(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562635
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】標準品の作製方法
(51)【国際特許分類】
G01N 23/223 20060101AFI20190808BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
G01N23/223
G01N1/00 102B
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-4465(P2015-4465)
(22)【出願日】2015年1月13日
(65)【公開番号】特開2015-132607(P2015-132607A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2017年9月14日
(31)【優先権主張番号】14151007.3
(32)【優先日】2014年1月13日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503310327
【氏名又は名称】マルバーン パナリティカル ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】マーク インガム
(72)【発明者】
【氏名】レイアン グリムスリー
【審査官】
小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−235688(JP,A)
【文献】
特開平06−174664(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0091012(US,A1)
【文献】
木村 匡志、 中野 和彦、 中村 利廣,有害元素蛍光X線分析用粉末状ポリエチレン標準物質の開発,分析化学(Bunseki Kagaku),日本,日本分析化学会,2008年,Vol.57, No.6 (2008),P411-415
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/223
G01N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光X線測定のための乾式基準標準品を作製する方法であって、
所定元素の既知濃度を有する基準試料を提供する、提供工程と、
前記基準試料の体積を溶媒に移す工程と、
前記基準試料を含む前記溶媒を粉末状の賦形物質と混合する、混合工程と、
前記溶媒を蒸発させて、前記賦形物質の中に均一に分散された前記所定元素の前記既知濃度を有する乾式基準標準品を形成する、蒸発工程と、
を含み、前記溶媒を蒸発させることは、室温で行う第1蒸発工程を含み、その後にオーブンの中で35℃を上回る温度で行う第2蒸発工程が続く、方法。
【請求項2】
前記溶媒は、アセトン、水、テトラヒドロフラン、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、メタノール、エタノール、1−4ダイオキシン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル又はこれら溶媒の混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記溶媒はアセトンである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2蒸発工程は少なくとも24時間行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記賦形物質は、ラクトース、セルロース、炭酸カルシウム又はこれらの任意の混合物である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記提供工程は、複数の元素の各々の既知濃度を有する少なくとも1つの基準試料を提供する工程と、前記少なくとも1つの基準試料の体積を溶媒に移して前記複数の元素の各々の既知濃度を有する希釈基準試料を得る工程とを含む、請求項1から5に記載のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
複数の乾式基準標準品を提供する方法であって、
所定元素の既知濃度を有する基準試料を提供する、提供工程と、
前記複数の乾式基準標準品の各々のためのそれぞれの溶媒内のそれぞれの基準試料が、相互に異なる濃度を有するように、前記基準試料の体積をそれぞれの溶媒に移す工程と、
前記基準試料を含むそれぞれの溶媒を粉末状の賦形物質と混合する、混合工程と、
