特許第6562646号(P6562646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562646
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/20 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
   B65D77/20 H
   B65D77/20 F
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-23711(P2015-23711)
(22)【出願日】2015年2月9日
(65)【公開番号】特開2016-145070(P2016-145070A)
(43)【公開日】2016年8月12日
【審査請求日】2017年8月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】309007911
【氏名又は名称】サントリーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 拓也
(72)【発明者】
【氏名】横山 拓己
(72)【発明者】
【氏名】北升 優行
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 康平
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−302158(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/099262(WO,A1)
【文献】 実開昭63−032109(JP,U)
【文献】 特開2001−348007(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/20
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物が収容された容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うシート状の蓋体と、前記開口部の周りのフランジ部と前記蓋体とが接合されることによって構成される環状シール部を備えた容器であって、
前記蓋体は、少なくとも外縁の一部にツマミ部を備え、
前記フランジ部は前記ツマミ部に対向する範囲内に、前記蓋体に向いて突出した突出部を備え、
前記突出部は、少なくとも、前記ツマミ部の先端部から離間した位置に対応する位置に配設された第1突出部と、前記第1突出部より前記ツマミ部の先端側に対応する位置に配設された第2突出部とを有し、
前記第1突出部は前記第2突出部より幅広であり、
前記第1突出部の前記フランジ部からの突出高さは、前記第2突出部の前記フランジ部からの突出高さよりも高く構成されていることを特徴とする容器。
【請求項2】
前記第1突出部と前記第2突出部とは、連設されている請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記第1突出部と前記第2突出部は、
前記第1突出部に対応する部分に第1凸状部を備え、
前記第2突出部に対応する部分に柱状の第2凸状部を備え、
前記第1凸状部の前記フランジ部からの突出高さは前記第2凸状部の前記フランジ部からの突出高さよりも高く設定されている押圧部材によって、
前記フランジ部の裏面から押圧されることによって形成される請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記第1凸状部は半球状であり、
前記第2凸状部は円柱状であると共に前記第1凸状部と一部重複する請求項に記載の容器。
【請求項5】
内容物が収容された容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うシート状の蓋体と、前記開口部の周りのフランジ部と前記蓋体とが接合されることによって構成される環状シール部を備えた容器であって、
前記蓋体は、少なくとも外縁の一部にツマミ部を備え、
前記フランジ部は前記ツマミ部に対向する範囲の少なくとも一部に、前記蓋体に向いて突出した突出部を備え、
前記突出部は、
前記ツマミ部の先端部から離間した位置に対応する位置に配設された半球状の第1凸状部と、前記第1凸状部より前記ツマミ部の先端側に対応する位置に配設されるとともに前記第1凸状部と一部重複する円柱状の第2凸状部とを有し、前記第1凸状部の幅は前記第2凸状部の幅より広く設定され、かつ前記第1凸状部の前記フランジ部からの突出高さは前記第2凸状部の前記フランジ部からの突出高さよりも高く設定されている押圧部材によって、前記フランジ部の裏面から押圧されることによって形成される容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物が収容された容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うシート状の蓋体と、前記開口部の周りのフランジ部と前記蓋体とが接合されることによって構成される環状シール部を備えた容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の容器には通常、紅茶ならびにコーヒー用のミルクやガムシロップ、食品ジャム等が入れられる。このようなものには、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂製の容器が使用され、その上面開口部をアルミや合成樹脂製のシート状の蓋体で密封すると共に、剥離しやすくするための舌片部が設けられており、開封時にはこの舌片部を折り曲げ、さらにシート状の蓋体を引き上げて剥がすことにより容易に開封できる構造となっている(特許文献1)。ポーション容器といわれるこのような容器は、通常、シートを所望の容器形状に成型してシールした後、打ち抜き工程により生産される。
