(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
侵入禁止区域を識別するための可搬可能な物体に付けられた物体用識別コードが撮影された撮影画像を用いて、前記侵入禁止区域への侵入を監視する侵入監視装置であって、
前記撮影画像に含まれる物体用識別コードを認識する物体用識別コード認識手段と、
前記撮影画像に含まれる、監視対象者に付けられた監視対象者用識別コードを認識する監視対象者用識別コード認識手段と、
認識できていた前記物体用識別コードの数が減少した場合、又は、前記物体用識別コードの位置を基準として設定された監視領域内で侵入が許可された前記監視対象者以外の識別コードを認識した場合の少なくとも一方により、前記侵入禁止区域への侵入を判定する侵入判定手段と、
前記侵入判定手段で侵入があったと判定された場合、予め設定された警告動作を行う警告手段と、
を備えることを特徴とする侵入監視装置。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(実施形態)
[侵入監視システムの概略]
図1を参照し、本願発明の実施形態に係る侵入監視システム1の概略について説明する。
図1のように、侵入禁止区域αは、カラーコーン(可搬可能な物体)50とコーンバー52とで囲まれた区域であり、作業所内の他の場所と区別されている。この侵入禁止区域αは、安全性等の理由により、作業員(監視対象者)90の侵入が禁止された区域である。しかし、作業員90が、不注意、近道等の理由で侵入禁止区域αに侵入することがある。そこで、侵入監視システム1は、侵入禁止区域αへの侵入を監視し、この侵入禁止区域αに侵入しようとする作業員90に警告するものである。
【0024】
侵入監視システム1での監視には、幾つか前提があるため、それを説明する。
本実施形態の侵入監視システム1では、作業所に配置された撮影カメラ20及び警告灯40と、遠隔地に配置された侵入監視装置30とが、ネットワークNWを介して通信を行うこととする。
【0025】
図2(a)のように、作業員90のヘルメット92には、作業員用カラーコード(監視対象者用識別コード)60が付けられている。本実施形態では、ヘルメット92には、通常のカラープリンタで印刷した作業員用カラーコード60が、前後左右に計4個付けられている。
【0026】
例えば、作業員用カラーコード60は、
図2(b)のように、赤色、青色、黄色等の1色に塗られた矩形領域が、縦3個×横8個配列されている。この作業員用カラーコード60は、その配色パターンにより、ヘルメット92を被る作業員90が、侵入禁止区域αへの侵入を許可された者であるか否かを表す。
なお、
図2では、作業員用カラーコード60における色の違いをハッチングやドットで表した。
【0027】
以下、侵入禁止区域αへの侵入を許可された作業員90等の監視対象者を「許可者」と呼び、侵入禁止区域αへの侵入を許可されていない作業員90等の監視対象者を「非許可者」と呼ぶ。
【0028】
図3(a)のように、カラーコーン50には、カラーコーン用カラーコード(物体用識別コード)62が付けられている。このカラーコーン用カラーコード62は、後記する監視領域の設定、及び、侵入禁止区域αへの侵入の判定のために用いられる。従って、カラーコーン用カラーコード62は、
図3(b)のように、作業員用カラーコード60と同一の構造であるが、その配色パターンが異なる。
【0029】
図4のように、2個の監視センサ10が、90°間隔で三脚54に取り付けられる。また、2台の撮影カメラ20が、カラーコーン50に付けられたカラーコーン用カラーコード62を撮影できるように、90°間隔で三脚54に取り付けられる。すなわち、各撮影カメラ20は、少なくとも1個のカラーコーン50が撮影画像に含まれるように設置される。そして、1個の警告灯40が、三脚54に取り付けられる。さらに、2個の三脚54が、侵入禁止区域αで対角線に位置するカラーコーン50の付近に配置される(
図5)。
【0030】
次に、侵入監視システム1での監視について、簡単に説明する。
まず、撮影カメラ20は、カラーコーン50に付けられたカラーコーン用カラーコード62を撮影し、撮影した撮影画像を侵入監視装置30に送信する。すると、侵入監視装置30は、受信した撮影画像に含まれるカラーコーン用カラーコード62を認識し、認識したカラーコーン用カラーコード62の位置を基準として、監視領域を設定する。
