(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562219
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】フィルタープレスのろ布洗浄装置
(51)【国際特許分類】
B01D 25/12 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
B01D25/12 D
B01D25/12 E
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-207434(P2016-207434)
(22)【出願日】2016年10月24日
(65)【公開番号】特開2018-69105(P2018-69105A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000197746
【氏名又は名称】株式会社石垣
(72)【発明者】
【氏名】山本 大輔
(72)【発明者】
【氏名】原 康二
(72)【発明者】
【氏名】元家 正二
【審査官】
宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−30209(JP,A)
【文献】
特開平10−99607(JP,A)
【文献】
実開昭50−131677(JP,U)
【文献】
特開昭59−39312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム(2、2)間に支架したガイドレール(3)に多数のろ板(4・・・)を開閉自在に並列し、ガイドレール(3)に沿って設けた加振シャフト(6)にろ布(8)を吊設したサポートバー(7)を橋架し、加振シャフト(6)の振動によりろ布(8)に付着した脱水ケーキを剥離するフィルタープレス(1)のろ布洗浄装置において、
加振シャフト(6)に設けた洗浄液の供給路(17)と、
供給路(17)から洗浄液をろ布(8)に向かって噴射する加振シャフト(6)に設けた洗浄ノズル(16)と、
を備えることを特徴としたフィルタープレスのろ布洗浄装置。
【請求項2】
前記供給路(17)は、中空の加振シャフト(6)内に備える
ことを特徴とした請求項1に記載のフィルタープレスのろ布洗浄装置。
【請求項3】
前記洗浄ノズル(16)は、開板したろ板(4)の間毎に配設し、加振シャフト(6)の上部に備える
ことを特徴とした請求項1又は2に記載のフィルタープレスのろ布洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタープレスのろ布洗浄に関し、洗浄液を供給する洗浄ホースを不要としたフィルタープレスのろ布洗浄装置を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ろ板の前後にろ布が張設されているフィルタープレスのろ布洗浄装置は、洗浄管がろ板の上部にろ板と一体的に設けられており、ろ板の側方に並列した主供給管と洗浄管を可橈管で連結することで洗浄管に洗浄水を供給する技術が特許文献1に記載されている。ろ板の開閉と共に洗浄管が移動するため、可橈性をもつ可橈管で、主供給管と洗浄管を連結している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−99607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の洗浄装置では、可橈管はろ板の移動分の長さを必要とするため、大型のフィルタープレスの場合は長大な可撓管となる。従って、可橈管を用いることで、脱水機上部のメンテナンススペースが狭くなることや、可橈管を用いたことによる部品点数の増加が問題となっている。
【0005】
また、大型のフィルタープレスはフレームの中間を支持するスタンドが必要で、ろ板の開閉時には可撓管がスタンドに干渉するため、フィルタープレス両端に開閉装置を設け、中央に向ってろ板を移動させていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
フレーム間に支架したガイドレールに多数のろ板を開閉自在に並列し、ガイドレールに沿って設けた加振シャフトにろ布を吊設したサポートバーを橋架し、加振シャフトの振動によりろ布に付着した脱水ケーキを剥離するフィルタープレスのろ布洗浄装置において、加振シャフトに設けた洗浄液の供給路と、供給路から洗浄液をろ布に向かって噴射する加振シャフトに設けた洗浄ノズルと、を備えることで、洗浄管を備える必要が無く、脱水機の部品点数消耗品の削減ができる。
【0007】
前記供給路は、中空の加振シャフト内に備えることで、コンパクトなフィルタープレスとなり、メンテナンススペースも確保することができる。
【0008】
前記洗浄ノズルは、開板したろ板の間毎に配設し、加振シャフトの上部に備えることで、すべてのろ布を同時に洗浄可能で、供給路に残留した洗浄液が洗浄ノズルから漏れ出すことがない。
【発明の効果】
【0009】
加振シャフトが加振装置と洗浄装置の機能を有するため、従来必要としていた洗浄水を供給する主供給管と、主供給管からろ板に設けた洗浄管を連結する可橈管を設ける必要がなくなった。従って、脱水機の部品点数、消耗品の削減ができ、コンパクトなフィルタープレスでメンテナンススペースも確保することができる。
【0010】
また、大型のフィルタープレスでは、中間を支持するスタンドに干渉していた可撓管が不要となるため、フィルタープレスの両端に開閉装置を設ける必要がなく、一方に開閉装置を設けることでろ板の開閉を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るろ布洗浄装置を用いるフィルタープレスの側面図である。
【
図2】本発明に係るろ板組品及びろ布洗浄装置の要部正面図である。
【
図4】本発明に係るろ布を吊設するろ板の要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明に係るろ布洗浄装置を用いるフィルタープレスの側面図である。
