(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
レーザによる切断加工、パンチによる切断加工、及び非切断加工から選択され板状のワークに施される複数の加工を定めたデータ構造を含むデータを処理する情報処理装置であって、
ホストCAMと、前記加工の種類に応じて設けられた複数のCAMとを有し、
前記データ構造は、前記加工の対象となる加工線の位置を定めた形状情報と、公差情報と、アセンブリ又は組み立てに関する構成情報と、前記複数の加工のうち前記加工線に対応する加工の種類を定めた加工情報と、を含み、前記形状情報、前記公差情報、前記構成情報及び前記加工情報がXMLで表され、
前記複数のCAMのそれぞれは、前記形状情報、前記公差情報、及び前記構成情報に基づいて前記加工情報を生成して前記データを形成し、
前記ホストCAMは、
前記データのうち、前記複数のCAMの1つにおける前記加工情報に対して他のCAMの前記加工情報を加味して更新させることにより、順次、前記複数のCAMにおいて前記加工情報をそれぞれ更新させ、
前記複数のCAMのそれぞれは、
更新された加工情報を含む前記データの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部に入力された前記データから前記加工の種類に応じた情報を抽出する抽出部と、を備える情報処理装置。
レーザによる切断加工、パンチによる切断加工、及び非切断加工から選択され板状のワークに施される複数の加工を定めたデータ構造を含むデータを処理する情報処理方法であって、
前記データ構造は、前記加工の対象となる加工線の位置を定めた形状情報と、公差情報と、アセンブリ又は組み立てに関する構成情報と、前記複数の加工のうち前記加工線に対応する加工の種類を定めた加工情報と、を含み、前記形状情報、前記公差情報、前記構成情報及び前記加工情報とがXMLで表され、
前記形状情報、前記公差情報、及び前記構成情報に基づいて前記加工情報を生成して前記データを形成することと、
前記データのうち、複数の前記加工情報の1つに対して他の前記加工情報を加味して更新することにより、順次、複数の前記加工情報をそれぞれ更新することと、
更新された加工情報を含む前記データの入力を受け付けることと、
前記データから、前記加工の種類に応じた情報を抽出することと、を含む情報処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置を適用した加工システム1Aの一例を示す概念図である。加工システム1Aは、設計装置2と、情報処理装置3A、パンチ加工機6と、レーザ加工機7と、曲げ加工機8とを備える。
【0016】
設計装置2は、加工システム1Aによって、板状のワークWから製造される部品の設計に利用される。設計装置2は、例えば三次元のCADが実装されたコンピュータシステムなどである。設計装置2は、例えば、CPUなどの汎用プロセッサ、及びDRAMなどのワーキングメモリなどが設けられる本体部を備える。本体部には、HDDなどの大容量記憶デバイス、液晶ディスプレイなどの表示デバイス、マウス、キーボードなどの入力デバイスが接続される。CADなどの設計プログラムは、例えば、大容量記憶デバイスに記憶されており、本体部は、設計プログラムを大容量記憶デバイスから読み出して、各種処理を行う。設計プログラムは、市場に流通している汎用品でもよいし、加工システム1Aの専用品でもよい。設計装置2は、部品の設計情報をXML(Extensible Markup Language;拡張可能なマーク付け言語)で表したXMLファイルX1を外部へ出力可能である。例えば、汎用の設計プログラムにアドインを組み込んでおくことで、設計結果をXML形式で出力可能になる。なお、設計装置2は、加工システム1Aの外部の装置でもよい。
【0017】
図2は、設計装置2の動作を示す概念図である。設計者(ユーザ)は、加工システム1Aによって製造される部品を、設計装置2上で設計することができる。符号Q1は、設計装置2の表示デバイスの画面であり、符号OBは、画面Q1上に表示された設計物(設計結果)の例である。設計物OBは、三次元形状であり、板状のワークに各種の加工を施すことで製造される。各種の加工は、例えば、切断刃による穴あけ加工(パンチ加工)、レーザの照射による切断加工、曲げなどの成形加工などである。設計装置2は、三次元形状の設計物OBを平面的に展開した二次元情報Q2を生成する。
図2の例において、実線は切断位置を示す加工線であり、点線は曲げ位置を示す加工線であり、「ABCDEFGH」は、マーキング加工により形成されるマークである。設計装置2は、このような二次元情報Q2を生成し、二次元情報Q2に相当するXMLファイルX1(
図1参照)を出力する。
【0018】
