特許第6562818号(P6562818)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562818制御装置、端末装置、制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562818
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】制御装置、端末装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/08 20090101AFI20190808BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20190808BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20190808BHJP
【FI】
   H04W48/08
   H04W16/28 151
   H04W84/12
   H04W88/06
   H04W64/00
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-217908(P2015-217908)
(22)【出願日】2015年11月5日
(65)【公開番号】特開2017-92613(P2017-92613A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年7月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100131886
【弁理士】
【氏名又は名称】坂本 隆志
(74)【代理人】
【識別番号】100170667
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 浩次
(72)【発明者】
【氏名】彭 海蘭
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊明
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】末柄 恭宏
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−036317(JP,A)
【文献】 特開2008−294728(JP,A)
【文献】 特開2006−115491(JP,A)
【文献】 特表2016−506667(JP,A)
【文献】 タン ザカン,WiFi位置指紋を用いたミリ波連携ビームフォーミング,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.115 No.200,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2015年 8月20日,第115巻,pp.7〜12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける制御装置であって、
地理的な位置に関する情報と、前記端末装置と前記1つ以上の通信装置との通信で用いることができるビームと、当該位置における前記ビームを用いた場合の無線の品質と、を関連付けて記憶する記憶手段と、
前記端末装置から当該端末装置の位置を特定可能な情報を取得する取得手段と、
前記端末装置の位置を特定可能な情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて、当該端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する特定手段と、
特定した通信装置およびビームを前記端末装置へ通知する通知手段と、
を有することを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記端末装置の位置を特定可能な情報は、前記端末装置が行った測位の結果を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記端末装置の位置を特定可能な情報は、前記端末装置が受信した信号の測定の結果を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記通知手段は、さらに、特定した前記通信装置に対して、前記特定したビームを通知する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記端末装置から、地理的な位置に関する情報と、当該位置において前記1つ以上の通信装置が通信で用いることができるビームのうちの少なくともいずれかを用いて送信した信号の測定結果に関する情報と、を収集する収集手段をさらに有し、
前記記憶手段は、前記収集手段が収集した情報に基づいて、地理的な位置に関する情報と、前記端末装置と前記1つ以上の通信装置との通信で用いることができるビームと、当該位置における前記ビームを用いた場合の無線の品質と、を関連付けて記憶する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記収集手段は、前記基地局装置と前記1つ以上の通信装置との少なくともいずれかを介して、前記端末装置からの情報を収集する、
ことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記収集手段は、前記地理的な位置に関する情報および当該位置における前記測定結果に関する情報として、前記1つ以上の通信装置が通信で用いることができる1つ以上のビームのそれぞれがカバーできる地理的な領域の情報を収集する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記基地局装置および前記1つ以上の通信装置と接続され、
前記取得手段は、前記基地局装置を介して前記端末装置から前記端末装置の位置を特定可能な情報を取得し、
前記通知手段は、特定した通信装置およびビームを、前記基地局装置を介して前記端末装置に通知する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記基地局装置に含まれる、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項10】
基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける前記端末装置であって、
前記基地局装置へ、前記端末装置の位置を特定可能な情報を送信する送信手段と、
前記基地局装置から、前記端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する情報を取得する取得手段と、
特定された前記通信装置との間で、特定された前記ビームの情報に基づくビームを用いて接続を確立する確立手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項11】
前記基地局装置と前記1つ以上の通信装置との少なくともいずれかに対して、地理的な位置に関する情報と、当該位置において前記1つ以上の通信装置が通信で用いることができるビームのうちの少なくともいずれかを用いて送信した信号を前記端末装置が測定した測定結果の情報と、を通知する通知手段をさらに有し、
前記基地局装置は、前記通知に基づいて、地理的な位置に関する情報と、前記端末装置と前記1つ以上の通信装置との通信で用いることができるビームと、当該位置における前記ビームを用いた場合の無線の品質と、を関連付けて記憶し、当該記憶した情報と前記送信手段によって送信された情報とに基づいて、前記端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する、
ことを特徴とする請求項10に記載の端末装置。
【請求項12】
基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける制御装置の制御方法であって、前記制御装置は、地理的な位置に関する情報と、前記端末装置と前記1つ以上の通信装置との通信で用いることができるビームと、当該位置における前記ビームを用いた場合の無線の品質と、を関連付けて記憶する記憶手段を有し、
前記制御方法は、
取得手段が、前記端末装置から当該端末装置の位置を特定可能な情報を取得する取得工程と、
特定手段が、前記端末装置の位置を特定可能な情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて、当該端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する特定工程と、
通知手段が、特定した通信装置およびビームを前記端末装置へ通知する通知工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項13】
基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける前記端末装置の制御方法であって、
送信手段が、前記基地局装置へ、前記端末装置の位置を特定可能な情報を送信する送信工程と、
取得手段が、前記基地局装置から、前記端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する情報を取得する取得工程と、
確立手段が、特定された前記通信装置との間で、特定された前記ビームの情報に基づくビームを用いて接続を確立する確立工程と、
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項14】
基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける制御装置であって、地理的な位置に関する情報と、前記端末装置と前記1つ以上の通信装置との通信で用いることができるビームと、当該位置における前記ビームを用いた場合の無線の品質と、を関連付けて記憶する記憶手段とコンピュータとを有する制御装置の前記コンピュータに、
前記端末装置から当該端末装置の位置を特定可能な情報を取得する取得工程と、
