(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る土砂除去バケット100及び土砂の除去方法の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、
図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0013】
実施の形態.
図1は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100をクレーン車300で吊り上げている様子の説明図である。
図2は、地面50を掘削して形成した縦穴51に鋼管杭40が挿入された様子を示す図である。
図3は、
図2に示す鋼管杭40内に土砂除去バケット100を入れ、土砂除去バケット100を降下させている様子を示す図である。
図4は、
図3に示す土砂除去バケット100を縦穴51の底部に配置した状態を示す図である。
図1〜
図4を参照して、土砂除去バケット100の設置方法等について説明する。
【0014】
土砂除去バケット100は、縦穴51内の土砂を吹き上げるのに用いられる空気を流す配管30と接続された状態で、クレーン車300によって持ち上げる。クレーン車300のクレーン301で持ち上げられた土砂除去バケット100及び配管30は、
図2に示す縦穴51に挿入された鋼管杭40内に入れる。
クレーン301によって、
図3に示すように、鋼管杭40内に入れられた土砂除去バケット100及び配管30を降下させていく。そして、
図4に示すように、縦穴51の底部に土砂除去バケット100を載置する。
【0015】
図2に示す状態で、縦穴51の底部において鋼管杭40の先端(下端)に土砂が残留していると、鋼管杭40に所要の支持力が発現しない可能性があるため、排出する必要がある。ここで、土砂は、水分を含んでいる場合には、スライム状になることがある。スライム状になった土砂は、乾いている土砂と比較すると、粘土が高く、重い。従来のように縦穴51の掘削中に空気を底部に送り込み、縦穴51の外まで排出する手法では、スライム状になった土砂の吹き上げは容易ではない。
【0016】
そこで、
図4に示すように土砂除去バケット100を鋼管杭40内の縦穴51の底部に配置し、図示省略のコンプレッサーを用いて配管30に空気を送り込む。そうすると、配管30を流れた空気は、土砂除去バケット100の底部から放出され、縦穴51の底部に残留した土砂は吹き上げられ、土砂除去バケット100の高さよりも高く吹き上がったスライム状の土砂を土砂除去バケット100で回収する。なお、縦穴51の底部の土砂の回収を終えたら、再度、クレーン車300のクレーン301で配管30及び土砂除去バケット100を持ち上げる。このような過程を経ることで、本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、縦穴51内にスライム状の土砂が残留していても、容易に回収することができるようになっている。
なお、本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、より効率的に土砂を回収ができるように、後述する爪10C等を備えている。これについては、
図5以降において詳しく説明する。
【0017】
<構成説明>
図5は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100を上側から見た図である。
図6は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100を側面から見た図である。
図7は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100を底面から見た図である。
図8は、
図6に示すA−A断面図である。
【0018】
土砂除去バケット100は、土砂を貯留する容器本体100Aと、容器本体100Aの内側に配置され、配管30から供給される空気が流れる空気流通部6と、容器本体100Aの上部に設けられ、空気流通部6の上端が接続された接続部4と、接続部4と容器本体100Aとを接続する補強部2A〜2Dとを備えている。また、土砂除去バケット100は、後述する容器本体100Aの底部10に、開閉機構10Dが設けられている。
【0019】
(容器本体100A)
容器本体100Aは、有底筒状部材である。すなわち、容器本体100Aは、筒状の胴部1と、胴部1の下端部に設けられた底部10とを含むものである。容器本体100A内には、土砂を貯留する内部空間SPが形成されている。
