(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収容体は、筒状の周壁部を有し、該周壁部は、内部に前記検知具が配置される筒状部と、該筒状部の一方の開口端から延びる筒状の拡径部であって、該筒状部の一方の開口端から延びるにつれて内径が広がるように形成される拡径部とを有し、該拡径部は、前記筒状部に繋がる一方の開口端と、該一方の開口端とは反対側の他方の開口端とを有し、該他方の開口端により前記収容体の前記下端が構成される請求項1又は請求項2に記載の水位検知装置。
【背景技術】
【0002】
従来から、水位を検知する水位検知装置が種々提供されており、かかる水位検知装置の一つとして、例えば、蒸気発生装置の加熱水槽内における水位の異常を検知する水位検知装置がある。
【0003】
前記水位検知装置は、加熱水槽内に配置されるヒーターと、該ヒーターの上方に配置される温度検知部とを備えている。
【0004】
温度検知部は、周囲の温度が上昇したことを感知することによって、水位が前記所定の水位を下回っている状態であることを検知する。
【0005】
前記水位検知装置では、加熱水槽内の水位が低下してヒーターが水中から露出すると、該ヒーターによって温度検知部の周囲が温められる。そして、温度検知部は、周囲の温度が上昇したことを感知することによって、水位がヒーターの配置位置よりも低下したことを異常水位として検知できる。
【0006】
このように、前記水位検知装置は、温度検知部の周囲の温度変化に応じて加熱水槽内の水位を検知できるとされている。
【0007】
ところで、前記水位検知装置は、開放されている空間で使用する場合、水位が前記所定の水位を下回っても、外気の影響によって温度検知部の周囲の温度が変化せず(水温よりも上昇せず)、水位が低下したことを温度検知部が検知できないことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、開放されている空間で使用する場合あっても、確実に水位を検知できる水位検知装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の水位検知装置は、
水路内において、所定の水位を基準として水位の変化を検知する水位検知装置であって、周囲の温度が上昇又は下降したことを感知することによって、水位が前記所定の水位を下回ったことを検知する検知具と、該検知具を包囲する収容体と、該収容体内の温度を上
昇させるための温調器とを備え
、前記収容体は、筒状であり且つ軸線方向の両端が上下方向で並ぶように配置されるとともに、少なくとも下端が開口するように構成され、前記温調器は、前記収容体の前記下端の前記開口の下方であり且つ前記所定の水位と対応する位置に露出した状態で配置される発熱体を有する。
【0011】
かかる構成によれば、温調器が前記所定の水位と対応する位置に配置されるため、水位が前記所定の水位を下回ると、該温調器が水中から露出する。これにより、温調器によって収容体内の温度を上
昇させることができるようになる。
【0012】
さらに、収容体内では、収容体外の外気の影響が抑えられるため、温調器によって収容体内(検知具の周囲)の温度を変化させ易くすることができ、これにより、水位が前記所定の水位を下回ったときに、収容体内の温度が変化したことをより確実に検知具に感知させることができる。従って、前記水位検知装置は、開放されている空間で使用する場合であっても、確実に水位を検知できる。
【0013】
本発明の別の水位検知装置は、
水路内において、所定の水位を基準として水位の変化を検知する水位検知装置であって、周囲の温度が上昇又は下降したことを感知することによって、水位が前記所定の水位を上回ったことを検知する検知具と、該検知具を包囲する収容体と、該収容体内の温度を上
昇させるための温調器とを備え
、前記収容体は、筒状であり且つ軸線方向の両端が上下方向で並ぶように配置されるとともに、少なくとも下端が開口するように構成され、前記温調器は、前記収容体の前記下端の前記開口の下方であり且つ前記所定の水位と対応する位置に露出した状態で配置される発熱体を有する。
【0014】
かかる構成によれば、収容体内では、収容体外の外気の影響が抑えられるため、水位が前記所定の水位を下回っている状態において、温調器によって収容体内の温度が上
昇している状態をより確実に維持できる。
【0015】
そして、温調器が前記所定の水位と対応する位置に配置されるため、水位が前記所定の水位を上回ると、該温調器が水中に浸漬する。これに伴い、温調器によって上
