特許第6562409号(P6562409)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱商事ライフサイエンス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6562409-葉面散布剤 図000008
  • 特許6562409-葉面散布剤 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562409
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】葉面散布剤
(51)【国際特許分類】
   A01N 57/16 20060101AFI20190808BHJP
   A01N 63/02 20060101ALI20190808BHJP
   A01N 37/44 20060101ALI20190808BHJP
   A01N 33/04 20060101ALI20190808BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20190808BHJP
   A01G 7/06 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A01N57/16 104C
   A01N63/02 C
   A01N37/44
   A01N33/04
   A01P21/00
   A01G7/06 A
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-28212(P2015-28212)
(22)【出願日】2015年2月17日
(65)【公開番号】特開2016-138083(P2016-138083A)
(43)【公開日】2016年8月4日
【審査請求日】2018年1月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-11408(P2015-11408)
(32)【優先日】2015年1月23日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】519127797
【氏名又は名称】三菱商事ライフサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160978
【弁理士】
【氏名又は名称】榎本 政彦
(72)【発明者】
【氏名】梶 直人
(72)【発明者】
【氏名】中川 智寛
(72)【発明者】
【氏名】立山 亮治
(72)【発明者】
【氏名】阿孫 健一
【審査官】 鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−045211(JP,A)
【文献】 特公昭47−020946(JP,B1)
【文献】 特公昭47−000005(JP,B1)
【文献】 特公昭47−000002(JP,B1)
【文献】 特公昭47−000004(JP,B1)
【文献】 特表2003−525202(JP,A)
【文献】 特開2002−029905(JP,A)
【文献】 特開2006−311856(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/093634(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 57/16
A01G 7/06
A01N 33/04
A01N 37/44
A01N 63/02
A01P 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アデニル酸含量が5重量%以上、遊離アミノ酸含量が3重量%以上、ポリアミン含量が0.1重量%以上である酵母抽出物を含有する、植物の葉面散布剤であり、
前記酵母抽出物を0.005〜5%含有する葉面散布剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物の収量向上、品質向上を目的とする葉面散布剤に係るものである。この葉面散布剤は、ヌクレオチドであるアデニル酸とポリアミンを有効成分として含む酵母抽出物を主成分とする。
【背景技術】
