(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書中、「アルキル基」としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等のC1−6アルキル基等が挙げられる。
本明細書中、「フルオロアルキル基」は、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。「フルオロアルキル基」は、パーフルオロアルキル基を包含する。「パーフルオロアルキル基」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。
本明細書中、「アルコキシ基」は、アルキル−O−基である。
本明細書中、「アシル基」としては、例えば、アルカノイル基(すなわち、アルキル−CO−基)等が挙げられる。
本明細書中、「エステル基」としては、例えば、アルキルカルボニルオキシ基(すなわち、アルキル−CO−O−基)、及びアルコキシカルボニル基(すなわち、アルキル−O−CO−基)等が挙げられる。
【0010】
本明細書中、「シクロアルキル基」としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、及びシクロヘプチル等のC3−8シクロアルキル基等が挙げられる。
【0011】
本明細書中、「アリール基」としては、例えば、フェニル基、及びナフチル基等のC6−10アリール基等が挙げられる。
【0012】
本発明の、式(1):
【化7】
[式中、
R
1、及びR
2は、同一又は異なって、1個以上の置換基を有していてもよいアルキル基、1個以上の置換基を有していてもよいアリール基、ハロゲン原子、又は水素原子を表し;及び
R
3はアルキル基、フルオロアルキル基、又は1個以上の置換基を有していてもよいアリール基を表す。]
で表される化合物の製造方法であって、
式(2):
【化8】
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物を、
二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒、及び塩基の存在下で、
式(3):
R
3−OH (3)
[式中の記号は前記と同意義を表す。]
で表されるアルコール及び一酸化炭素
と反応させて前記式(1)で表される化合物を得る工程Aを含む。
【0013】
R
1で表される「1個以上の置換基を有していてもよいアリール基」における置換基の好ましい例としては、フッ素原子、アルコキシ基、アシル基、エステル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、及びフルオロアルキル基が挙げられ、より好ましい例としては、フッ素原子が挙げられる。
【0014】
R
1は、好ましくは、水素原子、又はアリール基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0015】
R
2で表される「1個以上の置換基を有していてもよいアリール基」における置換基の好ましい例としては、フッ素原子、アルコキシ基、アシル基、エステル基、シアノ基、ニトロ基、アルキル基、及びフルオロアルキル基が挙げられ、より好ましい例としては、フッ素原子が挙げられる。
【0016】
R
2は、好ましくは、水素原子、又はアリール基であり、特に好ましくは水素原子である。
【0017】
R
3は、好ましくは、メチル基、エチル基、又はフルオロアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。
【0018】
本発明の好適な一態様では、
R
1は、水素原子、又はアリール基であり、且つ
R
2は、水素原子、又はアリール基である。
【0019】
前記式(1)で表される化合物は、好ましくは、2−フルオロアクリル酸メチルエステル、又は2−フルオロアクリル酸エチルエステルであり、特に好ましくは2−フルオロアクリル酸メチルエステルである。
【0020】
前記式(2)で表される化合物は、公知の化合物であり、公知の方法によって製造することができ、または商業的に入手可能である。
【0021】
前記式(3)で表されるアルコールは、好ましくは、メタノール、エタノール、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、又はヘキサフルオロイソプロパノールであり、特に好ましくは、メタノールである。
前記式(3)で表されるアルコールは、工程Aの反応の溶媒としても機能し得る。
工程Aの反応原料としての前記式(3)で表されるアルコールの量は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、通常1〜500モル、好ましくは約1.1〜50モルである。
前記式(3)で表されるアルコールを工程Aの反応の溶媒としても用いる場合、当該アルコールは、通常、前記式(2)で表される化合物に対して大過剰に用いられる。具体的には、当該アルコール以外の溶媒を用いない場合、前記式(2)で表される化合物1モル当たり、当該アルコールの量は、通常0.1〜20L、好ましくは約0.2〜5Lであり、又は0.5〜10L、若しくは約1〜5Lであることもできる。
【0022】
工程Aの反応圧力は、特に限定されず、例えば、大気圧であってもよく、大気圧よりも高い圧力であってもよい。工程Aは、好ましくは、オートクレーブ等の容器中で行われ、工程Aの反応原料としての一酸化炭素は、精製一酸化炭素ガス等の一酸化炭素を含有する気体によって当該容器中に導入できる。一酸化炭素圧は、通常0〜10MPaG、好ましくは0.25〜4MPaGである。
【0023】
工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」は、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びコバルトからなる群より選択される1種以上の遷移金属を含有する。
すなわち、工程Aで用いられる遷移金属錯体触媒としては、例えば、ニッケル錯体触媒、パラジウム錯体触媒、白金錯体触媒、ロジウム錯体触媒、ルテニウム錯体触媒、イリジウム錯体触媒及びコバルト錯体触媒が挙げられる。当該パラジウム錯体触媒は、好ましくは0価のパラジウム錯体触媒、又はII価パラジウム錯体触媒である。
当該遷移金属は、好ましくは、ニッケル、コバルト及びパラジウムからなる群より選択され、特に好ましくは、パラジウムである。
【0024】
工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」における「二座ホスフィン配位子」は、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、及びアリール基からなる群より選択される1個以上の置換基を各リン原子上に有する二座ホスフィン配位子であることができる。
【0025】
工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」における「二座ホスフィン配位子」は、好ましくは、酸素原子を有する連結基で互いに連結された2個の芳香環を有する。
当該「酸素原子を有する連結基」としては、例えば、−O−、及び−(CH
2)
n1−O−(CH
2)
n2−[式中、n1、及びn2は、同一又は異なって0〜6の整数を表す。]等の2価の基が挙げられる。
当該芳香環としては、例えば、ベンゼン環が挙げられる。
当該2個の芳香環は、前記「酸素原子を有する連結基」に加えて別の連結基で更に互いに連結されていてもよい。
当該2個の芳香環は、好ましくは、それぞれ、その1個の環構成原子上に1個のリン原子を有する。
【0026】
工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」における「二座配位子」としては、具体的には、例えば、
1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、
1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、
1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、
