(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0012】
<<第1実施形態>>
図1は、本発明の第1実施形態に係る景品取得ゲーム装置10の外観斜視図である。
【0013】
景品取得ゲーム装置10は、収容空間12に収容されたぬいぐるみ等の景品14を景品取得部16により取得して収容空間12の下方に設けられた落下空間18に落下させることで、プレイヤに景品14を獲得させるゲームを実現するものである。以下、景品取得ゲーム装置10を、単に「装置10」と略す。
【0014】
装置10は、例えば直方体の筐体20を備えている。筐体20は、基台22と、収容体24とを含んで構成される。
【0015】
まず、収容体24について説明する。収容体24は、基台22の上に設けられている。収容体24は、天井面24Aと、側面24Bと、床面24Cとを含んで構成され、これらに囲まれた内部に収容空間12を形成している。この収容空間12には、上述したように景品14が収容されている他、ボール14A等の他の物品が収容されていてもよい。
【0016】
天井面24Aの内側には、景品14を把持する景品取得部16が吊り下げられている。景品取得部16は、レールやモータ等で構成された図示しない移動部により、例えば図中X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能とされている。この景品取得部16は、内部上面から鉛直方向(Z軸方向)に吊り下げられた伸縮パイプからなる支持部16Aと、その下端に設けられた把持部16Bとを含む。把持部16Bには、景品14を把持するための複数の把持爪16Cが設けられている。第1実施形態では、把持爪16Cの数は3本に設計されている。
【0017】
側面24Bのうち正面及び横面は、収容体24の内部に収容された景品14等をプレイヤが目視することができるように、透明な樹脂またはガラスの板状部材から形成されている。特に、収容体24の正面は、第1開閉部材(開閉部の一部)としての、一又は複数の開閉扉26で構成されている。第1実施形態では、開閉扉26は、スライド自在な2枚の開閉扉26A,26Bを含む。開閉扉26A,26Bは、開閉可能に収容体24に設けられている。これらの開閉扉26A,26Bには、引手26Cがそれぞれ設けられている。本実施形態では、開閉扉26A,26Bは、管理者が引手26Cを把持してスライドすることにより開閉可能となっている。この開閉扉26A,26Bが開状態にされることによって、内部の収容空間12が露出し、且つ、収容空間12と連通する開口12Aが形成される(
図7(B)参照。)。
【0018】
また、側面24Bのうち背面は、鏡面状の板状部材や装飾が施された板状部材により形成されている。横面或いは背面の内側には、図示しないが、景品14等を載置するための棚を支持する支持部が一つ以上設けられてもよい。なお、第1実施形態において「正面」とは、基台22において後述の操作部46が設けられている側の面であることを意味する。
【0019】
床面24Cは、景品14を載置する景品載置台として機能する。床面24Cの手前側の一方の隅部には、景品14が落下する落下空間18が形成されている。
【0020】
落下空間18の上面視は、例えば四角形状とされている。そして、四角形状の2辺は、床面24Cにより形成されている。床面24Cにおいて落下空間18と接する2辺には、第1衝立30と第2衝立32が設けられている。また、落下空間18を除く床面24Cの手前側にも、第3衝立34が設けられている。これら第1衝立30と、第2衝立32と、第3衝立34の全体の上面視の形状は、例えばクランク状とされている。
【0021】
具体的には、第1衝立30は、落下空間18の奥行き側に設けられ、対向する落下空間18の1辺に対して略平行に配置されている。第3衝立34は、第1衝立30に対して筐体幅方向(Y軸方向)にずらした状態で略平行に配置されている。第2衝立32は、第1衝立30と第3衝立34との間に配置され、上面視がクランク状とされている。この第2衝立32は、第1板部32Aと、第2板部32Bと、第3板部32Cと、第4板部32Dとを備える。
【0022】
上述した第2衝立32の構成のうち、第1板部32Aと、第2板部32Bと、第3板部32Cとでクランク状が形成される。第1板部32Aは、筐体幅方向に延在し、第1衝立30に対して略平行に対向する。第2板部32Bは、筐体手前奥方向(X軸方向)に延在し、第1板部32Aの端部と第3板部32Cの端部とを接続する。第3板部32Cは、筐体幅方向において第1板部32Aと反対方向に延在し、第3衝立34に対して略平行に対向する。第4板部32Dは、第2板部32Bの下端部から筐体幅方向において第3板部32C側に延在し、且つ、第3板部32Cの下端部に接続されている。第4板部32Dは、床面24Cの下に配置されている(隠れている)。
【0023】
