(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明によるオーダリングシステム、オーダリング方法およびオーダリングプログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明によるオーダリングシステムおよびオーダリング方法について説明するが、かかるオーダリング方法をコンピュータにより実行可能なオーダリングプログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、オーダリングプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、以下の各図面に付した図面参照符号は、理解を助けるための一例として各要素に便宜上付記したものであり、本発明を図示の態様に限定することを意図するものではないことも言うまでもない。
【0015】
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、例えば、レストランや飲食店などの店舗において、グループ客の一人である顧客が自分の携帯端末を用いて注文を行い、個別会計を行う方法を提供する仕組みを実現するものであって、より具体的には、顧客が自分の携帯端末からあらかじめ個別会計を要するオーダを指定することにより、会計時に自動的に顧客向けの精算伝票を発行して、個別会計をスムーズに行うことができる仕組みを有していることを主要な特徴としている。
【0016】
(本発明の実施形態の構成例)
次に、本発明に係るオーダリングシステムの構成例について、
図1を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るオーダリングシステムのシステム構成の一例を示すシステム構成図である。
【0017】
図1に示すように、オーダリングシステムは、店舗10内に、POS端末1、店舗サーバ2、注文サーバ3、オーダ端末4、第1のLAN5、ルータ6、および、第2のLAN7、を少なくとも含むとともに、さらに、来店した顧客が携行する携帯端末8を含むことにより構成される。すなわち、店舗10内には、有線または無線による店舗内ネットワークとして、第1のLAN5および第2のLAN7が構築されており、第1のLAN5にはPOS端末1、店舗サーバ2、注文サーバ3、オーダ端末4が接続されている。また、第2のLAN7は、ルータ6を介してインターネット20と接続するためのネットワークであり、注文サーバ3が接続されている。なお、店舗10がレストラン等の場合であれば、第1のLAN5には、キッチンプリンタなどが接続されていても良いが、本実施形態の説明には用いないので、ここでの記載は省略している。
【0018】
POS端末1は、来店した顧客が精算、会計処理を行うための端末であり、第1のLAN5を経由して店舗サーバ2と随時通信を行っている。また、店舗サーバ2は、顧客からのオーダの管理や厨房への指示などを行うためのサーバであり、顧客に関する情報を管理するための顧客管理テーブル21および受け付けたオーダを登録するためのオーダ管理テーブル22を保有している。
【0019】
注文サーバ3は、来店した顧客が携行した携帯端末8からのオーダを受け付けるサーバであるが、第1のLAN5だけではなく、第2のLAN7、ルータ6を経由してインターネット20にも接続されていて、インターネット20を経由して外部の端末からのオーダを受け付けることもできる。また、注文サーバ3は、顧客からのオーダを、第1のLAN5を経由して、店舗サーバ2に転送することができる。なお、注文サーバ3は、本実施形態においては、WEBサーバとして機能することを想定しているが、別の機能を有していても勿論構わない。
【0020】
オーダ端末4は、単体で注文操作を行うことができる端末であり、注文操作を行った後は、店舗サーバ2に対して第1のLAN5を経由して注文データを送信することができる。なお、オーダ端末4は、店舗10の規模やテーブル数に応じて、複数設置されている構成としても良い。
【0021】
(実施形態の動作の説明)
次に、本発明の実施形態として
図1に示したオーダリングシステムの動作について、その一例を、
図2〜
図6を用いて詳細に説明する。ここで、
図2は、