図1の説明に戻り、情報処理装置3Aは、設計情報のXMLファイルX1を元に、加工の種別を示す加工情報を生成する。例えば、情報処理装置3Aは、設計情報に加工情報を付加したXMLファイルX2を生成する。情報処理装置3Aは、ホストCAM11、パンチ加工用CAM12、レーザ加工用CAM13、及び曲げ加工用CAM14を備える。ホストCAM11、パンチ加工用CAM12、レーザ加工用CAM13、及び曲げ加工用CAM14は、同じコンピュータシステムに実装されてもよいし、これらCAMのうち少なくとも1つは他のCAMと別のコンピュータシステムに実装されてもよい。ホストCAM11は、パンチ加工用CAM12、レーザ加工用CAM13、及び曲げ加工用CAM14のそれぞれに各加工に応じた加工情報の生成を実行させる。情報処理装置3Aは、加工情報をXMLで表したXMLファイルX2を生成する。XMLファイルX2は、設計情報および加工情報を含む。
【0019】
図3は、本実施形態に係るデータ構造のXMLファイルX2の一例を示す概念図である。符号Q3(図中左)は、平面的に展開された加工前の部品に相当する板状部材である。板状部材Q3は、加工の対象となる加工線L1〜L6を含む。加工線L1は、レーザ加工により切断される線であり、平面的に展開した部品の外周に相当する。加工線L2は、レーザ加工により切断される線であり、部品の窓穴の1つの相当する。加工線L3は、パンチ加工により切断される線であり、部品の窓穴の1つに相当する。加工線L4は、成形加工によりバーリングが施される位置に相当する。加工線L5および加工線L6は、成形加工により曲げが施される線に相当する。
【0020】
実施形態に係るデータ構造(XMLファイルX2)は、レーザによる切断加工、パンチによる切断加工、及び非切断加工から選択され板状のワークに施される複数の加工を定めたデータ構造である。非切断加工は、例えば、曲げ加工、タップ加工、成形加工、及びマーキング加工の少なくとも1つを含む。XMLファイルX2は、形状情報(タグT20)と加工情報(タグT30)とを含み、形状情報と加工情報とがXMLで表されている。形状情報は、加工の対象となる加工線L1〜L6の位置を定めた情報である。加工情報は、加工線L1〜L6のそれぞれに対応する加工の種類を定めた情報である。
【0021】
XMLファイルX2は、階層的にタグが設けられた構造である。以下、開始タグと終了タグとの間に格納されることを、タグに格納されると略記する。XMLファイルX2は、タグごとに関連する情報が格納される構造である。上位のタグT10は、「属性」に関する情報に対応するタグである。タグT10の下位には要素名が「部品の名称」のタグT11、及び要素名が「材質、板厚」のタグT12が設けられる。タグT11、T12には、それぞれ、ユーザが指定する部品の名称、ワークの材質、ワークの板厚が格納される。
【0022】
上位のタグT20は、「形状情報」に関する情報に対応するタグである。タグT20の下位には、要素名が「外周リスト」のタグT21、要素名が「穴窓リスト」のタグT22、要素名が「成形リスト」のタグT23、及び要素名が「曲げ線リスト」のタグT24が設けられる。タグT21には、要素名が「連続線1」のタグT21aが設けられる。連続線1は、加工線L1の要素名である。
図3の例では加工線L1が矩形状であり、タグT21aには、例えば、加工線L1の各辺の両端の座標が格納される。
【0023】
タグT22には、要素名が「連続線2」のタグT22a、及び要素名が「円3」のタグT22Bが設けられる。「連続線2」は、加工線L2の要素名である。
図3の例では加工線L2が矩形状であり、タグT22aには、例えば、加工線L2の各辺の両端の座標が格納される。「円3」は、加工線L3の要素名である。
図3の例では加工線L3が円形であり、タグT22Bには、例えば、加工線L2の中心座標および径が格納される。
【0024】
タグT23には、要素名が「バーリング」のタグT23aが設けられる。「バーリング」は、加工線L4の要素名であり、タグT23aには、加工線L3の中心座標、下穴の寸法、成形加工の対象領域の寸法などの情報が格納される。タグT24には、要素名が「曲げ線5」のタグT24a、及び要素名が「曲げ線6」のタグT24bが設けられる。「曲げ線5」、「曲げ線6」は、それぞれ、加工線L5、L6の要素名であり、タグT24a、T24bには、それぞれ、加工線L5の両端の座標および曲げの角度、加工線L6の両端の座標および曲げの角度、曲げによる伸び値などが格納される。上記のタグT20、タグT30は、設計装置2において生成され、設計情報のXMLファイルX1に含まれる。
【0025】
上位のタグT30は、要素名が「加工情報リスト」であり、「加工情報」に関する情報に対応するタグである。タグT30は、情報処理装置3Aにおいて生成される。タグT30の下位には、要素名が「パンチ加工情報」のタグT31、要素名が「レーザ加工情報」のタグT32、及び要素名が「曲げ加工」のタグT33が設けられる。
【0026】
タグT31は、パンチ加工機6(
図1参照)により加工する加工線L3、加工線L4の加工の種類を定めた加工情報に対応する。タグT31は、パンチ加工用CAM12において生成される。タグT31には、要素名が「パンチ加工3」のタグT31a、及び要素名が「パンチ加工4」のタグT31bが設けられる。「パンチ加工3」は、加工線L3に対応する加工情報であり、例えば、加工線L3の位置、加工の順番、要求精度、加工に用いるツールなどの各種情報が格納される。「パンチ加工4」は、加工線L4に対応する加工情報であり、「パンチ加工3」と同様に加工線L4の各種情報が格納される。