胴部1は、円筒状部材であり、内周面S0が空気流通部6に対向するように設けられている。胴部1の外周面は、土砂除去バケット100が鋼管杭40内に入れられたときには鋼管杭40の内周面に対向する。胴部1は円筒状であるものを一例として説明するが、それに限定されるものではなく、筒状であればよい。例えば、胴部1は、水平断面形状が多角形であってもよい。胴部1は、上端部が開放されており、空気の力で吹き上げられた土砂が落下して容器本体100A内に入るようになっている。また、胴部1には下端部に底部10が設けられており、容器本体100A内で土砂を貯留できるように構成されている。
【0020】
胴部1は、胴部本体1Aと、排土扉7とを備えている。なお、この排土扉7は、排土扉本体7Aと、軸部7Bと、ロック機構7Cとを備えている。胴部本体1Aには、排土扉本体7Aが軸部7Bを介して開閉自在に取り付けられている。つまり、軸部7Bは、胴部本体1Aと排土扉本体7Aとが回動するように連結している。排土扉7は、胴部1のうちの下側に配置されている。つまり、胴部本体1Aが底部10に接続されて両者が固定されているが、排土扉7は底部10に接続されておらず、動くようになっている。ロック機構7Cについては、土砂除去バケット100を使用しているときには、排土扉本体7Aが開かないようにロックをするのに用いられるものである。ロック機構7Cについては、
図11において詳しく説明する。
【0021】
底部10は、円形の板状部材である。底部10は、板状の底部本体10Aと、底部本体10Aの中央部から外れた位置に形成された穴である土砂取込口10Bと、底部本体10Aの外側面S2に形成された爪10Cと、底部本体10Aの中央部に形成された空気流出口10Eとを備えている。爪10Cは、底部本体10Aと、例えば45度程度の角度が形成されるように設けられている。爪10Cは、内側面S1から外側面S2に向かう側に突出するように形成された部材である。
土砂除去バケット100及び配管30は回転させて、効率的に土砂を回収することができるものとなっている。つまり、配管30を任意の動力機械で回転させることで、土砂除去バケット100を回転させ、爪10Cで縦穴51の底部の土砂を掻き上げる。爪10Cの作用によって土砂が掻き上げられると、土砂取込口10Bから容器本体100A内に回収される。つまり、土砂除去バケット100は、空気の力で土砂を吹き上げて容器本体100A内に土砂を放り込み土砂を回収することができるだけでなく、爪10Cを用いて土砂を掻き上げて容器本体100A内に土砂を回収することができるようになっている。
底部本体10Aのうち空気流出口10Eの形成位置には、空気流通部6の下端が接続されている。このため、図示省略のコンプレッサーから供給される空気は、空気流通部6を介して空気流出口10Eから放出されることになる。
【0022】
(空気流通部6)
空気流通部6は、上下方向に延びるように形成された配管状部材である。空気流通部6の上端は接続部4に接続され、空気流通部6の下端は底部10に接続されている。
【0023】
(接続部4及び補強部2A〜2D)
接続部4は、例えば円板状部材で構成することができ、配管30が着脱され、空気流通部6が接続される部分である。補強部2A〜2Dは、接続部4と容器本体100Aとを接続する部分である。具体的には、各補強部(補強部2A〜2D)は、接続部4の周面と、容器本体100Aの胴部1の胴部本体1Aの上部の内周面とを接続するものである。
配管30と空気流通部6とをそのまま接続する態様も考えられるが、土砂除去バケット100は回転させて用いるため、接続部分の強度を確保できないことがある。このため、本実施の形態では、接続部4を設けるとともに補強部2A〜2Dを設けることで、配管30と空気流通部6との連結部分の強度が弱くなることを回避している。
なお、容器本体100Aの上部には、土砂を容器本体100A内に入れるための開放部3A〜3Dが形成されている。この開放部3A〜3Dは、接続部4の周面と、補強部2A〜2Dの側面と、胴部1の胴部本体1Aの内周面と、の間に形成されている。
【0024】
(開閉機構10D)
開閉機構10Dは、底部10上に配置されている。開閉機構10Dは、底部10の土砂取込口10Bの解放と閉塞とを切り替えることができる機能を有している。具体的には、開閉機構10Dは、土砂取込口10Bの開口面に対応する形状に形成された板状の閉塞部10D1と、底部10上に固定され、閉塞部10D1を回動自在に支持する軸部10D2とを備えている。なお、開閉機構10Dは、内開きの構成である。すなわち、軸部10D2は、閉塞部10D1を上側に持ち上げる力が作用し続けている。なお、軸部10D2は、例えばスプリングヒンジで構成することができる。これにより、閉塞部10D1を上側に持ち上げる力を作用させることができる。