前記溶媒を蒸発させて、前記賦形物質の中に均一に分散された前記所定元素の異なる既知濃度を有する前記複数の乾式基準標準品を形成する、蒸発工程と、
を含み、前記溶媒を蒸発させることは、室温で行う第1蒸発工程を含み、その後にオーブンの中で35℃を上回る温度で行う第2蒸発工程が続く、方法。
【請求項8】
複数の乾式基準標準品を使用して蛍光X線の装置を校正する方法であって、
複数の乾式基準標準品を調製する調製工程において、
所定元素の既知濃度を有する基準試料を提供することと、
前記複数の乾式基準標準品の各々のためのそれぞれの溶媒内のそれぞれの基準試料が、相互に異なる濃度を有するように、前記基準試料の体積をそれぞれの溶媒に移すことと、
前記基準試料を含むそれぞれの溶媒を粉末状の賦形物質と混合することと、
前記溶媒を蒸発させて、前記賦形物質の中に均一に分散された前記所定元素の異なる既知濃度を有する前記複数の乾式基準標準品を形成することと、
を備える、調製工程と、
前記複数の乾式基準標準品の各々の前記蛍光X線を測定する、測定工程と、
前記の測定された蛍光X線及び前記所定元素の前記既知濃度から校正線を計算する、計算工程と、
を含み、前記溶媒を蒸発させることは、室温で行う第1蒸発工程を含み、その後にオーブンの中で35℃を上回る温度で行う第2蒸発工程が続く、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は標準品の作製方法及び本発明によって作製された標準品に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光X線(XRF:X−Ray Fluorescence)は、一部の技術分野において広く使用されている。X線が試料に向けられると、試料から二次X線が放出される。二次X線は試料に含有される元素に依存し、放出されたX線の強度が試料中の元素濃度を決定するために用いられ得る。
【0003】
放出された蛍光X線の強度は、関連元素の濃度だけでなく、元素が含まれる試料及びマトリックスの調製にも依存する。従って、試料の調製は重要である。
【0004】
正確な測定のため、蛍光X線装置は、被測定試料に類似するべき適切な基準試料に対して校正(calibrate)される必要がある。定量的測度値は、基準試料及び試験試料から放出されたX線を比較することによって得ることができる。
【0005】
XRFの多くの用途のための基準試料/物質は、市販されている。しかし、例えば医薬品部門を含むより広範囲の商業用途でXRFを使用するために、適切な基準試料が必要となる。
【0006】
医薬品のためのXRFの使用について、Ian Campbellらの非特許文献1で議論されてきた。この論文では、医薬品部門におけるXRFの用途について考察されている。
【非特許文献1】Ian Campbell、外5名、“The Use of EDXRF for Pharmaceutical Material Elemental Analysis”、[online]、2012年11月9日、American Pharmaceutical Review、インターネット<URL: http://www.americanpharmaceuticalreview.com/1504−White−Papers−Application−Notes/124874−The−Use−of−EDXRF−for−Pharmaceutical−Material−Elemental−Analysis/>
【0007】
非特許文献1で考察された基準試料は、マトリックスとしてセルロース賦形物質を使用し、かつ、有機金属を使用して作製される。このようなプロセスにおいて、開始点は、トルエン中に溶解した有機金属形状の金属の溶液である。
【0008】
しかし、この方法による信頼性のある標準品の調製は、時間がかかるうえ、健康被害をもたらす可能性もあり、困難であることが判明した。
【0009】
更に、医薬品のための適切な乾式基準標準品は市販されていない。
【0010】
例えば、特に金属元素などの元素の正確な測定は、数多くの理由から必要とされ得る。例えば、触媒として、医薬品の製造に関与してきたであろう任意の元素が生成物に存在しないことを検査する必要があるかもしれない。さまざまな形で潜在的に起こりうる混成がないことを検査する必要があるかもしれない。このような検査は、製造業者によって選択され得るか、あるいは、健康及び/又は安全に対して責任を負う国家又は国際的な基準団体によって要求され得る。
【0011】
従って、医薬賦形剤として一般的に使用される物質のマトリックスを含む基準標準品を調製する方法及びこのような方法で生成される標準品が必要となる。
【発明の概要】
【0012】