図1のオーダリングシステムにおいてオーダを行う際の動作の一例を示すシーケンス図である。
図3は、
図1のオーダリングシステムの店舗サーバ2内に保有する顧客管理テーブル21の一例を示すテーブルであり、また、
図4は、
図1のオーダリングシステムの店舗サーバ2内に保有するオーダ管理テーブル22の一例を示すテーブルである。また、
図5は、
図1の店舗サーバ2内に保有する顧客管理テーブル21に顧客名を登録する動作の一例を説明するためのシーケンス図である。
図6は、
図1のオーダリングシステムにおいて精算を行う際の動作の一例を示すシーケンス図である。
【0022】
まず、
図2に示すシーケンス図を用いて、店舗10に来店した顧客が携帯端末8を用いてオーダを行う際の動作についてその一例を説明する。なお、
図2に示すシーケンス図は、来店した顧客が携行する携帯端末8、店舗10内の例えばテーブル上に配置されているオーダ端末4、店舗10内に設置されている注文サーバ3および店舗サーバ2それぞれの間でやり取りされる情報の流れを示している。
【0023】
図2のシーケンス図において、店舗10に来店した顧客が、携行する携帯端末8を用いて注文を行おうとする場合、顧客は、まず、テーブル上に配置されているオーダ端末4に表示されたバーコード等を携帯端末8によって読み取ることにより、注文サーバ3のURL(Unique Resource Locator)を取得する(シーケンスS1)。なお、該バーコードは、注文サーバ3に接続するためのURLを含むが、さらに、テーブル番号を識別するための識別子(テーブル番号)等の付属パラメータも含んでいる。ここで、該URLを含むバーコードは、テーブル上に据え付けられたオーダ端末4の画面に表示された場合を示しているが、テーブルに固定的に貼り付けられたものであっても良い。また、該URLに関する情報は、バーコードによらず、赤外線やNFC(Near Field Communication)などの近距離通信手段によって、オーダ端末4から携帯端末8へ送信するようにしても良い。
【0024】
携帯端末8は、読み取ったURLを用いて注文サーバ3に接続する(シーケンスS2)。注文サーバ3は、携帯端末8を一意に識別するための携帯端末IDを払い出し、読み取ったバーコードに含まれるテーブル番号とともに、携帯端末IDを店舗サーバ2へ送信して、来店した顧客に関する情報の登録を要求する(シーケンスS3)。なお、ここで説明した携帯端末8を一意に識別するための携帯端末IDは、一般に、WEBサーバ等で用いられ、一時的なWEBセッションを管理するために発行されるいわゆるセッションIDによって代替することも可能であるが、かかる技術については、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0025】
店舗サーバ2は、注文サーバ3から受信したテーブル番号から、当該のテーブルを利用している顧客グループを特定することができる。店舗サーバ2は、受信した該テーブル番号と携帯端末IDとを組にして、顧客情報として、
図3に例示されるような顧客管理テーブル21に順番に登録する。
図3に示すように、顧客管理テーブル21は、顧客番号欄211、テーブル番号欄212、顧客名欄213、携帯端末ID欄214を少なくとも含んで構成されている。ここで、顧客管理テーブル21の顧客名欄213は当面空欄にしておく。顧客管理テーブル21への顧客情報の登録が正常に完了すると、店舗サーバ2は、注文サーバ3に対して正常応答を返す(シーケンスS4)。
【0026】
店舗サーバ2からの正常応答を受け取ると、注文サーバ3は、顧客に対して注文用の商品のメニューを提示するために、店舗サーバ2に対して、メニュー情報取得要求を行う(シーケンスS5)。店舗サーバ2は、該メニュー情報取得要求を受け取ると、保有しているメニューマスタや在庫情報などのメニュー情報を、要求元の注文サーバ3に対して送信する(シーケンスS6)。
【0027】
注文サーバ3は、店舗サーバ2から取得したメニュー情報を基にして、携帯端末8からの個別注文を受け付けるための個別注文画面を作成して、携帯端末8に対して応答する(シーケンスS7)。以降、携帯端末8からの注文方法について説明する。顧客は、携帯端末8の画面に個別注文用のメニュー画面として表示された個別注文画面を操作して、注文操作を行う。つまり、携帯端末8の画面を操作することにより、携帯端末8と注文サーバ3との間で通信を繰り返しながら、個別注文のための希望メニューを順次決めていく操作を行う(シーケンスS8)。
