特許第6562429号(P6562429)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6562429
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】在庫管理システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20190808BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20190808BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20190808BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20190808BHJP
【FI】
   B65G1/137 A
   B65G61/00 422
   G05B19/418 Z
   G06Q10/08
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-80323(P2018-80323)
(22)【出願日】2018年4月19日
【審査請求日】2018年4月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232807
【氏名又は名称】三菱ロジスネクスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷 日出樹
【審査官】 中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−091148(JP,A)
【文献】 特開2017−019593(JP,A)
【文献】 特開平09−114898(JP,A)
【文献】 特開2005−255390(JP,A)
【文献】 特開平05−165865(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車によって搬送される商品の在庫管理を行う在庫管理システムであって、
前記商品の在庫データを格納するデータ格納部と、
前記商品の出庫要求に応じて出庫指示データを生成するデータ生成部と、
前記搬送車に設けられ、前記出庫指示データに含まれる出庫指示の一覧画面と、前記一覧画面において選択された前記出庫指示の明細画面と、を表示する表示部と、
前記搬送車に設けられ、出庫した前記商品に関する商品情報を入力する入力部と、
前記商品情報に基づいて前記在庫データを更新するデータ更新部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記出庫要求に応じて出庫対象の前記商品の予定出庫数に関する数量データを生成し、前記数量データを前記データ格納部に格納する一方、前記在庫データに対して引当を行わないことを特徴とし、かつ
前記データ生成部は、
前記出庫要求に応じて前記出庫指示データを生成するときに、前記出庫対象の前記商品のロケーションを特定し、
前記一覧画面において前記出庫指示が選択されたときに、前記ロケーションに前記出庫対象の前記商品がない場合は、前記商品の別のロケーションを特定する
ことを特徴とする在庫管理システム。
【請求項2】
前記表示部は、前記一覧画面において前記ロケーションを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の在庫管理システム。
【請求項3】
搬送車によって搬送される商品の在庫管理を行う在庫管理システムであって、
前記商品の在庫データを格納するデータ格納部と、
前記商品の出庫要求に応じて出庫指示データを生成するデータ生成部と、
前記搬送車に設けられ、前記出庫指示データに含まれる出庫指示の一覧画面と、前記一覧画面において選択された前記出庫指示の明細画面と、を表示する表示部と、
前記搬送車に設けられ、出庫した前記商品に関する商品情報を入力する入力部と、
前記商品情報に基づいて前記在庫データを更新するデータ更新部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記出庫要求に応じて出庫対象の前記商品の予定出庫数に関する数量データを生成し、前記数量データを前記データ格納部に格納する一方、前記在庫データに対して引当を行わないことを特徴とし、かつ
前記データ生成部は、
前記出庫要求に応じて前記出庫指示データを生成するときに、前記出庫対象の前記商品のロケーションを特定することなく、前記一覧画面において前記出庫指示が選択されたときに、前記出庫指示に対応する前記ロケーションを特定する