本発明の第1の態様に従って、蛍光X線測定のための基準標準品を作製する方法が提供される。この方法は、所定元素の既知濃度を有する基準試料を提供する工程と、溶媒を用いて基準試料を体積的に移動する工程と、賦形物質と混合する工程と、溶媒を蒸発させて賦形物質中に均一に分散された金属の既知濃度を有する乾式基準試料を形成する工程とを含む。
【0013】
基準試料は水性の基準標準品でよく、つまり水、希硝酸又は同様のものといった溶液に基づく水中に担持された元素でよい。
【0014】
溶媒は所定元素の既知濃度を有する基準試料と混合できる。溶媒は、例えばアセトン、水、テトラヒドロフラン、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、メタノール、エタノール、1−4ダイオキシン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル又はこれら溶媒の混合物でよい。このような溶媒は、本発明で利用するための最も利用可能な水性の基準標準品と混合するのに適している。特に、溶媒は、広く入手可能で、かつ、容易に蒸発させることができるアセトンでよい。
【0015】
代替的な溶媒として、例えばブタノン、エチルイソプロピルケトン又はメチルイソブチルケトンなどの他のケトン類でよい。
【0016】
賦形物質はラクトース、セルロース又は炭酸カルシウム、これら3つの任意の混合物、あるいは同様の物質でよい。
【0017】
溶媒を蒸発させる工程には室温で行う第1蒸発工程が含まれ、オーブンの中で35℃を上回る昇温で行う第2蒸発工程がこれに続く。第2蒸発工程は、少なくとも24時間行われ得る。
【0018】
方法は、複数の元素の既知濃度を有する基準試料を提供することができる。
【0019】
方法は、所定元素の異なる既知濃度を有する複数の乾式基準標準品を提供する工程も更に含む。この場合、複数の乾式基準標準品のための溶媒に基準試料を体積的に移入する工程は、複数の乾式基準標準品の各々のための各溶媒に基準試料の異なる濃度を体積的に移入することによって行い、所定元素の異なる既知濃度を有する複数の乾式基準標準品を得ることができる。
【0020】
本発明の第2の態様において、蛍光X線装置を校正する方法を提供する。この方法は、上述のような方法を用いて、所定元素の異なる濃度を有する複数の基準試料を調製する工程と、基準試料の各々の蛍光X線を測定する工程と、測定された蛍光X線及び所定元素の既知濃度から校正線(calibration line)を計算する工程とを含む。
【0021】
本発明の第3の態様は、乾式基準標準品又は上記の方法を用いて生成された一連の乾式基準標準品に関する。
【0022】
本発明の更なる発展部分は従属請求項の主題である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】ヒ素の既知濃度に対する測定されたXRF強度を表示する校正線の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
XRF測定を医薬試料に行うために、全体に均一に分散された元素を有する乾式基準標準品が必要となる。
【0025】
液体中、一般には溶液中で担持された元素は、基準標準品として市販されている。例えば、標準品は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP−OES:Inductively Coupled Plasma Optical Emission Spectrometry)、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS:Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry)、イオンクロマトグラフ(IC:Ion Chromatography)又は原子吸光分析法(AAS:Atomic Absorption Spectrometry)に適した市販の標準品、標準溶液でよい。このような標準品の1つに、10000ppm(パーツパーミリオン)で、5容量%(v/v)の硝酸溶液中のヒ素(As)がある。10000ppmは1%であることが理解される。他のこのような標準品は、周期表の他の元素に利用可能である。
【0026】
医薬品に対するXRF測定に適した乾式基準標準品を調製するため、液体中で担持される所定元素を含有する基準標準品を、例えば、アセトンなどの溶媒に体積的に移入する。この結果生じた希釈基準標準品は、例えば10ppmから500ppmの範囲のより希薄な濃度の所定元素を含む。
【0027】
試験対象の試料のマトリックスに対応するマトリックス物質は、粉末状で提供される。マトリックス物質は、医薬賦形剤として使用される物質でよく、一般に炭酸カルシウム、セルロース又はラクトースでよい。
【0028】