【0028】
顧客が、携帯端末8に画面表示された個別注文画面を操作して、全てのメニューの選択を完了して、該個別注文画面にある「注文確定」ボタンを押すと(シーケンスS9)、携帯端末8から注文サーバ3に対して注文確定の要求が送信される(シーケンスS10)。
【0029】
なお、シーケンスS8において、携帯端末8に画面表示された個別注文画面上には、「個別注文する」の選択肢を有効にしておくことにより、注文が個別注文の対象であることを指定することができる。一方、顧客が、携帯端末8に画面表示された個別注文画面上の「個別注文する」の選択肢を無効にすれば、個別注文ではなく、グループの共通会計に含めるメニューすなわち共通注文(グループ注文)として注文することができる。あるいは、個別ではなくグループで代金を支払う場合のグループ注文を携帯端末8により行う場合に、例えば、注文サーバ3を経由してオーダ端末4にグループ注文の旨を判別可能な形で表示して、顧客グループの他のメンバのいずれか一人が、オーダ端末4に表示されている「OK」ボタンを押下操作することにより、個別注文ではなく、グループ注文を行うことを決定するようにしても良い。
【0030】
注文サーバ3は、携帯端末8からの注文確定要求を受け取ると、オーダとして要求されたメニューとともに、個別注文が要求された場合には、各オーダの個別注文フラグを有効に設定した後、店舗サーバ2へオーダ要求を送信する(シーケンスS11)。店舗サーバ2は、注文サーバ3からのオーダ要求を受け取ると、該オーダ要求に基づいて、
図4に例示するようなオーダ管理テーブル22に、要求されたオーダを追加登録する(シーケンスS12)。この時、厨房への調理指示等も併せて行われるが、ここでは、本実施形態との関連はないので、かかる説明は省略する。
【0031】
図4に示すように、オーダ管理テーブル22は、注文番号欄221、商品番号欄222、商品名欄223、数量欄224、テーブル番号欄225、携帯端末ID欄226を少なくとも含んで構成されている。なお、オーダ管理テーブル22は、
図4の各項目から構成される場合に限るものではなく、異なる項目を用いて構成されていることがあっても構わない。
【0032】
図4のオーダ管理テーブル22において、注文番号欄221の注文番号は、オーダ要求の都度、加算されていく番号である。顧客が、オーダ端末4を介して行う注文や店員にオーダして店員の注文端末(不図示)を通じて行う注文である通常の注文の場合は、商品番号欄222、商品名欄223、数量欄224、テーブル番号欄225のそれぞれに、商品番号、商品名、数量、テーブル番号が登録されるが、携帯端末ID欄226は空欄となっている。また、注文サーバ3を介して携帯端末8からのオーダ要求を受け付けた場合においても、シーケンスS12に示したように、通常の注文と同様に、オーダ管理テーブル22のそれぞれの欄への追加登録を行うが、個別注文フラグが有効であった場合には、通常の注文とは異なり、さらに、携帯端末ID欄226には携帯端末IDが登録される。一方、個別注文フラグが無効であった場合には、通常の注文と同様に、携帯端末ID欄226は空欄のままになる。
【0033】
店舗サーバ2において、オーダ管理テーブル22への追加登録が正常に実施された場合には、要求元の注文サーバ3に対して、正常応答を返す。これに対して、品切れ等により、オーダ管理テーブル22への追加登録ができず、オーダ要求が異常に処理された場合には、要求元の注文サーバ3に対して、異常応答を返す(シーケンスS13)。注文サーバ3は、店舗サーバ2から正常応答あるいは異常応答を受信すると、受信した正常応答あるいは異常応答をそのまま携帯端末8へ返送する(シーケンスS14)。顧客は、注文サーバ3から異常応答が携帯端末8に返送された場合には、注文内容を見直す等を行い、再度、ステップS8に戻って注文操作をやり直す。
【0034】
以上に説明したように、
