で、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0044】
エポキシ(メタ)アクリレートとしては、エポキシ化合物に(メタ)アクリル酸を付加させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0045】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルのエポキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら化合物の中では、(B)成分との相溶性に優れる点で、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0046】
(C)成分としては、これら化合物を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0047】
(C)成分の含有割合は、必須成分の合計100重量%中に30〜97重量%であり、好ましくは40〜95重量%、より好ましくは50〜93重量%である。
(C)成分の含有割合が30重量%に満たないと、(B)成分を組成物に均一に溶解させることができず、このため各種基材に対して優れた接着力を得ることができなくなり、97重量%を超えると、得られる硬化物(接着剤層)の耐熱性や耐湿熱性が低下してしまう。
本発明の組成物は、(B)成分と(C)成分の組み合わせることにより、プラスチック基材や無機基材に対する接着性が格段に向上する。
【0048】
4.(D)成分
(D)成分は、(A)及び(C)成分以外のエチレン性不飽和基を有する化合物である。
(D)成分は任意成分であり、組成物を所望の粘度する目的や得られる硬化物を目的の弾性率とするために使用する成分であり、(B)成分との相溶性を考慮したうえで用いればよい。
エチレン性不飽和基としては、ビニル基、ビニルエーテル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられ、他成分との共重合性及び硬化速度に優れる点から(メタ)アクリロイル基とが好ましい。
【0049】
(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート及びジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、N−ビニルカプロラクトン、(メタ)アクリロイルモルホリン、グリシジル(メタ)アクリレート、マレイミド基を有する(メタ)アクリレート等のモノ(メタ)アクリレート;N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド;1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレート、;並びにポリエステルポリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
これら以外にも3官能以上の(メタ)アクリレートも用いることができる。
具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられる。これらの中では、接着力を損なうことなく硬化物の耐熱性を向上できることから、(メタ)アクリロイルモルホリン、イソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0050】
(D)成分としては、これら化合物を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0051】
(D)成分の含有割合としては、必須成分の合計100重量%中に0〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。
(D)成分の含有割合が20重量%を超えると、無機基材、特にガラスに対する密着性が低下し、TAC及びポリアミド等の難接性プラスチックフィルムに対する密着性が低下してしまう。
【0052】
5.その他の成分
本発明の組成物は、上記(A)〜(D)成分を必須成分とするものであるが、目的に応じて種々の成分を配合することができる。
その他の成分の具体例としては、光ラジカル重合開始剤〔以下、「(E)成分」という〕、シランカップリング剤、酸化防止剤及び紫外線吸収剤等を配合することができる。
以下、その他成分について具体的に説明する。
後記するその他の成分は、例示された化合物を単独で使用しても、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0053】
5−1.(E)成分
(E)成分は、光ラジカル重合開始剤である。
(E)成分は、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生し、エチレン性不飽和基を有する化合物の重合を開始する化合物である。
本発明の組成物を活性エネルギー線硬化型組成物として使用し、さらに電子線硬化型組成物として使用する場合は、(E)成分を含有させず、電子線により硬化させることも可能である。