【0027】
タグT32は、レーザ加工機7(
図1参照)により加工する加工線L1、加工線L2の加工の種類を定めた加工情報に対応する。タグT32は、レーザ加工用CAM13において生成される。タグT32には、要素名が「レーザ加工2」のタグT32a、及び要素名が「レーザ加工1」のタグT32bが設けられる。「レーザ加工2」は、加工線L2に対応する加工情報であり、加工線L2の位置、加工の順番、要求精度などの各種情報が格納される。「レーザ加工1」は、加工線L1に対応する加工情報であり、「レーザ加工2」と同様に加工線L1の各種情報が格納される。
【0028】
タグT33は、曲げ加工機8(
図1参照)により加工する加工線L5、加工線L6の加工の種類を定めた加工情報に対応する。タグT33は、曲げ加工用CAM14において生成される。タグT33には、要素名が「曲げ加工5」のタグT33a、及び要素名が「曲げ加工6」のタグT33bが設けられる。「曲げ加工5」は、加工線L5に対応する加工情報であり、加工線L5の位置、加工の順番、曲げの角度、曲げによる部材の伸び、要求精度などの各種情報が格納される。「曲げ加工6」は、加工線L6に対応する加工情報であり、「曲げ加工5」と同様に加工線L6の各種情報が格納される。
【0029】
なお、上述のデータ構造(XMLファイルX2)は一例であり、タグ(要素)の追加、削除、タグが格納する情報など各種の変更が可能である。例えば、実施形態に係るデータ構造は、公差情報、構成(アセンブリ、組み立て)情報、加工機への搬入情報、加工機からの搬出情報のうち少なくとも1項目の情報を含んでもよい。また、
図3の例では、XMLファイルX2は、加工情報として「パンチ加工情報」、「レーザ加工情報」、及び「曲げ加工情報」の3項目の情報を含むが、これら3項目の情報のうち1項目の情報を含まなくてもよい。例えば、実施形態に係るデータ構造は、レーザによる切断加工の加工情報とパンチによる切断加工の加工情報を含み、非切断加工の加工情報を含まなくてもよい。また、例えば、実施形態に係るデータ構造は、レーザによる切断加工の加工情報と非切断加工の加工情報とを含み、パンチによる切断加工の加工情報を含まなくてもよい。また、例えば、実施形態に係るデータ構造は、パンチによる切断加工の加工情報と非切断加工の加工情報とを含み、レーザによる切断加工の加工情報を含まなくてもよい。また、実施形態に係るデータ構造は、非切断加工の加工情報として、2つ以上の加工の種類のそれぞれに対応する加工情報を含んでもよい。
【0030】
図4は、加工情報を生成する際の情報処理装置3Aの動作の一例を示す概念図である。ホストCAM11は、パンチ加工用CAM12にデータの作成指令を送り、パンチ加工情報(
図3のタグT31参照)の作成をパンチ加工用CAM12に実行させる。パンチ加工用CAM12は、パンチ加工機6の各種情報を保持する。パンチ加工機6の各種情報は、例えば、金型の種類、各軸の動作、パンチ加工機6が用いる座標系などの情報である。パンチ加工用CAM12は、パンチ加工を施す上で必要とされる情報をホストCAM11に供給する。例えば、パンチ加工用CAM12には設計情報のXMLファイルX1が供給され、ホストCAM11からのデータの作成指令には、設計情報に含まれる形状に対してユーザがパンチ加工の対象の加工線を指定する情報が含まれる。パンチ加工用CAM12は、パンチ加工機6の各種情報を用いてパンチ加工情報を生成する。パンチ加工用CAM12は、設計情報X1にパンチ加工情報を付加したXMLファイルX1Aを生成し、XMLファイルX1AをホストCAMに供給する。
【0031】
また、ホストCAM11は、レーザ加工用CAM13にデータの作成指令を送り、レーザ加工情報(
図3のタグT32参照)の作成をレーザ加工用CAM13に実行させる。レーザ加工用CAM13は、レーザ加工機7の各種情報を保持する。レーザ加工用CAM13は、レーザ加工を施す上で必要とされる情報をホストCAM11に供給する。例えば、レーザ加工用CAM13には、設計情報にパンチ加工情報を付加したXMLファイルX1Aが供給され、ホストCAM11からのデータの作成指令には、設計情報に含まれる形状に対してユーザがレーザ加工の対象の加工線を指定する情報が含まれる。レーザ加工用CAM13は、レーザ加工機7の各種情報を用いてレーザ加工情報を生成する。レーザ加工用CAM13が受け取るXMLファイルX1Aにはパンチ加工情報が含まれており、レーザ加工用CAM13は、パンチ加工情報を加味してレーザ加工情報を生成してもよい。例えば、レーザ加工用CAM13は、パンチ加工情報と整合がとれるように、レーザ加工情報を生成してもよい。レーザ加工用CAM13は、XMLファイルX1Aにレーザ加工情報を付加したXMLファイルX1Bを生成し、XMLファイルX1BをホストCAMに供給する。
【0032】
また、ホストCAM11は、曲げ加工用CAM14にデータの作成指令を送り、曲げ加工情報(