図2に示したオーダ登録手続きは、商品のオーダ時に、顧客が携行する携帯端末8を用いて商品をオーダし、かつ、個別会計を行う個別注文であるか、グループ全体で共通して会計を行う共通注文であるかをあらかじめ指定することにより、オーダ毎の注文状態に関して前記個別注文と前記共通注文とを識別可能な状態にして、オーダ管理テーブル22にテーブル登録するオーダ登録ステップ(オーダ登録手段)を提供している。ここで、該オーダ登録ステップ(オーダ登録手段)は、オーダ毎の前記注文状態として、顧客が前記個別注文として注文したオーダに関しては、当該顧客が携行する携帯端末8を一意に特定することができる携帯端末IDと該オーダとを関連付けて、オーダ管理テーブル22にテーブル登録し、一方、前記共通注文として注文したオーダに関しては、該携帯端末IDを関連付けない状態で該オーダをオーダ管理テーブル22にテーブル登録するようにしている。
【0035】
次に、
図3の顧客管理テーブル21の顧客名欄213に、顧客の携帯端末8に紐付いた名前を顧客名として登録する登録方法について
図5のシーケンス図を用いて説明する。
【0036】
図5のシーケンス図において、まず、
図2のシーケンスS7に示したように、注文サーバ3が、個別注文画面を作成して、携帯端末8に対して応答すると、携帯端末8の画面に、個別注文用のメニュー画面として個別注文画面が表示される(シーケンスS7)。ここで、携帯端末8に画面表示された個別注文画面には、顧客名登録を行う「名前登録」ボタンが表示されている。該「名前登録」ボタンは、精算時に利用する名前を入力することができるボタンであり、顧客が該「名前登録」ボタンを押すと(シーケンスS20)、携帯端末8から注文サーバ3に対して名前登録画面を作成することを促す要求が送信される(シーケンスS21)。注文サーバ3は、携帯端末8から該要求を受け取ると、名前登録画面を作成して、要求元の携帯端末8に応答する(シーケンスS22)。
【0037】
携帯端末8は、注文サーバ3からの該応答を受け取って、名前登録画面を画面表示すると、携帯端末8の顧客は、該名前登録画面に登録用の顧客名を入力する(シーケンスS23)。ここで入力する登録用の顧客名は、顧客グループの中で各個人を特定するためのものであって、本名でなくても構わないし、ニックネーム等を用いても良い。顧客が登録用の顧客名を入力した後、「登録」ボタンを押すと(シーケンスS24)、携帯端末8は、注文サーバ3に対して、登録用の顧客名の登録を要求する名前登録要求を送信する(シーケンスS25)。
【0038】
注文サーバ3は、携帯端末8から該名前登録要求を受け取ると、当該携帯端末8を一意に識別する携帯端末IDとともに、受信した登録用の顧客名に関する情報を、名前登録要求として店舗サーバ2に送信する(シーケンスS26)。店舗サーバ2は、注文サーバ3からの名前登録要求を受け取ると、名前登録要求に含まれている携帯端末8を一意に識別する携帯端末IDを、顧客管理テーブル21の携帯端末ID欄214に登録されている携帯端末IDと比較する。
【0039】
比較結果として、該名前登録要求に含まれている携帯端末IDに一致する携帯端末IDが顧客管理テーブル21に登録されていたことを検出した場合には、顧客管理テーブル21の携帯端末ID欄214に登録されている携帯端末IDが一致する行の顧客名欄213に、受信した登録用の顧客名の情報を登録する(シーケンスS27)。顧客管理テーブル21の顧客名欄213への登録が完了すると、店舗サーバ2は、正常応答を注文サーバ3へ返送する(シーケンスS28)。注文サーバ3は、店舗サーバ2からの正常応答を確認すると、携帯端末8からの個別注文を受け付けるために、携帯端末8に対して、再度、個別注文画面応答を送信する動作に復帰する(ステップS7)。
【0040】
次に、
図1のオーダリングシステムにおいて精算を行う際の動作について
図6のシーケンス図を用いて説明する。
【0041】
図6のシーケンス図において、顧客が店員に精算を依頼すると、店員はPOS端末1を操作して、当該顧客のテーブル番号をキーとした精算要求を店舗サーバ2に対して送信する(シーケンスS30)。POS端末1からの該精算要求を受け取ると、店舗サーバ2は、該精算要求にキーとして含まれているテーブル番号に該当する顧客のオーダをオーダ管理テーブル22から抽出して、精算処理を行う(シーケンスS31)。該精算処理においては、
