特許第6562647号(P6562647)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562647赤外線温度計およびエネルギーゾーンの温度測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562647
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】赤外線温度計およびエネルギーゾーンの温度測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01J 5/02 20060101AFI20190808BHJP
   G01J 5/48 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
   G01J5/02 J
   !G01J5/48 A
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-27880(P2015-27880)
(22)【出願日】2015年2月16日
(65)【公開番号】特開2015-152606(P2015-152606A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】201410050790.4
(32)【優先日】2014年2月14日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509233459
【氏名又は名称】フルークコーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Fluke Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソボウ シェイ
(72)【発明者】
【氏名】カイユアン エルヴイ
【審査官】 小澤 瞬
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05836694(US,A)
【文献】 特開2007−263929(JP,A)
【文献】 特開昭58−028717(JP,A)
【文献】 米国特許第04557578(US,A)
【文献】 米国特許第04142801(US,A)
【文献】 米国特許第04081678(US,A)
【文献】 特開昭54−158980(JP,A)
【文献】 特開2005−025074(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01J 5/00 − G01J 5/62
G03B 13/00 − G03B 13/28
H04N 5/30 − H04N 5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーゾーンからの入射光ビームを赤外光ビームと可視光ビームへ分離するように構成されたビームスプリッターと、
該赤外光ビームを検出して該検出された赤外光ビームに応じてエネルギーゾーンの温度を示す信号を発生するように構成された赤外線検出器と、
反射レチクル画像を発生すると共に、可視光ビームを透過して照準窓にターゲット画像を発生するように構成された光学モジュールを有し、更に、参照光ビームを発光するための光源を有し、前記照準窓において前記ターゲット画像上に前記反射レチクル画像を重ね合わせて前記赤外線検出器を前記エネルギーゾーンと整列させるように構成された照準器であって、前記光学モジュールが、前記参照光ビームを前記照準窓に向かって反射して反射レチクル画像を照準窓に発生する反射面を有し、前記光学モジュールが、更に、一又はそれ以上の可視光ビーム又は参照光ビームを集光するか又は発散するように構成された補助レンズモジュールを有しており、前記参照光ビームにおける前記反射レチクル画像に対する前記可視光ビームにおける前記ターゲット画像のサイズ比を調整する照準器と、
前記ビームスプリッターと前記照準器の間の光路に配設された平面鏡であって、前記可視光ビームを前記ビームスプリッターから前記照準器に反射する平面鏡と、
前記平面鏡と前記照準器の間に配設された平レンズであって、前記照準窓に透過する可視光ビームの光度を減衰するように構成されている平レンズと、
前記ビームスプリッターと前記赤外線検出器の間に配設された赤外線集光レンズモジュールであって、赤外光ビームを赤外線検出器に集光するように構成された赤外線集光レンズモジュールとからなる
赤外線温度計。
【請求項2】
反射凹面を有し、可視光ビームを照準窓に透過すると共に参照光ビームを照準窓に向かって反射するように構成された光スプリッターを有するが、前記反射面は光スプリッターの反射凹面である前記請求項1に記載の赤外線温度計。
【請求項3】
前記光学モジュールが、
参照光ビームを集光してレチクル画像を発生するように構成された凸レンズと、
可視光ビームを照準窓に透過すると共に参照光ビームによって形成されたレチクル画像を照準窓に向かって反射するように構成されたビームコンバイナーを有するが、
前記反射面は照準窓に対面するビームコンバイナーの一側面である、前記請求項1に記載の赤外線温度計。
【請求項4】
前記光源が少なくとも一つの発光ダイオード又はレザーダイオードである前記請求項1に記載の赤外線温度計。
【請求項5】
前記少なくとも一つの発光ダイオード又はレザーダイオードが、一又はそれ以上の赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード若しくはそれらの組み合わせである前記請求項4に記載の赤外線温度計。
【請求項6】
前記照準器が、参照光ビームを整形するように構成されたレチクルを有する、前記請求項1に記載の赤外線温度計。
【請求項7】
前記レチクルが、一又はそれ以上の中央オープニング又はその中央オープニングの周辺における環状オープニングを有する前記請求項6に記載の赤外線温度計。