【0031】
この監視領域は、侵入監視装置30が監視対象者を監視する対象となる区域である。仮に、監視領域に非許可者が侵入した場合、侵入監視システム1は、その非許可者に警告を行うことになる。本実施形態では、
図5のように、監視領域βは、侵入禁止区域αの周囲に設定される。
なお、
図5では、監視領域βを短破線で図示し、後記する注意領域γを長破線で図示した。
【0032】
撮影カメラ20が常に侵入監視装置30に撮影画像を送信すると、撮影画像のデータ送信量が増大するため、帯域の広いネットワークNWが必要となり、運用コストが高くなる。そこで、侵入監視システム1は、
図6のように、監視領域βの手前側にある注意領域γを通過して侵入禁止区域αに進行する作業員90を検知する。そして、監視センサ10は、作業員90を検知した場合、撮影カメラ20に撮影画像を撮影、送信させる。つまり、侵入監視システム1は、監視センサ10が作業員90を検知しない限り、撮影カメラ20が撮影画像を侵入監視装置30に送信しないので、撮影画像のデータ送信量を低減できる。
【0033】
ここで、監視センサ10が作業員90を検知し、撮影カメラ20が撮影画像を侵入監視装置30に送信したこととする。この場合、侵入監視装置30は、受信した撮影画像に含まれる作業員用カラーコード60及びカラーコーン用カラーコード62を認識し、その認識結果に基づいて、侵入禁止区域αへの侵入の有無を判定する。そして、侵入監視装置30は、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定した場合、ネットワークNWを介して、警告灯40の点灯を指令すると共に、受信した撮影画像を記録する。
【0034】
[侵入監視システムの構成]
図7を参照し、侵入監視システム1の構成について説明する(適宜
図1参照)。
図7のように、侵入監視システム1は、監視センサ10と、撮影カメラ20と、侵入監視装置30と、警告灯40と、カラーコーン50(
図1)とを備える。
【0035】
監視センサ10は、侵入禁止区域αに進行する作業員90を検知するものである。例えば、監視センサ10としては、注意領域γにいる作業員90の移動方向及び移動速度を検知できるミリ波レーダがあげられる。
【0036】
撮影カメラ20は、監視センサ10からの指令により撮影を行い、ネットワークNWを介して、撮影画像を侵入監視装置30に送信するものである。例えば、撮影カメラ20としては、ネットワークカメラ又はWebカメラがあげられる。
【0037】
侵入監視装置30は、画像メモリ31と、カラーコード設定手段32と、監視領域設定手段33と、画像処理手段34と、警告手段35と、撮影画像記録手段36とを備える。
【0038】
画像メモリ31は、ネットワークNWを介して、撮影カメラ20から撮影画像を受信し、受信した撮影画像を記録するものである。例えば、画像メモリ31として、フレームメモリがあげられる。この画像メモリ31に記録された撮影画像は、後記する画像処理手段34により参照される。
【0039】
カラーコード設定手段32は、許可者の作業員用カラーコード60と、非許可者の作業員用カラーコード60と、カラーコーン用カラーコード62とを予め設定するものである。例えば、侵入監視システム1の管理者が、図示を省略したキーボード、マウス等の操作手段を操作して、許可者の作業員用カラーコード60、非許可者の作業員用カラーコード60及びカラーコーン用カラーコード62の配色パターンを設定する。
以後、許可者の作業員用カラーコードを「許可者用カラーコード」と呼び、非許可者の作業員用カラーコードを「非許可者用カラーコード」と呼ぶ。
【0040】
そして、カラーコード設定手段32は、設定されたカラーコーン用カラーコード62を監視領域設定手段33に出力する。さらに、カラーコード設定手段32は、設定された許可者用カラーコードと、非許可者用カラーコードと、カラーコーン用カラーコード62とを画像処理手段34に出力する。
【0041】
監視領域設定手段33は、撮影画像で最も上に位置するカラーコーン用カラーコード62とその撮影画像の下側中央とを結ぶ直線を求め、求めた直線を基準として監視領域βを設定するものである。そして、監視領域設定手段33は、設定した監視領域βを画像処理手段34に出力する。
なお、監視領域設定手法の詳細は、後記する。