容器本体100A内に土砂がない場合には、閉塞部10D1は上側に上がっており、土砂取込口10Bが解放されている。このため、土砂除去バケット100を回転させると、爪10Cによって掻き上げられた土砂が土砂取込口10Bから容器本体100A内に入り込む。一方、空気流出口10Eから空気を放出すると、土砂が吹き上げられ、容器本体100A内に貯留されていく。そして、貯留される土砂が増えていくと、土砂の重みによって閉塞部10D1が下側に移動していき、やがて閉塞部10D1が土砂取込口10Bに嵌りこみ、土砂取込口10Bを閉塞する。
【0025】
図9Aは、
図6に示すB−B断面図であって、本実施の形態に係る土砂除去バケット100の排土扉7及び土砂取込口10B等の説明図である。
図9Bは、本実施の形態に係る土砂除去バケット100の土砂取込口10Bの形状の説明図である。
図9A及び
図9Bを参照して排土扉7及び土砂取込口10B等の構成について説明する。
【0026】
図9Aに示すように、空気流通部6を中心としたとき、軸部7Bとロック機構7Cとの位置関係は、おおよそ90度程度の角度をなしている。つまり、排土扉7の水平断面形状は、円弧形状であるが、その円弧の中心角はおおよそ90度である。なお、この角度に限定されるものではなく、例えば、排土扉7の中心角を90度よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。なお、排土扉7の中心角をあまり大きくしすぎると、底部10と胴部1とが接続される部分が少なくなってしまい、土砂除去バケット100の強度が低減する可能性がある。また、排土扉7の中心角が小さすぎると、土砂除去バケット100で回収した排土を排出しにくくなる。これらを踏まえて、本実施の形態では、排土扉7の中心角を90度程度に設定している。
【0027】
図9Bに示すように、土砂取込口10Bの開口面の形状は、台形に近い形状となっている。より詳細には、当該開口面の形状は、軸部10D2が配置されている部分の第1の辺と、当該第1の辺と平行であって第1の辺10B1よりも長い第2の辺10B2と、第1の辺10B1と第2の辺10B2とを結ぶ直線である第3の辺10B3と、第1の辺10B1と第2の辺10B2とを結ぶ円弧である第4の辺10B4と、によって囲われる領域に対応している。なお、この形状に限定されるものではなく、例えば、長方形であってもよいし、円形であってもよい。
【0028】
爪10Cは、第2の辺10B2に対応する位置に設けられている。爪10Cの水平方向に平行な方向の幅は、第2の辺10B2の長さと同程度である。また、開閉機構10Dの軸部10D2は、第1の辺10B1に対応する位置に設けられている。
【0029】
図10は、
図9Aに示す土砂除去バケット100の排土扉7が開いている状態の説明図である。
図11は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100の排土扉7の開閉に用いられるロック機構7C等の説明図である。
図10は、棒状部材7CCについては外した状態を示している。
図11は、排土扉7を閉じて、さらに、ロック機構7Cの棒状部材7CCで排土扉7をロックしている状態を示している。
図10及び
図11を参照して排土扉7及びロック機構7C等について詳しく説明する。
ロック機構第7は、第1ホルダー部7C1、第2ホルダー部7C2及び棒状部材7CCを備えているものである。ここで、第1ホルダー部7C1は、排土扉本体7Aの内周面S0に取り付けられているものである。第1ホルダー部7C1には、棒状部材7CCが挿入可能な挿入穴が形成されている。第2ホルダー部7C2は、胴部本体1Aの内周面S0に取り付けられているものである、第2ホルダー部7C2にも、第1ホルダー部7C1に対応するように、棒状部材7CCが挿入可能な挿入穴が形成されている。棒状部材7CCは、上下方向に延びるように形成された長尺状の棒である。
排土扉本体7Aが閉じている状態においては、第1ホルダー部7C1の挿入穴及び第2ホルダー部7C2の挿入穴の平面位置が一致している。このため、開放部3A〜3Dから棒状部材7CCを降ろしていくと、棒状部材7CCの先端部分が、第1ホルダー部7C1の挿入穴と第2ホルダー部7C2の挿入穴に順次、入り込む。これにより、土砂除去バケット100を使用しているときに、排土扉7が開いてしまうことを防止することができるようになっている。
【0030】
<動作説明>
図12は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100を縦穴51の底部に設置した状態の説明図である。
図13は、
図12に示す土砂除去バケット100を回転させ、土砂除去バケット100内に土砂が溜まる様子の説明図である。
図14は、
図12に示す配管30を介して縦穴51内に空気を送り込み、土砂除去バケット100内に土砂が溜まる様子の説明図である。なお、