【請求項8】
前記ビームスプリッターが、平面鏡と平行なビームスプリット層を有する前記請求項1に記載の赤外線温度計。
【請求項9】
赤外線検出器は、第1の認識限界視野を有するが、その第1の認識限界視野は反射レチクル画像の見える第2の認識限界視野と同等か又はそれよりも小さい前記請求項1に記載の赤外線温度計。
【請求項10】
エネルギーゾーンからの入射光ビームを赤外光ビームと可視光ビームへ分離する工程と、
入射光ビームから分離された赤外光ビームを赤外線検出器に集光する工程と、
参照光ビームを用いて反射レチクル画像を発生する工程と、
可視光ビームを平面鏡によって反射する工程と、
平面鏡から該平面鏡と照準窓の間に配設された平レンズに可視光ビームを透過する工程と、
平レンズを用いて可視光ビームの光度を減衰させる工程と、
平レンズから照準窓に可視光ビームを透過する工程と、
平レンズから透過された可視光ビームを用いて、照準窓にターゲット画像を発生する工程と、
一又はそれ以上の可視光ビーム又は参照光ビームを集光するか又は発散する補助レンズモジュールを用いて、前記反射レチクル画像に対する前記ターゲット画像のサイズ比を調整する工程と、
前記照準窓において前記ターゲット画像の上に反射レチクル画像を重ね合わせて赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列させる工程と、
赤外線検出器によって前記赤外光ビームを検出する工程と、
該検出された赤外光ビームに応じてエネルギーゾーンの温度を示す信号を発生する工程とからなるエネルギーゾーンの温度測定方法。
【請求項11】
反射レチクル画像を発生する工程は、
光源から前記参照光ビームを発することと、
参照光ビームを集束するように反射して照準窓において反射レチクル画像を発生することを含んでいる、前記請求項10に記載のエネルギーゾーンの温度測定方法。
【請求項12】
更に、参照光ビームの色を調節する工程を有する前記請求項11に記載のエネルギーゾーンの温度測定方法。
【請求項13】
反射レチクル画像を発生する工程は、更に、参照光ビームを整形することを含んでいる前記請求項11に記載のエネルギーゾーンの温度測定方法。
【請求項14】
レチクル画像が、中央パターン又はその中央パターンの周辺における環状パターンのうちの少なくとも一つを有する前記請求項13に記載のエネルギーゾーンの温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定技術に関し、特には、赤外線温度計およびエネルギーゾーンの温度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線温度計は産業上及び日常において広く使用され、物体表面のエネルギーゾーンの温度を測定している。しかし、エネルギーゾーンの温度を測定するために赤外線温度計が使われているときは、赤外線が目に見えないので、赤外線温度計を手にとってエネルギーゾーンにできる限り近づけるか、若しくは、赤外線温度計に対するエネルギーゾーンの位置を観察することによってしかエネルギーゾーンにねらいをつけることができない。しかし、この照準方法は、赤外線温度計の赤外線検出器をエネルギーゾーンに正確に整列することができず、それによって、測定結果の精度に影響が出ていた。
【0003】
ある種の赤外線温度計は、レザー照準器を配置して赤外線温度計の赤外線検出器をエネルギーゾーンと整列させている。そのような赤外線温度計は、被測定エネルギーゾーンにレザー光を発射して、エネルギーゾーンの表面への整列のために光スポット(すなわち、レッドスポット)を形成する。よって、エネルギーゾーンに対する光スポットの位置を観測して両者を重複させることで赤外線検出器がエネルギーゾーンと整列されているか否かを決定することができる。しかし、エネルギーゾーンの温度が、例えば、1000℃以上のような高温である場合のような高光度の可視光をエネルギーゾーンが発することがある。エネルギーゾーンから発したこの可視光は、エネルギーゾーン上の光スポットの観測に影響を及ぼすことがあり、赤外線検出器のエネルギーゾーンに対する整列に悪影響を及ぼす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平6−117936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、被測定エネルギーゾーンに高精度で照準可能な赤外線温度計と該被測定エネルギーゾーンの温度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある一つの局面における本願発明は、赤外線温度計の一実施の形態を記載する。この赤外線温度計は、エネルギーゾーンからの入射光ビームを赤外光ビームと可視光ビームへ分離するビームスプリッターと、該赤外光ビームを検出して該検出された赤外光ビームに応じてエネルギーゾーンの温度を示す信号を発生する赤外線検出器と、反射レチクル画像を発生すると共に、可視光ビームを透過して照準窓にターゲット画像を発生するように構成された光学モジュールを有する照準器とからなり、この照準器が照準窓においてターゲット画像の上に反射レチクル画像を重ね合わせて赤外線検出器をエネルギーゾーンと整列させるように構成されている。
【0007】
ある態様の赤外線温度計においては、エネルギーゾーンからの入射光ビームが温度測定のための赤外光ビームと利用者によって照準に用いられるべき可視光ビームへ分離される。更に、この赤外線温度計は、赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列させるための照準器を提供する。この照準器は、エネルギーゾーンの物理的表面上に直接重ね合わされた光パターンよりもむしろ、照準窓においてターゲット画像と重複する反射レチクル画像を発生するレッドドット照準器である。このように、本願発明の赤外温度計を用いてエネルギーゾーンに対する整列を行うことで利用者にとって更に利便性がよくなる。