【0042】
画像処理手段34は、画像メモリ31の撮影画像をFIFO(First In First Out)で読み出して、読み出した撮影画像に対し、侵入監視に必要な各種処理を行うものである。このため、画像処理手段34は、カラーコーン用カラーコード認識手段(物体用識別コード認識手段)341と、作業員用カラーコード認識手段(監視対象者用識別コード認識手段)343と、侵入判定手段345とを備える。
【0043】
カラーコーン用カラーコード認識手段341は、画像メモリ31から読み出した撮影画像に含まれるカラーコーン用カラーコード62を認識するものである。
作業員用カラーコード認識手段343は、画像メモリ31から読み出した撮影画像に含まれる作業員用カラーコード60を認識するものである。
【0044】
侵入判定手段345は、カラーコーン用カラーコード認識手段341及び作業員用カラーコード認識手段343の認識結果に基づいて、侵入禁止区域αへの侵入を判定するものである。
なお、侵入判定手法の詳細は、後記する。
【0045】
ここで、侵入判定手段345は、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定した場合、警告の実行を警告手段35に指令する(警告指令)。さらに、侵入判定手段345は、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定したときの撮影画像を画像メモリ31から読み出して、読み出した撮影画像を撮影画像記録手段36に記録する。
【0046】
警告手段35は、画像処理手段34(侵入判定手段345)からの警告指令に応じて、予め設定された警告動作を行うものである。例えば、警告手段35は、警告灯40を一定時間点灯させる警告動作を行う(点灯指令)。また、警告手段35は、警告動作として、図示を省略したスピーカによる警告音や警告音声を出力するか、又は、作業所の監督責任者に侵入があったことを示す情報をメール等で通知してもよい。さらに、警告手段35は、これら警告動作を2以上組み合わせて実行してもよい。
【0047】
撮影画像記録手段36は、画像処理手段34(侵入判定手段345)から入力された撮影画像を記録するメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等の記録手段である。例えば、この撮影画像記録手段36に記録された撮影画像は、侵入禁止区域αに侵入した非許可者の特定に利用される。
【0048】
警告灯40は、その点灯により、非許可者が侵入禁止領域αに侵入していることを警告するものである。本実施形態では、警告灯40は、ネットワークNWを介して、侵入監視装置30から点灯指令が入力された場合、一定時間点灯する。
【0049】
<監視領域設定手法>
図8を参照し、監視領域設定手法について、具体的に説明する(適宜
図7参照)。
まず、例えば、侵入監視システム1の管理者が操作手段(不図示)を操作して、侵入監視装置30に監視領域βの設定を指令する(監視領域設定指令)。
【0050】
この監視領域設定指令に応じて、カラーコーン用カラーコード認識手段341は、
図8(a)のように、撮影画像に対し、カラーコード設定手段32で設定されたカラーコーン用カラーコード62の認識処理を施す。そして、カラーコーン用カラーコード認識手段341は、その認識結果(カラーコーン用カラーコード62の位置及び総数)を監視領域設定手段33に出力する。
【0051】
なお、カラーコーン用カラーコード認識手段341は、撮影画像に複数のカラーコーン用カラーコード62が含まれる場合、全てのカラーコーン用カラーコード62の認識結果を監視領域設定手段33に出力する。
【0052】
監視領域設定手段33は、カラーコーン用カラーコード認識手段341から入力されたカラーコーン用カラーコード62の位置を基準として、監視領域βを設定する。ここで、監視領域設定手段33は、複数のカラーコーン用カラーコード62の位置が入力された場合、それらの中で最も上のカラーコーン用カラーコード62の位置を基準として、監視領域βを設定する。
【0053】
図8(b)のように、監視領域設定手段33は、カラーコーン用カラーコード62の中心Aと、撮影画像の下側中央Bとを結ぶ直線Cを求める。ここで、監視領域設定手段33には、仮想カラーコードの中心として撮影画像の下側中央Bの座標(X
cen,Y