【0003】
一方、飲料等の市場においては、中味や飲用スタイルの多様化の傾向にあり、それに応じた蓋材や底材の選択多様化が求められている。例えば、特許文献2に記載された容器は、蓋体が下方となる姿勢で開封機能付きボトルの容器設置部に設置され、底面を下方に押圧して容器本体の内部の圧力を上昇させると、環状シール部の一部が分離され、この分離した部分が内容物の流出路となるように構成されている。
【0004】
容器の内容物は流出路からそのまま開封機能付きボトルへと注ぎ出される。たとえば、容器の内容物を濃縮された飲料成分としておくと、さらに水などを注いで希釈することで適当な濃度の飲料が得られる。このように使用する容器の場合、つぶれやすい底材を使用すると共に、中味が劣化しないような材質が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−23925号公報
【特許文献2】特開2012−135518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、舌片部を折り曲げて開封する構造の容器の場合、折り曲げるところに切込みを入れておく必要がある。すなわち、切込みを入れるための工程・装置が必要であると共に、切込みがいれられるような材質のものを選択する必要がある。
また、シートに熱をかけてシールと、打ち抜き工程でシートをカットする際、せん断熱でシートが伸びてしまうことがある。打ち抜き工程でシートが伸びてしまうと、蓋材と底材がはりついてしまい、容器を開封する際、開封したい蓋を剥がしにくく、開封しにくくなるという問題がある。
軟らかい素材、伸縮性の大きな素材を使うと、打ち抜く際に素材がのびてしまい、底材にはりつく。容器開封時、はがしにくい。
【0007】
本発明は上述の問題に鑑み、容易に開封できる容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による特徴は、内容物が収容された容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うシート状の蓋体と、前記開口部の周りのフランジ部と前記蓋体とが接合されることによって構成される環状シール部を備え、
前記蓋体は、少なくとも外縁の一部にツマミ部を備え、
前記フランジ部は前記ツマミ部に対向する範囲内に、前記蓋体に向いて突出した突出部を備え、
前記突出部は、少なくとも、前記ツマミ部の先端部から離間した位置に対応する位置に配設された第1突出部と、前記第1突出部より前記ツマミ部の先端側に対応する位置に配設された第2突出部とを有し、
前記第1突出部は前記第2突出部より幅広であり、
前記第1突出部の前記フランジ部からの突出高さは、前記第2突出部の前記フランジ部からの突出高さよりも高く構成されている点にある。
【0009】
上記構成により、突出部が第1突出部と第2突出部とを備えるため、開封容易であると共に、不用意な開封を回避することができる。また、打ち抜き工程で突出部を作成できるので、別の工程や部材を必要とせず、設備が簡単でかつ省スペースな工程とすることができる。また、上記構成により、突出部の幅、すなわち、ツマミ部の先端方向に対する幅について、ツマミ部の先端側に対応する位置に配設された第2突出部の幅を第1突出部の幅を広くすることで、ツマミ部の先端は手でつまみ易くなるため、開封がより容易になる。加えて、上記構成により、ツマミ部は、第1突出部によってフランジ部からしっかりと持ち上げられ、その先端は第2突出部によってフランジ部に貼りつきにくくすることができる。
【0012】
本発明においては、前記第1突出部と前記第2突出部とは、連設されていると好適である。
【0013】
上記構成により、開封容易であると共に、容器全体をコンパクトにすることができる。
【0016】
本発明においては、
前記第1突出部と前記第2突出部は、
前記第1突出部に対応する部分に第1凸状部を備え、
前記第2突出部に対応する部分に柱状の第2凸状部を備え、
前記第1凸状部の前記フランジ部からの突出高さは前記第2凸状部の前記フランジ部からの突出高さよりも高く設定されている押圧部材によって、
前記フランジ部の裏面から押圧されることによって形成されると好適である。
【0017】
上記構成により、上記のような押圧部材によって形成することで、例えば、容器の材料となるシートからの型抜きの際に、蓋体となる蓋材が本体となる底材に貼りつきにくくすることができ、したがって、ツマミ部の先端は手でつまみ易くなる。
なお、第1凸状部の前記フランジ部からの突出高さは、第2凸状部のフランジ部からの突出高さの二倍程度に設定されていることが好ましい。
【0018】
本発明においては、前記第1凸状部は半球状であり、
前記第2凸状部は円柱状であると共に前記第1凸状部と一部重複するとより好適である。
【0019】
上記構成は、押圧部材の好適な形態として、円柱状の第2凸状部に対するツマミ部の接触面積を大きくすると共に、半球状の第1凸状部に対するツマミ部の接触面積を小さくすることで、不用意な開封を回避可能であると共に、開封しようとするとき、より少ない力で開封可能になる。
【0020】
