特許第6562837号(P6562837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562837
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】シャルドネ種子製品の治療上の使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/87 20060101AFI20190808BHJP
   A23C 9/152 20060101ALI20190808BHJP
   A23K 20/00 20160101ALI20190808BHJP
   A23L 33/10 20160101ALI20190808BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 1/12 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 3/08 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 5/50 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 7/02 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20190808BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   A61K36/87
   A23C9/152
   A23K20/00
   A23L33/10
   A61K45/00
   A61P1/12
   A61P1/18
   A61P3/00
   A61P3/04
   A61P3/06
   A61P3/08
   A61P5/50
   A61P7/00
   A61P7/02
   A61P9/00
   A61P9/10
   A61P9/12
   A61P15/08
   A61P35/00
   A61P43/00 121
【請求項の数】14
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2015-510368(P2015-510368)
(86)(22)【出願日】2013年4月29日
(65)【公表番号】特表2015-523321(P2015-523321A)
(43)【公表日】2015年8月13日
(86)【国際出願番号】US2013038696
(87)【国際公開番号】WO2013165921
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2016年4月27日
【審判番号】不服2018-5367(P2018-5367/J1)
【審判請求日】2018年4月19日
(31)【優先権主張番号】61/640,622
(32)【優先日】2012年4月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/691,515
(32)【優先日】2012年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/798,992
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514275509
【氏名又は名称】ソノマシューティカルズ・エルエルシー
(73)【特許権者】
【識別番号】514275417
【氏名又は名称】ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ザ・セクレタリー・オブ・アグリカルチャー
【氏名又は名称原語表記】The United States of America as Represented by the Secretary of Agriculture
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】トーリ・ジェイムズ・アーヴィク
(72)【発明者】
【氏名】レベッカ・スーザン・リプソン
(72)【発明者】
【氏名】ウォレス・エイチ・ヨコヤマ
【合議体】
【審判長】 滝口 尚良
【審判官】 藤原 浩子
【審判官】 長部 喜幸
(56)【参考文献】
【文献】 Decorde K, et al.,Molecular Nutrition & Food Research,2009年,Vol.53, No.5,p.659−666
【文献】 DECORDE KELLY,AGRO FOOD INDUSTRY HI−TECH 2009,2009年1月1日,V20 N6,P24−26
【文献】 Lutterodt H, et al.,Food Chemistry,2011年 3月15日,Vol.128,No.2,p.391−399
【文献】 Thiruchenduran M, et al.,Cardiovascular Pathology,2011年,Vol.20, No.6,p.361−368
【文献】 有井 雅幸,ブドウ種子ポリフェノール(プロアントシアニジン)のキレートフーズとしての可能性〜糞便消臭効果と腸内細菌叢に及ぼす影響〜,食品と開発,2000年11月 1日,第35巻,第11号,p.14−16
【文献】 Yamakoshi J, et al.,Microbial Ecology in Health and Disease,2001年,Vol.13,p.25−31
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00-36/9068
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
代謝症候群の処置、肝臓の重量の減少、コレステロールの減少のために、それを必要とする哺乳動物において使用する医薬品の製造のための、有効量のシャルドネ種子粉の使用。
【請求項2】
有効量が、1日あたり少なくとも1gである、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
有効量が、1日あたり少なくとも10gである、請求項1に記載の使用。
【請求項4】
有効量が、体重1kgあたり少なくとも0.2gである、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
哺乳動物が、ヒトである、請求項1に記載の使用。
【請求項6】
コレステロールの減少のために、それを必要とする哺乳動物において使用する医薬品の製造のための、有効量のシャルドネ種子粉の使用。
【請求項7】
有効量が、体重1kgあたり少なくとも0.2gである、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
有効量が、1日あたり少なくとも1.0gである、請求項6に記載の使用。
【請求項9】
哺乳動物が、ヒトである、請求項6に記載の使用。
【請求項10】
質代謝の増加、体重の減少、異常リポタンパク血症の治療、腸におけるバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)群細菌の量の増加、腸における腸内細菌科(Enterobacteriaceae)細菌の量の減少、腸におけ
るクロストリジウム属(Clostridium)細菌の量の増加、又は乳酸アシドーシスの治療のために、それを必要とする哺乳動物において使用する医薬品の製造のための、有効量のシャルドネ種子粉の使用。
【請求項11】
哺乳動物が、ヒトである、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
有効量が、体重1kgあたり少なくとも0.2gである、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
有効量が、1日あたり少なくとも1.0gである、請求項10に記載の使用。
【請求項14】
血中の健康なコレステロール若しくは脂質レベル、健康な体重、又は腸の健康のために、それを必要とする哺乳動物において使用する医薬品の製造のための、有効量のシャルドネ種子粉の使用。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
1.背景
1.1.代謝状態
肥満は、アテローム性動脈硬化症、高血圧、2型糖尿病(インスリン非依存性糖尿病(NIDDM))、脂質異常症、冠動脈心疾患、及び変形性関節症並びに様々な悪性病変のような多くの非常に一般的な疾患の発症の周知のリスク因子である。これはまた、減少した運動及び減少した生活の質によりかなりの問題を引き起こす。肥満そしてまたそれによるこれらの疾患の発生率は、工業化社会全体にわたって増加している。
【0002】
用語肥満は脂肪組織の過剰を示す。この文脈において、肥満は健康リスクを与える過剰な体脂肪蓄積のいずれかの程度として最もよく見られる。正常個体と肥満個体との間のカットオフは概算するしかないが、肥満により付与される健康リスクはおそらく増加する体脂肪蓄積と連続する。
【0003】
軽度の肥満さえ、早期の死のリスク並びに糖尿病、脂質異常症、高血圧、アテローム性動脈硬化症、胆嚢疾患及び特定の型の癌のような状態を増加させる。工業化された西欧諸国において、肥満の有病率は過去20、30年で有意に増加した。肥満及びその健康結果の高い有病率のために、その予防処置は公衆衛生の高い優先事項であるべきである。
【0004】
エネルギー摂取が消費を上回る場合、過剰なカロリーは主に脂肪組織に貯蔵され、そしてこの正味の正のバランスが長期に及ぶ場合、肥満が生じ、すなわち、バランスに重みを加える2つの要素があり、そしていずれかの側(摂取又は消費)の異常が肥満をもたらし得る。このプロセスは、エネルギー消費を増加させることにより(例えば運動により)又はエネルギー摂取を減らすことにより(例えば食事制限により)打ち消すことができる。莫大な数の被験体にとって実行可能でない運動、食事制限及び食物制限を除いて、体重を有効的にかつ満足できるように減らすための確固とした処置は現在存在しない。
【0005】
