特許第6562275号(P6562275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562275超音波エネルギの適用により加工材料を切断する方法及び切断装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562275
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】超音波エネルギの適用により加工材料を切断する方法及び切断装置
(51)【国際特許分類】
   B06B 1/06 20060101AFI20190808BHJP
   B26D 7/08 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   B06B1/06 A
   B26D7/08 A
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-513323(P2016-513323)
(86)(22)【出願日】2014年5月12日
(65)【公表番号】特表2016-532538(P2016-532538A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(86)【国際出願番号】EP2014059674
(87)【国際公開番号】WO2014184150
(87)【国際公開日】20141120
【審査請求日】2017年2月14日
(31)【優先権主張番号】13167560.5
(32)【優先日】2013年5月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515264621
【氏名又は名称】エー オー シャリノックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】カラスコ,セザール
【審査官】 三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−307632(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02551077(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B06B 1/06
B26D 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工材料、特に食材(8)を切断するために設計され、少なくとも一つの刃(11)を含み、駆動装置(12)によって駆動され、複数のエネルギ変換器(13)及び結合要素(15)を経て超音波エネルギが超音波ユニット(4)から供給される、切断装置(1)を作動させる方法であって、第1の動作周波数(f1)で第1の結合要素(15A)を経て、及び、第2の動作周波数(f2)で第2の結合要素(15B)を経て、超音波エネルギが該刃(11)に同時に供給されるように、該超音波ユニット(4)を制御する制御ユニット(6)が提供され、該第1及び第2の動作周波数は、それぞれ動作周波数f1及びf2に固定されるか、又はそれぞれ周波数範囲f1af1b及び f2af2bで調節されることにより特徴付けられる、方法。
【請求項2】
前記刃(11)の振動振幅は、前記加工材料(8)の処理の前又は処理中に複数の試験周波数又は動作周波数が測定され、該振動振幅の絶対的又は相対的な最大値が生じる1つ又は複数の周波数が決定されることにより特徴付けられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1及び第2の動作周波数(f1、f2)は、生じる波節(swk)が重ならないように選ばれ、調節されることにより特徴付けられる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
a)前記第1及び第2の動作周波数(f1、f2)が、前記振動振幅の最大値が生じるところで決定された周波数の上下の等しい周波数距離に位置する、
b)該第1及び第2の動作周波数(f1、f2)の間の隔たりは、5Hzから10kHzの範囲において選ばれることにより特徴付けられる、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記刃(11)は、センサ(71)へ、変換器要素(132)へ、直接又は前記結合要素(15A、15B)のうちの1つを経て結合されることによって、該刃(11)の振動は、電気信号として検出され、変換されて前記制御ユニット(6)へ送られて、そこで評価されることにより特徴付けられる、請求項1からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ある期間に、1つ又は複数の試験周波数(f1、f2、f3)が前記刃(11)に適用され、その後、結果として生じた振動が検出され、変換され、随意にフーリエ変換を適用することにより処理されて、評価されることにより特徴付けられる、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記試験周波数の振動の前記振幅又は減衰の継続期間が決定され、その後、該試験周波数は、前記第1及び第2の動作周波数(f1、f2)として用いられ、そのために前記振動のより大きい振幅又はより長い減衰期間が探求されることにより特徴付けられる、請求項又はに記載の方法。
【請求項8】
前記刃(11)が前記加工材料(8)の中を誘導される間に、計測は連続的に又は時間間隔を置いて実行され、前記第1及び第2の動作周波数(f1、f2)は最適化されることにより特徴付けられる、請求項からのいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記刃(11)の又は前記結合要素(15A、15B)の温度を測定するセンサ(72、73)が提供され、所定の最大温度を上回った場合、前記供給された超音波エネルギを減少させることにより特徴付けられる、請求項またはに記載の方法。
