(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562728
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】アスファルトプラントのドライヤ及びその運転制御方法
(51)【国際特許分類】
E01C 19/10 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
E01C19/10 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-122658(P2015-122658)
(22)【出願日】2015年6月18日
(65)【公開番号】特開2017-8508(P2017-8508A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000226482
【氏名又は名称】日工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】衣笠 敏文
【審査官】
荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−284301(JP,A)
【文献】
特開平11−315509(JP,A)
【文献】
特開2004−169377(JP,A)
【文献】
特開昭63−054583(JP,A)
【文献】
特開2013−096103(JP,A)
【文献】
特開2006−207225(JP,A)
【文献】
特開2012−102519(JP,A)
【文献】
特開平01−167581(JP,A)
【文献】
米国特許第07669792(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/00−19/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、ドラム一端部の骨材供給ホッパ側から新規な骨材をドラム内に供給してドラム他端部の骨材排出ホッパ側へと流下させる間に、前記骨材排出ホッパ側に配設した主バーナから供給する熱風と向流接触させて骨材を所定温度まで加熱し、ドラムから排出される排ガスを前記骨材供給ホッパに連結した第一排気ダクトの下流の排風機にて吸引排気してバグフィルタへと導く向流加熱方式を採用した新規な骨材を専用に加熱するアスファルトプラントのドライヤであって、前記骨材供給ホッパ側に前記主バーナより小さい副バーナを配設し、該副バーナの燃焼による火炎は前記ドラム内に形成させると共に、前記副バーナの燃焼による排ガスを前記バグフィルタへと導く第二排気ダクトを骨材排出ホッパに連結する一方、前記第一排気ダクト及び第二排気ダクトのそれぞれには排ガスの流れを遮断する第一開閉ダンパー及び第二開閉ダンパーを備え、前記副バーナの燃焼及び第二開閉ダンパーの開放によって供給する骨材の流れと熱風の流れを同一方向とした並流加熱方式でも骨材を加熱できる構成とし、運転制御器の運転モードの切り替えによって通常運転時には向流加熱方式を選択して前記主バーナにて骨材を加熱する一方、骨材の少量送り時または中温化合材用の骨材加熱時には並流加熱方式を選択して前記主バーナより小さい副バーナにてドラム内に火炎を形成しながら骨材を加熱する構成としたことを特徴とするアスファルトプラントのドライヤ。
【請求項2】
前記第二排気ダクトには排ガス温度検出用の排ガス温度センサを備えると共に、前記副バーナを配設した骨材供給ホッパ内の隅部にはドラム内部の静圧を検出する第二静圧センサを備え、並流加熱方式によって骨材を加熱するときには、前記排ガス温度センサにて検出される排ガス温度が所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御すると共に、前記第二静圧センサにて検出される静圧値が所定の設定値となるように排風量を制御する運転制御器を備えたことを特徴とする請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤ。
【請求項3】