エネルギー消費を増加させるための1つの可能な方法は、代謝率を増加させることによる。従って、代謝率を増加させることにより作用する薬剤は肥満を処置するために有用であり得るが、アテローム性動脈硬化症、高血圧、糖尿病、特に2型糖尿病(NIDDM(インスリン非依存性糖尿病))、脂質異常症、冠動脈心疾患、胆嚢疾患、変形性関節症並びに様々な型の癌、例えば子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、及び結腸癌、並びに時期尚早の死のリスクのような他の状態の処置ためにも有用であり得る。
【0006】
従って、エネルギー消費を増加させることができる薬剤を同定するこが望ましいだろう。好ましくは、このような薬剤は、医薬化合物に関連する副作用を避ける天然薬剤だろう。
【0007】
1.2.腸生物群系
乳児の腸は出生前は無菌である。出生後に、腸は、濃い腸生物群系が確立されるまで環境細菌により急速にコロニー形成される。経膣的に出産される乳児はそれらの母親の膣及び糞便菌叢から腸定着細菌を獲得する。対照的に、帝王切開により出産された乳児は出生の間にそれらの母親の膣及び糞便菌叢に曝露されず、従って、経膣的に出産された乳児の腸生物群系と異なる組成の腸生物群系を発達させる。腸生物群系組成におけるこれらの差異は、出生直後数ヶ月持続する。同様に、腸生物群系組成の差異は、母乳で育てた乳児と調整粉乳で育てられた乳児との間で観察されている。
【0008】
成人ヒト腸は約1013(10,000,000,000,000)の個々の常在物(residents)を有し(非特許文献1)、そして多くのヒト文化的背景にわたって確立された3つの一貫したエンテロタイプ(enterotypes)が存在する(非特許文献2)。腸生物群系は、食事中の植物ベースのポリフェノールに影響を受け、そして微生物がそれらをヒト宿主にとって生体利用可能になるよう変換すると考えられている(非特許文献3;非特許文献4)。器官として作用して、腸生物群系はまた、コレカルシフェロール(ビタミンD25)、ビオチン(ビタミンH)、リボフラビン(ビタミンB2)、パントテネート(ビタミンB5)、アスコルベート(ビタミンC)、チアミン(ビタミンB1)及びフォレート(ビタミンB9)のような鍵となるビタミン類の変換及び産生に;特に発見された3つのエンテロタイプ(バクテロイデス属(Bacteroides)、ルミノコッカス属(Ruminococcus)、及びプレボテラ属(Prevotella))のうち2つ(バクテロイデス属及びプレボテラ属)において、関与する。いくつかのポリフェノールは、Harvard Medical Schoolの内科学教授のNorman Hollenberg博士により独自にビタミン類として記載されている。しかし、多量の加工食品を含む現代の食事、特に洋風の食事は、適切な又は最適な量のこれらの鍵となるビタミン類を変換又は産生することができない腸生物群系組成を促進し得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Baeckhead,F.,et al.(2004) PNAS Volume 101;no 44 pp.15718-15723
【非特許文献2】Arumugam,M.et al.(2011) Nature Vol.473 pp.174-180
【非特許文献3】Rastmanesh,R.(2011),Chemico-Biol.Interact.Vol.189 pp.1-8
【非特許文献4】Moco,S.,F.J.Martin,and S.Rezzi.(2012) J.Proteome Res.Volume 11,pp.4781-4790
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、伝統的に加工された食品の摂取により引き起こされる「栄養ギャップを埋める」ことができ、かつ改善された健康を達成するためにヒト腸生物群系を調節することができる薬剤を同定することが望ましいだろう。好ましくは、このような薬剤は、医薬化合物に伴う副作用を避ける天然の薬剤だろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
2.要旨
本開示はシャルドネ(Chardonnay)種子製品の健康利益に関する。
【0012】
特定の局面において、本開示は、哺乳動物における脂質代謝を増加させるために有効な量のシャルドネ種子製品を投与することにより、哺乳動物において脂質代謝を増加させる方法に関する。
【0013】
特定の局面において、本開示は、哺乳動物の代謝率を増加させるために有効な量のシャルドネ種子製品を投与することにより、哺乳動物の代謝率を増加させる方法に関する。
【0014】
本開示はまた、哺乳動物において肥満を処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物において肥満、心血管疾患、脂質異常症、異常リポタンパク血症又はグルコース代謝障害を処置又は予防する方法に関する。
【0015】
本開示は、哺乳動物において心血管疾患を処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物において該心血管疾患を処置又は予防する方法にさらに関する。特定の局面において、心血管疾患は、動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、虚血、内皮機能不全、末梢血管疾患、冠動脈心疾患、心筋梗塞(infarcation)、脳梗塞又は再狭窄である。
【0016】
本開示は、哺乳動物において異常脂質症を処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物において該脂質異常症を処置又は予防する方法にさらに関する。特定の局面において、脂質異常症は、高脂血症又は高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの低血中レベルである。特定の局面において、高脂血症は、家族性高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、減少若しくは欠損したリポタンパク質リパーゼのレベル若しくは活性、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、ケトン体の高血中レベル、Lp(a)コレステロールの高血中レベル、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの高血中レベル、超低密度リポタンパク質(VLDL)コレステロールの高血中レベル、又は非エステル型脂肪酸の高血中レベルである。
【0017】
本開示は、異常リポタンパク血症を処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を投与することにより、哺乳動物において該異常リポタンパク血症を処置又は予防する方法にさらに関する。特定の局面において、異常リポタンパク血症は、LDLの高血中レベル、アポリポタンパク質B(アポB)の高血中レベル、Lp(a)の高血中レベル、アポ(a)の高血中レベル、VLDLの高血中レベル、HDLの低血中レベル、減少若しくは欠損したリポタンパク質リパーゼのレベル若しくは活性、低アルファリポタンパク血症、糖尿病に関連するリポタンパク質異常、肥満に関連するリポタンパク質異常、アルツハイマー病に関連するリポタンパク質異常、又は家族性複合型高脂血症である。
【0018】
本開示は、哺乳動物においてグルコース代謝障害を処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物において該グルコース代謝障害を処置又は予防する方法にさらに関する。特定の局面において、グルコース代謝障害は、耐糖能障害、インスリン抵抗性、インスリン抵抗性関連乳癌、結腸癌若しくは前立腺癌、糖尿病、膵炎、高血圧、多嚢胞性卵巣疾患、高レベルの血中インスリン又は高レベルの血中グルコースである。特定の局面において、糖尿病は、インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、妊娠性糖尿病(GDM)、又は若年発症成人型糖尿病(MODY)である。
【0019】
本開示はさらに、哺乳動物において代謝症候群を処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物において代謝症候群を処置又は予防する方法に関する。
【0020】
特定の局面において、脂肪、コレステロール、及び/又は胆汁代謝に関与する1つ又はそれ以上の遺伝子の発現を調節するために有効な量が投与される。特定の実施態様において、この量は、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%だけ、肝臓組織におけるACOX1の発現を増加させるため、肝臓組織におけるCYP51の発現を増加させるため、肝臓組織におけるCYP7alの発現を増加させるため、肝臓組織におけるSCD1の発現を減少させるため、かつ/又は肝臓組織におけるABCG5の発現を減少させるために有効である。
【0021】
本開示はさらに、哺乳動物の腸におけるクロストリジウム属(Clostridium)細菌の量を増加させるために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物の腸におけるクロストリジウム属細菌の量を増加させる方法に関する。
【0022】
本開示はさらに、哺乳動物の腸における腸内細菌科(Enterobacteriaceae)細菌の量を減少させるために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物の腸における腸内細菌科細菌の量を減少させる方法に関する。
【0023】
本開示はさらに、哺乳動物の腸におけるバクテロイデス・フラジリス(Bacteroides fragilis)群細菌の量を増加させるために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物の腸におけるバクテロイデス・フラジリス群細菌の量を増加させる方法に関する。
【0024】