【0008】
また、ある態様においては、本願発明に係わる赤外線温度計は、更に、ビームスプリッターと照準器の間に配設されて可視光ビームの光度を減衰する光学減衰器を有する。入射光ビームの光度、特に可視光部分の光度が比較的に大きいとき、この光学減衰器は、利用者の目を障害から保護すると共に、レチクル画像と可視光ビームによって作られたターゲット画像の間の光度比を上げて、利用者が両画像を簡単に区別することができるようにする。
【0009】
更に、ある態様においては、照準器は、更に、参照光ビームを発光するための光源を有し、光学モジュールは参照光ビームを照準窓に向かって反射して、反射レチクル画像を照準窓に発生する反射面を有する。
【0010】
ある態様においては、光学モジュールは反射凹面を有し、可視光ビームを照準窓に透過すると共に参照光ビームを照準窓に向かって反射するように構成された光スプリッターを有するが、その反射面は光スプリッターの反射凹面である。
【0011】
ある態様においては、光学モジュールは参照光ビームを集光してレチクル画像を発生するように構成された凸レンズと、可視光ビームを照準窓に透過すると共に参照光ビームによって形成されたレチクル画像を照準窓に向かって反射するように構成されたビームコンバイナーを有するが、反射面は照準窓に対面するビームコンバイナーの一側面である。
【0012】
ある態様においては、光学モジュールは、更に、可視光ビーム又は参照光ビームを集光するか又は発散するように構成された補助レンズモジュールを有する。
【0013】
ある態様においては、光源は少なくとも一つの発光ダイオード又はレザーダイオードである。これらのダイオードの電力消費は低く、それによって、これらは特に携帯型の赤外線温度計における使用に適している。
【0014】
ある態様においては、少なくとも一つの発光ダイオード又はレザーダイオードは、一又はそれ以上の赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード若しくはそれらの組み合わせである。このようにして、利用者は入射光ビームの色に応じて、その入射光ビームの色と明確に区別されるべき参照光ビームの色(例えば、レチクル画像の色)を選択でき、このことは画像観察を改善することとなる。
【0015】
ある態様においては、照準器は、更に、参照光ビームを整形するように構成されたレチクルを有する。レチクル画像の形状とサイズは、参照光ビームの形状を調節することによって変更されうる。
【0016】
ある態様においては、レチクルは、一又はそれ以上の中央オープニング又はその中央オープニングの周辺における環状オープニングを有する。この中央オープニングによって形成されるパターンは、エネルギーゾーンの中心を決定するために用いられ、一方、この環状オープニングによって形成されるパターンは、エネルギーゾーンの範囲を決定する(例えば、エネルギーゾーンの周辺の輪郭を描写する)ために使用される。
【0017】
ある態様においては、赤外線温度計は、更に、赤外光ビームを赤外線検出器に集光するように構成された赤外線集光レンズモジュールを有する。
【0018】
ある態様においては、赤外線温度計は、更に、ビームスプリッターと照準器の間に配設された平面鏡であって、可視光ビームを照準器に反射する平面鏡を有する。
【0019】
ある態様においては、光スプリッターは、平面鏡と平行なビームスプリット層を有する。
【0020】
ある態様においては、赤外線検出器は、第1の認識限界視野を有するが、その第1の認識限界視野は反射レチクル画像の見える第2の認識限界視野と同等か又はそれよりも小さい。
【0021】
他の局面において、本願は、本発明に係わる、エネルギーゾーンの温度測定の方法の一実施の形態を記載している。この方法は、エネルギーゾーンからの入射光ビームを赤外光ビームと可視光ビームへ分離する工程と、反射レチクル画像を発生する工程と、可視光ビームを透過して照準窓にターゲット画像を発生する工程と、照準窓においてターゲット画像の上に反射レチクル画像を重ね合わせて赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列させる工程と、赤外線検出器によって赤外光ビームを検出して、その検出された赤外光ビームに応じてエネルギーゾーンの温度を示す信号を発生する工程とからなる。
【0022】
ある態様においては、この方法は、可視光ビームを透過して照準窓にターゲット画像を発生する工程の前に、更に、可視光ビームの光度を減衰させる工程を有する。
【0023】
ある態様においては、反射レチクル画像を発生する工程は、参照光ビームを発する光源を提供することと、参照光ビームを集束するように反射して照準窓において反射レチクル画像を発生することを含んでいる。
【0024】
ある態様においては、この方法は、更に、参照光ビームの色を調節する工程を有する。
【0025】
ある態様においては、反射レチクル画像を発生する工程は、更に、参照光ビームを整形することを含んでいる。
【0026】
ある態様においては、レチクル画像は、中央パターン又はその中央パターンの周辺における環状パターンを有する。
【0027】
上記は、本願発明の特徴の概略を広範囲に示したものである。本願の特許請求の範囲の主題を形成する本願の更なる特徴が以下に記載される。本願発明の目的遂行のために他の構造や工程を改変したり設計したりするために、ここに開示された概念や特別な実施の形態が容易に利用されうることは所謂当業者によって理解されるべきである。そのような均等な構造が添付の特許請求の範囲に記載された本願の精神と範囲からそれていないことも所謂当業者によって理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本願の上記特徴や他の特徴は、添付の図面と特許請求の範囲の記載を参照して、以下の記述を読むことによって十分に理解される。添付の図面が本願発明に係わる実施の形態を単に例示したにすぎず、本願発明の権利範囲を制限するものとして解釈されるべきではないことは理解される。他に特に断らない限り、添付の図面は、それぞれ比例している必要はなく、そして、一般的には、同じ部材に対して同じ引用符号を付している。