【請求項10】
駆動装置(12)に結合され、複数のエネルギ変換器(13)及び結合要素(15)を経て超音波エネルギが超音波ユニット(4)から供給される、可動である又は回転可能な少なくとも1つの刃(11)を有する、請求項1からのいずれか一項の方法の適用のために設計される切断装置(1)であって、第1の動作周波数(f1)で第1の結合要素(15A)を経て、及び、第2の動作周波数(f2)で第2の結合要素(15B)を経て、超音波エネルギが該刃(11)に同時に供給されるように、該超音波ユニット(4)を制御する制御ユニット(6)が提供され、該第1及び第2の動作周波数は、それぞれ動作周波数f1及びf2に固定されるか、又はそれぞれ周波数範囲f1af1b及びf2af2bで調節されることにより特徴付けられる、切断装置(1)。
【請求項11】
少なくとも1つのセンサ(71、72)及び1つの変換器(41)が提供されることによって、超音波エネルギは前記刃(11)で検出され、変換され、信号処理モジュール(60)が提供される前記制御ユニット(6)に伝達され、そこで、前記刃(11)から得られる信号は評価され、対応する計測結果が集められ、該計測結果を更に最適化するために、前記超音波ユニット(4)は該集められた計測結果により制御可能であるような制御モジュール(600)が提供されることにより特徴付けられる、請求項10に記載の切断装置(1)。
【請求項12】
前記超音波ユニット(4)を制御するのと同様に、前記刃(11)又は前記結合要素(15A、15B)の温度を観測するために設計され、直接又は間接的に機械的に前記刃(11)に連結し、前記制御ユニット(6)に結合する少なくとも1つの温度センサ(72、73)が提供されて、高温の場合には前記超音波出力が弱められ、及び/又はアラーム信号が出力されることにより特徴付けられる、請求項10又は11に記載の切断装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波エネルギの適用により加工材料、特に肉、チーズ、野菜、パン又はパスタのような食品を切断する方法に関し、同様に、この方法により作動し、超音波エネルギが適用される刃を含む切断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の産業的用途、特に食品業界において、製品は所定の寸法を備えている必要がある。パン、肉製品、特にソーセージ又はチーズは、たいていスライスされて包装される。このため、異なる切断装置が業界では用いられている。
【0003】
特許文献1は、切断用に用いられる垂直に振動する縫製刃を有する切断装置を開示する。縫製刃の振動振幅及び振動周波数は、与えられた範囲内で可変に調節可能である。筐体に一体化される振動モータによって、縫製刃は駆動される。振動モータは、上下に連続運動を実行するように縫製刃を駆動する。それにより、縫製刃が横断する経路は、1/10mmから5mmの間で調節可能である。そのような切断装置においては、通常加工材料は、所望の品質で切断されない。更に、振動モータの衝撃によって、刃は強いひずみにさらされると考えられる。
【0004】
都合よく、加工材料は、超音波エネルギが適用されるナイフを含む切断装置によって加工することができる。この種の装置は、特許文献2に開示される。超音波コンバータによって提供された超音波エネルギは、少なくとも1つの弓型の、好ましくはU型の結合要素によりナイフに適用され、一方の側が刃の後ろに溶接され、もう片方の側で例えばネジ穴及び結合ネジにより超音波コンバータに結合される。記載の切断装置によって、従来のシステムに比べて加工材料はより速くかつ正確に処理することができる。
【0005】
この切断装置を扱う場合、ユーザーはナイフの使用時に適用される作動パラメータを選ぶ。これらの作動パラメータは特に、粉々に加工又は切断される必要のある加工材料にそれぞれ依存する。特に、ナイフが周期的に動くクロックサイクルが選ばれる。作動サイクル内で、ナイフは回転するあるいは前後に動く。しかしながら、クロックサイクルは、実行された切断の品質が維持される範囲内のみで増加させることができる。加工材料が変形又は亀裂するとすぐに、切断速度は下げられなければならない。
【0006】
連続的に切断が実行される間に加工材料の一貫性が変化する場合、品質の欠如が発生し得る。ユーザーが切断処理をある加工材料に調整して第1の装入物が処理された場合、他の特性を呈するさらなる装入物を処理することで品質の欠如が起こる可能性がある。
【0007】
特許文献2で開示される切断装置は、ナイフの上下に供給される加工材料を交互に切断するために両側で保持され、その配置に対して垂直に上下に駆動する長いナイフを備えることができる。この種のナイフは作成が困難であり、従って高価である。しかしながら、最適条件下で、これらのナイフは長い間使うことができる。けれども、加工材料の作動パラメータが誤って選ばれた場合、ナイフはより強いひずみにさらされる。装置部品は熱くなり、欠如が起こる可能性がある。
【0008】
特許文献3は、電動ツールの作動パラメータに依存してその周波数及び/又は振幅が変化する情報信号を供給する装置を備えた、ツールの超音波励起のための駆動装置を含む電動ツールを開示する。電動ツールの動作の間、電動ツールの操作を損なわずに現在の動作モードを示すため、ユーザーにより感じられる小振幅の軽い振動がグリップ構成要素に適用される。しかしながら、完全に自動で作動する製造装置にはこの解決法は適用できない。
【0009】
走査又は掃引において、適用される出力を考慮した最適周波数が一度だけ生成され、一方で、この周波数点以外では望ましくない多数の周波数が生成される。それゆえに、切断装置の特性及び刃の切断の質は、頻繁な掃引の間に変化してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第102005006506号公報
