【実施例】
【0032】
(リン含有量の測定方法)
検量線の作成
標準試料としてリン酸1カリウム(試薬特級)を用いて2μg/mlのリンに相当する水溶液を作成した。この水溶液をホールピペットで適量(0〜70μgの間で数種)を分液ロートに分取し、水で全量を50mlとした。10%硝酸水溶液15mlと5%モリブデン酸アンモニウム溶液5mlおよび酢酸n-ブチル10mlを加えて、3分間振とうした後、静置した。下層を別の分液ロートに分取し、酢酸n-ブチル10mlを加え3分間振とうしたのち静置した。分液ロートの酢酸n−ブチル層を50mlメスフラスコに移した。3%塩化第1スズ溶液2mlを加え、エチルアルコールで定容した。分光光度計を用いて725nmの吸光度を測定した(10mmガラスセル)。
【0033】
前処理方法
飽和食塩水50mLとエチルエーテル20mLを分液ロート(A)へ加え、そこに脂肪酸クロライドを0.1〜0.5g量りとった。分液漏斗(A)を3分間振とう、静置し、分層させた。分層した下層の飽和食塩水層は別の分液漏斗(B)に分取した。この分液漏斗(B)にエチルエーテル20mLを加え、分液漏斗(B)を3分間振とう、静置し、分層させた。また、エチルエーテル層の残った分液漏斗(A)に飽和食塩水25mLを加え、3分間振とう、静置し、分層させた。その後、分液漏斗(A)および(B)の下層を同一のコニカルビーカー(C)に分取し、飽和食塩水層を得た。また、分液漏斗(A)および(B)に残った溶液を同一のケルダールフラスコ(D)へ分取し、エチルエーテル層を得た。
【0034】
無機リン化合物のリン含有量の測定方法
(C)コニカルビーカーの飽和食塩水層は10%硝酸水溶液1mlおよび2%過マンガン酸カリウム溶液5mlを加えて、200℃で加熱し、含まれるリンを酸化した。酸化して酸化マンガンの褐色沈殿が生成した後、約10分間加熱を続け、10%亜硫酸ナトリウム溶液を滴下し還元した。室温まで放冷後、ブロムフェノールブルー指示薬を数滴加え、14%アンモニア水で中和した。この溶液を200mlメスフラスコに移し、水で定溶した。この溶液50mlをホールピペットで分液ロートに分取した。10%硝酸水溶液15mlと5%モリブデン酸アンモニウム溶液5mlおよび酢酸n-ブチル10mlを加えて、3分間振とうした後、静置した。下層を別の分液ロートに分取し、酢酸n-ブチル10mlを加え3分間振とうしたのち静置した。分液ロートの酢酸n-ブチル層を50mlメスフラスコに移した。3%塩化第1スズ溶液2mlを加え、エチルアルコールで定容した。分光光度計を用いて725nmの吸光度を測定した(10mmガラスセル)。あらかじめ作成した検量線よりリンの含有量を求めた。
なお、本試験と平行して空試験を行った。
【0035】
有機リン化合物のリン含有量の測定方法
(D)ケルダールフラスコ中のエチルエーテルを完全に留去した。これに硫酸5mlを加え、ケルダール分解装置で炭化させた。フラスコ内を室温まで冷却後、滴下ロートより過酸化水素水約5mlをゆっくりと加え、ケルダール分解装置で分解した。次に、滴下ロートより過酸化水素水を1分間あたり約1.5mlの割合で約15ml連続的に滴下した。この溶液を濃縮してほとんどの過酸化水素水を追い出し、硫酸の白煙が発生した後、溶液が無色透明になった。室温まで放冷後、水50mlおよび2%過マンガン酸カリウム溶液1mlを加え、ケルダール分解装置内で過酸化水素を分解すると同時に酸化し、酸化マンガンの褐色沈殿が生成した後、約10分間加熱を続け、10%亜硫酸ナトリウム溶液を滴下して還元した。室温まで放冷後、ブロムフェノールブルー指示薬を数滴加え、14%アンモニア水で中和した。この溶液を200mlメスフラスコに移し、水で定溶した。この溶液50mlをホールピペットで分液ロートに分取した。10%硝酸水溶液15mlと5%モリブデン酸アンモニウム溶液5mlおよび酢酸n-ブチル10mlを加えて、3分間振とうした後、静置した。下層を別の分液ロートに分取し、酢酸n-ブチル10mlを加え3分間振とうしたのち静置した。分液ロートの酢酸n−ブチル層を50mlメスフラスコに移した。3%塩化第1スズ溶液2mlを加え、エチルアルコールで定容した。分光光度計を用いて725nmの吸光度を測定した(10mmガラスセル)。あらかじめ作成した検量線よりリンの含有量を求めた。
なお、本試験と平行して空試験を行った。
【0036】
無機リン化合物のリン含有量(重量%)
=(検量線より求めたリン含有量(g)/試料採取量(g))×希釈倍率×100
有機リン化合物のリン含有量(重量%)
=(検量線より求めたリン含有量(g)/試料採取量(g))×希釈倍率×100
【0037】
(実施例1:ヤシ油脂肪酸クロライド)
ヤシ油脂肪酸(400.0g)に対し1.5/3当量の三塩化リン(130.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(57.0g)を除去し、反応溶液(473.0g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.90重量%であった。
【0038】
その後、30℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力665Paで2時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするヤシ油脂肪酸クロライド(452.6g)を得た。得られたヤシ油脂肪酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.06重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.15重量%であった。
【0039】
(実施例2:ラウリン酸クロライド)
ラウリン酸(400.0g)に対し1.5/3当量(130.7g)の三塩化リンを50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(58.2g)を除去し、反応溶液(472.5g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.00重量%であった。
【0040】
その後、60℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力133.3×10Paで2時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするラウリン酸クロライド(452.5g)を得た。得られたラウリン酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.10重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.10重量%であった。
【0041】
(実施例3:ヤシ油脂肪酸クロライド)
ヤシ油脂肪酸(400.0g)に対し1.8/3当量の三塩化リン(156.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(57.1g)を除去し、反応溶液(498.9g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.04重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.50重量%であった。