昇させていた収容体内の温度が変化する。
【0016】
そのため、前記水位検知装置では、水位が前記所定の水位を上回ったときに、収容体内の温度が変化したことをより確実に検知具に感知させることができる。従って、前記水位検知装置は、開放されている空間で使用する場合であっても、確実に水位を検知できる。
【0017】
また、本発明の水位検知装置において、前記収容体は、筒状の周壁部を有し、該周壁部は、内部に前記検知具が配置される筒状部と、該筒状部の一方の開口端から延びる筒状の拡径部であって、該筒状部の一方の開口端から延びるにつれて内径が広がるように形成される拡径部とを有し、
該拡径部は、前記筒状部に繋がる一方の開口端と、該一方の開口端とは反対側の他方の開口端とを有し、該他方の開口端により前記収容体の前記下端が構成されてもよい。
【0018】
かかる構成によれば、拡径部が筒状部の一方の開口端から延びるにつれて内径が大きくなるように形成されるため、温調器によって拡径部内が暖められると、該拡径部内の暖められた空気が筒状部に集まる。そのため、水位が前記所定の水位を下回ったときに、筒状部内の温度が上昇し易くなる。
【0019】
従って、前記水位検知装置は、水位が前記所定の水位を下回ったときに、収容体内の温度が変化したことをより確実に検知具に感知させることができる。
【0021】
また、温調器が拡径部の他方の開口端に対応する位置に配置されるため、温調器が発する熱が拡径部の内部に伝わり易い。従って、検知具の周囲の温度がより上昇し易くなる。
【0023】
さらに、温調器と拡径部の他方の開口端との間に水を流通させることができる。そのため、水位が前記所定の水位を上回っている状態において、温調器は、拡径部の他方の開口端との間に流通する水によっても冷却される。
【0024】
従って、前記水位検知装置は、水位が前記所定の水位を上回っているときに、収容体の内部の温度が上昇することを抑えることによって、水位が前記所定の水位を下回ったことを検知具が誤って検知することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように、本発明の水位検知装置によれば、開放されている空間で使用する場合あっても、確実に水位を検知できるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態に係る水位検知装置について添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0028】
本実施形態に係る水位検知装置は、水位(例えば、水路や、貯水槽等の水位)を検知するものである。また、水位検知装置は、所定の水位(以下、所定水位とする)を基準として水位の変化を検知するように構成されている。
【0029】
より具体的に説明する。
図1に示すように、水位検知装置1は、周囲の温度が上昇したことを感知することによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知する検知具2と、該検知具2を包囲する収容体3と、該収容体3内の温度を上昇させるための温調器4であって、前記所定水位と対応する位置に配置される温調器4とを備える。
【0030】
検知具2は、収容体3内の温度が上昇したことを感知したときに、水位が所定水位を下回ったことを検知するように構成される。
【0031】
より具体的に説明する。検知具2は、収容体3内に配置される感知部20であって、収容体3内の温度を感知する感知部20を有する。
【0032】
本実施形態に係る感知部20は、満水時の水面の位置よりも下方に配置される(
図2参照)。
【0033】
感知部20は、水位が変化したことを検知するための閾値として基準温度値が設定され、収容体3内の温度が該基準温度値を跨いで変化したことを感知するように構成される。なお、本実施形態に係る感知部20は、収容体3内の温度が基準温度値を下回った状態から基準温度値を上回った状態に変化したことを感知する。また、感知部20として、サーモスタットや、温度センサ等を採用してもよい。
【0034】
さらに、検知具2は、感知部20に接続される制御部21を有する。制御部21は、感知部20を制御(例えば、基準温度値の変更等)するように構成したり、感知部20の検知結果に応じて外部の機器を制御するように構成したりしてもよい。なお、本実施形態に係る検知具2は、感知部20が収容体3内の温度が該基準温度値を跨いで変化したことを感知したときに、水位が変化したことを制御部21が検知するように構成されている。より具体的に説明すると、検知具2は、感知部20が収容体3内の温度が基準温度値を上回ったことを感知したときに、水位が所定水位を下回ったことを制御部21が検知するように構成されている。