本開示はさらに、乳酸アシドーシスを処置又は予防するために有効な量のシャルドネ種子製品を哺乳動物に投与することにより、哺乳動物において乳酸アシドーシスを処置又は予防する方法に関する。
【0025】
本方法の特定の実施態様において、シャルドネ種子製品ではない第二のブドウ種子又はブドウ皮製品が哺乳動物に投与される。特定の局面において、シャルドネ種子製品と第二のブドウ種子又はブドウ皮製品との組み合わせは、シャルドネ種子製品単独の投与の効果よりも高い治療効果又は健康利益をもたらす。
【0026】
特定の局面において、シャルドネ種子製品は、種子100gあたり少なくとも600mgエピカテキンのエピカテキン含有量又は種子100gあたり少なくとも700mgエピカテキンのエピカテキン含有量を有する種子から製造される。特定の実施態様において、エピカテキン含有量は600〜800mg/種子100g又は650〜800mg/種子100gの範囲に及ぶ。
【0027】
特定の実施態様において、シャルドネ種子製品は食品又は飲料製品に組み込まれている。
【0028】
特定の実施態様において、シャルドネ種子製品はシャルドネ種子粉である。特定の実施態様において、シャルドネ種子製品はシャルドネ種子抽出物である。特定の実施態様において、シャルドネ種子製品はWinkler気候帯(region climate type)I、II、III又はIVにおいて栽培されたブドウ由来である。
【0029】
特定の実施態様において、哺乳動物は家庭用ペット、例えばネコ又はイヌである。本方法の他の実施態様において、哺乳動物はヒトである。他の実施態様において、ヒトは乳児である。
【0030】
本開示はさらに、シャルドネ種子製品を含む調整粉乳及び乳児において腸微生物群系(microbiome)発達を促進するために調整粉乳を使用する方法に関する。特定の局面において、調整粉乳は、腸細菌の調節レベルで乳児に投与された場合に超微生物群系発達を促進する。特定の実施態様において、乳児は帝王切開により出産された。特定の実施態様において、乳児は人工栄養である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】シャルドネ(Chr)、カベルネ(Cab)、及びシラー(Syrah)(Syr)の種子(Sd)及び皮(Sk)のタンパク質、脂肪、灰分、炭水化物、及び総食物繊維含有量。
図2】実施例1におけるハムスターの食事組成。
図3】実施例1の動物の週ごとの種子食事体重。
図4】実施例1の動物の週ごとの皮食事体重。
図5】実施例1の動物の週の食事摂取。
図6】実施例1の動物の合計食事摂取。
図7】実施例1の動物の総カロリー摂取。
図8】4週の終了時の実施例1の動物の血漿リポタンパク質コレステロールレベル。
図9】4週の終了時の実施例1の動物の血中グルコースレベル。
図10】4週の終了時の実施例1の動物の臓器重量。
図11】様々なぶどう品種の種子及び皮におけるエピカテキンレベル。
図12】3質量%、7質量%、及び10質量%のシャルドネ種子粉を含む食事を与えられた実施例2の動物の体重、体重増加、及び総食事摂取。
図13】4週の終了時の、シャルドネ種子エタノール抽出物(40EtChrSdEx)、シャルドネ種子メタノール抽出物(MeChrSdEx)、シャルドネ種子エタノール抽出残渣(40EtChrSdRes)、シャルドネ種子メタノール抽出残渣(MeChrSdRes)、10食事質量%、7食事質量%、及び3食事質量%(それぞれ10%ChrSd、7%ChrSd、及び3%ChrSd)でのシャルドネ種子粉、10食事質量%のホワイト・リースリング(White Riesling)種子粉(10%WRSd)、並びに10食事質量%ソービニョン・ブラン(Sauvignon Blanc)種子粉(10%SBSd)を与えられた実施例2の動物のVLDL、LDL、及びHDLコレステロールレベル。
図14】4週の終了時の、シャルドネ種子エタノール抽出物(40EtChrSdEx)、シャルドネ種子メタノール抽出物(MeChrSdEx)、シャルドネ種子エタノール抽出残渣(40EtChrSdRes)、シャルドネ種子メタノール抽出残渣(MeChrSdRes)、10食事質量%、7食事質量%、及び3食事質量%のシャルドネ種子粉(それぞれ10%ChrSd、7%ChrSd、及び3%ChrSd)、10食事質量%のホワイト・リースリング種子粉(10%WRSd)、並びに10食事質量%のソービニョン・ブラン種子粉(10%SBSd)を与えられた実施例2の動物のLDL/HDLコレステロール比。
図15】4週の終了時の、シャルドネ種子エタノール抽出物(40EtChrSdEx)、シャルドネ種子メタノール抽出物(MeChrSdEx)、シャルドネ種子エタノール抽出残渣(40EtChrSdRes)、シャルドネ種子メタノール抽出残渣(MeChrSdRes)、10食事質量%、7食事質量%、及び3食事質量%(それぞれ10%ChrSd、7%ChrSd、及び3%ChrSd)のシャルドネ種子粉、10食事質量%のホワイト・リースリング種子粉(10%WRSd)、並びに10食事質量%のソービニョン・ブラン種子粉(10%SBSd)を与えられた実施例2の動物の肝臓、精巣上体(Epidydimal)脂肪(EA)、及び後腹膜脂肪(RA)の重量
図16】実施例3の相対的脂肪遺伝子発現。
図17】実施例3の相対的肝臓遺伝子発現。
図18】4週の終了時の、シャルドネ種子粉(CharSdFl)、Vitacost(R)ブドウ種子抽出物(VC1及びVC7)、Mega Natural(R) BPブドウ種子抽出物(BP1、BP7)、Leucoselect(R)ブドウ種子抽出物(LI、L7)、カテキン(Cat)、及びエピカテキン(EpiCat)で補われた食事を与えられた実施例4の動物の総血漿リポタンパク質コレステロールレベル。
図19】4週の終了時の、シャルドネ種子粉(CharSdFl)、Vitacost(R)ブドウ種子抽出物(VC1及びVC7)、Mega Natural(R) BPブドウ種子抽出物(BP1、BP7)、Leucoselect(R)ブドウ種子抽出物(LI、L7)、カテキン(Cat)、及びエピカテキン(EpiCat)で補われた食事を与えられた実施例4の動物のVLDL、LDL、及びHDLコレステロールレベル。
図20】対照食事、カベルネ種子粉で補われた高脂肪食事(RGF+HF)、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物の総糞便細菌レベル。
図21】対照食事、カベルネ種子粉で補われた高脂肪食事(RGF+HF)、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物のエンテロコッカス属種(Enterococcus spp.)レベル。
図22】対照食事、カベルネ種子粉で補われた高脂肪食事(RGF+HF)、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物のビフィドバクテリウム属種(Bifidobacterium spp.)レベル。
図23】対照食事、カベルネ種子粉で補われた高脂肪食事(RGF+HF)、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物の乳酸桿菌属種(Lactobacillus spp.)。
図24】対照食事、カベルネ種子粉で補われた高脂肪食事(RGF+HF)、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物のクロストリジウム属(Clostridium)クラスターIV細菌レベル。
図25】対照食事、カベルネ種子粉で補われた高脂肪食事(RGF+HF)、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物のバクテロイデス・フラジリス群細菌レベル。
図26】対照食事、カベルネ種子粉(RGF+HF)で補われた高脂肪食事、シャルドネ種子粉で補われた高脂肪食事(WGF+HF)、及び高脂肪対照食事(HF)を与えられた実施例5の動物の腸内細菌科細菌レベル。
【発明を実施するための形態】
【0032】
4.詳細な説明
4.1.シャルドネ種子製品
本発明は、シャルドネ種子製品、並びにシャルドネ種子製品を使用して肥満及び他の状態を処置又は予防する方法に関する。好ましくは、シャルドネ種子製品はWinkler気候帯I〜IV(Jones et al,2010,Am.J.Enol.Vitic.61(3):313−326)において栽培されたブドウから製造される。いくつかの実施態様において、シャルドネ種子製品は、カリフォルニア北部の沿岸低地、例えばナパバレー(Napa Valley)及び/又はソノマバレー(Sonoma Valley)において栽培されたブドウから製造される。別の実施態様において、シャルドネ種子製品は、他のより暑い内陸低地のブドウ園、例えばWinkler気候帯IV〜Vにおいて栽培されたブドウから製造される。好ましい実施態様において、シャルドネ種子製品は沿岸地域において栽培されたブドウ由来である。
【0033】
一実施態様において、シャルドネ種子製品は、シャルドネ種子の脱脂した部分、例えば、シャルドネ搾りかす粗挽き粉、シャルドネ搾りかす粉、シャルドネ種子粗挽き粉、又は最も好ましくは、シャルドネ種子粉を含有する。いくつかの実施態様において、シャルドネ種子製品は、有機溶媒により抽出可能でない、例えばエタノール及び/又はメタノールで抽出可能でない脱脂シャルドネ種子の内容物を含む。特定の局面において、シャルドネ種子製品は、種子100gあたりエピカテキン少なくとも600mgのエピカテキン含有量、又は種子100gあたりエピカテキン少なくとも700mgのエピカテキン含有量を有する種子から製造される。特定の実施態様において、エピカテキン含有量は、600〜800mg/種子100g又は650〜800mg/種子100gの範囲に及ぶ。
【0034】
本明細書で使用される「シャルドネ種子粗挽き粉(meal)」は挽いた全種子であり、そして「シャルドネ種子粉(flour)」は、オイルを抽出した後に挽いた種子である。シャルドネ種子粉は、当該分野で公知のような「コールドプレス」プロセス、「加熱圧搾」プロセス及び溶媒抽出プロセスを使用して、種子からオイルを抽出して脱脂種子粉を得て得られ得る。粗挽き粉又は粉は、食品を乾燥するために適した従来の乾燥技術を使用して所望の水分含有量まで乾燥され得る。