ことを特徴とする在庫管理システム。
【請求項4】
前記表示部は、前記一覧画面において前記ロケーションを表示することなく、前記明細画面において前記ロケーションを表示する
ことを特徴とする請求項3に記載の在庫管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、在庫管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
在庫管理システムは、商品の在庫データを管理する管理装置と、商品の搬送を行う搬送車(例えば、フォークリフト)に備えられた作業者用端末と、を含む(例えば、特許文献1参照)。このような在庫管理システムでは、出庫作業を行う場合、管理装置は在庫データに対して引当を行う。
【0003】
引当とは、在庫データの明細行ごとに予約を立てることを意味する。図5に示すように、在庫データの明細行は、複数の管理項目(図5では、商品コード、商品名、ロット、賞味期限、入庫日、ロケーション、数量、引当数)を含む。管理装置は、例えば、商品コード「A001」、出庫数「50」という出庫要求を受け付けると、明細行の1行目を選択して、引当数「50」を計上する。管理装置が引当を行う際に明細行の何行目を選択するかは、予め設定された優先順位(例えば、賞味期限が近い順)に従う。
【0004】
管理装置は、引当を行った商品の管理項目に関するデータを出庫指示データとして作業者用端末に送信する。作業者は、作業者用端末を確認して、引当を行った商品と同一の商品(全ての管理項目が一致する商品)を出庫することになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−91148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の通り、従来の在庫管理システムでは、管理装置が在庫データに対して引当を行うので、突発的な事態が発生した場合に、効率的に出庫作業を行うことができないという問題がある。例えば、引当を行った商品が破損等により出庫不可能な状態であることが、出庫作業時にはじめて分かった場合、作業者は、管理装置で引当を一旦解除した後、他の商品(明細行)に対して再度引当を行わないと、出庫作業を行うことができない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、効率的に出庫作業を行うことが可能な在庫管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る在庫管理システムは、
搬送車によって搬送される商品の在庫管理を行う在庫管理システムであって、
前記商品の在庫データを格納するデータ格納部と、
前記商品の出庫要求に応じて出庫指示データを生成するデータ生成部と、
前記搬送車に設けられ、前記出庫指示データに含まれる出庫指示の一覧画面と、前記一覧画面において選択された前記出庫指示の明細画面と、を表示する表示部と、
前記搬送車に設けられ、出庫した前記商品に関する商品情報を入力する入力部と、
前記商品情報に基づいて前記在庫データを更新するデータ更新部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記出庫要求に応じて出庫対象の前記商品の予定出庫数に関する数量データを生成し、前記数量データを前記データ格納部に格納する一方、前記在庫データに対して引当を行わないことを特徴とし、かつ
前記データ生成部は、
前記出庫要求に応じて前記出庫指示データを生成するときに、前記出庫対象の前記商品のロケーションを特定し、
前記一覧画面において前記出庫指示が選択されたときに、前記ロケーションに前記出庫対象の前記商品がない場合は、前記商品の別のロケーションを特定することを特徴とする。
【0010】
前記表示部は、前記一覧画面において前記ロケーションを表示してもよい。
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係る別の在庫管理システムは、
搬送車によって搬送される商品の在庫管理を行う在庫管理システムであって、
前記商品の在庫データを格納するデータ格納部と、
前記商品の出庫要求に応じて出庫指示データを生成するデータ生成部と、
前記搬送車に設けられ、前記出庫指示データに含まれる出庫指示の一覧画面と、前記一覧画面において選択された前記出庫指示の明細画面と、を表示する表示部と、
前記搬送車に設けられ、出庫した前記商品に関する商品情報を入力する入力部と、
前記商品情報に基づいて前記在庫データを更新するデータ更新部と、
を備え、
