(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記評価ステップにおいて前記評価手段は、地域の法規及び周辺の地理的条件に基づいて、前記評価対象である土地に建設可能な建物の容積を算出し、算出された容積に応じて当該評価対象の価値を算定することを特徴とする請求項4又は5に記載の不動産評価方法。
前記評価手段は、地域の法規及び周辺の地理的条件に基づいて、前記評価対象である土地に建設可能な建物の容積を算出し、算出された容積に応じて当該評価対象の価値を算定することを特徴とする請求項7又は8に記載の不動産評価プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、不動産取引の現場では迅速に不動産評価を行わなければならない場合が多くあり、また、その不動産評価を行う時点では情報が十分に収集できないという事情もあり、取引を即決しなければならない状況下において正確な価値評価を行うには相当な熟練が必要とされる。特に、更地の状態や或いは既存建物を解体する前提で、その土地に建設可能なマンション等の建物を予測して、将来的な収益を概算するような価値評価をしなければならないときもあり、このようなときには、上述した特許文献1に開示されたシステムのように、既存の物件と周囲の物件の相場や価格動向と比較するのみでは、正確な価値評価ができないことも多い。
【0010】
そこで、本発明は、上記のような問題を解決するものであり、簡単な操作によって、迅速に不動産の価値評価を行える不動産評価システム、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、土地又は建物を含む不動産の価値を評価するシステムであって、
評価対象となる土地の境界線を決定して前記評価対象の平面的な大きさ及び形状を推定する平面情報推定手段と、
前記評価対象の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
位置情報と不動産価値との相関である不動産情報を蓄積した不動産情報蓄積手段と
、
前記平面情報推定手段による推定結果と、前記位置情報取得手段が取得した評価対象の位置情報とに基づいて、前記不動産情報蓄積手段を参照し、当該評価対象の価値を算定する評価手段と
、
評価対象となる土地の一部又は全部を撮影する撮像手段と
を備え、
前記評価手段による評価方法は、前記評価対象となっている物件の所在地に関して集積された物件情報を解析し、物件の広さ,駅からの距離,築年数のいずれかと、賃料との相関をプロットしたグラフから近似曲線を算出して価値を算定
し、
前記平面情報推定手段は、画像中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地の境界線を決定し、その決定された境界線で囲まれた閉じた形状を、前記土地を平面視した平面図に変換する画像解析部と、前記画像解析部が解析した境界線をユーザー操作に基づいて補正する補正部とを備え、
前記補正部は、前記閉じた形状の頂点部分をユーザー操作によって移動させることにより、前記閉じた形状を修正し、
前記平面情報推定手段は、前記撮像手段によって撮影された画像内に、形状及び大きさが既知の比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物及び評価対象の一部又は全部を抽出し、画像内における比較対象物及び前記評価対象との対比結果に基づいて、前記評価対象の平面的な大きさ及び形状を推定する
ことを特徴とする。
【0012】
他の発明は、土地又は建物を含む不動産の価値を評価する方法であって、
平面情報推定手段が、評価対象となる土地の境界線を決定して前記評価対象の平面的な大きさ及び形状を推定する平面情報推定ステップと、
位置情報取得手段が、前記評価対象の位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
位置情報と不動産価値との相関である不動産情報を不動産情報蓄積手段に蓄積する不動産情報蓄積ステップと、
前記平面情報推定ステップによる推定結果と、前記位置情報取得ステップで取得した評価対象の位置情報とに基づいて、評価手段が、前記不動産情報蓄積手段を参照し、前記評価対象の価値を算定する評価ステップと、
評価対象となる土地の一部又は全部を、撮像手段が撮影する撮像ステップと
を含み、
前記評価ステップにおける評価方法は、前記評価対象となっている物件の所在地に関して集積された物件情報を解析し、物件の広さ,駅からの距離,築年数のいずれかと、賃料との相関をプロットしたグラフから近似曲線を算出して価値を算定し、
前記平面情報推定ステップには、画像解析部が画像中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地の境界線を決定し、その決定された境界線で囲まれた閉じた形状を前記土地を平面視した平面図に変換するステップと、前記画像解析部が解析した境界線を、補正部がユーザー操作に基づいて補正する補正ステップとを含み、
前記補正ステップにおいて前記補正部は、前記閉じた形状の頂点部分をユーザー操作によって移動させることにより、前記閉じた形状を修正し、
前記
平面情報推定ステップにおいて、前記平面情報推定手段は、前記撮像手段によって撮影された画像内に、形状及び大きさが既知の比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物及び評価対象の一部又は全部を抽出し、画像内における比較対象物及び前記評価対象との対比結果に基づいて、前記評価対象の平面的な大きさ及び形状を推定する
ことを特徴とする。
【0013】
上記発明では、評価対象となる土地の一部又は全部を撮影する撮像手段をさらに備え、
前記平面情報推定手段は、
画像中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地の境界線を決定し、その決定された境界線で囲まれた閉じた形状を、前記土地を平面視した平面図に変換する画像解析部と、
前記画像解析部が解析した境界線をユーザー操作に基づいて補正する補正部と
をさらに備え、
前記補正部は、前記閉じた形状の頂点部分をユーザー操作によって移動させることにより、前記閉じた形状を修正することができる。
このような本発明によれば、評価対象となる土地を撮影し、その撮影した画像を解析してその土地の平面的な大きさや形状を推定するため、現地での簡単な操作で土地の面積からその土地の価格を迅速に算定することができる。なお、ここでの評価対象の撮影としては、評価対象となる土地の全貌が含まれるように一枚の画像として撮影するか、評価対象の部分を複数枚撮影して複数の画像を繋ぎ合わせてもよく、また、不足部分を予測して補完するような処理を施してもよい。
【0014】
また、ここでの画像解析としては、画像中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地の外縁となる境界線を決定し、その決定された土地の形状を平面的な上面図に変換するような処理が含まれる。この平面的な図に変換する処理としては、例えば、土地を俯瞰して撮影したときの俯角に基づく形状の歪みや、撮影レンズの特性に基づく遠近による形状の歪みを算出し、土地の境界線で囲まれた形状を、算出された歪みに基づいて変形したり縮小・拡大して、平面的な上面図に変換する処理などが挙げられる。
【0015】
