【実施例】
【0064】
以下に実施例等を挙げて本発明を具体的に説明する。
【0065】
(実施例A)
米粉36%,甘藷粉34%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,を混練ミキサーにて攪拌し、ミックス粉を得た。
なお、米粉はうるち米を粉末化したものであり、甘藷粉は生のサツマイモを乾燥させて粉末化したものであり、バナナ澱粉は青バナナから抽出した澱粉を乾燥させて粉末化したものであり、それぞれ市販品を使用した。
【0066】
次に、水に対して蒟蒻粉0.15(w/w)%を溶解させて水溶液(ゲル)を調製し、上記で得られたミックス粉に対して44(w/w)%の上記水溶液(ゲル)を加え(加水し)、混練ミキサーにて練り上げることにより麺生地(温度29〜30℃)を作製した。
なお、蒟蒻粉はアルコール洗浄したものであり、市販品を使用した。
【0067】
次工程として、上記で得られた麺生地をロータリー式粘体定量押出機に投入し、扇状多孔ノズル(2.7φ×30孔)より押し出した。
多孔ノズルから吐出した麺線を加熱ラインSUSコンベアに展開し、下記の条件で加熱することによりグルテンフリー麺を製造した。
【0068】
(加熱条件)
ライン長4m 速度50秒〜100秒
炉内設定温度 170℃
蒸気温度 150℃
麺出口温度 78〜82℃
【0069】
上記の配合を採用したことにより多孔ノズルからの吐出バランスが改善し、従来のグルテンフリー麺における課題であった麺の太さのばらつきが極小になった。
【0070】
また、上記で得られたグルテンフリー麺を沸騰水中で約2分間茹で、3名による官能評価を実施した。
その結果、実施例Aのグルテンフリー麺は、喉ごし、ツルツル感に優れ、もちもちした食感を有し、しかも伸びにくい、おいしい麺であった。また、ゆで汁中に澱粉が溶け出すこともなかった。
【0071】
官能評価の結果は、下記の基準に基づき5点満点で評価した点数の平均値で示した(表1)。
【0072】
(喉ごし)
5点:喉ごしが非常に良い
4点:喉ごしが良い
3点:どちらとも言えない
2点:喉ごしが悪い
1点:喉ごしが非常に悪い
【0073】
(もちもち感)
5点:もちもちした食感を強く感じる
4点:もちもちした食感を感じる
3点:どちらとも言えない
2点:もちもちした食感をあまり感じない
1点:もちもちした食感を全く感じない
【0074】
(ツルツル感)
5点:ツルツルした食感を強く感じる
4点:ツルツルした食感を感じる
3点:どちらとも言えない
2点:粉っぽい食感を感じる
1点:粉っぽい食感を強く感じる
【0075】
(ゆで汁溶けだし)
5点:麺の澱粉はほとんど溶けだしておらず、ゆで汁はほぼ透明である
4点:麺の澱粉はあまり溶けだしておらず、ゆで汁はやや濁っている
3点:麺の澱粉は多少溶けだしており、ゆで汁は多少白濁している
2点:麺の澱粉が溶けだしており、ゆで汁は白濁している
1点:麺の澱粉が多く溶けだしており、ゆで汁は真っ白に濁っている
【0076】
(麺伸びやすさ)
5点:麺が非常に伸びにくい
4点:麺が伸びにくい
3点:どちらとも言えない
2点:麺が伸びやすい
1点:麺が非常に伸びやすい
【0077】
(吐出バランス)
5点:多孔ノズルから吐出した麺の太さがほぼ均一である
4点:多孔ノズルから吐出した麺の太さがある程度均一である
3点:どちらとも言えない
2点:多孔ノズルから吐出した麺の太さにある程度ばらつきがある
1点:多孔ノズルから吐出した麺の太さにばらつきがある
【0078】
<米粉・甘藷粉配合比の検討>
(実験例A1)
ミックス粉の配合を米粉60%,甘藷粉10%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、喉ごし、ツルツル感が劣り、もちもち感も多少足りなかった。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
【0079】
(実験例A2)
ミックス粉の配合を米粉50%,甘藷粉20%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感及び喉ごしは少し劣っていた。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
【0080】
(実験例A3)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉36%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、もちもち感が多少足りないが美味しかった。吐出バランスなど他の点においては実施例Aと同程度によかった(表1)。
【0081】
(実験例A4)
ミックス粉の配合を米粉38%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、喉越しが多少良くないが美味しかった。吐出バランスなど他の点においては実施例Aと同程度によかった(表1)。
【0082】
(実験例A5)