図14において、配管30及び空気流通部6を通る空気の流れを破線の矢印で示している。
図12〜
図14を参照して、土砂除去バケット100の動作説明をする。
【0031】
図12は、縦穴51の底部に土砂除去バケット100を載置した状態を示している。土砂除去バケット100を縦穴51の底部に載置する過程の一例は、
図1〜
図4で説明した通りである。
図12の状態において、次の2つの動作を実行する。
【0032】
(動作1:配管30及び土砂除去バケット100の回転)
図13に示すように、配管30を任意の動力機械で回転させることで、土砂除去バケット100を回転させることができる。土砂除去バケット100が回転すると、爪10Cによって縦穴51の底部に残留した土砂SR0が掻き上げられ、土砂取込口10Bから容器本体100Aの内部に取り込まれる。土砂取込口10Bを介して容器本体100Aの内部に取り込まれた土砂が、
図13に示す土砂SR1に対応している。
【0033】
(動作2:土砂除去バケット100への空気供給)
図14に示すように、図示省略のコンプレッサー等から配管30に空気を供給する。配管30に供給された空気は、配管30を通って配管着脱部5から、空気流通部6に至る。そして、空気流通部6に至った空気は、空気流通部6を流れて、空気流出口10Eから吹き出される。そして、空気流出口10Eから吹き出された空気は、空気流出口10Eを中心として放射状に拡がる。
これにより、土砂は、空気流出口10Eから吹き出された空気とともに、空気流出口10E側から鋼管杭40の内周面側に向かう方向に移動する。この土砂及び空気の流れは、
図14の流れFL1に対応している。
そして、土砂が、鋼管杭40の内周面に至ると、空気の勢いによって、胴部1の外周面と鋼管杭40との間の隙間TLを上昇する。この土砂及び空気の流れは、
図14の流れFL2に対応している。
更に、土砂が容器本体100Aの上部よりも上側まで至ると、重力等の作用で落下し、開放部3A〜3Dから容器本体100A内に入る。この土砂及び空気の流れは、
図14の流れFL3に対応している。また、開放部3A〜3Dを介して容器本体100A内に入った土砂が、
図14に示す土砂SR2に対応している。
【0034】
(動作順番:動作1を先に開始)
動作1及び動作2の少なくとも一方の動作を実行することで、土砂除去バケット100を用いて縦穴51から土砂を回収するという目的を実現することができる。本実施の形態では、動作1及び動作2のいずれも実行する。
ここで、動作1を行って主に爪10Cを用いて容器本体100A内に土砂を回収してから、爪10Cで回収しきれなかった土砂を動作2で回収するようにしてもよい。つまり、動作1を実行してから動作2を実行するとよい。
これにより、土砂がスライム状になって重くなっていても、動作1である程度の土砂を回収してしまうので、土砂全体の重量が小さくなる。また、爪10Cで土砂が撹拌されるため、スライム状の土砂を引き離し、分散させることができる。このように、土砂全体の重量を小さくするとともに、土砂を分散させることができるので、動作2で土砂を効率的に吹き上げることができる。
また、動作1を実行して配管30及び土砂除去バケット100の回転を止めて、動作2を実行してもよいし、動作1を継続しながら、動作2を開始してもよい。なお、動作1を継続しながら、動作2を開始すると、爪10Cで土砂取込口10Bから土砂を取り込みながらも、開放部3A〜3Dから土砂を取り込むことができるので、土砂を回収する効率が向上する。
【0035】
(動作順番:動作2を先に開始)
また、動作2を実行してから動作1を実行してもよい。動作2を実行すると、開放部3A〜3Dから土砂が容器本体100A内に入る。これによって、土砂の重みで開閉機構10Dが土砂取込口10Bを閉じる。このため、動作2を実行してから、動作1を実行すると、土砂取込口10Bから土砂が取り込めなくなる場合もある。しかし、動作1を実行することで、爪10Cによって土砂を分散させることができるため、動作2によって土砂を回収する効率を高めることができる。
【0036】
(動作順番:動作1及び動作2を同時に開始)
更に、動作1及び動作2を同時に開始してもよい。動作1及び動作2を同時に開始することで、爪10Cで土砂取込口10Bから土砂を取り込みながらも、開放部3A〜3Dから土砂を取り込むことができるので、土砂を回収する効率が向上する。
【0037】
本実施の形態では、土砂除去バケット100に土砂取込口10Bが形成され、開閉機構10Dが設けられた態様について説明したが、それに限定されるものではない。例えば、土砂取込口10B及び開閉機構10Dが設けられていなくてもよい。これらが設けられていなくても、本実施の形態に係る土砂除去バケット100と同様に効果を得ることができる。すなわち、動作1を実行することで、爪10Cで土砂を容器本体100A内に取り込めなくても、土砂を分散させることができる。これにより、動作2で土砂を吹き上げやすくなる。
