(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、本実施形態における走行コース上のコース条件が類似する場所でのユーザ状態の比較の概念について説明する。
図1は、本実施形態におけるユーザ状態の比較に関するイメージを示す概念図である。
【0011】
本実施形態におけるユーザ状態の比較は、
図1に示すように、走行コースにおいて、コース条件が類似する場所におけるユーザ状態を比較することで行われる。
図1の例では、ユーザに視覚的にもわかりやすいように、走行コース上にユーザの状態を含むコース条件を模したシンボルマークを表示し、当該シンボルマークが同じ地点においてユーザの状態を表示することで、ユーザ状態の比較を行うものである。
【0012】
詳細には、
図1に示すように、情報処理装置には、ユーザが走行した走行経路Rが地図上に表示されている。走行経路Rは、走行開始地点F1から走行終了地点F2までの経路が明確になるように表示されている。
【0013】
この走行経路Rには、それぞれコース条件を示すシンボルマークが示されるようになっている。
図1においては、4つのシンボルマークS1A,S1B,S2A,S2Bが表示されており、シンボルマークS1AとシンボルマークS1Bとが同一形態のシンボルマークとして、シンボルマークS2AとシンボルマークS2Bとが同一形態のシンボルマークとして表示されている。
同一形態のシンボルマークは、それぞれの類似するコース条件であることを示すものであり、例えば、シンボルマークS1AとシンボルマークS1Bとは、急な登坂地点であることを示している。また、シンボルマークS2AとシンボルマークS2Bとは、平坦な地点であることを示している。
【0014】
このようなシンボルマークは、ユーザの走行状態と対応付けられており、シンボルマークS1A,S1B,S2A,S2Bを選択する操作を受け付けたことにより、シンボルマークS1A,S1B,S2A,S2Bの地点におけるユーザの走行状態が示されるようになっている。
【0015】
また、同一のシンボルマークにおいてユーザ状態の比較の表示を行う。ユーザ状態の比較は、例えば、同一のシンボルマークにおけるユーザの状態を項目毎に表示し、さらに、項目毎にどちらが高い値であったかを表示する。
これにより、走行コース上において、どの地点でユーザが類似するコース条件であったかが直感的に把握でき、さらに、ユーザ状態を確認することができる。
【0016】
上述したようなユーザ状態の比較を可能にする本実施形態の情報処理装置について説明する。即ち、情報処理装置は、走行経路上のコース条件が類似する地点におけるユーザの状態を比較可能に表示する機能を有する。
【0017】
次に、情報処理装置1のハードウェアの構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置1のハードウェアの構成を示すブロック図である。
情報処理装置1は、例えばスマートウォッチ等のリスト端末として構成される。
【0018】
情報処理装置1は、
図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、GPS部16と、センサ部17と、入力部18と、出力部19と、記憶部20と、通信部21と、ドライブ22と、を備えている。
【0019】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部20からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
【0020】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0021】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、GPS部16、センサ部17、入力部18、出力部19、記憶部20、通信部21及びドライブ22が接続されている。
【0022】
GPS部16は、アンテナを含み複数のGPS(Global Positioning System)用衛星からのGPS信号を受信して、情報処理装置1の位置情報を取得する。
センサ部17は、XYZ軸方向の情報処理装置1の移動、情報処理装置1の振動及び情報処理装置1周辺の気圧を測定可能に構成され、例えば、3軸地磁気センサ、3軸加速度センサ及び気圧センサから構成される。
【0023】
入力部18は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部19は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