前記データ生成部は、前記出庫要求に応じて出庫対象の前記商品の予定出庫数に関する数量データを生成し、前記数量データを前記データ格納部に格納する一方、前記在庫データに対して引当を行わないことを特徴とし、かつ
前記データ生成部は、
前記出庫要求に応じて前記出庫指示データを生成するときに、前記出庫対象の前記商品のロケーションを特定することなく、前記一覧画面において前記出庫指示が選択されたときに、前記出庫指示に対応する前記ロケーションを特定することを特徴とする。
【0012】
前記表示部は、前記一覧画面において前記ロケーションを表示することなく、前記明細画面において前記ロケーションを表示してもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、効率的に出庫作業を行うことが可能な在庫管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態に係る在庫管理システムのブロック図である。
図2】(A)は本発明の在庫管理システムにおける在庫データの一例を示す図である。(B)は本発明の在庫管理システムにおける数量データの一例を示す図である。
図3】(A)は本発明の作業者用端末における一覧画面の一例を示す図である。(B)は本発明の作業者用端末における明細画面の一例を示す図である。
図4】本発明の在庫管理システムによる在庫管理方法の出庫作業フローを示す図である。
図5】従来の在庫管理システムにおける在庫データの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る在庫管理システム、在庫管理方法および管理装置の実施形態について説明する。
【0018】
図1に、本発明の一実施形態に係る在庫管理システム1を示す。同図に示すように、在庫管理システム1は、本発明の一実施形態に係る管理装置10と、商品の搬送を行う複数台の搬送車(本実施形態では、フォークリフト)に各1つ備えられた作業者用端末20と、を含む。管理装置10と作業者用端末20とは、ネットワーク31および通信部32(例えば、無線アンテナ)を介して、相互に通信可能に構成されている。
【0019】
管理装置10は、例えば、PCサーバ等の少なくとも1台のコンピュータで構成され、データ格納部11と、データ生成部12と、データ更新部13と、を備える。管理装置10は、キーボード等で構成されるデータ入力部と、ディスプレイ等で構成されるデータ表示部と、をさらに備えてもよい。管理装置10は、商品の保管場所(例えば、倉庫)に設置されていてもよいし、商品の保管場所とは別の場所(例えば、事務所)に設置されていてもよい。
【0020】
作業者用端末20は、表示部21と、入力部22とを備える。表示部21は、例えば、液晶タッチパネル等で構成される。入力部22は、例えば、キーボードおよび/またはバーコードスキャナ等で構成される。搬送車がフォークリフトの場合、作業者用端末20は、フォークリフトの運転席に設けられることが好ましい。
【0021】
データ格納部11は、図2(A)に示すような商品の在庫データと、図2(B)に示すような出庫対象商品の予定出庫数に関する数量データと、を含む各種データを格納する。
【0022】
在庫データは、商品の複数の管理項目(図2(A)では、商品コード、商品名、ロット、賞味期限、入庫日、ロケーション、数量)からなる明細行を含む。在庫データの明細行に含まれる管理項目は、適宜構成を変更できる。なお、本実施形態では、商品が置かれているラックの列にロケーション(商品の収納場所に関する識別番号)を割り当てているが、ロケーションの割り当ては、適宜変更できる。
【0023】
数量データは、商品名と、その商品の予定出庫数とを含む。数量データは、商品名の代わりに、または商品名に加えて、その商品を特定できる管理項目を含んでもよい。
【0024】
データ生成部12は、上位のコンピュータまたはデータ入力部から入力された出庫要求を受け付ける。出庫要求は、商品を特定できる管理項目(例えば、商品コード)と、当該商品の数量(出庫数)と、に関する情報を含む。
【0025】
データ生成部12は、出庫要求を受け付けると、数量データを生成してデータ格納部11に格納する。例えば、データ生成部12は、商品コード「A001」、出庫数「20」という第1の出庫要求と、商品コード「A002」、出庫数「20」という第2の出庫要求と、商品コード「A002」、出庫数「10」という第3の出庫要求と、を受け付けた場合、図2(B)に示す数量データを生成する。
【0026】
データ生成部12は、数量データの予定出庫数が在庫データの数量(在庫数)を超えない範囲で、出庫要求を受け付ける。このように、データ生成部12が数量データと在庫データとを比較することで、予定出庫数が在庫数を超えたことによる商品の欠品を、確実に防止することができる。言い換えれば、データ生成部12は、商品の欠品を防止するために数量データを生成する。