【0035】
乾燥された粗挽き粉又は粉は、自由流動性粒子を有するシャルドネ種子粉末を形成するために周囲温度条件下でさらに挽かれる。一実施態様において、自由流動粒子は、841ミクロン(20メッシュ)を超えないサイズから、37ミクロン(400メッシュ)を超えないサイズに及び得る。特定の実施態様において、このサイズは20メッシュ、40メッシュ、60メッシュ、80メッシュ、100メッシュ、200メッシュ、300メッシュ、又は400メッシュを超えない。
【0036】
例となる方法において、シャルドネ種子粉は、例えばシャルドネブドウを圧搾してブドウジュース(例えばワインを製造するため)を製造した後に生じた搾りかすから、シャルドネブドウ種子を分離及び乾燥することにより製造される。ブドウ種子は、それらを脱脂する(副産物としてシャルドネ種子オイルを製造する)ために「コールドプレス」され得る。ブドウ種子粉は、オイルを除いた後にプレスケーキから製粉される。一実施態様において、ブドウの汁を絞った後に、種子を皮から分離し、浄化し、機械的に脱脂し、微粉化し、そしてふるいにかけて100メッシュ(150ミクロン)流動性粉末を生じる。
【0037】
シャルドネ種子粉は、Apres Vin(Yakima,Washington)、Botanical Oil Innovations(Spooner,Wisconsin)又はFruitsmart,Inc.(Grandview,Washington)からも購入できる。FruitSmartシャルドネ種子粉は、85メッシュの流動性粉末であるが、さらに挽いて篩にかけ、より小さい粒径を有する粉を製造することができる。
【0038】
一実施態様において、皮、茎及び葉(搾りかすの残り)を圧搾の前に種子から除く。皮、茎、及び葉を除去することにより最適なオイル圧搾が可能となる。
【0039】
「シャルドネ種子抽出物」は、エタノール又はメタノールのような適切な溶媒を用いたシャルドネ種子の溶媒抽出により製造される。例えば、「40EtChrSdEx」は、40%エタノール溶液を抽出溶媒として使用して製造されたシャルドネ種子抽出物である。抽出プロセスは、溶媒可溶性成分を含有する抽出物に加えて、不溶性固形物の残渣も生じる。
【0040】
4.2.有効量
本発明の方法の実施態様において、摂取されるシャルドネ種子粉の量は、毎日の食事のパーセンテージとして、少なくとも3質量%、少なくとも5質量%、又は少なくとも8質量%である。好ましくは、1日の食事の5〜10質量%、より好ましくは7質量%。そしていくつかの実施態様では10質量%がシャルドネ種子粉である。
【0041】
本発明の方法の実施態様において、摂取されるシャルドネ種子粉の量は、1日の食事パーセンテージとして、消費される総カロリーの3%、少なくとも5%、又は少なくとも8%である。好ましくは、1日のカロリーの5〜10%、より好ましくは7%、そしていくつかの実施態様では10%がシャルドネ種子粉由来である。
【0042】
別の実施態様において、1日に摂取されるシャルドネ種子粉の量は、少なくとも10g、少なくとも15g、少なくとも20g、少なくとも25g、少なくとも30g、少なくとも35g、少なくとも40g、又は少なくとも45gである。好ましくは、シャルドネ種子粉50gが1日に摂取される。
【0043】
別の実施例において、1日に摂取されるシャルドネ種子粉の量は、少なくとも大さじ1、少なくとも大さじ2、少なくとも大さじ3、少なくとも大さじ4、又は少なくとも大さじ5である。
【0044】
別の実施態様において、1日に摂取されるシャルドネ種子粉は、シャルドネ種子粉質量:体重ベースで、少なくとも0.2g/kg、少なくとも0.5g/kg、又は少なくとも0.7g/kgである。好ましくは、体重1kgあたり少なくとも1gのシャルドネ種子粉が1日に摂取される。
【0045】
特定の局面において、脂肪、コレステロール、及び/又は胆汁の代謝に関与する1つ又はそれ以上の遺伝子の発現を調節するために有効な量のシャルドネ種子粉が投与される。特定の実施態様において、この量は、例えば、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも50%、又は少なくとも100%だけ、肝臓組織におけるACOX1の発現を増加させるため、肝臓組織におけるCYP51の発現を増加させるため、肝臓組織におけるCYP7a1の発現を増加させるため、肝臓組織におけるSCD1の発現を減少させるため、かつ/又は肝臓組織におけるABCG5の発現を減少させるために有効である。
【0046】
シャルドネ種子粉は、本発明の方法においてシャルドネの搾りかす粗挽き粉、搾りかす粉、皮粉末、種子抽出物、又は種子粗挽き粉と置き換えられ得る。所定量のシャルドネ種子粉と同じ利益を得るために1日に消費される必要がある、シャルドネの搾りかす粗挽き粉、搾りかす粉、皮粉末、種子抽出物、又は種子粗挽き粉の量は、当業者により容易に決定され得る。例えば、被験体は、所定量のシャルドネ種子粉と同じ利益を達成するために約3倍ほどのシャルドネ皮粉を摂取する必要があるだろうということが期待される。
【0047】
特定の実施態様において、シャルドネ種子製品、例えばシャルドネ種子粉は少なくとも週に2回、少なくとも週に3回、又は1日おきに摂取される。好ましくは、シャルドネ種子製品は毎日の食事に組み込まれる。
【0048】
シャルドネ種子製品、例えばシャルドネ種子粉は、本明細書に記載されるシャルドネ種子製品による処置及び/又は予防の影響を受けやすい状態を処置及び/又は予防するために十分な量の時間の間摂取され得る。シャルドネ種子製品aは、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも1年、又は無期限に摂取され得る。
【0049】
本方法の特定の実施態様において、シャルドネ種子製品でない第二のブドウ種子又はブドウ皮製品が哺乳動物に投与される。特定の局面において、シャルドネ種子製品と第二のブドウ種子又はブドウ皮製品との組み合わせは、シャルドネ種子製品単独の投与の効果よりも高い治療的効果又は健康上の利益をもたらす。
【0050】
他の実施態様において、シャルドネ種子製品の量及び第二のブドウ種子又はブドウ皮製品の量は、達成される効果が、単独で投与される所定量のシャルドネ種子製品により達成される効果と少なくとも同じであるように選択される。
【0051】
4.3.シャルドネ種子組成物
シャルドネ種子製品は、様々な食品、例えば、栄養飲料(例えば栄養セーキ(shakes))、焼き菓子(例えば、クッキー、ブラウニー、ケーキ、パン、ビスケット、クラッカー)、プディング菓子、砂糖菓子(すなわち、キャンディ)、スナック食品(例えばプレッツェル)、アイスクリーム、冷凍菓子及びノベルティー(novelties)、又は焼いていない押出成型食品、例えば健康若しくはエネルギーバーを含むバーに含まれ得る。シャルドネ種子製品はまた、錠剤形態、又は栄養食品添加物としての使用のための粉末としてのいずれかで、栄養補助食品として提供され得る。
【0052】
一実施態様において、シャルドネ種子製品は、シャルドネ種子製品で強化された食品の製造における使用のための他の乾燥食材と混合され得る。乾燥食材としては、例えば、乾燥デンプン含有材料、乾燥タンパク質含有材料又はそれらの組み合わせが挙げられる。適切なデンプン含有材料は、例えば、コメ、トウモロコシ、ダイズ、ヒマワリ、キャノーラ、コムギ、オートムギ、ライムギ、ジャガイモ、又はそれらのいずれかの組み合わせに由来するものであり得る。適切な乾燥タンパク質含有材料は、例えば、肉、乳、魚又はそれらのいずれかの組み合わせに由来するものであり得る。ベーキング用途のために、シャルドネ種子製品は、乾燥食材(例えば精白小麦粉又は全粒粉麦粉)の3%〜15%の範囲に及ぶ量で適切に使用される。乾燥食品は、場合により、ビタミン類、ミネラル補強剤(fortifiers)、塩、顔料、矯味矯臭剤、調味料又は甘味料のようなさらなる成分も含み得る。
【0053】
シャルドネ種子製品は、飲料、加工肉、冷菓、菓子製品、乳製品類、ソース組成物、及び穀物製品中に組み込まれ得る。飲料製品としては、例えば、スムージー、調整粉乳、果汁飲料、ヨーグルト飲料、コーヒー飲料、ビール、乾燥飲料ミックス、茶溶解飲料、スポーツ飲料、大豆煮汁(soy liquors)、炭酸水、スラッシュ、及び凍結飲料ミックスが挙げられる。肉製品としては、例えば、鶏挽き肉製品、水添加ハム製品、ボローニャ、ホットドッグ、フランクフルトソーセージ、チキンパテ、チキン・ナゲット、ビーフパテ、フィッシュパテ、すり身、ベーコン、ランチョン・ミート、サンドイッチ食材、デリ・ミート、肉スナック、ミートボール、ジャーキー、ファヒータ、ベーコンビッツ、注入肉(injected meats)、及びブラートヴルストが挙げられる。菓子製品としては、例えば、チョコレート、ムース、チョコレートコーティング、ヨーグルトコーティング、ココア、砂糖衣、キャンディー、エネルギーバー、及びキャンディーバーが挙げられる。冷菓製品としては、例えば、アイスクリーム、麦芽乳(malts)、セーキ、ポプシクル、ソルベ、及び冷凍プディング製品が挙げられる。乳製品類としては、例えば、ヨーグルト、チーズ、アイスクリーム、ホイップトッピング、コーヒークリーマー、クリームチーズ、サワークリーム、カッテージチーズ、バター、マヨネーズ、乳ベースのソース、乳ベースのサラダドレッシング、及びチーズカードが挙げられる。穀物製品としては、例えば、パン、マフィン、ベーグル、ペストリー、めん類、クッキー、パンケーキ、ワッフル、ビスケット、セモリナ、チップス(chips)、トーティーヤ(tortillas)、ケーキ、クラッカー、朝食用シリアル(インスタント穀類及び調理済み穀類を含む)、プレッツェル、乾燥ベーカリーミックス、メルバ・トースト、スティックパン、クルトン、詰め物(stuffing)、エネルギーバー、ドーナツ、ケーキ、ポップコーン、タコ・シェル、揚げ物の衣(fry coatings)、衣用生地、パン粉付け(breading)、パンの皮、ブラウニー、パイ、膨化大豆ケーキ、クレープ、クロワッサン、粉、及びポレンタが挙げられる。