【0029】
図1】本発明の実施の形態の赤外線温度計の構造図である。
図2図1の赤外線温度計の光路を示す略図である。
図3図1に示した赤外線温度計の照準器によって生成されるレチクル画像の例示パターンを示す図である。
図4図1に示した赤外線温度計の照準器によって生成されるレチクル画像の他の例示パターンを示す図である。
図5図1に示した赤外線温度計の照準器によって生成されるレチクル画像の別の例示パターンを示す図である。
図6図1に示した赤外線温度計の照準器によって生成されるレチクル画像の更に別の例示パターンを示す図である。
図7図1に示した赤外線温度計の照準器の構造の一例を示す略図である。
図8図1に示した赤外線温度計の照準器の構造の他の例を示す略図である。
図9】本願発明の他の実施の形態に係わる、エネルギーゾーンの温度測定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下は、本願の一部である添付の図面を参照して、本発明を詳細に説明する。詳細な説明や添付図面や特許請求の範囲に記載された例示の実施の形態は、制限的なものではなく、本願発明の精神や主題から逸脱しない限り他の実施の形態が採用されうるか、若しくは、改変が行われうる。ここに記載され及び図示された本願発明の各局面が、多くの異なる構成に改作され、置換され、組み合わされ、分離され、設計されうることが理解されるべきであり、それらの異なる構成は、明確に表現せずとも、本願発明に含まれている。
【0031】
図1と2は、本願発明の一実施の形態に係わる赤外線温度計100を示している。図1は赤外線温度計100の構造を示し、図2は、赤外線温度計100の光路を示している。赤外線温度計100は、物体表面のエネルギーゾーンの温度を測定するために用いられる。ある種の実施の形態においては、赤外線温度計100は、例えば、1000℃以上の温度を計測することが可能な、高温エネルギーゾーンの温度測定のための赤外線パイロメーターであってもよい。赤外線温度計100は携帯可能な構造として図1に図示されてはいるけれども、赤外線温度計100は、たとえば、垂直方向の構造(例えば、フレームで支持された構造)として形成された他の適切な形状とサイズの構造でもよいことが特に記載されるべきである。
【0032】
図1と2に示されているように、赤外線温度計100は、赤外線温度計100の各種の光学部品や電機部品を収納するハウジング101を有する。入射窓103がハウジング101の前端に配設されている。そこから、(例えば、入射光ビーム161である)被測定エネルギーゾーンからの光が、赤外線温度計100の内部に入ることができる。入射光ビーム161は、エネルギーゾーンから発射される光及び/又はエネルギーゾーンから反射される光を含んでいる。一般的に、エネルギーゾーンは、少なくとも環境光を反射し、エネルギーゾーンの温度が絶対零度以上である限り赤外光を発生することがある。このように、入射光ビーム161は、少なくとも、赤外光部分と可視光部分を含んでいる。エネルギーゾーンの温度が比較的に高い場合のような場合(固体温度が500℃以上である場合)において、入射光ビーム161は、更に、エネルギーゾーンから発光した可視光も含んでいる。
【0033】
赤外線温度計100は、更に、エネルギーゾーンからの入射光ビーム161を赤外光ビーム163と可視光ビーム165に分離するビームスプリッター105を有する(図2参照)。図2の例に示すように、赤外光ビーム163はビームスプリッター105を透過する透過光ビームであり、可視光ビーム165はビームスプリッター105により反射される反射光ビームである。ある例によれば、赤外光ビーム163は反射光ビームであり、一方、可視光ビーム165は透過光ビームであることもある。ある例によれば、ビームスプリッター105は、ポリエステルやエポキシやポリウレタンのような接着剤で互いにそれらの背後で接着された2つの3角形のプリズムを含むことがある。この接着層は、ビームスプリッター105のビームスプリット層を形成する。ビームスプリット層は、そこから発光した入射光ビーム161の一部が遠くに反射され、そして、無効な内部全反射に起因して入射光ビーム161の他の部分がビームスプリッター105を透過するような厚さを有するように設計してもよい。ビームスプリッター105は、光分離に適するような他の光学構造体を用いることも可能である。例えば、ビームスプリッター105は、偏向方向が互いに垂直である2つの偏向光ビームを透過することができるウォラストンプリズム(Wollaston prism)であってもよい。図2において、入射光ビーム161の赤外光部分は、ビームスプリッター105を透過して赤外光ビーム163を形成することができ、入射光ビーム161の可視光部分は、ビームスプリッター105によって反射されて可視光ビーム165を形成することができる。ある例によれば、エネルギーゾーンからの入射光ビーム161は、実質的にコリメート光ビームであり、したがって、赤外光ビーム163と可視光ビーム165は、実質的にコリメートされた光ビームである。
【0034】