本発明の組成物を活性エネルギー線として紫外線及び可視光線を用いたときには、硬化の容易性やコストの観点から、(E)成分を更に含有することが好ましい。
活性エネルギー線として電子線を使用する場合には、必ずしも配合する必要はないが、硬化性を改善させるため必要に応じて少量配合することもできる。
【0054】
(E)成分の具体例としては、ベンジルジメチルケタール、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4-(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン、2−ヒドロキシ−1−[4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチループロピオニル)−ベンジル]−フェニル]−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)]フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イルーフェニル)−ブタン−1−オン、アデカオプトマーN−1414〔(株)ADEKA製〕、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、エチルアントラキノン及びフェナントレンキノン等の芳香族ケトン化合物;
ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−(メチルフェニルチオ)フェニルフェニルメタン、メチル−2−ベンゾフェノン、1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、N,N′−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン及び4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィネート及びビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド化合物;
チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロー4−プロピルチオキサントン、3−[3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサントン−2−イル]オキシ]−2−ヒドロキシプロピル−N,N,N―トリメチルアンモニウムクロライド及びフロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物等が挙げられる。
【0055】
これら化合物の中でも、アシルホスフィンオキサイド化合物が、紫外線吸収剤等を含有し透過性が低いフィルム越しに活性エネルギー線を照射する場合でも硬化性が良好なため好ましく、その好ましい化合物は前記した通りである。
又、アシルホスフィンオキサイド化合物を用いた場合において、フィルム端面のように酸素による硬化阻害を受けやすい箇所の表面硬化性を向上させたり、ポリイミドフィルムと金属線のポッティング接着における硬化性向上を図る目的で、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンのような、吸収波長が短くとも表面硬化性が良好となる化合物と組み合わせることが好ましい。
【0056】
(E)成分の割合は、必須成分の合計量100重量部に対して0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。(E)成分の割合が0.1重量部以上とすることにより、組成物の活性エネルギー線硬化性が十分にすることができ接着性に優れたものとすることができ、20重量部以下とすることにより、硬化物(接着層)の内部硬化性を優れたものとすることができ、接着性に優れたものとすることができる。
【0057】
5−2.シランカップリング剤
本発明の組成物には、硬化物(接着剤層)とプラスチックの界面、特に親水性プラスチックとの界面接着強度を向上させる目的でシランカップリング剤を配合することができる。
【0058】
シランカップリング剤としては、基材との接着性向上に寄与できるものであれば特に限定されるものではない。
具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル-N-(1,3−ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0059】
シランカップリング剤を用いる時の使用割合は、組成物中に0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。
使用割合が0.1重量%未満だと、組成物の接着力を向上させる効果が十分でなく、使用することに有意な意味はない。一方、10重量%を越えると、接着力の経時変化が懸念される。