図4のオーダ管理テーブル22に示したように、携帯端末8を用いた個別注文に該当して携帯端末ID欄226に携帯端末IDが付与されているオーダと、前述した通常の注文あるいは携帯端末8を用いた注文であっても個別注文フラグが無効の注文に該当している場合であって携帯端末ID欄226には携帯端末IDが付与されていないオーダと、に分けて、合算処理が行われる。
【0042】
まず、携帯端末ID欄226に携帯端末IDが付与されている個別注文のオーダについては、携帯端末ID毎に合算処理を行い、顧客管理テーブル21の顧客名欄213から当該携帯端末IDに対応する顧客名を取り出して、それぞれの顧客名に対する個別精算伝票を作成する。ここで、顧客管理テーブル21の顧客名欄213に当該携帯端末IDに対応する顧客名が登録されていなかった場合には、単純に、顧客名を表示しない個別精算伝票として作成する。
【0043】
次に、携帯端末ID欄226に携帯端末IDが付与されていないオーダの全てについて合算処理を行って、顧客全体のグループとしての共通精算伝票を作成する。
【0044】
個別精算伝票および共通精算伝票の作成により、全ての精算処理が終了すると、店舗サーバ2は、精算結果として、作成した個別精算伝票および共通精算伝票をPOS端末1に対して送信する(シーケンスS32)。POS端末1は、店舗サーバ2から精算結果として個別精算伝票および共通精算伝票を受け取ると、顧客個人別の個別精算伝票および顧客全体のグループとしての共通精算伝票を印刷して、該当の顧客に渡す(シーケンスS33)。
【0045】
ここで、個別注文を行った顧客が顧客名として自分の名前を登録している場合には、個別精算伝票には顧客名として登録した自分の名前が印刷されているので、自分の精算分の個別精算伝票であることを容易に確認することができる。したがって、顧客は、自分の精算分の個別精算伝票を基にして、POS端末1において、個別会計を行っても良いし、あるいは、当該顧客のグループ代表者(幹事役)に個別会計分の代金を預け、しかる後に、該グループ代表者が、各個別精算伝票に該当する個別会計分と共通精算伝票に該当する顧客全体の共通会計分とを全て合算した金額を一括して会計しても良い。また、個別精算伝票に顧客名が印刷されていなかった個別精算伝票に関しては、各顧客が、該個別精算伝票に印刷されている注文内容を確認することにより、自分の精算分の個別精算伝票であることを確認する。
【0046】
かくのごとき処理によって、顧客は、個別精算伝票あるいは共通精算伝票を確認すると、該個別精算伝票あるいは該共通精算伝票を店員に提示して、店員がPOS端末1を操作することによって、POS端末1にて会計処理を行う(シーケンスS34)。この時、店員は、個別精算伝票あるいは共通精算伝票に印刷された伝票番号をPOS端末1に入力するか、もしくは、個別精算伝票あるいは共通精算伝票に印刷されたバーコードをPOS端末1のバーコードリーダによって読み取るか、のいずれかの方法を用いて、個別精算伝票あるいは共通精算伝票の伝票番号を入力することができる。しかる後、店員は、正しい金額の受領を確認した後、POS端末1から店舗サーバ2に対して当該個別精算伝票あるいは共通精算伝票の会計完了要求を送信する(シーケンスS35)。
【0047】
POS端末1からの個別精算伝票あるいは共通精算伝票の会計完了要求を受け取ると、店舗サーバ2は、会計を完了した当該顧客のオーダをオーダ管理テーブル22から削除することによって、会計完了処理を行う(シーケンスS36)。正常に会計完了処理が実施されると、店舗サーバ2は正常応答をPOS端末1に対して送信する(シーケンスS37)。正常応答を店舗サーバ2から受け取ると、POS端末1は、会計完了の旨を顧客の携帯端末8に対して通知し、会計処理を完了する(シーケンスS38)。顧客に対して発行した全ての個別精算伝票および共通精算伝票に関して、シーケンスS34〜シーケンスS38を繰り返すことによって、全ての精算伝票について会計処理が完了すれば、当該顧客に対する会計処理が完全に完了することになる。
【0048】
以上に説明したように、