上記発明において、前記平面情報推定手段は、前記撮像手段によって撮影された画像内に、形状及び大きさが既知の比較対象物が写っている場合に、当該画像内に写っている比較対象物及び評価対象の一部又は全部を抽出し、画像内における比較対象物及び前記評価対象との対比結果に基づいて、前記評価対象の平面的な大きさ及び形状を推定することが好ましい。この場合には、形状及び大きさが既知の比較対象物を、評価対象と比較可能に写し込むことによって、評価対象の平面的な大きさや形状の特定する際の精度を向上させることができる。
【0016】
なお、この比較対象物としては、形状及び大きさが既知の物であれば専用の物品である必要はなく、例えば、画像に写り込んだ壁のブロック面や、マンホール、周辺建物の窓などでもよい。また、この比較対象物の形状及び大きさは、撮影時に分かっている必要はなく、撮影後に測定したり、カタログ等から情報を入手したりして、追って入力するようにしてもよい。また、比較対象物として、専用の物品を用意する場合には、例えば正方形・長方形のプレートなどとすることができ、このプレート表面に、物品を認識しやすいように、QRコード(登録商標)やバーコードなどの目印となる図形や文字列を表記してもよい。このバーコードとしては、例えば、大きさや形状などの情報の他、使用者のIDなどの付加的な情報を含めてもよい。
【0017】
上記発明では、前記評価対象の位置情報を取得する位置情報取得手段と、位置情報と不動産価値との相関である不動産情報を蓄積した不動産情報蓄積手段とをさらに備えさせ、前記評価手段は、前記評価対象の位置情報に基づいて前記不動産情報蓄積手段を参照し、当該評価対象の価値を算定することが好ましい。この場合には、例えばスマートフォンに一般的に備えら得ているGPS(global positioning system)等から得られる現在位置に基づいて、評価対象の地図上の座標、住所を自動的に特定して、その位置情報に応じた評価対象の価値を算定することができる。
【0018】
上記発明において前記不動産情報には、前記評価対象の位置情報が属する地域に関連づけられた不動産価値が含まれており、前記評価手段は、前記評価対象の位置情報に基づいて前記不動産情報蓄積手段を参照し、前記評価対象の位置情報が属する地域に関連づけられた不動産価値を用いて、当該評価対象の価値を算定することが好ましい。この場合には、その地域や周辺地域に関する不動産情報を参照して、その地域の相場や最低価格、最高価格等を取得して、評価対象の価値を算定することができる。これにより、土地を撮影するのみで、その土地の面積と相場価格とから、価値評価することができる。
【0019】
また、上記発明において前記不動産情報には、前記評価対象の位置情報が属する地域の法規と、前記評価対象の周辺の地理的条件とが含まれており、前記評価手段は、前記評価対象の位置情報に基づいて前記不動産情報蓄積手段を参照し、前記評価対象の位置情報が属する地域の法規と、前記評価対象の周辺の地理的条件とを用いて、当該評価対象の価値を算定することが好ましい。この場合には、その地域の法規や地理的条件に応じて、その土地に建設可能な建物を予測することができ、土地の上に建設される建物を加味した不動産の価値評価を行うことができる。
【0020】
さらに、上記発明において前記評価手段は、前記地域の法規及び前記周辺の地理的条件に基づいて、前記評価対象である土地に建設可能な建物の構造を算出し、算出された構造に応じて当該評価対象の価値を算定することが好ましい。この場合には、マンションなどその土地に建設可能な建物の構造を予測し、その土地に建設可能な建物の構造に基づいて、マンションの販売利益や賃貸利益を推定することができ、将来建設される建物による収益をも予測することができる。これにより、より精度高く土地の価格評価を行うことができる。
【0021】
なお、上述した本発明に係る不動産評価システムや不動産評価方法は、所定の言語で記述された本発明の不動産評価プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。すなわち、本発明のプログラムを、携帯端末装置やスマートフォン、ウェアラブル端末、モバイルPCその他の情報処理端末、パーソナルコンピュータやサーバーコンピューター等の汎用コンピューターのICチップ、メモリ装置にインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有するシステムを構築して、不動産評価方法を実施することができる。
【0022】
また、本発明の不動産評価プログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、また、コンピューターで読み取り可能な記録媒体に記録することにより、スタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。この記録媒体として、具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD-ROMやDVD-ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、このプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステム及び方法を簡便に実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
以上述べたように、これらの発明によれば、評価対象となる土地を撮影するという簡単な操作によって、土地の平面的な形状や面積を自動的に取得することができ、この平面情報に基づいて迅速に不動産の価値評価を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(不動産評価システムの全体構成)
以下に添付図面を参照して、本発明に係る不動産評価システムの実施形態を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る不動産評価システムの全体構成を示す概念図である。本実施形態に係る不動産評価システム及び不動産評価方法は、ユーザーが使用するスマートフォン等のユーザー端末1上で、本発明の不動産評価プログラムを実行することによって実現され、本実施形態では必要な情報の蓄積や一部の処理を情報管理サーバーに委託する形態を例に説明する。なお、本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、データや実行プログラムの全部をサーバー側に配置したり、ユーザー端末側に全てのデータや実行プログラムを配置するようにしてもよい。
【0026】
具体的に本実施形態に係る不動産評価システムは、
図1に示すような土地5やその他建物等の不動産を評価対象として、その評価対象の価値(価格)を評価するシステムであって、通信回線を相互に接続して構築される通信ネットワーク4に、ユーザーが使用するユーザー端末1と、各種情報やデータを管理する情報管理サーバー2及び外部情報サーバー3とが接続されている。
【0027】
通信ネットワーク4は、通信プロトコルTCP/IPを用いたIP網であって、種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークである。この通信ネットワーク4には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。なお、無線基地局41は、通信ネットワーク4に接続され、ユーザー端末1との間で無線通信接続を確立し、ユーザー端末1による通話やデータ通信を提供する装置である。
