(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部(200)は、前記検出手段(210)によりある金種に係る前記収納繰出部(52)が前記特定状態となったことが検出された場合に、自動で次の金種に係る前記収納繰出部(52)から貨幣を繰り出させて前記出金部(90)に送るよう各前記収納繰出部(52)を制御する、請求項1または2記載の貨幣処理装置(10)。
前記制御部(200)は、前記検出手段(210)によりある金種に係る前記収納繰出部(52)が前記特定状態となったことが検出された場合に、確認指令が前記制御部(200)に入力されたことを条件として次の金種に係る前記収納繰出部(52)から貨幣を繰り出させて前記出金部(90)に送るよう各前記収納繰出部(52)を制御する、請求項1または2記載の貨幣処理装置(10)。
前記特定状態は、出金されるべき貨幣が前記収納繰出部(52)において不足している状態のことである、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の貨幣処理装置(10)。
前記制御部(200)は、出金されるべき貨幣のうち前記収納繰出部(52)から繰り出し可能な貨幣が全て前記出金部(90)に送られた後に、前記検出手段(210)による検出情報が前記記憶部(206)に記憶されている場合に、前記特定状態となっていることが前記検出手段(210)により検出された前記収納繰出部(52)に係る金種の貨幣の補充処理を行うことができるようになっている、請求項5記載の貨幣処理装置(10)。
前記制御部(200)は、出金されるべき貨幣のうち前記収納繰出部(52)から繰り出し可能な貨幣が全て前記出金部(90)に送られた後に、前記検出手段(210)による検出情報が前記記憶部(206)に記憶されている場合に、出金されるべき貨幣のうち前記出金部(90)に送られなかった貨幣に関する情報を出力する、請求項5または6記載の貨幣処理装置(10)。
貨幣を金種毎に収納するとともに収納されている貨幣を繰り出し可能な複数の収納繰出部(52)と、各前記収納繰出部(52)から繰り出された貨幣を出金するための出金部(90)とを備えた貨幣処理装置(10)による貨幣処理方法であって、
貨幣の出金処理を行う際に、前記収納繰出部(52)から貨幣を金種毎に繰り出させて前記出金部(90)に送る工程と、
前記収納繰出部(52)から貨幣を金種毎に繰り出させて前記出金部(90)に送る際に当該収納繰出部(52)から貨幣を繰り出すことができなくなる特定状態となったことを前記収納繰出部(52)毎に検出する工程と、
前記収納繰出部(52)が前記特定状態となったことが検出された場合に検出情報を記憶部(206)に記憶させる工程と、
出金されるべき貨幣のうち前記収納繰出部(52)から繰り出し可能な貨幣が全て前記出金部(90)に送られた後に、検出情報が前記記憶部(206)に記憶されている場合には、前記特定状態となった金種とは異なる金種の貨幣を収納する前記収納繰出部(52)から貨幣を出金せずに前記収納繰出部(52)が前記特定状態である旨の情報を出力する工程と、
を備えた、貨幣処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図14は、本実施の形態による硬貨処理装置およびこのような硬貨処理装置による硬貨処理方法を示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態による硬貨処理装置の外観を示す斜視図であり、
図2乃至
図4は、それぞれ、
図1に示す硬貨処理装置を正面側、左側方、右側方から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図である。また、
図5は、
図1等に示す硬貨処理装置における入金繰出部および入金搬送部を上方から見たときの構成を示す構成図である。また、
図6は、
図1等に示す硬貨処理装置における各構成部材間での硬貨の流れを示す説明図である。また、
図7は、
図1等に示す硬貨処理装置における制御系の構成を示す機能ブロック図である。また、
図8は、
図1等に示す硬貨処理装置においてバラ硬貨の出金処理が行われる際の動作を示すフローチャートである。また、
図9乃至
図14は、それぞれ、
図1等に示す硬貨処理装置においてバラ硬貨の出金処理や割込装填処理が行われる際の操作表示部の表示画面を示す図である。なお、
図4において包装部により形成された包装硬貨や包装硬貨収納部に収納されている包装硬貨、包装硬貨搬送部により搬送されている包装硬貨等を参照符合Wで示している。
【0023】
本実施の形態による硬貨処理装置10は、バラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨に紙やフィルム等の包装媒体を巻くことにより包装硬貨を形成したりこの形成された包装硬貨の出金処理を行ったりすることができるようになっている。このような硬貨処理装置10の外観や内部構成の詳細について
図1乃至
図5を用いて説明する。
【0024】
本実施の形態による硬貨処理装置10は、略直方体形状の筐体12と、筐体12の上面に設けられた硬貨投入口21に投入されたバラ硬貨を筐体12の内部に繰り出す入金繰出部20と、入金繰出部20により繰り出されたバラ硬貨を搬送する入金搬送部28と、入金搬送部28により搬送されるバラ硬貨を識別する入金識別部29とを備えている。また、入金搬送部28には、入金識別部29により正常な硬貨ではないと識別されたバラ硬貨や入金識別部29により識別することができなかったバラ硬貨をリジェクト硬貨として選別するリジェクト選別部30、入金識別部29により特定の任意の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する任意選別部34、および入金識別部29により各々の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する複数の金種別選別部36がそれぞれ設けられている。また、筐体12の内部には、任意選別部34や各金種別選別部36により選別されたバラ硬貨を金種毎に一時的に保留する入金一時保留部40、および入金一時保留部40から送られたバラ硬貨を金種毎に収納するとともに収納されているバラ硬貨を繰り出すことができる複数の収納繰出部52がそれぞれ設けられている。また、筐体12の内部には、任意選別部34により選別されたバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装することによって包装硬貨を形成する包装部60、包装部60により形成された包装媒体を収納する包装硬貨収納部100および包装部60により形成された包装媒体を筐体12の内部で搬送する包装硬貨搬送部110がそれぞれ設けられている。このような硬貨処理装置10の各構成部材の詳細について以下に説明する。
【0025】
図2、
図3および
図5に示すように、入金繰出部20は、筐体12の上面に設けられた硬貨投入口21に投入されたバラ硬貨を受け入れる供給円盤22と、この供給円盤22からバラ硬貨が適量ずつ供給される回転円盤24と、回転円盤24からバラ硬貨を1枚ずつ入金搬送部28に繰り出す繰出機構26とを有している。
【0026】
図5に示すように、入金搬送部28は、入金繰出部20から繰り出されたバラ硬貨を搬送路に沿って搬送する搬送ベルトを有している。ここで、搬送ベルトとしては例えば入金搬送部28の搬送路に沿って移動する丸ベルトが用いられるようになっており、入金繰出部20から繰り出されたバラ硬貨は当該丸ベルトとの間で働く摩擦力により搬送路に沿って搬送されるようになっている。また、入金搬送部28には、当該入金搬送部28により搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行う入金識別部29が設けられている。入金識別部29によるバラ硬貨の識別情報は後述する制御部200に送られるようになっている。
【0027】
また、
図5に示すように、入金搬送部28には、入金識別部29により正常な硬貨ではないと識別されたバラ硬貨や入金識別部29により識別することができなかったバラ硬貨をリジェクト硬貨として選別するリジェクト選別部30が設けられている。また、
図3に示すように、筐体12の内部には、リジェクト選別部30により選別されたリジェクト硬貨としてのバラ硬貨が集積される入金リジェクト部38、およびリジェクト選別部30から入金リジェクト部38にリジェクト硬貨としてのバラ硬貨を送る入金リジェクト用シュート31がそれぞれ設けられている。ここで、
図1に示すように、操作者は筐体12の前面から入金リジェクト部38の内部にアクセス可能となっており、入金リジェクト部38に送られたリジェクト硬貨としてのバラ硬貨を操作者は筐体12の前面から取り出すことができるようになっている。
【0028】
また、入金搬送部28において、硬貨の搬送方向におけるリジェクト選別部30の下流側には、入金識別部29により特定の任意の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する任意選別部34が設けられている。ここで、任意選別部34により選別される特定の任意の金種の硬貨とは、例えばバラ硬貨の包装処理において包装部60によって包装媒体により包装されることにより包装硬貨とされるべきバラ硬貨や、特定の金種の硬貨の計数処理において袋装着部に装着される貯留袋75(
図3において二点鎖線で表示)に送られるべきバラ硬貨のことをいう。
【0029】
また、入金搬送部28において、硬貨の搬送方向における任意選別部34の更に下流側には、入金識別部29により各々の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する複数の金種別選別部36が設けられている。具体的には、複数の金種別選別部36として、硬貨の搬送方向における上流側から順に、5円硬貨を選別する5円硬貨選別部36a、1円硬貨を選別する1円硬貨選別部36b、50円硬貨を選別する50円硬貨選別部36c、100円硬貨を選別する100円硬貨選別部36d、10円硬貨を選別する10円硬貨選別部36eおよび500円硬貨を選別する500円硬貨選別部36fが設けられている。ここで、リジェクト選別部30、任意選別部34および5円硬貨選別部36aは、ソレノイド等の電気的駆動機構によって強制的にバラ硬貨を分岐孔に落とし込ませるような構成となっている。一方、1円硬貨選別部36b、50円硬貨選別部36c、100円硬貨選別部36dおよび10円硬貨選別部36eは、小径硬貨から大径硬貨の順にバラ硬貨を径の大きさで選別して該当する分岐孔に落とし込ませるような構成となっている。また、500円硬貨選別部36fは、5円硬貨選別部36a、1円硬貨選別部36b、50円硬貨選別部36c、100円硬貨選別部36dおよび10円硬貨選別部36eの各分岐孔に落とし込まれなかったバラ硬貨を500円硬貨として当該500円硬貨選別部36fに対応する分岐孔に落とし込ませるような構成となっている。
【0030】
また、
図2および
図3に示すように、筐体12の内部において入金搬送部28の下方には入金一時保留部40が設けられている。入金一時保留部40は、任意選別部34により選別されたバラ硬貨が一時的に保留される任意一時保留部42と、各金種別選別部36により選別されたバラ硬貨が金種別に一時的に保留される金種別一時保留部44とを有している。ここで、任意一時保留部42は、その上部および底部が開口した枠体から構成されている。また、金種別一時保留部44は、5円、1円、50円、100円、10円、500円の各金種に対応する保留領域44a、44b、44c、44d、44e、44fに区画された、その上部および底部が開口した枠体から構成されている。また、任意一時保留部42および金種別一時保留部44は互いに連結されており、これらの任意一時保留部42および金種別一時保留部44は一体的に水平方向に移動するようになっている。また、任意一時保留部42や金種別一時保留部44の下方には板状の底部材46が設けられており、これらの任意一時保留部42や金種別一時保留部44の枠体の底部に設けられた開口が底部材46により選択的に閉止されるようになっている。また、
図2および
図3に示すように、入金一時保留部40は、任意一時保留部42および金種別一時保留部44を水平方向(具体的には、
図2における左右方向)に移動させる第1駆動機構45と、底部材46を水平方向(具体的には、
図2における左右方向)に移動させる第2駆動機構47とを有している。
【0031】
また、
図2および
図3に示すように、筐体12の内部において入金一時保留部40の更に下方には、入金一時保留部40から送られたバラ硬貨を筐体12の外部に排出するための排出部50、入金一時保留部40から送られたバラ硬貨を金種毎に収納するとともに収納されているバラ硬貨を繰り出すことができる複数の収納繰出部52、入金一時保留部40の任意一時保留部42から送られたバラ硬貨を包装部60や後述する袋装着部に装着された貯留袋75に送るシュート機構70、および入金一時保留部40の任意一時保留部42から送られたバラ硬貨が収納されるバラ硬貨一括収納箱98(
図2や
図3では図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0032】
入金一時保留部40における金種別一時保留部44は、各金種別選別部36の分岐孔の真下かつ排出部50の真上の位置である第1位置と、各収納繰出部52の真上の位置である第2位置との間で
図2における左右方向に移動可能となっている。また、底部材46は、第1位置にある金種別一時保留部44の底部の開口を塞ぐ第1位置と、第1位置にある金種別一時保留部44の底部の開口を開く第2位置との間で