図6に示したオーダ精算手続きは、精算時に、携帯端末8を用いて、精算を行う顧客により注文されていたオーダを特定して、特定したオーダ毎に注文状態としてオーダ管理テーブル22にテーブル登録されている前記個別注文と前記共通注文とのいずれかに基づいて、各顧客に対する精算を行う精算ステップ(精算手段)を提供している。ここで、該精算ステップ(精算手段)は、携帯端末8を一意に特定することができる携帯端末IDが関連付けられているオーダに関しては、当該携帯端末8を携行した顧客による個別注文のオーダとして、該携帯端末ID毎に合算処理を行い、一方、前記携帯端末IDが関連付けられていないオーダに関しては、顧客全員のグループによる共通注文のオーダとして、合算処理を行うようにしている。
【0049】
(実施形態の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本発明の実施形態においては、以下のような効果を奏することができる。
【0050】
第1の効果は、顧客はオーダ時に個別会計を行うべきオーダか否かをあらかじめ指定することができるので、精算時に個別会計のオーダであることを一々特定する必要が無く、スムーズに会計を行うことができることである。その理由は、顧客が個別会計の対象とするオーダを行う際に、顧客が携行する携帯端末8に関する情報(すなわち、携帯端末8を一意に特定するための携帯端末IDに関する情報)をオーダに関連付けて顧客管理テーブル21およびオーダ管理テーブル22にあらかじめテーブル登録することを可能にしているので、店舗10側は精算時に顧客毎に個別会計を行うべきオーダの一覧を自動的に作成して、顧客に提示することができるからである。
【0051】
第2の効果は、顧客に対する店舗10のサービス性が向上することである。その理由は、顧客が自分の携帯端末8を用いていつでもオーダを確認することができ、かつ、精算額を確認することができるからである。
【0052】
第3の効果は、店舗10側の店員の負担を軽減することができることである。その理由は、個別会計に要する所要の作業を、顧客自身がオーダ時に携帯端末8を用いてあらかじめ実施しているので、店員は現状の技術のような精算時の特殊な個別会計作業をしなくても済むからである。
【0053】
(本発明の他の実施形態)
前述の実施形態においては、顧客が個別注文を行おうとする際に、携行している携帯端末8から注文を行うことにより、該携帯端末8を一意に特定することができる携帯端末IDをオーダに関連付けて登録して、個別注文を有効に設定する場合について説明したが、本他の実施形態においては、携帯端末8を用いて、かかる場合のみならず、過去に注文しているオーダについても個別注文にするか否かを随時変更することを可能にする場合について説明する。
【0054】
図7は、
図1のオーダリングシステムにおいて過去に行ったオーダに関して個別注文にするか否かを変更する際の動作の一例を示すシーケンス図であり、顧客が自ら携行する携帯端末8を用いて、過去に注文済みのオーダの注文状態(個別注文、グループ注文)を変更する場合の動作について、その一例を示している。
【0055】
図7のシーケンス図において、まず、前述の実施形態における
図2のシーケンスS7に示したように、注文サーバ3が、個別注文画面を作成して、携帯端末8に対して応答すると、携帯端末8の画面に、個別注文用のメニュー画面として個別注文画面が表示される(シーケンスS7)。ここで、携帯端末8に画面表示された個別注文画面には、過去の注文内容を確認する「注文内容確認」ボタンが表示されている。顧客が該「注文内容確認」ボタンを押すと(シーケンスS40)、携帯端末8から注文サーバ3に対して、過去に注文した注文内容を画面表示する注文内容確認画面を作成することを促す要求が送信される(シーケンスS41)。
【0056】
注文サーバ3は、携帯端末8から該要求を受け取ると、当該顧客が過去に注文したメニューのリストを取得する要求を店舗サーバ2に対して送信する(シーケンスS42)。注文サーバ3から該要求を受け取ると、店舗サーバ2は、該要求にキーとして含まれているテーブル番号に該当するテーブルに居る顧客の過去のオーダをオーダ管理テーブル22から抽出して該オーダの一覧を含む注文リストを作成して、注文リスト応答として、注文サーバ3へ送信する(シーケンスS43)。
【0057】