赤外線温度計100は、更に、赤外線検出器109と照準器113を有する。赤外線検出器109は、赤外光ビーム163を検出してその検出された赤外光ビームに応じてエネルギーゾーンの温度を示す信号を発生するために用いられる。赤外線検出器109は、エネルギーゾーンによって発生される赤外光(例えば、赤外光ビーム163の)放射の出力分布を測定し、更に、図示しない、計算及び処理回路によりその赤外光放射の出力分布をエネルギーゾーンの温度を示す信号に変換することができる。その信号は赤外線温度計100の表示ユニット117によって表示されて、利用者が測定結果を観察することが可能になる。ある例によれば、赤外線検出器109は、エネルギーゾーンの異なる部分から発光した赤外光に応じてエネルギーゾーンの温度分布を画像信号に撮像することができる赤外線撮像アレイであってもよい。利用者は計算及び処理回路を制御して入力ボタン119を介して測定結果を分析及び処理することができる。ある例によれば、赤外線温度計100は、赤外光ビーム163を赤外線検出器109に集光するためにビームスプリッター105と赤外線検出器109の間に配設された赤外線集光レンズモジュール107を有する。例えば、赤外線集光レンズモジュール107は、一又はそれ以上の凸レンズや凹面鏡やその他の適切なレンズ又は鏡若しくはそれらの組み合わせを含むことがある。赤外線検出器109の検出面は、実質的に、赤外線集光レンズモジュール107の焦点若しくはその近傍にある。ある例によれば、赤外線温度計100は、赤外光ビーム163を集光するための赤外線集光レンズモジュール107を用いることができず、赤外光ビーム163は直接赤外線検出器109に上に発光される場合もある。
【0035】
ある実施の形態によれば、照準器113は、反射レチクル画像を発生すると共に可視光ビーム165を透過して照準窓115においてターゲット画像を発生する、図示しない、光学モジュールを有する。照準器113は、照準窓115においてターゲット画像の上に反射レチクル画像を重ね合わせて、赤外線検出器109をエネルギーゾーンと整列させることができる。この用語「整列」は、エネルギーゾーンからの赤外光の少なくとも大部分が赤外線検出器109に発射されて受光されうることを意味する。ある例によれば、赤外線検出器109をエネルギーゾーンと整列させることは、エネルギーゾーンからの赤外光のエネルギーのうちの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%又は99%が赤外線検出器109によって受光されうることを意味する。用語「反射レチクル画像」は、鏡によって反射された光により発生されたレチクル画像に関する。図1と2に示された実施の形態においては、赤外線温度計100は、可視光ビーム165を照準器113に反射するために、ビームスプリッター105と照準器113の間に配設された平面鏡111を有する。好適には、ビームスプリッター105は、平面鏡111に平行なビームスプリット層を有し、そのビームスプリット層と平面鏡111によって反射された後で、可視光ビーム165が入射光ビーム161の方向と同じ方向に伝搬することが可能になる。更に、ビームスプリッター105を透過した赤外光ビーム163は、入射光ビーム161の方向と同じ方向に伝搬することが可能となり、従って、赤外光ビーム163と可視光ビーム165の伝搬方向は実質的に同じである。
【0036】
照準器113は、一般的に銃の照準に用いられるレッドドット照準器を用いてもよい。レッドドット照準器は、利用者によるターゲット照準のための可視パターンの形式でレチクル画像を提供する。可視パターンの形式でのレチクル画像は光の反射によって発生され、それは光の透過と類似している。言い換えれば、照準器113によって発生されたレチクル画像は、エネルギーゾーンの位置からの光によって発生された像と同じ形状とサイズを有して、類似するものであり、それによって、利用者は、照準窓115において可視光ビーム165によって発生されたターゲット画像と反射レチクル画像の間での画像重なりを観察することによって赤外線検出器109をエネルギーゾーンと整列させることができる。
【0037】
ある例によれば、照準器113は、参照光ビームを発光してレチクル画像を発生しそのレチクル画像を照準窓115に投影するための光源を有する。この光源の像は、光学モジュールによってレチクル画像として映し出されうる。この光源は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオード若しくは他の色の光を発する適切な発光ダイオード又はレザーダイオードのような、少なくとも一つの発光ダイオード又はレザーダイオードを有することがある。ある例によれば、光源は、異なる色の光を発するこれらのダイオードの組み合わせを含むことがあり、それによって、この光源から発光された参照光ビームの色がダイオードの組み合わせの部分をオンオフすることで調整されうる。好適には、参照光ビームの光度は、発光ダイオード又はレザーダイオードの出力を変更することで調節されうる。このようにして、可視光ビーム165が比較的に大きな光度を有している場合、参照光ビームの光度が増加されて、可視光ビーム165に対する参照光ビームの光度の比率を改善し、利用者が可視光ビーム165によって発生したターゲット画像とレチクル画像を区別することが容易になる。照準器113のある種の構造の例は、図7と8に関連して後述される。
【0038】
ある例によれば、照準器113は、参照光ビームを整形するためのレチクルを有することがある。光源から発した参照光ビームが円形又は楕円形状の断面を有することがあるので、レチクルは参照光ビームの形状とサイズ(すなわち、断面)を調整することができ、照準窓115に投影されたレチクル画像は予め画定された形状とサイズを有することができる。レチクルは、光源の前面に配置された透光領域を有する不透明なプレートであってもよい。この不透明なプレートは、参照光ビームのほとんどを遮断することができ、それによって、透光領域に発光された参照光ビームの残りがそこを通過することを可能にする。このように、参照光ビームの形状若しくは断面は、照準窓115に投影されたレチクル画像が形状においてレチクルのある一定の透光領域と同一になるように調整されうる。ある例によれば、レチクルは、中央オープニング及び/又はその中央オープニングの周辺における環状オープニングを有する。従って、レチクル画像は、中央パターン及び/又はその中央パターンの周辺における環状パターンを有する。中央パターンはエネルギーゾーンの中心を決定するために用いられうるが、一方、環状パターンは、エネルギーゾーンの範囲を決定する(例えば、エネルギーゾーンの周囲の輪郭を描写する)ために使用されうる。この場合、レチクル画像は、光学モジュールによって発生されたレチクルの画像であり、この光学モジュールは実質的に照準窓115にレチクル上のパターンを結蔵するための光学結像系である。レチクル画像の範囲が赤外線検出器109の測定範囲に関連していることは明らかであるが、以下に詳述される。
