特許第6562441号(P6562441)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562441マーキング判断装置、購入販売支援装置、マーキング判断システム、購入販売支援システム、マーキング判断方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562441
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】マーキング判断装置、購入販売支援装置、マーキング判断システム、購入販売支援システム、マーキング判断方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20190808BHJP
【FI】
   G06Q30/06 340
【請求項の数】11
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-166252(P2014-166252)
(22)【出願日】2014年8月18日
(65)【公開番号】特開2016-42309(P2016-42309A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2017年7月4日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【弁理士】
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100129137
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 ゆみ
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【弁理士】
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】細田 直正
(72)【発明者】
【氏名】森内 正美
(72)【発明者】
【氏名】金子 賢一
(72)【発明者】
【氏名】岩嶋 有里
【審査官】 谷川 智秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−222566(JP,A)
【文献】 特開2002−024761(JP,A)
【文献】 特開2001−109826(JP,A)
【文献】 中居友弘、外2名,特徴点の局所的配置に基づく位置合わせを用いた文書からの書き込み抽出法,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,2007年 3月 8日,Vol.106 No.605,pp.61-66,ISSN 0913-5685
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶している画像データ記憶手段と、
マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、前記画像データ記憶手段に記憶された紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する前記画像データ記憶手段に記憶された紙媒体画像データを特定する紙媒体画像データ特定手段と、
前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得するマーキング情報取得手段と、
前記取得されたマーキング情報のマークについて、決定情報に該当するか及び決定取消情報に該当するかを認識し、且つ、紙媒体における位置情報と前記画像データ記憶手段に記憶された紙媒体画像データに含まれる紙媒体情報とを予め対応させておくことにより、前記認識の結果が前記決定情報である場合に、前記取得されたマーキング情報の位置情報に対応する前記紙媒体情報に基づき、前記取得されたマーキング情報の意味を処理情報として判断し、前記認識の結果が前記決定取消情報である場合に、前記判断をしないマーキング情報判断手段と、
を含み、
前記マーキング情報判断手段において、さらに、文字情報と前記画像データ記憶手段に記憶された紙媒体画像データに含まれる紙媒体情報とを予め対応させておくことにより、前記取得されたマーキング情報を文字認識した文字情報に対応する前記紙媒体情報に基づき、前記取得されたマーキング情報の意味を処理情報として判断するマーキング判断装置。
【請求項2】
前記マーキング情報取得手段が、前記取得した紙媒体画像データのエリア毎に前記マーキング情報を取得する請求項1記載のマーキング判断装置。
【請求項3】
さらに、位置合わせ手段を含み、
前記位置合わせ手段は、前記取得された紙媒体画像データと前記特定された前記画像データ記憶手段に記憶された紙媒体画像データとを位置合わせをして、
前記マーキング情報取得手段は、前記位置合わせした前記両紙媒体画像データの差分処理により前記マーキング情報を取得する請求項1または2のいずれか一項に記載のマーキング判断装置。
【請求項4】
前記位置合わせ手段は、前記紙媒体画像データに付与された位置識別標識を用いて位置合わせを行う請求項記載のマーキング判断装置。
【請求項5】
前記画像データ取得手段が、利用者の携帯端末から、マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する請求項1からのいずれか一項に記載のマーキング判断装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれか一項に記載のマーキング判断装置を含み、
前記マーキング判断装置のマーキング情報判断手段は、前記取得されたマーキング情報の意味を注文指示情報として判断する購入販売支援装置。
【請求項7】
さらに、発注手段を含み、
前記発注手段は、広告媒体提供者端末送信手段を含み、
前記広告媒体提供者端末送信手段は、広告媒体提供者端末に前記注文指示情報を送信する請求項記載の購入販売支援装置。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載のマーキング判断装置を含むサーバと、紙媒体提供者端末と、を含み、
前記サーバ及び前記紙媒体提供者端末は、通信回線網を介して接続可能であるマーキング判断システム。
【請求項9】
請求項又は記載の購入販売支援装置を含むサーバ及び広告媒体提供者端末を含み、
前記サーバ及び前記広告媒体提供者端末は、通信回線網を介して接続可能である購入販売支援システム。
【請求項10】
識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶する画像データ記憶工程と、
マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、前記画像データ記憶工程で記憶した紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する前記画像データ記憶工程で記憶した紙媒体画像データを特定する紙媒体画像データ特定工程と、
前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得するマーキング情報取得工程と、
前記取得したマーキング情報のマークについて、決定情報に該当するか及び決定取消情報に該当するかを認識し、且つ、紙媒体における位置情報と前記画像データ記憶工程において記憶された紙媒体画像データに含まれる紙媒体情報とを予め対応させておくことにより、前記認識の結果が前記決定情報である場合に、前記取得されたマーキング情報の位置情報に対応する前記紙媒体情報に基づき、前記取得されたマーキング情報の意味を処理情報として判断し、前記認識の結果が前記決定取消情報である場合に、前記判断をしないマーキング情報判断工程と、
を含み、
前記マーキング情報判断工程において、さらに、文字情報と前記画像データ記憶工程において記憶された紙媒体画像データに含まれる紙媒体情報とを予め対応させておくことにより、前記取得されたマーキング情報を文字認識した文字情報に対応する前記紙媒体情報に基づき、前記取得されたマーキング情報の意味を処理情報として判断し、
前記各工程が、コンピュータにより実行されることを特徴とするマーキング判断方法。
【請求項11】
請求項10記載のマーキング判断方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マーキング判断装置、購入販売支援装置、マーキング判断システム、購入販売支援システム、マーキング判断方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを利用したビジネスモデルが創出されている。前記ビジネスモデルとしては、例えば、インターネット上のショッピングサイトで商品を購入できるシステム等がある。近年のショッピングサイトでは、例えば、特許文献1記載のように、利用者の購入した商品と共通の属性を有する商品とを、利用者の嗜好にあった商品として利用者に提示し、利用者に購買意欲を喚起させる等、様々な工夫がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−198716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、最近の購買用のネットシステムは、パソコン又はスマートフォン等の端末の操作に不慣れな高齢者等に配慮されてはいない。このため、高齢者等は、購買用のネットシステムの対象から外れることとなってしまう。ここで、高齢者等は、チラシ等の紙による広告媒体は、よく見ているという実態がある。そこで、紙媒体による広告媒体を活用して購買用のネットシステムを構築することができれば、高齢者等のような端末操作に不慣れなヒトであっても、ネットシステムを通じて購買することが可能となる。
【0005】
そこで、本発明は、紙媒体による広告媒体を活用して購買用のネットシステムを構築することに役に立つマーキング判断装置及びマーキング判断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明のマーキング判断装置は、
識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶している画像データ記憶手段と、
マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、前記記憶手段に記憶された紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する前記記憶手段に記憶された紙媒体画像データを特定する紙媒体画像データ特定手段と、
前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得するマーキング情報取得手段と、
前記取得されたマーキング情報の意味を判断するマーキング情報判断手段と、
を含む。
【0007】
本発明のマーキング判断方法は、
識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶する画像データ記憶工程と、
マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、前記記憶工程で記憶した紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する前記記憶工程で記憶した紙媒体画像データを特定する紙媒体画像データ特定工程と、
前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得するマーキング情報取得工程と、
前記取得したマーキング情報の意味を判断するマーキング情報判断工程と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のマーキング判断装置及びマーキング判断方法によれば、紙媒体による広告媒体を活用して購買用のネットシステムを構築することに役に立つことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明のマーキング判断システムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、本発明のマーキング判断装置の一例の構成を示すブロック図である。
図3図3(A)〜(D)は、本発明の位置合わせ検出手段の一例を示す説明図である。
図4図4(A)〜(B)は、本発明のマーキング情報判断手段の一例を示す説明図である。
図5図5は、本発明のマーキング情報管理装置の一例の構成を示すブロック図である。
図6図6は、本発明の利用者判断装置の一例の構成を示すブロック図である。
図7図7は、本発明のマーキング判断方法の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明のマーキング情報管理方法の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の利用者判断方法の一例の構成を示すフローチャートである。
図10図10は、本発明の購入販売支援方法の一例を示すフローチャートである。
図11図11(A)〜(C)は、本発明の購入販売支援方法の一例のフローの一部を示す。
図12図12(A)〜(D)は、本発明の購入販売支援方法の一例のフローの一部を示す。
図13図13(A)〜(D)は、本発明の購入販売支援方法の一例のフローの一部を示す。
図14図14(A)〜(E)は、本発明の購入販売支援方法の一例のフローの一部を示す。