【特許文献2】欧州特許出願公開第2551077号公報
【特許文献3】独国特許出願公開第102009045945号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はそれゆえに、超音波エネルギの適用により加工材料を切断する改良した方法を提供し、同様にこの方法に従って作動する刃を有する改良した切断装置を提供する目的に基づくものである。
【0012】
本発明の方法では、刃は、最適動作点においてできるだけ長く作動される。更に、刃はできるだけ優しく作動され、その結果、ひずみ及び摩耗が避けられる。
【0013】
本発明では、より高い効率で、特により高いクロックサイクルで切断装置を作動することが可能である。
【0014】
加工材料は、高精度で高クロックサイクル、そして一貫した高い切断品質で切断される。切断された製品、特に食品のスライスは、平らな切断面及び均一の厚みを呈する。このことにより、それに対して平行に供給される食材又は食品単位の一貫性が変化する場合、精度が維持されなければならない。
【0015】
加工材料の特性の変化が起こった場合、特に加工材料の異なる装入物を処理する時には、品質の欠如、及び、刃又は更なる装置部品に高いひずみが起きてはならない。
【0016】
超音波エネルギの適用により加工材料を切断する方法、及び、それぞれ請求項1又は13において定められる特徴を含み、この方法により作動する切断装置で本発明の目的に達することができる。本発明の好都合な実施態様は、更なる請求項において定められる。
【0017】
方法は、加工材料、特に食材を切断するために設計され、少なくとも一つの刃を有する切断装置であって、駆動装置によって駆動され、超音波エネルギが少なくとも一つのエネルギ変換器及び結合要素を経て超音波ユニットから供給される切断装置を作動させるのに役立つ。
【0018】
本発明によると、1つの結合要素のみを通じて刃に供給される超音波エネルギの周波数が少なくとも第1及び第2の動作周波数の間で調節される、あるいは超音波エネルギが、第1の動作周波数で第1の結合要素を経て、そして第2の動作周波数で第2の結合要素を経て刃に供給され、その周波数が少なくとも2つの動作周波数間で固定する又は調節されるように、超音波ユニットを制御する制御ユニットが提供される。
【0019】
本発明の超音波エネルギの適用により、刃は、ほとんどエネルギを必要とせず、実際に力を加えずに加工材料を切断することができる。刃に起こる表面波は、刃が加工材料へとより深く動かされる前に加工材料の構造を分割する。これにより、加工材料の変形を引き起こさずに刃の迅速な侵入が可能になる。
【0020】
動作周波数のキーイング、又は2つの異なる動作周波数の結合のために、適用された超音波エネルギの均一な分配は、刃の最前部に沿うことになる。第1の周波数で起こる定在波の波節は重畳される、あるいは第2の周波数で起こる波腹により取って代わられる。それにより最前部は隙間なしで共振し、それゆえに、刃が加工材料を貫通するときに最適な結果に達することになる。超音波エネルギが効果を有しない静止波節は、避けられる。
【0021】
刃への超音波エネルギの良好なあるいは最適な結合に達するように、少なくとも2つの好適な動作周波数の間でキーイングすることによって、刃が常に最適に作動することが保証される。超音波周波数の走査又は掃引は避けられるので、好ましくない範囲の超音波周波数では横移動しない。それゆえに、本発明により常に最適な動作周波数が選ばれ、一方で段階的走査又は掃引の間、少数のみが最適の結果を提供するような多数の異なる周波数が選ばれる。
【0022】
刃は前後に動かされる、又は、駆動軸に対して垂直である平面で同様に回転することができる。更に、複合的な切断運動が可能である。例えば、刃は前方に動き、それから横に動くことができる。刃を回転させる場合、刃を減速して再び加速する必要はないが、連続的に同じ方向にエネルギ損失なしで回転することができる。ナイフの作動サイクルの制御は、単に駆動モータを制御することにより実行される。このことにより、最大動作周波数は駆動装置の能力によって決定されないが、刃が加工材料を通じて導かれる最大切断速度によって決定されることになる。本発明の超音波エネルギの適用のためにこの最大切断速度は非常に速いので、非常に高いクロックサイクルに達することができる。
【0023】
切断装置では、いかなる加工材料も、処理される又は切断することができる。特に肉、パン、パスタ、乳製品のような食材、紙、段ボール、プラスチック、金属、金及び銀のような貴金属は、この切断装置によって都合よく切断することができる。
【0024】
例えば30−40kHzの範囲の動作周波数での超音波エネルギの適用により、本発明のナイフに特に好都合な特性が提供される。超音波エネルギは好ましくは、ナイフの切断方向に垂直に刃の後ろの広い横の平面に結合される。このことにより、刃に面している結合要素の端の部分は、好ましくは刃に垂直に伸びる。超音波エネルギの適用の間、刃の表面の中及び/又はその上の弾性波は、最前部の方へ向けて強くなる。湾曲した又は好ましくはU型に曲げられた結合要素の実施態様によるものが、特に好都合な波につながる。
【0025】
刃は、片側又は対向する側の最前部に出すことができる。このことにより、切断装置は、刃が両方向に動く又は回転することができて加工材料の方へ導かれるように、設計される。
【0026】
回転刃を使用する場合、刃は、少なくとも1つの軸受要素で支えられる駆動軸に結合され、その駆動軸は、歯車及び歯付きベルトのような駆動要素を経て例えば電子モータのような駆動ユニットと直接又は間接的に結合される。更に、駆動軸は、エネルギ変換器、あるいは、エネルギ変換器及び超音波ユニットを支持する。原則として、例えば圧電素子のような結合要素に結合されるエネルギ変換器が、駆動軸と共に回転することが必要であるのみである。好ましい実施態様においてのみ、超音波ユニットも駆動軸に結合されて、同様に回転する。
【0027】