ソース組成物としては、サラダドレッシング、ナッツバタースプレッド(例えば、ピーナッツバタースプレッド)、マリネード、ソース、サルサ、ジャム、チーズソース、マヨネーズ、タルタルソース、大豆フムス、ディップ、果実シロップ、及びメープルシロップが挙げられる。ソース組成物はまた、組成物の均一性を維持する際に役立つ懸濁化剤も含み得る。適切な懸濁化剤の例としては、多糖類、例えばデンプン、セルロース(例えば、微結晶性セルロース)及びカラゲナン、並びにポリウロニド、例えばペクチンが挙げられる。ゼラチンは飲料組成物にも使用され得る懸濁化剤の別の例である。本発明に従うプレミックスを使用して製造されるさらなる栄養補助食品の例としては、豆腐、配合大豆エッセンス、粉末タンパク質栄養補助食品、ジュースに混合可能なタンパク質栄養補助食品、発泡剤、混濁剤(clouding agents)、ベビー・フード、ミートレスボール(meatless balls)、肉類似食品、卵製品(例えば、スクランブルエッグ)、スープ、チャウダー、ブロス、乳代替物、豆乳製品、チリ、スパイスミックス、粉砂糖、大豆ウィズ(whiz)、サラダトッピング、可食フィルム、可食スティック、チューイングガム、ベーコンビッツ、野菜ビッツ(veggie bits)、ピザ生地バリア(barriers)、大豆パイ、無ガス(no−gas)合成豆、大豆ヘルパー(soy helper)、大豆綿菓子、フルーツビッツ、ピザロール、マッシュポテト、スパン大豆タンパク質繊維、大豆ラップサンド(roll−ups)、押出スナック、香辛料、ローション、揚げ物、ゼラチンデザート製品、ビタミン補助食品、栄養バー、乾燥ケーキ、パン又はマフィンミックス、及び電子レンジに使えるインスタントドライミックスが挙げられる。
【0054】
特定の局面において、シャルドネ種子製品は、エネルギーバー(身体活動の間の摂取に適する)又は食事代用バーとして提供され得る。エネルギーバー又は食事代用バーは、1つ又はそれ以上のビタミン、ミネラル、フード・サプリメント、当該分野で公知であるか又はエネルギーバー若しくは食事代用バーにおいて使用される植物(botanical)又は植物(plant)又はハーブの抽出物又は成分、例えば果汁又は果実抽出物、ハーブ又はハーブ香味料、天然又は人口の香味料、ビタミン類、ミネラル類、抗酸化剤含有抽出物、コエンザイムQ、オメガ−3脂肪酸、ガラナ、カフェイン、テオブロミン、マルトデキストリン、及びタンパク質も含有し得る。いくつかの実施態様において、エネルギーバー又は食事代用バーは、それぞれ40/30/30の炭水化物/タンパク質/脂肪の総利用可能エネルギーレベルを有し得る。
【0055】
エネルギーバー及び食事代用バーは、運動能力増強、精神的能力(mental energy)若しくは認知集中増強、及び/又は栄養利益のためにさらに補われ得る。例となる栄養補助食品としては、限定されないが、ビンポセチン、ビンカミン イチョウ、L−アルギニン、アセチル−L−カルニチン、ナツシロギク、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、DMAE酒石酸水素塩、P−クロロフェノキシアセテート、ビタミンB複合体、朝鮮人参、5 HTP(5−ヒドロキシトリプトファン)、L−テアニン、アンドロステンジオン、L−グルタミン、L−チロシン、L−グリシン;L−リジン;乳漿タンパク質;DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)が挙げられる。
【0056】
別の局面において、シャルドネ種子製品は、液体又は粉末の調整粉乳で提供されるかそれらに加えられ得る。調整粉乳は、タンパク質源、脂肪源、及び/又は炭水化物源を含有し得る。タンパク質源は、例えば乾燥又は液状の牛乳、乳漿及び/若しくはカゼイン、又は大豆タンパク質であり得る。脂肪源は、例えば、乳脂肪及び/又は1つ若しくはそれ以上の植物油であり得る。炭水化物源は、例えば、ラクトース、グルコース、又はスクロースであり得る。調整粉乳は、1つ若しくはそれ以上のビタミン類、及び/又は1つ若しくはそれ以上のミネラル類をさらに含有し得る。一実施態様において、シャルドネ種子製品は市販の液状又は粉末の調製粉乳に加えられ得る。
【0057】
シャルドネ種子組成物はまた、シャルドネ種子製品ではない一定量の第二のブドウ種子又はブドウ皮製品を含有し得る。いくつかの実施態様において、一定量のシャルドネ種子製品は、シャルドネ種子組成物において、一定量の第二のブドウ種子又はブドウ皮製品と置き換えられる。所定量のシャルドネ種子製品と同じ利益を得るためにシャルドネ種子組成物に加えられることが必要な第二のブドウ種子又はブドウ皮製品の量は、当業者により容易に決定され得る。
【0058】
4.4.シャルドネ種子粉組成物の治療上の使用
本発明に従って、シャルドネ種子粉組成物を含む本発明の組成物は、脂質代謝の増加が有用であるか又は所望される被験体、好ましくはヒト被験体に投与される。被験体は、心血管疾患、脂質異常症、グルコース代謝の障害、アルツハイマー病、シンドロームX、PPAR関連障害、敗血症、血栓性疾患、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、癌、炎症、又はインポテンスの処置又は予防を必要とし得る。
【0059】
本発明の別の局面において、シャルドネ種子粉組成物を含む本発明の組成物は、腸生物群系の調節が有用であるか又は所望される被験体、好ましくはヒト被験体に投与される。一実施態様において、被験体は、例えば、乳酸アシドーシス、大腸炎、又は結腸直腸癌の処置又は予防を必要とし得る。一実施態様において、被験体は遺伝的に結腸癌にかかりやすい。
【0060】
一実施態様において、「処置」又は「処置すること」は、疾患若しくは障害、又は少なくとも1つのその識別可能な症状の寛解を指す。別の実施態様において、「処置」又は「処置すること」は、必ずしも被験体により識別可能でない少なくとも1つの測定可能な物理的パラメーターの寛解を指す。さらに別の実施態様において、「処置」又は「処置すること」は、疾患又は障害の進行を、物理的に(例えば識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば物理パラメーターの安定化)、又はその両方のいずれかで阻害することを指す。さらに別の実施態様において、「処置」又は「処置すること」は、疾患又は障害の開始を遅らせることを指す。
【0061】
特定の実施態様において、本発明の組成物は、上記疾患に対する予防的手段として、被験体、好ましくはヒトに投与される。本明細書で使用される「予防」又は「予防すること」は、所定の疾患又は障害になるリスクを減少させることを指す。好ましい局面において、本発明の組成物は、心血管疾患、脂質異常症、異常リポタンパク血症、グルコース代謝の障害、アルツハイマー病、シンドロームX、PPAR関連障害、敗血症、血栓性疾患、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、癌、炎症、又はインポテンスに対する遺伝的素因を有する被験体、好ましくはヒトに予防的手段として投与される。このような遺伝的素因の例としては、限定されないが、アポリポタンパク質EのE4対立遺伝子(これはアルツハイマー病の可能性を増加させる);リポタンパク質リパーゼ遺伝子コード領域又はプロモーターにおける機能の喪失又は無発現変異(例えば、置換D9N及びN291Sを生じるコード領域における変異);(心血管疾患、脂質異常症及び異常リポタンパク血症のリスクを増加させるリポタンパク質リパーゼ遺伝子における遺伝子変異の概説については、Hayden and Ma,1992,Mol.Cell Biochem.113:171−176を参照のこと);及び家族性複合型高脂血症及び家族性高コレステロール血症が挙げられる。
【0062】
この実施態様の別の好ましい様式において、本発明の組成物は、心血管疾患、脂質異常症、異常リポタンパク血症、グルコース代謝の障害、アルツハイマー病、シンドロームX、PPAR関連障害、敗血症、血栓性疾患、肥満、膵炎、高血圧、腎疾患、癌、炎症、又はインポテンスに対する非遺伝的素因を有する被験体に予防的手段として投与される。このような非遺伝的素因の例としては、限定されないが、心臓バイパス手術及び経皮経管冠状動脈形成術(これらはしばしば、アテローム性動脈硬化症の加速した形態である再狭窄に至る);女性における糖尿病(これはしばしば、多嚢胞性卵巣疾患に至る);及び心血管疾患(これらはしばしばインポテンスに至る)が挙げられる。
【0063】
特定の実施態様において、哺乳動物は高脂肪食事を摂取する。一実施態様において、高脂肪食事は、1日の総カロリーの少なくとも30%、35%、又は40%が脂肪から得られる食事である。
【0064】
特定の実施態様において、シャルドネ種子粉ではない第二のブドウ種子又はブドウ皮製品は、シャルドネ種子粉単独での投与の効果よりも高い効果を生じるために哺乳動物に投与される。
【0065】
4.4.1.脂質異常症
本発明は、治療有効量のシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む、脂質異常症の処置又は予防のための方法を提供する。
【0066】
本明細書で使用される用語「脂質異常症(dyslipidemias)」は、異常なレベルの循環脂質をもたらすか、異常なレベルの循環脂質が認められる障害を指す。血中の脂質レベルが高すぎるという程度まで、本発明の組成物は、正常レベルを回復するために被験体に投与される。脂質の正常レベルは、当業者に公知の医学専門書に報告されている。例えば、LDL、HDL、遊離トリグリセリド及び脂質代謝に関連する他のパラメーターの推奨血中レベルは、米国心臓協会(American Heart Association)のウェブサイト及び国立心肺血液研究所(National Heart,Lung and Blood Institute)の全米コレステロール教育プログラム(National Cholesterol Education Program)のウェブサイトにおいて見出され得る。現在では、血中HDLコレステロールの推奨レベルは約35mg/dLより上であり;血中LDLコレステロールの推奨レベルは130mg/dL未満であり;推奨LDL:HDL血中コレステロール比は5:1未満、理想的には3.5:1であり;そして遊離トリグリセリドの推奨血中レベルは200mg/dL未満である。