図15図15(A)〜(B)は、本発明の購入販売支援方法の別の一例のフローの一部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
つぎに、本発明のマーキング判断装置、購入販売支援装置、マーキング判断システム、購入販売支援システム、マーキング判断方法及びプログラムについて、例をあげて説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。なお、以下の図1から図15において、同一部分には、同一符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0011】
[実施形態1]
(マーキング判断システム)
図1は、本実施形態のマーキング判断システム10の一例の構成を示すブロック図を示す。図示のように、本システム10では、マーキング判断装置1、マーキング情報管理装置2、及び利用者判断装置3を含むサーバ6と、利用者端末4と、紙媒体提供者端末(提供者端末)5と、を含む。図示のように、サーバ6、利用者端末4、及び提供者端末5は、通信回線網7を介して接続可能である。通信回線網7は、特に制限されず、公知の通信回線網を使用でき、具体的には、例えば、インターネット回線、電話回線、LAN(Local Area Network)等があげられ、無線でも良いし、有線でもよい。利用者端末4としては、例えば、CCD(Charge Coupled Device)カメラ、CMOS(Complementary Metal Oxid Semiconductor)カメラ等の画像撮像手段を備えた携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)及びタブレット端末、スキャナ等が挙げられる。提供者端末5としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、電話機、及びファックス等がある。尚、本実施形態において、マーキング情報管理装置2、利用者判断装置3、及び利用者端末4は、任意の構成要素である。
【0012】
本システム10において、利用者とは、特に制限されないが、例えば、過疎地の高齢者、パソコン操作に不慣れな高齢者、集会所で支援を受ける高齢者又は障害者、住宅地域の住人、御用聞き人、支援者、調査員等が挙げられる。一方、提供者とは、特に制限されないが、例えば、地元個人商店業者、生産販売事業者、商店街において小売業を営む業者、スーパーマーケット、御用聞き人、ボランティア、調査員等が挙げられる。
【0013】
本システム10において、前記紙媒体とは、特に制限されず、例えば、チラシ、ポスター、カタログ等の広告用紙媒体、アンケート用紙、採点用紙、募集用紙、診断用紙等の記入用紙、購入用紙、調査用紙、電子ペーパー、プラスティック板等であり、好ましくは、前記広告媒体であり、より好ましくは、チラシである。
【0014】
本システム10において、前記紙媒体の画像は、前記紙媒体全体の四隅を含むことが好ましい。また、前記四隅は、利用者の付したマークで隠れていないことが好ましい。そして、前記紙媒体の画像は、ピンボケ若しくは歪みがないことが好ましく、画像データを読み取るのに悪影響を与えるものが画像内に付されていないことが好ましい。
【0015】
本システム10において、前記マーキング情報としては、特に制限されないが、例えば、利用者が、前記紙媒体にペン、鉛筆、万年筆、蛍光ペン等により記入したマーク若しくは文字をいう。前記マークとしては特に制限されないが、例えば、丸印、バツ印、チェック、斜線、取り消し線及びこれらの組合せ等の記号、正印、漢数字、アラビア数字、ローマ数字などの数字をいう。前記文字としては特に制限されないが、例えば、アルファベット、ひらがな、カタカナ等の文字、及びこれらの組合せが挙げられる。具体的には、例えば、「2個」、「マグロ切り身200g」等が挙げられる。また、前記マーキング情報は、前記マーク及び文字を組み合わせても良く、例えば、丸印で選択した商品の横に手書きで「2個」、「マグロ切り身200g」と記入したものであっても良い。また、前記マークは、利用者が独自に作成したマークであっても良い。
【0016】
(マーキング判断装置1)
図2は、本実施形態のマーキング判断装置1の一例の構成を示すブロック図である。同図に示す装置1は、画像データ記憶手段11(以下、単に記憶手段11ということがある。)と、画像データ取得手段12と、紙媒体画像データ特定手段13と、位置合わせ手段14と、マーキング情報取得手段15と、マーキング情報判断手段16と、マーキング情報送信手段17と、を含む。画像データ記憶手段11は、識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶している。画像データ取得手段12は、マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する。紙媒体画像データ特定手段13は、前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、記憶手段11に記憶された紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する記憶手段11に記憶された紙媒体画像データを特定する。位置合わせ手段14は、前記取得された紙媒体画像データと前記特定された記憶手段11に記憶された紙媒体画像データとを位置合わせする。マーキング情報取得手段15は、前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得する。マーキング情報判断手段16は、前記取得されたマーキング情報の意味を判断する。マーキング情報送信手段17は、前記マーキング情報を、通信回線網7を介してマーキング情報管理装置2に送信する。位置合わせ手段14及びマーキング情報送信手段17は、任意の構成要素であり、本発明のマーキング判断装置に含まれていなくてもよいが、含まれていることが好ましい。本装置1に位置合わせ手段14を含む場合、マーキング情報取得手段15は、位置合わせ手段14により位置合わせした前記両紙媒体画像データの差分処理により前記マーキング情報を取得する。
【0017】
画像データ記憶手段11としては、例えば、データベースまたはサーバ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。また、画像データ記憶手段11は、例えば、装置内蔵型であってもよいし、外部記憶装置のような外付け型でもよい。
【0018】
本実施形態において、前記識別標識としては、例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、画像認識に用いられる一般的なマーカ等が挙げられる。前記画像認識に用いられる一般的なマーカとしては、例えば、後述の位置検出マーカ、縦横検出マーカ、文字検出マーカ、画像パターン検出マーカ等が挙げられる。また、前記紙媒体の画像全体を、前記識別標識として、画像データを識別しても良い。