エネルギ及び/又は制御信号は、エネルギ変換器及び/又は超音波発生器へ伝達される、あるいは、電気結合ユニットを経て制御ユニットがそれに対し結合され、回転可能に保持される。制御信号はまた、例えばブルートゥースにより作動するような無線インタフェースを経て伝達される。制御信号の光伝送も可能である。
【0028】
回転刃では、超音波エネルギは、結合要素を経て、又は、刃に対して垂直に配置された2つの同軸的に整列配置された結合要素を経て伝達される。前後に動く刃では、超音波エネルギは、結合要素を経て、又は、複数の結合要素を経て結合することができる。好ましくは、結合要素は各々刃の両面に提供される。第1及び第2の周波数を有する超音波エネルギは、互いに分離した結合要素を経て刃に結合することができる。
【0029】
本発明によると、動作周波数は振幅の最大値を考慮して選ばれ、随意に、刃が加工材料を貫通する時に起こる共振周波数により選ばれる。
【0030】
このため、好ましくは、刃に起こる機械的な超音波を感知し、例えば信号処理器において評価される対応する電気信号にその波を変換するエネルギ変換器又はセンサが提供される。
【0031】
最大値又は共振周波数は、好ましくは決定され、一方で加工材料は切断される。決定された最大値又は共振周波数によって、動作周波数は都合よく設定される。2つ以上の最大値又は共振周波数、すなわち測定された振幅の全体の最大値及び極大値が生じた場合、動作周波数は、これらの2つの共振周波数又は最大値の間で切替えられる又は調節される。この場合、刃は常に、共振周波数又は最大値で作動する。刃の全体の周波数域及び作動範囲で1つの最大値のみが発生する場合、第1の動作周波数は共振周波数に設定され、第2の動作周波数は、第2の動作周波数でも最小限の損失のみが生じるように共振周波数の隣接した範囲に設定される。あるいは、動作周波数は、一方が共振周波数より下に設定され、もう一方が共振周波数より上に設定されるように選ばれる。共振周波数からの距離は、好ましくは、可能な限り損失が低く、同時に必要な定在波又は波節の必要な移動に達するために等しい又は等しくないように選ばれる。動作周波数の間の距離は、例えば好ましくは5Hzから10kHzの範囲で選ばれる。
【0032】
第1及び第2の動作周波数の間でのキーイングは、適時に対称的又は非対称的に実行することができる。例えばより長い第1の時間間隔の間、好適な動作周波数が選ばれ、そして、より短い第2の時間間隔の間、共振周波数から逸脱する又はより高い損失が起こる動作周波数が選ばれる。
【0033】
動作周波数の間でのキーイングは、好ましくは2Hzから500Hzの範囲のキーイング周波数で実行される。すべてのパラメータ、特にキーイング周波数は好ましくは、加工材料の一貫性、及び/又は加工材料の分子構造、及び/又は切断速度に従って選ばれる。それゆえに、切断速度が高速であっても、2つの固定した動作周波数又は調節された動作周波数の干渉のために、材料が圧縮されて切断が遅延するのみである切断領域で妨害波節を発生せずに切断が適切に実行されることが保証される。通常柔らかい加工材料を切断する場合、より高いキーイング周波数が選ばれる。しかしながら、結晶質の加工材料を切断する際に、より高いキーイング周波数が選ばれてもよい。
【0034】
切断品質を最適化するため、切断プロセスの前及び/又は好ましくはその間に測定が実行される。これらの測定値によって、特定の周波数で超音波エネルギを適用する場合に起こる刃の振動挙動が検出される。特に関心があるのは、刃が加工材料を通じて導かれる際の刃の挙動である。
【0035】
好ましい実施態様において、刃は、直接、あるいは、好ましくは、刃の振動を検出し、電気信号として変換して、制御ユニットへ伝達し、そこで評価される変換要素であるセンサを有する結合要素のうちの1つを経て結合される。このような方法で、刃の振動挙動は、完全な周波数範囲又は作動範囲を通じて決定することができる。
【0036】
センサによって、刃の振動振幅、及び/又は、刃の振動の基準信号及び/又は減衰に関する刃の振動の位相は決定され、それは通常指数曲線をたどる。例えば、超音波変換器によって提供される超音波が基準信号として役立つ。データは特に、新規又はすでに決定された共振周波数、動作周波数及び/又は新規な試験周波数のために集められる。
【0037】
好ましい実施態様において、広帯域パルスが試験信号として刃に適用され、その後に結果として生じる振動が測定される。例えば、複数の周波数を有する信号が刃に適用され、それは好ましくは動作周波数と一致する。その後、急速に又はゆっくり減衰する結果として生じる振動は、減衰時間と同様に共振周波数及びそれらの振幅を決定するため、例えばフーリエ変換によって評価することができる。
【0038】
代わりに、周波数掃引の周波数応答は、超音波信号を関連した周波数範囲に通すことによって測定され、結果として生じる振動が検出される。
【0039】
刃が良好な又は最適な振動挙動を呈する周波数を決定した後、動作周波数はこれらの周波数の数値に設定される、あるいは、最大振幅及び/又は位相転移の減少及び/又は振動のより遅い減衰が見つかる範囲に移される。
【0040】
測定は連続的に又は間隔を置いて実行され、それによって、動作周波数は好ましくは最適化され、一方で刃は加工材料を通じて導かれる。
【0041】
刃から得られる超音波エネルギは好ましくは間隔を置いて受信され、そこで、超音波エネルギは刃に適用されない、あるいは、超音波振動がゼロ交差を呈して刃に適用される。
【0042】
代わりに、超音波エネルギは連続的に刃に適用され、その後に適用された超音波エネルギの対応する部分は、刃の固有周波数を決定するため、受信された超音波エネルギから減じられる。
【0043】
好ましい実施態様において、制御ユニットは、刃に適用される超音波の振幅が、所望の出力レベルを刃に適用するために制御される又は調整されるように、設計される。
【0044】
好ましい実施態様において、動作周波数の最適化は、最初に実行される。その後、目標値への振動振幅の再調整が実行される。この結果として生じる振動振幅の再調整は、刃の振動挙動を測定することで再び調べることができる。