図3のタグT33)の作成を曲げ加工用CAM14に実行させる。曲げ加工用CAM14は、曲げ加工機8の各種情報を保持する。曲げ加工用CAM14は、曲げ加工を施す上で必要とされる情報をホストCAM11に供給する。例えば、曲げ加工用CAM14には、設計情報にパンチ加工情報およびレーザ加工情報を付加したXMLファイルX1Bが供給され、ホストCAM11からのデータの作成指令には、設計情報に含まれる形状に対してユーザが曲げ加工の対象の加工線を指定する情報が含まれる。曲げ加工用CAM14は、曲げ加工機8の各種情報を用いて曲げ加工情報を生成する。曲げ加工用CAM14が受け取るXMLファイルX1Bにはパンチ加工情報およびレーザ加工情報が含まれており、曲げ加工用CAM14は、パンチ加工情報およびレーザ加工情報の少なくとも一方を加味して曲げ加工情報を生成してもよい。曲げ加工用CAM14は、XMLファイルX1Bに曲げ加工情報を付加したXMLファイルX2を生成し、XMLファイルX2をホストCAMに供給する。
【0033】
図5は、加工情報を生成する際の情報処理装置3Aの動作の他の例を示す概念図である。
図5は、
図4で説明した動作に続く動作であり、ホストCAM11は、
図4において曲げ加工用CAM14が生成したXMLファイルX2を保持している。情報処理装置3Aは、加工情報の最適化を行う。ホストCAM11は、パンチ加工用CAM12にXMLファイルX2を供給する。パンチ加工用CAM12は、XMLファイルX2に含まれるレーザ加工情報および曲げ加工情報を加味して、パンチ加工情報を最適化する。例えば、パンチ加工用CAM12は、ワークのうち後のレーザ加工あるいは曲げ加工で支持、位置合わせ等に使われる部分に凹凸あるいは損傷が生じないように、パンチ加工情報を最適化する。パンチ加工用CAM12は、XMLファイルX2のパンチ加工情報を、最適化したパンチ加工情報に更新する。パンチ加工用CAM12は、更新後のパンチ加工情報を含むXMLファイルX2Aを生成し、XMLファイルX2AをホストCAM11に供給する。
【0034】
また、ホストCAM11は、レーザ加工用CAM13に対して、更新されたXMLファイルX2Aを供給する。レーザ加工用CAM13は、XMLファイルX2Aに含まれる更新後のパンチ加工情報、及び曲げ加工情報を加味して、レーザ加工情報を最適化する。例えば、レーザ加工用CAM13は、更新後のパンチ加工情報と整合がとれるように、レーザ加工情報を最適化する。また、レーザ加工用CAM13は、ワークのうち後の曲げ加工で支持、位置合わせ等に使われる部分に凹凸あるいは損傷が生じないように、レーザ加工情報を最適化する。レーザ加工用CAM13は、XMLファイルX2Aのレーザ加工情報を、最適化したレーザ加工情報に更新する。レーザ加工用CAM13は、更新後のレーザ加工情報を含むXMLファイルX2Bを生成し、XMLファイルX2BをホストCAM11に供給する。
【0035】
また、ホストCAM11は、曲げ加工用CAM14に対して、更新されたXMLファイルX2Bを供給する。曲げ加工用CAM14は、XMLファイルX2Bに含まれる更新後のパンチ加工情報、及び更新後の曲げ加工情報を加味して、曲げ加工情報を最適化する。例えば、曲げ加工用CAM14は、更新後のパンチ加工情報および更新後のレーザ加工情報と整合がとれるように、曲げ加工情報を最適化する。曲げ加工用CAM14は、XMLファイルX2Bの曲げ加工情報を、最適化した曲げ加工情報に更新する。曲げ加工用CAM14は、更新後の曲げ加工情報を含むXMLファイルX3を生成し、XMLファイルX3をホストCAM11に供給する。ホストCAM11は、XMLファイルX2をXMLファイルX3に更新する。ホストCAM11は、上述のような最適化の処理を2回以上行ってもよい。
【0036】
図1の説明に戻り、情報処理装置3Aは、XMLファイルX2あるいはXMLファイルX3のように加工情報を含むXMLファイルに基づいて、NCデータを生成する。
図6は、NCデータを生成する際の情報処理装置3Aの動作の例を示す概念図である。ここでは、XMLファイルX2を用いる例を説明するが、XMLファイルX2の代わりに最適化したXMLファイルX3を用いてもよい。
【0037】
ホストCAM11は、パンチ加工用CAM12に対して、XMLファイルX2を供給する。パンチ加工用CAM12は、入力部21、抽出部22、及び処理部23を備える。入力部21は、XMLファイルX2の入力を受け付ける。ホストCAM11とパンチ加工用CAM12とが別のコンピュータシステムに実装される場合、入力部21は、例えば、XMLファイルX2が記憶された記憶媒体を読み取るデバイスでもよいし、ホストCAM11と有線または無線により通信可能なLANボードなどの通信デバイスでもよい。
【0038】
抽出部22は、入力部21に入力されたXMLファイルX2から、加工の種類に応じた情報を抽出する。XMLファイルX2(
図3参照)には、パンチ加工機6による加工を定めた「パンチ加工情報」のタグT31が含まれており、抽出部22は、タグT31を参照して、加工の種類(パンチ加工)に応じた加工線L3、加工線L4の位置情報等を抽出する。
【0039】