図2における左右方向に移動可能となっている。また、本実施の形態による硬貨処理装置10が待機状態にあるときには金種別一時保留部44は第1位置に位置するとともに底部材46も第1位置に位置するようになる。ここで、金種別一時保留部44が第1位置に位置するとともに底部材46が第1位置に位置しているときには、各金種別選別部36の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fに金種毎に一時的に保留されるようになる。そして、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fにバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第1駆動機構45により金種別一時保留部44が第1位置から第2位置に移動させられると、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域44a〜44fからバラ硬貨が自重により落下して各収納繰出部52の収納領域52a〜52f(後述)に金種毎に送られ、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに金種毎に収納されるようになる。一方、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fにバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第2駆動機構47により底部材46が第1位置から第2位置に移動させられると、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域44a〜44fからバラ硬貨が自重により落下して排出部50に送られ、この排出部50に金種混合状態で集積されるようになる。
【0033】
また、入金一時保留部40における任意一時保留部42は、第1駆動機構45による当該任意一時保留部42の移動方向(具体的には、
図2における左右方向)に沿って並ぶ第1保留領域および第2保留領域に区画されたものから構成されている。そして、金種別一時保留部44が第1位置に位置しているときには任意一時保留部42の第1保留領域が任意選別部34の分岐孔の真下に位置するとともに排出部50の真上に位置するようになる。なお、このときに底部材46が第1位置に位置しているときには任意一時保留部42の第1保留領域の底部の開口が当該底部材46により塞がれるようになり、任意選別部34の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は任意一時保留部42の第1保留領域に一時的に保留されるようになる。また、金種別一時保留部44が第2位置に位置しているときには任意一時保留部42の第1保留領域がバラ硬貨一括収納箱98の真上に位置するようになっている。そして、任意一時保留部42の第1保留領域にバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第1駆動機構45により金種別一時保留部44が第1位置から第2位置に移動させられると、任意一時保留部42の第1保留領域の底部に設けられた開口が開くことによりこの第1保留領域からバラ硬貨が自重により落下してバラ硬貨一括収納箱98に送られ、このバラ硬貨一括収納箱98に収納されるようになる。一方、任意一時保留部42の第1保留領域にバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第2駆動機構47により底部材46が第1位置から第2位置に移動させられると、任意一時保留部42の第1保留領域の底部に設けられた開口が開くことによりこの第1保留領域からバラ硬貨が自重により落下して排出部50に送られ、当該排出部50に集積されるようになる。また、第1駆動機構45によって、入金一時保留部40における任意一時保留部42を、その第2保留領域が任意選別部34の分岐孔の真下に位置するような第3位置に移動させることができるようになっている。ここで、任意一時保留部42が第3位置に位置しているときには、任意選別部34の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は任意一時保留部42の第2保留領域に送られた後、この第2保留領域を通過してシュート機構70の上部シュート72(後述)に送られるようになっている。
【0034】
図3等に示すように、複数の収納繰出部52の各々は、それぞれ、5円、1円、50円、100円、10円、500円の各金種に対応する収納領域52a、52b、52c、52d、52e、52fを有しており、これらの収納領域52a〜52fにバラ硬貨が金種別に収納されるようになっている。より詳細には、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fには、入金一時保留部40の金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fからバラ硬貨がそれぞれ送られるようになっている。また、各収納繰出部52において収納領域52a〜52fの底部には回転円盤等の硬貨繰出部52pがそれぞれ設けられており、各硬貨繰出部52pにより各収納繰出部52の収納領域52a〜52fからバラ硬貨が1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、各収納繰出部52の下方には水平方向に延びるコンベア54が設けられており、各硬貨繰出部52pにより各収納繰出部52の収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨はコンベア54により搬送されるようになっている。ここで、コンベア54には、当該コンベア54により搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行う出金識別部55が設けられている。出金識別部55によるバラ硬貨の識別情報は後述する制御部200に送られるようになっている。また、出金識別部55により識別されたバラ硬貨はコンベア54により出金用シュート58を介して出金箱90に送られるか、あるいは包装用シュート57を介して包装部60に送られるようになっている。
【0035】
排出部50は、筐体12の前面から操作者が手前側に引き出し可能な返却箱50aを有しており、入金一時保留部40における任意一時保留部42の第1保留領域や金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fから送られたバラ硬貨が金種混合状態で集積されるようになっている。
【0036】
バラ硬貨一括収納箱98は、筐体12の前面から操作者が手前側に引き出し可能となっており、入金一時保留部40における任意一時保留部42の第1保留領域から送られたバラ硬貨が集積されるようになっている。
【0037】
図3に示すように、シュート機構70は、入金一時保留部40における任意一時保留部42の第2保留領域から送られたバラ硬貨が通過する上部シュート72と、この上部シュート72から分岐した貯留用シュート74および包装用シュート76とを有しており、上部シュート72から貯留用シュート74や包装用シュート76への分岐箇所には分岐部材78が設けられている。ここで、上部シュート72から分岐部材78により包装用シュート76に分岐させられたバラ硬貨は包装部60に送られるようになっている。一方、
図1に示すように、貯留用シュート74の下流側端部に位置する排出側開口74aは筐体12の前面に開口するようになっており、この排出側開口74aの近傍には、
図3において二点鎖線で示すような貯留袋75を筐体12の側面に装着させる袋装着部(図示せず)が設けられている。そして、袋装着部に貯留袋75が装着されているときには、上部シュート72から分岐部材78により貯留用シュート74に分岐させられたバラ硬貨は排出側開口74aから貯留袋75に送られてこの貯留袋75に貯留されるようになる。
【0038】
出金箱90は、筐体12の前面から操作者が手前側に引き出し可能となっており、本実施の形態による硬貨処理装置10においてバラ硬貨の出金処理が行われる際に、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨がコンベア54により出金用シュート58を介して出金箱90に送られるようになっている。また、出金箱90には、操作者が当該出金箱90を筐体12の前面から手前側に引き出す際に把持される取っ手90aが設けられており、このような取っ手90aを操作者が把持することにより出金箱90を筐体12から容易に引き出すことができるようになっている。また、出金箱90には図示しないロック機構が設けられており、このロック機構により出金箱90は筐体12の内部にロックされるようになっている。一方、ロック機構によるロックが解除されると、操作者は出金箱90を筐体12の前面から手前側に引き出すことができるようになる。また、
図2に示すように、出金箱90の底部には開口が設けられているとともに、この開口はシャッタ部材92により選択的に閉じられるようになっている。また、筐体12の下部には、出金リジェクト箱56と、出金箱90の底部に設けられた開口から出金リジェクト箱56にバラ硬貨を送る出金リジェクト用シュート94がそれぞれ設けられている。そして、本実施の形態による硬貨処理装置10においてバラ硬貨の出金処理が行われる際に、出金されるべきバラ硬貨の金種とは異なる金種のバラ硬貨が収納繰出部52の各収納領域52a〜52fから繰り出されて出金箱90に送られたり、収納繰出部52の各収納領域52a〜52fからのバラ硬貨の繰り出しエラーによって各収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨の枚数が不確定となってしまったりした場合には、出金箱90の底部に設けられた開口がシャッタ部材92により開かれ、出金箱90に送られたバラ硬貨はこの出金箱90から出金リジェクト用シュート94を介して出金リジェクト箱56に送られるようになる。
【0039】
包装部60は、シュート機構70の包装用シュート76や包装用シュート57により当該包装部60に送られたバラ硬貨が集積されるとともに集積されたバラ硬貨を1枚ずつ繰り出す集積部としての回転円盤62と、回転円盤62により繰り出されたバラ硬貨を搬送するコンベア63と、コンベア63により搬送されたバラ硬貨が積層状態で集積されるとともに集積された所定の枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装する包装機構68とを有している。ここで、包装機構68は上方から見て仮想の正三角形の各頂点に位置する3本の包装ローラ68aを有しており、各包装ローラ68aの間の包装領域において所定枚数重積した重積硬貨が包装媒体により包装されて包装硬貨が形成されるようになっている。
図4に示すように、包装機構68により形成された包装硬貨はこの包装機構68から下方に排出されるようになっている。また、包装機構68の下方には包装硬貨用シュート65および横搬送部67が設けられており、包装機構68により形成された包装硬貨が当該包装機構68から下方に排出されると、この排出された包装硬貨は包装硬貨用シュート65を通って横搬送部67に送られ、この横搬送部67により包装硬貨搬送部110に向かって搬送されるようになる。また、横搬送部67と包装硬貨搬送部110との間には、横搬送部67から包装硬貨搬送部110への包装硬貨の放出と放出規制とを切り換える切換部材69が設けられている。
【0040】
また、
図2等に示すように、包装部60においてコンベア63の下方には排出シュート64が設けられており、包装機構68により所定の枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨を包装する際に所定の枚数に満たない端数分のバラ硬貨はコンベア63から排出シュート64に送られてこの排出シュート64により出金リジェクト箱56に送られるようになっている。また、出金リジェクト箱56の近傍には、端数分のバラ硬貨を収納する端数硬貨収納箱97が設けられているとともに、この出金リジェクト箱56には、排出シュート64から送られた端数分のバラ硬貨を出金リジェクト箱56および端数硬貨収納箱97の何れかに分岐させる分岐部材96が設けられている。このような分岐部材96が設けられていることにより、コンベア63から排出シュート64に送られた端数分のバラ硬貨を出金リジェクト箱56および端数硬貨収納箱97のうち何れかに収納させることができるようになる。
【0041】
図4に示すように、包装硬貨搬送部110は、筐体12の内部における上部および下部にそれぞれ設けられた2つのプーリ112と、これらの2つのプーリ112に掛け渡された無端状の循環ベルト114と、2つのプーリ112のうち一方のプーリ112を回転駆動させることにより循環ベルト114を
図4における反時計回りの方向に循環移動させる駆動モータ(図示せず)とを有している。また、
図4に示すように、循環ベルト114には、包装硬貨搬送部110により搬送されるべき包装硬貨が引っ掛けられる突起116が等間隔で複数設けられている。ここで、各突起116は、当該突起116と包装硬貨とが接する面が循環ベルト114の延びる方向(すなわち、
図4における上下方向)に対して所定の角度(例えば、60°)をなして傾斜する方向に当該循環ベルト114から突出して形成されている。このように各突起116が循環ベルト114の延びる方向に対して傾斜していることにより、突起116に引っ掛けられた包装硬貨はその自重により突起116上で循環ベルト114側に寄せられるようになる。そして、循環ベルト114が
図4における反時計回りの方向に循環移動すると、包装硬貨は突起116に引っ掛けられた状態で(すなわち、突起116上で循環ベルト114側に寄せられた状態で)循環ベルト114の移動に合わせて
図4における反時計回りの方向に沿って搬送されるようになる。また、本実施の形態では、循環ベルト114は、所定量だけ移動すると所定時間だけ停止し、その後再び所定量だけ移動するような動作が繰り返し行われる間欠移動を行うよう、駆動モータにより駆動させられるようになっている。
【0042】
また、