【0067】
予防又は処置のために本発明のシャルドネ種子粉組成物が有用である脂質異常症としては、限定されないが、高脂血症及び高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの低血中レベルが挙げられる。特定の実施態様において、本発明の化合物による予防又は処置のための高脂血症は、家族性高コレステロール血症;家族性複合型高脂血症;減少又は欠損したリポタンパク質リパーゼのレベル又は活性(リポタンパク質リパーゼ変異から生じる減少又は欠損を含む);高トリグリセリド血症;高コレステロール血症、ケトン体(例えば、β−OH酪酸)の高血中レベル;Lp(a)コレステロールの高血中レベル;低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールの高血中レベル;超低密度リポタンパク質(VLDL)コレステロールの高血中レベル、及び非エステル型脂肪酸の高血中レベルが挙げられる。
【0068】
本発明はさらに、被験体における脂質代謝を変更するため、例えば被験体の血中LDLを減少させるため、被験体の血中遊離トリグリセリドを減少させるため、被験体の血中のHDL対LDLの比を増加させるため、並びに鹸化及び/又は非鹸化脂肪酸合成を阻害するための方法を提供し、上記方法は、脂質代謝を変更するために有効な量でシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む。
【0069】
4.4.2.心血管疾患
本発明は、治療有効量のシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む、心血管疾患の処置又は予防のための方法を提供する。本明細書で使用される用語「心血管疾患」は、心臓及び循環系の疾患を指す。これらの疾患は、異常リポタンパク血症及び/又は脂質異常症にしばしば関連する。本発明の組成物が予防又は処置のために有用である心血管疾患としては、限定されないが、動脈硬化症;アテローム性動脈硬化症;脳卒中;虚血;内皮機能不全、特に血管弾性に影響を及ぼす機能不全;末梢血管疾患、冠動脈心疾患、心筋梗塞(infarcation)、脳梗塞又は再狭窄が挙げられる。
【0070】
4.4.3.異常リポタンパク血症
本発明は、治療有効量のシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む、異常リポタンパク血症の処置又は予防のための方法を提供する。
【0071】
本明細書で使用される用語「異常リポタンパク血症」は、異常なレベルの循環リポタンパク質をもたらすか、又は異常なレベルの循環リポタンパク質が認められる障害を指す。リポタンパク質の血中レベルが高過ぎるという程度まで、本発明の組成物は、正常レベルを回復するために被験体に投与される。反対に、リポタンパク質の血中レベルが低すぎるという程度まで、本発明の組成物は、正常レベルを回復するために被験体に投与される。リポタンパク質の正常レベルは、当該分野で公知の論文において報告されている。
【0072】
予防又は処置のために本発明の組成物が有用である異常リポタンパク血症としては、限定されないが、LDLの高血中レベル;アポリポタンパク質B(アポB)の高血中レベル;Lp(a)の高血中レベル;アポ(a)の高血中レベル;VLDLの高血中レベル;HDLの低血中レベル;減少又は欠損したリポタンパク質リパーゼのレベル又は活性(リポタンパク質リパーゼ変異から生じた減少又は欠損を含む);低アルファリポタンパク血症;糖尿病に関連するリポタンパク質異常;肥満に関連するリポタンパク質異常;アルツハイマー病に関連するリポタンパク質異常;及び家族性複合型高脂血症が挙げられる。
【0073】
本発明はさらに、被験体の血中アポC−IIレベルを減少させるため;被験体の血中アポC−IIIレベルを減少させるため;被験体の血中HDL関連タンパク質(限定されないが、アポA−I、アポA−Il、アポA−IV及びアポE)レベルを上昇させるため;被験体の血中アポEレベルを上昇させるため、及び被験体の血液からのトリグリセリドクリアランスを促進するための方法を提供し、該方法は、該減少、上昇又は促進をそれぞれもたらすために有効な量でシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む。
【0074】
4.4.4.グルコース代謝障害
本発明は、治療有効量のシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む、グルコース代謝障害の処置又は予防のための方法を提供する。本明細書で使用される用語「グルコース代謝障害」は、異常な糖源貯蔵(glucose storage)及び/若しくは利用をもたらすか又はそれらを認められる障害を指す。グルコース代謝の兆候(すなわち、血中インスリン、血中グルコース)が高過ぎるという程度まで、本発明の組成物は、正常レベルを回復するために被験体に投与される。反対に、グルコース代謝の兆候が低すぎるという程度まで、本発明の組成物は正常レベルを回復するために被験体に投与される。グルコース代謝の正常兆候は当業者に公知の医学文献に報告されている。
【0075】
予防又は処置のために本発明の組成物が有用であるグルコース代謝障害としては、限定されないが、耐糖能障害;インスリン抵抗性;インスリン抵抗性関連乳癌、結腸癌若しくは前立腺癌;糖尿病(インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)、インスリン依存性糖尿病(IDDM)、妊娠性糖尿病(GDM)、及び若年発症成人型糖尿病(MODY)を含むがこれらに限定されない);膵炎、高血圧、多嚢胞性卵巣疾患;並びに高レベルの血中インスリン及び/又は高レベルの血中グルコースが挙げられる。
【0076】
本発明はさらに、被験体におけるグルコース代謝を変更するため、例えば被験体のインスリン感受性及び/又は酸素消費量を増加させるための方法を提供し、該方法は、グルコース代謝を変更するために有効な量でシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む。
【0077】
4.4.5.腸細菌の調節
ヒト腸生物郡系は、細菌集団の重要な部分を占める種に従って3つのエンテロタイプ(enterotypes)に分類されてきた。これらのエンテロタイプは、バクテロイデス属(Bacteroides)、ルミノコッカス属(Ruminococcus)、及びプレボテラ属(Prevotella)である。バクテロイデス属エンテロタイプは、C及びHを含むいくつかのビタミン類を産生することが見出されたが、プレボテラ属エンテロタイプは葉酸及びビタミンB1を産生することが見出されている。
【0078】
本発明は、腸細菌レベルを調節するために有効な量のシャルドネ種子粉組成物を被験体に投与することを含む、腸細菌レベルを調節するための方法を提供する。本明細書で使用される「腸細菌レベルを調節する」は、(i)総腸細菌レベルの量の減少、及び/又は(ii)総腸細菌のサブセットの細菌レベルの増加若しくは減少を指す。総腸細菌のサブセットは、単一の種、属、科、目、綱、門、又は前述のものの1つより多くの組み合わせであり得る。
【0079】
腸の細菌コロニー形成は経膣分娩により生まれた乳児と比較して帝王切開により生まれた乳児において遅れるので、帝王切開により生まれた乳児における腸細菌レベルのレベルを調節することは望ましいかもしれない。腸微生物叢における差異は、出生後6ヶ月までの間持続し得る(Grolund,M.et al,Journal of Pediatric Gastroenterology & Nutrition,(1999),vol.28(1):19−25)。例えば、帝王切開により生まれた乳児は、生後6ヶ月で経膣分娩により生まれた乳児よりも、バクテロイデス・フラジリス群の細菌を含むコロニー形成が有意に少ない。生後7日で、帝王切開により生まれた乳児は、経膣分娩により生まれた乳児と比較して、総腸細菌のパーセンテージとして、より高いレベルの腸内細菌科細菌シトロバクター属種(Citrobacter spp.)及びE.coliを有する(Pandey,P.et al.,J.Biosci.(2012)vol.37(6):989−998)。シャルドネ種子粉組成物は、例えば、経膣分娩で生まれた乳児の腸微生物群系によりよく似た腸生物群系の形成を促進するために、帝王切開により生まれた乳児における、バクテロイデス・フラジリス群細菌及びクロストリジウム属種のレベルを増加させるため、及び腸内細菌科細菌のレベルを減少させるために使用され得る。
【0080】
シャルドネ種子粉組成物はまた、腸における乳酸産生細菌、例えば、ラクトバチルス属種(Lactobacillus spp.)の量を減少させることにより、乳酸アシドーシスを処置又は予防するために使用され得る。シャルドネ種子粉組成物はまた、腸においてクロストリジウム属種のレベルを増加させることにより大腸の健康を増進するために使用され得る。クロストリジウム細菌はブチラートを産生し、これは結腸粘膜における好ましいエネルギー源である。ブチラートは大腸炎及び結腸直腸癌に対して保護し、そして結腸上皮細胞の正常な発達のために重要である。Shen,J.et al.,Applied and Environmental Microbiology,vol.72:5232−5238(2006)。
【0081】
