特許第6562428号(P6562428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6562428
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】産業車両および照明装置
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/04 20060101AFI20190808BHJP
   B66F 9/075 20060101ALI20190808BHJP
   B60J 7/00 20060101ALI20190808BHJP
   B62D 33/06 20060101ALI20190808BHJP
   B60R 21/11 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   B60Q1/04 A
   B66F9/075 J
   B66F9/075 G
   B60J7/00 B
   B62D33/06 F
   B60R21/11
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-59490(P2018-59490)
(22)【出願日】2018年3月27日
【審査請求日】2018年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 雅博
(72)【発明者】
【氏名】土利川 卓
【審査官】 下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−172231(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0140497(US,A1)
【文献】 実公昭48−019515(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/04
B60J 7/00
B60R 21/11
B62D 33/06
B66F 9/075
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体と、
前記車体の上部に設けられたヘッドガードと、
前記ヘッドガードに設けられた、前記車体の前方を照らす照明装置と、
を備える産業車両であって、
前記ヘッドガードは、前記車体の前部に設けられた左右一対のフロントピラーと、前記車体の上方を覆うルーフと、を備え、
前記ルーフは、前記左右一対のフロントピラー間において、前記車体の左右方向に延びるパイプを備え、
前記照明装置は、前記車体の前方を照らす照明と、前記パイプに取り外し可能に取り付けられたブラケットと、を備え、
前記照明は、前記ルーフの下方に位置し、かつ前記左右一対のフロントピラーの側方または後方に位置するように、前記ブラケットに取り付けられ
前記ブラケットは、
前記照明が下側に取り付けられた第1ブラケットと、
前記第1ブラケットとともに前記パイプを挟み込む第2ブラケットと、
前記照明と前記第1ブラケットとを固定する第1固定手段と、
前記パイプを挟み込んだ状態の前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを固定する第2固定手段と、を備え、
前記パイプは、上面、下面、前面および後面を有し、
前記第1ブラケットは、上面部と、前記上面部の後端から下方向に延びるとともに前記パイプの前記後面に対向する後面部と、前記後面部の下端から前方向に延びるとともに前記パイプの前記下面に対向する下面部と、を有し、
前記第1ブラケットの前記上面部は、前記パイプの前記上面に対向する第1上面部と、前記第1上面部の前端から前方向に延びるとともに前記照明が取り付けられた第2上面部と、を有し
前記第2ブラケットは、前記第2上面部の下側において前記第2上面部と対向する第3上面部と、前記第3上面部の後端から下方向に延びるとともに前記パイプの前記前面に対向する前面部と、を有し、
前記第1固定手段は、前記照明と前記第2上面部とを固定し、
前記第2固定手段は、前記第2上面部と前記第3上面部とを上下方向に挟み込んだ状態で固定することを特徴とする産業車両。
【請求項2】
前記第1ブラケットの前記上面部は、前記後端側に切り欠きを有し、前記第1上面部の左右方向の長さが前記第2上面部の左右方向の長さよりも短い
ことを特徴とする請求項に記載の産業車両。
【請求項3】
前記第1ブラケットの前記後面部と前記パイプの前記後面との間に設けられた第1緩衝材と、
前記第2ブラケットの前記前面部と前記パイプの前記前面との間に設けられた第2緩衝材と、を備える
ことを特徴とする請求項1または2に記載の産業車両。
【請求項4】
パイプに取り付けられる照明装置であって、
前方を照らす照明と、
前記パイプに取り外し可能に取り付けられるブラケットと、を備え、
前記ブラケットは、
前記照明が下側に取り付けられた第1ブラケットと、