前記端末装置の位置を特定可能な情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて、当該端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する特定工程と、
特定した通信装置およびビームを前記端末装置へ通知する通知工程と、
を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける前記端末装置に備えられたコンピュータに、
前記基地局装置へ、前記端末装置の位置を特定可能な情報を送信する送信工程と、
前記基地局装置から、前記端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する情報を取得する取得工程と、
特定された前記通信装置との間で、特定された前記ビームの情報に基づくビームを用いて接続を確立する確立工程と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は異種無線通信技術が混在する無線通信システムにおける接続制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、将来の無線アクセスネットワークにおけるシステム容量及びスループットの改善のために、ロングタームエボリューション(LTE)と無線LAN(WLAN)とを連携させて利用する手法が検討されている(非特許文献1参照)。この手法では、端末は、LTE側の基地局装置(eNB)の制御の下で(eNBによる指示に応じて)、WLAN側のアクセスポイント(AP)と接続して通信を行う。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Intel等、RP−150510、“LTE−WLAN Radio Level Integration and Interworking Enhancement”、3GPP、2015年3月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
WLAN側において複数のアンテナを用いて所定のビームを形成して利得を得るビームフォーミングが使用可能である場合がある。このとき、eNBが、各APにおいて使用可能なビームのことを考慮せずに端末装置の接続先のAPを決定してしまい、本来得られるスループットが得られなくなる場合がありうるという課題があった。また、端末装置はeNBから接続先のAPを指示されてから、APとの間でビームフォーミングのトレーニングを行うため、接続するまでにかかる時間が長期化するという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、異種無線システムを並行して用いる場合のビームを考慮した接続制御を適切に実行可能とするための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明による制御装置は、基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける制御装置であって、地理的な位置に関する情報と、前記端末装置と前記1つ以上の通信装置との通信で用いることができるビームと、当該位置における前記ビームを用いた場合の無線の品質と、を関連付けて記憶する記憶手段と、前記端末装置から当該端末装置の位置を特定可能な情報を取得する取得手段と、前記端末装置の位置を特定可能な情報と前記記憶手段に記憶された情報とに基づいて、当該端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する特定手段と、特定した通信装置およびビームを前記端末装置へ通知する通知手段と、を有する。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本発明による端末装置は、基地局装置と、当該基地局装置に接続すると共に1つ以上の通信装置の少なくともいずれかと接続することができる端末装置とを含む無線通信システムにおける前記端末装置であって、前記基地局装置へ、前記端末装置の位置を特定可能な情報を送信する送信手段と、前記基地局装置から、前記端末装置が接続を確立すべき前記1つ以上の通信装置のうちのいずれかの通信装置と、前記端末装置と当該通信装置との通信において用いられるべきビームとを特定する情報を取得する取得手段と、特定された前記通信装置との間で、特定された前記ビームの情報に基づくビームを用いて接続を確立する確立手段と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、異種無線システムを並行して用いる場合のビームを考慮した接続制御を適切に実行可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】無線通信システムの構成例を示す図。
図2】基地局装置及び端末装置のハードウェア構成例を示す図。
図3】基地局装置の機能構成例を示すブロック図。
図4】端末装置の機能構成例を示すブロック図。
図5】制御装置に記憶される情報の例を示す図。
図6】無線通信システムにおいて実行される処理の流れの第1の例を示す図。