本発明による特徴は、内容物が収容された容器本体と、前記容器本体の開口部を覆うシート状の蓋体と、前記開口部の周りのフランジ部と前記蓋体とが接合されることによって構成される環状シール部を備えた容器であって、
前記蓋体は、少なくとも外縁の一部にツマミ部を備え、
前記フランジ部は前記ツマミ部に対向する範囲の少なくとも一部に、前記蓋体に向いて突出した突出部を備え、
前記突出部は、
前記ツマミ部の先端部から離間した位置に対応する位置に配設された半球状の第1凸状部と、前記第1凸状部より前記ツマミ部の先端側に対応する位置に配設されるとともに前記第1凸状部と一部重複する円柱状の第2凸状部とを有し、前記第1凸状部の幅は前記第2凸状部の幅より広く設定され、かつ前記第1凸状部の前記フランジ部からの突出高さは前記第2凸状部の前記フランジ部からの突出高さよりも高く設定されている押圧部材によって、前記フランジ部の裏面から押圧されることによって形成される形状である点にある。
【0021】
上記のような押圧部材によって形成することで、例えば、容器の材料となるシートからの型抜きの際に、蓋体となる蓋材が本体となる底材に貼りつきにくくすることができ、したがって、前記ツマミ部の先端は手でつまみ易くなる。
なお、第1凸状部のフランジ部からの突出高さは第2凸状部のフランジ部からの突出高さの二倍程度に設定されていることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ポーション容器の斜視図である。
図2】ポーション容器の斜視図である。
図3】開封機能付きボトルと、開封前のポーション容器の説明図である。
図4】開封機能付きボトルと、変形、開封されたポーション容器の説明図である。
図5】ポーション容器の容器本体と蓋体の分解斜視図である。
図6】ポーション容器の側壁部の変形の説明図であって(a)は変形前の状態の説明図、(b)は変形初期の説明図、(c)は変形中期の説明図、(d)は変形後の説明図である。
図7】第一分離シール部の分離工程の説明図であって、(a)は分離前の説明図、(b)は分離初期の説明図、(c)は分離中期の説明図、(d)は分離後の説明図である。
図8】ポーション容器の平面図である。
図9】シールバーによるフランジ部と蓋体との接合の説明図である。
図10】シールバーの環状突起と第一分離シール部の説明図である。
図11】蓋体及びフランジ部の切断の説明図である。
図12】ポーション容器の側面図である。
図13】突出部の説明図である。
図14】突出部の断面図である。
図15】他の実施形態のポーション容器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
(容器の概略構成)
図1及び図2は本発明に係る容器の一例としてのポーション容器1を示している。
ポーション容器1は、液体状などの内容物Cが収容された樹脂製の容器本体2と、容器本体2の開口部2Aを覆う樹脂製のシート状の蓋体9と、開口部2Aの周囲のフランジ部5と蓋体9とが接合されることによって構成される環状シール部6を備えている。
【0025】
ポーション容器1は、容器本体2の底面3などへの押圧力によって、容器本体2の一部が変形して容器本体2が縮小することにより内部の圧力が所定の閾値以上に上昇すると、蓋体9と容器本体2とを熱融着などにより接合する環状シール部6の一部で蓋体9と容器本体2との接合が分離することで開封される。
【0026】
環状シール部6は、フランジ部5のフランジ面5Aの全周にわたって配設されているが、上記のような開封を可能とするために、その一部において、上述のような容器本体2の内部の圧力の上昇によって分離され易い第一分離シール部6Aを備えている。
したがって、容器本体2の内部の圧力の上昇によってフランジ面5Aから分離する蓋体9の位置は必ずこの第一分離シール部6Aとなる。
また、ポーション容器1の容器本体2の側壁部4は、外力によって容易に変形されるように構成されている。これにより、容器本体2の変形がスムーズになり、第一分離シール部6Aからの分離をより確実なものとすることができる。
【0027】
図1図2及び図5に示すように、フランジ部5は第一分離シール部6Aが形成される箇所に、ポーション容器1の平面視でフランジ部5の外縁の一部が内方に向けて窪んだ被係合凹部5Bを備えている。
【0028】
フランジ面5Aのうち、被係合凹部5Bの領域には流出溝5Cが備えられている。流出溝5Cは、ポーション容器1の平面視でフランジ部5の外縁から内縁にかけてフランジ部5の幅の約3分の1までの範囲が、ポーション容器1の側面視で浅く窪んだ形状をしている。流出溝5Cが第一分離シール部6Aが分離した際に内容物Cの流出路の一部を構成する。
【0029】
このように、第一分離シール部6Aは容器本体2の内側(内容物C側)から力が加わって分離可能に構成されており、このような場合の開封には、後述する開封機能付きボトル10や、てこの原理を利用してポーション容器1を挟み込んで開封可能にするような開封キットなどが好適に使用される。
【0030】
ポーション容器1の蓋体9は、環状シール部6から外方に向いて蓋体9に一体的に延設されたツマミ部9Tを備えている。
【0031】
フランジ部5にはツマミ部9Tに対向する範囲内に、蓋体9に向いて突出した突出部P3を備えている。
突出部P3は、ツマミ部9Tの先端部から離間した位置に対応する位置に配設された主突出部P31と、主突出部P31よりツマミ部9Tの先端側に対応する位置で主突出部P31に連設された副突出部P32とを有している。
主突出部P31は副突出部P32より幅広であり、主突出部P31のフランジ部5からの突出高さは、副突出部P32のフランジ部5からの突出高さよりも高く構成されている。
【0032】