【0039】
図3乃至6は、照準器によって発生されるレチクル画像の4つのパターンの例を示している。4つのレチクル画像のすべてが中央パターン及び環状パターンを有する。図3において、中央パターンはドット形状のパターンであり、環状パターンはほぼ1/4円である4つの円弧状の線である。図4において、中央パターンはドット形状のパターンであり、環状パターンは中央パターンの周囲において互いに均一に離間した12個の円弧状の線である。図5において、中央パターンは十字形状のパターンであり、環状パターンは円形状パターンである。図6において、中央パターンはスケールを有する十字形状のパターンであり、環状パターンは円形状パターンである。図3乃至6に示されたレチクル画像のパターンが例示されたものでありこれらに限定されるものではないことは明らかである。ある例によれば、中央パターンはリングのような整列に適した他のパターンでもよい。
【0040】
図7は、図1の赤外線温度計100の照準器の構造の一例を示している。
【0041】
図7に示すように、照準器は光源171と、レチクル173と、光スプリッター175を備えた光学モジュールを有する。光スプリッター175は、可視光ビーム165を図示しない照準窓に透過すると共に光源171からの参照光ビームを照準窓に反射するために用いられる。例えば、光スプリッター175は、光スプリッターフィルムを塗布した負メニスカスレンズであってもよい。この光スプリッターフィルムは、そこに向かって発光された光ビームの一部を透過させると共に、光ビームの残りを反射することができる。特に、光スプリッター175は、光源171に面して反射凹面177を有する。光源171は、例えば、反射凹面177の焦点距離よりも遠いが、焦点距離の2倍よりかは近い距離において、反射凹面177の焦点よりも外側に配置される。光スプリッター175の光軸は、可視光ビームの伝搬方向に対して若干傾斜しており、光源171が可視光ビーム165の伝搬を妨げることを阻止している。光スプリッター175の他側は、反射凹面177に対応した凸面であり、可視光ビーム165がその凸面から光スプリッター175に入り込み光スプリッター175から反射凹面177を介して透過されることができる。ある例によれば、負メニスカスレンズの両面は、同じ曲率半径を有し(例えば、負メニスカスレンズは均一の厚みを有する)か、若しくは、異なる曲率半径を有することができる。言い換えれば、光スプリッター175は、可視光ビーム165を集光又は発散することができるか、若しくは、できない。ある例によれば、光学モジュールは、光スプリッターフィルムを塗布した平凹レンズであってもよい。平凹レンズの一側は、反射凹面であり、平凹レンズの他側は平面である。平凹レンズの反射凹面側は光源171とレチクル173に向き合っている。
【0042】
光源171から発した参照光ビームは、反射凹面177によって反射された後で、集光され、反射された参照光ビームは(照準光ビームである)可視光ビームと共に照準窓115に投影される。このように、レチクル画像が可視光ビーム165によって発生されたターゲット画像と照準窓115において重なったときには、赤外線検出器がエネルギーゾーンと整列されている。
【0043】
ある例によれば、光学モジュールは、図示しない補助レンズモジュールを有することもあるが、それらは可視光ビーム及び/又は参照光ビームを集光又は発散するために用いられる。補助レンズモジュールは、一又はそれ以上の凸レンズ、凹レンズ、又はその他の適切なレンズからなるが、それらは光スプリッター175と協働して照準窓においてターゲット画像及び/又はレチクル画像を発生する。ある例によれば、補助レンズモジュールは光スプリッター175の前面に配置され、すなわち、可視光ビーム165は、補助レンズモジュールと光スプリッター175を連続して通過する。補助レンズモジュールは、固定焦点又は可変焦点を有することができる。補助レンズモジュールは可視光ビーム165を集光又は発散することができ、ターゲット画像のサイズは補助レンズモジュールの焦点距離を適切に設計することで調整されうる。このようにして、レチクル画像に対するターゲット画像のサイズ比は調整可能である。ある例によれば、補助レンズモジュールは光スプリッター175の背後に配置されることがあり、(すなわち、光スプリッター175に透過された可視光ビーム165と光スプリッター175により反射された参照光ビームが補助レンズモジュールにより集光又は発散されて、ターゲット画像とレチクル画像のサイズを同時に調整することができる)。このような構造は、更に、照準器の性能を改善してターゲット画像とレチクル画像を調節する。
【0044】
図8は、図1の赤外線温度計100の照準器の構造の他の例を示している。
【0045】
図8に示すように、照準器は光源181と、レチクル183と、凸レンズ185とビームコンバイナー187を有する光学モジュールを有する。凸レンズ185は、光源から発光された参照光ビームを集光してレチクル画像を発生するために用いられる。光源181は、凸レンズ185の焦点よりも外側に配置される。ビームコンバイナー187は、可視光ビーム165を照準窓に透過すると共に、参照光ビームによって発生されたレチクル画像を照準窓に反射するために用いられる。言い換えれば、光源181から発光された参照光ビームは連続的に凸レンズ185によって集光され、ビームコンバイナー187によって反射され、ビームコンバイナー187によって透過された(コリメート光ビームである)可視光ビーム165と一緒に照準窓に投影される。このように、照準窓で反射されたレチクル画像が可視光ビーム165によって発生されたターゲット画像と重なったときには、赤外線検出器がエネルギーゾーンと整列されている。ビームコンバイナー187は、(例えば、変更修正された光路を有する)ビームスプリッターと同じ構造であってもよく、又は、他の適切な光学部品であってもよい。ある例によれば、光学モジュールは、可視光ビーム及び/又は参照光ビームを集光又は発散する、図示しない補助レンズモジュールを有することもある。