図4に示すように、筐体12の内部において包装硬貨搬送部110の近傍には、包装硬貨の収納を行う包装硬貨収納部100が設けられている。ここで、包装硬貨収納部100は、同一金種の複数の包装硬貨を一列に収納する複数(
図4に示す例では6つ)の収納トレイ102を有しており、各収納トレイ102には包装硬貨が金種別に収納されるようになっている。ここで、各収納トレイ102は水平方向に対して傾斜しており、収納トレイ102に収納されている包装硬貨は、包装硬貨搬送部110に近い側である収納トレイ102の最前部に向かって転がるようになっている。また、各収納トレイ102は鉛直方向に沿って並ぶよう配置されている。また、各収納トレイ102は、
図4に示す位置から包装硬貨搬送部110に向かって(すなわち、
図4における左方向に)移動可能となっており、各収納トレイ102が包装硬貨搬送部110における循環ベルト114の近傍の位置まで進出したときに、各収納トレイ102に収納されている包装硬貨が循環ベルト114の突起116に1つずつ受け渡されるようになる。また、各収納トレイ102の前端部分(すなわち、
図4における左端部分)と、包装硬貨搬送部110との間には、各収納トレイ102に対応して複数のストッパ部分104aが設けられたストッパ機構104が上下方向に移動可能に配置されている。このストッパ機構104が下降位置にあるときには、包装硬貨搬送部110に向かって進出した収納トレイ102の最前部の包装硬貨にストッパ部分104aが接触してこの最前部の包装硬貨が循環ベルト114の突起116に受け渡されないようになる。この場合には、循環ベルト114により搬送される包装硬貨が突起116から収納トレイ102の最前部に受け渡され、この収納トレイ102に収納されるようになる。一方、ストッパ機構104が上昇位置にあるときには、包装硬貨搬送部110に向かって進出した収納トレイ102の最前部の包装硬貨にストッパ部分104aが接触せず、この最前部の包装硬貨が循環ベルト114の突起116に受け渡されるようになる。
【0043】
また、筐体12の前面において包装硬貨搬送部110の前部域には、包装硬貨出金部130、包装硬貨一括収納箱132および包装硬貨投出部136がそれぞれ設けられている。また、包装硬貨出金部130および包装硬貨一括収納箱132の各々に対応して、包装硬貨搬送部110の循環ベルト114により搬送される包装硬貨を選択的に包装硬貨出金部130および包装硬貨一括収納箱132にそれぞれ分岐させる分岐部材118、119が設けられている。ここで、
図1に示すように、操作者は筐体12の前面から包装硬貨出金部130にアクセス可能となっており、包装硬貨出金部130に送られた包装硬貨を操作者は筐体12の外部に取り出すことができるようになっている。また、
図3に示すように、包装部60により形成された包装硬貨を包装硬貨投出部136に送る包装硬貨投出用シュート134が筐体12の内部に設けられており、包装部60により形成された包装硬貨は包装硬貨投出用シュート134を介して包装硬貨投出部136に直接送られるようになっている。また、
図1に示すように、操作者は筐体12の前面から包装硬貨投出部136にアクセス可能となっており、包装部60から包装硬貨投出部136に直接送られた包装硬貨を操作者は筐体12の外部に取り出すことができるようになっている。
【0044】
また、
図7に示すように、本実施の形態による硬貨処理装置10には、当該硬貨処理装置10の各構成部材の制御を行う制御部200が設けられている。具体的には、制御部200には、入金繰出部20、入金搬送部28、入金識別部29、リジェクト選別部30、任意選別部34、各金種別選別部36、入金一時保留部40、各収納繰出部52、コンベア54、出金識別部55、包装部60、分岐部材78、分岐部材96、包装硬貨収納部100、包装硬貨搬送部110、分岐部材118、119等がそれぞれ接続されている。ここで、入金識別部29や出金識別部55によるバラ硬貨の識別情報はこれらの入金識別部29や出金識別部55から制御部200に送られるようになっている。また、制御部200は、硬貨処理装置10の各構成部材に指令の信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
【0045】
また、制御部200には操作表示部202、印字部204、記憶部206および通信インターフェース部208がそれぞれ接続されている。操作表示部202は、例えば筐体12の上部に設けられたタッチパネル等からなり、硬貨処理装置10における硬貨の処理状況や、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨の金種毎の在高および包装硬貨収納部100の各収納トレイ102に収納されている包装硬貨の金種毎の在高等の情報を表示するようになっている。また、操作者はこの操作表示部202により制御部200に様々な指令を入力することができるようになっている。また、印字部204は、硬貨処理装置10における硬貨の処理状況や、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨の金種毎の在高および包装硬貨収納部100の各収納トレイ102に収納されている包装硬貨の金種毎の在高等の情報をレシート等に印刷するプリンタ等から構成されている。また、記憶部206は、硬貨処理装置10における硬貨の処理履歴や、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨の金種毎の在高および包装硬貨収納部100の各収納トレイ102に収納されている包装硬貨の金種毎の在高等の情報を記憶するようになっている。また、制御部200は通信インターフェース部208を介して上位端末等の外部装置に対して様々な信号の送受信を行うことができるようになっている。
【0046】
また、制御部200には、各収納繰出部52が特定状態となったことを収納繰出部52毎に検出する特定状態検出手段210が接続されている。ここで、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態は、収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出すことができない状態のことをいう。具体的には、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態は、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足している状態や、収納繰出部52の硬貨繰出部52p等においてバラ硬貨の詰まりが発生した状態のことをいう。また、特定状態検出手段210により収納繰出部52が特定状態となったことが検出された場合には当該特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されるようになっている。また、制御部200は、バラ硬貨の出金処理を行う際に、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部52から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金箱90に送られた後に、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合には収納繰出部52が特定状態である旨の情報を出力するようになっている。このような特定状態検出手段210に関する動作の詳細については後述する。
【0047】
次に、このような構成からなる硬貨処理装置10の動作(とりわけ、硬貨処理装置10におけるバラ硬貨の出金処理に係る動作)について
図8に示すフローチャートおよび
図9乃至
図14に示す操作表示部202の表示画面を用いて説明する。なお、以下に示すような硬貨処理装置10の動作は、制御部200が硬貨処理装置10の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
【0048】
本実施の形態による硬貨処理装置10では、各収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の在高に係る情報(具体的には、例えば各収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の金種毎の枚数等の情報)が記憶部206に記憶されている。また、操作者によって操作表示部202によりバラ硬貨の出金処理開始の指令が入力されたり、上位端末等の外部装置から通信インターフェース部208を介してバラ硬貨の出金処理開始の指令が制御部200に送信されたりすると、制御部200において出金処理開始の指令が受け付けられるようになる(STEP1)。なお、この際に、
図9に示すように、操作者は操作表示部202により出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数を入力するようになる。
図9に示す例では、出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数として、5枚の500円硬貨、5枚の100円硬貨、5枚の50円硬貨、5枚の10円硬貨、5枚の5円硬貨、5枚の1円硬貨が入力されている。なお、操作者が操作表示部202により出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数を入力する代わりに、上位端末等の外部装置から通信インターフェース部208を介して制御部200に出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数に係る情報が送信されるようになっていてもよい。
【0049】
制御部200において出金処理開始の指令が受け付けられると、当該制御部200において、記憶部206に記憶されている各収納繰出部52におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨が各収納繰出部52において不足している状態であるか否かが判断される(STEP2)。ここで、記憶部206に記憶されている各収納繰出部52におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨の全ての金種について収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の枚数が出金されるべきバラ硬貨の枚数以上であると制御部200により判断された場合には(STEP2の「NO」)、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作が行われる(STEP5)。具体的には、収納繰出部52の各収納領域52a〜52fに収納されているバラ硬貨のうち出金されるべきバラ硬貨が回転円盤等の硬貨繰出部52pにより1枚ずつ各収納領域52a〜52fから繰り出される。そして、収納繰出部52の各収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨はコンベア54により出金用シュート58に送られ、出金用シュート58に送られたバラ硬貨は自重により落下して出金箱90に送られてこの出金箱90に収納されるようになる。また、バラ硬貨の出金処理が行われる際に収納繰出部52の各収納領域52a〜52fから繰り出されるバラ硬貨の金種の順番は予め設定されている。具体的には、例えば、5円硬貨、1円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、10円硬貨、500円硬貨の順に収納繰出部52の各収納領域52a〜52fからバラ硬貨が繰り出されるようになっている。
【0050】
一方、制御部200において出金処理開始の指令が受け付けられたときに(STEP1)、記憶部206に記憶されている各収納繰出部52におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨の各金種のうち少なくとも1つの金種について収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の枚数が出金されるべきバラ硬貨の枚数よりも少ない場合には、制御部200において出金されるべきバラ硬貨が各収納繰出部52において不足している状態であると判断される(STEP2の「YES」)。この場合には、バラ硬貨の割込装填処理等を促す旨のメッセージが操作表示部202に表示されるようになる(STEP3)。ここで、バラ硬貨の割込装填処理の詳細については後述する。そして、不足している金種のバラ硬貨について割込装填処理(すなわち、不足している金種のバラ硬貨を硬貨投入口21に投入することによって各収納繰出部52にバラ硬貨を補充する処理)が行われると(STEP4のYES)、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作が行われる(STEP5)。
【0051】
また、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作が行われる際に(STEP5)、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足していることが特定状態検出手段210により検出された場合には(STEP6の「YES」)、制御部200は特定状態検出手段210による検出情報を記憶部206に記憶させる(STEP7)。ここで、記憶部206に記憶されている各収納繰出部52におけるバラ硬貨の在高と、実際に各収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の枚数とが異なる場合がある。このため、記憶部206に記憶されている各収納繰出部52におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨の全ての金種について収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の枚数が出金されるべきバラ硬貨の枚数以上であると制御部200により判断された場合でも、実際に出金されるべきバラ硬貨が各収納繰出部52から繰り出される際に収納繰出部52において出金されるべきバラ硬貨が不足してしまうことがある。このようなときには、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足していることが特定状態検出手段210により検出されるようになる。