【0028】
情報管理サーバー2は、通信ネットワーク4上に配置され、不動産情報の提供サービスに関するユーザー管理や、データ収集管理を行うサーバー装置である。この 情報管理サーバー2は、複数のサーバー装置群により構成され、各サーバー装置の機能は、各種情報処理を実行するサーバーコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアで実現される。
【0029】
詳述すると、この情報管理サーバー2や外部情報サーバー3は、アプリケーションソフトウェアを実行するサーバーコンピューター、若しくはそのようなコンピューター上でのアプリケーションの実行を管理補助するミドルウェアで構成されたアプリケーションサーバーを中心として、クライアントから、HTTPのレスポンス要求を処理するウェブサーバーと、バックエンドの関係データベース管理システム(RDBMS)を実行するデータベース中核層への橋渡しを担い、データの加工などの処理を行う。関係データベースサーバーは、データベース管理システム(DBMS)が稼動しているサーバーであり、クライアントやアプリケーションサーバー(APサーバー)に要求されたデータを送信したり、操作要求を受け付けてデータを書き換えたり削除したりする機能を有する。
【0030】
また、情報管理サーバー2や外部情報サーバー3にはWebサーバー機能が含まれ、WWW(World Wide Web)等のドキュメントシステムにおいて、HTML(Hyper Text Markup Language)ファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどの情報送信を行うサーバーコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、HTML文書や画像などの情報を蓄積しておき、Webブラウザなどのクライアントソフトウェアの要求に応じて、インターネットなどのIP網を通じて、これらの情報を送信する。
【0031】
ユーザー端末1は、CPUを備えた演算処理装置であり、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターや、機能を特化させた専用装置により実現することができ、モバイルコンピューターや携帯電話機であってもよい。本実施形態において、ユーザー端末1は、有線通信を利用したパーソナルコンピュータ等の汎用コンピューターであり、ユーザー端末1は、無線通信を利用した、携帯可能なスマートフォン、又は携帯電話機である。ユーザー端末1では、基地局等の中継点と携帯電話機が無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この携帯電話機の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W−CDMA(登録商標)方式、第3、4世代方式の他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、このユーザー端末1は、アプリケーションソフトの実行機能やGPS等による位置情報取得機能等、種々の機能が搭載される。
【0032】
また、このユーザー端末1は、通信ネットワーク4にアクセスして、データの送受信を行うブラウザ機能も備えている。このブラウザ機能は、Webページを閲覧するためのアプリケーションソフトであり、通信ネットワーク4からHTMLファイルや画像ファイル、音楽ファイルなどをダウンロードし、レイアウトを解析して表示・再生する。フォームを使用してユーザーがデータをWebサーバーに送信したり、JavaScript(登録商標)やFlash、及びJava(登録商標)などで記述されたアプリケーションソフトを動作させたりすることも可能である。
【0033】
(各装置の内部構造)
次いで、上述した不動産評価システムを構成する各装置の内部構造について説明する。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
【0034】
(1)ユーザー端末1
上述したユーザー端末1の内部構造について詳述する。
図2は、実施形態に係るスマートフォンの内部構成を示すブロック図であり、
図3は、実施形態に係るスマートフォン上に構築される機能モジュールを示すブロック図である。ユーザー端末1は、
図2に示すように、不動産評価システムに関するモジュールとして、通信インターフェース11、入力インターフェース12、出力インターフェース13、撮影部14、記憶装置15、CPU16、位置情報取得部17を備えている。
【0035】
通信インターフェース11は、他の通信機器と通話やデータの送受信を行うモジュールであり、通信方式としては、例えば、電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、WCDMA(登録商標)及びCDMA2000などの第3世代(3G)の通信方式、LTEなどの第4世代(4G)の通信方式、及び第5世代(5G)以降の通信方式等の他、Wifi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信ネットワークが含まれる。本実施形態において通信インターフェース11は、通信ネットワーク4を介してパケットデータの送受信を行い、情報管理サーバー2や外部情報サーバー3等から、不動産情報等の各種データを取得する。
【0036】
入力インターフェース12は、タッチパネルやボタン等の操作デバイスから操作信号を受信するモジュールであり、受信された操作信号はCPU16に伝えられ、OSや各アプリケーションに対する操作を行うことができる。なお、このユーザー操作としては、加速度センサーやジャイロセンサーなど端末本体を振ったり、縦にしたり横にしたり等の端末本体の姿勢変化などを通じたユーザー操作も含まれる。出力インターフェース13は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスから映像や音声を出力するために映像信号や音声信号を送出するモジュールである。なお、本実施形態では、これら入力インターフェース12及び出力インターフェース13には、タッチパネルやボタン等の物理的操作スイッチなどが接続されており、操作用画面の表示データをディスプレイに表示させ、それに応じたタッチ操作やボタン操作をさせることによってユーザー操作信号を取得するGUIが提供される。
【0037】
撮影部14は、ユーザー端末1に取り付けられ、土地や建物などの評価対象を撮影する撮像装置であって、レンズやCCDである固定撮像素子から構成され、入射された被写体像を表す光がCCDの受光面に結像され、カメラ信号処理回路及びA/D変換器等を介してCPU16に画像データが送信される。この画像データには、動画及び静止画が含まれ、動画データは多数の連続画像がフレームとなったストリーミング形式でCPU16に転送される。
【0038】
記憶装置15は、ROMやRAM等が含まれ、RAMはCPU16のワーキングメモリ等として使用され、CPU16による演算結果を一時的に格納する。ROMにはCPU16用のプログラムが記録され、CPU16からの要求に応じて、プログラムの実行命令を順次出力する。なお、記憶装置15は、情報管理サーバー2や外部情報サーバー3からダウンロードしたデータが保存され、オフライン状態でも情報の利用が可能となっている。