シャルドネ種子粉組成物はまた、腸におけるビフィドバクテリウム属種(Bifidobacterium spp.)のレベルを減少させるために使用され得る。しかし、ビフィドバクテリウム属種のレベルを低下させることは望ましくないが別のシャルドネ種子粉投与の別の治療上の利益が望ましい場合、1つ又はそれ以上のビフィドバクテリウム属種を含有する生菌栄養補助食品が、被験体の腸におけるビフィドバクテリウム属種のレベルを上げるために被験体に投与され得る。生菌栄養補助食品で投与され得るビフィドバクテリウム属種の例としては、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacterium breve)、及びビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)が挙げられる。生菌栄養補助食品は、さらなる細菌種、例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・プランタルム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarious)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ラクトバチルス・パラカゼイ(Lactobacilus paracasei)、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)、及びストレプトコッカス・サーモフィルス(Streptococcus thermophilus)の1つ又はそれ以上を含み得る。
【0082】
一実施態様において、被験体は、バクテロイデス属、ルミノコッカス属、又はプレボテラ属のエンテロタイプを有すると同定される。一実施態様において、被験体はバクテロイデス属エンテロタイプを有する。一実施態様において、被験体はルミノコッカス属エンテロタイプを有する。一実施態様において、被験体はプレボテラ属エンテロタイプを有する。
【0083】
4.5.シャルドネ種子抽出物組成物の治療上の使用
本発明に従って、シャルドネ種子抽出物組成物を含む本発明の組成物は、セクション4.4に記載される治療上の使用の各々のために、被験体、好ましくはヒト被験体に投与される。シャルドネ種子抽出物は、シャルドネ種子粉と類似した生物学的効果を有する(データは示していない)。一定量のシャルドネ種子粉を使用することにより得られる利益に匹敵する利益を達成するために、投与されるシャルドネ種子抽出物の量は、その量のシャルドネ種子粉のカテキンレベルの2〜5倍を生じる量であるべきである。所定量のシャルドネ種子粉と同じ利益を得るために1日に摂取されることが必要なシャルドネ種子抽出物の特定の量は、当業者により容易に決定され得る。
【0084】
5.実施例1:シャルドネ、ソービニョン・ブラン及びホワイト・リースリング製品の健康上の利益の比較
5.1.材料及び方法
5.1.1.ハムスター及び食事
雄性ゴールデンシリアンハムスター(約80g、LVG系統、Charles River)を順応させ、そして実験食事の開始前1週間、水及び5001げっ歯動物食事(LabDiet,PMI International;タンパク質、239g/kg;脂肪、50g/kg;無窒素物質、487g/kg;粗繊維、51g/kg;灰分、70g/kg;エネルギー、17MJ kg;及び健康維持のために十分な量のミネラル類及びビタミン類)を自由に与えた。ハムスターの体重を量り、そしてそれぞれ15匹のハムスターの2群に無作為に分けて、10質量%のシャルドネ、カベルネ、又はシラーのブドウ種子粉又はブドウ皮粉又は対照(食事)のいずれかを含有する高脂肪食事を4週間自由に与えた。粉が製造されるブドウは、カリフォルニア北部の沿岸低地において栽培されたものであった。粉の組成を図1に示す。食事は、タンパク質としてエネルギーの18%、炭水化物として43%、及び脂肪として39%からなり、0.1%コレステロールを補われたものであった(図2)。GenOilは不特定のブドウ品種由来の市販のブドウ種子油を指す。体重を毎週記録し、そして食事摂取を週あたり2回モニタリングした。研究は動物実験委員会(Animal Care and Use Committee,Western Regional Research Center,USDA,Albany,CA.)により承認された。
【0085】
5.1.2.血漿及び組織収集
ハムスターを12時間絶食させ、そしてイソフルラン(Phoenix
Pharmaceutical)を用いて麻酔した。EDTAカリウム溶液(15% 質量:体積)で予めゆすいだシリンジを用いて心穿刺により血液を集め、そして2000xgで30分間4℃での遠心分離後に血漿を分離した。肝臓を採取し、計量し、そして分析のために液体窒素中で即時凍結させた。
【0086】
5.1.3.血漿バイオマーカー分析
血漿リポタンパク質中のコレステロールを、以前に記載されたように(German et al,1996.Nutr Res.1996;16:1239−49)サイズ排除クロマトグラフィーにより決定した。血漿トリグリセリド、総コレステロール、遊離コレステロール、及びグルコースを、Roche Diagnostics/Hitachi 914 Clinical Analyzerをアッセイキット(Roche Diagnostics及びWako Chemicals)と共に使用して酵素比色検定により決定した。食事欠乏ハムスターのアディポネクチン(B−bridge International)及びインスリン(Mercodia)の血漿濃度を、以前に記載されたように(Hung et al,2009,J.Diabetes 1:194−206)、マウスアディポネクチン及び超高感度(ultrasensitive)ラットインスリンイムノアッセイキットを使用して測定した。食事欠乏ハムスターにおける血中グルコース濃度を、OneTouch Ultrameter(LifeScan)を使用して尾静脈サンプルにおいて測定した。
【0087】
5.1.4.肝臓脂質分析
凍結乾燥して挽いた肝臓サンプルを、加速溶媒抽出機(Dionex)を使用して100℃;13.8MPaにて75/25ヘキサン/2−プロパノールを使用して抽出した。サンプル抽出物を、Roche Diagnostic/Hitachi 914臨床分析機器(Roche Diagnostics)で分析して、上記のキットを使用して肝臓トリグリセリド、総コレステロール、及び遊離コレステロールを測定した。
【0088】
5.1.5.糞便胆汁酸及びステロール分析
ハムスターを殺す直前の連続した3日間の間糞便を集め、そして凍結乾燥し、粉にして−20℃で貯蔵した。胆汁酸及びステロールを、以前に記載されたように(Hong et al,2007,.J Agric Food Chem.55:9750−7)HPLCにより決定した。
【0089】
5.1.6.統計的解析
全てのデータを平均±SEとして表す。対照と様々な食事群との間の差異をスチューデントの両側(2−tailed)t検定により決定した。各群の分散が同じでない場合、差異の有意性をウェルチ検定を使用して決定した。ピアソン相関係数を、血漿総コレステロール、血漿アディポネクチン濃度、肝臓コレステロール、及びトリグリセリド濃度と肝臓遺伝子の発現との関係を調べるために計算した(JMP 7統計プログラム、SAS Institute)。有意性をP<0.05で定義した。
【0090】
5.2.結果
シャルドネ種子粉を与えられた動物は、他の食事を与えられた動物と比較して有意に減少した体重を有していた(図3〜4)。シャルドネ種子粉食事を与えられた動物は、4週後に約97グラムの平均体重を有していた。対照食事を与えられた動物は、4週後に約110グラムの平均体重を有していた。
【0091】
シャルドネ種子粉処置動物は対照動物より少ない体重であったが、シャルドネ種子粉処置動物は、体積(図6)及びカロリー(図7)の両方の点でより多く食べた(図5)。
【0092】
シャルドネ種子粉食事を与えられた動物は、VLDL(66%)及びLDL(50%)コレステロールにおいて最も大きな減少を示した(図8)。血中グルコースはわずかな減少を示した(図9)。
【0093】
シャルドネ種子粉は、肝臓重量及び精巣上体(epididimal)脂肪組織(EA)重量をそれぞれ30%及び20%低下させた(図10)。
【0094】
これらのデータは、シャルドネ種子粉が試験されたブドウ製品の中で明らかに傑出したものであったことを示す。シャルドネ皮粉は、同様の傾向を示したが、シャルドネ種子粉ほどの大きな利益ではなかった。
【0095】
6.実施例2;シャルドネ、ソービニョン・ブラン及びホワイト・リースリング製品の健康上の利益の比較
6.1.材料及び方法
6.1.1.ハムスター及び食事
雄性ゴールデンシリアンハムスター(約80g、LVG系統、Charles River)を順応させ、そして水及び5001げっ歯類食事(LabDiet,PMI International;タンパク質、239g/kg;脂肪、50g/kg;無窒素物質、487g/kg;粗繊維、51g/kg;灰分、70g/kg;エネルギー、17MJ/kg;及び健康の維持のために十分な量のミネラル類及びビタミン類)を実験食事の開始前1週間の間自由に与えた。ハムスターの体重を量り、そしてそれぞれ10匹のハムスターの10のグループに無作為に選び、そしてシャルドネ種子エタノール抽出物、シャルドネ種子メタノール抽出物、シャルドネ種子エタノール抽出残渣、シャルドネ種子メタノール抽出残渣、10質量%シャルドネ種子粉、10質量%ソービニョン・ブラン種子粉、10質量%ホワイト・リースリング種子粉、7質量%シャルドネ種子粉、3質量%シャルドネ種子粉、又は対照食事を含有する高脂肪食事を4週間自由に与えた。粉が製造されるブドウは、カリフォルニア北部の沿岸低地において栽培されたものであった。エタノール抽出物及び抽出残渣を、以下の工程を含む「茶抽出法」により製造した:(1)溶媒(蒸留水中40%エタノール 1625ml)を325gシャルドネ種子粉に加え、そして80℃で2時間振盪させた;(2)次いで工程(1)からの混合物をWhatman 1ろ紙を通して濾過した;(3)次いでエタノールを工程(2)からのろ液からrotovacで除去した;(4)工程(3)からの溶液及び工程(2)からのフィルターケーキを凍結して凍結乾燥し、それぞれシャルドネ種子エタノール抽出物及びシャルドネ種子エタノール抽出残渣を得た。同様の手順を使用してシャルドネ種子メタノール抽出物及びシャルドネ種子メタノール抽出残渣を製造した。
【0096】
食事は、タンパク質としてエネルギーの18%、炭水化物として43%、及び脂肪として39%からなり、0.1%コレステロールを補われたものであった。体重を毎週記録し、そして食物摂取を週に2回モニタリングした。この研究は動物実験委員会(Animal Care and Use Committee,Western Regional Research Center,USDA,Albany,CA.)により承認された。
【0097】