ツマミ部9Tは主突出部P31によってフランジ部5からしっかりと持ち上げられ、その先端は副突出部P32によってフランジ部5に貼りつきにくくすることができる。蓋体9は、ツマミ部9Tにおいて、突出部P3によって持ち上げられフランジ部5から離間した状態となるので、ツマミ部9Tの先端は手でつまみ易くなる。
【0033】
ポーション容器1は、開封機能付きボトル10を用いずに、使用者のツマミ部9Tの引き上げによって、第一分離シール部6Aとは異なる箇所に設けられた第二分離シール部6Tで容器本体2と蓋体9との接合を分離することでも開封される。
つまり、第一分離シール部6Aと第二分離シール部6Tとを備えるポーション容器1は、開封機能付きボトル10などを用いても、あるいは、使用者の手を使っても、内容物Cが飛び散らずにきれいに開封することができる。
なお、ツマミ部9Tの引き上げとは、蓋体9がフランジ部5から引き剥がされる方向へツマミ部9Tを引っ張る動作をいう。したがって、容器本体2が天地逆、すなわち蓋体9が下方に面していれば、ツマミ部9Tの引き上げは、ツマミ部9Tを下方に引っ張る動作となる。
【0034】
(開封機能付きボトルの構成)
図3及び図4は、内部の容器設置部13に設置したポーション容器1を開封して内容物Cを取り出すことが可能なボトルの一例としての開封機能付きボトル10と、開封機能付きボトル10の内部の容器設置部13に設置されたポーション容器1とを示している。
【0035】
開封機能付きボトル10は、ポーション容器1の内容物Cの入味量に対して大容量のボトル本体11と、ボトル本体11の上部に設けられた開封支持体12と、開封支持体12の内面に沿って上下に移動自在に支持された加圧部材20とを有する。
【0036】
開封支持体12は、ポーション容器1を収容可能な円筒部12Aと、円筒部12Aの上下の中間位置に円板状のフランジ部12Bとを備えている。開封支持体12は、フランジ部12Bよりも下方の円筒部12Aの外周に形成された雄ネジ12Sを介して、ボトル本体11の開口部の内面に形成された雌ネジ部11Sに螺合されている。
【0037】
円筒部12Aの内側には、内部に収容したポーション容器1を蓋体9が下方を向いた姿勢で設置するための容器設置部13が設けられている。
【0038】
容器設置部13は、円筒部12Aの上方内部空間とボトル本体11の内部空間とを連通させるべく上下に延びた開口部14に向かって低くなる傾斜面13Aを備えている。円筒部12Aの内面であって開口部14に臨む位置には、傾斜面13Aに蓋体9が下方を向いた姿勢で設置されたポーション容器1のフランジ部5と係合して、ポーション容器1を傾斜面13Aに固定するための容器固定部13Bが備えられている。
【0039】
加圧部材20は、開封支持体12の円筒部12Aの内部で上下動可能に設けられたピストン体21と、ピストン体21の上面から上方に延出された棒状の支持軸22と、支持軸22の上端に取り付けられた概して円板状の操作片23とを有する。
【0040】
図3に示すように、ポーション容器1を容器設置部13の傾斜面13Aに設置した状態で、使用者が操作片23を介して加圧部材20を下方に押し下げて容器本体2を変形させ、容器本体2の内部の圧力が第一分離シール部6Aが分離する所定の閾値以上に上昇すると、環状シール部6の第一分離シール部6Aが分離して、ポーション容器1が開封される。
【0041】
ポーション容器1の第一分離シール部6Aは開口部14に臨む位置に配置されているので、図4に示すように、蓋体9の第一分離シール部6Aは傾斜面13Aなどによって阻害されることなく分離し、加圧部材20の押し下げとともに、容器本体2の側壁部4が上下方向に収縮した形状に変形し、内容物Cの大半が開口部14を介してボトル本体11に注ぎ出される。
【0042】
(側壁部の詳細な構成)
図5に示すように、ポーション容器1の容器本体2の側壁部4は、フランジ部5の裏面から底面3に向かって延出した基端部4Aと、底面3からフランジ部5に向かって延出された先端部4Cと、これら基端部4Aと先端部4Cとを接続する中間部4Bとを備えている。側壁部4は全体的に底面3に向かって縮径した筒状体となっている。なお、図3に示すように、底面3は、ポーション容器1を容器設置部13の傾斜面13Aに設置した状態のときに水平となるように、フランジ部5のフランジ面5Aに対して傾斜している。
【0043】
さらに、基端部4Aと中間部4Bの境界では、中間部4Bが基端部4Aよりも小径となり、中間部4Bと先端部4Cとの境界では、先端部4Cが中間部4Bよりも小径となっている。基端部4Aと中間部4Bの境界や、中間部4Bと先端部4Cとの境界には、段差が形成される。
【0044】
中間部4Bは基端部4A及び先端部4Cよりも肉厚を薄く成形することで、基端部4A及び先端部4Cよりも外力によって変形し易くなっている。なお、中間部4Bにのみ折り目を形成する、あるいは、基端部4A及び先端部4Cのみにリブを形成するなどの他の手法によって中間部4Bを基端部4A及び先端部4Cよりも変形し易くしてもよい。
【0045】
図6(a)から図6(d)に示すように、容器本体2の側壁部4の基端部4Aのうち、図1図2及び図5に示された被係合凹部5Bに対応する領域には、ポーション容器1の平面視で容器本体2の内方に向けて窪んだ基端凹部15が備えられている。
【0046】
容器本体2の側壁部4の中間部4Bには、基端凹部15と同様に容器本体2の内方に向けて窪んだ傾斜凹部16が備えられている。
【0047】
傾斜凹部16は、図6(a)において、蓋体9を下方にした容器本体2の姿勢における中間部4Bの途中から、斜め左上方へ傾斜しながら先端部4Cに連なり、かつ、基端凹部15側から中間部4Bと先端部4Cの境界付近にかけて、容器本体2の内方への窪みの程度が徐々に浅くなるような形状に構成されている。