【0039】
位置情報取得部17は、撮影時における自機の位置や向いている方角を示す位置情報や方位情報を取得し、ユーザーU1の現在位置情報として記録するモジュールであり、例えば、GPSのように、衛星からの信号によって自機の位置を検出したり、携帯電話の無線基地局41からの電波強度などによって位置を検出したり、磁気センサーや、ジャイロセンサー、加速度センサー等により磁気の方向及び姿勢(本体が立てられているか、水平に寝かされているか等)によって、自機が向いている方向を検出する。
【0040】
CPU16は、演算処理装置であり、本発明に係る不動産評価プログラムの他、一般のOSやブラウザソフト、その他のアプリケーションを実行するモジュールである。このCPU16では、アプリケーション実行部161が備えられている。このアプリケーション実行部161は、本発明の不動産評価プログラムを実行することによって、不動産評価システムの各機能モジュールがCPU16上に仮想的に構築される。この不動産評価プログラムは、不動産評価処理や、それに必要なデータをダウンロードする機能をユーザー端末1に実装させるプログラムであり、不動産評価システムを動作させるのに必要なユーザー操作を受け付けたり、評価結果を、出力インターフェース13を通じて出力する。
【0041】
本実施形態では、このCPU9のアプリケーション実行部161により、不動産評価プログラムを実行することによって、汎用的なスマートフォンであるユーザー端末1を不動産評価システムの操作・出力手段として機能させる。なお、この「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。具体的には、
図3に示すように、アプリケーション実行部161には、不動産評価プログラムを実行することによって、CPU16上に、平面情報推定部162と、評価部163と、情報取得部164と、表示情報生成部165とが仮想的に構築される。
【0042】
情報取得部164は、不動産評価に関する各種情報を取得するモジュールであって、本実施形態では、評価対象の部分的又は全体的な画像や、データベースに蓄積された各種不動産情報、ユーザー操作などの各種データを取得する。この情報取得部164において取得される情報としては、ユーザーが入力手段を用いて入力した情報、撮影されることで取得される静止画や動画などの撮影データ、インターネットやデータベースを検索して取得される各種情報が含まれる。具体的に本実施形態に係る情報取得部164には、撮像データ取得部164aと、実測値取得部164bと、地図情報取得部164cと、ユーザー操作取得部164dと、データベース検索部164eとが備えられている。
【0043】
撮像データ取得部164aは、撮影部14で撮影された静止画や動画を取得するモジュールであり、撮影された画像については、撮影日時や緯度・経度等の位置情報が付与され、或いは紐付けられて記録されている。撮影された画像ファイルは、記憶装置15に蓄積され、評価処理に際し必要に応じて各モジュールに読み出される。なお、ここでの評価対象の撮影としては、
図6に示すように、評価対象となる土地5の全貌が含まれるように一枚の画像として撮影するか、
図7に示すように、評価対象の部分を複数枚撮影して複数の画像を繋ぎ合わせてもよく、また、
図11に示すように、不足部分を予測して補完するような処理を施してもよい。
【0044】
実測値取得部164bは、評価対象に関する情報(実地を測量して得られた実測値の他、比較対象物の寸法、その他の長さや面積等の数値)を取得するモジュールであり、これら実測値等は、入力インターフェース12のタッチパネル等を通じて入力したり、音声等により入力することもできる。また、この実測値取得部164bでは、既に評価対象の形状や面積が分かっているときには、
図15及び
図16に示すように、入力インターフェースV52から形状のパターンを選択して、土地の形(2次元)や面積を入力したり、
図17に示すように、手書きの画像から土地の形状を自動認識する機能を設けてもよい。
【0045】
地図情報取得部164cは、記憶装置15に記憶された地図情報や、情報管理サーバー2や外部情報サーバー3に蓄積された地図情報をデータベース検索部164e又は通信インターフェース11を通じて取得するモジュールである。この地図情報取得部164cで取得された地図情報は、平面情報推定部162、評価部163、表示情報生成部165に受け渡され、各モジュールでの処理で用いられる。
【0046】
ユーザー操作取得部164dは、入力インターフェース12を通じてユーザーによる操作信号を取得するモジュールであり、タッチパネル131に表示されたGUIを通じて入力されるユーザーによる単一又は複数のタッチ位置の座標や移動方向、移動速度を検知したり、音声による文字入力やコマンドの入力を受け付けたり、端末本体を振ったり、方向を変えたり等の各種センサーを通じてのコマンドの入力を受け付けたりする。このユーザー操作取得部164dによって取得された操作信号は、平面情報推定部162、評価部163、表示情報生成部165に受け渡され、各モジュールでの処理で用いられる。また、このユーザー操作取得部164dは、
図15に示す入力インターフェースV51のように、住所などから標準的な賃料を情報管理サーバー2から取得して即時に表示させたりして、ユーザー操作を補助するようにしてもよい。
【0047】
データベース検索部164eは、記憶装置15に記憶された各種不動産情報や、情報管理サーバー2や外部情報サーバー3に蓄積された不動産に関する情報を、通信インターフェース11を通じて検索して抽出し、取得するモジュールである。このデータベース検索部164eで取得された各種情報は、評価部163に受け渡されて不動産評価処理で用いられる。
【0048】
平面情報推定部162は、撮影部14が撮影した画像に基づいて画像解析を実行し、土地(評価対象)5の平面的な大きさ及び形状を推定するモジュールであり、画像解析部162aと、データ補正部162bとを備えている。そして、平面情報推定部162による画像解析では、画像解析部162aが、
図8に示すように、画像V1中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地5の境界線OL1を決定し、その決定された境界線OL1で囲まれた閉じた形状を、
図9に示すような平面的な上面
図V2に変換する処理を行う。この上面
図V2は、評価対象となる土地5を平面視した平面図であり、土地5の境界線OL1に各寸法が付されて表示されるとともに、位置情報取得部17の方位センサーやジャイロセンサー等によって取得された方位が方位マークV21で表されている。
【0049】
この平面的な上面
図V2に変換する処理としては、例えば、土地5を俯瞰して撮影したときの俯角に基づく形状の歪みや、撮影レンズの特性に基づく遠近による形状の歪みを算出し、土地の外縁となる境界線で囲まれた形状を、算出された歪みに基づいて変形したり縮小・拡大して、平面的な上面図に変換する処理などが挙げられる。
【0050】
上記データ補正部162bは、画像解析部162aが解析した境界線OL1をユーザー操作に基づいて補正するモジュールである。例えば、画像解析部162aが、