【0052】
また、制御部200は、特定状態検出手段210によりある金種に係る収納繰出部52が特定状態となったことが検出された場合に、自動で次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出させて出金箱90に送るよう各収納繰出部52を制御するようになっている。なお、このような動作が行われる代わりに、制御部200は、特定状態検出手段210によりある金種に係る収納繰出部52が特定状態となったことが検出された場合に、確認指令が当該制御部200に入力されたことを条件として次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出させて出金箱90に送るよう各収納繰出部52を制御するようになっていてもよい。具体的には、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足していることが特定状態検出手段210により検出された場合には、各収納繰出部52からのバラ硬貨の繰り出し動作が中断されるとともに操作表示部202には
図10に示すような画面が表示されるようになる。そして、操作者が操作表示部202の表示画面における「スキップ」ボタンを押下すると、次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨が繰り出されて出金箱90に送られるようになる。
【0053】
また、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作が行われる際に、ある金種について収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作が行われた後、出金されるべき硬貨について他の金種がある場合には(STEP8の「YES」)、
図8のフローチャートにおけるSTEP5〜STEP7に示す動作が他の金種のバラ硬貨について引き続き行われるようになる。
【0054】
上述したような、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作について具体的に説明すると、出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数として、例えば、5枚の500円硬貨、5枚の100円硬貨、5枚の50円硬貨、5枚の10円硬貨、5枚の5円硬貨、5枚の1円硬貨が入力されたときに(
図9参照)、実際に各収納繰出部52に収納されているバラ硬貨の金種毎の枚数が例えば50円硬貨5枚、1円硬貨2枚、50円硬貨2枚、100円硬貨5枚、10円硬貨2枚、500円硬貨5枚である場合には、まず50円硬貨に対応する収納繰出部52から50円硬貨が5枚繰り出されて出金箱90に送られるが、次に収納繰出部52から繰り出されるべき金種である1円硬貨について当該1円硬貨に対応する収納繰出部52における1円硬貨の収納枚数が2枚であり出金すべき枚数(すなわち、5枚)よりも少ないため、1円硬貨に対応する収納繰出部52から1円硬貨が2枚繰り出されて出金箱90に送られるとともに1円硬貨が3枚不足していることが特定状態検出手段210により検出され、この特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されるようになる。そして、上述したように、自動で次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨が繰り出されて出金箱90に送られるか、あるいは各収納繰出部52からのバラ硬貨の繰り出し動作が中断されるとともに操作表示部202に
図10に示すような画面が表示される。後者の場合には、操作者によって操作表示部202の表示画面における「スキップ」ボタンが押下されることにより次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨が繰り出されて出金箱90に送られるようになる。
【0055】
また、その次に収納繰出部52から繰り出されるべき金種である50円硬貨について当該50円硬貨に対応する収納繰出部52における50円硬貨の収納枚数も2枚であり出金すべき枚数(すなわち、5枚)よりも少ないため、50円硬貨に対応する収納繰出部52から50円硬貨が2枚繰り出されて出金箱90に送られるとともに50円硬貨が3枚不足していることが特定状態検出手段210により検出され、この特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されるようになる。その後、100円硬貨に対応する収納繰出部52から100円硬貨が5枚繰り出されて出金箱90に送られる。
【0056】
また、その次に収納繰出部52から繰り出されるべき金種である10円硬貨について当該10円硬貨に対応する収納繰出部52における10円硬貨の収納枚数が2枚であり出金すべき枚数(すなわち、5枚)よりも少ないため、10円硬貨に対応する収納繰出部52から10円硬貨が2枚繰り出されて出金箱90に送られるとともに10円硬貨が3枚不足していることが特定状態検出手段210により検出され、この特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されるようになる。その後、500円硬貨に対応する収納繰出部52から500円硬貨が5枚繰り出されて出金箱90に送られる。
【0057】
出金されるべきバラ硬貨の全ての金種について収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送ることにより、出金されるべき硬貨について他の金種がなくなった場合には(STEP8の「NO」)、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されているか否かの判断が制御部200により行われる(STEP9)。ここで、出金されるべきバラ硬貨の全ての金種について特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されていないと制御部200により判断された場合には(STEP9の「NO」)、すなわち出金されるべきバラ硬貨の全ての金種に係る収納繰出部52について特定状態検出手段210により特定状態が検出されなかった場合には、出金箱90を筐体12の内部にロックするためのロック機構による出金箱90のロックが解除され(STEP12)、操作者は出金箱90を筐体12の前面から手前側に引き出すことができるようになる。また、出金されるべき全ての金種のバラ硬貨が出金箱90に送られると操作表示部202には
図14に示すような出金箱90からバラ硬貨を取り出すことを促す画面が表示されるようになる。このようにして、操作者は出金箱90を筐体12の前面から手前側に引き出した後、出金硬貨を出金箱90から取り出すことができるようになる。また、ロック機構による出金箱90のロックが解除されると、出金情報(具体的には、出金されたバラ硬貨の金種毎の枚数や合計金額、取引日時、等)が印字部204によりレシートに印字されるようになる(STEP13)。一方、出金されるべきバラ硬貨の金種とは異なる金種のバラ硬貨が収納繰出部52の各収納領域52a〜52fから繰り出されて出金箱90に送られたり、収納繰出部52の各収納領域52a〜52fからのバラ硬貨の繰り出しエラーによって各収納領域52a〜52fから繰り出されたバラ硬貨の枚数が不確定となってしまったりした場合には、出金箱90の底部に設けられた開口がシャッタ部材92により開かれ、出金箱90に送られたバラ硬貨はこの出金箱90から出金リジェクト用シュート94を介して出金リジェクト箱56に送られ、一連の出金動作が再実行されるようになる。
【0058】
また、出金されるべきバラ硬貨の少なくとも1つの金種について特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されていると制御部200により判断された場合には(STEP9の「YES」)、制御部200は、特定状態となっていることが特定状態検出手段210により検出された収納繰出部52に係る金種のバラ硬貨の割込装填処理(言い換えると、バラ硬貨の補充処理)を行うことができるようになっている。また、この場合には、制御部200は、出金されるべきバラ硬貨のうち出金箱90に送られなかったバラ硬貨に関する情報を出力するようになっている。より詳細には、不足している金種のバラ硬貨に係る情報(具体的には、50円硬貨が3枚、10円硬貨が3枚、1円硬貨が3枚それぞれ不足しているという情報)が制御部200から出力され、
図11に示すように、制御部200により出力された情報が操作表示部202に表示されるとともに、バラ硬貨の割込装填処理等を促す旨のメッセージが操作表示部202に表示されるようになる(STEP10)。
図11に示すような画面が操作表示部202に表示されると、操作者はまず出納係等の所定の担当者を呼ぶ。なお、出納係等の所定の担当者がバラ硬貨の出金処理を行っている場合には、この担当者が引き続き以下に示すような割込装填処理を行うようになる。そして、
図11に示す画面において所定の担当者が「割込装填」のボタンを押下すると、この担当者は不足している金種のバラ硬貨を硬貨投入口21に投入することによって各収納繰出部52にバラ硬貨を補充するような割込装填処理を行うことができるようになる。具体的には、
図12に示すように不足している金種のバラ硬貨を硬貨投入口21に投入することを所定の担当者に促すような画面が操作表示部202に表示されるようになる。そして、不足している金種のバラ硬貨が硬貨投入口21に投入されると、入金繰出部20から入金搬送部28にバラ硬貨が1枚ずつ繰り出され、この繰り出されたバラ硬貨は入金搬送部28により搬送される。また、入金搬送部28により搬送されるバラ硬貨は入金識別部29によりその金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別が行われる。そして、入金識別部29により正常な硬貨であると識別されたバラ硬貨は各金種別選別部36により金種毎に選別され、各金種別選別部36の分岐孔に送り込まれたバラ硬貨は入金一時保留部40における金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fに金種別に一時的に保留されるようになる。そして、硬貨投入口21に投入されたバラ硬貨が全て金種別一時保留部44に送られると、入金一時保留部40において金種別一時保留部44が自動で第1駆動機構45により第1位置から第2位置に移動させられ、金種別一時保留部44の各保留領域44a〜44fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域44a〜44fからバラ硬貨が自重により落下して各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに金種毎に送られ、各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに金種毎に収納されるようになる。このようにして、不足している金種のバラ硬貨が各収納繰出部52の収納領域52a〜52fに補充される。なお、このような動作が行われている間は操作表示部202において
図13に示すような画面が表示されるようになる。そして、不足している金種のバラ硬貨について割込装填処理が行われると(STEP11の「YES」)、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出して出金箱90に送るような動作が引き続き行われるようになる(STEP5)。その後、出金されるべき全ての金種のバラ硬貨が出金箱90に送られると操作表示部202には
図14に示すような出金箱90からバラ硬貨を取り出すことを促す画面が表示されるようになる。
【0059】
なお、出金されるべきバラ硬貨の少なくとも1つの金種について特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されていると制御部200により判断された場合に、出納係等の所定の担当者を呼ぶことを操作者に促す旨のメッセージ(例えば、「払い出せない貨幣があります。出納係をお呼びください」というメッセージ)が操作表示部202に表示されるようになっていてもよい。また、所定の担当者に対して所定の端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)が予め割り当てられており、出金されるべきバラ硬貨の少なくとも1つの金種について特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されていると制御部200により判断された場合に、所定の担当者が所持する所定の端末にこの情報が送信され、当該端末により所定の担当者に対して割込装填処理を行うことを促す旨の報知が行われるようになっていてもよい。この際に、不足している金種のバラ硬貨に係る情報も当該端末に送信されるようになっていてもよい。
【0060】
また、
図11に示すような表示画面が操作表示部202に表示されているときに、「割込装填」ボタンではなく「出金」ボタンが操作者により押下されると、各収納繰出部52に収納されているバラ硬貨のうち出金可能な金種のバラ硬貨を当該収納繰出部52から繰り出させて出金箱90に送るような動作が行われるようになる。この場合には、不足分のバラ硬貨については、出納係等の所定の担当者が、本実施の形態による硬貨処理装置10が設置された出納室に設けられた収納棚等に別保管されたバラ硬貨を取り出し、この取り出された不足分のバラ硬貨を操作者に手渡すような手払い動作が行われるようになる。また、
