(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記上部メッキ層は、前記表面メッキ層の上面上に形成された第1の上部メッキ層、及び前記第1の上部メッキ層の上面上に形成された第2の上部メッキ層を含む、請求項1に記載の多層導電性パターンインダクタ。
前記上部メッキ層を形成する段階は、前記表面メッキ層の上面上に第1の上部メッキ層を形成し、前記第1の上部メッキ層の上面上に第2の上部メッキ層を形成する段階を含む、請求項11に記載の多層導電性パターンインダクタの製造方法。
前記表面メッキ層は、前記導電性パターンを基に電気メッキを施して形成され、且つ前記導電性パターンの表面上に幅方向及び厚さ方向に成長するように形成される、請求項11から13のいずれか一項に記載の多層導電性パターンインダクタの製造方法。
前記上部メッキ層は、電気メッキを施して形成され、且つ前記表面メッキ層の上面上に厚さ方向に成長するように形成される、請求項11から14のいずれか一項に記載の多層導電性パターンインダクタの製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0010】
多層導電性パターンインダクタ
図1は、本発明の一実施形態による多層導電性パターンインダクタの内部コイル部を示す概略斜視図である。
【0011】
図1を参照すると、多層導電性パターンインダクタ100の一例として電源供給回路の電源ラインに用いられる薄膜型インダクタが開示される。
【0012】
本発明の一実施形態による多層導電性パターンインダクタ100は、磁性体本体50、上記磁性体本体50の内部に埋設された内部コイル部40、及び上記磁性体本体50の外側に配置されて上記内部コイル部40と電気的に連結された第1及び第2の外部電極81、82を含む。
【0013】
本発明の一実施形態による多層導電性パターンインダクタ100において、「長さ」方向は
図1の「L」方向、「幅」方向は「W」方向、「厚さ」方向は「T」方向と定義する。
【0014】
上記磁性体本体50は、多層導電性パターンインダクタ100の外観をなし、磁気特性を示す材料であれば特に制限されず、例えば、フェライト又は金属磁性体粉末が充填されて形成されることができる。
【0015】
上記フェライトは、例えば、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライト又はLi系フェライトなどであればよい。
【0016】
上記金属磁性体粉末は、Fe、Si、Cr、Al及びNiからなる群から選択されたいずれか一つ以上を含み、例えば、Fe−Si−B−Cr系非晶質金属であればよいが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0017】
上記金属磁性体粉末は、粒径が0.1μm〜30μmであり、エポキシ(epoxy)樹脂又はポリイミド(polyimide)などの熱硬化性樹脂に分散された形で含まれることができる。
【0018】
上記磁性体本体50の内部に配置された内部コイル部40は、絶縁基板20の一面に形成された第1のコイル導体41と、上記絶縁基板20の一面と対向する他面に形成された第2のコイル導体42が連結されて形成される。
【0019】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は、電気メッキを施して形成されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0020】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は、絶縁膜(図示せず)で被覆され、磁性体本体50をなす磁性材料と直接接触しない。
【0021】
上記絶縁基板20は、例えば、ポリプロピレングリコール(PPG)基板、フェライト基板又は金属系軟磁性基板などで形成される。
【0022】
上記絶縁基板20の中央部は貫通されてホールを形成し、上記ホールは磁性材料で充填されてコア部55を形成する。磁性材料で充填されるコア部55を形成することにより、インダクタンス(Ls)を向上させることができる。
【0023】
上記第1及び第2のコイル導体41、42のそれぞれは、上記絶縁基板20の同一平面上に形成される平面コイル状であればよい。
【0024】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は、螺旋(spiral)状に形成され、上記絶縁基板20の一面と他面に形成された第1及び第2のコイル導体41、42は、上記絶縁基板20を貫通して形成されるビア(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0025】
上記第1及び第2のコイル導体41、42とビアは、電気伝導性に優れた金属を含んで形成され、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)又はこれらの合金などで形成されることができる。
【0026】