図8に示すように、俯瞰で撮影した画像V1中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地5の境界線OL1を決定した時点で、表示情報生成部165により、画像V1中に境界線OL1で囲まれた閉じた形状A1を合成してGUIとして表示させる。このGUIによる境界線OL1を表示させる際に、その閉じた形状A1の頂点部分にタッチやドラッグにより移動可能なポイントP1を選択可能に表示させておき、任意のポイントP1をユーザー操作によって移動させることにより、閉じた形状A1の形状を修正することができる。
【0051】
この修正された形状A1は画像解析部162aに返され、この画像解析部162aにおいて、この修正された形状A1に基づいて、
図9に示すような平面的な上面
図V2に変換する処理を行う。この変換された上面
図V2についても、表示情報生成部165により、上面
図V2中に境界線OL1で囲まれた閉じた形状A1を合成してGUIとして表示させる。このGUIによる境界線OL1を表示させる際に、その閉じた形状A1の頂点部分にタッチやドラッグにより移動可能なポイントP1を選択可能に表示させておき、任意のポイントP1をユーザー操作によって移動させることにより、閉じた形状A1の形状を修正することができる。この修正された形状A1についても、画像解析部162aに返されて、この修正された形状A1に基づいて、再度平面的な上面
図V2に変換する処理を行う。
【0052】
なお、本実施形態において平面情報推定部162の画像解析部162aは、撮影部14によって撮影された画像F1又はF11〜F14内に、形状及び大きさが既知の比較対象物51が写っている場合、当該画像F1又はF11〜F14内に写っている比較対象物51及び評価対象である土地5の一部又は全部を抽出し、画像F1又はF11〜F14内における比較対象物51及び評価対象である土地5との対比結果に基づいて、評価対象である土地5の平面的な大きさ及び形状を推定する機能を備えている。これにより、大きさが既知の比較対象物51を、評価対象である土地5と比較可能に写し込むことによって評価対象である土地5の平面的な大きさや形状の特定する。
【0053】
なお、本実施形態では、この比較対象物51として専用の比較プレートを用いる。この比較プレートは、例えば正方形・長方形のプレートなどとすることができ、このプレート表面に、物品を認識しやすいように、QRコード(登録商標)やバーコードなどの目印となる図形や文字列を表記してもよい。このバーコードとしては、例えば、大きさや形状などの情報の他、使用者のIDなどの付加的な情報を含めてもよい。この比較対象物51としては、形状及び大きさが既知の物であれば専用の物品である必要はなく、例えば、画像に写り込んだ壁のブロック面や、マンホール、周辺建物の窓などでもよい。また、この比較対象物の形状及び大きさは、撮影時に分かっている必要はなく、撮影後に測定したり、カタログ等から情報を入手したりして、追って入力するようにしてもよい。
【0054】
評価部163は、平面情報推定部162による推定結果に基づいて、評価対象である土地5の価値を算定するモジュールであり、平面情報推定部162が推定した評価対象である土地5の面積に基づいて評価対象である土地5の価格評価を行うことができる。具体的に評価部163は、不動産情報参照部163aと、建築物推定部163bと、価格算定部163cとを備えている。不動産情報参照部163aは、データベース検索部164eを通じて当該評価対象である土地5の位置情報を基づいて不動産情報を参照するモジュールであり、この参照された不動産情報は価格算定部163cに受け渡される。価格算定部163cでは、例えば評価対象である土地5の面積に坪単価の土地価格を乗して土地価格を算定するなどの演算を実行するモジュールである。
【0055】
この評価処理に際し評価部163は、位置情報取得部17が取得した評価対象である土地5の位置情報や方位等に基づいて、不動産情報参照部163aがデータベース検索部164eを通じて情報管理サーバー2の不動産情報参照部163aを参照し、参照された不動産情報に基づいて価格算定部163cが当該評価対象である土地5の価値を算定する。この不動産情報には、例えば、土地の価格や、建物の分譲・賃貸の価格などの他、評価対象である土地5が属する地域に関連づけられた不動産価値情報や、その地域の法規や、周辺の地理的条件等が含まれており、評価部163は、これらの不動産情報を用いて、当該評価対象である土地5の価値を算定することができる。また、価格算定部163cによる価格算定では、建築物推定部163bが作成した建築空間を用いて、建築空間への部屋最適配置をシミュレーションし、都市計画等を基に建設可能な階数、部屋構成を作成し、資産表や平面図、立面図、パース画像を出力させる。この際、法規制も踏まえ、最適な避難経路を設定し、より現実的な部屋構成を作成する。部屋構成から満室想定収入などを計算し、土地の参考価格を計算する。
【0056】
建築物推定部163bは、評価対象である土地5が属する地域の法規及び周辺の地理的条件に基づいて、評価対象である土地に建築可能な建物の構造や容積等を推定するモジュールであり、この建築物推定部163bが推定した構造や容積に応じて、価格算定部163cが当該評価対象の価値を算定する。具体的にこの建築物推定部163bは、土地5の形状や地理的条件、方角等に基づいて、情報管理サーバー2の各種データベースにアクセスして地理情報や法規情報を取得し、その評価対象である土地5が属する地域の法規や地理的条件に基づいて、マンションなどその土地に建設可能な建物の構造や容積を仮想建物6として推定する。この仮想建物6の容積に基づいて、マンションの販売利益や賃貸利益を推定し、将来建設される建物による収益に基づいて、その土地の価格評価を行う。例えば、建設されるマンションのレントロールを表示し、建設地の相場から、各部屋の賃料を計算して評価を行う。
【0057】
この建築物推定部163bによる仮想建物6の予測は、地理情報データベース232に蓄積されたその土地の高低差や地質、地盤状態など自然的な地理条件に基づく建物の制限を参照するとともに、土地の形状や面積、向いている方角に基づいて、法規情報データベース233に蓄積されたその地域に適用される法律や条令等の法規による建物の高さ制限、容積率、日照確保のための斜線制限、日影規制などを参照し、建築条件を考慮した建築空間を作成し、建設可能な建物の高さや形態、範囲に応じた建物の構造や容積を推定する。この推定される容積は、最小値でもよく、最大値でもよく、平均値などであってもよい。
【0058】
また、この構造や容積の推定にあたり、建築構造情報データベース234に蓄積された、建物の構造上の制限(耐火構造や耐震構造、壁量、柱量、延面積、用途制限)等を参照して、建設可能な建物の規模や構造も加味して、仮想建物6を予測することができる。この場合には、仮想建物6のグレードや用途・目的に応じた一般的な間取り図のパターンも建築構造情報に含めておき、仮想建物6の用途・目的に応じてユーザーがパターンを選択することにより、仮想建物6の高さや形状、構造材の量、のべ床面積などが決定され、それに応じた容積が算定されるようにすることもできる。なお、例えば、避難経路が必要な法令が適用される場合には、周辺建物の情報も取得して避難経路の自動生成する。
【0059】
表示情報生成部165は、2Dデータ生成部165aと、3Dデータ生成部165bと、合成部165cを備えており、各モジュールで算出されたデータに基づいて、2Dデータ生成部165a若しくは3Dデータ生成部165bによって二次元的・3次元的なグラフィックを生成し、合成部165cによって撮影された画像や動画、或いは地図情報等に、生成された二次元的・3次元的グラフィックを合成して、ディスレプレイ等の出力インターフェース13から出力するモジュールである。
