(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562640
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】負荷名称入力システム
(51)【国際特許分類】
G06F 17/50 20060101AFI20190808BHJP
H02B 1/40 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
G06F17/50 650Z
G06F17/50 602L
G06F17/50 610A
G06F17/50 602B
!H02B1/40 A
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-16932(P2015-16932)
(22)【出願日】2015年1月30日
(65)【公開番号】特開2016-143144(P2016-143144A)
(43)【公開日】2016年8月8日
【審査請求日】2017年11月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】特許業務法人なじま特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩介
(72)【発明者】
【氏名】落合 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 貴史
【審査官】
松尾 俊介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2000−305972(JP,A)
【文献】
特開2006−209674(JP,A)
【文献】
特開2003−050931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
H02B 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが、分電盤に配置される内部機器の負荷名称入力操作を行なう負荷名称入力手段と、
負荷名称の入力に伴う演算処理を行なう負荷名称演算手段と、
負荷名称演算手段の演算処理結果を記憶する負荷名称記憶手段と、
負荷名称演算手段の演算処理結果をユーザに表示する負荷名称出力手段を有し、
前記負荷名称演算手段は、内部機器の回路数を規定する回路規定手段と、
負荷名称入力手段からこの回路規定手段に入力された内部機器の回路数に応じて、負荷名称を入力する画面である負荷名称入力部と、負荷名称ラベルの印刷内容を表示する画面である配置出力部とを同一画面上に並べて表示させる負荷名称展開手段と、
負荷名称入力手段からこの負荷名称入力部に入力された負荷名称を前記負荷名称記憶手段に収納させるとともに、収納した負荷名称データを前記配置出力部に連動して表示させる連動表示手段を有することを特徴とする負荷名称入力システム。
【請求項2】
前記負荷名称展開手段は、内部機器の配置方向を規定する配置規定手段を備え、負荷名称入力部からの入力内容に応じて配置出力部に表示させることを特徴とする請求項1記載の負荷名称入力システム。
【請求項3】
前記負荷名称展開手段は、負荷名称の回路番号、回路番号を装飾する回路記号、負荷名称ラベルの文字色または背景色、文字の配置場所の何れかを規定する拡張規定手段を有し、その入力内容に応じて配置出力部に表示させることを特徴とする請求項1または2記載の負荷名称入力システム。
【請求項4】
前記負荷名称演算手段は、負荷名称入力部と配置出力部とを同一画面に表示させるモードと、負荷名称ラベル画面を表示して直接入力操作を可能とする負荷名称ラベル入力部を表示させるモードとを切替える表示切替手段を有することを特徴とする請求項1記載の負荷名称入力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電盤の内部機器に対応する負荷名称ラベルを作成するために用いられる負荷名称入力システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
分電盤は筐体の内部に主幹ブレーカ、分岐ブレーカなどの様々な内部機器を配置して構成されるものであり、接続される負荷の数や種類及びその容量等に応じて、筐体のサイズや内部機器の配置は大きく異なる。メーカは多数の標準品を用意しており、ユーザからの希望仕様に応じて専門技術者が最適な分電盤を選定していた。しかし近年、ユーザの端末とメーカのサーバとを通信回線で結び、ユーザが画面上で希望する分電盤の選定やオプション機器の追加を行なうことができる分電盤選定システムが普及しつつある。
【0003】