ミックス粉の配合を米粉20%,甘藷粉50%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感及び喉ごしは少し劣っていた。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
【0083】
(実験例A6)
ミックス粉の配合を米粉10%,甘藷粉60%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感及び喉ごし、もちもち感が劣っていた。また、吐出バランスが悪く麺の太さにばらつきがでた(表1)。
【0084】
【表1】
*:単位は質量%
【0085】
以上の結果から、米粉に対する甘藷粉の配合比(質量比)を(米粉:甘藷粉)=34〜38:36〜32=1:0.84〜1.06とすることによって、従来のグルテンフリー麺の課題であった麺の太さのばらつき(吐出バランス)を改善し、均一な太さのグルテンフリー麺を製造できることが示された。
また、上記の配合比を採用したグルテンフリー麺は、もちもち感、ツルツル感に優れ、喉ごしが良く、伸びにくい麺となることが分かった。
【0086】
<各種澱粉源の比較>
バナナ澱粉とコーンスターチ、馬鈴薯澱粉はいずれも麺のツルツル感を出してくれるため、以下の比較試験を行った。
すなわち、バナナ澱粉の代わりに同量のコーンスターチ又は馬鈴薯澱粉を用いたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
次に、出来上がったそれぞれの麺を2分程度茹で、ゆで汁の色を比較した。
【0087】
その結果、コーンスターチや馬鈴薯澱粉を用いた麺の場合はゆで汁が白濁したのに対し、バナナ澱粉を用いた実施例Aの麺の場合はゆで汁が白濁することが少なく、ほぼ透明のままであった。
また、バナナ澱粉を用いた実施例Aの麺は、コーンスターチや馬鈴薯澱粉を用いた麺と比べて食感が良いものとなった。
【0088】
これは、馬鈴薯澱粉とバナナ澱粉の溶解性の差が大きく、95℃近辺ではバナナ澱粉よりも4倍以上馬鈴薯澱粉が溶け出しやすい為である。また、バナナ澱粉の溶解性に比較的近いコーンスターチでも、バナナ澱粉とは約2倍程度溶解性の開きがある。
【0089】
<脱皮生大豆粉配合量の検討>
(実験例B1)
ミックス粉の配合を米粉42%,甘藷粉40%,脱皮生大豆粉10%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、麺にはなるが、粉っぽくおいしくなかった(表2)。
【0090】
(実験例B2)
ミックス粉の配合を米粉40%,甘藷粉38%,脱皮生大豆粉16%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、麺にはなるが、やや粉っぽくおいしくなかった(表2)。
【0091】
(実験例B3)
ミックス粉の配合を米粉39%,甘藷粉38%,脱皮生大豆粉17%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いがおいしかった(表2)。
【0092】
(実験例B4)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉28%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いがおいしかった(表2)。
【0093】
(実験例B5)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉31%,脱皮生大豆粉29%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、べたつき感がありおいしくなかった(表2)。
【0094】
(実験例B6)
ミックス粉の配合を米粉30%,甘藷粉29%,脱皮生大豆粉35%,バナナ澱粉(粉末)6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、相当べたついておいしくなかった(表2)。
【0095】
【表2】
*:単位は質量%
【0096】
以上の結果から、麺としての形状を維持し、食感の良いグルテンフリー麺を製造するには、ミックス粉における脱皮生大豆粉の配合量(質量比)を17〜28%とするのが最適であることが示された。
一方、脱皮生大豆粉の配合量(質量比)が17%未満であると麺としての形状を保つことが難しくなり、28%を超えるとべたついて食感が悪くなることが分かった。
これは、麺線を吐出後に加熱することで、未加熱の大豆蛋白質が熱変性して凝固し、麺のつなぎ成分として機能しているためと考えられる。
【0097】
<バナナ澱粉配合量の検討>
(実験例C1)
ミックス粉の配合を米粉38%,甘藷粉37%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)1%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、弾力が特に劣りおいしくなかった。(表3)。
【0098】
(実験例C2)
ミックス粉の配合を米粉37%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)4%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、食感が劣り、おいしくなかった(表3)。