【0035】
収容体3は、筒状の周壁部30を有する。また、本実施形態に係る収容体3は、周壁部30に温調器4(温調器4の発熱体40)を連結する連結部31を有する。
【0036】
本実施形態に係る周壁部30は、中心線が延びる方向における両端が開放されており、内部に水が進入するように構成されている。
【0037】
より具体的に説明する。周壁部30は、内部に検知具2が配置される筒状部300と、該筒状部300の一方の開口端から延びる筒状の拡径部301であって、該筒状部300の一方の開口端から延びるにつれて内径が広がるように形成される拡径部301とを有する。
【0038】
筒状部300の他方の開口端は、満水時の水面の位置よりも高い位置(上方)に配置される。なお、本実施形態では、筒状部300内における一方の開口端側に感知部20が配置されているが、筒状部300内における他方の開口端側に感知部20が配置されていてもよいし、筒状部300内における中央部(中心線が延びる方向における中央部)に感知部20が配置されていてもよい。
【0039】
拡径部301は、筒状部300に繋がる一方の開口端と、該一方の開口端とは反対側の他方の開口端とを有する。拡径部301の他方の開口端の内径は、拡径部301の一方の開口端の内径よりも大きい。また、拡径部301は、一方の開口端側から他方の開口端側になるにつれて、内径が徐々に大きくなるように形成されている。
【0040】
拡径部301は、筒状である。また、拡径部301の他方の開口端は、所定水位よりも高い位置(上方)に配置される。そのため、周壁部30では、水位が低下するとともに内部の水が拡径部301の他方の開口端から外部に排出され、水位が上昇するとともに拡径部301の他方の開口端から内部に水が浸入するように構成される。
【0041】
連結部31は、拡径部301の他方の開口端に発熱体40を連結する。連結部31は、拡径部301の他方の開口端に発熱体40を連結し且つ拡径部301の他方の開口端と、発熱体40との間に水を流通させる流通領域を形成するように構成される。
【0042】
より具体的に説明する。連結部31は、拡径部301の他方の開口端から延出する複数の延出部310を有する。複数の延出部310は、拡径部301の他方の開口端の周方向において互いに間隔をあけて配置される。そして、延出部310の先端には、発熱体40が連結される。
【0043】
従って、水位検知装置1では、水位が前記所定水位を上回っている状態においては、水が延出部310の間を流通するため、拡径部301の他方の開口端と、発熱体40との間にも水が流通する。そのため、水位検知装置1では、発熱体40の水に曝される領域が多くなり、該発熱体40が効率良く冷却される。
【0044】
上述のように、温調器4は、収容体3内の温度を上昇させるように構成される。そのため、本実施形態に係る温調器4は、収容体3内を暖める発熱体40を有する。
【0045】
発熱体40は、所定水位と対応する位置に配置される。そのため、発熱体40は、水位が所定水位を下回ると水中から露出し、水位が所定水位を上回ると水中に浸漬する。
【0046】
従って、発熱体40は、水位が所定水位を上回っている状態においては、水に冷却されて自身の温度が抑えられ、水位が所定水位を下回ったときに自身の温度が上昇する。そのため、前記水位検知装置1は、水位が所定水位を下回ったときに、発熱体40が収容体3内の温度を上昇させるように構成されている。
【0047】
また、発熱体40は、少なくとも拡径部301の内部に熱を伝えるように構成される。本実施形態に係る発熱体40は、拡径部301の他方の開口端に対応する位置に配置されるため、発熱体40の周囲の温められた空気が上昇し、拡径部301内を通って筒状部300内に到達する。
【0048】
さらに、発熱体40は、拡径部301の開口領域の少なくとも一部と対応する位置に配置される。本実施形態に係る発熱体40は、拡径部301の開口領域全体と対応する位置に配置される。
【0049】
発熱体40は、水位が変化する方向(上下方向)において、拡径部301の他方の開口端との間に間隔をあけて配置される。本実施形態に係る発熱体40は、上述のように、連結部31によって、周壁部30に連結される。これにより、周壁部30(本実施形態では、拡径部301の他方の開口端)と、発熱体40との間には、水を流通させる流通領域が形成される。