max)を予め設定しておく。なお、左上を原点(0,0)とした撮影画像座標系において、X
cenが横軸中央を表し、Y
maxが縦軸最大を表す。
なお、仮想カラーコードとは、監視領域βを設定するために
図8のカラーコーン用カラーコード62以外のカラーコーン用カラーコードを仮想したものである。
【0054】
ここで、作業員90のサイズ(身長)に対して、不適切なサイズの監視領域βを設定しても、侵入判定の正確性が低下する。また、カラーコーン50のサイズから、作業員90のサイズも見当がつく。そこで、監視領域βを適切なサイズにするため、監視領域設定手段33は、カラーコーン用カラーコード62の実寸に基づいて、下記の式(1)により監視領域の上側幅fpwを算出する。
fpw=幅(ピクセル)/実寸(メートル)×監視領域幅(メートル) …式(1)
【0055】
なお、式(1)では、「幅」が撮影画像上側でのカラーコーン用カラーコード62の幅(ピクセル数)を表し、「実寸」が実空間でのカラーコーン用カラーコード62の幅を表し、「監視領域幅」が実空間での監視領域βの幅を表す。ここで、「実寸」及び「監視領域幅」は、予め設定されている。
また、監視領域設定手段33は、上側幅fpwと同様、監視領域の高さfphを算出する。
【0056】
次に、監視領域設定手段33は、仮想カラーコードの幅に基づいて、下記の式(2)により下側幅npwを算出する。
npw=実寸×f/Dnp×ピクセル数×撮像素子サイズ …式(2)
【0057】
なお、式(2)では、「実寸」が実空間でのカラーコーン用カラーコード62の幅を表し、「f」が撮影カメラ20の焦点距離を表し、「Dnp」が撮影カメラ20から仮想カラーコードまで距離を表し、「ピクセル数」が撮影カメラ20の撮像素子の水平ピクセル数を表し、「撮像素子サイズ」が撮影カメラ20の撮像素子の幅を表す。
【0058】
次に、監視領域設定手段33は、下側幅npwと同様、下記の式(3)により高さnphを算出する。
nph=実寸×f/Dnp×ピクセル数×撮像素子サイズ …式(3)
【0059】
なお、式(3)では、「実寸」が実空間でのカラーコーン用カラーコード62の高さを表し、「f」が撮影カメラ20の焦点距離を表し、「Dnp」が撮影カメラ20から仮想カラーコードまで距離までの距離を表し、「ピクセル数」が撮影カメラ20の撮像素子の垂直ピクセル数を表し、「撮像素子サイズ」が撮影カメラ20の撮像素子の高さを表す。
【0060】
次に、監視領域設定手段33は、以下のa
1〜a
4,b
1,b
3を算出する。
a
1はカラーコーン用カラーコード62の中心Aを通る上側基準線の左端水平座標であり、a
1=A−fpwとなる。
a
2は上側基準線の右端水平座標であり、a
2=A+fpwとなる。
a
3は撮影画像の下側中央Bを通る下側基準線の左端水平座標であり、a
3=B−npwとなる。
a
4は下側基準線の右端水平座標であり、a
4=B+npwとなる。
b
1は上側基準線の垂直座標であり、b
3は下側基準線の左端垂直座標である。
この上側基準線及び下側基準線は、監視領域βを計算するために定めた、撮影画像の水平軸に平行な線分である。
【0061】
次に、監視領域設定手段33は、下記の式(4)〜式(6)を用いて、x
1,x
2,y
1を算出する。
x
1=min(a
1,a
3) …式(4)
x
2=max(a
2,a
4) …式(5)
y
1=min(b
3−nph×c1/cch,b
1−fph×c1/cch) …式(6)
【0062】
なお、「min」は最小値を返す関数であり、「max」は最大値を返す関数である。また、「c1」がヘルメットの高さからカラーコーン50の高さを引いた値であり、「cch」がカラーコーン50の高さ実寸である。ここで、「c1」及び「cch」は、予め設定されている。
【0063】
そして、監視領域設定手段33は、
図8(c)のように、撮影画像の4点(x
1,y
1)、(x
2,y
1)、(x
1,Y
max)、(x
2,Y
max)を頂点とする矩形領域を、監視領域βとして設定する。
【0064】
以下、侵入判定手法の第1例〜第3例を順番に説明する。
なお、第1例〜第3例では、監視領域設定手段33が監視領域βを設定した後、画像処理手段34が侵入の判定を行うこととする。
【0065】
<侵入判定手法:第1例>
図9を参照し、侵入判定手法の第1例について説明する(適宜
図7参照)。