【0002】
農産物である植物の栽培において、その生産性と品質向上を目的として、生理活性物質等の薬剤を葉面散布する方法が、注目されている。葉面散布は、土壌への散布や鋤き込みに比べ、即効性があり、また成長段階に適した使用が可能といったメリットがある。
【0003】
葉面散布剤の効果の例としては、アミノ酸やイノシン酸、グアニル酸を含む発酵副生物を葉面散布することで、イネ、トマト、キュウリなどにおいてアレロパシー効果が向上したことが報告されている(特許文献1)。また、ペプチドやアミノ酸を含有する糖類発酵液に必須微量金属塩を溶解して葉面散布すると、バジル、ブドウなどで生産性が向上しかつ植物体内の硝酸が低減されたことが報告されている(特許文献2)。特許文献6には、モリブデン酸、アミノ酸、核酸を含有する水溶液を葉面散布することで、ホウレンソウやコマツナの植物体内の硝酸が低減できたことが記載され、アミノ酸、核酸として酵母抽出物が用いられている。核酸の構成単位であるヌクレオチドは、植物の生育に重要な働きをし、そのうち特にアデニル酸はアデニンの関連化合物であり、アデニンは植物成長ホルモンであるカイネチンの基本骨格となっている。
【0004】
一方、ポリアミンは動植物の細胞増殖の成分であり、ポリアミンを与えると植物の根、塊茎、果実、種子などが大きくなる現象があることが報告されている。また、ポリアミンにより、塩ストレス下での植物の耐性が強化されること(非特許文献1)、ポリアミンがストレス環境下において窒素の代謝を高める重要な成分であること(非特許文献2)が知られている。具体的には、ポリアミンを葉面散布することで、キュウリにおいて低温ストレス抵抗性が向上したこと(特許文献3)、イモ、イチゴについて耐病性が増強されたことが報告されている(特許文献4)。また、ポリアミンとクレアチンリン酸を葉面散布することで、イシガキイチゴの収穫量が向上し、甘味の強いイチゴがとれたことが報告されている(特許文献5)。
【0005】
最近、食の安全への志向から有機野菜が注目されており、栽培において葉面散布するものも天然物由来、さらには食品であることが望ましいと考えられている。
酵母抽出物は食品素材であり、特に特に植物に悪影響を与える要因は少ないことも利点である。一切の合成化学物質の使用を認めていない有機JAS法にも適用可能としたものである。
また、酵母抽出物の主な用途は、食品として直接添加し、呈味性を向上することや、培地として生産性を向上することよく知られているが、アデニル酸やポリアミンを特定する酵母抽出物を含有する葉面散布剤が植物の栄養価を上げるなどの報告例はなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-10694号公報
【特許文献2】特開2006-265199号公報
【特許文献3】特開2000-290102号公報
【特許文献4】特開2011-132158号公報
【特許文献5】特開2002‐29905号公報
【特許文献6】特開2003-180165号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Plant physiol., 91, 500-504, 1989
【非特許文献2】J.Exp.Bio., 63, 5003-5015, 2012
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、根菜類、果菜類、穀実類について、効率よく収穫量を上げ、かつ栄養価や味質を上げる葉面散布剤を提供することである。 葉面散布剤として用いるものとしては、天然物であることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、鋭意の研究を行った結果、特定の酵母抽出物を葉面散布剤に配合することにより、かかる課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、
(1)アデニル酸含量が5重量%以上である酵母抽出物を含有する、植物の葉面散布剤、
(2)前記酵母抽出物の遊離アミノ酸含量が3重量%以上である、(1)に記載の葉面散布剤、
(3)前記酵母抽出物のポリアミン含量が0.1重量%以上である、(1)または(2)に記載の葉面散布剤、