処理部23は、抽出部22が抽出した情報を処理する。例えば、抽出部22は、パンチ加工機6によるパンチ加工情報を抽出し、処理部23は、抽出部22が抽出したパンチ加工情報に対応するパンチ加工を施すパンチ加工機6の制御に用いられるNCデータD1を生成する。例えば、処理部23は、抽出部22が抽出したパンチ加工情報、及びパンチ加工機6の各種情報を参照して、NCデータD1を生成する。パンチ加工機6の各種情報は、例えば、金型の種類、各軸の動作、パンチ加工機6が用いる座標系などの情報である。処理部23は、パンチ加工情報に基づいて、例えば、工程ごとにパンチ加工機6が用いる金型と、パンチ加工機6が各軸を駆動する動作条件等を定め、金型および動作条件を工程順に指定するNCデータD1を生成する。パンチ加工用CAM12は、NCデータD1をホストCAM11に供給する。
【0040】
レーザ加工用CAM13、曲げ加工用CAM14は、それぞれ、パンチ加工用CAM12と同様の構成であり、その説明を簡略化あるいは省略する。ホストCAM11は、レーザ加工用CAM13に対して、XMLファイルX2を供給する。XMLファイルX2(
図3参照)には、レーザ加工機7による加工を定めた「レーザ加工情報」のタグT32が含まれており、レーザ加工用CAM13の抽出部(図示せず)は、タグT32を参照して、加工の種類(レーザ加工)に応じた加工線L1、加工線L2の位置情報等を抽出する。レーザ加工用CAM13の処理部(図示せず)は、抽出部が抽出したレーザ加工情報に基づいて、レーザ加工機7の制御に用いられるNCデータD2を生成する。レーザ加工用CAM13は、処理部が生成したNCデータD2をホストCAM11に供給する。
【0041】
ホストCAM11は、曲げ加工用CAM14に対して、XMLファイルX2を供給する。XMLファイルX2(
図3参照)には、曲げ加工機8による加工を定めた「曲げ加工情報」のタグT33が含まれており、曲げ加工用CAM14の抽出部(図示せず)は、タグT33を参照して、加工の種類(曲げ加工)に応じた加工線L5、加工線L6の位置情報等を抽出する。曲げ加工用CAM14の処理部(図示せず)は、抽出部が抽出した曲げ加工情報に基づいて、曲げ加工機8の制御に用いられるNCデータD3を生成する。曲げ加工用CAM14は、処理部が生成したNCデータD3をホストCAM11に供給する。
【0042】
図1の説明に戻り、ホストCAM11は、パンチ加工機6に対してパンチ加工機用のNCデータD1を供給する。パンチ加工機6は、NCデータD1に従ってワークWにパンチ加工を行う。例えば、パンチ加工機6は、切断刃を有する金型を用いてワークWに穴あけ加工(切断加工)を施し、加工線L3(
図3参照)に対応する窓穴W1を形成する。また、パンチ加工機6は、加工線L4(
図3参照)の内側に穴あけ加工を行って下穴を形成した後、下穴の周囲を曲げてバーリング部W2を形成する。
【0043】
また、ホストCAM11は、レーザ加工機7に対してレーザ加工機用のNCデータD2を供給する。レーザ加工機7は、NCデータD2に従ってワークWにレーザ加工を行う。例えば、レーザ加工機7は、レーザの照射によりワークWを切断し、加工線L2(
図3参照)に対応する窓穴W3を形成する。次に、レーザ加工機7は、レーザの照射によりワークWを切断し、加工線L1(
図3参照)に対応する外周線W4を形成する。これにより、製造過程の部品OB2がワークから切り離され、ワークWから分離可能になる。
【0044】
また、ホストCAM11は、曲げ加工機8に対して曲げ加工機用のNCデータD3を供給する。曲げ加工機8は、例えばプレスブレーキなどであり、NCデータD3に従って曲げ加工を行う。例えば、曲げ加工機8は、製造過程の部品OB2に対して、
図3に示した加工線L5および加工線L6のそれぞれの線に沿って、曲げ加工を行う。
【0045】
次に、上述のような情報処理装置3Aの動作に基づいて、実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理方法を適用した加工方法を示すフローチャートである。ステップS1において、設計装置2は、設計情報を生成する。ステップS2において、設計装置2は、設計情報のXMLファイルX1を出力し、情報処理装置3AにXMLファイルX1が入力される。ステップS3において、情報処理装置3Aは、加工情報を付加したXMLファイルX2(
図4参照)を生成する。ステップS3において、情報処理装置3Aは、加工情報の最適化(
図5参照)を行ってもよい。ステップS4において、パンチ加工用CAM12の抽出部22は、加工の種類に応じた情報を抽出する。例えば、抽出部22は、XMLファイルX2のタグT31(
図3参照)を探索し、パンチ加工用CAM12と対応するパンチ加工機6が行う加工の種類に応じた情報として、、タグT31に格納されている情報をXMLファイルX4から抽出する。ステップS5において、処理部23は、加工の種類に応じたNCデータD1を生成する。NCデータD1は、パンチ加工機6に供給される。ステップS6において、NCデータD1によりパンチ加工機6が制御され、パンチ加工機6によりワークWにパンチ加工が施される。レーザ加工用CAM13および曲げ加工用CAM14は、それぞれ、パンチ加工用CAM12と同様にしてNCデータD2、NCデータD3を生成する。レーザ加工機7、曲げ加工機8は、それぞれ、NCデータD2、NCデータD3により制御される。