【0048】
中間部4Bには、傾斜凹部16と略平行かつ等間隔に8本の線状凹部8が備えられている。各線状凹部8はたとえば搬送時の衝撃などに対する補強としても機能する。
【0049】
加圧部材20によってポーション容器1にX軸に沿った下方向の押圧力が加えられると、側壁部4の傾斜凹部16及び線状凹部8に応力ないし歪みが集中し、図6の(b)に示すように、側壁部4のうちで薄い中間部4Bのうち特に中間部4Bと先端部4Cの境界付近から主体的に座屈し始め、中間部4Bは部分的に容器本体2の内方に座屈しながら容器本体2の変形が進行し、図6(c)に示すように、中間部4Bのほとんどが基端部4Aの内側に進入する。
【0050】
次に、図6(c)の状態からさらにX軸に沿った下方向の押圧力が加えられると、基端部4Aの内側に進入した中間部4Bがさらに座屈しながらフランジ部5の近くまで押し込まれ、最終的に、図6(d)に示すように、中間部4Bの大半が基端部4Aと先端部4Cの間に入り込むまで側壁部4が十分に変形した状態となる。
【0051】
(環状シール部の詳細な構成)
環状シール部6は、容器本体2と蓋体9とが、フランジ面5Aの全幅にわたって溶着された形態ではなく、フランジ面5Aの幅の一部を占める線状に溶着された形態で構成される。
【0052】
具体的には、図8に示すように、環状シール部6は、平行に配置された一対の直線状シール部6F,6Gと、直線状シール部6F,6Gの端部同士と連なる、概して外方に凸状の一対の円弧状シール部6H,6Iとで構成されている。環状シール部6は、いわゆるレーストラック型に構成されており、ポーション容器1を単に手に取ったときに容器本体2の内部で上昇する圧力や、蓋体9の外縁への物理的な接触によっては、蓋体9をフランジ部5から分離させにくくなっている。
【0053】
上述した第一分離シール部6Aは、一対の円弧状シール部6H,6Iのうち一方の円弧状シール部6Hを中央で分断するように、かつ、フランジ部5の平面視で被係合凹部5B及び流出溝5Cに対応する位置に配設されている。
【0054】
第一分離シール部6Aは第一島状部7Aを囲む二等辺三角形状に構成されている。第一分離シール部6Aの前記二等辺三角形の頂角に対応する部分は、第一分離誘導部P1を構成する。前記二等辺三角形の底辺に対応する部分は、補助分離シール部6Bを構成する。第一分離シール部6Aは、平面視において容器本体2の内方に向かって突出した形状となっている。
【0055】
容器本体2の変形による内部で上昇させられた圧力は、蓋体9をフランジ部5から分離させるように作用する。この圧力は、第一分離誘導部P1に集中し、ここを起点として蓋体9とフランジ部5との分離が始まる。第一分離誘導部P1を備えていない場合に比べて、圧力の上昇の程度が低くても、蓋体9とフランジ部5との分離をすることができる。蓋体9のフランジ部5からの分離を生じる箇所、すなわち流出路の形成される箇所を制御することができる。
【0056】
補助分離シール部6Bの左右両端は、それぞれ、左右一対の連結シール部6C,6Cを介して、円弧状シール部6Hの分断部分に設けられた左右一対の非分離シール部6Dに連なっている。非分離シール部6Dは、環状シール部6の内部に第二島状部7Bが配設された形状に構成されている。
【0057】
本明細書において、第一島状部7Aや第二島状部7Bの島状部との用語は、蓋体9がフランジ面5Aに対して意図的に部分的に溶着されずに、周囲の溶着された部位の内部に島状に残された部位を意味する。
【0058】
第一分離シール部6Aと一対の非分離シール部6Dとは、内部に第一島状部7Aや第二島状部7Bを含む環状を呈することで、環状シール部6によって構成される容器本体2の開口部2Aの全体を取り囲むように構成される全体的な環状部の一部に、第一島状部7Aや第二島状部7Bを取り囲むように構成される部分的な環状部を有する構成となっている。
【0059】
さらに、環状シール部6は、非分離シール部6Dと連結シール部6Cとの境界付近から流出溝5Cを挟んで互いに対向する位置には、流出溝5Cに向けて延出された左右一対の補助非分離シール部6Eを備えている。
【0060】
以上のように構成された環状シール部6の第一分離シール部6Aにおける分離の様子を図7(a)から図7(d)に基づいて説明する。
【0061】
図7(a)は、蓋体9の環状シール部6の分離前の様子を示している。上述した図6(a)から図6(c)に示す状態に至るまでの側壁部4の変形において、容器本体2の内部で上昇させられた圧力は、図7(a)に示すように、第一分離シール部6Aに作用する。
【0062】
図7(b)に示すように、容器本体2の内部で上昇させられた圧力Fにより、第一分離シール部6Aの第一分離誘導部P1において蓋体9と容器本体2との分離が始まり、そして図7(c)に示すように補助分離シール部6Bも分離に至り、やがて図7(d)に示すように、蓋体9が分離して、蓋体9と容器本体2の間に流出案内空間FSが形成されて、容器本体2から内容物Cが注ぎ出される。分離した蓋体9の裏面と流出溝5Cとの間には、図6(c)、図6(d)及び図7(d)に示すように、容器本体2の内部と外部の空間を連通する流出案内空間FSが形成される。この流出案内空間FSが内容物Cを注ぎ出すための流出路を構成する。
【0063】