【0050】
本実施形態に係る水位検知装置1は、以上の通りである。続いて、水位検知装置1による水位を検知する方法について添付図面を参照しつつ説明を行う。
【0051】
本実施形態では、
図2に示すように、スクリーンSが設けられた水路Rに設置されることを前提に以下の説明を行うこととする。なお、本実施形態では、水路RにおけるスクリーンSの下流側に水位検知装置1を設置している。
【0052】
図2に示すような水路Rでは、上流から下流に向かって流れる塵芥がスクリーンSによって堰き止められる。そのため、スクリーンSに付着した塵芥によって、水路R内の水の流れが妨げられると、水路R内におけるスクリーンSよりも下流側の水位が下がる。
【0053】
常態において、水路R内の下流側の水位は、所定水位を上回っている。このとき、拡径部301の内部及び筒状部300の内部には、水が進入しており、感知部20は、水に浸漬している。すなわち、感知部20の周囲、及び発熱体40の周囲には、水が満たされている。
【0054】
スクリーンSに塵芥が付着し始めると、該塵芥によって水路R内の水の流れが妨げられるため、水路R内の下流側の水位が下がる。
【0055】
図3(a)に示すように、水位が所定水位を上回っている状態では、発熱体40が水路R内を流れる水に曝されて冷却されるため、該発熱体40の温度が上昇しない。そのため、周壁部30内の温度は、上昇しない。
【0056】
そして、
図3(b)に示すように、水位が所定水位を下回ると、発熱体40が水中から露出するため、該発熱体40の温度が上昇する。これに伴い、発熱体40の周囲の暖められた空気が上昇し、拡径部301の他方の開口端から筒状部300内に入り込む。これにより、収容体3(拡径部301及び筒状部300)内の温度が上昇する。そして、検知具2は、感知部20が周壁部30内の温度が基準温度値を上回ったことを感知することによって、水位が所定水位を下回ったことを制御部21が検知する。
【0057】
スクリーンSに付着した塵芥を除去する等してスクリーンSを通過する水量が増えると、水路R内の下流側の水位が上昇する。そして、水路R内の下流側の水位が所定水位を上回ると、発熱体40が再び水中に浸漬する。これにより、発熱体40が水路R内を流れる水に曝されて冷却されるため、該発熱体40の温度が下がり、周壁部30内の温度も下がる。
【0058】
従って、水位検知装置1は、再び水路R内の下流側の水位が所定水位を下回ったときに、水中から露出した温調器4の発熱体40によって、収容体3内の温度を上昇させ、該収容体3内の温度が上昇したことを感知部20に感知させることによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知できる状態になる。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る水位検知装置1によれば、温調器4の発熱体40が前記所定水位と対応する位置に配置されるため、水位が前記所定水位を下回ったときに、水中から露出した温調器4の発熱体40によって、収容体3内の温度を上昇させ、該収容体3内の温度が上昇したことを感知部20に感知させることによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知できる。
【0060】
さらに、収容体3内では、収容体3外の外気の影響が抑えられるため、温調器4の発熱体40によって収容体3内の温度を変化させ易くすることができ、これにより、水位が前記所定水位を下回ったときに、収容体3内の温度が変化したことをより確実に感知部20に感知させることができる。従って、水位検知装置1は、開放されている空間で使用する場合であっても、確実に水位を検知できる。
【0061】
また、水位検知装置1では、収容体3が検知具2の感知部20を包囲するため、発熱体40が暖めた空気が検知具2の感知部20の周囲から拡がり難くなる。従って、収容体3内の温度が上昇し易いため、水位が前記所定水位を下回ってから検知具2による検知が行われるまでに要する時間が抑えられる。
【0062】
さらに、拡径部301は、一方の開口端側から他方の開口端側になるにつれて内径が徐々に大きくなるように形成されるため、発熱体40によって暖められた拡径部301内の空気が筒状部300に集まる。そのため、水位検知装置1では、筒状部300内に暖められた空気が満たされた状態を維持し易い。
【0063】