に係るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の葉面散布剤は、上記の酵母抽出物を配合することにより、植物を成長促進することができ、また栄養価を向上し、食味も向上させることができる。特に、根菜の食味を向上させる効果が高い。
また酵母抽出物は一般の食品であるため、安全性の面でも優れている。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の葉面散布剤に使用する酵母抽出物は、アデニル酸含量が5重量%以上、望ましくは8重量%以上のものである。また、ポリアミン含量が0.1重量%以上、望ましくは0.2%以上である。さらに、遊離アミノ酸が3重量%以上望ましくは4重量%以上のものであり、ペプチド含量が3重量%以上のものである。
【0012】
このような酵母抽出物の製造に用いられる酵母としては、パン酵母、ビール酵母(サッカロマイセス・セレビシエ)、トルラ酵母(キャンディダ・ユティリス)などを挙げることができ、中でもRNA含量が一般的に高いとされるトルラ酵母を用いることが望ましい。
【0013】
ヌクレオチドは、核酸の構成単位であり、アデニル酸、グアニル酸、チミジル酸、ウリジル酸、及びキサンチル酸が挙げられる。
酵母から水や溶媒で抽出しただけの酵母抽出物は、アデニル酸をほとんど含有していない。また、一般に旨味調味料として使用されている酵母エキスも同様である。
本願発明の、アデニル酸等のヌクレオチドを含有する酵母抽出物は、酵母から抽出した水溶性成分に対して、核酸分解酵素を作用させることで得られる。核酸分解酵素に加えてアデニル酸デアミナーゼを作用させると、アデニル酸がイノシン酸に変化してしまい、アデニル酸含量が低下するため、望ましくない。
【0014】
本発明でいうポリアミンは、プトレッシン、スペルミジン、スペルミンであり、中でもアミノ基の価数が高いスペルミジン、スペルミンであることが望ましい。
【0015】
アデニル酸含量が5重量%以上、ポリアミン含量が0.1重量%以上、遊離アミノ酸が3重量%以上の酵母抽出物として、「酵母エキスNT」(興人ライフサイエンス社製)がある。
【0016】
本発明の葉面散布剤は、使用時の濃度として、上記組成の酵母抽出物を0.005〜5%含有している水溶液であることが望ましい。
また、本発明の効果を阻害しない限り、酵母抽出物のほか、所望により補助成分をさらに加えることができる。具体的には、尿素、リン酸、塩化カルシウム、ブドウ糖、酢酸、グルタミン酸、プロリン、ウラシル、ビタミン群、塩化コリンなどである。さらに、葉面散布効果を高めるために、展着剤として使用されている、界面活性剤や増粘剤などを配合してもよい。
【0017】
葉面散布の頻度は特に限定されないが、例えば上記組成の酵母抽出物を0.01〜0.10重量%含有する葉面散布剤水溶液を、1〜100日毎に1回以上、好ましくは7〜10日ごとに、植物の葉面に散布する。
散布方法としては、植物の気孔が一般的に葉の裏側にあるので、葉の裏面に重点的に散布するのが効果的である。
【0018】
本発明の葉面散布剤は、各種植物の成長促進剤、食味向上剤として利用でき、穀物類、果樹類、野菜類、豆類といった飲食用の植物、園芸植物、樹木類等の植物にも使用可能である。
【実施例】
【0019】
次に、本発明の詳細を実施例に基づいて説明するが、本発明の範囲は、これらの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明において、各成分の測定法は以下の通りである。
【0020】
(アデニル酸の測定法)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、5‘−アデニル酸二ナトリウム七水和物を標準に用いて、試料中のアデニル酸含量を測定する。本発明におけるアデニル酸含量は、5’−アデニル酸2ナトリウム7水和物換算の値である。
HPLCの条件
・分離カラム: MICGEL CDR-10(60℃、4.6mm×250mm、三菱化学製)
・移動相: 2M 酢酸−酢酸ナトリウム緩衝液(pH3.3)
・流速: 2mL/min
・検出: 紫外線検出器(210nm)
【0021】
(ポリアミンの測定法)