図7】無線通信システムにおいて実行される処理の流れの第2の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(無線通信システム)
図1に、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す。本無線通信システムは、例えば、ロングタームエボリューション(LTE)の基地局装置(eNB)、無線LANのアクセスポイント(AP)、及び端末装置を含んで構成される。なお、基地局装置は例えばLTE以前の世代の携帯電話など、他の無線通信規格の基地局装置であってもよいし、APもまた、いかなる無線通信規格に従う通信装置であってもよい。なお、無線LAN(WLAN)は、例えば2.4GHz、5.2GHz、5.3GHz又は5.6GHzの周波数帯を用いるものであってもよいし、例えば60GHz帯などのミリ波帯又は準ミリ波帯を用いるものであってもよい。ただし、基地局装置とAPとは、それぞれ異なる無線通信手法に従うものとし、端末装置との間で、それぞれ、第1の無線通信、及び第1の無線通信とは異なる第2の無線通信を行うものとする。なお、図1の例では、1つの基地局装置、2つのアクセスポイント及び1つの端末装置を示しているが、これに限られず、複数の基地局装置、1つ又は3つ以上のアクセスポイント及び複数の端末装置が存在し得る。また、図1のように、基地局装置とAPとの間には、Wireless Terminal(WT)が配置されてもよく、WTには、1つ以上のAPが接続されうる。なお、端末装置は、1つのAPのみならず、2つ以上のAPと並行して(例えば時分割で)接続することができてもよく、さらに、他の無線LANの端末装置と接続することが可能でありうる。
【0012】
また、以下では、セルラの基地局装置(LTEのeNB)と接続する端末装置が、さらに、無線LANのAPへの接続を試行するものとするが、これに限られない。すなわち、通信制御を主導する任意の第1のシステムにおける第1の通信装置と端末装置が接続し、さらに、第1の通信装置による指示に応じて、端末装置が任意の第2のシステムにおける第2の通信装置へ接続するシステムに以下の議論を適用することができる。
【0013】
無線LANには、ビームフォーミングが可能なものが存在する。例えば、IEEE802.11ad規格に準拠した通信装置は、以下のようにしてビームフォーミングを用いた通信を行うことができる。すなわち、まず、送信側装置と受信側装置とが、複数の使用可能なビームパターンを用意しておく。そして、第1段階(Sector Level Sweep、SLS)において、送信側装置が、使用可能なビームパターンのそれぞれで信号を送信して、受信側装置がビームを形成せずにそれらの信号を測定して測定結果を得る。次に、第2段階(Multiple Sector Identifier、MID)において、送信側装置がビームを形成せずに(例えば複数回)信号を送信し、受信側装置が使用可能なビームパターンのそれぞれを用いて信号を測定して測定結果を得る。その後、第3段階(Beam Combining、BC)において、送信側装置と受信側装置とが共に使用可能なビームの一部を用いて、信号の送受信を行い、使用するビームの組み合わせを決定する。ここで、第3段階で用いられるビームの組み合わせは、第1段階と第2段階の測定結果に応じて絞り込まれる。その後、送信側装置と受信側装置は、第3段階での測定結果に応じて、使用するビームの組み合わせを決定し、さらに、実際に通信を行うためのビームの最終調整(リファインメント)を行う。これにより、送信側装置と受信側装置との間で、通信に使用すべきビームを特定することができ、その結果、アンテナによって高い利得を得ることができるため、高品質/高速な通信を行うことができる。
【0014】
一方、基地局装置は、APと端末装置との間の接続を制御する必要があるが、APと端末装置との間で、ビームフォーミングによってどの程度の利得を得ることができるかを事前に知ることはできない。このため、端末装置の接続先として、例えば第1のAPとの間でビームフォーミングを用いることによって高速通信ができるにもかかわらず、高速通信を行うことができない第2のAPが選択されうる。また、この場合に仮に第1のAPが選択されたとしても、上述の第1段階〜第3段階を実行する必要があるため、接続が実際に確立されるまでに多くの時間を要するという課題があった。
【0015】
このため、本実施形態では、基地局装置が端末装置に適切なAPと適切なビームを用いて接続するように指示することを可能とするための制御装置を用意する。制御装置は、例えば、地理的な位置と、その位置において端末装置と接続先候補のAPとの通信に用いることができるビームと、そのビームを用いた場合の無線の品質とを関連付けて記憶しておく。そして、制御装置は、端末装置の位置を特定可能な情報を取得して、端末装置の位置を特定し、その位置に応じて、接続すべきAPと使用すべきビームとを特定して、端末装置及びAPに特定結果を通知する。なお、制御装置は、例えば基地局装置に備えられてもよいし、WTに備えられてもよく、また、基地局装置とWTのいずれとも異なるノードとして存在してもよい。
【0016】