請求項1または2記載のアスファルトプラントのドライヤの運転制御方法であって、通常運転時には向流加熱方式を選択して骨材を加熱処理する一方、骨材の少量送り時または中温化合材用の骨材加熱時を含むバーナ燃焼量を減少させて運転するときには、並流加熱方式を選択し、排ガス温度を検出しながら排ガス温度が露点温度以上の所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御して骨材を所定温度まで加熱するようにしたことを特徴とするアスファルトプラントのドライヤの運転制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路舗装材であるアスファルト混合物を製造するアスファルトプラントの骨材加熱用のドライヤ及びその運転制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アスファルトプラントでは、アスファルト混合物の素材である新規な骨材(以下「新材」という。)及びアスファルト舗装廃材(以下「廃材」という。)の双方を略160度程度まで加熱することができる二基のドライヤを備えている。前記二基のドライヤのうち、新材である骨材を加熱する新材ドライヤは、加熱効率を高めることを考慮し、骨材の流れと熱風の流れとを対向方向とした向流接触によって骨材を加熱する向流加熱方式を採用する一方、廃材(再生材)を加熱する廃材ドライヤは、廃材中に含有するアスファルト分の過熱による熱劣化を考慮し、廃材の流れと熱風の流れを同一方向とした並流接触によって廃材を加熱し、ドラム内を流下して昇温した廃材がドラム排出部付近で高温のバーナ火炎に晒されることのない並流加熱方式を採用している。
【0003】
前記向流加熱方式の新材ドライヤは、骨材と熱風との向流接触のため、ドラムから排出される加熱骨材温度よりも排ガス温度を低く落として限界まで加熱効率を高めることができるものの、新材ドライヤでは新材中の含水率の高い砂の加熱によって多量の水蒸気を含む排ガスが排気されるので、結露による支障が生じないように排ガス温度が露点温度以下とならないように配慮しながら運転している。また、前記並流加熱方式のドライヤは、骨材と熱風との並流接触のため、排ガス温度は加熱骨材温度よりも高くなり、この結果、廃材ドライヤでは排ガスが露点温度以下になることはほぼなく、結露による支障が生じることはない。
【0004】
そして、アスファルトプラントでは、前記新材ドライヤにて加熱した新材を100%使用したアスファルト混合物や、新材ドライヤ及び廃材ドライヤの双方で加熱して得られる新材と廃材を所定の割合で混合したアスファルト混合物など、要望に応じて適宜のアスファルト混合物を製造している。ところで、例えば、新材50%と廃材50%を混合したアスファルト混合物を製造しようとすると、新材ドライヤへ定格供給量の半分の新材量を供給しながら略160℃程度に加熱しており、また省エネルギーの観点から将来有望な中温化合材を製造するためには、新材を通常温度の略160℃よりも略30℃ほど低い略130℃前後に加熱することとなる。
【0005】
ところが、向流加熱方式を採用する新材ドライヤでは、新材を決定された定格供給量にて供給しながら略160℃程度の温度まで加熱できるように設計されており、新材の少量送り時または中温化合材用の新材加熱時などの定格能力よりも大幅に減少させたバーナ燃焼量によって運転する場合には、排ガス温度が通常運転よりも低下し、場合によっては露点温度以下になる可能性もあり、運転時に十分な配慮をしないと、排気ダクト、下流のバグフィルタ、及び煙突等にて結露が生じてろ布の目詰まりや腐食等の支障を来すこともある。
【0006】
このような向流加熱方式を採用する新材ドライヤにおいて排ガスの結露を防止するものとして、特許文献1(特開2004−169377号公報)では、ドライヤのバーナ側の排出ホッパにバイパス管を連結し、該バイパス管の他端をバグフィルタ手前のドライヤの排気煙道に連結し、バーナから供給される高温熱風の一部を前記バイパス管を介して排気煙道に合流させて排ガス温度を露点温度以上に維持するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−169377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のように、ドライヤのバーナ側に連結したバイパス管をバグフィルタ手前のドライヤの排気煙道に連結して高温熱風の一部を排ガスに合流させることで排ガス温度を露点温度以上に高めるようにしても、ドラム内の排ガス出口付近(骨材投入部付近)から前記合流点までの排ガスはそれなりの低温または露点温度以下になる可能性もあり、その箇所に何らかの支障を来すこともあり得る。
【0009】
本発明は上記の点に鑑み、ドライヤの運転状況が大きく変動しても排ガス温度が露点温度以下になることを阻止でき、結露による支障を来すことのないようにしたアスファルトプラントのドライヤ及びその運転制御方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤでは、円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、ドラム一端部の骨材供給ホッパ側から