【0027】
データ生成部12は、上記のとおり数量データを生成する一方で、在庫データに対して引当を行わない。すなわち、在庫管理システム1では、在庫データの明細行ごとに予約を立てることをしない。当然ながら、在庫管理システム1では、明細行ごとに引当数を計上することもないし、在庫データおよび数量データとは別に引当データ(例えば、ロケーションを特定した引当テーブル)を生成したり更新したりすることもない。このように、在庫データに対して引当を行わないことで、出庫対象の商品を、現場判断で(フォークリフトに乗った作業者の判断で)容易に変更することができる。
【0028】
データ生成部12は、数量データを生成するとともに、出庫要求に応じた出庫指示データを生成する。出庫指示データは、作業者用端末20の表示部21に表示される出庫指示の一覧画面および明細画面に関するものである。
【0029】
データ生成部12は、出庫要求の受け付け時に一覧画面に関する出庫指示データを生成する。例えば、第1の出庫要求の受け付け時に、データ生成部12は、第1の出庫要求に対応する商品のロケーションを特定し、出庫指示データを生成して作業者用端末20に送信する。同様に、第2および第3の出庫要求の受け付け時に、データ生成部12は、第2および第3の出庫要求に対応する商品のロケーションを特定し、出庫指示データを生成して作業者用端末20に送信する。その結果、作業者用端末20の表示部21には、図3(A)に示すとおり、第1〜第3の出庫要求に対応する商品のロケーションが特定された出庫指示の一覧画面が表示される。
【0030】
図3(A)に示す一覧画面において作業者が第1(No.1)の出庫指示を選択した場合、データ生成部12は、第1の出庫指示に対応する商品のロケーションを再度特定し、第1の出庫指示の明細画面に関する出庫指示データを生成する。出庫指示データは作業者用端末20に送信され、作業者用端末20の表示部21には、図3(B)に示す明細画面が表示される。
【0031】
本実施形態では、在庫データに対して引当を行わないので、一覧画面において作業者が出庫指示を選択した時点において、その出庫指示におけるロケーションに出庫対象の商品が存在しない場合がある。この点、データ生成部12は、上記のとおり一覧画面において作業者が出庫指示を選択したときに当該出庫指示に対応する商品のロケーションを再度特定するので、出庫対象の商品について別のロケーションを特定した出庫指示データを生成することができる。
【0032】
データ更新部13は、作業者用端末20の入力部22において、出庫した商品に関する商品情報(例えば、商品コード、ロケーション、出庫数、等)が入力されると、当該商品情報に基づいて在庫データおよび数量データを更新する。例えば、データ更新部13は、在庫データの商品の「数量」および数量データの「予定出庫数」を、商品情報に含まれる出庫数の分だけ減らす処理を行う。
【0033】
図4に、在庫管理システム1を用いた在庫管理方法を示す。本実施形態に係る在庫管理方法は、出庫要求入力工程(S1)と、データ生成工程(S2)と、出庫作業工程(S3)と、物品チェック工程(S4)と、出庫作業完了工程(S5)と、を含む。なお、物品チェック工程(S4)は省略してもよい。
【0034】
出庫要求入力工程(S1)では、データ生成部12が、上位のコンピュータまたはデータ入力部から入力された出庫要求を受け付ける。本実施形態では、データ生成部12が、商品コード「A001」、出庫数「20」という第1の出庫要求と、商品コード「A002」、出庫数「20」という第2の出庫要求と、商品コード「A002」、出庫数「10」という第3の出庫要求と、を受け付けたものとする。
【0035】
データ生成工程(S2)では、データ生成部12は、第1〜第3の出庫要求に応じて図2(B)に示す数量データを生成し、当該数量データをデータ格納部11に格納する一方、在庫データに対して引当を行わない。すなわち、本実施形態に係る在庫管理方法では、在庫データの明細行ごとに予約を立てることをしない。当然ながら、明細行ごとに引当数を計上することもないし、在庫データおよび数量データとは別に引当データ(例えば、ロケーションを特定した引当テーブル)を生成したり更新したりすることもない。
【0036】
また、データ生成工程(S2)では、データ生成部12は、第1〜第3の出庫要求に対応する各商品の出庫指示に関するデータであって、当該各商品のロケーションを特定した出庫指示データを生成し、当該出庫指示データを作業者用端末20に送信する。
【0037】