【0019】
本実施形態において、前記紙媒体画像データとしては、例えば、前記画像情報及び紙媒体情報等を含むデータが挙げられる。
【0020】
前記画像情報としては、例えば、紙媒体全体及び紙媒体内のエリア毎の画像サイズ、位置データ、縦横、画像パターン等が挙げられる。
【0021】
前記紙媒体情報としては、例えば、紙媒体識別情報、紙媒体記載情報、紙媒体提供者情報等が挙げられる。前記紙媒体識別情報としては、例えば、識別番号、記載種別名、提供者名等が挙げられる。前記紙媒体記載情報としては、例えば、前記紙媒体が広告媒体である場合は、商品情報等が挙げられ、前記紙媒体が記入用紙である場合は、記載された項目情報等が挙げられる。前記商品情報としては、例えば、商品番号、商品名、商品の発送地、発送者、発送可能日、在庫数、商品の写真イメージ、単価、産地情報、料理方法、商品補足情報等が挙げられる。前記記載された項目情報としては、例えば、記載事項、単価、サイズ、重量、属性事項等が挙げられる。前記紙媒体提供者情報としては、例えば、紙媒体提供者の身元情報、所在情報等が挙げられる。前記身元情報としては、例えば、前記提供者の氏名、代表者名、所属する団体名等が挙げられる。前記所在情報としては、例えば、メールアドレス、住所、電話番号、ファックス番号等が挙げられる。尚、前記紙媒体情報は、定期的に更新しても良い。
【0022】
尚、前記紙媒体画像データの一例について、図11を用いて具体的に後述する。
【0023】
画像データ取得手段12は、例えば、利用者端末4の画像撮像手段により撮像された画像を取得する手段が挙げられる。例えば、チラシ等の広告媒体画像をカメラ等の撮像手段で撮影してメールで送信した場合であれば、前記画像データを受信する手段、アンケート用紙等の記入用紙をスキャナで読みこんだ場合は、前記読み込んだデータを取得する手段等が挙げられる。
【0024】
紙媒体画像データ特定手段13としては、前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、記憶手段11に記憶された紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する記憶手段11に記憶された紙媒体画像データを特定することが可能であれば、いかなる手段であっても良い。
【0025】
位置合わせ手段14としては、例えば、前記紙媒体画像データに付与された位置識別標識を用いて位置合わせを行うものが挙げられる。前記位置識別標識としては、例えば、前記紙媒体の四隅に配置された4個の位置検出マーカ等が挙げられる。
【0026】
以下では、前記4個の位置検出マーカを用いて位置合わせする手段の具体例について図3(A)〜(D)の説明図を用いて説明する。
【0027】
同図(A)は、位置検出マーカを含む用紙の一例を示す。同図(A)に示す用紙31には、4つの位置検出マーカ32〜35が付加されている。位置検出マーカ32〜35は、同図(A)に示すように黒の外枠と、黒の外枠で囲まれた余白で構成されている。ここで、各位置検出マーカ32〜35の四隅の内、内側の隅32A〜35Aと紙媒体の4隅とを合わせて、紙媒体を用紙31上に配置する。同図(B)は、用紙31上に紙媒体が配置された時の様子を示す。ここで、利用者は、各位置検出マーカ32〜35をそれぞれ識別するために、同図(B)に示すように、各位置検出マーカ32〜35の前記余白に互いが異なるマークを付ける。同図(B)では、例えば、利用者は、各位置検出マーカ32〜35の余白の上辺32Bに色(同図(B)では斜線で示す)を付しており、各位置検出マーカ32〜35の余白の外周辺の上辺を除く辺32C〜35Cに、それぞれ、互いが異なる色(同図(B)では斜線で示す)を付している。これにより、例えば、同図(D)に示すように、取得した紙媒体画像36の位置が、同図(C)に示す記憶手段11に記憶された紙媒体画像37の位置とズレていても、前記取得した紙媒体画像36の位置を、記憶手段11に記憶された紙媒体画像37(同図(C))の位置に合せた画像データを取得することができる。
【0028】
マーキング情報取得手段15としては、例えば、前記位置合わせした前記両紙媒体画像データの差分処理により検出された差分が大きいところ若しくは差分が連続するところをマーキング情報と判断する手段等が挙げられる。
【0029】
前記差分処理としては、特に制限されず、一般的な手法に準じて行っても良い。例えば、前記両紙媒体画像から背景画像を消去して2値化処理を行っても良い。前記2値化処理としては、例えば、画素ごとに濃淡の画素値が閾値以上である場合には、その画素値を「1」とし、それ以外の画素値を「0」として、前記画素値を2値化する方法等が挙げられる。
【0030】
マーキング情報取得手段15は、さらに前記取得した紙媒体画像データのエリア毎にマーキング情報を取得する手段であることが好ましい。
【0031】
また、前記紙媒体が、利用者が文字を入力するための利用者記入欄を含む場合には、例えば、マーキング情報取得手段15は、前記利用者が入力した文字をマーキング情報として取得することが好ましい。具体的には、例えば、前記利用者は、利用者氏名、登録番号、ID番号等を入力しても良い。これにより、例えば、利用者は、マーキング情報と利用者情報とを一括して入力することができるので、より単純な操作でネットシステムを利用できる。
【0032】
前記利用者記入欄は、例えば、利用者が前記文字を一文字ずつ入力するための複数のエリアを含む。
【0033】
マーキング情報判断手段16としては、一般的な手法に準じて行っても良く、例えば、既に機械学習を行った後に、前記取得されたマーキング情報の意味を判断する手段であっても良い。具体的には、例えば、図4(A)〜(B)に示す教師データサンプルを予め機械学習させておき、前記取得されたマーキング情報の意味を判断する手段であっても良い。同図(A)では、前記手段に、予め教師データとしてマーキング情報42〜43(略マルの形状)、マーキング情報44(マルにバツ印をつけた形状)、マーキング情報45(略マルに三重取り消し線をつけた形状)を機械学習させておき、同図(B)に示すように、取得されたマーキング情報46〜49をマル若しくはバツの意味と判断する。
【0034】
また、マーキング情報判断手段15としては、形状認識により前記取得されたマーキング情報の意味を判断する手段であっても良い。前記手段としては、具体的には、例えば、意味情報がマルの場合は、マルの形状について、一定の範囲を設けて、前記範囲に該当する形状をマルと判断する手段であっても良い。
【0035】
マーキング情報送信手段17としては、特に制限されず、前記マーキング情報を、通信回線網7を介してマーキング情報管理装置2に送信する手段であれば、いかなる手段であっても良い。