新規な骨材をドラム内に供給してドラム他端部の骨材排出ホッパ側へと流下させる間に、前記骨材排出ホッパ側に配設した主バーナから供給する熱風と向流接触させて骨材を所定温度まで加熱し、ドラムから排出される排ガスを前記骨材供給ホッパに連結した第一排気ダクトの下流の排風機にて吸引排気してバグフィルタへと導く向流加熱方式を採用した
新規な骨材を専用に加熱するアスファルトプラントのドライヤ
であって、前記骨材供給ホッパ側に前記主バーナより小さい副バーナを配設し、
該副バーナの燃焼による火炎は前記ドラム内に形成させると共に、前記副バーナの燃焼による排ガスを前記バグフィルタへと導く第二排気ダクトを骨材排出ホッパに連結する一方、前記第一排気ダクト及び第二排気ダクトのそれぞれには排ガスの流れを遮断する第一開閉ダンパー及び第二開閉ダンパーを備え、前記副バーナの燃焼及び第二開閉ダンパーの開放によって供給する骨材の流れと熱風の流れを同一方向とした並流加熱方式でも骨材を加熱できる構成とし
、運転制御器の運転モードの切り替えによって通常運転時には向流加熱方式を選択して前記主バーナにて骨材を加熱する一方、骨材の少量送り時または中温化合材用の骨材加熱時には並流加熱方式を選択して前記主バーナより小さい副バーナにてドラム内に火炎を形成しながら骨材を加熱する構成としたことを特徴としている。
【0011】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤでは、前記第二排気ダクトには排ガス温度検出用の排ガス温度センサを備えると共に、前記副バーナを配設した骨材供給ホッパ内の隅部にはドラム内部の静圧を検出する第二静圧センサを備え、並流加熱方式によって骨材を加熱するときには、前記排ガス温度センサにて検出される排ガス温度が所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御すると共に、前記第二静圧センサにて検出される静圧値が所定の設定値となるように排風量を制御する運転制御器を備えたことを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載のアスファルトプラントのドライヤの運転制御方法では、通常運転時には向流加熱方式を選択して骨材を加熱処理する一方、骨材の少量送り時または中温化合材用の骨材加熱時を含むバーナ燃焼量を減少させて運転するときには、並流加熱方式を選択し、排ガス温度を検出しながら排ガス温度が露点温度以上の所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御して骨材を所定温度まで加熱するようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る請求項1記載のアスファルトプラントのドライヤによれば、向流加熱方式を採用したアスファルトプラントの
新規な骨材を専用に加熱するドライヤ
であって、骨材供給ホッパ側に前記主バーナより小さい副バーナを配設し、
該副バーナの燃焼による火炎は前記ドラム内に形成させると共に、前記副バーナの燃焼による排ガスを前記バグフィルタへと導く第二排気ダクトを骨材排出ホッパに連結する一方、前記第一排気ダクト及び第二排気ダクトのそれぞれには排ガスの流れを遮断する第一開閉ダンパー及び第二開閉ダンパーを備え、前記副バーナの燃焼及び第二開閉ダンパーの開放によって供給する骨材の流れと熱風の流れを同一方向とした並流加熱方式でも骨材を加熱できる構成とし
、運転制御器の運転モードの切り替えによって通常運転時には向流加熱方式を選択して前記主バーナにて骨材を加熱する一方、骨材の少量送り時または中温化合材用の骨材加熱時には並流加熱方式を選択して前記主バーナより小さい副バーナにてドラム内に火炎を形成しながら骨材を加熱する構成としたので、通常運転時は加熱効率に優れた向流加熱方式にて骨材を効率よく加熱処理することができ、またバーナ燃焼量を減少させるなどドライヤの運転状況が大きく変動して排ガス温度が露点温度近くまで低下するおそれがあるときには排ガス温度が加熱骨材温度よりも高くなる並流加熱方式に切り替えて運転することで排ガス温度を露点温度以上に維持でき、結露による腐食等の支障が生じることもない。
【0014】