記憶部20は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。
通信部21は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
【0024】
ドライブ22には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ22によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部20にインストールされる。また、リムーバブルメディア31は、記憶部20に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部20と同様に記憶することができる。
【0025】
次に、情報処理装置1の機能的構成のうち、ユーザ状態比較処理を実行するための機能的構成を、
図3を参照して説明する。
図3は、このような
図2の情報処理装置1の機能的構成のうち、ユーザ状態比較処理を実行するための機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0026】
「ユーザ状態比較処理」とは、類似するコース条件において、ユーザ状態を比較するための処理であって、コース登録処理、運動計測処理及びユーザ状態表示処理を含む。
また、「コース登録処理」とは、ユーザから走行経路の選択を受け付けて、走行経路のうち、類似するコース条件である地点である比較ポイントを特定する処理である。また、「運動計測処理」とは、登録した走行経路をユーザが走行する場合に、比較ポイントと対応付けてユーザ状態を記憶する処理である。また、「ユーザ状態表示処理」とは、走行経路及び比較ポイントを表示させ、表示した比較ポイントの選択を受け付けて、比較ポイントと対応付けられたユーザ状態を表示する処理である。
【0027】
ユーザ状態比較処理を実行する場合には、
図3に示すように、CPU11において、走行経路特定部51、コース条件比較部52、走行地点算出部53と、ユーザ状態算出部54と、比較ポイントマップ生成部55と、が機能する。
【0028】
また、記憶部20の一領域には、地図情報記憶部71と、走行経路記憶部72と、走行履歴記憶部73と、が設けられる。
【0029】
地図情報記憶部71には、道路や建物の位置情報及び標高に関する情報を含む地図情報が記憶されている。
【0030】
走行経路記憶部72には、ユーザが走行する経路情報を記憶する記憶部である。走行経路記憶部72は、経路識別情報、経路名、経路情報及び比較ポイント情報等が対応付けられて記憶されている。
ここで、「経路情報」とは、開始点、経由点及び終了点の位置情報である。
また、「比較ポイント情報」とは、2点以上の類似する道路条件の場所に関する位置情報である。
【0031】
走行履歴記憶部73には、ユーザが走行した走行履歴が記憶されている。詳細には、走行履歴記憶部73は、走行履歴として、経路識別情報、走行位置、ユーザ状態及び比較ポイントマークが対応付けられて記憶している。
ここで、「経路識別情報」とは、走行経路記憶部72に記憶される経路情報を特定する識別情報である。
また、「走行位置」とは、ユーザが走行した複数の位置情報である。
また、「ユーザ状態」とは、ユーザの走行状態を示す情報であり、例えば、ピッチ、ストライド、上下動及び推進力等に関する情報である。「ユーザ状態」に記憶されるそれぞれの情報は、走行位置に記憶される位置情報と対応付けられて記憶されており、例えば、(X1,Y1)という走行位置に、その位置におけるユーザのピッチ、ストライド、上下動及び推進力が対応付けられている。
また、「比較ポイントマーク」とは、走行位置に記憶されている2以上の位置情報を対応付ける情報である。
【0032】
走行経路特定部51は、ユーザからの経路の選択に基づいて経路情報を特定し、経路情報を走行経路記憶部72に記憶する。
【0033】
コース条件比較部52は、走行経路特定部51が特定した経路情報のうち、コース条件の類似する区間の終点を比較ポイントと特定する。そして、コース条件比較部52は、特定した比較ポイントを比較ポイント情報として、走行経路記憶部72に記憶する。
【0034】
具体的には、コース条件比較部52は、経路情報のうち、ある地点と他の地点とを選択して、ある地点までの区間と他の地点までの区間とコース条件を比較する。コース条件比較部52は、それぞれの区間が類似する場合には、ある地点と他の地点とを比較ポイントとして走行経路記憶部72に記憶する。そして、コース条件比較部52は、新たに2つの地点を選択してコース条件を比較する。