図9(a)のように、作業員90は侵入禁止区域αに侵入するときは、カラーコーン50の前を通過する。このとき、侵入監視装置30は、
図9(b)のようにカラーコーン用カラーコード62が作業員90により遮られるので、そのカラーコーン用カラーコード62(
図3)を認識できなくなる。
【0066】
そこで、侵入監視装置30は、今まで認識できていたカラーコーン用カラーコード62が認識できなくなった場合、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定する。より具体的には、侵入監視装置30は、撮影画像に含まれるカラーコーン用カラーコード62の数が減少した場合、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定する。
【0067】
まず、カラーコーン用カラーコード認識手段341は、前記した監視領域設定手法と同様、カラーコーン用カラーコード62の認識処理を施し、その認識結果を侵入判定手段345に出力する。
【0068】
次に、侵入判定手段345は、カラーコーン用カラーコード認識手段341から入力されたカラーコーン用カラーコード62の数が、予め設定したカラーコーン用カラーコード62の数より減少したか否かを判定する。
なお、侵入判定手段345は、撮影カメラ20毎に、その撮影カメラ20で撮影された撮影画像に何個のカラーコーン用カラーコード62が含まれるかを予め設定してもよい。
【0069】
ここで、侵入判定手段345は、カラーコーン用カラーコード62の数が減少していない場合、侵入禁止区域αへの侵入がないと判定する。
一方、侵入判定手段345は、カラーコーン用カラーコード62の数が減少した場合、今まで認識できていたカラーコーン用カラーコード62が認識できなくなったので、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定する。
【0070】
<侵入判定手法:第2例>
図10を参照し、侵入判定手法の第2例について説明する(適宜
図7参照)。
前記した第1例では、侵入禁止区域αに侵入した作業員90が許可者又は非許可者であるかを区別できない。そこで、侵入監視装置30は、
図10のように、監視領域βの領域内で許可者以外のカラーコードが認識された場合、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定する。
【0071】
具体的には、作業員用カラーコード認識手段343は、撮影画像の監視領域βに対し、カラーコード設定手段32で設定された許可者用カラーコード及び非許可者用カラーコードの認識処理を施す。そして、作業員用カラーコード認識手段343は、その認識結果(許可者用カラーコード及び非許可者用カラーコードの数)を侵入判定手段345に出力する。
【0072】
まず、侵入判定手段345は、許可者用カラーコードの数及び非許可者用カラーコードの数が0であるか否かにより、作業員用カラーコード60が認識されたか否かを判定する。
ここで、許可者用カラーコードの数及び非許可者用カラーコードの数が0の場合、侵入判定手段345は、作業員用カラーコード60が認識されないので、侵入禁止区域αへの侵入がないと判定する。
一方、許可者用カラーコードの数又は非許可者用カラーコードの数が1以上の場合、侵入判定手段345は、作業員用カラーコード60が認識されたので、次の判定を行う。
【0073】
続いて、侵入判定手段345は、非許可者用カラーコードの数が0であるか否かにより、許可者のみが認識されたか否かを判定する。
ここで、非許可者用カラーコードの数が0の場合、侵入判定手段345は、全ての作業員用カラーコード60が許可者用カラーコードに一致するので、侵入禁止区域αへの非許可者の侵入がないと判定する。
一方、非許可者用カラーコードの数が1以上の場合、侵入判定手段345は、何れかの作業員用カラーコード60が許可者用カラーコードに一致しないので、侵入禁止区域αへの非許可者の侵入があったと判定する。
【0074】
<侵入判定手法:第3例>
この第3例は、前記した第1例と第2例との判定手法を組み合わせたものである。つまり、侵入判定手段345は、第1例又は第2例の何れかに該当する場合、侵入禁止区域αへの侵入があったと判定する。
なお、具体的な判定手法は、侵入監視装置30の動作で説明する。
【0075】
[侵入監視装置の動作]