その一例が特許文献1に記載されている。このシステムにおいては、ユーザが入力手段からの操作を行なうことによって、サーバのデータベースに記憶された標準品情報中からユーザの希望に一致または類似する分電盤を読み出し、その標準品情報をユーザの画面に盤内イメージ画像として表示することができる。また表示された盤内イメージ画像をユーザが操作して内部機器を変更することができるようになっている。
【0004】
特許文献2に示すように、分電盤には内部機器に対応する負荷名称ラベルが取付けられている。これは内部機器の用途、機種、接続される負荷名称等を表示するものであり、分電盤選定システムでは内部機器の選定作業とともに、内部機器の用途・機種等を表示させる負荷名称を入力して負荷名称ラベルを作成し、分電盤の負荷名称ホルダに表示できるようになっている。
【0005】
しかし従来の負荷名称入力システムでは、負荷名称の入力画面と印刷状態を確認する画面とが異なるページにあるため、負荷名称を入力するたびに異なるページを開いて印刷状態を確認しており、手数がかかるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3777867号公報
【特許文献2】特許第5557331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、余分な手数を要することなく、負荷名称ラベルの入力及び作成を行なうことができる負荷名称入力システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明の負荷名称入力システムは、ユーザが、分電盤に配置される内部機器の負荷名称入力操作を行なう負荷名称入力手段と、負荷名称の入力に伴う演算処理を行なう負荷名称演算手段と、負荷名称演算手段の演算処理結果を記憶する負荷名称記憶手段と、負荷名称演算手段の演算処理結果をユーザに表示する負荷名称出力手段を有し、前記負荷名称演算手段は、内部機器の回路数を規定する回路規定手段と、
負荷名称入力手段からこの回路規定手段
に入力された内部機器の回路数に応じて、負荷名称を入力する画面である負荷名称入力部と、負荷名称ラベルの印刷内容を表示する画面である配置出力部とを同一画面上に並べて表示させる負荷名称展開手段と、
負荷名称入力手段からこの負荷名称入力部
に入力された負荷名称を前記負荷名称記憶手段に収納させるとともに、収納した負荷名称データを前記配置出力部に連動して表示させる連動表示手段を有することを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記負荷名称展開手段は、内部機器の配置方向を規定する配置規定手段を備え、負荷名称入力部からの入力内容に応じて配置出力部を表示させることを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は請求項1または2の発明において、前記負荷名称展開手段は、負荷名称の回路番号、回路番号を装飾する回路記号、負荷名称ラベルの文字色または背景色、文字の配置場所の何れかを規定する拡張規定手段を有し、その入力内容に応じて配置出力部を表示させることを特徴とするものである。
【0011】
請求項4の発明は請求項1の発明において、前記負荷名称演算部は、負荷名称入力部と配置出力部とを同一画面に表示させるモードと、負荷名称ラベル画面を表示して直接入力操作を可能とする負荷名称ラベル入力部を表示させるモードとを切替える表示切替手段を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、負荷名称入力画面と配置出力画面とを同一画面に
並べて表示させるため、何度もページを切替えて実際に印刷される配置出力を確認する必要がなく、負荷名称ラベルの入力及び作成の手数を軽減することができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、分電盤の回路数のみならず配置位置も設定可能であり、その配置位置によって配置出力部の表示を変更することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、負荷名称の回路番号、回路記号、負荷名称ラベルの文字色または背景色、文字の配置場所なども入力したり変更したりすることができ、その結果に応じて配置出力部の表示を変更することができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、ユーザ端末への出力モードを変更することにより、ユーザの望む負荷名称ラベルの設計を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の負荷名称入力システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図3】負荷名称入力部に「コンセント」の負荷名称を入力する手順を示す図である。