【0036】
(マーキング情報管理装置)
図5は、本実施形態のマーキング情報管理装置2の一例の構成を示すブロック図である。同図に示すマーキング情報管理装置2は、マーキング情報記憶手段21と、利用者端末送信手段22と、紙媒体提供者端末送信手段23と、を主要な構成要件として含む。マーキング情報記憶手段21は、マーキング情報送信手段17から受信したマーキング情報を記憶している。利用者端末送信手段22は、前記マーキング情報を利用者端末に送信する。紙媒体提供者端末送信手段23は、利用者端末4に送信された前記マーキング情報について、利用者端末4から前記マーキング情報を確定する情報を受信した場合に、紙媒体提供者端末5に前記確定したマーキング結果情報を送信する。
【0037】
(利用者判断装置)
図6は、本実施形態の利用者判断装置3の一例の構成を示すブロック図である。同図に示す利用者判断装置3は、利用者情報記憶手段51と、利用者特定手段52と、利用者情報送信手段53と、を含む。利用者情報記憶手段51は、利用者を識別する識別情報を含む利用者情報を記憶しており、利用者特定手段52は、取得した利用者情報の識別情報と、利用者情報記憶手段51に記憶された利用者情報の識別情報とを照合することにより、取得した利用者情報と一致する利用者情報記憶手段51に記憶された利用者情報を特定し、利用者情報送信手段53は、前記特定した利用者情報をマーキング情報管理装置2に送信する。そして、マーキング情報管理装置のマーキング情報記憶手段21は、例えば、前記判断されたマーキング情報と、対応する前記利用者情報とを関連付けてマーキング結果として記憶しても良い。
【0038】
利用者情報記憶手段51としては、特に制限されず、例えば、画像データ記憶手段11として例示したものであっても良い。また、画像データ記憶手段11及び利用者情報記憶手段51は、同一であっても良く、前記紙媒体画像データと、利用者情報とが、別々の領域に記憶されている態様であっても良い。
【0039】
利用者特定手段52は、取得した利用者情報の識別情報と、利用者情報記憶手段51に記憶された利用者情報の識別情報とを照合することにより、取得した利用者情報と一致する利用者情報記憶手段51に記憶された利用者情報を特定する手段であれば、いかなる手段であっても良い。
【0040】
本実施形態において、前記利用者情報としては、例えば利用者の氏名、代表者若しくは団体、利用者の住所、電話番号、FAX番号、メールアドレス等の所在情報、利用者の生年月日、性別等の属性情報、決済方法、配送方法等が挙げられる。前記識別情報としては、特に制限されず、会員番号、カード番号、ID番号等が挙げられる。前記利用者情報は、利用者端末1からメールアドレス等により送信されても良いし、QRコード(登録商標)を利用して利用者をサーバ上の登録フォームに誘導させることにより取得しても良いし、サーバ6上の登録フォームを介して利用者が会員登録することにより取得しても良いし、利用者がID若しくはカードを発行するための申請書若しくはサーバ6上の申請フォームを介して取得しても良い。前記識別情報の取得方法は、例えば、前記撮像画像ファイルを添付したメールアドレスに利用者が記載してもらうことにより取得しても良いし、サーバ6上で利用者に前記撮像画像をアップロードする過程で識別情報を利用者に入力してもらうことにより取得しても良い。また、前記紙媒体に利用者が識別情報を付しても良い。この場合、例えば、マーキング情報判断手段16により、前記識別情報をマークとして、対応する意味情報を利用者の識別情報として判断する。
【0041】
(購入販売支援装置)
次に、本実施形態のマーキング判断装置を購入販売支援装置として適用した場合の一例について説明する。但し、本実施形態は、前記購入販売支援装置に適用することに限定されない。本実施形態の購入支援装置では、前記マーキング判断装置のマーキング情報判断手段は、前記取得されたマーキング情報の意味を注文指示情報として判断する。
【0042】
前記注文指示情報としては、特に制限されず、例えば、マーキングされた商品の注文数量、非注文情報、注文取消(キャンセル)情報、注文決定情報等が挙げられる。
【0043】
前記購入販売支援装置は、さらに、発注手段を含んでも良い。前記発注手段は、広告媒体提供者端末送信手段を含む。前記広告媒体提供者端末送信手段は、例えば、広告媒体提供者端末に前記注文指示情報を送信する。
【0044】
前記発注手段は、例えばさらに、注文指示情報記憶手段及び利用者端末送信手段を含んでも良い。前記注文指示情報記憶手段は、前記マーキング情報判断手段により判断された前記注文指示情報を利用者情報と関連付けて注文指示結果として記憶する。前記利用者端末送信手段は、前記注文指示結果を利用者端末に送信する。この場合、前記広告媒体提供者端末送信手段は、例えば、利用者端末に送信された前記注文指示結果について、前記利用者端末から前記注文指示結果を確定する情報を受信した場合に、前記広告媒体提供者端末に注文指示情報を送信しても良い。
【0045】
(購入販売支援システム)
本実施形態において、さらに、前記購入販売支援装置を、システムの構成要素の一つとした購入販売支援システムとしても良い。前記購入販売支援システムは、前記購入販売支援装置を含むサーバと、広告媒体提供者端末とを含む。前記購入販売支援システムは、必要に応じて、利用者端末を含んでも良い。そして、前記サーバ及び前記両端末は、通信回線網を介して接続可能である。
【0046】
(マーキング判断方法)
次に、本実施形態のマーキング判断方法について、図7のフローチャートを参照してさらに詳細に説明する。本実施形態のマーキング判断方法は、例えば、図2に示す本実施形態のマーキング判断装置1を用いて、次のようにして実施する。但し、本実施形態のマーキング判断方法は、マーキング判断装置1を用いることに限定されない。
【0047】
まず、本実施形態のマーキング判断方法の実施に先立ち、紙媒体を準備する。そして、識別標識と関連付けて紙媒体画像データをあらかじめデータベース(記憶手段11)に記憶する。
【0048】