従って、水位検知装置1は、検知具2の周囲の温度をより上昇させ易くすることができるため、水位が前記所定水位を下回ったときに、収容体内の温度が変化したことをより確実に検知具2に感知させることができる。また、水位が前記所定水位を下回ってから検知具2による検知が行われるまでに要する時間を抑えることもできる。
【0064】
さらに、本実施形態に係る水位検知装置1は、水位が変化する方向において、温調器4の発熱体40が検知具2の感知部20の下方に配置されるため、該発熱体40の熱を感知部20の周囲に効率良く伝えることができる。
【0065】
そして、拡径部301の他方の開口端に対応する位置に配置される発熱体40が、連結部31によって収容体3に連結されるため、発熱体40が発する熱が拡径部301の内部に伝わり易い。従って、水位検知装置1は、検知具2の周囲の温度をより上昇させ易くすることができる。特に、水位検知装置1は、発熱体40が拡径部301の開口領域全体と対応する位置に配置されるため、発熱体40の熱を効率良く拡径部301の内部に伝えることができ、これにより、検知具2の周囲の温度がさらに上昇し易くなる。
【0066】
そして、水位検知装置1では、発熱体40と拡径部301の他方の開口端との間に水を流通させることができるため、水位が前記所定水位を上回っている状態において、発熱体40は、拡径部301の他方の開口端との間に流通する水によって冷却される。
【0067】
従って、水位検知装置1は、収容体3の内部の温度が上昇することを抑えることによって、水位が前記所定水位を上回っているときに、水位が前記所定水位を下回ったことを検知具2(制御部21)が誤って検知することを防ぐことができる。
【0068】
さらに、感知部20は、満水時の水面の位置よりも下方に配置されるため、水位が所定水位を上回っている状態において、感知部20の周囲の温度が上昇してしまうことをさらに抑えることができる。
【0069】
なお、本発明に係る水位検知装置1は、上記一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を行うことは勿論である。
【0070】
上記実施形態において、水位検知装置1は、常態において、水位が前記所定水位を上回っている環境で用いられることを前提に説明を行ったが、常態において、水位が前記所定水位を下回っている環境で用いられていてもよい。
【0071】
この場合、常態において、収容体3内が発熱体40によって暖められるため、検知具2は、収容体3内の温度が基準温度値を下回ったことを感知部20が感知したときに、水位が前記所定水位を上回ったことを検知するように構成されていればよい。
【0072】
上記実施形態において、検知具2は、水位の異常(水位が前記所定水位を下回ったこと)を検知するように構成されていたが、この構成に限定されない。例えば、検知具2は、水位が常態に復帰したこと(水位が前記所定水位を上回ったこと)も検知するように構成されていてもよい。すなわち、検知具2は、水位が上昇して発熱体40が水中に浸漬することによって、収容体3内の温度が下降したこと(基準温度値を下回ったこと)を感知部20が感知したときに、水位が常態に復帰したことを検知具2(制御部21)が検知するように構成されていてもよい。
【0073】
上記実施形態において、感知部20は、満水時の水面の位置よりも下方に配置されていたが、この構成に限定されない。例えば、感知部20は、満水時の水面の位置よりも上方に配置してもよい。
【0074】
上記実施形態において、検知具2は、常態において、水位が前記所定水位を上回っている環境であることを前提に、周囲の温度が上昇したことを感知することによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知するように構成されるが、この構成に限定されない。例えば、検知具2は、周囲の温度が下降したことを感知することによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知するように構成されてもよい。
【0075】
この場合、水位検知装置1は、温調器4が収容体3内の温度を下降させるための冷却体を有するように構成されていればよい。
【0076】
このようにすれば、水位が所定水位を上回っている状態においては、冷却体の温度が水の温度に近付き、水位が所定水位を下回ったときに冷却体の温度が下降する。そのため、水位が所定水位を下回ると、冷却体で収容体3内の温度を下降させることができる。そして、検知具2は、感知部20が収容体3内の温度が下降したことを感知することによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知する。