これに対して本実施形態に係る端末装置は、例えば基地局装置を介して(すなわちLTEネットワークにおいて)、自身の位置を特定可能な情報を制御装置に通知する。ここで、端末装置の位置を特定可能な情報とは、例えば、端末装置がGPS測位の結果、基地局装置やAP等から受信した信号の(例えば信号の受信強度の)測定の結果から得られる測位の結果等、何らかの測位の結果を含みうる。また、端末装置の位置を特定可能な情報は、基地局装置やAP等から受信した信号の測定の結果を含んでもよい。この場合、基地局装置や制御装置において、この信号の測定の結果から、端末装置の位置を特定する。すなわち、端末装置の位置を特定可能な情報は、制御装置が何らかの形式で端末装置の地理的な位置を特定できる情報であれば足り、上述の情報の少なくともいずれか、又は上述の情報と異なる情報でありうる。端末装置は、自身の位置を特定可能な情報を制御装置に通知した後に、制御装置から(基地局装置を通じて)接続先のAPを特定し、そのAPとの通信に用いるべきビームを特定する情報を取得する。そして、端末装置は、特定されたビームの情報に基づいて、特定されたAPとの間でビームの最終調整を行って接続を確立する。これにより、端末装置は、ビームを使用した場合の通信に適したAPと接続を確立することができ、さらに、端末装置とAPとの間で使用されるビームの特定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0017】
なお、制御装置は、地理的な位置と、その位置において端末装置と接続先候補のAPとの通信に用いることができるビームと、そのビームを用いた場合の無線の品質とを、端末装置から収集して記憶することができる。すなわち、制御装置は、初期的にはこれらの情報が存在しないため、端末装置による測定の結果を収集する。なお、この情報の収集においては、制御装置は、端末装置に対して接続先のAPのみを通知し、端末装置はそのAPとの間で上述の第1段階〜第3段階を実行して、その測定結果を制御装置に通知する。なお、端末装置は、その測定結果に応じて、APとの接続を確立することができる。制御装置は、多くの端末装置から測定結果の情報収集を行うことにより、広範な地理的な位置における、適切な接続先のAPと、そのAPと端末装置との通信に使用可能なビームに関する無線の品質との関係のデータベースを作成することができる。なお、端末装置は、例えば測定した無線の品質が所定値以上であるようなビームに関してのみ、測定結果を制御装置へ通知するようにしてもよい。また、端末装置は、自身の地理的な位置の情報を、上述のような、何らかの形で制御装置が端末装置の位置を特定可能な情報によって通知しうる。また、制御装置は、地理的な位置そのものをデータベースに含めてもよいが、位置を特定可能な情報をデータベースに含めてもよい。すなわち、データベースには、地理的な位置そのものではなく、地理的な位置に関する情報が記憶されていればよく、制御装置は、地理的な位置を必ずしも特定せずに、端末装置が接続すべきAPと使用すべきビームとを特定することができる。また、データベースには、時間の情報が含まれてもよい。場所によっては、人口密度の変化などに応じて時間帯に応じて無線品質が変動しうるからである。
【0018】
なお、端末装置は、情報収集用の測定結果を、APを通じて制御装置へ通知してもよい。なお、測定結果の通知はLTEの基地局装置を通じて行われてもよく、これらの両方から行われてもよい。なお、通知は、例えばLTEのMeasurement Reportを用いて行われてもよく、また、Measurement Reportと異なる信号によって行われてもよい。
【0019】
また、AP又はLTEの基地局装置から制御装置へ通知が転送される際に、複数の位置における端末装置から送信された情報がまとめられてもよい。すなわち、AP又はLTEの基地局装置は、端末装置から送信された情報に基づいて、あるAPが使用可能なビームのそれぞれについて、対応する(カバー可能な)地理的領域を特定して、その地理的領域の情報を制御装置へ通知してもよい。また、AP又はLTEの基地局装置は、あるAPが使用可能なビームのそれぞれについて、そのビームが用いられた場合に最良の無線品質が得られた位置の情報と、最低の無線品質が得られた位置の情報との少なくともいずれかを制御装置に通知してもよい。なお、最低の無線品質が得られた位置の情報については、通信が可能な所定の閾値を超える範囲で最低の無線品質が得られた位置の情報であってもよい。なお、AP又はLTEの基地局装置からの制御装置への情報の通知は、周期的に行われてもよい。
【0020】
以下では、このような処理を行う制御装置、及び端末装置の構成と、それらが実行する処理の流れについて、詳細に説明する。
【0021】
(制御装置及び端末装置のハードウェア構成)
図2に、制御装置及び端末装置のハードウェア構成例を示す。制御装置及び端末装置は、一例において、図2に示すようなハードウェア構成を有し、例えば、CPU201、ROM202、RAM203、外部記憶装置204、及び通信装置205を有する。制御装置及び端末装置では、例えばROM202、RAM203及び外部記憶装置204のいずれかに記録された、上述のような制御装置及び端末装置の各機能を実現するプログラムがCPU201により実行される。