図11に示すような表示画面が操作表示部202に表示されているときに、「割込装填」ボタンではなく「手払い」ボタンが操作者により押下された場合にも上述した手払い動作が行われるようになる。また、このような手払い動作が行われると、硬貨処理装置10において手払いされたバラ硬貨の金種毎の枚数に係る情報が操作者によって操作表示部202により制御部200に入力され、この手払いされたバラ硬貨の金種毎の枚数に係る情報が記憶部206に記憶されるようになる。
【0061】
ここで、従来の硬貨処理装置10において複数の金種のバラ硬貨の出金処理を行う際に、出金されるべき複数の金種のバラ硬貨のうちある金種のバラ硬貨を収納繰出部52から繰り出している間に当該収納繰出部52が空状態となってしまい出金されるべき硬貨が不足してしまった場合には、バラ硬貨の出金処理が一時停止され、不足している金種のバラ硬貨を補充することを操作者に指示する旨の画面が操作表示部202に表示されるようになっていた。そして、操作者が出金箱90を抜き取って出金済の硬貨を出金箱90から取り出した後、出納係等の所定の担当者を呼んで不足している金種のバラ硬貨を硬貨処理装置10に補充すると(すなわち、バラ硬貨の割込装填処理を行うと)、当該硬貨処理装置10におけるバラ硬貨の出金処理が再開されるようになっていた。しかしながら、上述したような従来のバラ硬貨の出金処理では、複数の金種のバラ硬貨について出金されるべき硬貨が収納繰出部52において不足する場合には、その都度バラ硬貨の出金処理が一時停止してしまい、また、その都度出納係等の所定の担当者を呼んでこの担当者が不足しているバラ硬貨の補充処理を行う必要があった。このため、バラ硬貨の出金処理にかかる時間が長くなってしまうとともに、操作者や出納係等の所定の担当者にとって面倒であるという問題があった。これに対し、本実施の形態による硬貨処理装置10において複数の金種のバラ硬貨の出金処理を行うにあたり、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部52から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金箱90に送られた後に、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合には収納繰出部52が特定状態である旨の情報を出力することにより、複数の金種のバラ硬貨について出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足してしまった場合でも、不足している金種のバラ硬貨の補充等を最後にまとめて行うことができるようになるため、バラ硬貨の出金処理にかかる時間を短縮することができるとともに操作者やバラ硬貨の補充を行う担当者等にとっての作業負担を軽減することができる。
【0062】
また、上記の説明では、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態が、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足している状態である場合について述べたが、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態が、収納繰出部52においてバラ硬貨の詰まりが発生した状態である場合についても同様の動作が行われるようになる。
【0063】
以上のような構成からなる本実施の形態による硬貨処理装置10およびこのような硬貨処理装置10による硬貨処理方法によれば、特定状態検出手段210により収納繰出部52が特定状態となったことが検出された場合に当該特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されるようになっており、制御部200は、バラ硬貨の出金処理を行う際に、収納繰出部52からバラ硬貨を金種毎に繰り出させて出金部(具体的には、出金箱90)に送るよう各収納繰出部52を制御し、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部52から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金部としての出金箱90に送られた後に、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合には収納繰出部52が特定状態である旨の情報を出力するようになっている。このように、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部52から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金部としての出金箱90に送られた後に、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合には収納繰出部52が特定状態である旨の情報を出力することにより、複数の金種のバラ硬貨について出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足してしまった場合でも、不足している金種のバラ硬貨の補充等を最後にまとめて行うことができるようになるため、バラ硬貨の出金処理にかかる時間を短縮することができるとともに操作者やバラ硬貨の補充を行う担当者等にとっての作業負担を軽減することができる。
【0064】
また、本実施の形態による硬貨処理装置10においては、上述したように、制御部200により出力された情報を報知するための報知部として操作表示部202が設けられている。このことにより、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合には、収納繰出部52が特定状態である旨の情報が操作者に対して報知されることにより(例えば、
図11に示すような画面が操作表示部202に表示されることにより)、当該操作者は不足している金種のバラ硬貨の割込装填処理等を行うことができるようになる。なお、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合に収納繰出部52が特定状態である旨の情報を報知する報知部は操作表示部202に限定されることはない。報知部の他の例として、操作者に対して音声により報知を行うような音声部が用いられるようになっていてもよい。また、報知部の更に他の例として、収納繰出部52が特定状態である旨の情報をレシート等に印字する印字部204が用いられてもよい。
【0065】
また、本実施の形態による硬貨処理装置10においては、上述したように、制御部200は、特定状態検出手段210によりある金種に係る収納繰出部52が特定状態となったことが検出された場合に、自動で次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出させて出金箱90に送るよう各収納繰出部52を制御するようになっている。あるいは、制御部200は、特定状態検出手段210によりある金種に係る収納繰出部52が特定状態となったことが検出された場合に、確認指令が制御部200に入力されたことを条件として(すなわち、操作表示部202に
図10に示すような画面が表示されているときに「スキップ」ボタンが押下されたことを条件として)、次の金種に係る収納繰出部52からバラ硬貨を繰り出させて出金箱90に送るよう各収納繰出部52を制御するようになっていてもよい。
【0066】
また、本実施の形態による硬貨処理装置10においては、上述したように、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態は、収納繰出部52から貨幣を繰り出すことができない状態のことである。具体的には、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態は、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足している状態のことや、収納繰出部52においてバラ硬貨の詰まりが発生した状態のことである。
【0067】
ここで、特定状態検出手段210により検出されるべき特定状態が、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部52において不足している状態であるときには、制御部200は、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部52から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金部としての出金箱90に送られた後に、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合に、特定状態となっていることが特定状態検出手段210により検出された収納繰出部52に係る金種のバラ硬貨の補充処理(言い換えると、バラ硬貨の割込装填処理)を行うことができるようになっている。また、制御部200は、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部52から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金部としての出金箱90に送られた後に、特定状態検出手段210による検出情報が記憶部206に記憶されている場合に、出金されるべきバラ硬貨のうち出金箱90に送られなかったバラ硬貨に関する情報を出力するようになっている。
【0068】
なお、本実施の形態による硬貨処理装置や硬貨処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0069】
バラ硬貨の出金処理を行う際に、複数の金種のバラ硬貨について出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部において不足してしまった場合でも、不足している金種のバラ硬貨の補充等を最後にまとめて行うことができるという本発明の原理が適用されるのは
図1乃至
図7に示すような構成の硬貨処理装置10に限定されることはない。上述したような本発明の原理が適用される硬貨処理装置の他の例として、
図15乃至
図17に示すような構成の硬貨処理装置300が用いられてもよい。ここで、
図15は、変形例に係る硬貨処理装置300を正面側から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図であり、
図16は、
図15に示す硬貨処理装置300を左側方から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図であり、
図17は、
図15に示す硬貨処理装置300を右側方から見たときの内部構成を概略的に示す概略構成図である。また、
図17において包装部により形成された包装硬貨や包装硬貨収納部に収納されている包装硬貨、包装硬貨搬送部により搬送されている包装硬貨等を参照符合Wで示している。
【0070】
図15乃至
図17に示すような変形例に係る硬貨処理装置300は、
図1乃至
図7に示すような構成の硬貨処理装置10と同様に、バラ硬貨の入金処理や出金処理を行うことができるとともに、機体内で所定枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨に紙やフィルム等の包装媒体を巻くことにより包装硬貨を形成したりこの形成された包装硬貨の出金処理を行ったりすることができるようになっている。このような硬貨処理装置300は、略直方体形状の筐体312と、筐体312の上面に設けられた硬貨投入口(図示せず)に投入されたバラ硬貨を筐体312の内部に繰り出す入金繰出部320と、入金繰出部320により繰り出されたバラ硬貨を搬送する入金搬送部328と、入金搬送部328により搬送されるバラ硬貨を識別する入金識別部(図示せず)とを備えている。また、入金搬送部328には、入金識別部により正常な硬貨ではないと識別されたバラ硬貨や入金識別部により識別することができなかったバラ硬貨をリジェクト硬貨として選別するリジェクト選別部(図示せず)、入金識別部により特定の任意の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する任意選別部(図示せず)、および入金識別部により各々の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する複数の金種別選別部(図示せず)がそれぞれ設けられている。また、筐体312の内部には、任意選別部や各金種別選別部により選別されたバラ硬貨を金種毎に一時的に保留する入金一時保留部340、および入金一時保留部340から送られたバラ硬貨を金種毎に収納するとともに収納されているバラ硬貨を繰り出すことができる複数の収納繰出部352がそれぞれ設けられている。また、筐体312の内部には、任意選別部により選別されたバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装することによって包装硬貨を形成する包装部360、包装部360により形成された包装媒体を収納する包装硬貨収納部400および包装部360により形成された包装媒体を筐体312の内部で搬送する包装硬貨搬送部410がそれぞれ設けられている。このような硬貨処理装置300の各構成部材の詳細について以下に説明する。
【0071】
入金搬送部328は、入金繰出部320から繰り出されたバラ硬貨を搬送路に沿って搬送する搬送ベルトを有している。ここで、搬送ベルトには、バラ硬貨を引っ掛ける複数のピンが等間隔で設けられており、入金繰出部320から繰り出されたバラ硬貨は搬送ベルトに設けられたピンによって押動されることにより搬送路に沿って搬送されるようになっている。また、上述したように、入金搬送部328には、当該入金搬送部328により搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行う入金識別部が設けられている。入金識別部によるバラ硬貨の識別情報は後述する制御部500に送られるようになっている。