【0045】
加えて、好ましい実施態様において、少なくとも温度センサ、例えば、赤外線センサが提供され、それによって、発振器又は刃あるいは結合要素の温度が好ましくは無接触で測定される。温度は特に、転移が存在して、超音波エネルギが第1から第2の媒体に結合される場所の範囲で好ましくは測定される。切断装置の動作の間、特に超音波の振幅の調整の間、不適当な組合せ又は更なる欠如を検出するために温度が好ましくは観測される。刃の温度上昇又は高電力消費が検出されるとすぐに、アラームを発し、切断装置のスイッチを切ることができる。代わりに、最大温度を上回る場合、適用された超音波出力を減少することができる。続いて、エラーの原因を見つけるために、切断装置、加工材料及び/又は処理パラメータは調べられる。
【0046】
本発明の方法は、加工材料を切断するために刃を用いる切断装置に都合よく適用することができる。しかしながら、本発明の方法は、異なる発振器を用いる装置においても都合よく適用することができ、それによって、例えば食材又は製薬製品のような加工材料が処理される。例えば、本発明の方法は、切断には用いられず、加工材料を原子化する又は輸送するのに用いられる発振器として刃を有する装置によって都合よく使うことができる。例えば本発明の方法は、発振器としてふるいを有する装置によって用いることができ、それによって、食材又は製薬物質がふるい分けられる。これにより、波節が、発振器又はふるいの個々の孔の範囲に残るのを避けることができる。
【0047】
本発明の切断装置は、加工材料を切断するためにいかなる装置にも結合することができる。切断装置は、例えば加工材料がバラバラに切断されるコンベアチェーンの端部に配置される。大きな利点を備えて、本発明の切断装置はまた押出機の出力側に配置することができ、押出加工された材料は随意に、短いあるいは長い要素に切断することができる。このことにより、単一の切断装置は、複数の押出機又はコンベア装置として役立つ。それゆえに、本発明の装置は、例えばバルク材を流動化するように、切断、濾過、ふるい分け、原子化、運搬、及び流動化といった異なるタスクを実現する発振器を備えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】駆動装置によって保持され、超音波ユニットから2つの超音波変換器を経て伝達される超音波エネルギを受信し、刃から得られる超音波信号を受信するように更に設計されている、刃の上下に運ばれる加工材料を切断する本発明の装置を図示したものである。
図2】コンベアテーブルに棒の形状で供給される加工材料がスライスで切断される4つの刃を有する切断装置を含む、加工材料を切断する本発明の装置を図示したものである。
図3】刃が上方及び下方に動かされる2つの駆動装置を有する図2の切断装置を図示したものである。
図4a】超音波エネルギが供給される第1のエネルギ変換器が配置され、かつ、刃に起こる超音波を捕らえて、制御ユニットによって評価される電気信号へこれらの超音波を変換する第2のエネルギ変換器が配置される、結合要素を有する刃を図示したものである。
図4b】測定されて、評価される振動の傾斜と同様に、刃に適用される複数の周波数の振動の超音波パルスTPを有するスペクトログラムを図示したものである。
図5】超音波変換器に結合される2つの結合要素を有する図4aの刃を図示したものである。
図6】好ましい実施態様におけるマルチチャンネル超音波ユニット及び制御ユニットを図示したものである。
図7a】超音波信号を送受信する超音波ユニットに結合される超音波変換器を有する図5の刃を図示したものである。
図7b】刃の振動挙動を調べることによって、又は、刃の周波数応答Vによって最適化される、周波数の度数図である。
図7c】刃に起こり、波節swk及び波腹swbを呈する定在波sw1を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、駆動装置12によって保持される切断ツール又は刃11の上下で供給される加工材料8A、8Bを切断する装置1を示す。駆動装置12が下方及び上方へ垂直に同時に動くことができる保持アーム121で両側に刃11を保持することが示される。保持アーム121は、刃11に固定される保持要素に結合することができる。好ましくは、保持アーム121は、結合要素15A、15Bと共に動くことができ、それを経て、超音波エネルギは刃11に結合される(図5参照のこと)。
【0050】
駆動装置12によって、刃11は、供給された加工材料のそれぞれ第1又は第2の部分8A、8Bを各々の移動方向において切断するため、下方及び上方へ動くことができる。このため、刃11は、上部の最前部101及び下部の最前部102を含む。
【0051】
本発明の方法の実施のため、切断装置1は、対応して設計された制御ユニット6、対応して設計された超音波ユニット4、及び、対応して設計された超音波変換器13a、13bを含む。超音波変換器13a、13bは、結合要素15A、15Bによって刃11に結合され、好ましくは、溶接される。原則として、あらゆる結合又は結合要素15A、15Bのあらゆる実施態様が、本発明の方法の実施のために用いることができる。
【0052】
制御ユニット6と通信し、制御ユニット6により制御される超音波ユニット4は、少なくとも1つの送信チャンネル41と、好ましくは少なくとも1つの受信チャンネル42を含む。送信チャンネル41は、例えば固定又は可変発振器、電圧制御発振器VCO又は合成装置を含む。好ましくは制御可能な発振器又は合成装置によって、図6を参照して以下に記載のように、周波数は超音波の範囲で選択的に生成され、好ましくは制御可能な出力増幅器に供給される。
【0053】