【0046】
上述の実施形態において、情報処理装置3Aは、例えばコンピュータシステムを含む。情報処理装置3Aは、記憶装置(図示せず)に記憶されているプログラムを読み出し、このプログラムに従って各種の処理を実行する。このプログラムは、例えば、レーザによる切断加工、パンチによる切断加工、及び非切断加工から選択され板状のワークに施される複数の加工を定めたデータ構造を含むデータを処理するプログラムである。上記のデータ構造は、加工の対象となる加工線の位置を定めた形状情報と、複数の加工のうち加工線に対応する加工の種類を定めた加工情報と、を含み、形状情報と加工情報とがXMLで表される。このプログラムは、コンピュータに、データの入力を受け付けることと、データから、加工の種類に応じた情報を抽出することと、を実行させる。このプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。
【0047】
なお、情報処理装置3Aは、処理部23を備えなくてもよく、例えば、処理部23が加工システム1Aにおいて情報処理装置3Aの外部の装置に設けられてもよい。また、処理部23は、NCデータD1の生成以外の処理を行ってもよい。例えば、処理部23は、抽出部22が抽出した加工の種類に応じた情報に基づいて、部品の製造に要するコストの推定処理を行ってもよい。また、情報処理装置3Aの少なくとも一部は、設計装置2と同じ装置(例、コンピュータシステム)に設けられてもよい。
【0048】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図8は、第2実施形態に係る加工システム1Bおよび情報処理装置3Bを示す概念図である。本実施形態において、情報処理装置3Bは、複数の加工機(パンチ加工機6、レーザ加工機7、曲げ加工機8)の一部に対して、NCデータを生成しない。ここでは、情報処理装置3Bがパンチ加工機用のNCデータD1を生成し、レーザ加工機用のNCデータD2および曲げ加工機用のNCデータD3を生成しない例を説明する。
【0049】
加工システム1Bは、レーザ加工機7に対応して設けられるレーザ加工用CAM31と、曲げ加工機8に対応して設けられる曲げ加工用CAM32とを備える。レーザ加工用CAM31および曲げ加工用CAM32は、それぞれ、実施形態に係る情報処理装置の一例である。情報処理装置3Bは、第1実施形態で説明した情報処理装置3Aと同様に、加工情報を含むXMLファイルX2を生成する。情報処理装置3Bは、XMLファイルX2の代わりに最適化した加工情報を含むXMLファイルX3を用いてもよい。レーザ加工用CAM31および曲げ加工用CAM32のそれぞれにはXMLファイルX2が供給される。情報処理装置3Bからレーザ加工用CAM31あるいは曲げ加工用CAM32へのXMLファイルX2の受け渡しは、有線または無線の通信により行われてもよいし、記憶媒体を用いて行われてもよい。
【0050】
レーザ加工用CAM31は、
図6で説明したパンチ加工用CAM12と同様の構成であり、入力部35、抽出部36、及び処理部37を備える。入力部35は、外部からXMLファイルX2の入力を受け付ける。XMLファイルX2(
図3参照)には、レーザ加工機7による加工を定めた「レーザ加工情報」のタグT32が含まれており、抽出部36は、タグT32を参照して、加工の種類(レーザ加工)に応じた加工線L1、加工線L2の位置情報等を抽出する。処理部37は、抽出部36が抽出したレーザ加工情報に基づいて、レーザ加工機7の制御に用いられるNCデータD2を生成する。レーザ加工用CAM31は、処理部37が生成したNCデータD2をレーザ加工機7に供給する。
【0051】
曲げ加工用CAM32は、レーザ加工用CAM31と同様の構成であり、その説明を簡略化あるいは省略する。XMLファイルX2(
図3参照)には、曲げ加工機8による加工を定めた「曲げ加工情報」のタグT33が含まれており、曲げ加工用CAM32の抽出部(図示せず)は、タグT33を参照して、加工の種類(曲げ加工)に応じた加工線L5、加工線L6の位置情報等を抽出する。曲げ加工用CAM32の処理部(図示せず)は、抽出部が抽出した曲げ加工情報に基づいて、曲げ加工機8の制御に用いられるNCデータD3を生成する。曲げ加工用CAM32は、処理部が生成したNCデータD3を曲げ加工機8に供給する。
【0052】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図9は、第3実施形態に係る加工システム1Cおよび情報処理装置を示す概念図である。本実施形態に係る情報処理装置として、パンチ加工用CAM12、レーザ加工用CAM13、及び曲げ加工用CAM14が設けられる。ホストCAM11は、
図4で説明したように、、パンチ加工用CAM12、レーザ加工用CAM13、及び曲げ加工用CAM14にそれぞれ加工情報の生成を実行させ、加工情報を含むXMLファイルX2を取得する。ホストCAM11は、
図5で説明したように、最適化した加工情報を含むXMLファイルX3を取得してもよい。
【0053】