このような第2衝立32は、筐体幅方向(図中矢印D1方向)に対して手動で(或いは自動で)、スライド可能に構成されている。このスライドの動作の詳細は後に詳述する。
【0024】
また、第1衝立30が設けられた床面24Cの下方には、落下空間18の奥行き側を形成し、落下空間18の奥行き長さを規制する規制部36が設けられている。この規制部36は、景品14が乗らないように、上面が斜めとされた斜面体となっている。規制部36は、手前奥方向(例えば
図2中矢印D2方向参照。)に手動で(或いは自動で)移動可能であり、落下空間18の奥行き長さを変更することができる。なお、規制部36の内部には、景品14等の物品を収容可能な空間が設けられてもよい。このような規制部36は、例えば景品14の大きさなどによって移動される。例えば景品14が大きい場合には、これに合わせて、規制部36が奥行き側に移動され、落下空間18の奥行き長さが大きくされる。この場合は、落下空間18から床面24Cに手が届く可能性があるので、後述するフラップ54が開かないように固定する。そして、落下空間18に落下した景品14をユーザが獲得する場合には、店員(管理者等)を呼ぶ運営とする。また、景品14が小さい場合には、これに合わせて、規制部36が手前側に移動され、落下空間18の奥行き長さが小さくされる。これにより、後述する景品回収口52から落下空間18を介して床面24Cに手が届く可能性を低くし、景品14の盗難を防止する。
【0026】
基台22は、上述した落下空間18を形成している。基台22は、例えば、制御部40と、投入ボックス42と、表示部44と、操作部46と、施錠部48と、第2開閉部材(開閉部の一部)としての開閉板50等を備えている。
【0027】
制御部40は、景品取得部16や表示部44等の装置10の各構成に接続され、これら各構成を制御する。第1実施形態では、制御部40は、正面と横面の間の隅部等に設けられた開閉扉26の開閉を検知するセンサ27に接続されている。そして、制御部40は、当該センサ27から、開閉扉26(開閉扉26A及び開閉扉26Bの少なくとも何れか一つ)の開状態を示す検知信号を受信した場合、景品取得部16の自動的な移動を禁止する制御を行う。これにより、開閉扉26を開けた管理者に景品取得部16が接触することを抑制することができる。なお、制御部40により、景品取得部16を物理的にロックして景品取得部16の手動による移動も禁止してもよいが、第1実施形態では、手動による移動は行うことができるようになっている。
【0028】
投入ボックス42には、ゲームを開始するための遊戯媒体が投入される。この投入ボックス42は、基台22において開閉板50以外の個所に設けられている。投入ボックス42は、遊技媒体を投入する投入口42Aの他、図示しないものの、投入された遊技媒体を収蔵する内部空間と、これらの投入口42Aと内部空間とを接続し、投入口42Aから投入された遊技媒体を内部空間に案内するコインシュータと、を備える。なお、遊技媒体としては、硬貨が一般的であるが、紙幣や、硬貨又は紙幣から交換されたカードやボール等であってもよい。
【0029】
表示部44は、例えばタッチパネルにより構成され、例えば装置10の設定情報等、各種情報を表示するものである。
【0030】
操作部46は、景品14の取得に係る操作部であって、例えば景品取得部16に対するプレイヤの移動操作等を入力する。なお、操作部46は、基台22において開閉板50以外の個所に設けられている。
【0031】
施錠部48は、開閉扉26を図示しない鍵により施錠するものである。施錠部48は、基台22の外側表面に設けられている。第1実施形態では、基台22において、開閉扉26Aの施錠用と、開閉扉26Bの施錠用とで、2箇所に設けられている。
【0032】
開閉板50は、開閉可能に基台22に設けられている。この「開閉」の方法は、特に限定されないが、例えば回動や、スライド、折り畳み、脱着等が挙げられる。第1実施形態では、開閉板50は、筐体幅方向における一端部(例えば図中紙面左側端部)を軸として手前側に回動されることで閉状態から開状態にされる。
【0033】
開閉板50の例えば中央部には、落下空間18と連通する景品回収口52が形成されている。この景品回収口52を覆う覆い部材として、開閉板50の裏面には、フラップ54が取り付けられている。
【0034】
図2は、
図1に示す装置10のA−A矢視断面図である。
【0035】
図2に示すように、板状のフラップ54は、上端部を軸として奥行き方向(矢印D3方向)に回動可能(下端部の前後移動可能)に構成されている。このフラッパ54の回動の結果、落下空間18が露出される。
【0036】
この落下空間18と対向(隣接)する基台22の内面22Aには、フラップ54の回動を所定位置で止めるストッパ62が脱着可能に取り付けられている。
図2中のストッパ62の取り付け位置62Aでは、フラップ54はストッパ62により回動ができない状態とされている。しかしながら、このストッパ62は、一旦取り外された後、内面22Aの他の位置、例えば