【0042】
その後、15℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力133.3×10Paで4時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするヤシ油脂肪酸クロライド(476.9g)を得た。得られたヤシ油脂肪酸クロライドについて、有機リン化合物のリン含有量は0.10重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.30重量%であった。
【0043】
(実施例4:ステアリン酸クロライド)
ステアリン酸(435.0g)に対し2.0/3当量の三塩化リン(131.0g)を60〜65℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(45.0g)を除去し、反応溶液(521.0g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.05重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.8重量%であった。
【0044】
その後、40℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力133.3Paで2時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするステアリン酸クロライド(445.0g)を得た。得られたステアリン酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.08重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.11重量%であった。
【0045】
(実施例5:ヤシ油脂肪酸クロライド)
ヤシ油脂肪酸(400g)に対し1.3/3当量の三塩化リン(112.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(56.6g)を除去し、反応溶液(455.4g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.62重量%であった。
【0046】
その後、30℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力665Paで2時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするヤシ油脂肪酸クロライド(432.6g)を得た。得られたヤシ油脂肪酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.05重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.11重量%であった。
【0047】
(実施例6:ラウリン酸クロライド)
ラウリン酸(400.0g)に対し1.5/3当量(130.7g)の三塩化リンを50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(58.2g)を除去し、反応溶液(472.5g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.00重量%であった。
【0048】
その後、60℃、窒素流量8.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力133.3×10Paで1.5時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするラウリン酸クロライド(448.5g)を得た。得られたラウリン酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.08重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.08重量%であった。
【0049】
(実施例7:ステアリン酸クロライド)
ステアリン酸(435.0g)に対し2.0/3当量の三塩化リン(131.0g)を60〜65℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(45.0g)を除去し、反応溶液(521.0g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.05重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.8重量%であった。
【0050】
その後、40℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力133.3×10
−1Paで2時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするステアリン酸クロライド(443.0g)を得た。得られたステアリン酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.07重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.08重量%であった。
【0051】
(比較例1:ヤシ油脂肪酸クロライド)
ヤシ油脂肪酸(400.0g)に対し1.5/3当量の三塩化リン(130.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(57.5g)を除去し、反応溶液(472.5g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.9重量%であった。
【0052】
その後、薄膜蒸留器で蒸留し蒸留ヤシ脂肪酸クロライド(452.4g)を得た。得られたヤシ油脂肪酸クロライド中の有機リン化合物のリン含有量は0.01重量%であり、無機リン化合物のリン含有量はN.D.(0.01重量%未満)であった。
【0053】
(比較例2:ラウリン酸クロライド)
ラウリン酸(400.0g)に対し2.5/3当量の三塩化リン(218.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(58.2g)を除去し、反応溶液(558.6g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.08重量%、無機リン化合物のリン含有量は3.00重量%であった。
【0054】
その後、40℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力665Paで3時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするラウリン酸クロライド(542.1g)を得た。得られたラウリン酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.20重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.17重量%であった。
【0055】
(比較例3:パーム核脂肪酸クロライド)