図11を参照し、侵入監視装置30の動作について説明する(適宜
図7参照)。
ここでは、許可者用カラーコードと、非許可者用カラーコードと、カラーコーン用カラーコード62とが、カラーコード設定手段32に設定されていることとする。
【0076】
図11のように、侵入監視装置30は、ネットワークNWを介して、撮影カメラ20から撮影画像を受信し、受信した撮影カメラ20を画像メモリ31に記録する(ステップS1)。
【0077】
侵入監視装置30は、カラーコーン用カラーコード認識手段341によって、撮影画像に対し、カラーコーン用カラーコード62の認識処理を施す。
侵入監視装置30は、監視領域設定手段33によって、撮影画像にカラーコーン用カラーコード62の位置に基づいて、監視領域βを設定する(ステップS2)。
【0078】
侵入監視装置30は、カラーコーン用カラーコード認識手段341によって、撮影画像に対して、カラーコーン用カラーコード62の認識処理を施す。
侵入監視装置30は、作業員用カラーコード認識手段343によって、撮影画像の監視領域βに対して、許可者用カラーコード及び非許可者用カラーコードの認識処理を施す(ステップS3)。
【0079】
侵入監視装置30は、侵入判定手段345によって、ステップS3で認識されたカラーコーン用カラーコード62の数が、予め設定されたカラーコーン用カラーコード62の数より減少したか否かを判定する(ステップS4)。
【0080】
カラーコーン用カラーコード62の数が減少していない場合(ステップS4でNo)、侵入監視装置30は、侵入判定手段345によって、ステップS3で作業員用カラーコード60が認識されたか否かを判定する(ステップS5)。
【0081】
カラーコーン用カラーコード62の数が減少した場合(ステップS4でYes)、又は、作業員用カラーコード60が認識された場合(ステップS5でYes)、侵入監視装置30は、ステップS6の処理に進む。
【0082】
侵入監視装置30は、侵入判定手段345によって、ステップS3で認識された全ての作業員用カラーコード60が許可者用カラーコードに一致するか否かを判定する(ステップS6)。
【0083】
作業員用カラーコード60が1個でも許可者用カラーコードに一致しない場合(ステップS6でNo)、侵入監視装置30は、警告手段35によって、警告灯40を一定時間点灯させる等の警告動作を行う(ステップS7)。
侵入監視装置30は、侵入判定手段345によって、撮影画像を撮影画像記録手段36に記録する(ステップS8)。
【0084】
作業員用カラーコード60が認識されない場合(ステップS5でNo)、全ての作業員用カラーコード60が許可者用カラーコードに一致する場合(ステップS6でYes)、又は、ステップS8の後、侵入監視装置30は、処理を終了する。
【0085】
なお、撮影画像を受信する毎にステップS2の処理を実行することとして説明したが、これに限定されない。例えば、監視領域βを新たに設定する場合のみ、ステップS2の処理を実行してもよい。また、カラーコーン50や撮影カメラ20を移動させた後、最初に撮影された撮影画像に対してステップS2の処理を実行し、2回目以降に撮影された撮影画像に対しては、ステップS2の処理を省略してもよい。この場合、侵入監視装置30は、既に設定された監視領域βをそのまま利用する。
【0086】
なお、侵入判定手段345は、判定対象となっている撮影画像だけでなく、この撮影画像からn枚前の撮影画像で連続してステップS6の判定を行ってもよい。
つまり、侵入判定手段345は、判定対象の撮影画像からn枚前までの撮影画像の何れかで、何れかの作業員用カラーコード60が許可者用カラーコードに一致しない場合、ステップS7の処理に進む。
一方、侵入判定手段345は、判定対象の撮影画像からn枚前までの撮影画像で連続して、全ての作業員用カラーコード60が許可者用カラーコードに一致した場合、処理を終了する。
【0087】
以上説明した侵入監視装置30の動作は、侵入判定手法の第3例に対応している。
なお、侵入監視装置30には、ステップS5の処理で常にNoと判定するように予め設定できる。この場合、侵入監視装置30は、前記した第1例の侵入判定手法を実行することになる。
また、侵入監視装置30には、ステップS4の処理で常にNoと判定するように予め設定できる。この場合、侵入監視装置30は、前記した第2例の侵入判定手法を実行することになる。