超音波ユニット4の送信チャンネル41は、電気的な超音波振動を結合要素15A、15Bを経て刃11に適用される機械的な超音波振動に転換する複数の超音波変換器13A、13B又はエネルギ変換器131(図6を参照のこと)に結合することができる。超音波変換器13A、13Bは、同一の超音波信号を供給することができる。あるいは、超音波変換器13A、13Bへスイッチを経て時分割法により、異なる周波数の超音波信号を供給することができる。更に、超音波変換器13A又は13Bの各々に専用の送信チャンネル41を提供することができる。
【0054】
制御ユニット6によって、超音波ユニット4は、刃11に適用される超音波の周波数が少なくとも第1及び第2の動作周波数f1a、f1bの間で調節できるように制御可能である。両方の超音波変換器13A、13Bにおいて、2、3ミリ秒以内で好ましくは調節される同じ周波数が存在し得る。しかしながら、好ましくは、超音波エネルギは、固定された、あるいは少なくとも2つの動作周波数f1、f2又はf1a、f1b;f2a、f2bの間で切り替え可能である第1の動作周波数f1を有する第1の結合要素、及び、第2の動作周波数f2を有する結合要素を経て、刃11に供給される(図7bの度数図を参照のこと)。好ましくは異なる周波数が2つの超音波変換器13A、13Bに適用されて、そのため、周波数混合が刃11に起こり、波節は現れない、あるいは短い一定期間のみ現れる。
【0055】
1つの結合要素のみが提供された場合、周波数f1、f2又はf1a、f1b;f2a、f2bは時分割法によって調節される。あるいは、2つ以上の周波数は互いに重畳され、刃11に結合することができる。
【0056】
図1は、好ましい実施態様において、超音波エネルギが刃11から切り離され、超音波ユニット4で提供される1つ又は複数の受信チャンネル42を経て制御ユニット6に伝達されることを更に示すものである。下記のように、刃11で検出される超音波振動は、選ばれた処理パラメータで刃11の振動挙動を決定するために評価される。
【0057】
図1は、好ましくは多数の計測が切断手順の間に実行されることを例示するものである。刃11が加工材料8Aを交差する一方で、信号sk1、…、sk5は短い間隔で刃11から切り離され、受信チャンネル42を経て制御ユニット6に伝達される。刃11の最適振動挙動が検出される場合、処理パラメータは変えられない。しかしながら、好ましくない振動挙動が検出される場合、振動挙動が徐々に改善するように処理パラメータは変えられる。好ましくは、処理パラメータは、刃11における振動の毎回のサンプリング後、再調整される。それゆえに、刃11が加工材料8を通じて導かれる一方で、切断プロセスの改善及び適応は連続的に実行することができる。従って、前後の加工材料が互いに異なる場合の切断プロセスは、最適化されるだけではない。横断面又は切断面全体で異なる特性を呈する加工材料に修正も、適用される。
【0058】
最適化及び適応により、連続的な高い切断品質だけでなく、切断装置上のひずみも最小限になる。一方では、切断が適用される場合に部分的な妨害が避けられる。他方ではエネルギ損失及び付随した刃11の加熱が避けられる。
【0059】
刃11の最適振動挙動は、刃11の共振周波数の範囲で現れる。それゆえに、処理パラメータの選択の起点として生産者によって特定される刃11の共振周波数が選ばれる。刃11によって処理される加工材料8の種類に依存して、刃11の共振周波数、及び従って振動挙動は変化するので、図1において例示される信号sk1、…、sk5の計測により、連続的な最適化は、加工材料を処理する場合に現在起こっている共振周波数を決定することで遂行される。
【0060】
特に刃11の周波数応答内の全体の最大値は、決定される。また、周波数応答内で現れる極大値も都合よく決定することができる。それから、好ましくは、決定された極大の間での周波数キーイングが実行される。動作周波数f1a、f1b又はf1、f2は、結果として生じる波節swkが重ならないように選ばれて、調節されることに注意される。
【0061】
動作周波数は好ましくは、決定された共振周波数f1の上下で均一な周波数距離において第1及び第2の動作周波数f1a、f1bが設定されるように、あるいは、第1の動作周波数f1aが共振周波数f1で正確に設定されて、第2の動作周波数f1bが最小の減衰のみが起こる範囲で設定されるように選ばれる。
【0062】
1つの共振周波数のみ又は1つの極大値のみを用いる場合、共振又は極大に設定される第1の動作周波数と少なくとも1つの第2の動作周波数との間の距離は好ましくは、できるだけ小さく、必要に応じて大きく保たれるので、定常波の波節は避けられ、刃の最前部全体で超音波エネルギは加工材料上へ作用することができる。この場合、周波数距離は例えば、5Hzから500HZの範囲で選ばれる。好ましくは、より高い振幅が起こる周波数範囲において、非対称の切り替えはより長い静止時間を備える。
【0063】
動作周波数f1aとf1bとの間の距離は好ましくは、5Hzから10kHzの範囲にある。刃11の周波数応答に従い、より小さい又はより大きい周波数の距離が選ばれる。
【0064】
第1及び第2の動作周波数f1a、f1b又はf1、f2のキーイングは、好ましくは2Hzから500Hzの範囲に位置するキーイング周波数で実行される。キーイングは、適時に対称的又は非対称的に実行される。例えばより長い第1の時間間隔の間、共振周波数は刃11に適用され、その一方でより短い第2の時間間隔の間、動作周波数は、共振周波数から逸脱して刃11に適用される。この場合、第1の時間間隔の間、刃11は、加工材料8への最適な効果が適用されるべきであり、第2の時間間隔の間、第1の時間間隔の後に残る障害物の除去に到達するべきである。
【0065】
上記のように、本発明の方法は、異なる切断装置又は超音波発振器を含む更なる装置で用いることができる。
【0066】
図2は、4つの切断ツール11A、…、11D、押圧ツール94を有する押圧ユニット95、切断ツール11A、…、11Dを駆動する2つの駆動装置12A、12B、及び、その上に加工材料8が配置され切断ツール11A、…、11Dの方へ押圧ツール94により押圧されるコンベアテーブル3を有する切断装置1を示す。切断装置1は、取付け構造5によって保持される。