【0077】
さらに、水位が所定水位を上回ると、冷却体が再び水中に浸漬する。これにより、冷却体の温度が上昇し、周壁部30内の温度も上昇する。従って、再び水路R内の下流側の水位が所定水位を下回ったときに水中から露出した冷却体によって、収容体3内の温度を下降させ、該収容体3内の温度が下降したことを感知部20に感知させることによって、水位が前記所定水位を下回ったことを検知できる状態になる。
【0078】
この場合、常態において、収容体3内が冷却体によって冷却されるため、検知具2は、収容体3内の温度が基準温度値を上回ったことを感知部20が感知したときに、水位が常態に復帰したこと(水位が前記所定水位を上回ったこと)も検知するように構成されていてもよい。
【0079】
なお、水位検知装置1は、温調器4が収容体3内の温度を下降させるための冷却体を有するように構成される場合であっても、常態において、水位が前記所定水位を下回っている環境で用いてもよい。
【0080】
この場合、常態において、収容体3内が冷却体によって冷却されるため、検知具2は、収容体3内の温度が基準温度値を上回ったことを感知部20が感知したときに、水位が前記所定水位を上回ったことを検知するように構成されていればよい。
【0081】
上記実施形態において、収容体3は、周壁部30の中心線方向における両端が上下方向に並ぶように配置されるが、この構成に限定されない。例えば、収容体3は、周壁部30の中心線方向における両端が水平方向に並ぶように配置されてもよい。この場合、水平方向において、発熱体40と、拡径部301の他方の開口端とが並ぶように配置される。
【0082】
上記実施形態において、周壁部30は、一端と他端との間の部分から他端に亘って徐々に内径が広がるように形成されるが、この構成に限定されない。例えば、周壁部30は、一端から他端に亘って内径が徐々に広がるように形成してもよい。すなわち、周壁部30は、全体をテーパー状に形成してもよいし、一部をテーパー状に形成してもよい。
【0083】
また、周壁部30は、一端から他端に亘って内径が一定となるように形成してもよいが、検知具2(感知部20)の周囲の温度を効率良く上昇させるには、全体又は一部をテーパー状に形成する方が好ましい。
【0084】
上記実施形態において、周壁部30は、中心線が延びる方向における両端が開口するが、この構成に限定されない。例えば、周壁部30は、中心線が延びる方向における両端のうちの少なくとも何れか一方の開口が閉塞されていてもよい。
【0085】
より具体的に説明する。周壁部30は、
図4に示すように、他方の開口が閉塞されていてもよい。すなわち、周壁部30は、拡径部301の他方の開口端を閉塞する閉塞部32を有していてもよい。このようにすれば、水中の塵芥が周壁部30内に入り込むことが防止される。
【0086】
この場合、発熱体40は、閉塞部32に当接するように配置されてもよいし、水位が変化する方向において、閉塞部との間に間隔をあけて配置されてもよい。但し、発熱体40が閉塞部との間に間隔をあけて配置されている方が、水位が所定水位を上回っている状態において、発熱体40を効率良く冷却することができる。
【0087】
なお、周壁部30は、筒状部300の他方の開口端を閉塞する閉塞部を有するようにしたり、拡径部301の他方の開口端と、筒状部300の他方の開口端とを閉塞する一対の閉塞部を有するようにしたりしてもよい。
【0088】
上記実施形態において、発熱体40は、水位が変化する方向において、拡径部301の他方の開口端との間に間隔をあけて配置されるが、この構成に限定されない。例えば、発熱体40は、拡径部301の他方の開口端に当接させるように配置してもよい。
【0089】
上記実施形態において、発熱体40は、水位が変化する方向において、拡径部301の他方の開口端に対応する位置に配置されるが、この構成に限定されない。例えば、発熱体40は、拡径部301の外周面と対応する位置に配置してもよい。この場合、発熱体40は、拡径部301の外周面との間に間隔を空けて配置されてもよいし、拡径部301の外周面に当接するように配置されてもよい。
【0090】
上記実施形態では、水位検知装置1が水路R(開放された空間)に設置されることを前提として、水位を検知する方法を説明したが、例えば、水位検知装置1は、水を貯留するための貯水槽のような、密閉された空間に設置されていてもよい。