【0072】
また、
図16に示すように、筐体312の内部には、リジェクト選別部により選別されたリジェクト硬貨としてのバラ硬貨が集積される入金リジェクト部338、およびリジェクト選別部から入金リジェクト部338にリジェクト硬貨としてのバラ硬貨を送る入金リジェクト用シュート331がそれぞれ設けられている。ここで、操作者は筐体312の前面から入金リジェクト部338の内部にアクセス可能となっており、入金リジェクト部338に送られたリジェクト硬貨としてのバラ硬貨を操作者は筐体312の前面から取り出すことができるようになっている。
【0073】
また、入金搬送部328において、硬貨の搬送方向におけるリジェクト選別部の下流側には、入金識別部により特定の任意の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する任意選別部が設けられている。ここで、任意選別部により選別される特定の任意の金種の硬貨とは、例えばバラ硬貨の包装処理において包装部360によって包装媒体により包装されることにより包装硬貨とされるべきバラ硬貨のことをいう。また、入金搬送部328において、硬貨の搬送方向における任意選別部の更に下流側には、入金識別部により各々の金種の硬貨であると識別されたバラ硬貨を選別する複数の金種別選別部が設けられている。具体的には、複数の金種別選別部として、硬貨の搬送方向における上流側から順に、5円硬貨を選別する5円硬貨選別部、1円硬貨を選別する1円硬貨選別部、50円硬貨を選別する50円硬貨選別部、100円硬貨を選別する100円硬貨選別部、10円硬貨を選別する10円硬貨選別部および500円硬貨を選別する500円硬貨選別部が設けられている。
【0074】
また、
図15および
図16に示すように、筐体312の内部において入金搬送部328の下方には入金一時保留部340が設けられている。入金一時保留部340は、任意選別部により選別されたバラ硬貨が一時的に保留される任意一時保留部342と、各金種別選別部により選別されたバラ硬貨が金種別に一時的に保留される金種別一時保留部344とを有している。ここで、任意一時保留部342は、その上部および底部が開口した枠体から構成されている。また、金種別一時保留部344は、5円、1円、50円、100円、10円、500円の各金種に対応する保留領域344a、344b、344c、344d、344e、344fに区画された、その上部および底部が開口した枠体から構成されている。また、任意一時保留部342および金種別一時保留部344は互いに連結されており、これらの任意一時保留部342および金種別一時保留部344は一体的に水平方向に移動するようになっている。また、任意一時保留部342や金種別一時保留部344の下方には板状の底部材346が設けられており、これらの任意一時保留部342や金種別一時保留部344の枠体の底部に設けられた開口が底部材346により選択的に閉止されるようになっている。また、入金一時保留部340は、任意一時保留部342および金種別一時保留部344を水平方向(具体的には、
図15における左右方向)に移動させる第1駆動機構(図示せず)と、底部材346を水平方向(具体的には、
図15における左右方向)に移動させる第2駆動機構(図示せず)とを有している。
【0075】
また、
図15および
図16に示すように、筐体312の内部において入金一時保留部340の更に下方には、入金一時保留部340から送られたバラ硬貨を筐体312の外部に排出するための排出部350、入金一時保留部340から送られたバラ硬貨を金種毎に収納するとともに収納されているバラ硬貨を繰り出すことができる複数の収納繰出部352、入金一時保留部340の任意一時保留部342から送られたバラ硬貨を包装部360に送る包装用シュート370、および入金一時保留部340の任意一時保留部342から送られたバラ硬貨が収納されるバラ硬貨一括収納箱(図示せず)がそれぞれ設けられている。
【0076】
入金一時保留部340における金種別一時保留部344は、各金種別選別部の分岐孔の真下かつ排出部350の真上の位置である第1位置(
図15において実線で表示)と、各収納繰出部352の真上の位置である第2位置(
図15において二点鎖線で表示)との間で移動可能となっている。また、底部材346は、第1位置にある金種別一時保留部344の底部の開口を塞ぐ第1位置と、第1位置にある金種別一時保留部344の底部の開口を開く第2位置との間で移動可能となっている。また、変形例に係る硬貨処理装置300が待機状態にあるときには金種別一時保留部344は第1位置に位置するとともに底部材346も第1位置に位置するようになる(
図15参照)。ここで、金種別一時保留部344が第1位置に位置するとともに底部材346が第1位置に位置しているときには、各金種別選別部の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fに金種毎に一時的に保留されるようになる。そして、金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fにバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第1駆動機構により金種別一時保留部344が第1位置から第2位置に移動させられると、金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域344a〜344fからバラ硬貨が自重により落下して各収納繰出部352の収納領域352a〜352f(後述)に金種毎に送られ、各収納繰出部352の収納領域352a〜352fに金種毎に収納されるようになる。一方、金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fにバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第2駆動機構により底部材346が第1位置から第2位置に移動させられると、金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域344a〜344fからバラ硬貨が自重により落下して排出部350に送られ、この排出部350に金種混合状態で集積されるようになる。
【0077】
また、入金一時保留部340における任意一時保留部342は、第1駆動機構による当該任意一時保留部342の移動方向(具体的には、
図15における左右方向)に沿って並ぶ第1保留領域および第2保留領域に区画されたものから構成されている。そして、金種別一時保留部344が第1位置(すなわち、
図15において実線で示す位置)に位置しているときには任意一時保留部342の第1保留領域が任意選別部の分岐孔の真下に位置するとともに排出部350の真上に位置するようになる。なお、このときに底部材346が第1位置に位置しているときには任意一時保留部342の第1保留領域の底部の開口が当該底部材346により塞がれるようになり、任意選別部の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は任意一時保留部342の第1保留領域に一時的に保留されるようになる。また、金種別一時保留部344が第2位置(すなわち、
図15において二点鎖線で示す位置)に位置しているときには任意一時保留部342の第1保留領域がバラ硬貨一括収納箱(図示せず)の真上に位置するようになっている。そして、任意一時保留部342の第1保留領域にバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第1駆動機構により金種別一時保留部344が第1位置から第2位置に移動させられると、任意一時保留部342の第1保留領域の底部に設けられた開口が開くことによりこの第1保留領域からバラ硬貨が自重により落下してバラ硬貨一括収納箱に送られ、このバラ硬貨一括収納箱に収納されるようになる。一方、任意一時保留部342の第1保留領域にバラ硬貨が一時的に保留されている状態から第2駆動機構により底部材346が第1位置から第2位置に移動させられると、任意一時保留部342の第1保留領域の底部に設けられた開口が開くことによりこの第1保留領域からバラ硬貨が自重により落下して排出部350に送られ、当該排出部350に集積されるようになる。また、第1駆動機構によって、入金一時保留部340における任意一時保留部342を、その第2保留領域が任意選別部の分岐孔の真下に位置するような第3位置に移動させることができるようになっている。ここで、任意一時保留部342が第3位置に位置しているときには、任意選別部の分岐孔に落とし込まれたバラ硬貨は任意一時保留部342の第2保留領域に送られた後、この第2保留領域を通過して包装用シュート370に送られるようになる。
【0078】
図16等に示すように、複数の収納繰出部352の各々は、それぞれ、5円、1円、50円、100円、10円、500円の各金種に対応する収納領域352a、352b、352c、352d、352e、352fを有しており、これらの収納領域352a〜352fにバラ硬貨が金種別に収納されるようになっている。より詳細には、各収納繰出部352の収納領域352a〜352fには、入金一時保留部340の金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fからバラ硬貨がそれぞれ送られるようになっている。また、各収納繰出部352において収納領域352a〜352fの底部には回転円盤等の硬貨繰出部がそれぞれ設けられており、各硬貨繰出部により各収納繰出部352の収納領域352a〜352fからバラ硬貨が1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、各収納繰出部352の下方には水平方向に延びる第1コンベア354が設けられるとともにこの第1コンベア354の一端の近傍には出金一時保留部380が設けられている。そして、各硬貨繰出部により各収納繰出部352の収納領域352a〜352fから繰り出されたバラ硬貨は第1コンベア354により搬送されて出金一時保留部380に送られるようになる。ここで、第1コンベア354には、当該第1コンベア354により搬送されるバラ硬貨の金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別を行う出金識別部(図示せず)が設けられている。出金識別部によるバラ硬貨の識別情報は後述する制御部500に送られるようになっている。
【0079】
出金一時保留部380は、
図15において実線で示すような第1位置と、この第1位置よりも
図15において左側に位置にする第2位置(
図15において二点鎖線で表示)と、この第1位置よりも
図15において右側に位置にする第3位置(
図15において二点鎖線で表示)との間で
図15における左右方向に移動可能となっている。ここで、出金一時保留部380が第1位置に位置しているときには、第1コンベア354から当該出金一時保留部380にバラ硬貨が送られてこの出金一時保留部380に一時的に保留されるようになる。また、筐体312の内部には、
図15や
図16において上下方向に移動自在となっている出金箱390が設けられている。この出金箱390は、
図15において実線で示すような下側位置と、
図15において二点鎖線で示すような上側位置との間で移動可能となっており、出金箱390が下側位置に位置しているときには、第2位置に位置する出金一時保留部380がこの出金箱390の真上に位置するようになっている。また、第1コンベア354から出金一時保留部380にバラ硬貨が送られてこの出金一時保留部380にバラ硬貨が一時的に保留された後、出金一時保留部380が第1位置から第2位置に移動するとこの出金一時保留部380で一時的に保留されているバラ硬貨が自重により落下して出金箱390に送られ、この出金箱390に収納されるようになっている。また、出金箱390が
図15において二点鎖線で示すような上側位置に移動すると、操作者は筐体312の上面や前面上部に設けられた出金口(図示せず)を介してこの出金箱390からバラ硬貨を取り出すことができるようになっている。また、第3位置に位置している出金一時保留部380の真下には出金リジェクト箱356が設けられている。そして、第1コンベア354から出金一時保留部380にバラ硬貨が送られてこの出金一時保留部380にバラ硬貨が一時的に保留された後、出金一時保留部380が第1位置から第3位置に移動するとこの出金一時保留部380で一時的に保留されているバラ硬貨が自重により落下して出金リジェクト箱356に送られ、この出金リジェクト箱356に収納されるようになっている。
【0080】
排出部350は、筐体312の前面から操作者が手前側に引き出し可能な返却箱を有しており、入金一時保留部340における任意一時保留部342の第1保留領域や金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fから送られたバラ硬貨が金種混合状態で集積されるようになっている。
【0081】
バラ硬貨一括収納箱は、筐体312の前面から操作者が手前側に引き出し可能となっており、入金一時保留部340における任意一時保留部342の第1保留領域から送られたバラ硬貨が集積されるようになっている。
【0082】
図15および
図16に示すように、包装用シュート370は、入金一時保留部340における任意一時保留部342の第2保留領域から送られたバラ硬貨を包装部360に送るようになっている。
【0083】