図2中の取り付け位置62Bに取り付けることも可能となっている。これにより、フラップ54の回動可能量を変更することができる。
【0037】
また、内面22Aには、基台22に形成された内部空間(ストック部60A)を覆う回動蓋60が設けられている。回動蓋60は、落下空間18側(矢印D4方向)に回動可能に構成されている。この回動蓋60の回動の結果、ストック部60Aが露出される。なお、この内部空間には、景品14等の物品を収容することが可能となっている。
【0038】
次に、上述した開閉扉26について詳述する。開閉扉26は、
図2及び
図3に示すように、吊り下げ式とされている。
【0039】
図3(A)は、
図2に示す開閉扉26の上端領域A1の拡大図である。
図3(B)は、
図2に示す開閉扉26の下端領域A2の拡大図である。
【0040】
図3(A)に示すように、開閉扉26Aの上端部には、開閉扉26Aを収容体24に接続するための接続板70が取り付けられている。この接続板70は、開閉扉26Aの上端部より上方まで延在している。そして、接続板70の上端部には、ローラ72が回転可能に取り付けられている。一方、収容体24の天井面24Aの正面側には、開閉扉26をスライド可能に吊り下げる吊り下げ部74が設けられている。吊り下げ部74の下端部には、筐体幅方向に渡って形成された第1レール部74Aが形成されている。この第1レール部74Aには、上述した接続板70のローラ72が回転可能に引っ掛けられる。これより、開閉扉26Aが天井面24Aに吊り下げられる。開閉扉26Bの構成も上記同様であり、天井面24Aに吊り下げられる。
【0041】
図3(B)に示すように、基台22の上端部(開閉板50の上端部を含む)には、筐体幅方向に渡って、略コ字状の第2レール部76が設けられている。開閉扉26Aの下端部は、第2レール部76に挟まれた状態で、且つ、第2レール部76、すなわち基台22から宙に浮いた状態とされている。ここで、第1実施形態では、上述したように基台22に開閉板50を設けたことにより基台22の上端部が従来の景品取得ゲーム装置のように一体に形成されることができないため、わずかに段差56(
図1参照)が形成されるが、開閉扉26Aの下端部が基台22から宙に浮いた状態とされていることから、宙に浮いた状態とされていない場合に比べて、段差56を気にすることなく、開閉扉26Aを容易にスライドすることができる。
【0042】
図4は、開閉板50の裏面側の斜視図である。
【0043】
開閉板50の裏面(内側)には、操作部材としての操作レバー80と、ロック部82と、を備える。
【0044】
操作レバー80は、例えば、開閉板50の裏面の上部に配置されている。操作レバー80は、後述するロック部82のロック及びロック解除を操作するためのものである。操作レバー80は、上下に移動可能に構成されている。また、操作レバー80は、開閉板50を開閉する際に、管理者が把持可能に構成されている。
【0045】
ロック部82は、開閉板50の閉状態のロック及びロック解除が可能に構成されている。このロック部82は、操作レバー80に接続され、操作レバー80の動作に連動して上下に移動する。例えば、操作レバー80が上に移動すると、ロック部82のロックは解除され、操作レバー80が下に移動すると、ロック部82により開閉板50の閉状態のロックが行われる。
【0046】
図5は、基台22に取り付けた状態での開閉板50の縦断面図である。
【0047】
ロック部82は、側面視が逆L字状とされている。このロック部82の先端部(下端部)には、ロック部82に対して回転可能なローラ84が設けられている。このローラ84が設けられた先端部は、基台22に設けられたストッパ86と対向することにより、開閉板50の閉状態をロックしている。ストッパ86は、例えば断面視が略三角形状とされ、上面が手前側に向かって下る斜面86Aを有している。
【0048】
図6(A)〜(C)は、ロック部82による開閉板50の閉状態のロックを管理者が解除するまでの流れを説明するための図である。
【0049】
まず、
図6(A)に示すように、開閉板50が閉状態のときは、上述したように、ロック部82の先端部がストッパ86に対向しているため、操作レバー80の操作がないと、管理者が開閉板50を開こうとしても、ロック部82の先端部がストッパ86に当たり、すなわち、ストッパ86が障壁となる。これにより、開閉板50の閉状態がロックされている。
【0050】
次に、
図6(B)に示すように、管理者が操作レバー80を把持し、上に持ち上げると、これに連動してロック部82が持ち上がる。これにより、ロック部82の先端部の手前側にストッパ86という障壁がなくなり、開閉板50の閉状態のロックが解除される。
【0051】
次に、