【
図4】負荷名称入力部に「コンセント」の負荷名称を入力する手順を示す図である。
【
図5】負荷名称入力部に「コンセント」の負荷名称を入力規定手段により入力する手順を示す図である。
【
図6】回路規定手段により配置出力部の表示の変更を示す図である。
【
図7】入力モードを切り替えた画面を示す入力画面を示す図である。
【
図8】入力モードを切り替えた画面を示す入力画面を示す図である。
【
図9】入力モードを切り替えた画面を示す入力画面を示す図である。
【
図10】テンプレート管理方式の入力画面を示す図である。
【
図11】本発明の負荷名称入力システムの動作フローを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に示すように、本発明の負荷名称入力システムは、ユーザ側端末1とサーバ2とから構成される。これらは通信回線を介して、あるいは直接接続されている。ユーザ側端末1は複数台とすることもできる。通常、サーバ2はメーカ側に設置されるが、その設置場所は任意であることはいうまでもない。
【0018】
ユーザ側端末1は、分電盤に配置される内部機器の負荷名称の入力操作を行なう負荷名称入力手段3と、入力された負荷名称や演算処理された負荷名称が出力される負荷名称出力手段4を備えている。
【0019】
サーバ2は、負荷名称の入力に伴う演算処理を行なう負荷名称演算手段5を備えている。またサーバ2は、負荷名称演算手段5の演算処理結果を記憶する負荷名称記憶手段6を備えている。負荷名称演算手段5の演算処理結果は負荷名称出力手段4によってユーザ側端末1に表示される。
【0020】
負荷名称演算手段5は、回路規定手段7と、負荷名称展開手段8と、連動表示手段9とを備えている。回路規定手段7は分電盤の内部機器の回路数を規定する。分電盤の回路数に応じて必要な負荷名称ラベルの数も変化するので、負荷名称入力手段3から入力された回路数に応じて、負荷名称展開手段8が
図2に示すように、負荷名称入力部10と配置出力部11とを同一画面に表示させる。
【0021】
配置出力部11は負荷名称ラベルの印刷内容を表示する画面であり、実際印刷される用紙を表示させておいても良いし、配置のみを表示させる表示画面を出力手段に出力させ、実際印刷される用紙を別画面で表示させて確認できるようにしても良い。
図2に示すようにユーザ側端末1の同一画面上に負荷名称入力部10と配置出力部11とを並べて表示することができるので、従来のようにページを切替えて実際に印刷される配置出力を確認する必要がない。
【0022】
負荷名称演算手段5は、回路規定手段7のほかに配置規定手段12と拡張規定手段13とを備えている。配置規定手段12は、内部機器が母線バーを挟んで両側に取付けられるのかあるいは片側に取付けられるのか、また母線バーの上下に配置されるのか左右に配置されるのかなどの基本的な配置を入力する。配置規定手段12の選択に伴って、
図6に示すように、配置出力部11の表示も変更されるものである。さらに、拡張規定手段13は、負荷名称ラベルに印刷される回路番号、回路記号、色(文字色、背景色)、文字の段落位置(右寄り・中央・左寄り)などの拡張情報を入力する。前記した連動表示手段9は、配置規定手段12と拡張規定手段13への入力内容によって、配置出力部11の表示を連動して変更する。
【0023】
負荷名称展開手段8により展開された画面には、
図2に示されるように、記号、番号、色、段落等の拡張機能を規定する拡張機能入力部14と、負荷名称を入力する基本入力部15が表示されている。負荷名称入力部10及び配置出力部11の入力表や配置図のパターンは、
図1に示されるサーバ2のデータベース15に予め登録しておき、回路規定手段7、配置規定手段12、拡張規定手段13の条件が一致するパターンを呼び出して出力するようにしてもよく、選択された条件に基づいてその都度作成するようにしてもよい。
【0024】
ここで、負荷名称入力部10の入力方法は、
図5のように、挿入したい番号等を指定して語句をプルダウンから選択し(挿入)ボタンを押して入力部に入力していく入力規定手段16を用いる方法や、負荷名称入力部10(基本入力部15)に入力したい箇所を選択し直接入力する方法どちらであっても良い。拡張機能入力部14の入力方法も同様に、拡張規定手段13を用いる方法、指定位置に直接入力する方法どちらであっても良い。
図3、
図4、
図5に回路番号3の負荷名称「コンセント」を入力する手順を示した。
【0025】