前記第1ブラケットとともに前記パイプを挟み込む第2ブラケットと、
前記照明と前記第1ブラケットとを固定する第1固定手段と、
前記パイプを挟み込んだ状態の前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを固定する第2固定手段と、を備え
前記第1ブラケットは、上面部と、前記上面部の後端から下方向に延びる後面部と、前記後面部の下端から前方向に延びる下面部と、を有し、
前記第1ブラケットの前記上面部は、第1上面部と、前記第1上面部の前端から前方向に延びるとともに前記照明が取り付けられた第2上面部と、を有し、
前記第2ブラケットは、前記第2上面部の下側において前記第2上面部と対向する第3上面部と、前記第3上面部の後端から下方向に延びる前面部と、を有し、
前記第1固定手段は、前記照明と前記第2上面部とを固定し、
前記第2固定手段は、前記第2上面部と前記第3上面部とを上下方向に挟み込んだ状態で固定することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
前記第1ブラケットの前記上面部は、前記後端側に切り欠きを有し、前記第1上面部の左右方向の長さが前記第2上面部の左右方向の長さよりも短い
ことを特徴とする請求項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業車両および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フォークリフト等の産業車両は、照明装置を備える。照明装置は、車両の前方を照らし、車両の周りにいる作業者に車両の存在を知らせる。
【0003】
従来のフォークリフトは、ヘッドガードを構成するルーフの上方に照明装置が設けられていたり(例えば、特許文献1参照)、ヘッドガードを構成するフロントピラーの前方に照明装置が設けられていたりする(例えば、特許文献2参照)。両者ともヘッドガードの外側に照明装置が設けられているため、照明装置の存在がフォークリフトの外観を損なうという問題がある。
【0004】
また、特許文献1に記載のフォークリフトでは、照明装置を取り付けるためにルーフに穴を開けているため、ルーフの強度が低下してしまうという問題がある。特許文献2に記載のフォークリフトでは、照明装置が溶接によって取り付けられているため、照明装置を取り外すことができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平2−86834号公報
【特許文献2】特開平3−25038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、外観を損なわない産業車両および照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る産業車両は、
車体と、
前記車体の上部に設けられたヘッドガードと、
前記ヘッドガードに設けられた、前記車体の前方を照らす照明装置と、
を備える産業車両であって、
前記ヘッドガードは、前記車体の前部に設けられた左右一対のフロントピラーと、前記車体の上方を覆うルーフと、を備え、
前記ルーフは、前記左右一対のフロントピラー間において、前記車体の左右方向に延びるパイプを備え、
前記照明装置は、前記車体の前方を照らす照明と、前記パイプに取り外し可能に取り付けられたブラケットと、を備え、
前記照明は、前記ルーフの下方に位置し、かつ前記左右一対のフロントピラーの側方または後方に位置するように、前記ブラケットに取り付けられ
前記ブラケットは、
前記照明が下側に取り付けられた第1ブラケットと、
前記第1ブラケットとともに前記パイプを挟み込む第2ブラケットと、
前記照明と前記第1ブラケットとを固定する第1固定手段と、
前記パイプを挟み込んだ状態の前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを固定する第2固定手段と、を備え、
前記パイプは、上面、下面、前面および後面を有し、
前記第1ブラケットは、上面部と、前記上面部の後端から下方向に延びるとともに前記パイプの前記後面に対向する後面部と、前記後面部の下端から前方向に延びるとともに前記パイプの前記下面に対向する下面部と、を有し、
前記第1ブラケットの前記上面部は、前記パイプの前記上面に対向する第1上面部と、前記第1上面部の前端から前方向に延びるとともに前記照明が取り付けられた第2上面部と、を有し
前記第2ブラケットは、前記第2上面部の下側において前記第2上面部と対向する第3上面部と、前記第3上面部の後端から下方向に延びるとともに前記パイプの前記前面に対向する前面部と、を有し、
前記第1固定手段は、前記照明と前記第2上面部とを固定し、
前記第2固定手段は、前記第2上面部と前記第3上面部とを上下方向に挟み込んだ状態で固定することを特徴とする。
【0010】
上記産業車両において、