【0099】
(実験例C3)
ミックス粉の配合を米粉36.2%,甘藷粉35.3%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)4.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が劣るが、おいしかった(表3)。
【0100】
(実験例C4)
ミックス粉の配合を米粉34.7%,甘藷粉33.8%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)7.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が劣るが、おいしかった(表3)。
【0101】
(実験例C5)
ミックス粉の配合を米粉35%,甘藷粉33%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)8%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、ぼそぼそ感があり、おいしくなかった(表3)。
【0102】
(実験例C6)
ミックス粉の配合を米粉34%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)10%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、相当硬くておいしくなかった(表3)。
【0103】
【表3】
*:単位は質量%
【0104】
以上の結果から、弾力があって伸びにくく、かつ、食感の良いグルテンフリー麺を製造するには、ミックス粉におけるバナナ澱粉の配合量(質量比)を4.5〜7.5%とするのが最適であることが示された。
一方、バナナ澱粉の配合量(質量比)が4.5%未満であると麺に弾力が無く、伸び易い麺となり、7.5%を超えると弾力はあるが伸びにくさに大差なく、食感が悪い麺となることが分かった。
【0105】
<もち粉配合量の検討>
(実験例D1)
ミックス粉の配合を米粉35.9%,甘藷粉33.9%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.2%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
なお、もち粉はもち米(精白米)を粉末化したものであり、市販品を使用した。
実施例Aで製造した麺と比べると、実施例Aの麺よりももちもち感があり、おいしかった(表4)。
【0106】
(実験例D2)
米粉35.8%,甘藷粉33.8%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.4%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、実施例Aの麺よりももちもち感があり、おいしかった(表4)。
【0107】
(実験例D3)
ミックス粉の配合を米粉35.7%,甘藷粉33.7%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.6%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、実施例Aの麺よりももちもち感があり、おいしかった(表4)。
【0108】
(実験例D4)
ミックス粉の配合を米粉35.6%,甘藷粉33.7%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,もち粉0.7%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、粘りが強すぎて吐出バランスが悪く、麺の太さにばらつきがあった(表4)。
【0109】
【表4】
*:単位は質量%
【0110】
以上の結果から、ミックス粉にさらにもち粉を0.2〜0.6%(質量比)配合することによって、もちもち感のある美味しいグルテンフリー麺を製造できることが示された。
一方、もち粉の配合量(質量比)が0.7%以上になると、粘りが強すぎて吐出バランスが悪くなることが分かった。
【0111】
<コーンスターチ配合量の検討>
(実験例E1)
ミックス粉の配合を米粉37%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ4%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低く、おいしくなかった(表5)。
【0112】
(実験例E2)
ミックス粉の配合を米粉36.5%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ4.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低いが、合格点は得られた(表5)。
【0113】
(実験例E3)