出庫作業工程(S3)では、作業者用端末20は、出庫指示データに基づいて表示部21に図3(A)に示す一覧画面を表示させる。作業者は、図3(A)に示す一覧画面において出庫指示を選択することができる。例えば、作業者が第1(No.1)の出庫指示を選択した場合、作業者用端末20は、選択された第1の出庫指示に関するデータをデータ生成部12に送信する。データ生成部12は、第1の出庫指示に対応する商品のロケーションを再度特定し、第1の出庫指示の新たな出庫指示データ(明細画面に関する出庫指示データ)を生成し、当該出庫指示データを作業者用端末20に送信する。作業者用端末20は、新たな出庫指示データに基づいて表示部21に図3(B)に示す明細画面を表示させる。作業者は、明細画面に示されたロケーション「0001」にフォークリフトを移動させ、出庫作業を行うことができる。
【0038】
本実施形態に係る在庫管理方法では、在庫データに対して引当を行わないので、作業者は、出庫対象の商品を現場で容易に変更することができる。例えば、第1の出庫指示を選択した作業者は、ロケーション「0001」にある商品(商品コード「A001」)を出庫する代わりに、現場判断で別のロケーション(例えば、ロケーション「0002」)にある商品(商品コード「A001」)を出庫することができる。
【0039】
物品チェック工程(S4)では、商品または商品を搭載しているパレットに商品情報を記録したバーコードが設けられている場合、作業者は、入力部22に含まれるバーコードスキャナでバーコードを読み込むことができる。この場合、作業者用端末20は、バーコードに記録されている商品情報と第1の出庫指示に係る商品の商品情報とを比較し、両者が一致しているか異なっているかを表示部21に表示する。なお、例えば、入力部22がバーコードスキャナを含んでいない場合や、別のロケーションから出庫対象の商品を出庫する場合は、物品チェック工程(S4)を省略してもよい。
【0040】
出庫作業完了工程(S5)では、作業者が入力部22から商品情報(例えば、商品コード、ロケーション、出庫数、等)を入力すると、入力部22は、入力された商品情報を管理装置10に送信する。管理装置10では、データ更新部13が、商品情報に基づいて在庫データおよび数量データを更新し、在庫データの「数量」および数量データの「予定出庫数」を減算する。
【0041】
結局、本実施形態に係る在庫管理システム1、在庫管理方法および管理装置10によれば、管理装置10が、出庫要求の受け付け時に数量データを生成するので、予定出庫数が在庫数を超えたことによる商品の欠品を防止することができるとともに、在庫データに対して引当を行わないので、突発的な事態が発生した場合であっても効率的に出庫作業を行うことができる。
【0042】
以上、本発明に係る在庫管理システム、在庫管理方法および管理装置の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
【0043】
例えば、データ生成部12は、一覧画面に関する出庫指示データを生成するときに出庫対象の商品のロケーションを特定することなく、一覧画面において出庫指示が選択されたときに当該出庫指示に係る商品のロケーションを特定してもよい。この構成によれば、一覧画面で作業者が出庫指示を選択した時点において、当該出庫指示に係る商品のロケーションに出庫対象の商品が存在しないという事態を防ぐことができる。
【0044】
上記のように、一覧画面に関する出庫指示データを生成するときに出庫対象の商品のロケーションを特定しない場合、表示部21は、一覧画面においてロケーションを表示することなく、明細画面においてロケーションを表示することになる。
【符号の説明】
【0045】
1 在庫管理システム
10 管理装置
11 データ格納部
12 データ生成部
13 データ更新部
20 作業者用端末
21 表示部
22 入力部
31 ネットワーク
32 通信部
【要約】
【課題】効率的に出庫作業を行うことが可能な在庫管理システムを提供する。
【解決手段】搬送車によって搬送される商品の在庫管理を行う在庫管理システム1であって、商品の在庫データを格納するデータ格納部11と、商品の出庫要求に応じて出庫指示データを生成するデータ生成部12と、出庫指示データに含まれる出庫指示の一覧画面と明細画面とを表示する表示部21と、出庫した商品に関する商品情報を入力する入力部22と、商品情報に基づいて在庫データを更新するデータ更新部13とを備える。データ生成部12は、出庫要求に応じて出庫対象の商品の予定出庫数に関する数量データを生成し、数量データをデータ格納部11に格納する一方、在庫データに対して引当を行わないことを特徴とする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5