【0060】
5−3.酸化防止剤・紫外線吸収剤
本発明の組成物には、硬化物の耐熱性、耐光性等の耐久性を向上させる目的で酸化防止剤及び紫外線吸収剤を配合することができる。
【0061】
酸化防止剤としては、例えばフェノール系酸化防止剤やリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、たとえば、ジt−ブチルヒドロキシトルエン等のヒンダードフェノール類を挙げることができる。市販されているものとしては、(株)アデカ製のAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−70、AO−80等が挙げられる。リン系酸化防止剤としては、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン等のホスフィン類や、亜リン酸トリアルキルや亜リン酸トリアリール等が挙げられる。これらの誘導体で市販品としては、たとえば(株)アデカ製、アデカスタブPEP−4C、PEP−8、PEP−24G、PEP−36、HP−10、260、522A、329K、1178、1500、135A、3010等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、チオエーテル系化合物が挙げられ、市販品としては(株)アデカ製AO−23、AO−412S、AO−503A等が挙げられる。これらは1種を用いても2種類以上を用いてもよい。
酸化防止剤を用いる時の使用割合は、組成物中に0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量%である。
使用割合が0.1重量%未満だと、組成物の耐久性を向上させる効果が十分でなく、使用することに有意な意味はない。一方、5重量%を越えると、硬化不足や接着力不足を起こすおそれがある。
【0062】
紫外線吸収剤の具体例としては、(株)BASF製チヌビン400、チヌビン405、チヌビン460、チヌビン479等のトリアジン系紫外線吸収剤や、チヌビン900、チヌビン928、チヌビン1130等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を挙げることができる。
紫外線吸収剤を用いる時の使用割合は、組成物中に0.01〜5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜1重量%である。5重量部を超えると組成物の硬化性が大幅に低下する。
【0063】
5−4.前記以外のその他の成分
前記以外のその他の成分としては、具体的には、無機充填剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、安定剤、粘着付与樹脂、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、染料、顔料、処理剤及び紫外線遮断剤等を配合することができる。
【0064】
6.プラスチックフィルム用活性エネルギー線硬化型接着剤組成物
本発明は、前記(A)〜(D)成分を含み、必須成分の合計100重量%中に(A)成分を1〜40重量%、(B)成分を2〜30重量%、(C)成分を30〜97重量%及び(D)成分を0〜20重量%含む活性エネルギー線硬化型接着剤組成物に関する。
本発明の組成物の粘度としては、目的に応じて適宜設定すれば良い。
本発明の組成物は低粘度であり、200〜1,000mPa・sが好ましく、より好ましくは300〜800mPa・sである。
尚、本発明において粘度とは、25℃においてE型粘度計を用いて測定した値を意味する。
【0065】
本発明の組成物の製造方法としては、前記(A)〜(D)成分を、必要に応じてさらにその他の成分を、常法に従い攪拌・混合することにより製造することができる。
この場合、必要に応じて加熱することもできる。加熱温度としては、使用する組成物、基材及び目的等に応じて適宜設定すれば良いが、30〜80℃が好ましい。
さらに、(B)成分は溶解性に乏しいため、事前に加熱下に(B)及び(C)成分と撹拌・混合して混合液を製造しておき、当該混合液に、加熱下に(A)成分、並びに必要に応じて(D)成分及びその他の成分と撹拌・混合して製造することが好ましい。
この場合の加熱温度としては、前記と同様の温度が好ましい。
【0066】
7.使用方法
本発明の組成物の使用方法としては、常法に従えば良く、基材に塗工した後、もう一方の基材と貼り合せ、活性エネルギー線を照射する方法等が挙げられる。
組成物が有機溶剤を含む場合は、基材に塗工した後、加熱・乾燥させて組成物中の有機溶剤を蒸発させることが好ましい。
当該方法により、基材/組成物の硬化物(接着剤層)/基材から構成される積層体を製造することができる。
以下、基材、塗工方法、活性エネルギー線、好ましい態様について説明する。
【0067】
7−1.基材
本発明の組成物は、プラスチックフィルム同士の接着、プラスチックフィルムとこれ以外の種々の基材(以下、その他基材という)の接着に使用することができる。