1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン、
ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、
ビス(ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)エーテル、
4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン、
1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、
1,1’−ビス(ジ tert−ブチルホスフィノ)フェロセン、
1,1’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン、
1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン、
2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、
4,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェノキサジン、
1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパン、
1,4−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)ブタン、
1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン、及び
1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン
等が挙げられる。
【0027】
工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」は、「二座ホスフィン配位子」以外の1個以上の配位子を含有してもよく、このような配位子の例としては、塩素配位子が挙げられる。
【0028】
工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」としては、具体的には、例えば、
ジクロロ[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)ペンタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II)、
ジクロロ[ビス(ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II)、
ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1’−ビス(ジ tert−ブチルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1’−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,1’−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、
ジクロロ[2,2’‐ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル]パラジウム(II)、
ジクロロ[4,6−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェノキサジン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,3−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,4−ビス(ジイソプロピルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)、
ジクロロ[1,3−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)、並びに
ジクロロ[1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン]パラジウム(II)
が挙げられる。
【0029】
前記遷移金属に配位する二座ホスフィン配位子の配位数は、当該遷移金属の酸化数等によって異なるが、好ましくは、例えば、1個又は2個である。
【0030】
前記遷移金属錯体触媒は、試薬として反応系に投入されるものであってもよく、又は反応系中で生成するものであってもよい。
【0031】
反応系中で生成する遷移金属錯体触媒の前駆体として、好ましくは、例えば、塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、Pd
2(dba)
3(dbaはジベンジリデンアセトンである)、Pd(COD)
2(CODはシクロオクタ−1,5−ジエンである)、及びPd(PPh
3)
4(Phはフェニル基である。)が挙げられる。
【0032】
また、工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」は、ポリスチレン、ポリエチレン等のポリマー中に分散又は担持させた不均一系触媒であってもよい。
このような不均一系触媒は、触媒の回収等のプロセス上の利点を有する。具体的な触媒構造としては、例えば、次の化学式:
【0033】
【化9】
(式中、PSはポリスチレンを、Phはフェニル基を示す。)
に示すような、架橋したポリスチレン(PS)鎖にホスフィンを導入したポリマーホスフィンなどで前記遷移金属原子を固定したもの等が挙げられる。
この例における、「二座ホスフィン配位子」は、以下の化学式に示す、トリフェニルホスフィンの1つのフェニル基をポリマー鎖に結合させたトリアリールホスフィンである。
【0034】
【化10】
(式中、PSはポリスチレンを、Phはフェニル基を示す。)
である。
【0035】
また、工程Aで用いられる「二座ホスフィン配位子を含有する遷移金属錯体触媒」は、前記遷移金属が担体に担持されている担持触媒であることができる。このような担持触媒は、触媒を再利用できるので、コストの点で有利である。
当該担体の例としては、例えば、炭素、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及びゼオライト等が挙げられる。
【0036】
遷移金属触媒の量の上限は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、例えば、0.05モル、0.01モル、0.005モル、0.002モル、0.001モル、0.0005モル、0.0001モル、又は0.00006モルである。
遷移金属触媒の量の下限は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、通常0.000001モル、0.00001モル、より好ましくは0.00002モル、又は0.00004モルである。
【0037】
工程Aは、塩基の存在下で実施される。
工程Aで用いられる塩基としては、例えば、アミン、無機塩基、及び有機金属塩基が挙げられる。
アミンとしては、例えば、トリエチルアミン、トリ(n−プロピル)アミン、トリ(n−ブチル)アミン、ジイソプロピルエチルアミン、シクロヘキシルジメチルアミン、ピリジン、ルチジン、γ−コリジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン等が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等が挙げられる。
有機金属塩基としては、例えば、
ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、トリフェニルメチルナトリウム、エチルナトリウム等の有機アルカリ金属化合物;
メチルマグネシウムブロミド、ジメチルマグネシウム、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルカルシウムブロミド、ビス(ジシクロペンタジエン)カルシウム等の有機アルカリ土類金属化合物;及び
ナトリウムメトキシド、t−ブチルメトキシド等のアルコキサイド