【0060】
なお、合成部165cは、拡張現実処理(AR;Augmented Reality)を実行するAR処理部165dを備えており、平面情報推定部162が推定した形状A1や、建築物推定部163bが算定した仮想建物6などを3Dデータ化して、
図14に示すように、撮影部14が撮影した映像に拡張現実として合成することができる。このAR処理部165dでは、ユーザー操作取得部164dがジャイロセンサーを通じて取得したユーザー端末1本体が向いている方向に基づいて、形状A1や仮想建物6の表示位置や、カメラアングル(視点の向き、俯角)、光源位置を調節して、拡張現実として動画等に合成する。
【0061】
なお、表示情報生成部165による表示では、
図15に示すような簡易的なGUIV5を表示する機能も備えており、仮想建物6として、
図18〜
図22に示すように、建設されるマンションや駐車場がイメージできるような簡易的な見取り図やパース図、外観図等を表示できるようになっている。この際にも、土地5の利用区分などの条件から、避難経路5erの確保や階段等の考慮して、建設可能な階数や部屋数、パーキングエリア6pk数(駐車可能台数)などを自動計算している。
【0062】
(2)情報管理サーバー2
次いで、情報管理サーバー2の内部構成について説明する。情報管理サーバー2は、単一のサーバー装置の他、Webサーバーやデータベースサーバーなど複数のサーバー群から構成することができ、本実施形態では、
図4に示すように、通信インターフェース21と、制御部22と、記憶部23とから概略構成されている。
【0063】
記憶部23は、本システムに関する各種の情報を蓄積するデータベース群であり、ここでは、不動産情報データベース231と、地理情報データベース232と、法規情報データベース233と、建築構造情報データベース234と、ユーザー情報データベース235とを備えている。
【0064】
不動産情報データベース231は、地域毎に、その地域の土地・建物に関する不動産情報が蓄積されており、この不動産情報としては、土地や建物の物件情報の他、周辺地域に関する情報が含まれ、例えば、下表のような情報が含まれる。
【表1】
【0065】
また、地理情報データベース232には、地域毎に、土地の高低差や地質、地盤状態など自然的な地理条件に基づく建物の制限などが蓄積されている。法規情報データベース233には、地域毎に、その地域に適用される法律や条令等の法規による建物の高さ制限、容積率、日照確保のための斜線制限、日影規制などが蓄積されている。建築構造情報データベース234には、建物の構造上の制限(耐火構造や耐震構造、壁量、柱量、延面積、用途制限)等が蓄積されるとともに、仮想建物のグレードや用途・目的に応じた一般的な間取り図のパターンも建築構造情報に含められて蓄積されている。ユーザー情報データベース235は、ユーザーU1及びユーザー端末1に関する情報を蓄積するデータベースであり、本実施形態では、ユーザー端末1を識別するユーザーID(ユーザー端末1のIPアドレス等)に、ユーザーに関する情報(端末のメールアドレス、電話番号、所属等)などが関連づけて記録されている。
【0066】
上記通信インターフェース21は、通信ネットワーク4を通じて、ユーザー端末1や各サーバー装置との間でデータの送受信を行う通信インターフェースである。本実施形態において通信インターフェース21は、通信ネットワーク4を介して、ユーザー端末1からの不動産情報の問合せなどを受信するとともに、検索された各地域の不動産情報、その他の各種データベースに格納された情報を配信するようになっている。
【0067】
制御部22は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行っている。そして、本実施形態において、制御部22には、認証部221と、データ検索部222と、検索要求取得部223と、検索結果送出部224と、情報収集部225と、データ更新部226とを備えている。
【0068】
認証部221は、アクセス者の正当性を検証するコンピューター或いはその機能を持ったソフトウェアであり、通信ネットワーク4を通じて、ユーザー自身のIDや、ユーザー端末1のIPアドレス等の識別子を取得し、ユーザー情報データベース235を照合することによって、アクセス者にその権利があるか否かや、そのアクセス者が本人であるか否かなどを確認するモジュールである。この認証部221によって認証が成功することによりデータ検索部222によるデータ検索サービスの利用が可能となる。
【0069】
データ検索部222は、ユーザー端末1側のデータベース検索部164e等と連携して、検索要求取得部223が取得したキーワードに検索要求に含まれるキーワードに基づいて、各データベース231〜234を検索し、検索結果を検索結果送出部224を通じて返信するモジュールである。また、情報収集部225は、外部情報サーバー3や他のインターネット上の情報源から最新の情報を収集して、データ更新部226を通じて各種データベースに反映させるモジュールである。この情報収集部225にはデータ検索部222における検索結果も入力され、ユーザーによる検索履歴がユーザー情報データベース235に蓄積されるようになっている。
【0070】
(3)外部情報サーバー3
次いで、情報管理サーバー2の内部構成について説明する。外部情報サーバー3は、外部のサービス提供者が運用する情報提供サーバーであり、ユーザー端末1の情報取得部164や情報管理サーバー2の情報収集部225からの要求に応じて、各種情報を提供する。この外部情報サーバー3も、単一のサーバー装置の他、Webサーバーやデータベースサーバーなど複数のサーバー群から構成することができ、本実施形態では、
図4に示すように、通信インターフェース31と、制御部32と、各データベース33及び34とから概略構成されている。
【0071】
データベース33及び34は、各種の情報を蓄積するデータベース群であり、ここでは、各地域の災害情報を蓄積する災害情報データベース33と、各地域の地図や航空写真などの地図情報を蓄積した地図情報データベース34とを備えている。
通信インターフェース31は、通信ネットワーク4を通じて、ユーザー端末1や各サーバー装置との間でデータの送受信を行う通信インターフェースである。本実施形態において通信インターフェース31は、通信ネットワーク4を介して、ユーザー端末1から災害情報や地図情報の問合せなどを受信するとともに、要求に応じて各地域の災害情報や地図情報、その他の各種データベースに格納された情報を配信するようになっている。
【0072】
制御部32は、CPU等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、プログラムを適宜読み込んで実行することにより種々の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって、各部の動作制御、ユーザー操作に対する種々の処理を行っている。そして、本実施形態において、制御部32は、ユーザー端末1や情報管理サーバー2からの災害情報や地図情報の問合せなどの検索要求に応じて各地域の災害情報や地図情報、その他の各種データベースに格納された情報を検索し、検索結果を、通信インターフェース31を通じて返信する等の処理を実行する。