図6(C)に示すように、管理者が、開閉板50を手前側に開く。なお、開閉板50を閉める際は、ローラ84が斜面86Aを登ることでロック部82が上に押し上げられるため、管理者の手で操作レバー80を上げる必要がない。
【0052】
図7(A)〜(C)は、管理者が、開閉扉26Aと開閉板50を開くまでの流れを説明するための図である。
【0053】
まず、
図7(A)に示すように、開閉部材としての開閉扉26と開閉板50が全て閉まっている状態を想定する。この状態から、管理者は、鍵を施錠部48に差し込み、開閉扉26Aの施錠を解除する。
【0054】
次に、
図7(B)に示すように、開閉扉26Aを開閉扉26B側にスライドすることで、開閉扉26Aを開く。これにより、収容空間12と連通する開口12Aが形成される。
【0055】
次に、
図7(C)に示すように、開閉板50を開く。なお、この開く手順は、
図6において説明した通りである。これにより、落下空間18と連通する開口18Aが形成される。この結果、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。
【0056】
以上、第1実施形態によれば、
図7(A)〜(C)に示すように、管理者が開閉部(開閉扉26と開閉板50)を閉状態から開状態にすることで、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。この開口90は、収容空間12と落下空間18に跨っているので、開閉扉26を開状態にすることで収容空間12のみと連通する開口12Aが形成される場合に比べて大きなサイズとなる。したがって、メンテナンスを行う際は、この形成された開口90から、筐体20の内部、すなわち収容空間12及び落下空間18を含む内部空間(収容空間12及び落下空間18の連続した空間)に胴体ごと管理者が入ることができるようになる。このように、管理者が内部に入ることができれば、筐体奥行き側等に手が届き易くなり、管理者の作業負担を軽減することができる。特に、筐体20が大型化すれば、筐体奥行きも長くなるので、胴体ごと管理者が入ることができるというメリットは一層増すことになる。
【0057】
次に、第2衝立32のスライド動作について説明する。
【0058】
図8(A)は、天井面24Aを除く収容体24の上面図であって、第2衝立32のスライド後の状態を示す状態図である。
図8(B)は、天井面24Aを除く収容体24の上面図であって、第2衝立32のスライド前の状態を示す状態図である。
【0059】
管理者は、
図8(A)に示す状態において、第2衝立32を、図中矢印D1方向にスライド移動させる。これにより、第2衝立32の第4板部32Dが床面24Cの下から表に出て行き、第2衝立32は、
図8(B)に示す状態となる。この露出した第4板部32Dを床面24Cの一部として用いることで、床面24Cを広げることができる。
【0060】
ここで、第2衝立32はその上面視がクランク状とされているため、第2板部32Bや第4板部32Dのスライドと共に、第1板部32Aと第3板部32Cも一緒にスライドする。これら第1板部32Aや第3板部32Cが無いとスライドの際に、第1衝立30と第2衝立32の間或いは第3衝立34と第2衝立32の間等に落下空間18に繋がる隙間が形成されるが、第1実施形態では、第1板部32Aや第3板部32Cを設けることで、当該隙間の形成を抑制することができる。この隙間が抑制できれば、景品14やボール14Aを床面24Cに敷き詰めたような運営をしているときに、第2衝立32をスライドさせても、景品14やボール14A等が隙間を介して落下空間18に落下することを抑制することができる。
【0061】
また、一般に景品取得ゲーム装置10は複数の装置10を横並びに配置することや、2つの装置10同士の背面を合わせて配置することが多い。ここで、第1実施形態では、開閉部(開閉扉26と開閉板50)は、筐体20の正面に設けられているので、複数の装置10を横に並べても、管理者がメンテナンスの度に装置10を移動させることなく開閉部を開閉することができる。
【0062】
また、開閉部は、収容体24に設けられた開閉扉26と基台22に設けられた開閉板50とを含むので、開閉板50を閉めた状態で開閉扉26を開けることができる。これにより、管理者は、簡単なメンテナンスであれば、開閉扉26のみを開けて作業することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、開閉板50には、落下空間18に落下した景品14をプレイヤが回収するための景品回収口52を覆うフラップ54が取り付けられているので、基台22において可動部分を一つの場所にまとめることができる。
【0064】
また、第1実施形態では、開閉扉26は、筐体20に吊り下げられている。これにより、上述したような、開閉板50の構造上の理由により形成されてしまう段差56(
図1参照)を気にすることなく、開閉扉26Aを容易にスライドすることができる。