等が挙げられる。
塩基の好ましい例としては、水酸化リチウム、トリエチルアミン、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。塩基のより好ましい例としては、トリエチルアミン、炭酸カリウム、及び炭酸リチウムが挙げられる。塩基の特に好ましい例としては、トリエチルアミンが挙げられる。
塩基は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0038】
塩基の量は、前記式(2)で表される化合物1モルに対して、通常0.2〜5モル、好ましくは約0.5〜3モルである。
【0039】
工程Aは、通常10〜150℃、好ましくは50〜120℃、より好ましくは60〜110℃、更に好ましくは70〜110℃の範囲内の温度で実施される。
当該温度が低すぎる場合、原料転化率、及び収率が低くなる傾向がある。
一方、当該温度が高すぎる場合、後記の分析方法による分析において、工程Aの反応後の混合物中に、原料である前記式(1)で表される化合物、及び副生成物又は分解物が観測される場合がある。
[分析方法]
反応終了後、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼンを加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させる。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施する。
【0040】
工程Aには、溶媒としても機能し得る前記式(3)で表されるアルコールに加えて、これ以外の溶媒を用いてもよい。この場合、前記式(3)で表されるアルコールの使用量を減らすことができる。
当該溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカヒドロナフタレン、n−デカン、イソドデカン、トリデカン等の非芳香族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラリン、ベラトロール、ジエチルベンゼン、メチルナフタレン、ニトロベンゼン、o−ニトロトルエン、メシチレン、インデン、ジフェニルスルフィド等の芳香族炭化水素溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ジイソブチルケトン、イソホロン等のケトン;ジクロロメタン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、メチル t−ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム、フェネトール、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、ジイソアミルエーテル等のエーテル溶媒;酢酸エチル、酢酸イソプロピル、マロン酸ジエチル、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、γ−ブチロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等のエステル溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等のスルホキシド系溶媒;及びN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド溶媒等が挙げられる。
【0041】
当該溶媒は、好ましくは、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、メチル t−ブチルエーテル、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジグライム、フェネトール、1,1−ジメトキシシクロヘキサン、ジイソアミルエーテル等のエーテル溶媒;又はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等のアミド溶媒である。
【0042】
当該溶媒は、工程Aにおいて、原料化合物、触媒、及び生成物に対して不活性であることが好ましい。
当該溶媒は、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0043】
当該溶媒としては、前記式(1)で表される化合物の沸点が低い場合、当該化合物の精製の容易さの観点からは、高沸点(例、100℃以上、より好ましくは120℃以上)の有機溶媒を用いることが好ましい。これにより、単なる蒸留によって前記式(1)で表される化合物を精製することが可能になる。
一方、前記式(1)で表される化合物の沸点が高い場合、低沸点の溶媒を用いて、好適に、前記式(1)で表される化合物を精製することができる。
【0044】
当該溶媒の使用量は、反応温度において原料の一部あるいは全部が溶解する程度であればよく、特に限定されない。例えば、前記式(2)で表される化合物1重量部に対し0.2〜50重量部、又は0.5〜30重量部の溶媒を用いることができる。
【0045】
工程Aは水の不存在下で実施されることが望ましく、工程Aで用いられる、水を含有し得る、化合物若しくは試薬(例、アミン等の塩基)、及び溶媒(当該溶媒は、溶媒としても機能し得る前記式(3)で表されるアルコールを包含する。)は、脱水処理を行った後に用いることが望ましい。当該脱水処理は、例えば、蒸留操作、モレキュラーシーブ等の脱水剤の使用、若しくは市販の脱水溶媒の使用、又はこれらの組み合わせによって実施すればよい。
脱水処理を行わない化合物若しくは試薬、及び/又は溶媒を用いた場合、α−フルオロアクリル酸類が副生することにより、目的物であるα−フルオロアクリル酸エステル類の収率及び選択率が低下する虞がある。
【0046】
工程Aは、重合禁止剤の存在下で、実施できる。重合禁止剤は、工程Aの反応前、及び反応中の任意の時点で反応系に添加できる。
【0047】
当該重合禁止剤としては、例えば、
脂肪族第一級アミン、脂肪族第二級アミン、脂肪族第三級アミン、脂環式第二級アミン、脂環式第三級アミン、芳香族アミン、複素環式アミン、及びポリマー担持アミン化合物(ポリマー型アミン化合物)等のアミン化合物;
アンモニア;
テルペン化合物;並びに
酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される1個以上の原子を有する化合物
等が挙げられる。
脂肪族第一級アミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、及びエチレンジアミンが挙げられる。
脂肪族第二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、及びジシクロヘキシルアミンが挙げられる。
脂肪族第三級アミンとしては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリ(n−ブチル)アミン、及びN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンが挙げられる。
脂環式第二級アミンとしては、例えば、ピペリジン、ピペラジン、ピロリジン、モルホリンが挙げられる。
脂環式第三級アミンとしては、例えば、N−メチルピペラジン、N−メチルピロリジン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン、及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンが挙げられる。
芳香族アミンとしては、例えば、アニリン、メチルアニリン、ジメチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ハロアニリン、及びニトロアニリンが挙げられる。
複素環式アミンとしては、例えば、ピリジン、メラミン、ピリミジン、ピペラジン、キノリン、及びイミダゾールが挙げられる。
ポリマー担持アミン化合物(ポリマー型アミン化合物)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、及びポリビニルピリジンが挙げられる。