【0038】
<本実施の形態に係る土砂除去バケット100の有する効果>
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、鋼管杭40を建てる縦穴51内の土砂を除去する土砂除去バケット100であって、筒状の胴部1と胴部1の下端部に設けられた底部10とを含み、上部が開放されている容器本体100Aと、胴部1の内側に配置され、下端が底部10に接続された管状の空気流通部6とを備え、底部10は、容器本体100Aの内周面S0の一部を構成し、空気流通部6の下端が接続された内側面S1と、内側面S1の反対側に形成された外側面S2と、外側面S2から下側に突出して形成され、残留物を掻き上げる爪10Cと、外側面S2のうち空気流通部6の下端に対応する位置に形成され、空気流通部6に連通する空気流出口10Eとを含む。なお、残留物は、縦穴51の底部の土砂を含むものである。
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、空気流出口10Eから吹き出される空気によって、土砂除去バケット100の底部等に位置する土砂を吹き上げ、容器本体100Aの上部から土砂を回収することができる。すなわち、掘削した縦穴51内の土砂を、縦穴51の入口まで吹き上げなくても、土砂除去バケット100の高さ程度まで土砂を吹き上げれば、土砂を回収することができる。このため、掘削した縦穴内の土砂を、より確実に排出可能となっている。
また、たとえ土砂がスライム状になっていても、爪10Cの作用によって土砂を分散させることができ、供給した空気でより効率的に土砂を吹き上げ、容器本体100A内に回収することができる。
【0039】
なお、本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、ダウンザホールハンマー工法を用いるときに有効である。ここで、ダウンザホールハンマー工法は、ハンマー及びビットを回転させながら縦穴51の底部において高圧コンプレッサーから送られる空気にてハンマーシリンダー内のピストンを往復運動させ、この運動によりビット先端の打撃によって岩盤などを破砕するとともに、同コンプレッサーからの空気をハンマー先端から吹き出すことによって掘削土砂を縦穴51外に排出する工法である。土砂除去バケット100を用いれば、ダウンザホールハンマー工法で発生した掘削土砂の穴底残留分をより確実に排出することができる。
また、本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、穴底残留物をより確実に排出できるので、鋼管杭40の支持力が低減することを抑制することができる。
【0040】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、底部10は、外側面S2に爪10Cが接続され、内側面S1と外側面S2とを連通する土砂取込口10Bとをさらに含む。これにより、空気の力で土砂を吹き上げて容器本体100A内に土砂を回収するだけでなく、爪10Cで掻き上げた土砂を直接的に容器本体100A内に回収することができる。このため、より効率的に土砂を回収することができる。
【0041】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、土砂取込口10Bを開閉する開閉機構10Dとをさらに備え、開閉機構10Dは、土砂取込口10Bの開口面に対応する形状に形成された板状の閉塞部10D1と、底部10上に固定され、閉塞部10D1を回動自在に支持する軸部10D2とを含む。これにより、容器本体100A内に回収された土砂の量が増大していったときに、容器本体100A内の土砂が土砂取込口10Bから外に出て行ってしまうことを防止することができる。
【0042】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、容器本体100Aの上部に位置し、空気流通部6の上端が接続された接続部4と、一端が容器本体100Aの上部に接続され、他端が接続部4に接続された補強部2A〜2Dとをさらに備え、接続部4は、空気流通部6に空気を供給する配管30が着脱される配管着脱部5を含む。接続部4及び配管着脱部5を備えているため、空気流通部6が、破損(例えば、曲がる等)をしてしまうことを防止することができる。すなわち、配管30と空気流通部6とを直接接続する態様も考えられるが、土砂除去バケット100が回転させて用いるものであるため、空気流通部6を太くする等の措置を取らないと空気流通部6が破損してしまう可能性がある。なお、空気流通部6を太くすると、容器本体100Aの内部容積が小さくなるデメリットがある。