最終的には、図7(d)に示すように、補助分離シール部6Bの全長にわたって蓋体9の分離が行われた段階、つまり第一分離シール部6Aが完全に分離された段階で、蓋体9の開封が完了する。この状態において、流出案内空間FSは、内容物Cの全量を適当な速度で注ぎ出すことができるだけの大きさになっている。換言すれば、内容物Cの全量を適当な速度で注ぎ出すことができるだけの大きさの流出案内空間FSが確保できるように、第一分離シール部6Aの形状が設定されている。
【0064】
図8に示すように、さらに、環状シール部6は、第一分離シール部6Aを有する円弧状シール部6Hと、一方の直線状シール部6Gとの境界部近傍に第二分離シール部6Tを備えている。
第二分離シール部6Tは、開口部2Aに沿った形状に対して外方に先鋭状の第二分離誘導部P2を備えている。
【0065】
ツマミ部9Tの引き上げに起因する力は第二分離誘導部P2に集中し、ここを起点として蓋体9とフランジ部5との分離が始まる。第二分離誘導部P2を備えていない場合に比べて、弱い力であっても蓋体9とフランジ部5との分離をすることができる。また、急な開封により内容物がこぼれる虞も低減する。
【0066】
環状シール部6に第二分離誘導部P2が備えられていない場合は、蓋体9とフランジ部5との分離がしにくく、容器本体2を片手で把持して、もう片手でツマミ部9Tをつまんで引き上げて蓋体9を強い力でフランジ部5から引き剥がす必要がある。
ポーション容器1の容器本体2は、所定の入味量の内容物Cとともに、内容物Cの酸化を防止するための不活性ガスが封入されている。したがって勢いよく蓋体9を引き剥がすと、容器本体2の把持により高められた内部の圧力によって、不活性ガスとともに内容物Cが周囲に飛散したり、蓋体9とフランジ部5とが分離した勢いで容器本体2を傾むけたりして内容物Cをこぼす虞がある。しかし、上述のように第二分離誘導部P2を備えることで、前記分離の開始に必要な引き剥がし力が低減され、さらに前記分離の開始から終了までに必要な引き剥がし力の変動が安定化する。したがって、蓋体9の開封量を制御でき、開封時の内容物Cの飛散を防止できる。
【0067】
さらに、第二分離シール部6Tの両端、すなわち直線状シール部6Gとの境界、及び円弧状シール部6Hとの境界には、それぞれ分離制限シール部6S,6Uが備えられている。分離制限シール部6S,6Uでは、第二分離シール部6Tと比べて、蓋体9をフランジ部5から分離させるのに必要な力が大きくなるように接合されている。
【0068】
本実施形態では、分離制限シール部6S,6Uは、環状シール部6の他の部分に比べて、蓋体9とフランジ面5Aとの接合面積が増やされている。
開封時にツマミ部9Tをつまんで引き上げて蓋体9をフランジ部5から勢いよく引き剥がしても、分離制限シール部6S,6Uが蓋体9のフランジ面5Aとの分離を制限する。さらに、開口量が制限されるため、注ぎ出すときに内容物Cがこぼれにくい。
なお、分離制限シール部6S,6Uは、溝状の凹部の本数を増やすことで、第二分離シール部6Tと比べて、蓋体9をフランジ部5から分離させるのに必要な力が大きくなるように接合してもよい。本実施形態では、図8に示すように、少なくとも分離制限シール部6Sは、第二分離シール部6Tからフランジ部5の外縁へ至る部分がポーション容器1の平面視で直角となるように構成されている。
【0069】
なお、第一分離シール部6Aは、第二分離シール部6Tにおいて蓋体9とフランジ部5との接合を分離する際のツマミ部9Tの引き上げによっては、蓋体9とフランジ部5との接合を分離しないように構成されている。つまり、第一分離シール部6Aはポーション容器1の蓋体9を手で開封する際に容器本体2を把持する力によって、容器本体2の内部で上昇する程度の圧力によっては前記分離を生じさせない
【0070】
また、第二分離シール部6Tは、第一分離シール部6Aにおいて蓋体9とフランジ部5との接合を分離する際の、容器本体2の内部で上昇させられた圧力によっては、蓋体9とフランジ部5との接合を分離しないように構成されている。つまり、第二分離シール部6Tは、ポーション容器1を開封機能付きボトル10によって開封する際に、容器本体2の内部で上昇する程度の圧力によっては前記分離を生じさせない。
すなわち、意図しない箇所における環状シール部6の開封が回避されている。
(シールバー)
【0071】
蓋体9は、複数層のラミネートフィルムからなり、フランジ面5Aに接する最下層には、シールバー30の熱と圧力によって一時的に軟化してフランジ面5Aに熱融着する作用を備えたポリオレフィン系の樹脂を含むヒートシール層(不図示)が設けられている。
【0072】
蓋体9は、図9に示すように、環状シール部6の形状に対応した形状の環状突起31を下端に備えた高温のシールバー30によって、容器本体2のフランジ面5Aに所定時間(例えば1〜数秒間)にわたって押付けることにより、シールバー30の下端に設けられた環状突起31に対応した箇所で、ヒートシール層によってフランジ面5Aに溶着され、同時に、環状突起31に対応した溝状の凹部がフランジ面5Aに形成される。この溶着された部分が環状シール部6を構成する。
【0073】
本発明に係る研究成果の一つとして、環状シール部6の溝状の凹部の縁部(溝の両側の僅かに盛り上がった部位)が最も大きな接合力を示すという知見が得られた。したがって、より大きな接合力を得るためには、シールバー30によって形成される溝状の凹部の幅寸法を増加させるよりも、溝状の凹部の本数を増やすほうが効果的であることが判明した。
【0074】
また、環状突起31の断面形状は環状シール部6の接合力を制御する大きな要素である。
図10に示すように、環状シール部6の形成するために設けられた環状突起31の大半については、符号31Bで示すように、形成される溝状の凹部が左右対称の断面形状となるような形状に構成されている。したがって、環状突起31Bによって形成される補助分離シール部6B、連結シール部6C、非分離シール部6D、補助非分離シール部6Eなどを構成する溝状の凹部は、左右対称の断面形状となる。