前記第1ブラケットの前記上面部は、前記後端側に切り欠きを有し、前記第1上面部の左右方向の長さが前記第2上面部の左右方向の長さよりも短くてもよい。
【0011】
上記産業車両において、
前記第1ブラケットの前記後面部と前記パイプの前記後面との間に設けられた第1緩衝材と、
前記第2ブラケットの前記前面部と前記パイプの前記前面との間に設けられた第2緩衝材と、を備えてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る照明装置は、
パイプに取り付けられる照明装置であって、
前方を照らす照明と、
前記パイプに取り外し可能に取り付けられるブラケットと、を備え、
前記ブラケットは、
前記照明が下側に取り付けられた第1ブラケットと、
前記第1ブラケットとともに前記パイプを挟み込む第2ブラケットと、
前記照明と前記第1ブラケットとを固定する第1固定手段と、
前記パイプを挟み込んだ状態の前記第1ブラケットと前記第2ブラケットとを固定する第2固定手段と、を備え
前記第1ブラケットは、上面部と、前記上面部の後端から下方向に延びる後面部と、前記後面部の下端から前方向に延びる下面部と、を有し、
前記第1ブラケットの前記上面部は、第1上面部と、前記第1上面部の前端から前方向に延びるとともに前記照明が取り付けられた第2上面部と、を有し、
前記第2ブラケットは、前記第2上面部の下側において前記第2上面部と対向する第3上面部と、前記第3上面部の後端から下方向に延びる前面部と、を有し、
前記第1固定手段は、前記照明と前記第2上面部とを固定し、
前記第2固定手段は、前記第2上面部と前記第3上面部とを上下方向に挟み込んだ状態で固定することを特徴とする。
【0014】
上記照明装置において、
前記第1ブラケットの前記上面部は、前記後端側に切り欠きを有し、前記第1上面部の左右方向の長さが前記第2上面部の左右方向の長さよりも短くてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外観を損なわない産業車両および照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係るフォークリフトの側面図である。
図2】本発明の一実施形態に係るフォークリフトの車体構造の斜視図である。
図3】本発明の一実施形態に係る照明装置の平面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る照明装置の正面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る照明装置の側面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る第1ブラケットの斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る第2ブラケットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る産業車両および照明装置の実施形態について説明する。産業車両の実施形態については、フォークリフトを例に挙げて説明する。上下左右前後の方向は、フォークリフトの車体を基準に考える。
【0018】
図1に、本発明に係る産業車両の一実施形態であるフォークリフト1の側面図を示す。フォークリフト1は、車体2と、車体2の下部前側に設けられた前輪3と、車体2の下部後側に設けられた後輪4と、車体2の前部に設けられた荷役装置5と、を備える。
【0019】
荷役装置5は、各シリンダ(リフトシリンダ、ティルトシリンダおよびリーチシリンダ)と、キャリッジと、キャリッジに立設された左右一対のマストと、マストに昇降可能に取り付けられた左右一対のフォークと、を含む。例えば、リフトシリンダはフォークを昇降させ、ティルトシリンダはフォークを傾け、リーチシリンダはキャリッジを前後に移動させる。
【0020】
フォークリフト1は、車体2の上部に設けられた運転席6およびヘッドガード7を備える。運転席6の前方には、ステアリングハンドル、アクセルレバー、荷役レバー(リフトレバー、ティルトレバーおよびリーチレバー)等が設けられている。
【0021】
図2に、フォークリフト1の車体構造の斜視図を示す。図2では、前輪3、後輪4、荷役装置5および運転席6を省略している。車体2の上部に設けられたヘッドガード7は、左右一対のフロントピラー8と、左右一対のサイドビーム9と、左右一対のリアピラー10と、ルーフ11と、を含む。
【0022】
フロントピラー8は、上下方向に延びる矩形状のパイプ部材からなる。フロントピラー8は、下端が車体2の前部に設けられている。フロントピラー8の上端は、フロントピラー8の下端よりも、わずかに後方に位置する。フロントピラー8には、各1つのヘッドライト(図示略)が取り付けられている。ヘッドライトは、例えば、白色光を発し、車体2の前方を比較的広範囲に照らす。
【0023】