【0088】
[作用・効果]
以上のように、本願発明の実施形態に係る侵入監視システム1は、安価に印刷できるカラーコードを利用できるので、作業員90に高価なICタグを配布する必要がなく、運用コストを抑制することができる。
【0089】
さらに、侵入監視システム1は、監視領域設定手段33によって、適切な位置及び大きさの監視領域βを設定するので、効率的に侵入禁止区域αへの侵入を監視することができる。さらに、侵入監視システム1は、作業員90が監視領域βに侵入したときの撮影画像を撮影画像記録手段36に記録するため、作業員90への抑止効果が向上し、侵入禁止区域αへの侵入を抑制することができる。
【0090】
さらに、侵入監視システム1は、監視センサ10によって、撮影画像のデータ送信量を低減できるため、伝送容量の少ないネットワークNWの利用が可能となり、運用コストを抑制することができる。さらに、侵入監視システム1は、カラーコーン用カラーコード62が付けられたカラーコーン50を侵入禁止区域αの境界に配置するだけで、侵入禁止区域αへの侵入を監視できるので、利便性がよい。
【0091】
(変形例)
以上、本願発明の各実施形態を詳述してきたが、本願発明は前記した実施形態に限られるものではなく、本願発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
前記した実施形態では、カラーコードの配列構造が縦3個×横8個であることとして説明したが、これに限定されない。
【0092】
前記した実施形態では、識別コード(物体用識別コード及び監視対象者用識別コード)印刷することとして説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン、タブレット端末、電子ペーパ等の表示装置に識別コードを表示させ、この表示装置をカラーコーン等の物体や監視対象者に付けてもよい。これにより、外光の強さに応じて表示装置の輝度を調整できるので、例えば、日中であっても識別コードが認識しやすくなる。
【0093】
前記した実施形態では、識別コードとしてカラーコードを用いることとして説明したが、画像処理で識別可能なものであればよい。例えば、本願発明は、識別コードとして、QRコード(登録商標)やバーコードを利用することができる。さらに、本願発明は、識別コードとして、円、三角、四角等の図形も利用することができる。
【0094】
前記した実施形態では、監視領域が矩形状の領域であることとして説明したが、これに限定されない。例えば、監視領域は、上側が短辺となり、下側が長辺となる台形状の領域としてもよい。
【0095】
前記した実施形態では、1個の物体用識別コードを用いて監視領域を設定することとして説明したが、これに限定されない。つまり、複数の物体用識別コードを用いて、監視領域を設定してもよい。例えば、上下で隣り合う物体用識別コードの中央を結ぶ線分を求め、各線分が連結された直線を基準として監視領域を設定してもよい。
【0096】
前記した実施形態では、物体に物体用識別コードを1個付けることとして説明したが、これに限定されない。つまり、物体に物体用識別コードを複数付けてもよい。この場合、監視対象者が物体の前を通過すると、物体に付けられた物体用識別コードの何れかが遮られる可能性が高くなる。これにより、監視対象者用識別コードのない監視対象者が侵入した場合でも、侵入の判定がより正確になる。
【0097】
前記した実施形態では、侵入があったと判定した場合のみ撮影画像を記録することとして説明したが、これに限定されない。つまり、侵入監視システムは、侵入の判定結果に関わらず、常に撮影画像を記録してもよい。この場合、侵入監視システムは、監視対象者用識別コードが不正に取得された場合でも、記録した撮影画像の顔認証処理により不正取得者を特定できるので、不正取得の抑止効果も期待することができる。
【0098】
前記した実施形態では、監視センサが監視対象者を検知した場合、撮影カメラが撮影画像を侵入監視装置に送信することとして説明したが、これに限定されない。つまり、侵入監視システムは、常に撮影カメラが撮影画像を侵入監視装置に送信してもよい。
【0099】
前記した実施形態では、監視センサがミリ波レーダであることとして説明したが、これに限定されない。例えば、侵入監視システムは、監視センサとして、赤外線センサやレーザセンサを用いることもできる。