尚、以下において、単に「基材」と表記した場合は、プラスチックフィルム及びその他基材の総称を意味する。
その他基材としては、ガラス及び金属等の無機基材、並びに紙等が挙げられる。
【0068】
プラスチックフィルムにおける材質としては、例えばポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、セルロース系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、アクリル/スチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び塩素化ポリプロピレン等が挙げられる。
又、金属としては、銅、銀、鉄、アルミニウム、ステンレス、亜鉛、その他ITO等金属酸化物が挙げられる。これらの形状は組成物に対して活性エネルギー線の照射が可能な使用方法を用いることができれば特に制限はなく、例えば板、箔、コイル状等が挙げられる。
紙としては、模造紙、上質紙、クラフト紙、アートコート紙、キャスターコート紙、純白ロール紙、パーチメント紙、耐水紙、グラシン紙及び段ボール紙等が挙げられる。
【0069】
本発明の組成物は、プラスチックフィルムにおいても特に難接着性と称されるプラスチックフィルムの接着に好ましく適用できる。
難接着性プラスチックフィルムとしては、ノルボルネン樹脂等のCOP(シクロオレフィン)、オレフィン、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド及び親水性プラスチック等が挙げられる。
尚、本発明において難接着性とは、通常の使用において、プライマー処理、コロナ処理、フレーム処理等の表面処理を施されて使用されるプラスチック材料を意味する。本発明の組成物はこれらの表面処理を必須としないため、積層体を得るまでの工程を簡略化できる上、経済的にも有用なものである。
【0070】
7−2.塗工方法
基材に対する塗工は、従来知られている方法に従えばよく、ナチュラルコーター、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット、スプレー、ディップ、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、カーテンフローコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター及びカーテンコーター等の方法が挙げられる。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する基材及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜50μmである。
【0071】
7−3.活性エネルギー線
活性エネルギー線としては、可視光線、紫外線、X線及び電子線等が挙げられるが、安価な装置を使用することができるため、紫外線が好ましい。
紫外線により硬化させる場合の光源としては、様々のものを使用することができ、例えば加圧或いは高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、カーボンアーク灯及びLED等が挙げられる。
電子線により硬化させる場合には、使用できるEB照射装置としては種々の装置が使用でき、例えばコックロフトワルトシン型、バンデグラフ型及び共振変圧器型の装置等が挙げられ、電子線としては50〜1000eVのエネルギーを持つものが好ましく、より好ましくは100〜300eVである。
【0072】
7−4.積層体の構成
以上の方法により、プラスチックフィルム/組成物の硬化物を少なくとも有する積層体を製造することができる。
積層体の構成としては、例えば、「プラスチックフィルム/組成物の硬化物/プラスチックフィルム」から構成される積層体、「プラスチックフィルム/組成物の硬化物/無機基材」から構成される積層体等が挙げられる。
本発明の組成物は、前記した効果を有するため、プラスチックフィルムのいずれか一方、又は両方が難接着性プラスチックフィルムである場合に好ましく適用できる。又、前記無機基材がガラスである場合に好ましく適用できる。
【0073】
7−5.好ましい態様
本発明の組成物は、基材として薄層被着体を接着する場合に好適である。
薄層被着体を接着する場合の使用方法は、ラミネートの製造において通常行われている方法に従えばよい。
例えば、組成物を第1の薄層被着体に塗工し、これに第2の薄層被着体を貼り合わせ、活性エネルギー線の照射を行う方法等が挙げられる。組成物が有機溶剤を含む場合は、薄層基材に塗工した後、加熱・乾燥させ、組成物中の有機溶剤を蒸発させることが好ましい。
尚、本発明において薄層被着体とは、膜厚10〜1,000μmを有する被着体を意味する。
【0074】
薄層被着体としては、プラスチックフィルム、紙又は金属箔等が挙げられる。
プラスチックフィルムは、活性エネルギー線を透過できるものである必要があり、膜厚としては使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、好ましくは厚さが500μm以下である。