溶媒中の希釈基準標準品の量は、続いて既知質量の粉末と混合され、混合物を形成する。混合物は十分に混合される。
【0029】
続いて、混合物はある形状で置かれ、加熱されてアセトンを除去する。これにより、この形状から除去され得る標準品の全体に同種金属を有する多くの粉末が生じる。
【0030】
このような標準品はXRF測定において使用され得る。この標準品は、全体に同種金属を有する適切な医薬賦形剤の乾燥試料である。
【0031】
標準品は粉末状で使用されるか、あるいは圧縮されて固体の標準品を形成する。
【0032】
上述した方法は比較的簡単なものであり、それ故、乾式基準標準品をこの方法で作製することは、有機金属を伴う手法よりも、はるかに容易である。更に、方法は、特に基準標準品において重要な優れた均一性といった極めて良好な結果をもたらす。
【0033】
標準品が容易に作製できることで、多種多様な金属の混成を検査するために、XRF標準品が多数の金属のために作製され得る。
【0034】
実施形態において、基準標準品は、加熱前に2つ以上の金属の低濃度の調製品を微粉砕物と混合させることによって、標準品に含まれる多数の元素を有することができる。
【0035】
標準品をさまざまな元素を測定するために使用できるように、標準品はそれぞれ、異なる濃度のさまざまな元素を含むことができる。
【0036】
特に、標準品の以下のグループが提案される。標準品の各グループは、異なる濃度の異なる元素の範囲を含む。第1の標準品はAs、Cd、Hg及びPbを含むことができる。第2の標準品は、Ru、Rh、Pd、Ir又はPtを含むことができる。第3の標準品は、Al、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn又はMoを含むことができる。
【0037】
ただし、各標準品が異なる元素のさまざまな異なる濃度を含み、かつ、各元素に対し、一連の標準品がさまざまな異なる濃度を含むように、標準品が準備される。例示的な標準品は表1の通りである。
【0039】
この乾式基準標準品の選択と併せて、蛍光X線を用いるためにさまざまな元素が検査される。
(実施例)
【0040】
以下の方法を用いて実施例が調製された。
【0041】
3桁の天秤(three−figure balance)を使用して、秤量紙上にマトリックス/賦形剤(セルロース、ラクトース又は炭酸カルシウム)を250g秤量し、続いて大きなガラス皿に移す。ガラス皿の上に蓋を置き、一方に放置する。
【0042】
小型のガラスビーカーに100mlまでのアセトンを量り、メスシリンダーに370mlまでのアセトンを量る。
【0043】
市販の標準溶液の所要量をピペットで取り、100mlまでのアセトンに入れる。溶液間の混成を防ぐために、新しいピペットチップを使用して、各標準溶液を分注する。
【0044】
最後の標準溶液が分注された後、370mlまでのアセトンをマトリックス上へ慎重に注ぐ。必要であれば、アセトンを更に加える。過飽和状態を起こさず物質を事前に湿らせるための十分な液体があるべきである。
【0045】
アセトン中の標準混合溶液を湿ったマトリックスに注ぐ。ビーカーを逆さにしている間、溶液がまだ存在している可能性があるビーカーの縁に細心の注意を払いつつ、洗浄ボトルからアセトンを吹き付ける。より多くのアセトンでビーカーの内部を3回すすぎ、これを湿式混合物に加える。
【0046】
ガラス棒を使用して湿式物質を完全に混合し、標準溶液の最大分散を確実にする。混合物上においてアセトンでガラス棒をすすぎ、続いてガラス皿の内部にアセトンを吹き付けて、混合物に戻るいかなる物質も洗い流す。
【0047】
ドラフトチャンバーの内部に全ての試料を置き、全てのアセトンが蒸発するまで(アセトン臭が一切しなくなるまで)放置する。
【0048】
ガラス棒を用いて、一定間隔で慎重に混合物をかき混ぜ、濃縮された斑(patch)の形成を防止する。続いて、混合物上において、これをアセトンで洗い流す。
【0049】
アセトンが全く残っていないと考えられる場合、40℃に設定したオーブンの中にガラス皿を配置し、乾燥するまでそのままにする。この工程は、通常2日から3日かかる。十分に乾燥したと判断されると、ガラス皿の内容物を秤量紙の上に移し、続けてジップロック
(登録商標)式袋に入れる。必要であれば、内容物の除去を助けるために専用のブラシを使用する。
【0050】
内容物を混合するために、標準品を含有する袋は手で扱われる。このようにして、マトリックスのいかなる潜在的な高濃度領域も除去できる。グローブ袋の中に袋を置き、計量器具及びナルゲン(Nalgene)ボトルの秤量に伴って、グローブ袋を密封して窒素でグローブ袋を速やかに充満させる。
【0051】