ここで、「コース条件」とは、ユーザが走行するうえで、ユーザの身体乃至心理に影響を及ぼすコース上の諸条件であって、例えば、コースにおける高低差やコースのカーブ曲率を含む条件である。例えば、コース条件比較部52では、高低差を比較する場合には、地図情報記憶部71に含まれるある地点の標高とある地点から所定の距離経路を遡った地点との標高から高低差を算出し、ある地点の高低差と他の地点の高低差とを比較して、コース条件の類似を比較する。
【0035】
走行地点算出部53は、GPS部16から取得したGPS位置情報と、センサ部17から取得した情報に基づいて算出される相対的位置情報とに基づいて、経路情報における情報処理装置1の現在位置を特定し、特定した現在位置を走行履歴記憶部73に記憶する。
【0036】
ユーザ状態算出部54は、センサ部17から取得した情報に基づいて、ユーザの走行時の運動状態を示すユーザ状態情報を算出して、走行地点算出部53が算出した現在位置と対応付けてユーザ状態情報を走行履歴記憶部73に記憶する。
ここで、「ユーザの状態」とは、例えば、ピッチ、ストライド、上下動及び推進力等のユーザの走行時の運動状態を示す情報である。
【0037】
また、ユーザ状態算出部54は、現在位置が比較ポイントである場合に、比較ポイントであることを示す情報を対応付けて走行履歴記憶部73に記憶する。
【0038】
比較ポイントマップ生成部55は、走行履歴記憶部73から走行履歴を取得して、地図上に走行経路及び比較ポイントを示すシンボルマークを示す表示データを生成して、表示データに基づいて地図を出力部19に表示させる。また、比較ポイントマップ生成部55は、ユーザのシンボルマークの選択を受け付けて、比較ポイントに対応するユーザ状態を示す表示データを生成し、表示データに基づいて出力部19に表示させる。
【0039】
次に、
図3の機能を有する
図2の情報処理装置1が実行するユーザ状態比較処理について、
図4を参照して説明する。
【0040】
図4は、
図3の機能を有する
図2の情報処理装置1が実行するユーザ状態比較処理の流れを説明するフローチャートである。
ユーザ状態比較処理は、ユーザによる入力部18へのユーザ状態比較処理開始の操作により開始される。
【0041】
ステップS1において、走行経路特定部51は、コース登録処理を実行する。コース登録処理が実行されることにより、コースにおける同一条件ポイントが記憶される。コース登録実行処理の流れについては、後述する。
【0042】
ステップS2において、走行地点算出部53は、運動計測処理を実行する。運動計測処理が実行されることにより、コースの地点に対応したログデータを取得するとともに、比較ポイントにマークがされる。運動計測処理の流れについては、後述する。
【0043】
ステップS3において、走行経路特定部51は、ユーザ状態表示処理を実行する。ユーザ状態表示処理が実行されることによって、出力部19
にユーザ状態が表示される。ユーザ状態表示処理の流れについては、後述する。
その後、ユーザ状態比較処理は終了する。
【0044】
次に、ユーザ状態比較処理のうち、コース登録処理の流れについて
図5を参照して説明する。
図5は、ユーザ状態比較処理のうち、コース登録処理を説明するフローチャートである。
【0045】
ステップS11において、走行経路特定部51は、ユーザからスタート地点の登録操作を受け付けて、スタート地点の位置情報を走行経路記憶部72に記憶する。
具体的には、走行経路特定部51は、地図を出力部19に表示させて、ユーザから地図の所定の部分を選択する操作を受け付ける。走行経路特定部51は、受け付けた地図の部分の位置情報を特定して、スタート地点の位置情報として走行経路記憶部72に記憶する。
【0046】
ステップS12において、走行経路特定部51は、ユーザから現在選択中の地点からの経路を受け付けて、経由地点の位置情報を走行経路記憶部72に記憶する。
具体的には、走行経路特定部51は、現在選択中の地点から分岐点までの複数の経路が示された地図を出力部19に表示させる。走行経路特定部51は、ユーザから複数の経路のうち何れか1つを選択する操作を受け付ける。走行経路特定部51は、受け付けた経路の分岐点の位置情報を経由地点の位置情報として、走行経路記憶部72に記憶する。
【0047】
ステップS13において、走行経路特定部51は、コースを延長するか否かの選択肢を表示させて、ユーザからの選択を受け付ける。受け付けた選択肢がコース延長しないである場合は、走行経路特定部51は、ステップS14に処理を移行する。受け付けた選択肢がコース延長するである場合は、走行経路特定部51は、ステップS12に処理を移行する。
【0048】
ステップS14において、走行経路特定部51は、最後に受け付けた経由地点をゴール地点として、走行経路記憶部72に記憶する。
【0049】