【0022】
そして、制御装置は、例えばCPU201により通信装置205を制御して、基地局装置、AP、又はWTの少なくともいずれかと通信を行う。なお、制御装置は、基地局装置であってもよく、この場合、通信装置205は、例えばLTEの無線インタフェースなどのセルラ無線通信インタフェースによって、端末装置と通信しうる。また端末装置は、例えばCPU201により通信装置205を制御して、基地局装置および無線LANのAPとの通信を行う。なお、図2では、制御装置及び端末装置は、1つの通信装置205を有するような概略図を示しているが、これに限られない。例えば、制御装置がLTEの基地局装置であった場合、制御装置は、制御装置とWT(AP)との間の通信用の第1の通信装置と端末装置との間の第2の通信装置とを有しうる。さらに、端末装置は、例えば、セルラ用の通信装置と無線LAN用の通信装置とを有する。
【0023】
なお、制御装置及び端末装置は、各機能を実行する専用のハードウェアを備えてもよいし、一部をハードウェアで実行し、プログラムを動作させるコンピュータでその他の部分を実行してもよい。また、全機能がコンピュータとプログラムにより実行されてもよい。
【0024】
(制御装置の機能構成)
図3に、制御装置の機能構成例を示す。上述のように、制御装置は、LTEの基地局装置又はWTに含まれうるが、別個のノードであってもよい。制御装置は、例えば、その機能構成として、送信部301、受信部302、位置情報取得部303、WLAN接続制御部304、情報記憶部305及び情報収集部306を有する。なお、本例では、上述のような、APと端末装置との間の接続制御に関する機能ブロックのみを示しているが、例えば制御装置が基地局装置である場合、制御装置は、通常の基地局装置としての機能を当然に有する。また、制御装置がWTである場合、制御装置は、通常のWTとしての機能を当然に有する。
【0025】
送信部301は、端末装置又はAPへ信号を送信し、受信部302は、端末装置又はAPからの信号を受信する。ここで、制御装置が基地局装置である場合は、端末装置との間で送受信される信号は無線信号であり、APとの間ではWTを介して有線信号又は無線信号が送受信される。また、制御装置がWTである場合又は基地局装置でもWTでもない場合、基地局装置との間で有線信号又は無線信号が送受信され、また、端末装置との間では、基地局装置又はAPを介して有線信号又は無線信号が送受信される。ここで、基地局装置から端末装置へ送信される無線信号は、例えば、1つの端末装置を対象とした信号、複数の端末装置を対象とした信号、又は全端末装置を対象とした信号を含みうる。一方、端末装置から基地局装置へ送信される無線信号は、その基地局装置へ宛てられた信号である。なお、送信部301及び受信部302は、それぞれ1つの機能部によって複数の装置へ信号を送信し、これらから信号を受信するように説明したが、それぞれの装置用の送信部及び受信部は、別個に存在しうる。
【0026】
位置情報取得部303は、端末装置から、端末装置の位置を特定可能な情報を取得する。なお、制御装置が基地局装置である場合は、制御装置は、端末装置から送信された位置を特定可能な情報を直接取得することができる。一方、制御装置がWTである場合又は他のノードである場合は、基地局装置を介して端末装置から位置を特定可能な情報を取得することができる。なお、端末装置の位置を特定可能な情報は、上述のように、測位結果であってもよいし、例えばLTEの基地局装置やWLANのAPのうちの3つ以上からの信号の測定結果など、何らかの形式で端末装置の位置を特定できる情報であってもよい。
【0027】
WLAN接続制御部304は、位置情報取得部303が取得した、端末装置の位置を特定可能な情報と、情報記憶部305に記憶された情報とに基づいて、端末装置が接続するAPと、そのAPと端末装置との通信に用いるべきビームとを特定する。そして、WLAN接続制御部304は、特定した接続先のAPと、使用すべきビームとの情報を端末装置へ通知する。このとき、端末装置への通知は、基地局装置を介して行われる。すなわち、制御装置が基地局装置である場合には、特定結果の情報が直接無線信号によって送信され、制御装置が基地局装置でない場合には、特定結果の情報が基地局装置へ送信される。
【0028】
情報記憶部305は、地理的な位置に関する情報と、APと、各位置において各APが使用可能なビームを用いた場合の無線の品質の情報とを関連付けて記憶する。なお、情報記憶部305は、時間帯ごとに、上述の情報を記憶してもよい。図5に、情報記憶部305が記憶する情報の例を示す。情報記憶部305では、一例において、図5のように、時間帯ごとに、各APの各ビームに関する測定結果が、位置関連情報と関連付けられて記憶される。なお、情報記憶部305は、各APの各ビームと、地理的領域の情報とを関連付けて記憶してもよい。ここで、地理的領域と各APの各ビームとの関連付けは、例えば、基地局装置、AP、及びWT等の制御装置の外部において行われうる。
【0029】