インダクタの主な特性の一つである直流抵抗(Rdc)は、内部コイル部を形成するコイル導体の断面積が大きいほど低くなる。また、インダクタのインダクタンスは、磁束が通る磁性体の面積が大きいほど大きくなる。
【0027】
したがって、直流抵抗(Rdc)を低くし、インダクタンスを向上させるためには、内部コイル部を形成するコイル導体の断面積を増加させ、磁性体が占める体積を増加させることが必要である。
【0028】
コイル導体の断面積を増加させるための方法としては、コイルの幅を増加させる方法とコイルの厚さを増加させる方法がある。
【0029】
しかしながら、コイルの幅を増加させる場合は、隣接したコイル間のショート(short)が発生する可能性が非常に大きくなり、具現可能なコイルの巻数の限界が生じ、磁性体の体積が縮小するため、効率が低下し、高容量製品を具現するのに限界がある。
【0030】
よって、コイルの幅に対してコイルの厚さを増加させて高いアスペクト比(Aspect Ratio、AR)を有する構造のコイル導体が求められている。
【0031】
コイル導体のアスペクト比(AR)とは、コイルの厚さをコイルの幅で割った値をいう。コイルの幅の増加量よりコイルの厚さの増加量が大きいほど、高いアスペクト比(AR)を具現することができる。
【0032】
しかしながら、従来のようにメッキレジストを露光及び現像工程を通じてパターニングしメッキするパターンメッキ法を行ってコイル導体を形成する場合、コイルの厚さを厚くするためにはメッキレジストの厚さを厚くしなければならないが、メッキレジストの厚さを厚くするほどメッキレジストの下部の露光が円滑ではないという露光工程の限界があるため、コイルの厚さを増加させるのに困難があった。
【0033】
また、厚いメッキレジストがその形態を維持するためには一定幅以上を有さなければならないが、メッキレジストを除去した後、そのメッキレジストの幅が隣接したコイル間の間隔となるため、隣接したコイル間の間隔が広くなり、直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)特性を向上させるのに限界があった。
【0034】
一方、特許文献2は、レジスト膜の厚さによる露光の限界を解決するために、露光及び現像して第1のレジストパターンを形成した後、第1のメッキ導体パターンを形成し、第1のレジストパターン上に再度露光及び現像して第2のレジストパターンを形成した後、第2のメッキ導体パターンを形成する工程を開示している。
【0035】
しかしながら、特許文献2のようにパターンメッキ法のみを行って内部コイル部を形成する場合は、内部コイル部の断面積を増加させるのに限界があり、隣接したコイル間の間隔が広くなるため、直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)特性を向上させるのに困難がある。
【0036】
よって、本発明の一実施形態では、導電性パターンを2層以上で形成し、上記導電性パターンを被覆する表面メッキ層を形成し、上記表面メッキ層の上面上に上部メッキ層をさらに形成することにより、高いアスペクト比(AR)を有し、断面積が増加し、隣接したコイル間の間隔を狭くし且つ隣接したコイル間のショート(short)の発生を防止することができるコイル導体を具現することができるようにした。
【0037】
なお、本発明の一実施形態による第1及び第2のコイル導体41、42の具体的な構造及び製造方法については後述する。
【0038】
図2は、
図1のI−I'線に沿う断面図である。
【0039】
図2を参照すると、上記第1及び第2のコイル導体41、42は、絶縁基板20上に形成された第1の導電性パターン61a、上記第1の導電性パターン61aの上面上に形成された第2の導電性パターン61b、上記第1及び第2の導電性パターン61a、61bを被覆する表面メッキ層62、及び上記表面メッキ層の上面上に形成された上部メッキ層63を含む。
【0040】
上記絶縁基板20の一面に形成された第1のコイル導体41の一端部は磁性体本体50の長さ(L)方向の一端面に露出し、絶縁基板20の他面に形成された第2のコイル導体42の一端部は磁性体本体50の長さ(L)方向の他端面に露出する。
【0041】
しかしながら、必ずしもこれに制限されず、上記第1及び第2のコイル導体41、42のそれぞれの一端部は上記磁性体本体50の少なくとも一面に露出してもよい。
【0042】
上記磁性体本体50の端面に露出する上記第1及び第2のコイル導体41、42のそれぞれと接続するように、上記磁性体本体50の外側に第1及び第2の外部電極81、82が形成される。
【0043】
図3は、
図2の'A'部分の一実施形態を拡大して示す概略図である。
【0044】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による導電性パターン61は第1の導電性パターン61a及び上記第1の導電性パターン61aの上面上に形成された第2の導電性パターン61bを含み、上記導電性パターン61は表面メッキ層62で被覆され、上記表面メッキ層62の上面上には上部メッキ層63がさらに形成される。