【0075】
これに対して、環状突起31のうち第一分離シール部6Aの第一分離誘導部P1を形成するために設けられた部分については、符号31Aで示すように、右側の部分Q2は上述の環状突起31Bの左側の部分と同様の傾斜面を有する形状に構成されているが、左側の部分Q1は部分Q2よりも急な傾斜面を有する形状に構成されている。したがって、環状突起31Aによって形成される第一分離シール部6Aの第一分離誘導部P1を構成する溝状の凹部は、左右非対称の断面形状となる。
【0076】
これにより、第一分離シール部6Aの第一分離誘導部P1では容器本体2の内方から接合を分離させようとする力に対する抵抗力が、フランジ部5の外方から接合を分離させようとする力に対する抵抗力を下回るような溝状の凹部となる。
【0077】
第一分離シール部6Aでは、環状シール部6の他の部位に比べて比較的小さな内部の圧力の上昇によって、第一分離誘導部P1を起点として分離が開始される。一方、開封を意図しないフランジ部5の外方から接合を分離させようとする力に対しては、環状シール部6の他の部位と同様の接合力を有するため、そのような力によって蓋体9が開封されてしまう不都合が防止されている。
【0078】
非分離シール部6Dは、第二島状部7Bを囲むように環状シール部6が分岐しており、第二島状部7Bの両側にそれぞれ溝状の凹部が形成されることとなるため、環状シール部6の他の部分より接合力が大きい。たとえば、容器本体2の内部の圧力の上昇速度が予期される範囲を超えた場合でも、第一分離シール部6Aで開始された分離が非分離シール部6Dを超える範囲に及ぶ虞は少ない。
【0079】
第二分離シール部6Tも、第二分離シール部6Tを構成する溝状の凹部の少なくとも一部、たとえば、分離制限シール部6Sから少なくとも第二分離誘導部P2に至る部分、または分離制限シール部6Sから分離制限シール6部Uに至る全部が、第一分離誘導部P1と同様に、左右非対称の断面形状に構成されていることが好ましい。
【0080】
ただし、第二分離シール部6Tを構成する溝状の凹部は、第一分離誘導部P1とは異なり、フランジ部5の外方から溝状の凹部の底部に連なる斜面の傾斜が、容器本体2の内方から溝状の凹部の底部に連なる斜面の傾斜より急な、左右非対称の形状に構成される。
【0081】
したがって、環状シール部6は、その一部である第二分離シール部6Tの溝状の凹部の断面形状が、その他の直線状シール部6F,6Gや円弧状シール部6H,6Iの溝状の凹部の左右対称な断面形状と異なり、左右非対称となる。通常、連続する溝状の凹部の断面形状を途中で異ならせると、断面形状が変わる部分でシール性が悪化する虞がある。しかし、上述のように分離制限シール部6Sや分離制限シール部6Uによってシール性が確保されているため、上記のように環状シール部6の一部である第二分離シール部6Tの溝状の凹部の断面形状をその他の部分と異ならせることができる。
【0082】
シールバー30の環状突起31のうち第二分離シール部6Tを構成する左右非対称の断面形状の溝状の凹部を形成するために設けられた部分については、当該溝状の凹部を形成することができる傾斜面を有する形状に構成されている。本実施形態では、第二分離シール部6Tの幅は、1.5mmに設定され、ただし第二分離誘導部P2の部分で1.3mmに設定され、容器本体2の内方から溝状の凹部の底部に連なる角部が半径0.4mmの円弧状に設定され、フランジ部5の外方から溝状の凹部の底部に連なる角部が半径0.1mmの円弧状に設定されている。
【0083】
このようなシールバー30によって形成される第二分離シール部6Tは、フランジ部5の外方から接合を分離させようとする力に対する抵抗力は、容器本体2の内方から接合を分離させようとする力に対する抵抗力を下回るような溝状の凹部となる。
【0084】
第二分離シール部6Tでは、ツマミ部9Tを引き上げることによって、蓋体9とフランジ部5との分離が開始される。一方、開封を意図しない容器本体2の内部の圧力上昇による蓋体9とフランジ部5との接合を分離させようとする力に対しては、環状シール部6の他の部位、つまり左右対称の断面形状の溝状の凹部と同様の接合力を有するため、そのような力によって蓋体9が開封されてしまう不都合が防止されている。
なお、第二分離シール部6Tを構成する溝状の凹部のすべてを左右非対称の形状にしない場合は、該溝状の凹部は、補助分離シール部6B、連結シール部6C、非分離シール部6D、補助非分離シール部6Eなどを構成する溝状の凹部と同様に、左右対称の断面形状に構成される。
(裁断)
【0085】
ポーション容器1は、容器本体2と蓋体9とが環状シール部6の形状に対応した形状の環状突起31を先端に備えたシールバー30によって蓋体9をフランジ面5Aに押付けることによって環状シール部6で接着した後、図11に示すように、ポーション容器1の外縁に対応した形状の刃部を有するダイセット32によって、蓋体9と容器本体2をともに裁断することによって、蓋体9及び容器本体2、すなわち図1などに示すフランジ部5の外縁が画定される。このような型抜きの際に、第二分離シール部6Tの先方の所定位置に対応する位置に配設された、フランジ部5の裏面から突出部P3に対応する凸状部33が備えられた押圧部材としてのパンチ34によって押圧することで、図12に示すように、フランジ面5Aに突出部P3が形成される。
【0086】