【0065】
また、第1実施形態では、筐体20の外側に、開閉扉26を施錠するための施錠部48が設けられ、開閉板50の内側には、開閉板50の閉状態のロック及びロック解除が可能なロック部82と、ロック部82のロック解除を操作する操作レバー80が設けられている。これにより、ロック部82のロック解除を操作するためには、まず、施錠部48に鍵を挿入することで開閉扉26の施錠を外した後、開閉扉26を開いてできる開口12Aから、開閉板50の内側に管理者の手を入れることになる(
図6及び
図7参照)。したがって、一つの施錠部48でセキュリティを確保することができる。なお、操作レバー80は、ロック部82とは別に設けたが、ロック部82に操作レバー80と同様にロックを解除する操作部材(押しボタン等)が設けられてもよい。
【0066】
また、第1実施形態では、操作部46が、基台22において開閉板50以外の個所に設けられているので、開閉板50を開けて管理者が筐体内部に入る際に、操作部46と制御部40とを接続するバス等の電気系統が邪魔となることを防止することができる。
【0067】
また、第1実施形態では、投入ボックス42が、基台22において開閉板50以外の個所に設けられているので、開閉板50を開けて管理者が筐体内部に入る際に、投入ボックス42が邪魔となることを防止することができる。
【0068】
また、第1実施形態では、筐体20の内部には、落下空間18と隣接し、物品を収容するストック部60Aが設けられているので、複数の装置10を横に並べても、筐体内部(落下空間18)からストック部60Aにアクセスすることができる。
【0069】
<<第2実施形態>>
次に、本発明の第2実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。
【0070】
第2実施形態に係る景品取得ゲーム装置では、第1実施形態に係る装置10に、景品取得部16の把持部16Bにおける3本の把持爪16Cの把持力を個別に設定する機能が新たに追加されている。
【0071】
図9は、
図1に示す制御部40及びその周辺の構成の一例を示すブロック図である。
【0072】
図9に示すように、制御部40は、CPU(Central Processing Unit)102と、RAM(Random Access Memory)104と、ROM(Read only Memory)106と、ドライブ装置108と、ネットワークI/F(Interface)部110と、を有する。これら各構成は、バスを介して相互にデータ送受信可能に接続されている。また、各構成は、当該バスを介して、景品取得部16、センサ27、表示部44、操作部46等にもデータ送受信可能に接続されている。
【0073】
CPU102は、操作部46からの入力に基づく景品取得部16の制御や、設定情報の制御、データの演算、加工を行う制御部である。また、CPU102は、RAM104又はROM106に記憶された制御プログラム(設定プログラム)を実行する演算装置である。
【0074】
RAM104は、例えば主記憶部などである。RAM104は、CPU102が実行する基本ソフトウェアであるOS(Operating System)やアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータ、装置10の設定情報を記憶又は一時保存する記憶装置である。
【0075】
ROM106は、例えば制御プログラムに関連するデータを記憶する記憶装置である。
【0076】
ドライブ装置108は、記録媒体116、例えばCD−ROMやSDカードなどからプログラムやデータ等を読み出し、記憶装置にインストールしたり保存したりする。
【0077】
また、記録媒体116は、所定のプログラムを格納し、この記録媒体116に格納されたプログラムは、ドライブ装置108を介して装置10にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、装置10により実行可能となる。記録媒体116は、所定のデータを格納し、この記録媒体116に格納されたデータはドライブ装置108を介して景品取得ゲーム装置に保存される。
【0078】
ネットワークI/F部110は、ネットワークを介して接続される他の機器とのインタフェースである。
【0079】
図10は、設定プログラムに従ってCPU102が実行する処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、表示部44に表示されるメニュー画面において、把持力設定ボタンが押下されたことに応答して実行される。
【0080】
(ステップSP10)
CPU102は、把持力設定画面を表示部44に表示する。
図11は、把持力設定画面の一例を示す図である。
図11に示す把持力設定画面120は、方向指定領域122と、パワー指定領域124とに分かれている。