【0045】
上記導電性パターン61は、絶縁基板20上に露光及び現像工程を通じてパターニングされたメッキレジストを形成し、開口部をメッキによって充填するパターンメッキによって形成されることができる。
【0046】
本発明の一実施形態による導電性パターン61は、上記第1の導電性パターン61aと第2の導電性パターン61bを含むように少なくとも2層以上で形成される。
【0047】
図3には上記導電性パターン61が第1及び第2の導電性パターン61a、61bを含む2層構造であることを示しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、当業者が活用することができる範囲内で上記導電性パターン61を3層以上で形成してもよい。
【0048】
上記導電性パターン61は、全厚さtSPが100μm以上であればよい。
【0049】
上記導電性パターン61を2層以上の構造で形成することにより、メッキレジストの厚さによる露光の限界を克服し、導電性パターン61の全厚さtSPを100μm以上にすることができる。上記導電性パターン61の全厚さtSPを100μm以上にすることにより、コイル導体41、42の厚さを増加させ、高いアスペクト比(AR)を有するコイル導体41、42を具現することができる。
【0050】
上記導電性パターン61は、厚さ(T)方向の断面が長方形の形状を示すことができる。
【0051】
上記導電性パターン61は、上述したようにパターンメッキによって形成され、断面の形状がまっすぐな長方形である。
【0052】
上記第1及び第2のコイル導体41、42は、上記導電性パターン61の下面に配置された薄膜導体層25をさらに含む。
【0053】
上記薄膜導体層25は、上記絶縁基板20上に無電解メッキ又はスパッタリング(sputtering)工法を施した後にエッチングされて形成されることができる。
【0054】
上記薄膜導体層25をシード層として上記薄膜導体層25上に電気メッキを施して導電性パターン61が形成される。
【0055】
上記導電性パターン61を被覆する表面メッキ層62は、上記導電性パターン61をシード層として電気メッキを施して形成されることができる。
【0056】
上記導電性パターン61を被覆する表面メッキ層62を形成することにより、パターンメッキによって導電性パターンのみを形成するときにメッキレジストの幅を狭くするのに限界があり隣接したコイル間の間隔を減らすのが困難であるという問題を解決することができ、コイル導体の断面積をより増加させて直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)特性を向上させることができる。
【0057】
図3に示されている本発明の一実施形態による表面メッキ層62は、幅方向の成長の程度WP1と厚さ方向の成長の程度TP1が類似した形状を示す。
【0058】
このように、導電性パターン61を被覆する表面メッキ層62を、幅方向の成長の程度WP1と厚さ方向の成長の程度TP1が類似した等方成長メッキ層で形成することにより、隣接したコイル間の厚さの差を減らして均一な厚さを有するようにし、これにより、直流抵抗(Rdc)のバラツキを減らすことができる。
【0059】
また、表面メッキ層62を等方成長メッキ層で形成することにより、第1及び第2のコイル導体41、42が曲がらずにまっすぐに形成されるため、隣接したコイル間のショート(short)を防止することができ、第1及び第2のコイル導体41、42の一部分に絶縁膜が形成されない不良を防止することができる。
【0060】
図3には上記表面メッキ層62が1層であることを示しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、当業者が活用することができる範囲内で上記表面メッキ層62を2層以上で形成してもよい。
【0061】
上記表面メッキ層62の上面上に形成された上部メッキ層63は、電気メッキを施して形成されることができる。
【0062】
上記表面メッキ層62上に上部メッキ層63をさらに形成することにより、コイル導体の断面積をより増加させて直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)特性を向上させることができる。
【0063】
図3に示されている本発明の一実施形態による上部メッキ層63は、幅方向の成長が抑制され厚さ方向の成長の程度TP2が顕著に大きい形状を示す。
【0064】
このように、表面メッキ層62上に形成された上部メッキ層63を、幅方向の成長が抑制され厚さ方向の成長の程度TP2が顕著に大きい異方成長メッキ層で形成することにより、隣接したコイル間のショート(short)を防止し且つコイル導体の断面積をより増加させることができる。
【0065】
異方成長メッキ層である上記上部メッキ層63は、上記表面メッキ層62の上面上に形成され、上記表面メッキ層62の側面を全て被覆しない形状を示す。
【0066】
このように形成された本発明の一実施形態による第1及び第2のコイル導体41、42のアスペクト比(AR)は3.0以上であればよい。
【0067】