また、請求項2記載のアスファルトプラントのドライヤでは、前記第二排気ダクトには排ガス温度検出用の排ガス温度センサを備えると共に、前記副バーナを配設した骨材供給ホッパの隅部にはドラム内部の静圧を検出する第二静圧センサを備え、並流加熱方式によって骨材を加熱するときには、前記排ガス温度センサにて検出される排ガス温度が所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御すると共に、前記第二静圧センサにて検出される静圧値が所定の設定値となるように排風量を制御する運転制御器を備えたので、並流加熱方式にて運転するときには、排ガス温度の設定値が加熱骨材温度よりも高くて露点温度以上となり、この設定値を目標として副バーナの燃焼量が制御されることによって結露による支障が生じることはない。また、副バーナ近くの骨材排出ホッパ内の隅部の静圧を大気圧より若干負圧に維持しながら排風量を制御することで副バーナ付近の隙間から外気の侵入を極力抑制して過不足のない排気を行うことができ、主バーナよりも小さい副バーナの燃焼、発生する水蒸気量、及び排気経路の変更などの排気条件が違っても最適の排気処理が行え、余分な外気の吸引による排ガス温度の低下も極力阻止できる。
【0015】
また、請求項3記載のアスファルトプラントのドライヤの運転制御方法では、通常運転時には向流加熱方式を選択して骨材を加熱処理する一方、骨材の少量送り時または中温化合材用の骨材加熱時を含むバーナ燃焼量を減少させて運転するときには、並流加熱方式を選択し、排ガス温度を検出しながら排ガス温度が露点温度以上の所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御して骨材を所定温度まで加熱するようにしたので、通常運転時は加熱効率に優れた向流加熱方式にて新材を効率よく加熱処理でき、バーナ燃焼量を減少させるなどドライヤの運転状況が大きく変動すれば排ガス温度が加熱新材温度よりも高くなる並流加熱方式に切り替えて運転することで排ガス温度を露点温度以上に維持でき、結露による腐食等の支障が生じることもない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係るアスファルトプラントのドライヤ及びその運転制御方法の一実施例を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るアスファルトプラントのドライヤにあっては、円筒状のドラムを回転自在に傾斜支持し、ドラム一端部の骨材供給ホッパ側から骨材をドラム内に供給してドラム他端部の骨材排出ホッパ側へと流下させる間に、前記骨材排出ホッパ側に配設した主バーナから供給する熱風と向流接触させて骨材を所定温度まで加熱し、ドラムから排出される排ガスを前記骨材供給ホッパに連結した第一排気ダクトの下流の排風機にて吸引排気してバグフィルタへと導くものであり、向流加熱方式にて骨材を加熱できる構成としている。
【0018】
そして、前記骨材供給ホッパ側に前記主バーナより小さい副バーナを配設し、該副バーナの燃焼による排ガスを前記バグフィルタへと導く第二排気ダクトを骨材排出ホッパに連結している。また、前記主バーナと副バーナのいずれかを選択して燃焼させるときに、排ガスの通路を確保または遮断するために、前記第一排気ダクト及び第二排気ダクトのそれぞれには第一開閉ダンパー及び第二開閉ダンパーを備えている。
【0019】
また、前記第二排気ダクトには排ガス温度検出用の排ガス温度センサを備えると共に、前記副バーナを配設した骨材供給ホッパ内の隅部にはドラム内の静圧を検出する第二静圧センサを備える。そして、並流加熱方式によって骨材を加熱するときには、前記排ガス温度センサにて検出される排ガス温度が所定の設定値となるように副バーナの燃焼量を制御すると共に、前記第二静圧センサにて検出される静圧値が所定の設定値となるように排風量を制御する運転制御器を備えている。
【0020】
そして、ドライヤを通常運転する場合には、加熱効率に優れた向流加熱方式を選択し、主バーナから熱風を供給しながら骨材を対向側から供給して向流接触させて骨材を所定温度まで加熱する。このとき、主バーナの燃焼制御は、ドラムから排出される骨材温度を所定の設定値となるように燃焼量を制御する。このとき、排ガス温度が露点温度以下にならないように配慮しながら運転する。
【0021】
また、骨材供給量が定格供給量よりも少量であったり、骨材の加熱温度が通常よりも低い中温化合材を製造するなど、バーナ燃焼量を定格燃焼量よりも減少させて運転すると、排ガス温度が通常運転よりも低下し、場合によっては露点温度以下になって腐食等の支障を来すことが予想されるときには、排ガス温度が加熱骨材温度よりも高くなる並流加熱方式にて運転することを選択する。
【0022】
前記並流加熱方式では、主バーナに代えて副バーナを燃焼させ、熱風の流れと同一方向から骨材を供給し、並流接触させて骨材を所定温度まで加熱する。このとき、副バーナの燃焼制御は、ドラムから導出される排ガス温度が所定の設定値となるように燃焼量を制御する。なお、並流加熱方式では、排ガス温度の設定値は加熱骨材温度よりも高くて露点温度以上となり、この設定値を目標としてバーナ燃焼量が制御されると結露の心配はない。