また、筐体312の内部には第1コンベア354から包装用シュート370の途中箇所にバラ硬貨を送る第2コンベア357が設けられている。このような第2コンベア357が設けられていることにより、各硬貨繰出部により各収納繰出部352の収納領域352a〜352fから繰り出されて第1コンベア354により搬送されるバラ硬貨をこの第1コンベア354から第2コンベア357に受け渡すことによって第2コンベア357から包装用シュート370にバラ硬貨を送ることができるようになる。また、筐体312の内部には第1コンベア354から入金繰出部320にバラ硬貨を送る第3コンベア358が設けられている。このような第3コンベア358が設けられていることにより、各硬貨繰出部により各収納繰出部352の収納領域352a〜352fから繰り出されて第1コンベア354により搬送されるバラ硬貨をこの第1コンベア354から第3コンベア358に受け渡すことによって第3コンベア358から入金繰出部320にバラ硬貨を戻すことができるようになる。
【0084】
包装部360は、包装用シュート370により当該包装部360に送られたバラ硬貨が集積されるとともに集積されたバラ硬貨を1枚ずつ繰り出す集積部としての回転円盤362と、回転円盤362により繰り出されたバラ硬貨を搬送するコンベア363と、コンベア363により搬送されたバラ硬貨が積層状態で集積されるとともに集積された所定の枚数(例えば、50枚)のバラ硬貨を紙やフィルム等の包装媒体により包装する包装機構368とを有している。ここで、包装機構368は上方から見て仮想の正三角形の各頂点に位置する3本の包装ローラ368aを有しており、各包装ローラ368aの間の包装領域において所定枚数重積した重積硬貨が包装媒体により包装されて包装硬貨が形成されるようになっている。
図17に示すように、包装機構368により形成された包装硬貨はこの包装機構368から下方に排出されるようになっている。また、包装機構368の下方には包装硬貨用シュート365および横搬送部367が設けられており、包装機構368により形成された包装硬貨が当該包装機構368から下方に排出されると、この排出された包装硬貨は包装硬貨用シュート365を通って横搬送部367に送られ、この横搬送部367により包装硬貨搬送部410に向かって搬送されるようになる。
【0085】
図17に示すように、包装硬貨搬送部410は、筐体312の内部における上部および下部にそれぞれ設けられた2つのプーリ412と、これらの2つのプーリ412に掛け渡された無端状の循環ベルト414と、2つのプーリ412のうち一方のプーリ412を回転駆動させることにより循環ベルト414を
図17における反時計回りの方向に循環移動させる駆動モータ(図示せず)とを有している。また、
図17に示すように、循環ベルト414には、包装硬貨搬送部410により搬送されるべき包装硬貨が引っ掛けられる突起416が等間隔で複数設けられている。ここで、各突起416は、当該突起416と包装硬貨とが接する面が循環ベルト414の延びる方向(すなわち、
図17における上下方向)に対して所定の角度(例えば、60°)をなして傾斜する方向に当該循環ベルト414から突出して形成されている。このように各突起416が循環ベルト414の延びる方向に対して傾斜していることにより、突起416に引っ掛けられた包装硬貨はその自重により突起416上で循環ベルト414側に寄せられるようになる。そして、循環ベルト414が
図17における反時計回りの方向に循環移動すると、包装硬貨は突起416に引っ掛けられた状態で(すなわち、突起416上で循環ベルト414側に寄せられた状態で)循環ベルト414の移動に合わせて
図17における反時計回りの方向に沿って搬送されるようになる。また、本実施の形態では、循環ベルト414は、所定量だけ移動すると所定時間だけ停止し、その後再び所定量だけ移動するような動作が繰り返し行われる間欠移動を行うよう、駆動モータにより駆動させられるようになっている。
【0086】
また、
図17に示すように、筐体312の内部において包装硬貨搬送部410の近傍には、包装硬貨の収納を行う包装硬貨収納部400が設けられている。ここで、包装硬貨収納部400は、同一金種の複数の包装硬貨を一列に収納する複数(
図17に示す例では6つ)の収納トレイ402を有しており、各収納トレイ402には包装硬貨が金種別に収納されるようになっている。ここで、各収納トレイ402は水平方向に対して傾斜しており、収納トレイ402に収納されている包装硬貨は、包装硬貨搬送部410に近い側である収納トレイ402の最前部に向かって転がるようになっている。また、各収納トレイ402は鉛直方向に沿って並ぶよう配置されている。また、各収納トレイ402は、
図17に示す位置から包装硬貨搬送部410に向かって(すなわち、
図17における左方向に)移動可能となっており、各収納トレイ402が包装硬貨搬送部410における循環ベルト414の近傍の位置まで進出したときに、各収納トレイ402に収納されている包装硬貨が循環ベルト414の突起416に1つずつ受け渡されるようになる。また、各収納トレイ402の前端部分(すなわち、
図17における左端部分)と、包装硬貨搬送部410との間には、各収納トレイ402に対応して複数のストッパ部分が設けられたストッパ機構404が上下方向に移動可能に配置されている。このストッパ機構404が下降位置にあるときには、包装硬貨搬送部410に向かって進出した収納トレイ402の最前部の包装硬貨にストッパ部分が接触してこの最前部の包装硬貨が循環ベルト414の突起416に受け渡されないようになる。この場合には、循環ベルト414により搬送される包装硬貨が突起416から収納トレイ402の最前部に受け渡され、この収納トレイ402に収納されるようになる。一方、ストッパ機構404が上昇位置にあるときには、包装硬貨搬送部410に向かって進出した収納トレイ402の最前部の包装硬貨にストッパ部分が接触せず、この最前部の包装硬貨が循環ベルト414の突起416に受け渡されるようになる。
【0087】
また、筐体312の前面において包装硬貨搬送部410の前部域には、出金されるべき包装硬貨が収納される包装硬貨出金部430、包装硬貨一括収納箱432および包装硬貨投出部434がそれぞれ設けられている。また、包装硬貨出金部430、包装硬貨一括収納箱432および包装硬貨投出部434の各々に対応して、包装硬貨搬送部410の循環ベルト414により搬送される包装硬貨を選択的に包装硬貨出金部430、包装硬貨一括収納箱432および包装硬貨投出部434にそれぞれ分岐させる分岐部材418、419、420が設けられている。ここで、操作者は筐体312の前面から包装硬貨出金部430にアクセス可能となっており、包装硬貨出金部430に収納されている包装硬貨を操作者は筐体312の外部に取り出すことができるようになっている。また、操作者は筐体312の前面から包装硬貨投出部434にアクセス可能となっており、包装硬貨搬送部410の循環ベルト414から分岐部材420により包装硬貨投出部434に送られた包装硬貨を操作者は筐体312の外部に取り出すことができるようになっている。
【0088】
また、
図15に示すように、変形例に係る硬貨処理装置300には、当該硬貨処理装置300の各構成部材の制御を行う制御部500が設けられている。ここで、入金識別部や出金識別部によるバラ硬貨の識別情報はこれらの入金識別部や出金識別部から制御部500に送られるようになっている。また、制御部500は、硬貨処理装置300の各構成部材に指令の信号を送ることによりこれらの構成部材の動作を制御するようになっている。
【0089】
また、制御部500には、例えば筐体312の上部に設けられたタッチパネル等からなり、各収納繰出部352が特定状態となったことを収納繰出部352毎に検出する特定状態検出手段510、硬貨処理装置300における硬貨の処理状況等の様々な情報を表示するとともに操作者が様々な指令を入力可能な操作表示部502、および特定状態検出手段510により収納繰出部352が特定状態となったことが検出された場合に当該特定状態検出手段510による検出情報を記憶する記憶部506がそれぞれ接続されている。ここで、特定状態検出手段510により検出されるべき特定状態は、収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出すことができない状態のことをいう。具体的には、特定状態検出手段510により検出されるべき特定状態は、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部352において不足している状態や、収納繰出部352の硬貨繰出部等においてバラ硬貨の詰まりが発生した状態のことをいう。また、特定状態検出手段510により収納繰出部352が特定状態となったことが検出された場合には当該特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されるようになっている。また、制御部500は、バラ硬貨の出金処理を行う際に、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部352から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金箱390に送られた後に、特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されている場合には収納繰出部352が特定状態である旨の情報を出力するようになっている。
【0090】
次に、このような構成からなる硬貨処理装置300の動作(とりわけ、硬貨処理装置300におけるバラ硬貨の出金処理に係る動作)について説明する。なお、以下に示すような硬貨処理装置300の動作は、制御部500が硬貨処理装置300の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
【0091】
変形例に係る硬貨処理装置300では、各収納繰出部352に収納されているバラ硬貨の在高に係る情報(具体的には、例えば各収納繰出部352に収納されているバラ硬貨の金種毎の枚数等の情報)が記憶部506に記憶されている。また、操作者によって操作表示部502によりバラ硬貨の出金処理開始の指令が入力されたり、上位端末等の外部装置から通信インターフェース部(図示せず)を介して制御部500にバラ硬貨の出金処理開始の指令が制御部500に送信されたりすると、制御部500において出金処理開始の指令が受け付けられるようになる。なお、この際に、操作者は操作表示部502により出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数を入力するようになる。また、操作者が操作表示部502により出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数を入力する代わりに、上位端末等の外部装置から通信インターフェース部を介して制御部500に出金されるべきバラ硬貨の金種毎の枚数に係る情報が送信されるようになっていてもよい。
【0092】
制御部500において出金処理開始の指令が受け付けられると、当該制御部500において、記憶部506に記憶されている各収納繰出部352におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨が各収納繰出部352において不足している状態であるか否かが判断される。ここで、記憶部506に記憶されている各収納繰出部352におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨の全ての金種について収納繰出部352に収納されているバラ硬貨の枚数が出金されるべきバラ硬貨の枚数以上であると制御部500により判断された場合には、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出して第1コンベア354により
図15において実線で示すような第1位置に位置する出金一時保留部380に当該バラ硬貨を送るような動作が行われる。また、バラ硬貨の出金処理が行われる際に収納繰出部352の各収納領域352a〜352fから繰り出されるバラ硬貨の金種の順番は予め設定されている。具体的には、例えば、5円硬貨、1円硬貨、50円硬貨、100円硬貨、10円硬貨、500円硬貨の順に収納繰出部352の各収納領域352a〜352fからバラ硬貨が繰り出されるようになっている。
【0093】
一方、制御部500において出金処理開始の指令が受け付けられたときに、記憶部506に記憶されている各収納繰出部352におけるバラ硬貨の在高に係る情報に基づいて、出金されるべきバラ硬貨の各金種のうち少なくとも1つの金種について収納繰出部352に収納されているバラ硬貨の枚数が出金されるべきバラ硬貨の枚数よりも少ない場合には、制御部500において出金されるべきバラ硬貨が各収納繰出部352において不足している状態であると判断される。この場合には、バラ硬貨の割込装填処理等を促す旨のメッセージが操作表示部502に表示されるようになる。そして、不足している金種のバラ硬貨について割込装填処理(すなわち、不足している金種のバラ硬貨を硬貨投入口に投入することによって各収納繰出部352にバラ硬貨を補充する処理)が行われると、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出して出金一時保留部380に送るような動作が行われる。
【0094】