【0046】
図から判るように、図7に示された反射凹面177と図8に示された凸レンズ185は、それぞれ、光学結像系を構成する。そのような光学結像系は、利用者の観察のために照準窓にレチクルのパターン(オブジェクト)を結像することが可能である。光学結像系の結像は、凸レンズ結像ルール又は当面鏡結像ルールに従う。例えば、図7において、光源171とレチクル173が反射凹面177の焦点距離よりも遠いが、焦点距離の2倍よりかは近い距離にあるときに、拡大された転倒実像が照準窓に発生されうるが、照準窓と反射凹面177の間の距離は焦点距離の2倍よりも大きい。光源171とレチクル173が反射凹面177の焦点距離の2倍よりも遠くにある場合、縮小された転倒実像が照準窓に発生されうるが、照準窓と反射凹面177の間の距離は焦点距離よりも大きいが焦点距離の2倍よりも近い。
【0047】
上記の実施の形態の赤外線温度計100に関しては、ビームスプリッターによって、エネルギーゾーンからの入射光ビームは、温度測定のための赤外光ビームと利用者による照準のために用いられる可視光ビームに分離されうる。更に、赤外線温度計100は、また、赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列させるための照準器を提供する。ある例によれば、この照準器は、エネルギーゾーンの物理的表面上に直接投影される光パターンよりもむしろ、赤外線温度計100の照準窓においてターゲット画像と重なるレチクル画像を発生するレッドドット照準器である。このように、利用者はより便利にエネルギーゾーンを決定してそのエネルギーゾーンと赤外線温度計100を整列する。
【0048】
図1と2に戻って、ある種の例においては、ビームスプリッター105と照準窓113の間に設けられた光学減衰器121を有することもあるが、それは可視光ビーム165の光度を減衰するために用いられる。この光学減衰器121は、比較的に低い透過率を有する平レンズでよい。入射光ビーム161の光度、特に、その可視光部分の光度が比較的に高い場合、光学減衰器121を用いることは利用者の目の障害を防止することができ、そして、レチクル画像と可視光ビーム165によって発生されたターゲット画像の間の光度の比を上げることができ、利用者は容易に両者の画像を区別することができる。好適には、光学減衰器121は、ビームスプリッター105と照準器113の間で択一的に取り付けられる。特には、可視光ビーム165の光度が比較的に高い場合、利用者は光学減衰器121をビームスプリッター105と照準器113の間に配設して、可視光ビーム165の光度を下げることができる。可視光ビーム165の光度が比較的に低い場合、利用者は可視光ビーム165の光路から光学減衰器121を取り除いて、光学減衰器121が可視光ビーム165の光度を下げないようにすることができる。ある例によれば、光学減衰器121は、可視光ビーム165の光度を別々に減衰する一組の光学減衰部品を有することがある。更に、利用者は一組の光学減衰部品から一又はそれ以上の部品を選択し、ビームスプリッター105と照準器113の間に選択された部品を配設して、可視光ビーム165の光度に従った減衰比を設定することができる。
【0049】
上記のように、レチクル画像の範囲は、赤外線検出器109の測定範囲に関連している。図2に関連して、ある例によれば、赤外線温度計109は、反射レチクル画像の第2の認識限界視野193と同等又はそれよりも小さい第1の認識限界視野191を有する。例えば、第1の認識限界視野191の観測角は、第2の認識限界視野193のそれと同等又はそれよりも小さい。この場合、エネルギーゾーンのターゲット画像が照準窓において反射レチクル画像に重なったときに、反射レチクル画像によってカバーされるエネルギーゾーンの範囲は、赤外線検出器109によってサンプリングされるか、又は、検出されたエネルギーゾーンの範囲と同等か又はそれよりも小さい。言い換えれば、反射レチクル画像によって示される範囲は、赤外線検出器109によって検出された範囲内に必ず収まり、それによって、測定結果はより正確である。赤外線検出器109の第1の認識限界視野191の範囲が、赤外線検出器109の検出面のサイズや赤外線集光レンズモジュール107の焦点距離や入射窓103のサイズや赤外光ビーム163の光路内の他の光学部品のパラメータを含む赤外線温度計100の各種のパラメータに依存していることは当業者によって明らかである。従って、反射レチクル画像の第2の認識限界視野193の範囲は、レチクルのサイズや照準窓113のレンズモジュールの集光面やレンズの焦点距離や入射窓103のサイズや可視光ビーム165の光路内の他の光学部品のパラメータに依存している。
【0050】
図9は、本願発明の他の実施の形態に係わる、エネルギーゾーンの温度測定方法200を示すフローチャートを図示している。この方法200は、エネルギーゾーンから発射された赤外光を検出することによって、エネルギーゾーンの温度を決定するために用いられうる。例えば、この温度測定方法200は、赤外線検出器を有する赤外線温度計を用いることによって、実現可能である。
【0051】
図9に示すように、この方法200は、工程S202で始まり、エネルギーゾーンからの入射光ビームが赤外光ビームと可視光ビームに分離される。例えば、入射光ビームは可視光部分と赤外光部分を含んでおり、それらが赤外光ビームと可視光ビームに分離され、ビームスプリッターによって異なる方向及び/又は光路に伝搬される。