図4は、
図2の'A'部分の他の実施形態を拡大して示す概略図である。
【0068】
図4を参照すると、本発明の他の実施形態による上部メッキ層63は、上記表面メッキ層62の上面上に形成された第1の上部メッキ層63a、及び上記第1の上部メッキ層63aの上面上に形成された第2の上部メッキ層63bを含む。
【0069】
上記第1及び第2の上部メッキ層63a、63bは、上述した
図3に示されている実施形態と同様に、幅方向の成長が抑制され厚さ方向の成長の程度TP2が顕著に大きい異方成長メッキ層であり、異方成長メッキ層が2層で形成された形状である。
【0070】
このように、異方成長メッキ層である上部メッキ層63を2層以上で形成することにより、コイル導体の断面積をより増加させて直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)特性を向上させることができる。
【0071】
図4には上記上部メッキ層63が2層であることを示しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、当業者が活用することができる範囲内で上記上部メッキ層63を2層以上で形成してもよい。
【0072】
多層導電性パターンインダクタの製造方法
図5は、本発明の一実施形態による多層導電性パターンインダクタの製造方法を順次示す図である。
【0073】
図5(a)を参照すると、絶縁基板20を設け、上記絶縁基板20にビアホール45'を形成する。
【0074】
上記ビアホール45'は、機械的ドリル又はレーザードリルを用いて形成されることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0075】
上記レーザードリルは、例えば、CO2レーザー又はYAGレーザーであればよい。
【0076】
図5(b)を参照すると、上記絶縁基板20の上面及び下面に全体的に薄膜導体層25'を形成し、導電性パターン形成用開口部を有するメッキレジスト71を形成する。
【0077】
上記メッキレジスト71は、通常の感光性レジストフィルムとしてドライフィルムレジストなどを用いることができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0078】
上記メッキレジスト71を塗布した後、露光及び現像工程を通じて導電性パターン形成用開口部を形成することができる。
【0079】
図5(c)を参照すると、上記導電性パターン形成用開口部をメッキによって導電性金属で充填して導電性パターン61を形成する。
【0080】
上記薄膜導体層25'をシード層として上記導電性パターン形成用開口部が電気メッキによって導電性金属で充填されて導電性パターン61を形成し、上記ビアホール45'が電気メッキによって導電性金属で充填されてビア(図示せず)を形成する。
【0081】
このとき、本発明の一実施形態では、上記導電性パターン61を2層以上で形成することにより、コイル導体41、42が高いアスペクト比(AR)を有するようにする。これに関する具体的な製造方法については後述する。
【0082】
図5(d)を参照すると、上記メッキレジスト71を除去し、薄膜導体層25'をエッチングして、導電性パターン61の下面にのみ薄膜導体層25が形成されるようにする。
【0083】
図5(e)を参照すると、上記導電性パターン61を被覆する表面メッキ層62及び上記表面メッキ層62の上面上に上部メッキ層63を形成する。
【0084】
上記表面メッキ層62及び上部メッキ層63は、電気メッキによって形成される。
【0085】
図5(f)を参照すると、絶縁基板20のうち、導電性パターン61、表面メッキ層62及び上部メッキ層63を含む第1及び第2のコイル導体41、42が形成された領域を除外した部分を除去する。
【0086】
上記絶縁基板20の中央部は除去されてコア部ホール55'が形成される。
【0087】
上記絶縁基板20の除去は、機械的ドリル、レーザードリル、サンドブラスト、パンチング加工などによって行われることができる。
【0088】
図5(g)を参照すると、上記第1及び第2のコイル導体41、42を被覆する絶縁膜30を形成する。
【0089】
上記絶縁膜30は、スクリーン印刷法、フォトレジスト(Photo Resist、PR)の露光及び現像工程又はスプレー(spray)塗布工程などの公知の方法で形成されることができる。
【0090】
図5(h)を参照すると、上記第1及び第2のコイル導体41、42の上部及び下部に磁性体シートを積層、圧着及び硬化して磁性体本体50を形成する。
【0091】
このとき、上記コア部ホール55'が磁性材料で充填されてコア部55を形成する。
【0092】
次に、上記磁性体本体50の端面に露出する第1及び第2のコイル導体41、42の端部とそれぞれ接続するように、上記磁性体本体50の外側に第1及び第2の外部電極81、82を形成する。
【0093】
図6a〜
図6fは、本発明の一実施形態による導電性パターンを形成する工程を順次示す図である。
【0094】