パーム核脂肪酸(400.0g)に対し1.5/3当量の三塩化リン(130.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(57.0g)を除去し、パーム核脂肪酸クロライド(472.5g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.0重量%であった。
【0056】
その後、60℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力200×10
2Paで25時間処理し、未反応の三塩化リンを除去しパーム核脂肪酸クロライド(445.8g)得た。得られたパーム核脂肪酸クロライドについて、有機リン化合物のリン含有量は0.15重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.02重量%であった。
【0057】
(比較例4:ヤシ油脂肪酸クロライド)
ヤシ油脂肪酸(240.0g)に対し0.9/3当量の三塩化リン(130.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(34.1g)を除去し、ヤシ油脂肪酸クロライド(335.2g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量はN.D.(0.01重量%未満)、無機リン化合物のリン含有量は0.4重量%であった。
【0058】
その後、30℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力665Paで2時間処理し、未反応の三塩化リンを除去した。得られたヤシ油脂肪酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物の含有量は0.10重量%であった。
【0059】
(比較例5:ラウリン酸クロライド)
ラウリン酸(400g)に対し1.5/3当量の三塩化リン(130.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(56.9g)を除去して474.6gのラウリン酸クロライドを得た。得られたラウリン酸クロライドについて、有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.00重量%であった。
【0060】
(比較例6:ステアリン酸クロライド)
ステアリン酸(435.0g)に対し2.0/3当量の三塩化リン(130.7g)を60〜65℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(44.7g)を除去して反応溶液(521.0g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.05重量%、無機リン化合物のリン含有量は1.8重量%であった。
【0061】
その後、80℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力266.6×10Paで1.5時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的のステアリン酸クロライド(446.2g)を得た。得られたステアリン酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.07重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.02重量%であった。
【0062】
(比較例7:ヤシ油脂肪酸クロライド)
ヤシ油脂肪酸に対し1.5/3当量(400.0g)の三塩化リン(130.0g)を50〜60℃で滴下しクロル化反応を行った。2時間の静置分層後、下層の亜リン酸(57.0g)を除去し、反応溶液(472.6g)を得た。亜リン酸除去後の反応溶液の有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.90重量%であった。
【0063】
その後、70℃、窒素流量3.0×10
−3m
3/kg・hr、圧力133.3×10
−1Paで1時間処理し、未反応の三塩化リンを除去して目的とするヤシ油脂肪酸クロライド(452.6g)を得た。得られたヤシ油脂肪酸クロライドの有機リン化合物のリン含有量は0.02重量%、無機リン化合物のリン含有量は0.01重量%であった。
【0064】
(比較例8−14)
比較例1の蒸留ヤシ脂肪酸クロライドにホスホン酸(特級、和光純薬工業製)およびドデシルリン酸(和光純薬工業製)を添加し、無機リン化合物および有機リン化合物のリン含有量を測定した。
【0065】
(脂肪酸クロライドのにごりの評価)
得られた各脂肪酸クロライドの溶液100mlガラス製サンプル瓶にいれ、25℃で外観を観察し、以下の基準で評価した。
◎: 透明
○: わずかなにごりあり
△: にごりあり
×: 沈殿あり
【0066】
(脂肪酸クロライドの色相の評価(経時安定性))
得られた各脂肪酸クロライドを100mlガラス製サンプル瓶に蓋をして、25℃、1ヶ月保存したときの、25℃における色相の変化(ΔAPHA)を評価した。
ΔAPHA=(経時安定性試験後のAPHAの値)−(経時安定性試験前のAPHAの値)
◎: ΔAPHAが0〜29
○: ΔAPHAが30〜59
△: ΔAPHAが60〜89
×: ΔAPHAが90以上
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
表1〜2の実施例においては、脂肪酸クロライドのにごりが少なく、経時による色相変化が抑制されている。
【0073】
表3の比較例1は、脂肪酸クロライドから蒸留器によってリン化合物を蒸発させたものであり、無機リン化合物のリン含有量、有機リン化合物のリン含有量が少なく、経時による色相変化が大きい。
比較例2では、三塩化リンの当量が多く、有機リン化合物のリン含有量が多く、にごりがある。
比較例3では、工程2での圧力が高く、無機リン化合物のリン含有量が少なく、有機リン化合物のリン含有量が多く、経時による色相変化が大きい。
比較例4では、三塩化リンの当量が少なく、有機リン化合物のリン含有量が少なく、経時による色相変化が大きい。
【0074】
表4の比較例5では、工程2を行っておらず、無機リン化合物のリン含有量が多く、有機リン化合物のリン含有量が少なく、沈殿物がある。
比較例6では、工程2における温度が高く、無機リン化合物のリン含有量が少なく、経時による色相変化が大きい。
比較例7では、工程2における温度が高く、無機リン化合物のリン含有量、有機リンの化合物のリン含有量が少なく、経時による色相変化が大きい。
【0075】
表5の比較例8〜14は、リンを蒸留によって除去した比較例1の脂肪酸クロライドに対して、無機リン化合物、有機リン化合物を外部から添加することによって、無機リン化合物のリン含有量、有機リン化合物のリン含有量を調整したものである。
そして、比較例8〜10では、有機リン化合物のリン含有量が少なく、経時による色相変化が大きい。
比較例11〜13では、無機リン化合物のリン含有量が少なく、経時による色相変化が大きい。
比較例14では、無機リン化合物のリン含有量、有機リン化合物のリン含有量ともに本発明実施例と変わらないが、しかし経時による色相変化が大きい。