しかし、本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、接続部4及び配管着脱部5を備えているため、容器本体100Aの内部容積が小さくなることを回避しながらも、空気流通部6が破損することを防止することができる。
【0043】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、胴部1には、開閉自在の排土扉7が設けられている。このため、土砂除去バケット100をひっくり返す等の動作を行わなくても、土砂除去バケット100内に回収した土砂を排出することができ、作業者の負担を軽減することができる。
【0044】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100を用いた土砂の除去方法は、空気を流す配管を上部に接続した有底筒状の容器本体100Aを、配管30とともに縦穴51内に下ろす工程と、容器本体100Aを回転させて容器本体100Aの底部10に形成された爪10Cで土砂を掻き上げながら、配管30から空気を流して容器本体100Aを通して容器本体100Aの底部10から空気を放出させる工程とを備えている。これにより、爪10Cの作用によって土砂を分散させながら、供給した空気でより効率的に土砂を吹き上げ、容器本体100A内に回収することができる。
【0045】
なお、
図3、
図4及び
図12〜
図15においては、縦穴51を掘削し終え、縦穴51に鋼管杭40を建てた後に、土砂除去バケット100を縦穴51の底部に設置した状態を一例として示している。ここで、本実施の形態に係る土砂除去バケット100、及び土砂除去バケット100を用いた土砂の除去方法は、
図3、
図4及び
図12〜
図15等に示す態様に限定されるものではない。本実施の形態に係る土砂除去バケット100、及び土砂除去バケット100を用いた土砂の除去方法は、縦穴51を掘削中に使用してもよいし、縦穴51を掘削し終え、鋼管杭40を建てる前に使用してもよい。
【0046】
<変形例>
図15は、本実施の形態に係る土砂除去バケット100の変形例の説明図である。
図15を参照して本実施の形態の変形例について説明する。
【0047】
本変形例では、例えば配管30に笠部31が取り付けられている。笠部31は、土砂除去バケット100の上方に配置されている。笠部31が設けられていることにより、空気の力で吹き上げられた土砂が、開放部3A〜3Dに落ちやすくなっている。なお、この土砂及び空気の流れは、
図15の流れFL4に対応している。
笠部31は、例えば筒状部材で構成することができる。すなわち、笠部31は、円錐形状の上部を除いた形状で構成することができる。この笠部31は、径が小さい方が上側であり、径が大きい方が下側にくるように配管30に取り付けられる。なお、笠部31の材質は、特に限定されるものではなく、樹脂でもよいし、金属であってもよい。また、本変形例では、配管30に笠部31を取り付けているがそれに限定されるものではない。
【0048】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、容器本体100Aの上方に配置され、配管30の周囲から配管30の径が大きくなる方向に延びるように形成された笠部31をさらに備えた。すなわち、笠部31は、中心側の部分が配管30の周囲に位置し、外側の部分が鋼管杭40の内周面に対向するように位置している。なお、笠部31の外側の部分は、隙間TLの上方に位置している。
仮に、この笠部31がないと、笠部31よりも上側に土砂が吹き上がり、その後に開放部3A〜3Dに落下することになる。このため、土砂が高く吹き上がる分、土砂が吹き上がっている時間が増大し、土砂の回収効率が悪くなることがある。このため、本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、配管30に笠部31を設け、土砂を土砂除去バケット100内に回収する効率を向上させている。
【0049】
本実施の形態に係る土砂除去バケット100は、笠部31は、錐状に形成され、小径側が上側になるように配管30に取り付けられている。土砂が笠部31に至ると、土砂は笠部31の径が大きい部分(下端部分)から笠部31の径が小さい部分(上端部分)に沿って移動する場合がある。すなわち、土砂は、笠部31の下面に沿って中心(配管30)に寄るように移動してくる場合がある。このように、土砂を中心に寄せることで、より確実に開放部3A〜3Dの位置に土砂を落とすことができ、効率的に土砂を容器本体100Aに回収することができる。