テルペン化合物としては、例えば、α-ピネン、カンフェン、α-テルピネン、D-リモネン、γ-テルピネン、p-シメン、及びテルピノーレン等が挙げられる。
酸素原子及び硫黄原子からなる群より選択される1個以上の原子を有する化合物としては、1個以上の芳香性6員炭素環、並びに当該1個以上の芳香性6員炭素環の1個以上の環構成炭素原子に直接結合している酸素原子又は硫黄原子を有する炭素数6〜20の化合物が好ましい。その例としては、具体的には、例えば、ヒドロキノン、4−メトキシフェノール、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tert−ブチルヒドロキノン(TBH)、p−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、tert−ブチル−p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、及びフェノチアジン等が挙げられる。
【0048】
当該重合禁止剤の使用量は、前記式(1)で表される化合物の1gに対して、通常、0.0001g〜0.1gの範囲内、好ましくは、0.001g〜0.05gの範囲内、より好ましくは、0.005g〜0.02gの範囲内であることができる。当該範囲内では、当該重合禁止剤は、好適に機能できる。
【0049】
当該反応の反応時間は、例えば、所望する原料転化率、及び収率を基づいて設定すればよく、具体的には通常1〜24時間であり、好ましくは6〜18時間である。
当該反応時間は、より高い反応温度を採用することにより、より短くすることができる。
【0050】
本発明の製造方法によれば、原料の転化率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、更に好ましくは90%以上であることができる。
【0051】
本発明の製造方法によれば、式(1)で表される化合物の選択率は好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であることができる。
【0052】
本発明の製造方法によれば、式(1)で表される化合物の収率は好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であることができる。
【0053】
本発明の製造方法で得られた式(1)で表される化合物は、所望により、溶媒抽出、乾燥、濾過、蒸留、濃縮、及びこれらの組み合わせ等の公知の精製方法によって精製することができる。
特に、本発明の製造方法では、副生成物及び分解物が極めて微量であるので、蒸留等の簡便な方法により、極めて純度の高い式(1)で表される化合物を得ることができる。
【実施例】
【0054】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0055】
比較例1
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 9.45g(75.64mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II) 50.5mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で14時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが53.02mmol(収率70.1%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが20.88mmol(回収率27.6%)であった。
転化率は72.5%、選択率は96.7%であった。
【0056】
実施例1
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.76g(70.11mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II) 51.5mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で13時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが60.08mmol(収率85.7%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが9.11mmol(回収率13.0%)であった。
転化率は86.8%、選択率は98.7%であった。
【0057】
実施例2
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.88g(71.07mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 54.4mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で8時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが64.03mmol(収率90.1%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが5.83mmol(回収率8.2%)であった。
転化率は91.0%、選択率は99.0%であった。
【0058】
実施例3
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 9.11g(72.93mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス( ジシクロヘキシルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II) 54.4mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で12時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが65.27mmol(収率89.5%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが7.07mmol(回収率9.7%)であった。
転化率は90.1%、選択率は99.3%であった。
【0059】
実施例4
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.80g(70.43mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、塩化パラジウム(II) 12.8mg(0.072mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル 4.5mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で14時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが54.65mmol(収率77.6%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが14.23mmol(回収率20.2%)であった。
転化率は78.9%、選択率は98.3%であった。
【0060】
実施例5
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 9.14g(73.16mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、塩化パラジウム(II) 12.8mg(0.072mmol)、1,4−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)ブタン 32.4mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で14時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが58.09mmol(収率79.4%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが13.46mmol(回収率18.4%)であった。