次に、図7に示すように、画像データ取得手段12により、マーキング認識対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する(紙媒体画像データ取得工程(S11))。次に、前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、データベース11に記憶された紙媒体画像データの識別標識とを照合する(S12−1)。照合の結果、前記取得した紙媒体画像データが、データベース11に記憶された紙媒体画像データと一致する(YES)場合は、データベース11に記憶された紙媒体画像データを、前記取得した紙媒体画像データと特定する(S12−2)。一致しない(NO)場合は、例えば、エラーと判断し、利用者端末3にエラーメッセージを送信する(S12−3)。本実施形態では、S12−1〜S12−3が、紙媒体画像データ特定工程に相当する。次に、位置合わせ手段14により、前記取得された紙媒体画像データと前記特定されたデータベース11に記憶された紙媒体画像データとを位置合わせする(位置合わせ工程(S13))。尚、本実施形態のマーキング判断方法において、S13の工程は、任意の工程であり、なくても良い。次に、マーキング情報取得手段15により、前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得する(マーキング情報取得工程(S14))。S13の工程を含む場合、S14の工程において、マーキング情報取得手段15により、前記位置合わせした前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得する。次に、マーキング情報判断工程により、前記取得されたマーキング情報の意味を判断する(マーキング情報判断工程(S15))。次に、マーキング情報送信手段17により、前記マーキング情報の意味情報をマーキング情報管理装置2に送信する(マーキング情報送信工程(S16))。このように、本実施形態のマーキング判断方法によれば、利用者は、ペンなどの手書き操作及び紙媒体の画像撮影操作だけで容易にネットシステムを利用する事が可能である。例えば、紙媒体がチラシ等である場合には、購入したい商品の商品画像を撮影するだけで、購入する事が出来る。そして、システム提供者若しくはシステムを利用してサービスを提供するサービス提供者にとっても対象層の幅を広げることが可能なネットシステムを提供可能である。
【0049】
(マーキング情報管理方法)
次に、本実施形態のマーキング情報管理方法について、図8のフローチャートを参照してさらに詳細に説明する。本実施形態のマーキング情報管理方法は、例えば、図5に示す本実施形態のマーキング情報管理装置2を用いて、次のようにして実施する。但し、本実施形態のマーキング情報管理方法は、マーキング情報管理装置2を用いることに限定されない。
【0050】
マーキング情報管理装置2は、下記S21〜23により、前記マーキング判断装置で判断されたマーキング情報を管理する。すなわち、まず、マーキング情報判断手段16により判断されたマーキング情報をマーキング結果としてマーキング情報記憶手段21に記憶する(マーキング情報記憶工程(S21))。次に、利用者端末送信手段22により、前記マーキング結果を利用者端末に送信する(利用者端末送信工程(S22))。次に、紙媒体提供者端末送信手段23により、利用者端末4に送信された前記マーキング結果について、利用者端末4から前記マーキング結果を確定する情報を受信した場合に、提供者端末5に前記確定したマーキング結果を送信する(紙媒体提供者端末送信工程(S23))。
【0051】
(利用者判断方法)
次に、本実施形態の利用者判断方法について、図9のフローチャートを参照してさらに詳細に説明する。本実施形態の利用者判断方法は、例えば、図6に示す本実施形態の利用者判断装置を用いて、次のようにして実施する。本実施形態の利用者判断方法は、利用者判断装置3を用いることに限定されない。
【0052】
まず、前記利用者判断方法の実施に先立ち、利用者を識別する識別情報を含む利用者情報を利用者情報記憶手段51に記憶する。
【0053】
次に、利用者特定手段52は、取得した利用者情報の識別情報と、利用者情報記憶手段51に記憶された利用者情報の識別情報とを照合することにより、取得した利用者情報と一致する利用者情報記憶手段51に記憶された利用者情報を特定する(利用者情報特定工程(S31))。次に、利用者情報送信手段53は、前記特定した利用者情報をマーキング情報管理装置2に送信する(利用者情報送信工程(S32))。その後、例えば、マーキング情報管理装置2は、前記判断されたマーキング情報と、対応する前記利用者情報とを関連付けて、マーキング結果としてマーキング情報記憶手段21に記憶しても良い。
【0054】
次に、本実施形態のマーキング判断方法を購入販売支援方法として適用した場合の一例のついて図10のフローチャートを用いて説明する。但し、本実施形態のマーキング判断方法は、前記購入販売支援方法に適用することに限定されない。本実施形態の購入販売支援判断方法では、前記紙媒体が広告媒体であり、前記マーキング情報判断工程において、前記取得されたマーキング情報の意味を注文指示情報として判断する。
【0055】
本実施形態の購入販売支援方法は、図10に示すように、さらに発注工程(S41〜43)を含んでも良い。前記発注工程は、注文指示情報記憶工程(S41)、利用者端末送信工程(S42)、及び広告媒体提供者端末送信工程(S43)を含む。S42において、前記マーキング情報判断工程により判断された前記注文指示情報を利用者情報と関連付けて注文指示結果として記憶する。S43において、前記注文指示結果を利用者端末に送信する。S43は、利用者端末4に送信された前記注文指示結果について、利用者端末4から前記注文指示結果を確定する情報を受信した場合に、広告媒体提供者端末5に注文指示情報を送信する。尚、本実施形態において、S41〜S42は、任意の工程でありなくてもよい。この場合、S43は、広告媒体提供者端末に前記注文指示情報を送信する。
【0056】
本実施形態の購入販売支援方法は、さらに注文商品配送工程を行っても良い。すなわち、まず、前記確定した注文指示情報を受信した販売者は、前記注文商品を利用者に配送する。この場合、前記配送方法としては、特に制限されないが、例えば、共同配送(ミルクラン)等が挙げられる。この場合、配送業者は、例えば、商店街内の各小売業者等から注文商品を回収してもよいし、住宅街又は仮設集会所等を定期配送しても良い。または、例えば、スーパー等の店舗が配送業者に配送計画を指示して配送を行っても良い。
【0057】
本実施形態の購入販売支援方法は、販売者が自ら行っても良いが、第三者が、サービス提供者として行っても良い。サービス提供者が行う場合、例えば、前記購入販売支援方法をクラウドサービスとして提供しても良い。これにより、例えば、商店街等の小売業者等は、販売したい商品を記載してチラシ、ポスター、カタログ等をサービス提供者に指示するだけで特別な操作・知識等を必要とせず、本システムを販売者として利用できる。
【0058】
この場合、例えば、サービス提供者は、販売者からシステム利用料金として請求しても良く、前記システム利用料金として、例えば、商品の売上げ金の一部を請求しても良い。
【0059】
以下では、本実施形態のマーキング判断方法を購入販売支援方法として適用した場合の具体例について説明する。以下では、紙媒体が卸売市場の広告チラシとし、紙媒体提供者を、卸売市場業者とし、利用者を過疎地の高齢者又は高齢者支援者として具体的に本実施形態の購入販売支援方法の一例を図11図13を用いて説明する。
【0060】