これにより、WLAN接続制御部304は、例えば、時刻と端末装置の位置に関する情報とから、最良の無線品質を有する、又は、所定の無線品質以上の品質を有する、APとビームとを特定することができる。そして、WLAN接続制御部304は、最良の無線品質を有する、又は、所定の無線品質以上の品質を有するAPとビームとの組み合わせを端末装置へ通知することができる。なお、WLAN接続制御部304は、無線品質が良好な方から、所定数の、APとビームとの組み合わせを特定して、特定した所定数の組み合わせを端末装置へ通知してもよい。また、WLAN接続制御部304は、端末から所定の範囲内に存在するAPについて、そのAPとビームとの組み合わせを所定数だけ特定して、特定した所定数の組み合わせを端末装置へ通知してもよい。
【0030】
情報収集部306は、情報記憶部305に記憶する情報を端末装置から収集する。ここで、情報収集部306は、基地局装置又はAPを通じて情報を収集することができる。収集される情報には、例えば、APの識別子、ビームの識別情報、そのビームが用いられた場合の無線信号の測定結果、及び、その測定が行われた際の端末装置の位置に関する情報が含まれる。ここで、APの識別子は、例えば、BSSID/SSIDの情報や、MAC Addressの情報でありうる。ビームの識別情報は、例えば、使用可能な複数のビームパターンのそれぞれに事前に付されたIDでありうる。なお、AP(及び端末装置)において、ビームのIDと、複数アンテナに対応する移相量及び遅延量とが関連付けられて記憶されうる。なお、端末装置は、信号の測定時に、用いられているビームを特定してもよい。例えば、上述の第1段階〜第3段階との少なくともいずれかにおいて送信される信号には、その信号の送信に用いられているビームのIDが含められてもよい。測定結果は、例えば、信号の受信電力でありうる。端末装置の位置に関する情報は、例えば、上述のように測位結果であってもよいし、周囲の固定された他の装置が送信した信号の測定結果であってもよい。このとき、周囲の固定された他の装置が送信した信号の測定結果は、測定された信号の送信元の装置を特定する情報、例えば基地局装置の識別情報(セルIDなど)を含みうる。なお、各APが、ビームフォーミングに対応しているかの情報や、ビームフォーミングに用いることができるアンテナの数の情報も収集されてもよい。
【0031】
(端末装置の構成)
続いて、図4を用いて、端末装置の機能構成例について説明する。上述のように、端末装置は、例えばLTE及び無線LANと同時並行的に通信可能な通信装置であるが、それ以外の無線通信システムの制御の下で、さらに他の無線通信システムにおける他の装置との通信を行うことができる任意の通信装置でありうる。端末装置は、例えば、その機能構成として、送信部401、受信部402、設定情報取得部403、WLAN接続制御部404、WLAN通信部405及び情報通知部406を有する。なお、本例では、上述のような、APと端末装置との間の接続制御に関する機能ブロックのみを示しているが、端末装置は、通常の端末装置としての機能を当然に有する。
【0032】
送信部401は、LTEの基地局装置へ無線信号を送信し、受信部402は、基地局装置からの無線信号を受信する。端末装置は、基地局装置から受信した指示に応じて、WLAN通信部405を制御して、LTEによる通信に加えて無線LANによる通信を行い、又は、その通信を終了する。
【0033】
設定情報取得部403は、制御装置から(基地局装置を介して)通知された、接続先のAPとそのAPとの通信に使用すべきビームとを特定する情報を取得する。なお、設定情報取得部403は、APとビームとの組み合わせを1つのみ取得してもよいし、複数取得してもよい。
【0034】
WLAN接続制御部404は、取得した情報に基づいて、その情報で指定されたAPとの間で、指定されたビームを用いた接続の確立を試みるように、WLAN通信部405を制御する。なお、WLAN接続制御部404は、APとビームとの組み合わせが複数取得されている場合には、例えば、その複数の組み合わせの全てについて、WLAN通信部405に接続の確立を試行させて、最良の品質を得られる組み合わせを特定させることができる。また、WLAN接続制御部404は、この場合に、複数の組み合わせのうち、品質が良いと推定されるものから順にWLAN通信部405に接続の確立を試行させ、所定以上の品質を得られる組み合わせを特定させてもよい。
【0035】
WLAN通信部405は、WLAN接続制御部404の制御に基づいて、指定されたAPとの間で、指定されたビームを用いて接続を確立して通信を行う。なお、WLAN通信部405は、通信の開始前に、接続先のAPとの間で、通信に用いるビームの最終調整を行う。ただし、WLAN通信部405は、上述の第1段階及び第2段階を実行する必要がないため、APとの接続を高速に確立することができる。
【0036】
情報通知部406は、制御装置に対して(基地局装置又はAPを介して)、制御装置の情報記憶部305に記憶させるための情報を通知する。通知する情報の内容は、例えば上述の通りである。なお、情報通知部406は、基地局装置からのAPとの接続指示に対して、どのビームを使用すべきかの指定がない場合などに、その測定結果を制御装置へ通知しうる。また、情報通知部406は、同様の位置で、複数回の測定結果の通知を行ってもよい。すなわち、制御装置の情報記憶部305に情報が記憶されている位置においても、再度の測定結果の通知が行われてもよい。この再度の通知は、例えば基地局装置の指示に応じて行われうる。また、APとの所定のビームを用いた通信中に受信した測定結果を通知するようにしてもよい。これにより、制御装置の情報記憶部305に記憶される情報が更新されうる。