このように、負荷名称入力部10の基本入力部15に機器・用途等の負荷名称が何れかの方法で入力されたとき、前記した負荷名称演算手段5の連動表示手段9が、入力された内容と連動して配置出力部11にも負荷名称を反映・表示させる。詳しくは、連動表示手段9により、負荷名称入力部10への入力内容を負荷名称記憶手段6に収納させるとともに、負荷名称記憶手段6に収納した内容を配置出力部11に表示させるものである。負荷名称入力部10の入力内容を変更した場合でも同様に、連動表示手段9により、配置出力部11の表示も変更される。本実施形態のシステムでは、随時連動表示させるようにしているが、一括で連動表示させるようにしてもよい。
【0026】
ユーザは出力された配置出力部11の内容を確認した後、入力した負荷名称ラベルを印刷、又は、サーバ2上の負荷名称記憶手段6に負荷名称データを収納する。このように、1つの画面上で印刷の判断処理を行うことが可能であり、何度もページを移動させるなどの作業をする必要がなくなる。
【0027】
負荷名称入力部10に入力された負荷名称データは、
図2に示された基本入力部15の基本入力データ30と、拡張機能入力部14の拡張機能データ31とに分離した状態で、
図1のように、負荷名称記憶手段6に収納される。収納された負荷名称データは、負荷名称呼出手段50により基本入力データ30及び拡張機能データ31として呼び出して展開させることが可能である。この場合、基本入力データ30と拡張機能データ31を関連付けさせた上で呼び出し、負荷名称出力手段4に展開・表示させることが可能である。
【0028】
また負荷名称データを基本入力データ30と拡張機能データ31に分離させておくことにより、拡張機能データ31を必要としない他システムで、基本入力データ30のみを利用させることも可能である。例えば、分電盤選定システムのような負荷名称の名称だけを使用するシステムにおいては、負荷名称入力システムで作成した負荷名称データのうち、基本入力データ30のみ呼び出して展開できるようにすることができる。
【0029】
上記したように、本発明のシステムは負荷名称入力部10と配置出力部11を併設するモードを使用するものであるが、負荷名称演算部5の表示切替手段20により、負荷名称入力部10と配置出力部11とを同一画面に表示させるモードと、負荷名称ラベル画面を表示して直接入力操作を可能とする負荷名称ラベル入力部21を表示させるモードとを切替え可能としておくこともできる。
図7、
図8、
図9にこのモードを示す。このように実際印刷される用紙を画面に表示し指定した位置を選択しながら入力可能な負荷名称ラベル入力部12を表示させ、入力したい場所を直接選択して入力するモードに選択的に切替え可能としておけば、ユーザが負荷名称入力方法を自在に選択することができる。この直接入力モードにおいても、負荷名称データは基本入力データ30と拡張機能データ31とを分離させて負荷名称記憶手段6に収納され、何れの表示モードでも対応できるように収納される。
【0030】
なお、
図10に示すように、負荷名称入力部10に語句を入力する際、よく使用する語句を予め記憶手段のテンプレート管理手段60に登録しておき、入力規定手段16により基本入力部15に入力を行う際はボタン1つで挿入またはプルダウンを表示して選択できるテンプレート管理を行うこともできる。使用される語句を規則なく収納しておくことや、また種類(用途)ごとに各語句を収納しておくことも可能である。
【0031】
以上に説明した本発明の負荷名称入力システムの動作フローを
図11に示した。ST1でユーザがユーザ側端末1から回路数や配置などを入力すると、ST2でサーバ2が負荷名称入力部10を展開し、さらに配置出力部11を同一画面に展開する。ST4でユーザは負荷名称の入力を行い、必要に応じてST5で拡張機能の入力を行う。入力内容はST6で負荷名称記憶手段6に収納され、またST7で配置出力部11に連動表示される。その後、ST8で負荷名称ラベルの保存及び印刷が行なわれる。
【0032】
以上に説明したとおり、本発明の負荷名称入力システムによれば、分電盤の負荷名称ラベルの入力及び作成を容易にきわめて容易に行なうことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ユーザ側端末
2 サーバ
3 負荷名称入力手段
4 負荷名称出力手段
5 負荷名称演算手段
6 負荷名称記憶手段
7 回路規定手段
8 負荷名称展開手段
9 連動表示手段
10 負荷名称入力部
11 配置出力部
12 配置規定手段
13 拡張規定手段
14 拡張機能入力部
15 基本入力部
16 基本規定手段
20 表示切替手段
21 負荷名称ラベル入力部
30 基本入力データ
31 拡張機能データ
50 負荷名称呼出手段
60 テンプレート管理手段