ステップS15において、走行経路特定部51は、スタート地点から経由地点を経てゴール地点までの経路が示された地図を出力部19に表示し、走行経路の登録を終了するか否かの選択肢を表示させて、ユーザからの選択を受け付ける。受け付けた選択肢が登録を終了しないである場合は、走行経路特定部51は、ステップS12に処理を移行する。受け付けた選択肢が登録を終了するである場合は、走行経路特定部51は、ステップS16に処理を移行する。
【0050】
ステップS16において、コース条件比較部52は、走行経路のうち、高低差及びカーブ曲率等のコース条件の類似する区間を特定する。
【0051】
ステップS17において、コース条件比較部52は、ステップS16において特定した類似する区間の終地点を、同一条件ポイントとして走行経路記憶部72に記憶して、コース登録処理を終了する。
【0052】
次に、ユーザ状態比較処理のうち、運動計測処理の流れについて
図6を参照して説明する。
図6は、ユーザ状態比較処理のうち、運動計測処理を説明するフローチャートである。
【0053】
ステップS21において、走行地点算出部53は、GPS部16から情報処理装置1のGPS位置情報を取得する。
【0054】
ステップS22において、走行地点算出部53は、ステップS21において取得したGPS位置情報とセンサ部17から取得した相対位置情報とを比較して、それぞれの位置精度の重み値に基づいて、情報処理装置1の現在位置を決定する。
【0055】
ステップS23において、走行地点算出部53は、ステップS22で決定した現在位置に基づいて、走行経路上の位置を特定する。
【0056】
ステップS24において、走行地点算出部53は、ステップS23において特定した走行経路上の走行位置を、走行履歴記憶部73に記憶する。
【0057】
ステップS25において、ユーザ状態算出部54は、センサ部17からピッチ、ストライド、上下動及び推進力等のユーザ状態を示す情報を取得する。
【0058】
ステップS26において、ユーザ状態算出部54は、ステップS25において取得したユーザ状態を示す情報に基づいて、ユーザが走っている状態であると評価できる所定の運動量に達しているかを判断する。所定の運動量に達していないと判断された場合には、ユーザ状態算出部54は、ステップS31に処理を移行する。所定の運動量に達していると判断された場合には、ユーザ状態算出部54は、ステップS27に処理を移行する。
【0059】
ステップS27において、ユーザ状態算出部54は、ユーザ状態を示す情報を、走行履歴記憶部73に記憶する。
【0060】
ステップS28において、ユーザ状態算出部54は、所定の時間が経過したかを判断する。所定の時間が経過したと判断した場合に、ユーザ状態算出部54は、ステップS21に処理移行する。所定の時間が経過していないと判断した場合に、ユーザ状態算出部54は、ステップS29に処理を移行する。なお、所定の時間とは、ユーザの行っているスポーツにおいて、経路を移動した評価できるような時間をいい、例えば、ランニングにおいては、所定の時間を1秒とし、自転車において、所定の時間を0.5秒としてよい。
【0061】
ステップS29において、ユーザ状態算出部54は、走行経路記憶部72を参照して、ステップS23において特定した走行経路上の位置が、比較ポイントであるかを判断する。比較ポイントであると判断した場合に、ユーザ状態算出部54は、ステップS30に処理を移行する。比較ポイントではない判断した場合に、ユーザ状態算出部54は、ステップS21に処理を移行する。
【0062】
ステップS30において、ユーザ状態算出部54は、ユーザ状態を示す情報と対応付けて、比較ポイントであるマーク情報を走行履歴記憶部73に記憶する。
【0063】
ステップS31において、ユーザ状態算出部54は、ステップS25において取得したユーザ状態を示す情報に基づいて、ユーザが停止している状態かを判断する。ユーザが停止していない状態(即ち、歩いている状態)と判断した場合は、ユーザ状態算出部54は、ステップS32に処理を移行する。ユーザが停止している状態と判断した場合は、ユーザ状態を記憶する必要がないため、ユーザ状態算出部54は、運動計測処理を終了する。
【0064】
ステップS32において、ユーザ状態算出部54は、所定の時間を経過したかを判断する。ステップS25において取得したユーザ状態を示す情報に基づいて、ユーザが停止している状態かを判断する。ユーザが停止していない状態(即ち、歩いている状態)と判断した場合は、ユーザ状態算出部54は、ステップS32に処理を移行する。ユーザが停止している状態と判断した場合は、ユーザ状態を記憶する必要がないため、ユーザ状態算出部54は、運動計測処理を終了する。
【0065】
次に、ユーザ状態比較処理のうち、ユーザ状態表示処理の流れについて
図7を参照して説明する。