【0037】
(処理の流れ)
続いて、本実施形態の無線通信システムで実行される処理の流れについて図6及び図7を用いて説明する。なお、以下の説明では、制御装置の情報記憶部305には、既に、端末装置の位置を特定可能な情報(以下では「位置関連情報」と呼ぶ。)が通知された場合に接続すべきAPと使用すべきビームとが特定可能な程度に、情報が蓄積されているものとする。図6は、制御装置が基地局装置に含まれる場合の例を示しており、図7は、制御装置がWTに含まれる場合の例を示している。
【0038】
まず、図6の例から説明する。まず、端末装置は、自身の位置関連情報を基地局装置へ送信する(S601)。位置関連情報は、上述の通り、GPS等による測位結果や、周囲の固定された他の装置(例えば基地局装置又はAP)からの信号の測定結果などの、何らかの形式で端末装置の位置が特定されうる情報である。基地局装置(制御装置)は、その位置関連情報を取得すると、その情報と、情報記憶部305に記憶された情報とに基づいて、端末装置が接続すべきAPと、端末装置とそのAPとの通信に用いられるべきビームとを特定する(S602)。そして、基地局装置(制御装置)は、その特定したAPとビームとの情報を、端末装置へ通知する(S603)。なお、この通知には、例えば、RRCConnectionReconfigurationメッセージなどの、LTE規格で規定されたメッセージが用いられてもよいし、他のメッセージが用いられてもよい。また、基地局装置(制御装置)は、特定したAPに対して、そのAPが接続すべき端末装置の情報と、その際に用いるべきビームの情報とを通知する(S604)。その後、端末装置及びAPは、通知されたビームを用いて接続を確立し、通信を行う(S605)。
【0039】
次に、図7の例について説明する。まず、図6の場合と同様に、端末装置は、自身の位置関連情報を基地局装置へ送信する(S701)。次に、基地局装置は、端末装置の位置関連情報をWT(制御装置)へ転送する(S702)。なお、このとき、基地局装置は、端末装置を特定する情報をWT(制御装置)へ通知してもよい。そして、WT(制御装置)は、その位置関連情報を取得すると、その情報と、情報記憶部305に記憶された情報とに基づいて、端末装置が接続すべきAPと、端末装置とそのAPとの通信に用いられるべきビームとを特定する(S703)。そして、WT(制御装置)は、その特定したAPとビームとの情報を、基地局装置へ通知し(S704)、基地局装置は、通知された情報を端末装置へ転送する(S705)。一方、WT(制御装置)は、例えばS702において基地局装置から通知された端末装置を特定する情報と、その端末装置との通信で使用すべきビームの情報をAPへと通知する(S706)。なお、WT(制御装置)は、S702において基地局装置から端末装置を特定する情報の通知を受けていなかった場合、基地局装置からAPへの端末装置の情報とビームを特定する情報とが送信されてくるのを待機してもよい。そして、この場合、WT(制御装置)は、基地局装置から送信されてきた情報をAPへと転送することができる。また、また、基地局装置は、S704の通知を受けたことに応じて、端末装置を特定する情報をWT(制御装置)へ通知してもよい。そして、WT(制御装置)は、S706において、その通知された端末装置を特定する情報と特定したビームの情報とをAPへと通知してもよい。その後、端末装置及びAPは、通知されたビームを用いて接続を確立し、通信を行う(S707)。
【0040】
なお、接続の確立の際には、ビームの最終調整が行われる。すなわち、通知されたビームそのものが用いられるのではない場合がある。しかしながら、そのビームも通知されたビームに基づくものであるため、高速に接続が確立されうる。なお、制御装置は、端末装置の現在の位置の周辺における、接続対象のAPとそのAPとの通信に用いられるべきビームとを特定してもよい。そして、制御装置は、現在の位置に対応する接続先のAPと使用すべきビームとの情報の通知と同時又はその後に、周辺の位置に対応する接続対象のAPとビームとの情報を端末装置に通知してもよい。これによれば、端末装置が移動したとしても、その移動先で接続すべきAPと使用すべきビームとが端末装置に通知されるため、端末装置が高速に接続先の切り替え(ハンドオーバ)を行うことが可能となる。
【0041】
以上のようにして、制御装置は、端末装置が接続すべきAPと、端末装置とそのAPとの間での通信に用いられるビームとを特定することで、端末装置とAPとの間の接続がビームの利得を考慮したものとなる。また、端末装置とAPとの間の接続の確立が高速化される。また、多くの端末装置が測定結果を通知することによって、通信に適したAPとビームとの組み合わせが適切に特定される確率が向上しうる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7