また、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出して出金一時保留部380に送るような動作が行われる際に、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部352において不足していることが特定状態検出手段510により検出された場合には、制御部500は特定状態検出手段510による検出情報を記憶部506に記憶させる。また、制御部500は、特定状態検出手段510によりある金種に係る収納繰出部352が特定状態となったことが検出された場合に、自動で次の金種に係る収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出させて出金一時保留部380に送るよう各収納繰出部352を制御するようになっている。なお、このような動作が行われる代わりに、制御部500は、特定状態検出手段510によりある金種に係る収納繰出部352が特定状態となったことが検出された場合に、確認指令が当該制御部500に入力されたことを条件として次の金種に係る収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出させて出金一時保留部380に送るよう各収納繰出部352を制御するようになっていてもよい。具体的には、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部352において不足していることが特定状態検出手段510により検出された場合に、各収納繰出部352からのバラ硬貨の繰り出し動作が中断されるが、操作者が操作表示部502の表示画面における「スキップ」ボタンを押下すると、次の金種に係る収納繰出部352からバラ硬貨が繰り出されて出金一時保留部380に送られるようになっていてもよい。
【0095】
ある金種について収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出して出金一時保留部380に送るような動作が行われた後、出金されるべき硬貨について他の金種がある場合には、他の金種のバラ硬貨について同様の動作が引き続き行われるようになる。一方、出金されるべきバラ硬貨の全ての金種について収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出して出金一時保留部380に送ることにより、出金されるべきバラ硬貨について他の金種がない場合には、特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されているか否かの判断が制御部500により行われる。ここで、出金されるべき硬貨の全ての金種について特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されていないと制御部500により判断された場合には、すなわち出金されるべきバラ硬貨の全ての金種に係る収納繰出部352について特定状態検出手段510により特定状態が検出されなかった場合には、出金確定を操作者に促すメッセージが操作表示部502に表示されるようになる。そして、操作者が操作表示部502により出金確定の指令を入力すると、出金一時保留部380が
図15において実線で示すような第1位置からこの第1位置よりも左側に位置する第2位置に移動し、出金一時保留部380に一時的に保留されているバラ硬貨が下側位置に位置する出金箱390に送られるようになる。その後、出金箱390が下側位置から上側位置に移動することにより、操作者は筐体312の上面や前面上部に設けられた出金口を介してこの出金箱390からバラ硬貨を取り出すことができるようになる。また、出金箱390が下側位置から上側位置に移動すると、出金情報(具体的には、出金されたバラ硬貨の金種毎の枚数や合計金額、取引日時、等)が印字部(図示せず)によりレシートに印字されるようになる。一方、出金確定を操作者に促すメッセージが操作表示部502に表示されたときに、操作者が操作表示部502により出金確定の指令ではなく出金取り止めの指令を入力すると、出金一時保留部380が
図15において実線で示すような第1位置からこの第1位置よりも右側に位置する第3位置に移動し、出金一時保留部380に一時的に保留されているバラ硬貨が出金リジェクト箱356に送られ、一連の出金動作が再実行されるようになる。
【0096】
また、出金されるべきバラ硬貨の少なくとも1つの金種について特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されていると制御部500により判断された場合には、制御部500は、特定状態となっていることが特定状態検出手段510により検出された収納繰出部352に係る金種のバラ硬貨の割込装填処理(言い換えると、バラ硬貨の補充処理)を行うことができるようになっている。また、この場合には、制御部500は、出金されるべきバラ硬貨のうち出金一時保留部380に送られなかったバラ硬貨に関する情報を出力するようになっている。より詳細には、不足している金種のバラ硬貨に係る情報が制御部500から出力され、制御部500により出力された情報が操作表示部502に表示されるとともに、バラ硬貨の割込装填処理等を促す旨のメッセージが操作表示部502に表示されるようになる。このような情報やメッセージが操作表示部502に表示に表示されると、操作者はまず出納係等の所定の担当者を呼ぶ。なお、出納係等の所定の担当者がバラ硬貨の出金処理を行っている場合には、この担当者が引き続き以下に示すような割込装填処理を行うようになる。そして、操作表示部502に表示される画面において所定の担当者が「割込装填」のボタンを押下すると、この担当者は不足している金種のバラ硬貨を硬貨投入口に投入することによって各収納繰出部352にバラ硬貨を補充するような割込装填処理を行うことができるようになる。より詳細には、不足している金種のバラ硬貨が硬貨投入口に投入されると、入金繰出部320から入金搬送部328にバラ硬貨が1枚ずつ繰り出され、この繰り出されたバラ硬貨は入金搬送部328により搬送される。また、入金搬送部328により搬送されるバラ硬貨は入金識別部によりその金種、真偽、正損、新旧、表裏、搬送状態等の識別が行われる。そして、入金識別部により正常な硬貨であると識別されたバラ硬貨は各金種別選別部により金種毎に選別され、各金種別選別部の分岐孔に送り込まれたバラ硬貨は入金一時保留部340における金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fに金種別に一時的に保留されるようになる。そして、硬貨投入口に投入されたバラ硬貨が全て金種別一時保留部344に送られた後、入金一時保留部340において自動で金種別一時保留部344が第1駆動機構により第1位置から第2位置に移動させられ、金種別一時保留部344の各保留領域344a〜344fの底部に設けられた開口が開くことにより各保留領域344a〜344fからバラ硬貨が自重により落下して各収納繰出部352の収納領域352a〜352fに金種毎に送られ、各収納繰出部352の収納領域352a〜352fに金種毎に収納されるようになる。このようにして、不足している金種のバラ硬貨が各収納繰出部352の収納領域352a〜352fに補充される。そして、不足している金種のバラ硬貨について割込装填処理が行われると、出金されるべきバラ硬貨の金種毎に収納繰出部352からバラ硬貨を繰り出して出金一時保留部380に送るような動作が引き続き行われるようになる。
【0097】
なお、出金されるべきバラ硬貨の少なくとも1つの金種について特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されていると制御部500により判断された場合において、操作表示部502に表示される画面において操作者が「割込装填」ボタンではなく「出金」ボタンを押下すると、各収納繰出部352に収納されているバラ硬貨のうち出金可能な金種のバラ硬貨を当該収納繰出部352から繰り出させて出金一時保留部380に送るような動作が行われるようになる。この場合には、不足分のバラ硬貨については、出納係等の所定の担当者が、硬貨処理装置300が設置された出納室に設けられた収納棚等に別保管されたバラ硬貨を取り出し、この取り出された不足分のバラ硬貨を操作者に手渡すような手払い動作が行われるようになる。また、操作表示部502に表示される画面において操作者が「割込装填」ボタンではなく「手払い」ボタンを押下した場合にも上述した手払い動作が行われるようになる。また、このような手払い動作が行われると、硬貨処理装置300において手払いされたバラ硬貨の金種毎の枚数に係る情報が操作者によって操作表示部502により制御部500に入力され、この手払いされたバラ硬貨の金種毎の枚数に係る情報が記憶部506に記憶されるようになる。
【0098】
また、上記の説明では、特定状態検出手段510により検出されるべき特定状態が、出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部352において不足している状態である場合について述べたが、特定状態検出手段510により検出されるべき特定状態が、収納繰出部352においてバラ硬貨の詰まりが発生した状態である場合についても同様の動作が行われるようになる。
【0099】
図15乃至
図17に示すような変形例に係る硬貨処理装置300およびこのような硬貨処理装置300による硬貨処理方法でも、
図1乃至
図7に示す構成の硬貨処理装置10と同様に、特定状態検出手段510により収納繰出部352が特定状態となったことが検出された場合に当該特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されるようになっており、制御部500は、バラ硬貨の出金処理を行う際に、収納繰出部352からバラ硬貨を金種毎に繰り出させて出金部(具体的には、出金一時保留部380)に送るよう各収納繰出部352を制御し、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部352から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金部としての出金一時保留部380に送られた後に、特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されている場合には収納繰出部352が特定状態である旨の情報を出力するようになっている。このように、出金されるべきバラ硬貨のうち収納繰出部352から繰り出し可能なバラ硬貨が全て出金部としての出金一時保留部380に送られた後に、特定状態検出手段510による検出情報が記憶部506に記憶されている場合には収納繰出部352が特定状態である旨の情報を出力することにより、複数の金種のバラ硬貨について出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部352において不足してしまった場合でも、不足している金種のバラ硬貨の補充等を最後にまとめて行うことができるようになるため、バラ硬貨の出金処理にかかる時間を短縮することができるとともに操作者やバラ硬貨の補充を行う担当者等にとっての作業負担を軽減することができる。
【0100】
また、バラ硬貨の出金処理を行う際に、複数の金種のバラ硬貨について出金されるべきバラ硬貨が収納繰出部において不足してしまった場合でも、不足している金種のバラ硬貨の補充等を最後にまとめて行うことができるという本発明の原理を、包装硬貨の出金処理やバラ紙幣の出金処理、あるいは帯封紙幣の出金処理にも適用することができる。例えば、少なくともバラ紙幣の出金処理を行う紙幣処理装置では、払い出されたバラ紙幣が金種別に集積されるように、1金種ずつバラ紙幣が各収納繰出部から繰り出される。そのような紙幣処理装置が、バラ紙幣を金種毎に収納するとともに収納されているバラ紙幣を繰り出し可能な複数の収納繰出部と、各収納繰出部が特定状態となったことを収納繰出部毎に検出する特定状態検出手段と、各収納繰出部から繰り出されたバラ紙幣を出金するための出金部とを備えていていてもよい。また、このような本発明に係る紙幣処理装置において、バラ紙幣の出金処理を行う際に、収納繰出部からバラ紙幣を金種毎に繰り出させて出金部に送るよう各収納繰出部を制御し、この際に特定状態検出手段により収納繰出部が特定状態となったことが検出された場合には当該検出手段による検出情報を記憶部に記憶させるようになっている。そして、このような本発明に係る紙幣処理装置において、出金されるべきバラ紙幣のうち収納繰出部から繰り出し可能なバラ紙幣が全て出金部に送られた後に、特定状態検出手段による検出情報が記憶部に記憶されている場合には収納繰出部が特定状態である旨の情報が出力され、この出力された情報が例えば操作表示部に表示されるようになっている。このような紙幣処理装置では、バラ紙幣の出金処理を行う際に、出金されるべきバラ紙幣のうち収納繰出部から繰り出し可能なバラ紙幣が全て出金部に送られた後に、特定状態検出手段による検出情報が記憶部に記憶されている場合には収納繰出部が特定状態である旨の情報を出力することにより、複数の金種のバラ紙幣について出金されるべきバラ紙幣が収納繰出部において不足してしまった場合でも、不足している金種のバラ紙幣の補充等を最後にまとめて行うことができるようになるため、バラ紙幣の出金処理にかかる時間を短縮することができるとともに操作者やバラ紙幣の補充を行う担当者等にとっての作業負担を軽減することができる。
【0101】
また、本発明の貨幣処理装置は、少なくともバラ硬貨および/または包装硬貨等の硬貨の出金処理を行う硬貨処理装置と、少なくともバラ紙幣および/または帯封紙幣等の紙幣の出金処理を行う紙幣処理装置とを組み合わせたものが用いられるようになっていてもよい。このような硬貨処理装置および紙幣処理装置を組み合わせた本発明の貨幣処理装置では、硬貨および紙幣の両方の出金処理を行う際に、出金されるべき硬貨や紙幣のうち収納繰出部から繰り出し可能な硬貨や紙幣が全て出金部に送られた後に、特定状態検出手段による検出情報が記憶部に記憶されている場合には収納繰出部が特定状態である旨の情報を出力するようになっている。このことにより、複数の金種の硬貨や紙幣について出金されるべき硬貨や紙幣が収納繰出部において不足してしまった場合でも、不足している金種の硬貨や紙幣の補充等を最後にまとめて行うことができるようになるため、硬貨や紙幣の出金処理にかかる時間を短縮することができるとともに操作者や硬貨や紙幣の補充を行う担当者等にとっての作業負担を軽減することができる。また、この際に、硬貨に係る収納繰出部および紙幣に係る収納繰出部の両方において硬貨や紙幣が不足してしまった場合でも、収納繰出部から繰り出し可能な硬貨や紙幣が全て出金部に送られた後に、不足している金種の硬貨および紙幣の補充等を最後にまとめて行うことができるようになる。