ミックス粉の配合を米粉34.7%,甘藷粉33.8%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ7.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低いが、合格点は得られた(表5)。
【0114】
(実験例E4)
ミックス粉の配合を米粉35%,甘藷粉33%,脱皮生大豆粉24%,コーンスターチ8%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低く、おいしくなかった(表5)。
【0115】
(実験例E5)
ミックス粉の配合を米粉33.9%,甘藷粉33.1%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)4.5%,コーンスターチ4.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いが、おいしかった(表5)。
【0116】
(実験例E6)
ミックス粉の配合を米粉30.9%,甘藷粉30.1%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)7.5%,コーンスターチ7.5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少もちもち感が劣るが、おいしかった(表5)。
【0117】
【表5】
*:単位は質量%
【0118】
以上の結果から、バナナ澱粉の代わりにコーンスターチを用いて製造したグルテンフリー麺は、全体的に評価が劣るものになるが、ミックス粉におけるコーンスターチの配合量(質量比)が4.5〜7.5%である場合には、食感や吐出バランスの良い麺が製造できることが示された。
また、コーンスターチと同程度の量のバナナ澱粉を併用することで、よりおいしい麺となることが分かった。
【0119】
(実験例F1)
ミックス粉の配合を米粉36%,甘藷粉35%,脱皮生大豆粉24%,馬鈴薯澱粉5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造し、評価を行った。
実施例Aで製造した麺と比べると、全体的に評価が低いが、合格点は得られた(表6)。
【0120】
(実験例F2)
ミックス粉の配合を米粉26%,甘藷粉24%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,豆乳粉20%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、柔らかいが遜色ないおいしさであった(表6)。
【0121】
(実験例F3)
ミックス粉の配合を米粉36%,甘藷粉33%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,桑粉(微粉末)1%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
なお、桑粉は桑の葉を微粉末化したものであり、市販品を使用した。
実施例Aで製造した麺と比べると、独特の風味があるがおいしかった(表6)。
【0122】
(実験例F4)
ミックス粉の配合を米粉33%,甘藷粉32%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%,難消化性デキストリン5%としたこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べると、多少食感が悪いがおいしかった(表6)。
【0123】
(実験例F5)
ミックス粉の配合を米粉36%,甘藷粉34%,脱皮生大豆粉24%,バナナ澱粉(粉末)6%とし、蒟蒻粉水溶液(ゲル)の代わりに、水に対して増粘多糖類(キサンタンガムとローカストビーンガムを主成分として含む市販品)を溶解させて得られた増粘多糖類水溶液(ゲル)を用いて加水したこと以外は、実施例Aと同様にしてグルテンフリー麺を製造した。
実施例Aで製造した麺と比べても遜色なくおいしかった(表6)。
【0124】
【表6】
*:単位は質量%
【0125】
以上の結果から、バナナ澱粉の代わりに馬鈴薯澱粉を用いて製造したグルテンフリー麺は、全体的に評価は低いが合格点は得られたことが示された(実験例F1)。
また、米粉に対する甘藷粉の配合比はそのままとして、ミックス粉における米粉と甘藷粉の配合量を減らし、その代わりに豆乳粉を加えることにより、大豆由来の機能性成分を豊富に含有し、かつ、おいしいグルテンフリー麺を製造できることが分かった(実験例F2)。なお、ミックス粉における豆乳粉の配合量(質量比)は18〜22%とすることが最適であった。
また、米粉に対する甘藷粉の配合比はそのままとして、ミックス粉における米粉と甘藷粉の配合量を減らし、その代わりに機能性成分として知られている桑粉(デオキシリノジリマイシン)や難消化性デキストリンを加えた場合にも、機能性を有し、かつ、おいしいグルテンフリー麺を製造できることが示された(実験例F3、F4)。なお、このような機能性食品類のミックス粉における配合量(質量比)は1〜5%とすることが最適であった。
また、蒟蒻粉の代わりに増粘多糖類を用いたゲルを加水して製造した場合にも、実施例Aに劣らずおいしいグルテンフリー麺を製造できることが分かった(実験例F5)。