図7は、ユーザ状態比較処理のうち、ユーザ状態表示処理を説明するフローチャートである。
【0066】
ステップS41において、比較ポイントマップ生成部55は、走行履歴記憶部73から走行履歴を取得して、走行履歴の一覧を生成し、出力部19に表示させる。
【0067】
ステップS42において、比較ポイントマップ生成部55は、ユーザが走行履歴を選択する操作を受け付ける。
【0068】
ステップS43において、比較ポイントマップ生成部55は、ユーザが選択した走行履歴を走行履歴記憶部73から取得して、地図上に走行した経路及び比較ポイントを示すシンボルマークが重畳された表示データを生成して、出力部19に表示させる。
【0069】
ステップS44において、比較ポイントマップ生成部55は、ユーザがシンボルマークを選択する操作を受け付ける。
【0070】
ステップS45において、比較ポイントマップ生成部55は、ユーザが選択したシンボルマークに対応するユーザ状態を示す情報を、出力部19に表示させて、処理を終了する。
【0071】
したがって、情報処理装置1においては、走行コース上のコース条件が類似する場所において、ユーザの状態を比較することができる。
【0072】
以上のように構成される情報処理装置1は、走行経路記憶部72と、コース条件比較部52と、GPS部16と、ユーザ状態算出部54とを備える。
走行経路記憶部72は、経路情報を記憶する。
コース条件比較部52は、経路情報のうち、コース条件の類似する比較地点を特定する。
GPS部16は、経路情報における現在位置を測位する。
ユーザ状態算出部54は、ユーザの運動状態を算出して、現在位置が比較地点である場合に、比較地点であることを示す情報とユーザの運動状態とを対応付けて記憶する。
これにより、情報処理装置1は、類似する比較地点においてユーザの運動状態をユーザに表示することができるため、ユーザは、走行コース上のコース条件が類似する場所において、ユーザの状態を比較することができる。
【0073】
ユーザ状態算出部54は、GPS部16によって測位された現在位置が比較地点である場合に、当該比較地点におけるユーザの運動状態を算出する。
これにより、情報処理装置1は、リアルタイムに類似する比較地点においてユーザの運動状態をユーザに提示することができる。
【0074】
情報処理装置1は、さらに比較ポイントマップ生成部55を備える。
比較ポイントマップ生成部55は、比較地点とユーザの運動状態とを地図上に表示する。
これにより、ユーザは、地図におけるどの地点においてコース条件が類似するかを直感的に把握できるため、ユーザは、走行コース上のコース条件が類似する場所において、ユーザの状態を比較することができる。
【0075】
コース条件比較部52は、経路情報のうち、標高差又はカーブ曲率の少なくとも何れかが類似する場合にコース条件が類似するとして比較地点を特定する。
これにより、情報処理装置1は、標高差が類似する比較地点においてユーザの運動状態をユーザに表示することができるため、ユーザは、走行コース上のコース条件が類似する場所において、ユーザの状態を比較することができる。
【0076】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0077】
上述の実施形態では、同一走行コース内におけるコース条件でのユーザ比較を行ったが、異なる走行コースにおけるユーザ比較を行うように構成してもよい。また、コース条件を同じにした異なるユーザのユーザ状態を比較するように構成してもよい。
【0078】
また、上述の実施形態では、ユーザ状態を示す情報として、ピッチ、ストライド、上下動及び推進力等を比較する情報としたが、例えば、ユーザの心拍数や血圧等の生態情報を、ユーザ状態を示す情報として構成してもよい。
【0079】
また、上述の実施形態では、ユーザがランニングをする場合を例として説明したがこれに限られず、定められたコースであって、コース間においてコース条件が異なるスポーツに適用してもよい。例えば、ランニング以外には、自転車、カヌー、スキー、自動車等であってよい。
【0080】
また、上述の実施形態では、情報処理装置1が地図情報を記憶し、走行履歴を表示していたが、これに限られない。例えば、情報処理装置1は、地図情報を外部サーバから取得してもよいし、情報処理装置1は、走行履歴を他のコンピュータに送信して、他のコンピュータにおいて走行履歴を表示してもよい。
【0081】
また、上述の実施形態では、情報処理装置1は、比較ポイントをシンボルマークとして
表示していたが、表示するシンボルマークを比較ポイントの特性に合わせて変化させても
よい。例えば、上述のように、高低差が大きい地点に坂を上るようなシン
ボルマークを表
示してもよい。また、例えば、カーブ曲率が高い地点に角度の厳しい曲り道を表示しても