【0067】
加工材料8は、4つの切断ツール11A、…、11Dの方へ平行に導かれる12の円筒状又は棒の形状のユニット8A、…、8Lで構成されるので、加工材料のユニット8A、…、8Lのうちの3つは常に切断ツール11A、…、11Dのうちの1つにより同時に切断される。前方側面で、平行に供給される加工材料のユニット8A、…、8Lは、所望の位置に下部ホルダにより保持され、一方で切断が実行される。
【0068】
切断ユニット1は、超音波変換器13に各々結合され、加工材料8のユニットからスライス89を切断するために駆動装置12A、12Bによって垂直に降ろされて再び持ち上げられる4つの切断ツール11A、…、11Dを含む。スライス89は、駆動モータ91を含む受取りコンベア9のコンベアベルト92上へ落下する。
【0069】
更に、切断装置1、コンベア装置及び超音波ユニット4を制御する制御ユニット6が、提供される。制御ユニット6は、駆動装置12A、12Bへ第1の制御ライン61を経て、コンベア装置へ第2の制御ライン62を経て、超音波ユニット4へ第3の制御ライン63を経て、そして、受取りコンベア9へ第4の制御ライン69を経て結合される。キーボード、そしてトランスデューサ及びセンサのような計測装置71、72により、情報は、切断プロセス及びコンベアプロセスが制御される制御ユニット6に供給される。
【0070】
図3は、装置の取付け構造5の一部である取付け板によって保持される2つの同一の切断モジュールを含む、外された図1の切断装置1を示す。各々の切断モジュールは、駆動装置12A、12B、及び、取付け構造5に結合され、関連した第1又は第2の軸受ブロック129A、129Bの垂直の昇降を可能にする軸受構造128A、128Bを含む。各々の軸受ブロック129A、129Bは、結合要素15を経て切断ツール11A、11B、11C又は11Dに各々結合される2つの超音波変換器13A、13B又は13C、13Dをそれぞれ備えている。
【0071】
切断ツール11A、…、11Dは、各々刃の背部を有する刃11を含み、そこに湾曲した結合要素15が溶接され、それによって、超音波エネルギが刃11に結合することができる。
【0072】
図4aは、結合要素15が、例えば、梁130にネジで結合されることを示し、梁130の上に、超音波エネルギが供給される第1のエネルギ変換器131が配置され、刃11に生ずる超音波を検出する第2のエネルギ変換器132が配置され、これらの超音波を制御ユニット6に送られる電気信号に変換する。エネルギ変換器131、132とともに梁130は、例えば、前方側面に、結合要素15に提供されるネジ穴に入れられるネジを含む、超音波変換器13を形成する。超音波ユニット4は、複数の送信チャンネル41及び複数の受信チャンネル42を含むので、複数の超音波変換器13を使うことができる。
【0073】
エネルギ変換器131、132は好ましくは、例えば金属プレートのような、一方が梁130に設置され、他方が電気ライン401、402に結合される2つの電極の間で囲まれる圧電素子を各々含む。超音波ユニット4の送信チャンネル41は、結合ライン401を経て第1のエネルギ変換器131に電気的な超音波信号を供給する。第2のエネルギ変換器132又はセンサ71は、刃11からの機械的な超音波を感知し、これらの機械的な波を、第2の結合ライン402を経て超音波ユニット4の受信チャンネル42に送られる電気的な超音波に変換する。受信された超音波は、必要であれば増幅され、フィルターをかけられ、変換されて、制御ユニット6の評価モジュール600に送られる。評価モジュール600は、刃11の現在の振動挙動を決定してそれを規定値と比較し、その後、修正手順が決定される。例えば、動作周波数のうちの少なくとも1つが転移される、あるいは、動作周波数のうちの少なくとも1つの信号振幅が増加される又は減少されることが決定される。対応する情報は、動作周波数、キーイング周波数、キーイング間隔及び信号振幅を決定し、対応する制御信号を提供する制御モジュール60へ評価モジュール600から送られる。評価モジュール600及び制御モジュール60を制御するため、プログラムシーケンスを制御し、ユーザー及び外部コンピュータ又は電子ユニットとのインタフェースを経て通信するオペレーティングプログラムが提供される。
【0074】
プロセス最適化は、いくつかの方法で実行することができる。上記のように、発振器又は刃11の振動挙動は連続的に観察され、最適化される。制御ユニット6も、自動的に処理パラメータを最適化することができる。このため、制御ユニット6は、動作プロセスの間又は試験段階の間、試験信号TPを刃11に適用し、反響信号f1、f2、f3を評価する。プロセスシーケンスの間に集められる試験信号及び動作信号又は動作周波数の評価は、同じように実行することができる。
【0075】
図4bは、複数の周波数f1、f2及びf3による振動を含む例示的な超音波パルスTPを有するスペクトログラムを示す。超音波パルスTPが刃11に適用された後、刃11の振動挙動又は振動f1、f2及びf3の更なるシーケンスが調査される。個々の振動f1、f2及びf3がどの振幅で起こるか、及びそれらの減衰速度が調査される。曲線df1、df2及びdf3は、振動f1、f2及びf3の減衰の傾斜を示す。最大振動振幅及び最小限の減衰が起こる周波数を評価モジュール600が決定した後、関連した情報は、制御モジュール60に送られる。
【0076】
周波数f2が動作周波数である場合、試験パルスTPは加えて、例えば、動作周波数f2の上下に設定される2つの周波数f1、f3が提供される。3つの周波数f1、f2及びf3の反響信号を評価することによって、周波数f1において振幅がより高く、減衰がより低くなることが決定される。それゆえに、評価モジュール600は、制御モジュール60にこの情報を提供し、その後に、新規な動作周波数として周波数f1で刃11の振動挙動の改善に達することができる。制御モジュール60は、直ちに周波数f1を新規な動作周波数として引き継ぐ、又は、この情報を更なる評価プロセスに含むことができる。好ましくは、パラメータも、加工材料8の特性又は予想される変更に関する評価のために考慮される。