【0075】
本発明の組成物は、これら薄層被着体の中でも、プラスチックフィルムとガラスとの接着、プラスチックフィルムと金属との接着、プラスチックフィルム同士の接着に好適に用いられ、本発明の組成物は接着性に優れるため、特に難接着性プラスチックフィルムの接着に好ましく使用することがきる。
難接着性プラスチックフィルムにおけるプラスチックとしては、ノルボルネン樹脂等のCOP(シクロオレフィン)、オレフィン、PET(ポリエチレンテレフタレート)及びポリイミド及び親水性プラスチック等が挙げられる。
親水性プラスチックとしては、具体的には、水酸基やカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基及びアミド結合等の親水性部位を含有するポリマーを成形加工して製造されるプラスチックを挙げることができる。親水性部位を含有するポリマーの好ましい例としては、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、ポリビニルアセタール及びポリアミド等を挙げることができる。
又、親水性部位を有しないポリマーを成形加工した後に、親水性処理をしたものも使用することができる。具体的には、親水性部位を有しないポリマーを、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理及び親水性部位含有ポリマーのプライマー処理等により親水性基を導入したプラスチック等が挙げられる。好ましい具体例としては、ポリアミドでプライマー処理されたポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。
親水性プラスチックとしては、親水性部位を含有するポリマーを成形加工して製造されるプラスチックが好ましく、より好ましくは親水性部位を含有するポリマーとしてポリビニルアルコール及びトリアセチルセルロースを使用したものである。
【0076】
又、本発明の組成物は、多くの難接着性基材に対して表面処理を施すことがなくても優れた接着強度を発現するものであるが、必要に応じて被着体を接着する前に、層間接着力を大きくするために一方又は両方の表面に活性化処理を行うこともできる。
表面活性化処理としてはプラズマ処理、コロナ放電処理、薬液処理、粗面化処理及びエッチング処理、火炎処理等が挙げられ、これらを併用してもよい。
【0077】
薄層被着体に対する塗工は、従来知られている方法に従えばよく、前記と同様の方法が挙げられる。
又、本発明の組成物の塗布厚さは、使用する薄層被着体及び用途に応じて選択すればよいが、前記と同様の塗布厚さが好ましい。
【0078】
本発明の組成物から得られる積層体は、高温条件下における接着力に優れているため、「プラスチックフィルム/組成物の硬化物/ガラス」から構成される積層体は、ガラス飛散防止フィルム付ガラスに使用でき、「プラスチックフィルム/組成物の硬化物/プラスチックフィルム」及び「プラスチックフィルム/組成物の硬化物/ガラス」から構成される積層体は、液晶表示装置等に用いる偏光板及び保護フィルム、位相差フィルム等の光学フィルムに好適に使用できる。
又、ポリイミドフィルム等のプラスチックフィルムに、金属箔又は金属線を接着する、いわゆるポッティング接着にも使用することができ、得られる積層体は、「ポリイミドフィルム/組成物の硬化物/金属箔又は金属線」から構成される積層体が得られる。この場合、ポリイミドフィルムに銅箔を貼り合わせることで、フレキシブルプリント配線板等の製造にも好適に使用できる。
【実施例】
【0079】
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明する。尚、以下の各例における「部」は重量部を意味し、「%」は重量%を意味する。
【0080】
1.製造例
1)製造例1〔(A)成分の製造〕
攪拌機を備えた500mL反応容器に、イソホロンジイソシアネートの111.4g(1.0モル)、希釈剤としてアクリロイルモルホリン(以下、「ACMO」という)を380g、触媒としてジブチルスズジラウレート(以下、「DBTDL」という)を0.02g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを0.48gを入れ、5容量%の酸素を含む窒素の雰囲気下、これらを攪拌しながら液温が80℃になるまで加温した。
反応溶液に水酸基価が55mgKOH/gのポリエステルポリオール(豊国製油製 HS2F−233AN、アジピン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物)の813.2g(0.80モル)を3時間かけて滴下した。滴下終了30分間後に、1,4−ブタンジオールを4.5g(0.10モル)加えて、83℃に昇温し、追加のDBTDLを0,02gを加えた。22時間反応した後2−ヒドロキシエチルアクリレートを20.9g(0.18モル)加えてさらに5時間反応させた。赤外線吸収スペクトル装置(HORIBA製FT−IR FT−72)によりスペクトルを測定し、イソシアネート基が完全に消費されたことを確認した。さらにACMOを570g加え、ウレタンアクリレート(以下、「A1」という)のACMOの50%溶液を得た。