【0073】
(不動産評価方法)
以上の機能を有する不動産評価プログラム、及びそのプログラムを実行させることにより構築された不動産評価システムを動作させることで、本発明の不動産評価方法を実施することができる。
図5は、本実施形態に係る不動産評価システムの動作を示すフローチャート図である。
先ず、不動産評価プログラムであるアプリケーションを起動させる(S101)。このアプリケーションの起動により、情報管理サーバー2から配信されている情報の受信が実行され、ユーザー端末1内のデータが更新される(S102)。なお、このデータの更新は、オンライン時に必要に応じて実行されればよく、適宜省略することができる。
【0074】
次いで、評価対象となる土地5の測量データなど、十分な評価対象情報が既にあるなど評価対象の撮影が不要であるときには(ステップS113における「N」)、評価対象情報を手入力などにより入力しステップS107に移行する。一方、評価対象の撮影が必要であれば(ステップS113における「Y」)、ユーザーU1は、評価対象である土地5において、土地5の撮影を実行するとともに、撮影された画像に基づいて評価対象である土地5の境界線OL1を抽出する(S103)。具体的には、撮像データ取得部164aによって、撮影部14で撮影された静止画や動画を取得する。このとき、撮影された画像は、撮影日時や緯度・経度等の位置情報が付与され、或いは紐付けられて、画像ファイルとして記憶装置15に蓄積される。なお、ここでの評価対象の撮影としては、
図6に示すように、評価対象となる土地5の全貌が含まれるように一枚の画像とするか、
図7に示すように、評価対象の部分を複数枚撮影して複数の画像を繋ぎ合わせてもよく、また、
図11に示すように、不足部分を残した一枚の画像として撮影してもよい。
【0075】
この評価対象の撮影に際し、本実施形態では、形状及び大きさが既知の比較対象物51を、評価対象である土地5のほぼ中央位置に配置し、評価対象である土地5と比較可能に写し込むようにしている。ここでは、専用の比較プレートを比較対象物51として用いている。
【0076】
また、境界線OL1の抽出では、具体的に、画像解析部162aが、
図8に示すように、画像V1中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地5の境界線OL1を決定し、その決定された境界線OL1で囲まれた閉じた形状A1を、評価対象である土地5を撮影した画像に合成してGUIとして表示する。この抽出された境界線OL1を修正したい場合には(S104における「Y」)には、タッチパネル131上のGUIを介して修正操作を行うことができる(S105)。詳述すると、画像解析部162aが解析した境界線OL1をユーザー操作に基づいてデータ補正部162bによって補正する。例えば、画像解析部162aが、
図8に示すように、俯瞰で撮影した画像V1中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地5の境界線OL1を決定した時点で、表示情報生成部165により、画像V1中に境界線OL1で囲まれた閉じた形状A1を合成してGUIとして表示させる。このGUIによる境界線OL1を表示させる際には、その閉じた形状A1の頂点部分にタッチやドラッグにより移動可能なポイントP1が選択可能に表示され、任意のポイントP1をユーザーによるタッチ操作によって移動させることにより、閉じた形状A1の形状を修正することができる。
【0077】
ステップS104において境界線OL1の修正が不要か(S104における「N」)、或いは修正操作が完了した後、平面推定処理を実行する(S106)。ここでは、平面情報推定部162が、撮影部14が撮影した画像に基づいて画像解析を実行し、土地(評価対象)5の平面的な大きさ及び形状を推定する。詳述すると、この平面情報推定部162の画像解析部162aが、
図8に示すように、画像V1中の特徴部分を抽出することによって評価対象となる土地5の境界線OL1を決定し、その決定された境界線OL1で囲まれた閉じた形状A1を、
図9に示すような平面的な上面
図V2に変換する。この平面的な上面
図V2に変換する処理としては、例えば、土地5を俯瞰して撮影したときの俯角に基づく形状の歪みや、撮影レンズの特性に基づく遠近による形状の歪みを算出し、土地の外縁で囲まれた形状を、算出された歪みに基づいて変形したり縮小・拡大して、平面的な上面図に変換する処理などが挙げられる。この他、建物の端と隣の建物の端と、その地面との接点が地図上の点とし、それらをもって空間の距離を図り近似するようにしてもよく、その際に、GPS等の位置情報取得手段を用いて補正するようにしてもよい。
【0078】
次いで、評価条件を設定する(S107)。例えば、評価対象の用途や目的、建設予定の建物の形態やグレードなどが決まっているときには、その選択操作を行う。この選択操作により、適用される建築関係の法規や建築構造の制限が絞り込まれ、情報管理サーバー2のデータベース群に対する検索条件が決定される。そして、この評価条件の設定を受けて各種情報の取得を行う(S108)。具体的には、情報取得部164において、データベースに蓄積された各種不動産情報、ユーザー操作によって設定された評価条件などの各種データを取得する。この情報取得部164において取得される情報としては、ユーザーが入力手段を用いて入力した情報、撮影されることで取得される静止画や動画などの撮影データ、インターネットやデータベースを検索して取得される各種情報が含まれる。このとき、データベース検索部164eは、記憶装置15に記憶された各種不動産情報や、情報管理サーバー2や外部情報サーバー3に蓄積された不動産に関する情報を、通信インターフェース11を通じて検索して抽出して取得する。このデータベース検索部164eで取得された各種情報は、評価部163に受け渡される。
【0079】
そして、評価部163において、評価処理を実行する(S109)。具体的には、平面情報推定部162が推定した評価対象である土地5の面積や、ユーザーが手入力した評価対象情報に基づいて評価対象である土地5の価格評価を行う。
【0080】
例えば、データベース検索部164eを通じて当該評価対象である土地5の位置情報を基づいて不動産情報を参照し、評価対象である土地5の面積に坪単価の土地価格を掛けて乗算して土地価格を算定するなどの演算を実行する。データベース検索部164eを通じて情報管理サーバー2の不動産情報データベース231を参照し、参照された不動産情報に基づいて価格算定部163cが当該評価対象である土地5の価値を算定する。この不動産情報には、例えば、土地の価格や、建物の分譲・賃貸の価格などの他、評価対象である土地5が属する地域に関連づけられた不動産価値情報や、その地域の法規や、周辺の地理的条件等が含まれており、評価部163は、これらの不動産情報を用いて、当該評価対象である土地5の価値を算定する。
【0081】
また、この評価処理では、評価対象である土地5が属する地域の法規及び周辺の地理的条件に基づいて、評価対象である土地に建築可能な建物の容積を算出し、この建築物推定部163bが算定した容積に応じて、価格算定部163cが当該評価対象の価値を算定する。具体的にこの建築物推定部163bは、情報管理サーバー2の各種データベースにアクセスして地理情報や法規情報を取得し、その評価対象である土地5が属する地域の法規や地理的条件に基づいて、マンションなどその土地に建設可能な建物の容積を仮想建物6として予測する。この仮想建物6の容積に基づいて、マンションの販売利益や賃貸利益を推定し、将来建設される建物による収益に基づいて、その土地の価格評価を行う。