注文サーバ3は、店舗サーバ2から注文リスト応答を受け取ると、注文内容確認画面を作成して、要求元の携帯端末8に応答する(シーケンスS44)。該注文内容確認画面には、要求元の携帯端末8の顧客が属するグループが過去に注文したオーダの一覧が列挙されているとともに、オーダ毎に、携帯端末8から個別注文されたものかあるいは別の携帯端末から個別注文されたものか、あるいは、顧客グループとして共通に注文されたものかを示す表示が付されている。さらに、該注文内容確認画面には、当該携帯端末8から個別注文されたオーダに対しては、該個別注文を解除して共通注文に変更するための「個別注文解除」ボタンが表示され、共通注文されたオーダに対しては、該共通注文を解除して個別注文に変更するための「共通注文解除」ボタンが表示されている。なお、当該携帯端末8とは別の携帯端末から個別注文されたオーダに関しては、注文状態の変更操作を行うことはできず、「個別注文解除」ボタンも表示されない。
【0058】
携帯端末8は、注文サーバ3から注文内容確認画面を受け取ると、該注文内容確認画面を画面表示して、顧客に提示する。顧客は、携帯端末8に画面表示された該注文内容確認画面を確認して、当該顧客が携帯端末8から個別注文したオーダを共通注文に変更したい場合には、当該オーダに対応する「個別注文解除」ボタンを押すことによって、個別注文状態を解除して、共通注文状態に変更することができる。あるいは、共通注文したオーダを個別注文に変更したい場合には、当該オーダに対応する「共通注文解除」ボタンを押すことによって、共通注文状態を解除して、当該顧客自身の個別注文状態に変更することができる(シーケンスS45)。
【0059】
顧客が、注文内容確認画面に画面表示した注文リストに関する注文状態の変更操作を行った後、注文内容確認画面上の「確定」ボタンを押すと(シーケンスS46)、携帯端末8は、過去の注文の一覧を示す注文リストに関して確定した注文状態の変更を、個別注文状態変更要求として、注文サーバ3に対して送信する(シーケンスS47)。注文サーバ3は、携帯端末8から個別注文状態変更要求を受け取ると、受け取った該個別注文状態変更要求を、店舗サーバ2に対して転送する(シーケンスS48)。
【0060】
店舗サーバ2は、注文サーバ3から個別注文状態変更要求を受け取ると、該個別注文状態変更要求に応じて、オーダ管理テーブル22の登録内容の変更処理を行う(シーケンスS49)。つまり、携帯端末8から、過去に個別注文されていたオーダの個別注文を解除して共通注文に変更する旨が要求されてきた場合には、オーダ管理テーブル22の当該オーダに対応する携帯端末ID欄226に登録されていた当該携帯端末8の携帯端末IDを削除する。かかる削除を行うことによって、当該オーダは、個別注文から共通注文の状態に変更される。また、携帯端末8から、過去に共通注文されていたオーダの共通注文を解除して個別注文に変更する旨が要求されてきた場合には、オーダ管理テーブル22の当該オーダに対応する携帯端末ID欄226に、当該携帯端末8を一意に特定する携帯端末IDを新たに設定登録する。かかる設定登録を行うことによって、当該オーダは、共通注文から当該携帯端末8の顧客の個別注文の状態に変更される。
【0061】
店舗サーバ2は、オーダ管理テーブル22の登録内容の変更処理を完了すると、処理結果の成否を確認して、正常に処理された場合には、正常応答を注文サーバ3に対して送信する(シーケンスS50)。
【0062】
以上に説明したように、
図7に示した注文状態変更手続きは、オーダ管理テーブル22にテーブル登録されているオーダ毎の注文状態(個別注文、共通注文)を、携帯端末8を用いて、任意の注文状態に随時変更することができる注文状態変更ステップ(注文状態変更手段)を提供している。
【0063】
したがって、本他の実施形態においては、顧客は、過去に注文していたオーダの注文状態(個別注文、共通注文)を任意の好きなタイミングで変更することができるという効果を奏することができる。
【0064】
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。
【解決手段】顧客が注文したオーダの会計を行うオーダリングシステムとして、商品のオーダ時に、顧客が携行する携帯端末8を用いて商品をオーダし、かつ、顧客が個別会計を行う個別注文であるか、グループ全体で会計を行う共通注文であるかを識別可能に店舗サーバ2のオーダ管理テーブル22に登録し、精算時に、共通注文の合計金額と個別注文の合計金額とを算出し、それぞれについて精算を行う。