ホストCAM11は、パンチ加工用CAM12に対してXMLファイルX2を供給し、パンチ加工用CAM12にパンチ加工機用のNCデータD1の生成を実行させる。パンチ加工用CAM12は、
図6で説明したようにNCデータD1を生成し、生成したNCデータD1をパンチ加工機6に供給する。また、ホストCAM11は、レーザ加工用CAM13に対してXMLファイルX2を供給し、レーザ加工用CAM13にレーザ加工機用のNCデータD2の生成を実行させる。レーザ加工用CAM13は、NCデータD2を生成し、生成したNCデータD2をレーザ加工機7に供給する。また、ホストCAM11は、曲げ加工用CAM14に対してXMLファイルX2を供給し、曲げ加工用CAM14に曲げ加工機用のNCデータD3の生成を実行させる。曲げ加工用CAM14は、NCデータD3を生成し、生成したNCデータD3を曲げ加工機8に供給する。このように、各加工用CAMから、各加工機へNCデータを供給してもよい。
【0054】
[第4実施形態]
第4実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。
図10は、本実施形態に係る加工システム1Dおよび情報処理装置3Dを示す概念図である。本実施形態において、設計情報のXMLファイルX4は、複数の加工(例、パンチ加工およびレーザ加工)によって板状のワークから形成される部品の形状情報を含む。情報処理部3Dは、ネスティング情報生成部51を備え、ネスティング情報生成部51は、板状のワークに複数の部品を配列した情報をXMLで表したネスティング情報のXMLファイルX5を生成する。
【0055】
図11は、本実施形態に係る情報処理部3Dの動作を示す概念図である。情報処理部3Dに供給される設計情報のXMLファイルX4(
図10参照)は、部品OBaに関する設計情報Xaと、部品OBbに関する設計情報Xbとを含む。設計情報Xaおよび設計情報Xbは、それぞれ、第1実施形態で説明したXMLファイルX1と同様のデータ構造である。設計情報Xaには、レーザによる切断加工に対応する加工線L10a(例、外周線)、バーリングに対応する加工線L11a、タップ加工に対応する加工線L12a、特殊金型加工に対応する加工線L13a、及びパンチによる切断加工に対応する加工線L14a(例、アライメントマーク)が含まれる。また、設計情報Xbには、レーザによる切断加工に対応する加工線L10b(例、外周線)、バーリングに対応する加工線L11b、タップ加工に対応する加工線L12b、及びパンチによる切断加工に対応する加工線L14b(例、アライメントマーク)が含まれる。情報処理装置3Dは、第1実施形態で説明したように、設計情報Xaおよび設計情報Xbのそれぞれについて、加工情報を付加したXMLファイルを生成する。
【0056】
ネスティング情報生成部51(
図10参照)は、ワークWを基準とする座標系に部品OBaと、部品OBbとを配列し、ネスティング情報D5を生成する。ネスティング情報生成部51は、部品OBaと部品OBbとの配列を、自動で決定してもよいし、ユーザの指定値を用いて手動または半自動で決定してもよい。ネスティング情報D5は、例えば、部品OBaの位置および向き、部品OBbの位置および向き、並びにワークW上に形成されるアライメントマークに対応する加工線L15の位置を含む。アライメントマークに対応する加工線L15は、例えば、パンチによる切断加工により形成される。ネスティング情報生成部51は、ネスティング情報D5のXMLファイル(後に
図11で説明する)を生成する。
【0057】
本実施形態において、情報処理装置3Dは、ネスティング情報D5から加工の種類に応じた情報を抽出する。例えば、ネスティング情報D5から抽出したパンチ加工情報に基づいて、パンチ加工機用のNCデータD6が生成され、NCデータD6は、パンチ加工機6に供給される。NCデータD6には、バーリング、タップ加工、特殊金型加工、パンチによる切断加工に対応した加工線(実線で示す)のそれぞれに応じたパンチ加工機6の動作が定義されている。また、NCデータD6には、レーザによる切断加工に対応する加工線(点線で示す)については、パンチ加工機6の動作が定義されていない。
【0058】
また、ネスティング情報D5から抽出したレーザ加工情報に基づいて、レーザ加工機用のNCデータD7が生成され、NCデータD7は、レーザ加工機7に供給される。NCデータD7には、レーザによる切断加工に対応する加工線(実線で示す)に応じたレーザ加工機7の動作が定義されている。また、NCデータD7には、パンチ加工機6により加工する加工線(点線で示す)のそれぞれについては、レーザ加工機7の動作が定義されていない。
【0059】
図12は、本実施形態に係るネスティング情報のXMLファイルX5の一例を示す概念図である。XMLファイルX5は、階層的にタグが設けられ、タグごとに関連する情報が格納される構造である。上位のタグT50は、「オーダ情報」に関する情報に対応するタグである。上位のタグT60は、「部品マスタ」に関する情報に対応するタグである。タグT60の下位には、要素名が「部品A」のタグT61、及び要素名が「部品B」のタグT62が設けられる。タグT61には、それぞれ、部品OBaの設計情報および加工情報へのリンク、部品OBbの設計情報および加工情報へのリンクが格納される。タグT61、T62に、それぞれ、部品OBaの設計情報および加工情報、部品OBbの設計情報および加工情報が格納されてもよい。