【0082】
この建築物推定部163bによる仮想建物6の予測では、地理情報データベース232に蓄積されたその土地の高低差や地質、地盤状態など自然的な地理条件に基づく建物の制限を参照するとともに、法規情報データベース233に蓄積されたその地域に適用される法律や条令等の法規による建物の高さ制限、容積率、日照確保のための斜線制限、日影規制などを参照し、建設可能な建物の高さや形態、範囲に応じた建物容積を算定することもできる。この算定される容積は、最小値でもよく、最大値でもよく、平均値などであってもよい。
【0083】
また、この容積の算定にあたり、建築構造情報データベース234に蓄積された、建物の構造上の制限(耐火構造や耐震構造、壁量、柱量、延面積、用途制限)等を参照して、建設可能な建物の規模や構造も加味して、仮想建物6を予測することができ、この場合には、仮想建物6のグレードや用途・目的に応じた一般的な間取り図のパターンも建築構造情報に含めておき、仮想建物6の用途・目的に応じてユーザーがパターンを選択することにより、仮想建物6の高さや形状、構造材の量、のべ床面積などが決定され、それに応じた容積を算定することもできる。
【0084】
ここで、評価方法としては、周辺事例法(取引事例比較法)、積算法又は収益還元法などが挙げられ、評価対象別の評価モードとして、オフィスモードや、コンビニなどの店舗一階モード、戸建モード、駐車場モードがある。例えば、その評価対象となっている物件の所在地に関して過去に集積された物件情報を解析して、例えば
図22に示すような物件の広さと賃料との相関をプロットしたグラフから近似曲線を算出し、評価対象となっている土地や仮想建物6の広さから賃料を推定する。この相関を示す曲線としては、他に駅からの距離や、築年数が含まれ、例えば「駅7分の新築」など、基準となる所定の条件に見合いの賃料、すなわち基準条件に換算した賃料に割り戻し、広さと賃料の相関を表すプロットデータと近似曲線グラフを描画し、その基準条件(ここでは、「新築見合い、徒歩7分」)の全プロットデータから導き出した近似曲線上から、最適な間取り、つまり平米数のセットを導出する。
【0085】
例えば、
図18〜
図21に示すように、廊下やエレベーターなどの内部構造の他、接道面、接道間口の幅、接道の道幅、方位などの諸条件を取り込み、さらには避難経路5erや周辺との境界を50cm、避難時に必要な空間幅である1m等を確保するなどして、各モードにおける仮想建物6について、廊下と間取りを決定する。また、駐車場モードでは、パーキングエリア数を、精算機のスペースなどを確保して収益が最高となる間取りを決定する。このとき、1階と2階とで間取り違えたりすることで、一階の避難経路5erを確保しつつ、より賃料が高い部屋数や、パーキングエリア数を多くとる間取りの自動計算し、さらに、エレベーターの位置や廊下、部屋の大きさ、各部屋の賃料のセットを最適化し、収益を高めるために最適な間取りを概算する。なお、評価に際し、その仮想建物6の材質構造や耐震設計を考慮して、推定してもよい。その際、推定した建物をシミュレーション上で振動させてみて、材質構造や耐震設計に応じたPML(最大損失の可能性値)を算出し、保険料見合いで減算するようにしてもよい。
【0086】
その後、評価処理の結果を表示するために表示情報の生成を行い、表示する(S110)。具体的には、表示情報生成部165が、各モジュールで算出されたデータに基づいて、2Dデータ生成部165a若しくは3Dデータ生成部165bによって二次元的・3次元的なグラフィックを生成し、合成部165cによって撮影された画像や動画、或いは地図情報等に、生成された二次元的・3次元的グラフィックを合成して、ディスレプレイ等の出力インターフェース13から出力する。なお、合成部165cは、拡張現実処理を実行するAR処理部165dを備えており、平面情報推定部162が推定した形状A1や、建築物推定部163bが算定した仮想建物6などを3Dデータ化して、
図14に示すように、撮影部14が撮影した映像に拡張現実として合成することができる。このAR処理部165dでは、ユーザー操作取得部164dがジャイロセンサーを通じて取得したユーザー端末1本体が向いている方向に基づいて、形状A1や仮想建物6の表示位置や、カメラアングル(視点の向き、俯角)、光源位置を調節して、拡張現実として動画等に合成することができる。
【0087】
なお、条件を変更して再度評価をやり直したいときは(ステップS111における「Y」)、評価条件の設定をやり直して(S107)、上記ステップS108〜S110の処理を実行する。他方、評価処理を終了するときには(ステップS111における「N」)、評価結果を記録した後(S112)、処理を終了する。
【0088】
(不動産評価プログラム)
なお、上述したように、本実施形態係る不動産評価システム及び不動産評価方法は、所定の言語で記述された不動産評価プログラムをコンピューター上で実行することにより実現することができる。そして、このような不動産評価プログラムは、ユーザー端末1や汎用コンピューターにインストールし、CPU上で実行することにより、上述した各機能を有する不動産評価システムを容易に構築することができる。この不動産評価プログラムは、例えば、通信回線を通じて配布することが可能であり、またスタンドアローンの計算機上で動作するパッケージアプリケーションとして譲渡することができる。
【0089】
また、このような不動産評価プログラムは、パーソナルコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録することができる。具体的には、フレキシブルディスクやカセットテープ等の磁気記録媒体、若しくはCD−ROMやDVD−ROM等の光ディスクの他、RAMカードなど、種々の記録媒体に記録することができる。そして、この不動産評価プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体によれば、汎用のコンピューターや専用コンピューターを用いて、上述したシステムや方法を実施することが可能となるとともに、プログラムの保存、運搬及びインストールを容易に行うことができる。
【0090】
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、評価対象となる土地5を撮影し、その撮影した画像を解析してその土地の平面的な大きさや形状を推定するため、現地での簡単な操作で土地の面積からその土地の価格を迅速に算定することができる。
【0091】
特に、本実施形態では、マンションなどその土地に建設可能な建物の容積を予測し、その土地に建設可能な仮想建物6を生成して、その仮想建物6の容積に基づいて、マンションの販売利益や賃貸利益を推定することから、将来建設される建物による収益をも予測することができ、より精度高く土地の価格評価を行うことができる。また、本実施形態では、この仮想建物6を拡張現実として、現実の映像に仮想的な建物を合成して表示するため、視覚的に不動産評価を行うことができ、利便性を高めることができる。
【0092】
なお本実施形態では、形状及び大きさが既知の比較対象物51を、評価対象である土地5と比較可能に写し込むことによって、評価対象の平面的な大きさや形状の特定する際の精度を向上させることができる。