本発明のフィルタープレス1は、左右に配置したフレーム2、2と、フレーム2、2間に支架された一対のガイドレール3、3と、ガイドレール3上で移動自在に複数並列したろ板4・・・と、ろ板4の開閉を行う開閉装置5と、を有する。
【0013】
ガイドレール3に沿って、ろ板4の上方に一対の加振シャフト6を配設する。ろ板4上部にはサポートバー7を揺動自在に配設し、加振シャフト6に橋架してある。サポートバー7にろ布8を吊設することで、ろ板4、4間にろ布8を配置する。加振シャフト6のバイブレーター9が作動すると、加振シャフト6に橋架したサポートバー7が振動し、サポートバー7に吊設したろ布8が揺動し、ろ布8を上下に跳ね上げる。
【0014】
図2は、本発明に係るろ板組品及びろ布洗浄装置の要部正面図である。
ろ板4の両側肩部にガイドレール3に支架させるろ板アーム10を配設し、ろ板4はガイドレール3上を移動自在に並列してある。ろ板4の上方中央部には原液供給路11を形成してある。
ろ板4の中央部には凹面状のろ過床12を形成しており、ろ過床12にはろ布8を張設し、ろ板4、4間に張設したろ布8の間に原液を供給して脱水する。
【0015】
ろ板4の両肩部にはサポートバー7を支持するガイドシャフト13を立設する。ガイドシャフト13にはスプリング14を外挿し、サポートバー7をスプリング14に弾圧的に揺動自在に支持する。サポートバー7の両側面には、ろ布8を吊設するための複数の掛金15を設けてある。
【0016】
ろ板4上方のサポートバー7は、ガイドレール3の上方に設けた一対の加振シャフト6に橋架してある。加振シャフト6のバイブレーター9が作動することで、サポートバー7に吊設したろ布8を振動させ、ろ布8に付着した脱水ケーキを剥離する。バイブレーター9の振動により加振シャフト6が上下に振動し、加振シャフト6に橋架したサポートバー7は、ガイドシャフト13に挿通したスプリング14により跳上がる。
【0017】
加振シャフト6の側面上部には洗浄ノズル16を配置する。また、ろ板4方向に向って洗浄ノズル16を配置することで、ろ板4に張設したろ布8を洗浄する。
加振シャフト6は内部を中空として、内部に洗浄液の供給路17を形成する。よって、供給路17に供給した洗浄液は洗浄ノズル16よりろ板4に張設したろ布8に向かって噴射される。加振シャフト6の上部に洗浄ノズル16を設けることで、洗浄終了後に加振シャフト6に残留した洗浄液が洗浄ノズル16から漏れ出すことはない。
加振シャフト6は矩形、円形等の断面形状のものを用いることができる。加振シャフト6内外に管を設けて供給路17としてもよい。
また、洗浄ノズル16は開板したろ板4、4の間に配置し、ろ板4間毎に配置することで全てのろ布8を同時に洗浄可能とする。
【0018】
また、
図1に示すように、加振シャフト6の一端を洗浄水貯留槽18と連結し、洗浄水供給ポンプ19で加振シャフト6に洗浄水を供給する。
【0019】
図3は、本発明に係るろ布の正面図である。長方形状のろ布8の上縁部に袋部20を形成する。袋部20にはろ布支持バー21を挿入し、ろ布支持バー21をサポートバー7の掛金15に係止する。袋部20は、掛金15と係止させる位置に複数の切欠穴22を開口する。ろ布8の上部中央にろ板4の原液供給路11に当接させる原液供給用の通孔23を設けてある。
【0020】
図4は、本発明に係るろ布を吊設するろ板の要部側面図である。
図3に示すろ布8の上部の袋部20に挿通したろ布支持バー21を切欠き穴から露出させ、
図2に示すろ板4の上部に配設したサポートバー7の掛金15に、切欠穴22から露出したろ布支持バー21を係止してろ布8を吊設する。ろ布8はろ板4前後に設けられたろ過床12の前面に吊設する。サポートバー7の両面上部に立設した掛金15の上端部を折り曲げて、ガイドシャフト13に外挿したスプリング14の圧縮エネルギーの反発力でろ布8の上縁部のろ布支持バー21がサポートバー7から放出すのを防止する。
【0021】
図4に示すように、ろ板4、4間に吊設する一対のろ布8の一方に原液供給板24が止着してあり、ろ板4に形成した原液供給路11とろ布8の上方中央部の通孔23に原液供給板24の原液通路25を合着させ、原液供給板24の原液通路25から分岐してろ布8のろ過面に原液を供給する給液路26を設けてある。
【0022】
上記フィルタープレス1の運転方法を詳述する。
初めにろ板の開閉装置5を作動させ、ガイドレール3に複数並列したろ板4を一方へ移動し閉板する。閉板したろ板4両面のろ過床12にはろ布8が張設され、ろ板4、4間に張設したろ布8の間にろ過室を形成する。ろ過室には原液供給路11を通して原液が供給され、脱水を行う。ろ布8を透過したろ液はろ過床12に設けられた図示しない排出口より外部に排出される。
【0023】
脱水終了後、ろ板開閉装置によりろ板4を開板して脱水ケーキを排出する。加振シャフト6に設けたバイブレーター9を起動させ、加振シャフト6に橋架したサポートバー7を揺動する。サポートバー7に吊設したろ布8はサポートバー7とともに跳ね上がり、ろ布8に付着した脱水ケーキが剥離される。
【0024】
脱水ケーキを剥離した後、洗浄水貯留槽18より加振シャフト6内に設けた供給路17に洗浄水を供給する。洗浄水は供給路17から加振シャフト6に設けた洗浄ノズル16よりろ布8に向かって噴射され、ろ布8を洗浄する。
ろ布8の洗浄終了後、再びろ板を閉板し脱水を行う。
【産業上の利用可能性】
【0025】
この発明に係るフィルタープレスのろ布洗浄装置は、加振シャフトを洗浄水の供給路として利用することで洗浄水の供給管を別途設ける必要が無く、脱水機の部品点数を削減でき、コンパクトなフィルタープレスとなるため、上水・工水スラッジの脱水だけでなく、化学プラントなどの生産プロセスにも使用できる。
【符号の説明】
【0026】
1 フィルタープレス
2 フレーム
3 ガイドレール
4 ろ板
6 加振シャフト
7 サポートバー
8 ろ布
16 洗浄ノズル
17 供給路