よい。
【0082】
また、上述の実施形態では、情報処理装置1は、同日の一連の走行時における比較ポイントを表示していたが、これに限られず、例えば、異なる日に行われた別の走行における別地点について、類似する走行条件としてマークしてもよい。また、その場合には、ユーザ状態を表示する場合に、他の走行履歴へのリンクを表示するようにしてもよい。
【0083】
また、上述の実施形態では、本発明が適用される情報処理装置1は、リスト端末を例として説明したが、特にこれに限定されない。
例えば、本発明は、走行履歴表示処理機能を有する電子機器一般に適用することができる。具体的には、例えば、本発明は、ノート型のパーソナルコンピュータ、プリンタ、テレビジョン受像機、ビデオカメラ、携帯型ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、ポータブルゲーム機等に適用可能である。
【0084】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図2の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図2の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0085】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0086】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図2のリムーバブルメディア31により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア31は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu−ray Disc(ブルーレイディスク)(登録商標)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini−Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図1のROM12や、
図1の記憶部20に含まれるハードディスク等で構成される。
【0087】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0088】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0089】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
経路情報を記憶する記憶手段と、
前記経路情報のうち、コース条件の類似する比較地点を特定する特定手段と、
前記経路情報における現在位置を測位する測位手段と、
ユーザの運動状態を算出して、前記比較地点におけるユーザの運動状態を算出して記憶する状態算出手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
[付記2]
前記状態算出手段は、前記測位手段によって測位された現在位置が前記比較地点である場合に、当該比較地点におけるユーザの運動状態を算出することを特徴とする付記1に記載の情報処理装置。
[付記3]
前記比較地点とユーザの運動状態とを地図上に表示する比較ポイントマップ生成手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の情報処理装置。
[付記4]
前記特定手段は、前記経路情報のうち、標高差又はカーブ曲率の少なくとも何れかが類似する場合にコース条件が類似するとして比較地点を特定する、
ことを特徴とする付記1乃至3の何れか1つに記載の情報処理装置。
[付記5]
記憶手段を備える情報処理装置で実行される情報処理方法であって、
前記記憶手段から経路情報を読み出して、コース条件の類似する比較地点を特定するステップと、
前記経路情報における現在位置を測位するステップと、
ユーザの運動状態を算出して、前記比較地点におけるユーザの運動状態を算出して記憶するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
[付記6]
記憶手段を備える情報処理装置を制御するコンピュータを、
前記記憶手段から経路情報を読み出して、コース条件の類似する比較地点を特定する特定手段、
前記経路情報における現在位置を測位する測位手段、
ユーザの運動状態を算出して、前記比較地点におけるユーザの運動状態を算出して記憶する状態算出手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。