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により、スペルミン、スペルミジン、プトレッシンの各遊離型ポリアミンを標準に用いて、その合計量として、試料中のポリアミンを測定する。
HPLCの条件
・分離カラム: CAPCELL-PAK C18 UG-120(35℃、4.6×100mm、資生堂製)
・移動相: A:メタノール及び水の混液(6:4)、B:メタノール及び水の混液(8:2)
・流速: 1.7mL/min
・グラジエント:0→8分 100%A液、8→20分 100→0% A液、20→35分 0% A液。
・検出: 蛍光励起波長365nm、蛍光測定波長510nm
【0022】
(遊離アミノ酸の測定法)
試料中の遊離アミノ酸の含量は、アミノ酸分析計(日立高速アミノ酸分析計L-8900)を用いて測定した。
但し、茶葉中のアミノ酸の定量分析のみ、後藤らの方法(茶業研究報告 1993年77巻29頁)に準じ、HPLCを用いて行った。
【0023】
1.本発明の葉面散布剤の調製
(葉面散布剤R1)
酵母エキスNT(興人ライフサイエンス社製、アデニル酸10.0%、ポリアミン0.32%、遊離アミノ酸10%を含む)を水で溶解し、葉面散布剤とした。葉面散布剤R1は、酵母エキスNTの濃度が0.01g/Lである水溶液。R1中のアデニル酸0.001g/L、ポリアミン0.032mg/L。
(葉面散布剤R2)
酵母エキスNTが0.1g/Lである水溶液(R2中のアデニル酸0.01g/L、ポリアミン0.32mg/L)。
(葉面散布剤R3)
酵母エキスNTが1g/Lである水溶液(R3中のアデニル酸0.1g/L、ポリアミン3.2mg/L)。
(葉面散布剤R4)
酵母エキスNTが0.3g/Lである水溶液(R4中のアデニル酸0.03g/L、ポリアミン1.0mg/L)。
(葉面散布剤R5)
酵母エキスNTが0.1g/L、展着剤であるキサンタンガム(CPケルコ社)が0.02g/Lとなるように溶解した水溶液(R5中のアデニル酸0.01g/L、ポリアミン0.32mg/L)。
【0024】
2.比較例として用いる葉面散布剤の調製
(葉面散布剤C1) 水
(葉面散布剤C2)
RNA(キリンビール社)を0.1g/Lとなるように水に溶解したもの。
(葉面散布剤C3)
酵母エキスP1G(アサヒフード&ヘルスケア社)を0.1g/Lとなるように水に溶解したもの。
(葉面散布剤C4)
ポリアミンを0.72g/L(スペルミジン400mg/L、スペルミン200mg/L、プトレッシン120mg/L)となるように水に溶解したもの。
(葉面散布剤C5)
グルタミン酸0.1g/L、展着剤であるキサンタンガム(CPケルコ社)が0.02g/Lとなるように溶解した水溶液。
【0025】
3.葉面散布剤の評価
(3−1) 根菜類の二十日大根に使用した場合の評価
土壌として一部化学肥料が配合されている「花と野菜の土」(サンテツ社製)を用いて、赤丸二十日大根を播種・定植後、本葉が出てから14株ずつの4区分を作り、区分ごとにそれぞれ葉面散布剤R1〜R3、C1を毎週1回散布した。葉の表・裏が完全に濡れるまで実施した。最初の散布から二十日後に、生育した二十日大根を区分ごとにすべて収穫した。
【0026】
葉面散布剤R1〜R3、C1のそれぞれについて、それを散布した収穫物の収量(重量、葉長)を確認した。また、根部について糖度ブリックス計を用いて糖度を測定した。
【0027】
その結果、葉面散布剤R1〜R3については、対照のC1と比較し、総重量が約10%増えた。また、R2、R3については糖度も上がった。
以上の結果から、赤丸二十日大根に対しては本葉面散布剤の効果が認められた。
葉面散布剤R1〜R3の中では、葉面散布剤R2が収穫量、糖度ともに良かったことから、葉面散布剤の酵母エキスNTの濃度としては0.05〜1.0g/Lが望ましいと思われる。
【0028】
【表1】
【0029】
(3−2)葉物類の小松菜に使用した場合の評価
土壌として市販の「花と野菜の土」を用いて、小松菜を播種・定植後本葉が出てから、葉面散布剤R1〜R3、C1を毎週1回散布した。葉の表・裏が完全に濡れるまで実施した。
【0030】
葉面散布剤R1〜R3、C1のそれぞれについて、それを散布した収穫物の収量(重量、葉長)を確認した。また、根部について糖度ブリックス計を用いて糖度を測定した。
【0031】