【0023】
また、前記副バーナ側の骨材供給ホッパ内の隅部に備えた第二静圧センサによって検出される静圧値が所定の設定値となるように排風量を制御する。なお、前記設定値は、好ましくは、外気圧とほぼ同じか、或いは若干負圧、例えば−10〜−30Pa程度の値となるように設定すると、主バーナよりも小さい副バーナの燃焼、発生する水蒸気量、及び排気経路の変更などの排気条件が違ってもドラム内にて発生するガスを過不足なく吸引排気して良好な燃焼を維持でき、副バーナ側の隙間からの余分な外気吸引による排ガス温度低下も極力抑えられる。
【0024】
なお、主バーナまたは副バーナの燃焼中には、燃焼させていないバーナ内部にドラム内のガス流に随伴する粉塵が侵入してバーナを損傷させる可能性があるので、バーナの前面部に可動式の遮断体を取り付けるなど、バーナ保護対策を適宜行うことが好ましい。
【0025】
このように、向流加熱方式のドライヤにおいて並流加熱方式でも運転できる構成としたので、バーナ燃焼量を減少させるなどドライヤの運転状況が大きく変動して排ガス温度が低下または露点温度以下になるおそれがあるときには、排ガス温度が加熱骨材温度よりも高くなる並流加熱方式に切り替えて運転することで排ガス温度を露点温度以上に維持でき、結露によって腐食等の支障が生じることを阻止できる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0027】
図中の1は、アスファルトプラントに設置される骨材を加熱乾燥処理するドライヤであって、内周部に多数の掻き上げ羽根(図示せず)を周設した円筒状のドラム2を基台3上に回転自在に傾斜支持し、駆動装置(図示せず)により所定の速度にて回転させるようにしており、ドラム2の一端部には骨材供給コンベヤ4を配した骨材供給ホッパ5を、他端部には骨材排出口6を有した骨材排出ホッパ7を備えている。
【0028】
前記骨材排出ホッパ7には熱風供給用の主バーナ8を備えている一方、骨材供給ホッパ5には第一排気ダクト9を連結しており、該第一排気ダクト9の下流にはダスト捕捉用のバグフィルタ10、排風量調整用のメインダンパー11、排風機12、及び煙突13を備えている。
【0029】
前記骨材排出ホッパ7下端部の骨材排出口6には排出される加熱骨材の温度検出用の骨材温度センサ14を備え、該骨材温度センサ14にて検出する加熱骨材温度が所定の設定値となるように主バーナ8の燃焼量を制御する一方、前記主バーナ8を備えた骨材排出ホッパ7内の隅部には静圧検出用の第一静圧センサ15を備え、該第一静圧センサ15にて検出する静圧値が所定の設定値となるようにメインダンパー11の開閉度を調整し、ドラム2内にて発生するガス量に見合った量を排風機12にて吸引排気している。
【0030】
なお、前記静圧制御の設定値は、ドラム2内にて発生するガスを略過不足なしに排気できるように、外気圧と略同じ、好ましくは若干負圧に、例えば−10〜−30Pa程度の値を設定する。これによって、骨材の性状や供給量の変動等に応じてバーナ燃焼量や発生する水蒸気量に変動が生じても過不足なく吸引排気し、排気不足によるドラム2からの吹き出しや、排気過多によって無駄な外気をドラム2内に導入してガス温度を低下させないようにしている。
【0031】
上記構成に加えて、並流加熱方式の運転ができるように、前記骨材供給ホッパ5側に主バーナ8より小さい副バーナ16を配設するとともに、骨材排出ホッパ7に前記副バーナ16の燃焼による排ガスを排気する第二排気ダクト17を連結する一方、該第二排気ダクト17の末端を第一排気ダクト9に連結している。
【0032】
また、前記第一排気ダクト9及び第二排気ダクト17のそれぞれには排ガスの流れを遮断する第一開閉ダンパー18及び第二開閉ダンパー19を備え、副バーナ8の燃焼時には第一開閉ダンパー18を閉塞し、かつ第二開閉ダンパー19を開放することで、供給する骨材の流れと熱風の流れを同一方向とした並流加熱方式にて骨材を加熱できるようにしている。
【0033】
また、前記第二排気ダクト17には排ガス温度検出用の排ガス温度センサ20を備え、該排ガス温度センサ20にて検出する排ガス温度が所定の設定値となるように副バーナ16の燃焼量を制御している。また、前記副バーナ16を備えた骨材供給ホッパ5内の隅部には静圧検出用の第二静圧センサ21を備え、並流加熱方式にて骨材を加熱するときには、前記第二静圧センサ21にて検出する静圧値が所定の設定値となるようにメインダンパー11の開閉度を調整し、前記排風機12にてドラム2内にて発生するガス量に見合った量を過不足なく吸引排気するようにしている。