得られたA1を、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した結果、ポリスチレン換算のMwは26,000であった。粘度11,440mPa・s(25℃)、酸価0.166mgKOH/gであった。
GPC測定条件;
装置:Waters(株)製 GPC システム名 1515 2414 717P RI
・検出器:RI検出器
・カラム:ガードカラム 昭和電工(株)製 Shodex KFG(8μm 4.6×10mm)、本カラム2種類 Waters(株)製 styragel HR 4E THF(7.8×300mm)+styragel HR 1THF(7.8×300mm)
・カラムの温度:40℃
・溶離液組成:THF(内部標準として硫黄を0.03%含むもの)、流量0.75mL/分
【0081】
2)製造例2〔(B)成分の製造〕
攪拌機、還流脱水装置及び蒸留管を備えたフラスコに、アゼライン酸65部、ドデカン二酸190部、ピペラジン100部、蒸留水120部を仕込んだ。
温度を120℃に昇温して水を留出させた後に、20℃/時間の割合で240℃にまで昇温し、3時間反応を継続してポリアミド樹脂(以下、「B1」という)を得た。得られたポリアミド樹脂は反応終了後には粘調液体であったが、室温まで冷却すると固体状であった。
得られたB1は、融点が108℃で、アミン価は4.5mgKOH/gであった。後記実施例においては、固体状のポリアミド樹脂をペレット状に加工したものを使用した。
【0082】
2.実施例1〜同4、比較例1〜同3
1)組成物の製造
後記表1に示す成分を表1に示す割合で使用し、下記方法に従い、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を製造した。
得られた組成物を使用して、E型粘度計を用いて、25℃における粘度を測定した。それらの結果を表1に示す。尚、表1において、「−」は粘度の測定ができなかったことを意味する。
(1)実施例1、同2、同4
表1に示す(B)成分をあらかじめ(C)成分と60℃で12時間加熱撹拌して溶解させた後に、製造例1で得られたA1のACMO溶液、(E)成分及びその他成分を、さらに60℃で1時間加熱撹拌して溶解させ、組成物を製造した。
尚、表1においては、A1及びACMOは、それぞれ(A)及び(C)成分として分けて記載している。
(2)実施例3
表1に示す(B)成分をあらかじめ(C)成分と60℃で12時間加熱撹拌して溶解させた後に、(A)、(D)及び(E)成分を、さらに60℃で1時間加熱撹拌して溶解させ、組成物を製造した。
(3)比較例1
表1に示す(B)成分をあらかじめ(C)成分と60℃で12時間加熱撹拌して溶解させた後に、(A’)、(D)、(E)成分及びその他成分を、さらに60℃で1時間加熱撹拌して溶解させ、組成物を製造した。
(4)比較例2
表1に示す各成分を撹拌・混合して組成物を製造した。
(5)比較例3
表1に示す(B)成分をあらかじめ#190(エチルカルビトールアクリレート)と60℃で12時間加熱撹拌して溶解させた後に、製造例1で得られたA1のACMO溶液、及び(E)成分を、さらに60℃で1時間加熱撹拌して溶解させ、組成物を製造した。
尚、表1においては、A1及びACMOは、それぞれ(A)及び(C)成分として分けて記載している。
【0083】
【表1】
【0084】
表1における数字は部数を意味する。又、表1における略号は、下記の通りである。
1)(A)成分
・A1:製造例1で得られたポリエステル系ウレタンアクリレート、Mw:26,000。
・OT−1001:ポリエステル系ウレタンアクリレート、Mw:40,000、東亞合成(株)製アロニックスOT−1001
2)(A’)成分
・M−8060:ポリエステルアクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−8060
2)(B)成分
・B1:製造例2で得られたポリアミド樹脂
3)(C)成分
・4−HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート、大阪有機化学工業(株)製4−HBA
・M−5700:2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、東亞合成(株)製アロニックスM−5700
4)(D)成分
・ACMO:アクリロイルモルホリン、KJケミカルズ(株)製ACMO
・IBXA:イソボルニルアクリレート、共栄社化学(株)製ライトアクリレートIB−XA
・#190:エチルカルビトールアクリレート、大阪有機化学工業(株)製ビスコート190
5)(E)成分
・TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、BASF社製DAROCUR TPO