その結果、葉面散布剤R2、R3については、無添加のC1と比較して収量が上がり、特にR2では総重量が約10%増えた。このことから、小松菜においては葉面散布剤R1〜R3の中ではR2が良く、酵母エキスNTの葉面散布濃度としては0.1g/Lが良いという結果が得られた。
【0032】
【表2】
【0033】
(3−3) 核酸と酵母エキスとの比較
サンプルとして、葉面散布剤R2と葉面散布剤C2〜4を用いた以外は、3-1と同様に、赤丸二十日大根について葉面散布を行った。葉長、糖度(Brix値)や食味等について評価した。その結果を図1図2のグラフに示す。食味は、7名のパネラーが生食し、甘さ、辛味、苦味、旨味について官能評価を行った。
【0034】
葉面散布剤R2で処理した赤丸二十日大根の葉長は、RNAや酵母エキスを含む葉面散布剤(C2、C3)と同様に、コントロールC1と比べて大きくなる傾向となった。また、葉面散布剤R2処理では、僅かに糖度が高くなる傾向が見られた。
官能評価の結果は表3に示す通り、葉面散布剤R2で処理した大根は、C2、C3よりも甘味、辛味、旨味が強く、苦味は少なく、総合的に食味が良くなる結果が得られた。
【0035】
【表3】
【0036】
(3−4) ポリアミンとの比較
土壌は、「花と野菜の培養土」(サンテツ社製)を入れた各プランター(58×18×15cm)に小松菜(味彩)の種を播種し、60日後に収穫した。温度コントロールは特に行わなかった。葉面散布は、定植後本葉が出てから10日に1回実施。散布の仕方は、葉の表・裏が完全に濡れるまで噴霧した。上記の土壌に対して、葉面散布剤R4、ポリアミン0.72g/L含む葉面散布剤C4、C1をそれぞれ散布した。
【0037】
その結果を表4に示す。葉面散布剤R4はコントロールと比べて約1.5倍量の収量増となった。なお、葉面散布剤R4のポリアミン濃度は1.0mg/Lであり、ポリアミン単独水溶液のC4と比べると720分の1の濃度である。R4は他の成分(ヌクレオチド等)との相乗効果があることが推測される。
【0038】
【表4】
【0039】
(3−5) 茶葉に使用したときの評価
やぶきた種で、2番茶収穫後約2か月後の芽長が5〜10cm、樹畝幅約1m、畝長さ10cmの茶樹に農業噴霧用噴霧器で葉面が濡れるように、葉面散布剤R5、C1、C5を20L/ha散布した。散布回数は摘茶前に2回(1回目の散布2〜3日後に2回目を散布)。
2回目の散布の2日後、芽を採取し、十分に水洗して水を切った後、70℃の熱風乾燥器で乾燥して測定用サンプルとした。茶葉中のアミノ酸の定量分析は後藤らの方法(茶業研究報告1993年77巻29頁)に準じ、高速液体クロマトグラフィーを用いて行った。
コントロールとして水を散布したC1についても同様に芽を採取し、同様の操作を行った。
【0040】
結果は表5に示した通り、本発明の葉面散布剤R5処理により、コントロールのC1に対し、茶葉中のテアニン含有量が約2倍に増加した。旨味も高まり、味質向上できることが確認できた。
【0041】
【表5】
【0042】
(3−6) トマトに対して使用した場合の評価
土壌として市販の「花と野菜の土」を用いて、トマト(ホーム桃太郎)を播種・定植後本葉が出てから、葉面散布剤R3、C1を毎週1回散布した。葉の表・裏が完全に濡れるまで実施した。生育したトマトの果実を収穫後、それらの重量、水分、糖度、遊離アミノ酸、遊離グルタミン酸、リコピンについて測定を行った。
遊離アミノ酸、グルタミン酸は、日立アミノ酸分析計にて測定した。リコピンは、文献(日食工誌、39、925-928、1992)に従い、それに固有な可視光吸収帯から決定した。すり潰したトマト試料を抽出溶媒としてアセトン-ヘキサン(4:6)で抽出した。リコピン量を算出する式は以下の通りである。
リコピン(mg/100g)=-0.0485Abs(663nm)+0.204Abs(645nm)+0.372Abs(505nm)-0.0806Abs(453nm)とした。
結果は表6に示したとおり、R3を葉面散布したものは、C1とくらべて遊離グルタミン酸含量はやや低いものの、遊離アミノ酸合計含量は多くなり、リコピン含量は著しく高くなり、栄養価が高いものとなった。
【0043】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】(3−3)試験における葉長の増加率
図2】(3−3)試験における糖度の増加率
図1
図2