【0052】
その後で、工程S204において、反射レチクル画像が発生される。この反射レチクル画像は、可視光ビームによって発生されたターゲット画像と整列するために用いられる。ある実施の形態によれば、工程S204は、参照光ビームを発光する光源を提供することと参照光ビームを反射して集光し照準窓において反射レチクル画像を発生することを含んでもよい。ある実施の形態によれば、参照光ビームが整形されてレチクル画像が照準にとって適した、十字形のような様々な形状を有するようにしてもよい。例えば、レチクルは光源の前面に配置されて参照光ビームを整形することもできる。ある実施の形態によれば、反射レチクル画像は中央パターンとその中央パターンの周辺の環状パターンを有することもある。中央パターンはエネルギーゾーンの中心を決定するために用いられ、環状パターンはエネルギーゾーンの範囲を決定する、すなわち、エネルギーゾーンの周辺を描写するために用いられる。ある実施の形態によれば、工程S204において、参照光ビームの色が調節されて、参照光ビームの色が入射光ビームの色とよりはっきりと区別されるように選択される。これによって、画像認識が改善される。
【0053】
その後、工程S206で、可視光ビームが透過されて、照準窓においてターゲット画像を発生する。そして、工程S208で、照準窓においてターゲット画像の上に反射レチクル画像を重ね合わせることによって、赤外光ビームを検出する赤外線検出器がエネルギーゾーンと整列される。
【0054】
反射レチクル画像は、例えば、レッドドット照準器によって発生される可視パターンである。この可視パターンの反射レチクル画像は、透過光に類似する反射光によって発生される。言い換えれば、発生された反射レチクル画像は、同じ形状とサイズのエネルギーゾーンの位置からの光によって発生された像に類似するが、それによって、利用者は、照準窓において可視光ビームによって発生されたターゲット画像とレチクル画像の間の重なりを観察することによって、赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列することができる。ある実施の形態によれば、工程S206に先立って、方法200は、更に、入射光ビームの光度を減衰することを含んでいる。入射光ビームの光度、特にその可視光部分が比較的に高いときには、可視光の光度を予め減衰することは、利用者の目の障害を防止すると共に、レチクル画像と可視光ビームによって発生されたターゲット画像の間の光度比を大きくすることができ、それによって、利用者が容易に両画像を区別することができる。
【0055】
その後、工程S210において、赤外光ビームが赤外線検出器によって検出され、検出された赤外光ビームに応じてエネルギーゾーンの温度を示す信号を発生する。赤外線検出器は、エネルギーゾーンによって発生された赤外光放射(すなわち、赤外光ビーム)の出力分布を測定することが可能であり、更に、赤外線検出器に連結された、又は、それに統合されたプロセッサーによってエネルギーゾーンの温度を示す信号に赤外光放射のスペクトラムを変換する。この信号は、更に、表示されて利用者はその測定結果を観察することが可能である。
【0056】
上記のように、温度測定方法200においては、エネルギーゾーンからの入射光ビームが、ビームスプリッターのような光学部品によって温度測定用の赤外光ビームと利用者によって照準に用いられるべき可視光ビームに分離される。更に、従来のレザー整列方法とは異なり、この方法200は、照準窓において可視光ビームによって発生されたターゲット画像上にレチクル画像を重ね合わせることによって赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列させる。このようにして、本願の測定方法を利用することで、利用者にとっては赤外線検出器をエネルギーゾーンに整列させることがより便利になる。
【0057】
上記には赤外線温度計のいくつかのモジュール又はサブモジュールが記載されているが、このような区別は例示であり、必須のものではないことを特に記載する。実際に、本願の実施の形態によれば、上記の2又はそれ以上のモジュールの機能と特徴が一のモジュールでも実施可能である。一方、上記のいずれか一つのモジュールの機能と特徴が2又はそれ以上のモジュールでも実施可能である。
【0058】
更に、本願に係わる方法の実施が特定の順序で添付の図面に関連して例示されているが、本願発明は例示されたものとは異なる処理フローを用いても実行されうる。更に、すべての実施例において必ずしもすべての工程が必要ではないことを特に記載する。言い換えれば、本願発明の精神と範囲を逸脱しない限りにおいて、一又はそれ以上の工程は省略又は代替可能である。ある例においては、本願発明の精神と範囲を逸脱しない限りにおいて、各工程が異なる順序に、互いに並行して、若しくは全体的に省略されて行われることがあり、そして/若しくは、ある追加の工程が行われることもある。
【0059】
ここに開示された実施の形態の他の変更例は、特許請求の範囲に記載された発明を実施するときに図面、明細書、特許請求の範囲を検討することで、所謂当業者によって理解されうると共に達成されうる。本願発明の範囲と精神が特許請求の範囲の記載によって定義されている。
【符号の説明】
【0060】
100…赤外線温度計
101…ハウジング
103…入射窓
105…ビームスプリッター
107…赤外線集光レンズモジュール
109…赤外線検出器
111…平面鏡
113…照準器
115…照準窓
117…表示ユニット
119…入力ボタン
121…光学減衰器
161…入射光ビーム
163…赤外光ビーム
165…可視光ビーム
171…光源
173…レチクル
175…光スプリッター
181…光源
183…レチクル
185…凸レンズ
187…ビームコンバイナー
191…第1の認識範囲
193…第2の認識範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9