サイドビーム9は、前後方向に延びる矩形状のパイプ部材からなる。サイドビーム9の前端は、フロントピラー8の上端と連続している。すなわち、フロントピラー8とサイドビーム9は、一連のパイプ部材からなる。右側のサイドビーム9は、前後方向の中央に隙間が形成され、前後に分離している。なお、サイドビーム9は、リアピラー10と一連のパイプ部材であってもよい。
【0024】
リアピラー10は、上下方向に延びる矩形状のパイプ部材からなる。リアピラー10は、下端が車体2の後部に設けられ、上端がサイドビーム9の後端部の下側に接している。リアピラー10の上端は、リアピラー10の下端よりも、わずかに前方に位置する。
【0025】
ルーフ11は、フロントピラー8間において左右方向に延びる複数の第1パイプを備える。複数の第1パイプのうち、サイドビーム9の前端部に位置する矩形状のパイプ12に、本発明の一実施形態に係る照明装置100が取り付けられている。ルーフ11は、サイドビーム9と平行に前後方向に延びる複数の第2パイプ13を備える。ルーフ11は、複数の第1パイプと複数の第2パイプ13によって、格子状に形成されている。
【0026】
図3図5に本発明の一実施形態に係る照明装置100を示す。図3は平面図、図4は正面図、図5図3のA−A線断面図である。図3図5に示すように、照明装置100は、車体2の前方を照らす照明101と、パイプ12に取り外し可能に取り付けられたブラケットと、を備える。
【0027】
照明101は、車両の周りにいる作業者に車両の存在を知らせるために、ブルーライトを発する。照明101は、ヘッドライトよりも狭い範囲を照らす。照明101は、例えば、少なくとも1つの青色発光ダイオードを含む。照明101は、パイプ12の下方に位置し、かつ左右一対のフロントピラー8の側方に位置するように、ブラケットに取り付けられている。すなわち、照明101は、ヘッドガード7の内側に収まっている。
【0028】
ブラケットは、第1ブラケット102と、第2ブラケット103と、第1固定手段104と、第2固定手段105と、を備える。第1固定手段104は、例えば、ボルト等の軸部とナット等の固定部とで構成される。第2固定手段105は、例えば、ボルト等の軸部とナット等の固定部とで構成される。
【0029】
図6に、第1ブラケット102の斜視図を示す。第1ブラケット102は、第1上面部102aおよび第2上面部102bからなる上面部と、後面部102cと、下面部102dと、を有する。
【0030】
第1上面部102aは、図5に示すように、パイプ12の上面12aに対向する。第2上面部102bは、第1上面部102aの前端から前方向に延びるとともに、少なくとも1つ(本実施形態では、1つ)の第1孔部106と、少なくとも1つ(本実施形態では、2つ)の第2孔部107を有する。
【0031】
第1孔部106は、第1固定手段104の軸部よりも大きく、第1固定手段104の固定部よりも小さい大きさに形成されている。第2孔部107は、第2固定手段105の軸部よりも大きく、第2固定手段105の固定部よりも小さい大きさに形成されている。
【0032】
第1上面部102aおよび第2上面部102bからなる上面部は、後端側に切り欠き108を有し、第1上面部102aの左右方向の長さが第2上面部102bの左右方向の長さよりも短い。また、図3に示すように、第1上面部102aの左右方向の長さは、隣り合う第2パイプ13の間隔よりも短い。照明装置100は、切り欠き108を有することで、パイプ12への取り付け位置の自由度が増す。すなわち、照明装置100は、第1上面部102aが第2パイプ13に接触するまで、左右方向の位置を変更することができる。
【0033】
後面部102cは、第1上面部102aの後端から下方向に延びるとともに、パイプ12の後面12dに対向する。下面部102dは、後面部102cの下端から前方向に延びるとともに、パイプ12の下面12bに対向する。
【0034】
図7に、第2ブラケット103の斜視図を示す。第2ブラケット103は、第1ブラケット102とともにパイプ12を挟み込む。第2ブラケット103は、第3上面部103aと、前面部103bと、を有する。第3上面部103aおよび前面部103bの左右方向の長さは、第1ブラケット102の第1上面部102aおよび後面部102cの左右方向の長さと同じである。
【0035】
第3上面部103aは、少なくとも1つ(本実施形態では、2つ)の第3孔部109を有する。第3孔部109は、第1ブラケット102の第2孔部107と同じ数および同じ大きさに形成されている。第3上面部103aは、第3孔部109と第2孔部107とが重なるように、第1ブラケット102の第2上面部102bの下側において第2上面部102bと対向する。前面部103bは、第3上面部103aの後端から下方向に延びるとともに、パイプ12の前面12cに対向する。
【0036】
第1固定手段104は、第1ブラケット102と照明101とを固定する。第2固定手段105は、パイプ12を挟み込んだ状態の第1ブラケット102と第2ブラケット103とを固定する。