粉末は、5gを量って1桁のポータブル型天秤(one−figure portable balance)上のガラス漏斗の秤量ボートに入れることで、30ml用のナルゲンという首の細いボトルに移される。いったん全てのボトルがいっぱいになると、残りの余分な粉末をジップロック
(登録商標)式袋の中に移す。
【0052】
各ボトルのキャップ及び首にシールテープを巻きつける。この工程は全ての標準品に対して繰り返されるべきである。ジップロック
(登録商標)式袋の中に残っている粉末は、PANalytical Epsilon3(登録商標)分光器を使用して分析され、正確性及び均一性を含む生成された乾式基準標準品の質を評価する。
【0053】
上記の記載は、本発明に従った方法の一例である。当業者であれば、多くの変形形態が可能であると理解するであろう。
【0054】
例えば、溶媒の正確な量又は固有性(identity)は変えることができる。アセトンの代わりに、例えば水、テトラヒドロフラン、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、メタノール、エタノール、1−4ダイオキシン、ジメチルスルホキシド又はアセトニトリルを使用することができる。
【0055】
上述した温度及び時間は、必要に応じて変えることができる。秤量方法、使用した容器及び方法の詳細は、必要に応じて変えることができる。
【0056】
試料の乾燥工程は、適切な温度及び時間で行われ、溶媒を蒸発させるために試料が十分に乾燥する限り変えることができる。
(結果)
【0057】
結果の均一性及び再現性を検証するため、上述の方法がセルロース賦形剤を使用してヒ素元素に対して行われた。
【0058】
特に、さまざまな量のヒ素と共に上記の方法を用いて、5つの標準品が調製された。
【0059】
続いて、これらの標準品は
図1に示された校正線を作成するために使用された。校正線は、ppmにおけるAsの既知濃度に対する測定されたXRF強度(強度率補正As(I rate corrected As)/内部率(Internal rate))を表示する。各標準品は、Epsilon3 XRF分光器で順に測定され、結果が出力された。結果は計器内に記録された校正としての直線に当てはまった。平均平方誤差は、2.39ppmで、検出の下限(3σ)は0.2ppmであり、各々に対する検出器ライブタイム(detector live time)は120秒であった。
【0060】
続いて、賦形剤において通常30ppmのAsを有する試料が測定のために使用された。
【0061】
バルク試料(Cell−LP−06AからCell−LP−06Jとラベル付けされた試料)からの10のアリコートが、ルース粉末(5g)試料として取り出された。これらは一度測定され(#1)、各試料はキュベットから除去され、ティップバックして(tipped back in)、かつ、再分析され(#2)、そして繰り返された(#3)。これにより、10の測定結果が3セット提供され、これらの測定結果に対して統計的分析が行われた。以下の表2に示された測定結果は、Epsilon3分光器を用いて分析された。
【0063】
グラブス試験をデータに行い、任意の異常結果を決定した。測定された30の値のうちの1つは、正規分布から外れた「異常値」と考えられる値、つまり35.5であった。
【0064】
試料は、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)を用いて試験された。良好な再現性が示され、試料はスチューデントのt検定(Students−t test)を合格し、試料が良品質であるということが証明された。
【0065】
分散分析(ANOVA:analysis of variance)試験が行われた。一因子のANOVAから、各試料の第1、第2及び第3測定結果に関して表3のような結果が得られた。
【0067】
ANOVAの第2部分は、F試験を用いた帰無仮説(null hypothesis)及び対立仮説(alternate hypothesis)を使用して、平均平方を比較する。
【0068】
この実施例では、統計的有意性がない(F 0.133<F crit 3.354)。臨界値以上のF値の確率(p値として知られる)は、0.876であり、これは、0.05よりはるかに高い確率である。従って、グループ内の分散は95%の信頼限界(P 0.876<0.05)において統計的に有意性がない。それ故、帰無仮説は受け入れることができる。つまり、結果はグループ間の著しい相違を示唆していない。
【0069】
このように、この方法を用いて調製された試料は、質が良好であり、再現性も高い。特に、10個の異なる5gの試料から試料間で高い再現性が明らかになった。
【0070】
従って、有機金属を用いるこれまでの方法よりも問題が少なく、危険度が低い方法で、良い結果を伴う良好な乾式基準試料が調製された。