【0077】
図5は、超音波変換器13A、13Bに結合される2つの結合要素15A、15Bを有する図4aの刃11を示す。原則として、超音波変換器13A、13Bは、完全に又は部分的に超音波ユニット4を組み込むことができる。刃11は、刃11に溶接される結合要素15A、15Bによって保持されることが示される。結合要素15A、15Bそれ自体は、図1に関して記載されたように象徴的に描かれた保持アーム121によって、保持される。
【0078】
図6は、データを交換するため、制御ユニット6にバスシステム63を経て結合される例示的なマルチチャンネル超音波ユニット4を示す。超音波ユニット4は、2つの送信チャンネル41及び2つの受信チャンネル42を含む。
【0079】
各々の送信チャンネル41は、制御可能な発振器412に送られた制御ユニット6のデジタルコマンドをアナログ制御信号に転換するデジタル/アナログ変換器411を含む。代わりに、制御ユニット6により直接制御可能であり、同時に複数の動作周波数を提供することができる合成装置が用いられてもよい。制御可能な発振器412によって供給される振動は、エネルギ変換器131に選択可能な振幅で振動を供給する制御可能な増幅器413に各々送られる。増幅器413の制御は、制御ユニット6又は制御モジュール60によって再び実行される。それゆえに、選ばれた周波数及び選ばれた振幅の複数の超音波信号は、関連したエネルギ変換器131又は超音波変換器13に同時に提供することができる。
【0080】
各々の受信チャンネル42は、アナログ信号をデジタルデータに変換するデジタル/アナログ変換器と同様に、好ましくは入力増幅器421、及び関心の周波数のみを通すそれに対して結合されるフィルタステージ422を含む。デジタルデータは、例えば信号処理器を含み、好ましくはフーリエ変換の実行に適している評価モジュール600に送られる。
【0081】
図7aは、図4a、4b及び6に関して記載されたように、結合システム40A、40Bを経て超音波信号を送受信する超音波ユニット4に結合される超音波変換器13A、13Bを有する図5の刃11を示す。
【0082】
図面では、切断装置1が現在作動中であり、互いに重畳される2つの定在波sw1、sw2が刃11の最前部で起こるので、一方の定在波sw1の波節swkは、他方の定在波sw2の波腹swb内に位置することが示される。2つの波sw1、sw2は互いに重畳される又は交互に切り替えることができるので、常に2、3ミリ秒以内で、随意に1ミリ秒の分数の範囲内において切断される加工材料の各々の領域は、超音波エネルギの最大強度にさらされ、最適な切断ラインが保証される。図7cは、波節swk及び波腹swbを有する第1の定在波sw1を例示するものである。
【0083】
図7aは更に、好ましくは赤外線センサである温度センサ72、73を示すものであり、それによって、刃11又は結合要素15A、15Bの温度、特に結合位置の温度が観測される。重大な温度上昇が検出された場合、刃11に適用される出力を減少することができる。更に、不十分な処理パラメータを検出するために、検査手順を実行することができる。例えば共振周波数の転移を検出するため、刃11の周波数応答が記録される。このように、刃11への損傷は、適時に避けることができる。
【0084】
図7bは、制御モジュール60によって選択可能である周波数f1、f1a、f1b、f2、f2a、f2bの度数図を示す。動作周波数を決定するため、好ましくは、例として図7bに示す刃11の周波数応答Vが記録される。周波数応答Vは、所定の閾値sより上にある4つの極大値を呈することが示される。
【0085】
極大値M1、…、M4は、超音波エネルギが最適に刃11に入り、刃11の振動を起こすことができる位置に存在する。例えば圧電性電気素子によって、機械的な振動は、電圧特性又は振幅が図7bに示される電気信号に変えられる。
【0086】
この閾値sより上にある極大の周波数は、適切な動作周波数である。M3は全体の最大値であり、M1、M2及びM4は極大値である。ここで、動作周波数は、結果として生じる定在波の波節及び波腹が重なるように選ばれる。本実施態様では、全体の最大値M3及び極大値M2の場所で動作周波数f1及びf2が選ばれた。代わりに、例えばM3及びM4、又はM1、M2及びM4、あるいはM1及びM4のような前記極大値の周波数の更なる組合せが選ばれてもよい。あるいは、共振周波数f1が決定され、その後、この共振周波数f1の両側で、一方のみ又は両方の超音波変換器13A、13Bに送られる動作周波数f1a、f1bが決定される。例えば、動作周波数f1、f2又はf1a、f1bが更新されたことによる加工材料8の一貫性の変化のため、極大値の転移がそれに応じてそして一貫して本発明の方法によって最適化されることが示される。
【0087】
好ましくは、複数の製法が提供され、それによって、刃11の特定の処理パラメータ及び好ましくは特定の加工材料8が決定される。処理パラメータは、刃11の最大温度と同様に例えば、動作周波数、好ましくは各々の動作周波数の振動振幅、キーイング周波数、最小及び最大電力である。そのために、製法は、不変に又は順番に、あるいはランダムに選ばれて設定することができる。各々の製法の刃11の振動挙動を測定することによって、最適な製法が直ちに選ばれ、適用することができる。それゆえに、好ましい実施態様において、個々の処理パラメータだけでなく、一群の処理パラメータ、随意に製法全体も切り替えられる。
【0088】
好ましくは、製法は、本発明の計測プロセスによって一貫して最適化され、再び保存される。それゆえに、加工材料8の変更が起こる場合、適切な製法を直ちにダウンロードすることができる。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7a
図7b
図7c