【0037】
より詳しくは、第2固定手段105の軸部(例えば、ボルトの軸部)は、第2孔部107および第3孔部109に挿通される。第2固定手段105の固定部(例えば、ボルトの頭部およびナット)は、第1ブラケット102の第2上面部102bと第2ブラケット103の第3上面部103aとを上下方向に挟み込んだ状態で、第1ブラケット102および第2ブラケット103を固定する。
【0038】
図5では省略しているが、照明装置100は、第1ブラケット102の後面部102cとパイプ12の後面12dとの間に設けられた第1緩衝材と、第2ブラケット103の前面部103bとパイプ12の前面12cとの間に設けられた第2緩衝材と、を備えてもよい。第1緩衝材は、例えばゴムからなり、第1ブラケット102の後面部102cとパイプ12の後面12dとの隙間を埋める。第2緩衝材は、例えばゴムからなり、第2ブラケット103の前面部103bとパイプ12の前面12cとの隙間を埋める。
【0039】
なお、照明装置100は、第1ブラケット102の第1上面部102aとパイプ12の上面12aとの間に設けられた第3緩衝材と、第1ブラケット102の下面部102dとパイプ12の下面12bとの間に設けられた第4緩衝材と、をさらに備えてもよい。
【0040】
本実施形態に係るフォークリフト1および照明装置100では、照明101が、ルーフ11の下方に位置し、かつ左右一対のフロントピラー8の側方に位置する。すなわち、本実施形態に係るフォークリフト1および照明装置100では、ヘッドガード7の内側に照明101が設けられているため、照明装置100の存在がフォークリフト1の外観を損なうことはない。
【0041】
本実施形態に係るフォークリフト1および照明装置100では、ヘッドガード7に加工を施すことなく、第1ブラケット102と第2ブラケット103とでパイプ12を挟み込むことによって、照明装置100がヘッドガード7に取り付けられている。このため、本実施形態に係るフォークリフト1および照明装置100では、照明装置100を取り付けたことによるヘッドガード7の強度低下を抑制できる。
【0042】
本実施形態に係るフォークリフト1および照明装置100では、照明装置100をヘッドガード7から容易に取り外すことができ、取り外した照明装置100をヘッドガード7のパイプ12の任意の位置に取り付けることができる。
【0043】
以上、本発明に係る産業車両および照明装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0044】
本発明の産業車両は、車体と、車体の上部に設けられたヘッドガードと、ヘッドガードに設けられた前方を照らす照明装置(照明およびブラケット)と、を備えていれば、フォークリフ以外のものでもよい。本発明の産業車両において、ブラケットは、ヘッドガードのパイプに、取り外し可能に取り付けられていればよく、照明は、ヘッドガードのルーフの下方に位置し、かつヘッドガードのフロントピラーの側方または後方に位置するように、ブラケットに取り付けられていればよい。
【0045】
本発明の照明装置は、前方を照らす照明と、パイプに取り外し可能に取り付けられるブラケットと、を備えていればよい。本発明の照明装置において、ブラケットは、照明が下側に取り付けられた第1ブラケットと、第1ブラケットとともにパイプを挟み込む第2ブラケットと、当該パイプを挟み込んだ状態の第1ブラケットと第2ブラケットとを固定する固定手段と、を備えることが好ましい。
【0046】
第1ブラケット、第2ブラケットおよび固定手段は、適宜構成を変更できる。
【符号の説明】
【0047】
1 フォークリフト
2 車体
3 前輪
4 後輪
5 荷役装置
6 運転席
7 ヘッドガード
8 フロントピラー
9 サイドビーム
10 リアピラー
11 ルーフ
12 パイプ
12a 上面
12b 下面
12c 前面
12d 後面
13 第2パイプ
100 照明装置
101 照明
102 第1ブラケット
102a 第1上面部
102b 第2上面部
102c 後面部
102d 下面部
103 第2ブラケット
103a 第3上面部
103b 前面部
104 第1固定手段
105 第2固定手段
106 第1孔部
107 第2孔部
108 切り欠き
109 第3孔部
【要約】
【課題】外観を損なわない産業車両および照明装置を提供する。
【解決手段】産業車両は、車体と、車体の上部に設けられたヘッドガードと、ヘッドガードに設けられた車体の前方を照らす照明装置と、を備える。照明装置は、車体の前方を照らす照明101と、ヘッドガードのパイプ12に取り外し可能に取り付けられたブラケット102,103と、を備える。照明101は、パイプ12の下方に位置し、かつヘッドガードのフロントピラー8の側方または後方に位置するように、ブラケット102に取り付けられている。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7