転化率は81.0%、選択率は98.0%であった。
【0061】
実施例6
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.95g(71.63mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 2.7mg(0.0036mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で8時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが59.81mmol(収率83.5%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが10.60mmol(回収率14.8%)であった。
転化率は84.9%、選択率は98.3%であった。
【0062】
実施例7
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 9.02g(72.19mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 54.4mg(0.072mmol)、及び予め脱水処理を施したエタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で8時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸エチルエステルが63.46mmol(収率87.9%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが7.29mmol(回収率10.1%)であった。
転化率は88.6%、選択率は99.2%であった。
【0063】
実施例8
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.86g(70.91mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 54.4mg(0.072mmol)、メタノール 4.61g(0.144moL)、及び予め脱水処理を施したテトラヒドロフラン 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で7時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが60.42mmol(収率85.2%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが9.43mmol(回収率13.3%)であった。
転化率は86.0%、選択率は99.1%であった。
【0064】
実施例9
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.94g(71.55mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 54.4mg(0.072mmol)、メタノール 4.61g(0.144moL)、及び予め脱水処理を施したN−メチルピロリドン 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で7時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが62.75mmol(収率87.7%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが7.01mmol(回収率9.8%)であった。
転化率は89.1%、選択率は98.4%であった。
【0065】
実施例10
150mLのステンレス製オートクレーブに2−ブロモ−2−フルオロビニルベンゼン 7.12g(35.4mmol)、トリエチルアミン 4.01g(39.6mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 27.2mg(0.036mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 18mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で9時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロ−3−フェニルアクリル酸メチルエステルが32.64mmol(収率92.2%)及び未反応の2−ブロモ−2−フルオロビニルベンゼンが1.88mmol(回収率5.3%)であった。
転化率は93.6%、選択率は98.5%であった。
【0066】
実施例11
150mLのステンレス製オートクレーブに1−(2−ブロモ−2−フルオロビニル)−4−メトキシベンゼン 8.11g(35.1mmol)、トリエチルアミン 4.01g(39.6mmol)、ジクロロ[4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9’−ジメチルキサンテン]パラジウム(II) 27.2mg(0.036mmol)、及び予め脱水処理を施したエタノール 18mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で9時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロ−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸エチルエステルが30.54mmol(収率87.0%)及び未反応の1−(2−ブロモ−2−フルオロビニル)−4−メトキシベンゼンが3.47mmol(回収率9.9%)であった。
転化率は89.3%、選択率は97.4%であった。
【0067】
実施例12
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.98g(71.87mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II) 51.5mg(0.072mmol)、及び脱水処理を施していないメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で13時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈し、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが50.93mmol(収率70.9%)、2−フルオロアクリル酸が10.13mmol(収率14.1%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが8.12mmol(回収率11.3%)であった。
転化率は87.5%、選択率は81.0%であった。
【0068】
実施例13
150mLのステンレス製オートクレーブに1−ブロモ−1−フルオロエテン 8.89g(71.15mmol)、トリエチルアミン 8.01g(79.2mmol)、ジクロロ[ビス(ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル]パラジウム(II) 51.5mg(0.072mmol)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール 75.0mg(0.34mmol)、及び予め脱水処理を施したメタノール 36mLを仕込み、一酸化炭素 1.0MPaGを導入し100℃で13時間撹拌した。
反応終了後、オートクレーブを冷却した後、未反応のガスをパージして開栓し、内部標準物質としてヘキサフルオロベンゼン 186mg(1.0mmol)を加えて撹拌し、しばらくの間静置して塩を沈殿させた。上澄みを重クロロホルムで希釈して、
19F−NMR積分値による定量を実施したところ、2−フルオロアクリル酸メチルエステルが62.85mmol(収率88.3%)及び未反応の1−ブロモ−1−フルオロエテンが6.81mmol(回収率9.6%)であった。
転化率は90.4%、選択率は97.7%であった。