【0081】
方向指定領域122は、把持力を最も掛ける方向(或いは位置)を管理者等が指定するための領域である。この方向指定領域122は、例えば円形状とされている。この方向指定領域122の円周において、3本の把持爪16Cのうち1本目の把持爪を示すアイコン122Aと、2本目の把持爪を示すアイコン122Bと、3本目の把持爪を示すアイコン122Cと、が実際の把持爪16Cの配置関係を表すように設けられている。一方で、パワー指定領域124は、方向指定領域122において指定された方向におけるパワー(把持力)を設定するための領域である。このパワー指定領域124は、例えば逆三角形状とされており、紙面上側に配置された底辺がパワー最大に対応し、紙面下側に配置された頂点がパワー最弱に対応する。このような把持力設定画面120において、管理者は、どの方向にどのくらいのパワーで動かしたいかを方向指定領域122とパワー指定領域124にそれぞれタッチすることで指定する。
【0082】
CPU102は、上述したような把持力設定画面120の表示後、次のステップSP12の処理に進む。
【0083】
(ステップSP12)
CPU102は、管理者等により、方向指定領域122において任意の点と、方向指定領域122において任意の点のタッチがあるか否か、すなわち方向指定とパワー指定があるか否かを判定する。CPU102は、肯定判定した場合にはステップSP14の処理に進み、否定判定した場合にはステップSP12の処理に戻る。
【0084】
(ステップSP14)
CPU102は、方向指定された方向とパワー指定されたパワーに基づき、3本の把持爪16Cそれぞれの把持力を算出する。例えば、
図11に示すように、1本目の把持爪と3本目の間の右斜め上方向と、パワー最大がタッチされて指定されると、CPU102は、2本目の把持爪の把持力をパワー指定されたパワー(例えば100%)とし、1本目と3本目の把持爪の把持力をそれぞれ例えば80%と算出する。そして、CPU102は、次のステップSP16の処理に進む。
【0085】
(ステップSP16)
CPU102は、算出した3本の把持爪16Cそれぞれの把持力をRAM104等の記憶装置に記憶することで設定する。
【0086】
以上、第2実施形態によれば、管理者は、どの方向にどのくらいのパワーで動かしたいかを指定するだけで、3本の把持爪16Cの把持力を簡単に設定することができる。ここで、把持爪16Cが2本の場合は、一方の把持爪のパワーを強くすれば、他方の把持爪側に景品14が動き易くなることが管理者にとって直感的に理解ができる。したがって、この場合は、上記のような把持力設定画面120が無くても、把持力の算出は容易である。しかしながら、把持爪16Cが3本以上になると、把持力と景品14の動きの関係が複雑となり、直感的に個々の把持力の算出を行うことが難しくなる。そこで、上記のような把持力設定画面120を用意すれば、個々の把持力を自ら算出することなく設定することができる。
【0087】
<<第3実施形態>>
次に、本発明の第3実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。
【0088】
第3実施形態に係る景品取得ゲーム装置では、開閉板が無い点で、第1実施形態に係る装置10と異なる。
【0089】
図12(A)は、本発明の第3実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
図12(B)は、
図12(A)に示す閉状態の開閉扉を開状態とした場合の、景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
【0090】
図12(A)に示す第3実施形態に係る景品取得ゲーム装置10Aでは、開閉板50が無い代わりに、開閉扉26Aが開閉扉26AAに変更されている。開閉扉26AAは、収容空間12及び落下空間18を覆うように、筐体20の正面において、収容体24の上端部から基台22の下端部に渡って開閉可能に設けられている。このような開閉扉26AAは、例えば図中左端部を軸として手前側に回動することで、開状態とすることができる(
図12(B)参照。)。これにより、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。なお、その他の構成については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0091】
以上、第3実施形態によれば、第1実施形態に記載の効果と同様の効果を奏する他、第1実施形態に比べて開閉扉26AAを開くだけで、収容空間12及び落下空間18を含む内部空間に管理者が入ることができるという効果を奏する。
【0092】
<<第4実施形態>>
次に、本発明の第4実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。