【0060】
上位のタグT70は、要素名が「レイアウトリスト」であり、部品OBaと部品OBbとの配列に関する情報に対応するタグである。タグT70の下位には、要素名が「レイアウト1」のタグT71、要素名が「レイアウト2」のタグT72が設けられる。タグT71には、要素名が「レイアウト属性」のタグT71a、及び要素名が「配置部品群」のタグT71bが設けられる。タグT71aの下位には、要素名が「材質、板厚」のタグT71a1、及び要素名が「サイズ」のタグT71a2が設けられる。タグT71a1、T71a2には、それぞれ、ユーザが指定するワークの材質、ワークの板厚、ワークの平面寸法が格納される。
【0061】
ここでは、「レイアウト1」に部品OBaが2つ(部品OBa1、部品OBa2)と、部品OBbが1つ含まれる。タグT71bの下位には、要素名が「配置部品A1」のタグT71b1、要素名が「配置部品A2」のタグT71b2、及び要素名が「配置部品B1」のタグT71b3が設けられる。タグT71b1には、部品OBa1の位置および向きが格納される。タグT71b2には、部品OBa2の位置および向きが格納される。タグT71b3には、部品OBbの位置および向きが格納される。
【0062】
「レイアウト2」のタグT72は、「レイアウト1」のタグT71と同様の構造である。タグT72には、要素名が「レイアウト属性」のタグT72a、及び要素名が「配置部品群」のタグT72bが設けられる。タグT72aの下位には、要素名が「材質、板厚」のタグT72a1、及び要素名が「サイズ」のタグT72a2が設けられる。タグT72a1、T72a2には、それぞれ、ユーザが指定するワークの材質、ワークの板厚、ワークの平面寸法が格納される。
【0063】
ここでは、「レイアウト2」に部品OBbが2つ(部品OBb1、部品OBb2)含まれる。タグT72bの下位には、要素名が「配置部品B2」のタグT72b1、要素名が「配置部品B3」のタグT72b2が設けられる。タグT72b1には、部品OBb1の位置および向きが格納される。タグT72b2には、部品OBb2の位置および向きが格納される。
【0064】
なお、上述のデータ構造(XMLファイルX5)は一例であり、タグ(要素)の追加、削除、タグが格納する情報など各種の変更が可能である。例えば、
図7のXMLファイルX5に2種類の「部品A」、「部品B」が含まれるが、XMLファイルX5に含まれる部品の種類は、1種類でもよいし、3種類以上でもよい。また、
図11のXMLファイルX5は、配列が2種類(レイアウト1、レイアウト2)含まれるが、XMLファイルX5に含まれる配列の種類は、1種類でもよいし、3種類以上でもよい。
【0065】
図10の説明に戻り、ホストCAM11は、ネスティング情報のXMLファイルX5をパンチ加工用CAM12に供給し、パンチ加工機用のNCデータD6の生成をパンチ加工用CAM12に実行させる。パンチ加工用CAM12は、
図6と同様である。抽出部22(
図6参照)は、ネスティング情報から、加工の種類に応じた情報を抽出する。ネスティング情報のXMLファイルX5(
図12参照)は、部品OBaの加工情報と関連付けられえており、抽出部22は、例えば、「配置部品A1」のタグT71b1から部品OBaの位置および向きを抽出し、部品OBaと関連付けられた加工情報から、パンチ加工機6による部品OBaのパンチ加工情報を抽出する。処理部23(
図6参照)は、抽出部22が抽出したパンチ加工情報に対応するパンチ加工を施すパンチ加工機6の制御に用いられるNCデータD6を生成する。処理部23が生成したNCデータD6は、ホストCAM11を介して、パンチ加工機6へ供給される。パンチ加工機6は、NCデータD6に従ってワークWにパンチ加工を行う。
【0066】
また、加工システム1Dには、実施形態に係る情報処理装置としてレーザ加工用CAM31が設けられる。レーザ加工用CAM31は、
図8と同様である。ネスティング情報生成部51が生成したネスティング情報のXMLファイルX5は、レーザ加工用CAM31に供給される。レーザ加工用CAM31の入力部35(
図8参照)は、XMLファイルX5の入力を受け付ける。レーザ加工用CAM31の抽出部36(
図8参照)は、レーザ加工機7によるレーザ加工情報を抽出する。レーザ加工用CAM31の処理部37(
図8参照)は、抽出部36が抽出したレーザ加工情報に対応するレーザ加工を施すレーザ加工機7の制御に用いられるNCデータD7を生成する。レーザ加工用CAM31は、処理部37が生成したNCデータD7をレーザ加工機7へ供給する。レーザ加工機7は、NCデータD7に従ってワークWにレーザ加工を行う。
【0067】
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、日本特許出願である特願2015−226367、及び上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。