・Irg184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、BASF社製IRGACURE184
・Irg819:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製IRGACURE819
6)その他成分
・AO−80:3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、(株)アデカ製アデカスタブAO−80
・3010:亜リン酸トリイソデシル、(株)アデカ製アデカスタブ3010
【0085】
2)評価
(1)試験体の作製
接着性試験で使用した基材及びその略号を下記に示す。
・ガラス:日本板硝子(株)製、フロートガラス(板厚3mm)
・PET:膜厚50μmの表面処理を行っていないPETフィルム、東レ(株)製ルミラーT−60
・TAC:膜厚80μmのトリアセチルセルロースフィルム、富士フイルム(株)製フジタックTD 80UL
・COP:膜厚100μmのシクロオレフィンフィルム、日本ゼオン(株)製ゼオノアZF14
・ポリイミド:膜厚25μmのポリイミドフィルム、東レ・デュポン(株)製カプトン100H
・PC:膜厚50μmのポリカーボネートフィルム、MGCフィルシート(株)製ユーピロンFE−2000
・PMMA:膜厚75μmのポリメチルメタクリレートフィルム、クラレ(株)製クラリティHI50−75
【0086】
プラスチック基材として、PET、TAC、COP、ポリイミド、PC及びPMMAを使用して、前記で得られた組成物をバーコーターにより25μmの厚みに塗布した。
これに、他の基材としてガラスをラミネートした後、ガラス側から紫外線照射を行い組成物を硬化させた。光源として、160W/cm集光型のメタルハライドランプ(焦点距離から20cm)を用いて、コンベアスピ−ド8m/minで硬化させ、試験体であるラミネートフィルムを製造した。
紫外線強度は400mW/cm
2、積算光量は1200mJ/cm
2であった(いずれも365nmでの値)。
又、プラスチック基材として、COPを使用して、前記で得られた組成物をバーコーターにより25μmの厚みに塗布し、他の基材として下記に示すPETをラミネートし、前記と同様の条件で紫外線照射して試験体を作製した。この場合、紫外線照射はCOP側から上記条件で行った。
又、プラスチック基材として、PMMAを使用して、前記で得られた組成物をバーコーターにより25μmの厚みに塗布し、他の基材としてPCをラミネートし、前記と同様の条件で紫外線照射して試験体を作製した。この場合、紫外線照射はCOP側から上記条件で行った。
得られた試験体を使用して、後記接着性試験及び耐熱性試験を行った。それらの結果を後記表2に示す。
【0087】
(2)接着性試験
得られた試験体を、室温で30分以上放置した後、下記の条件で剥離強度を引張試験機(インストロンジャパンカンパニーリミテッド製インストロン5564)により測定した。
・試験片:25mm×100mm
・試験方法:180度剥離
・剥離速度:200mm/min
【0088】
(3)耐熱性試験
得られた試験体を、85℃で96時間の条件の高温条件で放置した後、上記と同様の方法及び条件で剥離強度を測定した。
【0089】
【表2】
【0090】
表2おいて、剥離試験強度の単位はN/25mm、材破は試験中に基材が破断したことを表す。尚、「−」は評価できなかったことを意味する。
【0091】
2)ポッティング接着剤評価
ポッティング接着剤としての評価をポリイミドと同板を用いて評価した。本評価はフレキシブルプリント配線板を想定した評価である。
上記実施例で使用したポリイミドフィルムに対し、スポイトで各組成物を約10〜30mg垂らした上に、線幅1mm、長さ約10cmで切り出した膜厚0.3mmの銅線を置いた。次に、スポットタイプの光照射装置SPOTCURE〔ウシオ電機(株)製〕を使用して200mW/cm
2×30秒の紫外線照射を行い、組成物を硬化させた。
【0092】
銅線とポリイミドフィルムとの接着性は以下の3水準で判定した。それらの結果を、後記表3に示す。尚、表3において、「−」は評価できなかったことを意味する。
○:銅線を手で剥がした後にポリイミドフィルムが変形するもしくはフィルムが破損する
△:手で剥がすときに若干の抵抗はあるがポリイミドフィルムが変形することなく剥がれる
×:ほとんど抵抗なく容易に剥がれる。
【0093】
【表3】
【0094】
3.評価結果
本発明の実施例1〜同4の組成物は、初期接着強度に優れ、耐熱性試験後の接着強度も優れるものであった。さらに、銅線とポリイミドフィルムとの接着性にも優れるものであった。
比較例1及び同2の組成物は、初期接着強度、耐熱性試験後の接着強度のどちらも低いものであった。さらに、これら比較例の組成物は、銅線とポリイミドフィルムとの接着性が不十分なものであった。
特に、比較例3の組成物は、必須とする(C)成分を含まないため(B)成分を組成物中に均一に溶解させることができずに成分が析出してしまい、評価を行うことができなかった。