図13及び図14に示すように、パンチ34の所定位置に設けられた凸状部33は、ツマミ部9Tの先端部から離間した位置に対応する位置に配設された半球状の主凸状部33Aと、主凸状部33Aよりツマミ部9Tの先端側に対応する位置に配設されるとともに主凸状部33Aと一部重複する円柱状の副凸状部33Bとを有し、主凸状部33Aのフランジ部5のフランジ面5Aからの突出高さは副凸状部33Bのフランジ部5のフランジ面5Aからの突出高さよりも高く設定されている。なお、主凸状部33Aと副凸状部33Bのフランジ面5Aからの突出高さは、主凸状部33Aとが副凸状部33Bより2倍程度高く設定されていることが好ましい。
【0087】
上記型抜きの際に、ツマミ部9Tの中央部には主凸状部33Aによってフランジ面5Aから持ち上げられて主突出部P31が形成され、それより低い高さで狭い幅ではあるが先端部には副凸状部33Bによってフランジ面5Aから持ち上げられて副突出部P32が形成される。ツマミ部9Tは、容器本体2のフランジ面5Aに貼りつきにくくすることができるため、ツマミ部9Tの先端は手でつまみ易くなる。
【0088】
なお、前記裁断によって画定されるツマミ部9Tの形状は、ポーション容器1を開封機能付きボトル10を用いて開封する際に、容器設置部13に設置した状態で開口部14の空間に収まるように構成される。
さらに、ツマミ部9Tの形状は、開封機能付きボトル10を用いずに開封する際に、使用者がつまみやすいように構成されている。
【0089】
さらに、ツマミ部9Tが備えられている側の円弧状シール部6Hが形成されている部分のフランジ部5の外縁と、ツマミ部9Tが形成されている部分のフランジ部5との外縁との境界部は、内方に凸状の円弧によって滑らかに連結された形状に裁断されると好適である。このように構成すると、開封機能付きボトル10の容器設置部13へ安定的に設置することができる。
【0090】
上述した実施形態では、ツマミ部9Tは、図8に示すように、被係合凹部5Bの左方に一つだけ備えられる構成について説明したがこれに限らない。ツマミ部9Tは、被係合凹部5Bの右方に一つだけ備えてもよいし、左右両方に備える構成であってもよい。ツマミ部9Tを左右両方に備えると、利き手がどちらであっても開けやすい。また、ツマミ部9Tは、円弧状シール部6H側ではなく円弧状シール部6I側に備えてもよい。開封機能付きボトル10を用いた開封と併用する場合は容器設置部13に設置できる形状であればよい。
【0091】
ポーション容器1に収容される内容物Cとしては液体に限らず、粉体と液体の混合物、粉体と気体の混合物などを用いることも可能である。
【0092】
上述した実施形態では、容器として、開封機能付きボトル10を用いて開封することができるポーション容器1を例に説明したがこれに限らない。
図15に示すように、本発明に係る容器は、開封機能付きボトル10を用いて開封する機能備えている必要はない。したがって、ツマミ部9Tの引き上げによりフランジ部5と蓋体9との接合を外側から分離可能な第二分離シール部6Tのみを備え、フランジ部5と蓋体9との接合を部分的に内側から分離可能な第一分離シール部6Aに関する構成を備えていない構成であってもよい。さらには、第二分離シール部6Tに関する構成を備えていない構成であってもよい。すなわち、本発明に係る容器は、内容物Cが収容された容器本体2と、その開口部を覆うシート状の蓋体9と、開口部の周りのフランジ部5と蓋体9とが接合されることによって構成される環状シール部6を備えた容器であって、蓋体9は、外縁の一部にツマミ部9Tを備えている容器であればよい。突出部P3(第1突出部P31及び第2突出部P32)の形状は、フランジ部5の対応する部分の外縁に沿った形状であると好適である。例えば、突出部P3で最もフランジ部5の外縁に近い部分が外縁から1mm以内になるような形状に、さらには、0.5mm以内になるような形状にすることが好ましい。さらに、当該突出部P3の形状は、フランジ部5に対応する部分の外縁に沿うと共に、先端側から見て逆ひょうたん型であるとより好適である。
【0093】
本発明においては、突出部があるため、蓋材と底材とが張り付いてしまうことが無く、容器本体や蓋の素材は特に限定されずに、開封しやすい容器とすることができる。蓋材としては、例えばPEやCPPといった通常のシーラント材を使用することができ、底材としては、例えば、LLDPEやLDPE等のPE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)、PS(ポリスチレン)等を用いたり、それらの中間層にバリア層を挟むことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
内容物が収容された容器本体と同容器本体の開口部を閉じる蓋体とが、前記開口部のフランジ面に備えられた環状シール部によって封止されている容器に従来見られた課題を解決するための技術として利用可能な発明である。
【符号の説明】
【0095】
1 :ポーション容器
2 :容器本体
2A :開口部
5 :フランジ部
6 :環状シール部
6A :第一分離シール部
6F :直線状シール部
6G :直線状シール部
6H :円弧状シール部
6I :円弧状シール部
6S :分離制限シール
6T :第二分離シール部
6U :分離制限シール部
9 :蓋体
9T :ツマミ部
10 :開封機能付きボトル
14 :開口部
P1 :第一分離誘導部
P2 :第二分離誘導部
P3 :突出部
P31 :主突出部(第1突出部)
P32 :副突出部(第2突出部)
33A :主凸状部(第1凸状部)
33B :副凸状部(第2凸状部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15