図11(A)〜(C)は、卸売市場業者Aが、販売したい商品をシステム提供者Bによりデータベースに登録してもらうまでの一連のフローを示す。まず、卸売市場業者Aは、販売したい商品を付した広告用チラシ101をシステム提供者Bに送る(同図(A))。同図(B)に示すように、広告用チラシの4隅には、4つのマーカ102が付加されている。マーカ102は、図3に示すマーカと同一であり、位置検出マーカとして機能するとともに、識別標識として機能する。そして、広告用チラシには、複数のエリアが設けられており、エリア内には、商品名と価格とが記載されている。例えば、エリア103には、商品名として「ビンチョウマグロブロック」、価格として「100g当たり100円」が記載されている。そして、同図(C)に示すように、システム提供者Bのスタッフは、マーカ102と関連付けて紙媒体画像データをデータベース104に記憶する。同図(C)に示すようにデータベース104には、紙媒体画像データとして、広告用チラシの識別番号1184と、全体位置(0,0)、(300,0)、(0,150)、(300,150)が記憶されている。そして、データベース104には、エリア毎の画像データも記憶されている。例えば、同図(C)に示すようにエリア103の画像データとして、商品番号No.2452と、商品名「ビンチョウマグロブロック」、価格「100g当たり100円」が、位置情報(識別データ)(150,130)、(150,150)、(170,150)、(170,130)を識別データとして関連付けられてデータベース104に記憶されている。
【0061】
図12(A)〜(D)は、集会所において、高齢者又は高齢者支援者Cが、チラシ105に表示された商品の内、購入したい商品をマーキングし、前記マーキングしたチラシ105の画像データをシステム上のサーバに送信するまでのフローを示す。まず、高齢者又は高齢者支援者Cは、同図(A)に示すように、チラシ105内の購入したい商品にマーキングをする。例えば、同図に示すように、チラシ105内のエリア103に丸印106が付されている。そして、同図(B)に示すように、高齢者又は高齢者支援者Cは、マーカ102が付加された用紙107上に、チラシ105を配置する。そして、同図(C)に示すように、前記マーカ102を含むチラシ105をスマートフォン108にて撮影する。そして、同図(D)に示すように、前記撮影した画像データを添付してシステム提供元のメールアドレス(xxx@xxx)にメール送信する。
【0062】
図13(A)〜(D)は、本実施形態のマーキング判断方法における、S11〜S16までのフローを示す。まずシステム提供者Bは、高齢者又は高齢者支援者Cにより送信された画像データ109を受信する。そして、同図(A)に示すように、紙媒体画像特定手段(図示せず)は、前記取得した画像データ109のマーカ102と、データベース104に記憶された画像データのマーカとを照合する。前記受信した画像データ109は、データベース104に記憶されているチラシの画像データ108(同図(B))と一致するので、前記受信した画像データ109が、データベース104に記憶されたチラシの画像データ108と特定する。次に、同図(B)に示すように、マーカ102を用いて、前記チラシの画像データ109と、データベース104に記憶されたチラシの画像データ108とを位置合わせする。次に、同図(C)に示すように、マーキング情報取得手段(図示せず)により、位置合わせした前記両チラシの画像データ109及び108の差分処理により画像データ109のマーキング情報106を取得する。次に、同図(D)に示すように、マーキング情報判断手段(図示せず)により、マーキンング情報106の意味を、商品名「ビンチョウマグロブロック」、価格「100g当たり100円」についての注文有として判断する。そして、前記マーキング情報の意味情報をマーキング情報管理装置2に送信する。
【0063】
図14(A)〜(E)は、本実施形態の利用者判断方法におけるS31〜33までのフロー及びマーキング情報管理方法における、S21〜23までのフローを示す。
【0064】
次に、同図(A)に示すように、利用者特定手段(図示せず)は、取得した高齢者又は高齢者支援者Cの識別情報(利用者のメールアドレス)と、データベース107に予め記憶されている高齢者又は高齢者支援者Cのメールアドレスとを照合することにより、高齢者又は高齢者支援者Cの利用者情報を特定する。そして、前記利用者情報送信手段は、前記特定した利用者情報を、マーキング情報管理装置2に送信する。次に、同図(B)に示すように、マーキング情報管理装置2は、前記判断されたマーキング情報と、対応する前記高齢者又は高齢者支援者Cの利用者情報とを関連付けて、マーキング結果としてデータベース118に記憶する。次に、同図(C)に示すように、利用者端末送信手段(図示せず)により、前記マーキング結果を利用者の高齢者又は高齢者支援者Cのメールアドレスに送信する。次に高齢者又は高齢者支援者Cは、同図(D)に示すように、スマートフォン119でメールを受信し、受信したメール内容を確認したうえで確定し、マーキング情報管理装置2に送信する。次に、同図(E)に示すように、紙媒体提供者端末送信手段(図示せず)により、確定する情報を受信したので、卸売市場業者Cに確定したマーキング結果をFAX110(又は電子メール又は電子データファイル)で送信する。その後、卸売市場業者Cは、FAX110(又は電子メール又は電子データファイル)によりマーキング結果を確認し、サービス提供者から支払い条件を確認した後、注文商品を配送業者に委託して配送する。
【0065】
尚、本例において、例えば、図15(A)〜(B)に示すように、広告用チラシ120に利用者記入欄を設けても良い。同図(A)であれば、高齢者又は高齢者支援者Cは、例えば、複数のマスに商品名(ビンチョウマグロブロック)及び数量(1個)を記入する。同図(B)であれば、高齢者又は高齢者支援者Cは、例えば、高齢者又は高齢者支援者Cの識別IDを記入する。この場合、マーキング情報取得手段(図示せず)は、これらの記入された文字をマーキング情報として認識する。
【0066】
以上、本実施形態のマーキング判断方法を購入販売支援方法として適用した場合の具体例について説明したが、本実施形態は、これに限定されない。例えば、前記紙媒体をアンケート用紙とした場合では、紙媒体提供者は、本実施形態のマーキング判断方法を利用して、回収した記入済みアンケート用紙の結果情報を取得することが可能となる。
【0067】
[実施形態2]
本実施形態のプログラムは、実施形態1のマーキング判断方法若しくは購入販売支援方法を、コンピュータ上で実行可能なプログラムである。または、本実施形態のプログラムは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。前記記録媒体としては、特に限定されず、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、ハードディスク(HD)、光ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク(FD)等があげられる。