【0093】
第4実施形態に係る景品取得ゲーム装置では、開閉板の代わりにフラップを開閉する点で、第1実施形態に係る装置10と異なる。
【0094】
図13(A)は、本発明の第4実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
図13(B)は、
図13(A)に示す閉状態の開閉扉及びフラップをそれぞれ開状態とした場合の、景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
【0095】
図13(A)に示す第4実施形態に係る景品取得ゲーム装置10Bでは、開閉板50の代わりに固定板50Aが基台22に固定されている。固定板50Aの正面形状は、例えば略コ字状とされている。固定板50Aの内側には、フラップ54Aが露出している。フラップ54Aは、開閉可能に固定板50Aの裏面に取り付けられている。このようなフラップ54Aは、固定板50Aから取り外することで、開状態とすることができる(
図13(B)参照。)。これにより、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。なお、その他の構成については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0096】
以上、第4実施形態によれば、第1実施形態に記載の効果と同様の効果を奏する他、固定板50Aを基台22の他の部分と一体に形成することができる。
【0097】
<<第5実施形態>>
次に、本発明の第5実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。
【0098】
第5実施形態に係る景品取得ゲーム装置では、背面が開閉扉となっている点で、第1実施形態に係る装置10と異なる。
【0099】
図14(A)は、本発明の第5実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
図14(B)は、
図14(A)に示す閉状態の開閉扉を開状態とした場合の、景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
【0100】
図14(A)に示す第5実施形態に係る景品取得ゲーム装置10Cでは、側面24Bのうち背面が2つの開閉扉130で構成されている。開閉扉130は、収容空間12及び落下空間18を覆うように、筐体20の背面において、収容体24の上端部から基台22の下端部に渡って開閉可能に設けられている。このような開閉扉130は、例えば図中左端部を軸として手前側に回動することで、開状態とすることができる(
図14(B)参照。)。これにより、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。なお、その他の構成については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0101】
以上、第5実施形態によれば、第1実施形態に記載の効果と同様の効果を奏する他、第1実施形態に比べて開閉扉130を開くだけで、収容空間12及び落下空間18を含む内部空間に管理者が入ることができるという効果を奏する。なお、背面に形成される開口90から入るためには、ラック132等が邪魔となる場合があるが、この場合、邪魔となるものを取り外し可能に筐体20に取り付けておけばよい。
【0102】
<<第6実施形態>>
次に、本発明の第6実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。
【0103】
第6実施形態に係る景品取得ゲーム装置では、背面が開閉扉となっている点で、第1実施形態に係る装置10と異なる。
【0104】
図14(A)は、本発明の第6実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
図14(B)は、
図14(A)に示す閉状態の開閉扉を開状態とした場合の、景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
【0105】
図14(A)に示す第5実施形態に係る景品取得ゲーム装置10Cでは、側面24Bのうち背面が2つの開閉扉130で構成されている。開閉扉130は、収容空間12及び落下空間18を覆うように、筐体20の背面において、収容体24の上端部から基台22の下端部に渡って開閉可能に設けられている。このような開閉扉130は、例えば図中左端部を軸として手前側に回動することで、開状態とすることができる(
図14(B)参照。)。これにより、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。なお、その他の構成については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0106】