【0034】
図中の22はドライヤ1を運転するための運転制御器であって、向流加熱方式にて運転する制御手段を組み込んだ向流加熱モードと並流加熱方式にて運転する制御手段を組み込んだ並流加熱モードとの各運転モードを記憶すると共に、各運転モードの運転制御に必要な骨材温度設定値、排ガス温度設定値、及び静圧設定値などの初期設定値等を記憶する記憶部23を備えている。
【0035】
また、前記運転制御器22には、主バーナ8を燃焼させる向流加熱モード運転時に必要とする、骨材温度センサ14により検出する加熱骨材温度値、及び主バーナ8側の骨材排出ホッパ7内の隅部に備えた第一静圧センサ15により検出する静圧値を取り込む一方、副バーナ16を燃焼させる並流加熱モードの運転時に必要とする、排ガス温度センサ20により検出する排ガス温度値、及び副バーナ16側の骨材供給ホッパ5内の隅部に備えた第二静圧センサ21により検出する静圧値等を取り込むと共に、取り込んだ検出値に基づいて主バーナ8または副バーナ16の燃焼量、メインダンパー11の開閉等の制御信号を出力する入出力部24を備えている。
【0036】
また、前記運転制御器22には、向流加熱モードまたは並流加熱モードのいずれかを選択操作する運転モード選択部25を備えると共に、該運転モード選択部25にて向流加熱モードまたは並流加熱モードのいずれかを選択すれば、記憶部23から対応する運転モード及び初期設定値を取り込み、選択された運転モードにてバーナ燃焼制御、静圧/排風量制御を遂行する制御部26を備えている。
【0037】
そして、通常運転時には運転制御器22の運転モード選択部25にて向流加熱モードを選択する。向流加熱モードを選択すると、第一開閉ダンパー18を開放し、第二開閉ダンパー19が閉塞される。そして、骨材供給コンベヤ4側より骨材を供給してドラム2内を流下させる間に、主バーナ8から供給する熱風と向流接触させて所定温度にまで加熱する。このとき、骨材温度センサ14にて検出される加熱骨材温度と設定値との差値量に基づいて主バーナ8の燃焼量を調整制御すると共に、主バーナ8近傍の第一静圧センサ15にて検出される静圧値と設定値との差値量に基づいてメインダンパー11の開度(または排風機12の回転数)を調整して排風量を制御する。
【0038】
また、バーナ燃焼量が減少する新材の少量送り時または中温化合材用の新材加熱処理時には、運転制御器22の運転モード選択部25にて並流加熱モードを選択する。並流加熱モードを選択すると、前記したダンパーの開閉と反対に、第一開閉ダンパー18を閉塞し、第二開閉ダンパー19が開放され、主バーナ8に代えて副バーナ16を燃焼させる。該副バーナ16より供給する熱風は、骨材の流れと同一方向に流れ、並流接触させて骨材を所定温度まで加熱する。このとき、排ガス温度センサ20にて検出される排ガス温度と設定値との差値量に基づいて副バーナ16の燃焼量を調整制御すると共に、副バーナ16近傍の第二静圧センサ21にて検出される静圧値と設定値との差値量に基づいてメインダンパー11の開度(または排風機12の回転数)を調整して排風量を制御する。
【0039】
このように、新材の少量送り時または中温化合材用の新材加熱処理時など、バーナ燃焼量を減少させるなどドライヤの運転状況が大きく変動しても、並流加熱方式で運転すれば向流加熱方式よりも加熱効率が劣るものの、排ガス温度が加熱骨材温度よりも高くなり、排ガス温度にてバーナ燃焼量を制御しても加熱骨材温度をそれなりにコントロールでき、かつ排ガス温度設定値を露点温度以上に設定することで、結露による支障が生じることはない。
【0040】
また、向流加熱方式にてバーナ燃焼量を減少させて運転すると、排ガス温度がそれなりに低下するので、骨材供給ホッパ5付近のドラム内雰囲気温度が低下し、その部分へ湿潤した骨材が供給されると、含水量が多くて粒度の細かい砂が図示しない逆止羽根や掻き上げ羽根に付着し、羽根機能の低下や腐食などの不具合が生じることもあり得るが、このような場合に並流加熱方式にて運転すれば副バーナ16の燃焼によって骨材供給ホッパ5付近のドラム内が高温となり、前記の不具合が生じることもない。
【符号の説明】
【0041】
1…ドライヤ 2…ドラム
4…骨材供給コンベヤ 5…骨材供給ホッパ
6…骨材排出口 7…骨材排出ホッパ
8…主バーナ 9…第一排気ダクト
10…バグフィルタ 11…メインダンパー
12…排風機 14…骨材温度センサ
15…第一静圧センサ 16…副バーナ
17…第二排気ダクト 18…第一開閉ダンパー
19…第二開閉ダンパー 20…排ガス温度センサ
21…第二静圧センサ 22…運転制御器