【0068】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0069】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載し得るが、以下には限定されない。
【0070】
(付記1)
識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶している画像データ記憶手段と、
マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、前記記憶手段に記憶された紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する前記記憶手段に記憶された紙媒体画像データを特定する紙媒体画像データ特定手段と、
前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得するマーキング情報取得手段と、
前記取得されたマーキング情報の意味を判断するマーキング情報判断手段と、
を含むマーキング判断装置。
【0071】
(付記2)
前記マーキング情報取得手段が、前記取得した紙媒体画像データのエリア毎にマーキング情報を取得する付記1記載のマーキング判断装置。
【0072】
(付記3)
前記紙媒体は、利用者が文字を入力するための利用者記入欄を含み、
前記マーキング情報取得手段は、前記利用者が入力した文字をマーキング情報として取得する付記1又は2記載のマーキング判断装置。
【0073】
(付記4)
前記利用者記入欄は、利用者が前記文字を一文字ずつ入力するための複数のエリアを含む付記3記載のマーキング判断装置。
【0074】
(付記5)
さらに、位置合わせ手段を含み、
前記位置合わせ手段は、前記取得された紙媒体画像データと前記特定された前記記憶手段に記憶された紙媒体画像データとを位置合わせをして、
前記マーキング情報取得手段は、前記位置合わせした前記両紙媒体画像データの差分処理により前記マーキング情報を取得する付記1から4のいずれかに記載のマーキング判断装置。
【0075】
(付記6)
前記位置合わせ手段は、前記紙媒体画像データに付与された位置識別標識を用いて位置合わせを行う付記1から5のいずれかに記載のマーキング判断装置。
【0076】
(付記7)
付記1から6のいずれかに記載のマーキング判断装置を含み、
前記紙媒体が広告媒体であり、
前記マーキング判断装置のマーキング情報判断手段は、前記取得されたマーキング情報の意味を注文指示情報として判断する購入販売支援装置。
【0077】
(付記8)
さらに、発注手段を含み、
前記発注手段は、広告媒体提供者端末送信手段を含み、
前記広告媒体提供者端末送信手段は、広告媒体提供者端末に前記注文指示情報を送信する付記7記載の購入販売支援装置。
【0078】
(付記9)
付記1から6のいずれかに記載のマーキング判断装置を含むサーバと、紙媒体提供者端末と、を含み、
前記サーバ及び前記紙媒体提供者端末は、通信回線網を介して接続可能であるマーキング判断システム。
【0079】
(付記10)
付記7又は8記載の購入販売支援装置を含むサーバ及び広告媒体提供者端末を含み、
前記サーバ及び広告媒体提供者端末は、通信回線網を介して接続可能である購入販売支援システム。
【0080】
(付記11)
識別標識と関連付けて紙媒体画像データを予め記憶する画像データ記憶工程と、
マーキング判断対象となる識別標識付き紙媒体画像データを取得する画像データ取得工程と、
前記取得した紙媒体画像データの識別標識と、前記記憶工程で記憶した紙媒体画像データの識別標識とを照合することにより、前記取得した紙媒体画像データと一致する前記記憶工程で記憶した紙媒体画像データを特定する紙媒体画像データ特定工程と、
前記両紙媒体画像データの差分処理により前記取得した紙媒体画像データのマーキング情報を取得するマーキング情報取得工程と、
前記取得したマーキング情報の意味を判断するマーキング情報判断工程と、
を含むマーキング判断方法。
【0081】
(付記12)
前記マーキング情報取得工程において、前記取得した紙媒体画像データのエリア毎にマーキング情報を取得する付記11記載のマーキング判断方法。
【0082】
(付記13)
前記紙媒体は、利用者が文字を入力するための利用者記入欄を含み、
前記マーキング情報取得工程において、前記利用者が入力した文字をマーキング情報として取得する付記11又は12記載のマーキング判断方法。
【0083】
(付記14)
前記利用者記入欄は、利用者が前記文字を一文字ずつ入力するための複数のエリアを含む付記13記載のマーキング判断方法。
【0084】
(付記15)
さらに、位置合わせ工程を含み、
前記位置合わせ工程において、前記取得した紙媒体画像データと前記特定した前記記憶工程で記憶した紙媒体画像データとを位置合わせし、
前記マーキング情報取得工程において、前記位置合わせした前記両紙媒体画像データの差分処理により前記マーキング情報を取得する付記11から14のいずれかに記載のマーキング判断方法。
【0085】
(付記16)
前記位置合わせ工程において、前記紙媒体画像に付与された位置識別標識を用いて位置合わせを行う付記11から15のいずれかに記載のマーキング判断方法。
【0086】
(付記17)
付記11から16のいずれかに記載のマーキング判断方法は、購入販売支援方法であり、
前記紙媒体が広告媒体であり、
前記マーキング情報判断工程において、前記取得されたマーキング情報の意味を注文指示情報として判断する購入販売支援方法。
【0087】
(付記18)
さらに、発注工程を含み、
前記発注工程は、広告媒体提供者端末送信工程と、を含み、
前記広告媒体提供者端末送信工程において、広告媒体提供者端末に前記注文指示情報を送信する付記17記載の購入販売支援方法。
【0088】
(付記19)
付記11〜16のいずれか一項に記載のマーキング判断方法又は付記17若しくは18記載の購入販売支援方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【0089】
(付記20)
付記19記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0090】
1 マーキング判断装置
2 マーキング情報管理装置
3 利用者判断装置
4 利用者端末
5 提供者端末
6 サーバ
7 通信回線網
10 マーキング判断システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15