以上、第5実施形態によれば、第1実施形態に記載の効果と同様の効果を奏する他、第1実施形態に比べて開閉扉130を開くだけで、収容空間12及び落下空間18を含む内部空間に管理者が入ることができるという効果を奏する。なお、背面に形成される開口90から入るためには、ラック132等が邪魔となる場合があるが、この場合、邪魔となるものを取り外し可能に筐体20に取り付けておけばよい。
【0107】
<<第7実施形態>>
次に、本発明の第7実施形態に係る景品取得ゲーム装置について説明する。
【0108】
第7実施形態に係る景品取得ゲーム装置では、側面が開閉扉となっている点で、第1実施形態に係る装置10と異なる。
【0109】
図15(A)は、本発明の第7実施形態に係る景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
図15(B)は、
図15(A)に示す閉状態の開閉扉を開状態とした場合の、景品取得ゲーム装置の外観斜視図である。
【0110】
図15(A)に示す第7実施形態に係る景品取得ゲーム装置10Cでは、側面24Bのうち横面の一部が、開閉扉140で構成されている。開閉扉140は、収容空間12及び落下空間18を覆うように、筐体20の横面において、収容体24の上端部から基台22の下端部に渡って開閉可能に設けられている。このような開閉扉140は、例えば取り外すことで、開状態とすることができる(
図14(B)参照。)。これにより、収容空間12と落下空間18に跨り且つ連通する開口90が形成される。なお、その他の構成については、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。また、開閉扉140は、回動することで、開状態としてもよい。
【0111】
以上、第7実施形態によれば、第1実施形態に記載の効果と同様の効果を奏する他、第1実施形態に比べて開閉扉132を開くだけで、収容空間12及び落下空間18を含む内部空間に管理者が入ることができるという効果を奏する。
【0112】
<<変形例>>
なお、本発明は上記の複数の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0113】
例えば、第2実施形態では、表示部44に表示される把持力設定画面の一例として、
図11に示す把持力設定画面120について説明したが、例えば
図16に示すような把持力設定画面120Aが表示されてもよい。この把持力設定画面120Aでは、第2実施形態と異なり、方向指定領域とパワー指定領域が一緒の領域とされた指定領域126が設けられている。指定領域126において、中心点Oがパワー最弱に対応し、円周上がパワー最大に対応する。
【0114】
この指定領域126では、管理者は、任意の点を1回タッチすることで、方向指定とパワー指定の両方を指定することができる。例えば、
図16に示すように、把持力設定画面120Aにおいて、右斜め下方向で且つ中心点Oと円周の間がタッチされると、右斜め下方向と、パワー中程度が指定される。そして、CPU102は、1本目の把持爪の把持力を例えば50%、2本目の把持爪の把持力を35%、1本目の把持爪を10%と算出する。
【0115】
また、第1実施形態では、第2衝立32の上面視の形状はクランク状である場合を説明したが、例えばZ字状であっても、L字状であってもよい。
【0116】
また、第1実施形態では、開閉板50は、筐体幅方向における一端部を軸として手前側に回動する場合を説明したが、上述したようにこの場合に限られず、開閉板50の下端部を軸として手前側に回動してもよい。この場合、開閉板50を開いた状態では、開閉板50がスロープとして機能させることができる。また、開閉板50は、例えば上にスライドするようにしてもよい。この場合、開閉板50を上にスライドした後に、その状態で固定するためのロック機構を設けることで開閉板50を開いた状態を維持させることができる。また、開閉板50が取り外せるようにしてもよい。
【0117】
また、第2実施形態では、把持爪16Cの把持力の設定は手動で行われる場合を説明したが、自動的に設定されてもよい。また、ゲームの途中、例えば景品取得部16の移動中に自動的に、または事前の設定によって把持力が変更されてもよい。この場合、ゲーム時間の経過とともに、或いは、景品取得部16の移動エリア又は座標の変化とともに、把持力が変更されてもよい。
【0118】
また、上記各実施形態では、メンテナンスの際、開口90を形成した後、当該開口90から、筐体20の内部に胴体ごと管理者が入る場合を説明した。しかしながら、例えば、景品取得ゲーム装置10について、開閉扉26Aを開閉扉26B側にスライドさせずに、開閉板50だけを開けるような構成とすれば、当該開閉板50だけを開いて、開口18Aを形成し、当該開口18Aを管理者がくぐって筐体20の内部に入り込むようにしてもよい。