図6aを参照すると、薄膜導体層25'が全体的に形成された絶縁基板20上に第1の導電性パターン形成用開口部71a'を有する第1のメッキレジスト71aを形成する。
【0095】
上記第1のメッキレジスト71aを塗布した後、露光及び現像工程を通じて第1の導電性パターン形成用開口部71a'を形成することができる。
【0096】
上記第1のメッキレジスト71aの厚さは40μm〜60μmであればよい。
【0097】
図6bを参照すると、上記第1の導電性パターン形成用開口部71a'をメッキによって導電性金属で充填して第1の導電性パターン61aを形成する。
【0098】
図6cを参照すると、上記第1のメッキレジスト71a上に第2の導電性パターン形成用開口部71b'を有する第2のメッキレジスト71bを形成する。
【0099】
上記第1のメッキレジスト71a及び第1の導電性パターン61a上に上記第2のメッキレジスト71bを塗布した後、露光及び現像工程を通じて上記第1の導電性パターン61aを露出させる第2の導電性パターン形成用開口部71b'を形成することができる。
【0100】
上記第2のメッキレジスト71bの厚さは40μm〜60μmであればよい。
【0101】
図6dを参照すると、上記第2の導電性パターン形成用開口部71b'をメッキによって導電性金属で充填して、上記第1の導電性パターン61aの上面上に第2の導電性パターン61bを形成する。
【0102】
図6eを参照すると、上記第1及び第2のメッキレジスト71a、71bを除去する。
【0103】
図6fを参照すると、上記薄膜導体層25'をエッチングして、第1及び第2の導電性パターン61a、61bの下面にのみ薄膜導体層25が形成されるようにする。
【0104】
このように形成された導電性パターン61は、2層構造を示す。
【0105】
上記導電性パターン61の厚さ(T)方向の断面は長方形の形状を示し、導電性パターン61の全厚さtSPは100μm以上であればよい。
【0106】
図6a〜
図6fには上記第1及び第2の導電性パターン61a、61bを形成する工程のみを示しているが、必ずしもこれに制限されるものではなく、上述した
図6c及び
図6d工程を繰り返し行うことで、少なくとも一つの内部界面Sifを含む2層以上の構造を有する導電性パターンを形成してもよい。
【0107】
また、2層以上の構造を有する導電性パターンを形成する方法は上述した
図6a〜
図6fの工程に必ずしも制限されるものではなく、メッキレジストの厚さをより厚くした後にメッキ回数を2回以上とすることで、2層以上の構造を有する導電性パターンを形成してもよい。
【0108】
図7は、本発明の一実施形態による表面メッキ層を形成する工程を示す図である。
【0109】
図7を参照すると、上記導電性パターン61を基に電気メッキを施して、上記導電性パターン61を被覆する表面メッキ層62を形成する。
【0110】
このとき、電気メッキ時の電流密度、メッキ液の濃度、メッキ速度などを調節して、
図7に示されているように、本発明の一実施形態による表面メッキ層62を、幅方向の成長の程度WP1と厚さ方向の成長の程度TP1が類似した等方成長メッキ層で形成することができる。
【0111】
このように、導電性パターン61を被覆する表面メッキ層62を、幅方向の成長の程度WP1と厚さ方向の成長の程度TP1が類似した等方成長メッキ層で形成することにより、隣接したコイル間の厚さの差を減らして均一な厚さを有するようにし、これにより、直流抵抗(Rdc)のバラツキを減らすことができる。
【0112】
また、表面メッキ層62を等方成長メッキ層で形成することにより、第1及び第2のコイル導体41、42が曲がらずにまっすぐに形成されるため、隣接したコイル間のショート(short)を防止することができ、第1及び第2のコイル導体41、42の一部分に絶縁膜30が形成されない不良を防止することができる。
【0113】
図8は、本発明の一実施形態による上部メッキ層を形成する工程を示す図である。
【0114】
図8を参照すると、上記表面メッキ層62上に電気メッキを施して上部メッキ層63をさらに形成する。
【0115】
このとき、電気メッキ時の電流密度、メッキ液の濃度、メッキ速度などを調節して、
図8に示されているように、本発明の一実施形態による上部メッキ層63を、幅方向の成長が抑制され厚さ方向の成長の程度TP2が顕著に大きい異方成長メッキ層で形成することができる。
【0116】
上記上部メッキ層63は、上記表面メッキ層62の上面上に第1の上部メッキ層63aを形成し、上記第1の上部メッキ層63aの上面上に第2の上部メッキ層63bを形成することにより、2層で形成されることができる。
【0117】
このように、異方成長メッキ層である上部メッキ層63を2層以上で形成することにより、コイル導体の断面積をより増加させて直流抵抗(Rdc)及びインダクタンス(Ls)特性を向上させることができる。
【0118】
なお、上記の説明を除き、上述した本発明の一実施形態による多層導電性パターンインダクタの特徴と重複する説明は省略する。
【0119】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。