6.1.2.血漿及び組織採取
ハムスターを12時間絶食させ、そしてイソフルラン(Phoenix
Pharmaceutical)で麻酔した。EDTAカリウム溶液(15%質量:体積)で予めゆすいたシリンジを用いて心穿刺により血液を採取し、そして2000xgで30分間4℃にて遠心分離した後に血漿を分離した。肝臓を採取し、計量し、そして分析のために液体窒素中で即時凍結させた。
【0098】
6.1.3.血漿バイオマーカー分析
血漿リポタンパク質中のコレステロールを、以前に記載されたように(German et al,1996,Nutr Res.16:1239−49)サイズ排除クロマトグラフィーにより測定した。血漿トリグリセリド、総コレステロール、遊離コレステロール、及びグルコースを、酵素比色アッセイによりアッセイキット(Roche Diagnostics及びWako Chemicals)と共にRoche Diagnostics/Hitachi 914臨床分析機器を使用して測定した。食事欠乏ハムスターのアディポネクチン(B−bridge International)及びインスリン(Mercodia)の血漿濃度を、以前に記載されたように(Hung et al,2009,J Diabetes.1:194−206)、マウスアディポネクチン及び超高感度ラットインスリンイムノアッセイキットを使用して測定した。食事欠乏ハムスターにおける血中グルコース濃度を、OneTouch Ultrameter(LifeScan)を使用して尾静脈サンプルにおいて測定した。
【0099】
6.1.4.肝臓脂質分析
凍結乾燥して挽いた肝臓サンプルを、加速溶媒抽出機(Dionex)を使用して100℃;13.8MPaにて75/25ヘキサン/2−プロパノールを用いて抽出した。サンプル抽出物を、Roche Diagnostic/Hitachi914臨床分析機器(Roche Diagnostics)で上記のキットを使用して分析して、肝臓トリグリセリド、総コレステロール、及び遊離コレステロールを測定した。
【0100】
6.1.5.糞便胆汁酸及びステロール分析
ハムスターを殺す直前の連続した3日間の間糞便を集め、そして凍結乾燥し、粉にして−20℃で貯蔵した。胆汁酸及びステロールを、以前に記載されたように(Hong et al,2007,Agric Food Chem.55:9750−7)HPLCにより測定した。
【0101】
6.1.6.統計的解析
全てのデータを平均±SEとして表す。対照と様々な食事群との間の差異をスチューデントの両側t検定により決定した。各群の分散が同じでない場合、差異の有意性をウェルチ検定を使用して決定した。ピアソン相関係数を、血漿総コレステロール、血漿アディポネクチン濃度、肝臓コレステロール、及びトリグリセリド濃度と肝臓遺伝子の発現との関係を調べるために計算した(JMP 7統計プログラム、SAS Institute)。有意性をP<0.05で定義した。
【0102】
6.2.結果
食事の10質量%のシャルドネ種子粉は、実施例1で再現可能な結果を示した。食事の10質量%でシャルドネ種子粉を含む食事を与えられた動物は、対照動物と比較して35%脂肪食事で最も少ない体重増加であった。。
【0103】
シャルドネ種子粉は用量応答を示した。動物に、それらの食事の一部として10%、7%又は3%のシャルドネ種子粉を4週間与えた。体重の差異で示される増加応答が観察された;動物がより多く食べるほど、増大する体重は少なかった(図12)。
【0104】
シャルドネ種子抽出物は、体重に対していくらかの効果を示したが、シャルドネ種子粉の直接添加ほど劇的ではなかった。
【0105】
シャルドネ種子抽出物及びシャルドネ種子抽出残渣は、コレステロールレベル(図13)及びLDL/HDL比(図14)に対していくらかの効果を示したが、シャルドネ種子粉の直接添加ほど劇的ではなかった。同様に、シャルドネ種子抽出物は、臓器重量に対していくらかの効果を示したが(図15)、シャルドネ種子粉の直接添加ほど劇的ではなかった。
【0106】
他の白色種子(white seed)粉;例えば、ソービニョン・ブラン又はホワイト・リースリングは、対照食事と比較して体重の差異をほとんど示さなかった。シャルドネを、4つの他の品種と対照比較して、それらは明らかに傑出していた。
【0107】
7.実施例3:相対的脂肪及び肝臓遺伝子発現に対するシャルドネ種子粉の効果
7.1.材料及び方法
7.1.1.ハムスター及び食事
雄性ゴールデンシリアンハムスター(約80g、LVG系統、Charles River)を順応させ、そして水及び5001げっ歯類食事(LabDiet,PMI International;タンパク質、239g/kg;脂肪、50g/kg;無窒素物質、487g/kg;粗繊維、51g/kg;灰分、70g/kg;エネルギー、17MJ/kg;及び健康の維持のために十分な量のミネラル類及びビタミン類)を実験食事の開始前1週間の間自由に与えた。ハムスターの体重を量り、そしてそれぞれ2つの群に無作為に選び、10質量%シャルドネブドウ種子粉を含有する高脂肪食事又は対照食事のいずれかを自由に4週間与えた。粉を製造したブドウは、カリフォルニア北部の沿岸低地において栽培されたものであった。食事は、タンパク質としてエネルギーの18%、炭水化物として43%、及び脂肪として39%からなり、0.1%コレステロールを補われたものであった。体重を毎週記録し、そして食物摂取を週に2回モニタリングした。この研究は動物実験委員会(Western Regional Research Center,USDA,Albany,CA.)により承認された。
【0108】
7.1.2.mRNA分析
定量的PCR(qPCR)を使用して、シャルドネ種子粉を補った食事又は対照食事のいずれかを与えられたハムスターからの脂肪及び肝臓サンプルにおける炎症、コレステロール、胆汁酸、及び脂肪酸経路の選択された遺伝子のmRNA発現を測定した。
【0109】
7.1.3.統計的解析
全てのデータを平均±SDとして表す。示される平均値は、シャルドネ種子粉を補った食事を与えられたハムスター由来の脂肪又は肝臓組織におけるmRNAレベルを、対照食事を与えられたハムスター由来の脂肪又は肝臓組織におけるmRNAレベルと比較した相対値である。
【0110】
7.2.結果
シャルドネ種子粉を補われた食事を与えられたハムスター由来の脂肪組織における遺伝子発現を、対照食事を与えられたハムスター由来の脂肪組織における遺伝子発現と比較した相対的遺伝子発現レベルを、図16に示す。シャルドネ種子粉を補われた食事を与えられたハムスター由来の肝臓組織における遺伝子発現を、対照食事を与えられたハムスター由来の肝臓組織における遺伝子発現と比較した相対的遺伝子発現レベルを図17に示す。
【0111】
肝臓ACOX1、CYP51、及びCYP7al遺伝子発現は、シャルドネ種子粉を補った食事を与えられたハムスターにおいて顕著に上昇したが、肝臓ABCG5及びSCD1遺伝子発現は、シャルドネ種子粉を補った食事を与えられたハムスターにおいて顕著に減少した。
【0112】
ACOX1は脂肪酸化の調節に関与し、CYP51はコレステロール生合成の調節に関与し、CYP7a1は胆汁酸合成の調節に関与し、SCD1は脂肪合成に関与し、そしてABCG5はコレステロールを腸に戻す輸送に関与する。従って、これらの結果は、シャルドネ種子粉を補われた食事が、コレステロール及び/又は胆汁の再吸収を減少させ得、肝臓におけるレベルの減少をもたらし得るということを示唆する。これらの結果はさらに、シャルドネ種子粉を補われた食事が脂肪酸化に関する肝臓遺伝子上方調節(ACOX1)により、かつ/又は脂肪合成の下方調節(SCD1)により、体重増加を減少させ得るということを示唆する。
【0113】
8.実施例4:シャルドネ種子粉及びシャルドネブドウ種子抽出物の健康上の利益の、市販のブドウ種子抽出物との比較
8.1.材料及び方法
8.1.1.ハムスター及び食事
雄性ゴールデンシリアンハムスター(約80g、LVG系統、Charles River)を順応させ、そして水及び5001げっ歯類食事(LabDiet,PMI International;タンパク質、239g/kg;脂肪、50g/kg;無窒素物質、487g/kg;粗繊維、51g/kg;灰分、70g/kg;エネルギー、17MJ/kg;及び健康の維持のために十分な量のミネラル類及びビタミン類)を実験食事の開始前1週間の間自由に与えた。全てのブドウ種子抽出物をHPLC法により特徴付けし、そしてそれらの7%(質量/質量)シャルドネ種子粉と同じ量のカテキンを提供するようにそれらの供給量を調整した。ハムスターの体重を量り、そしてそれぞれ8匹のハムスターの10の群に無作為に選び、そして7質量%シャルドネ種子粉(1つの群)、Vitacost(R)ブドウ種子抽出物(2つの群)、Mega Natural(R) BPブドウ種子抽出物(2つの群)、Leucoselect(R)ブドウ種子抽出物(2つの群)、カテキン(約0.000785g/食事g)(1つの群)、エピカテキン(約0.00104g/食事g)(1つの群)を含有する高脂肪食事、又は対照食事(1つの群)を自由に4週間与えた。カテキンレベルを、シャルドネ種子粉の量に対して各ブドウ種子抽出物を正規化するために使用した。エピカテキン及びカテキンは、これらの化合物についての対照として食事(chow diet)中に含まれ、これらは血圧及び脂質調節の原因であると他の研究に関与している。シャルドネ種子粉が製造されるブドウは、カリフォルニア北部の沿岸低地において栽培されたものであった。食事は、タンパク質としてエネルギーの18%、炭水化物として43%、及び脂肪として39%からなるものであり、0.1%コレステロールを補われた。体重を毎週記録し、そして食物摂取を週に2回モニタリングした。この研究は動物実験委員会(Western Regional Research Center,USDA,Albany,CA)により承認された。
【0114】
8.1.2.血漿及び組織採取
ハムスターを12時間絶食させ、そしてイソフルラン(Phoenix Pharmaceutical)で麻酔した。予めEDTAカリウム溶液(15%質量:体積)でゆすいだシリンジを用いて心穿刺により血液を採取し、そして2000xgで30分間4℃にて遠心分離した後に血漿を分離した。肝臓を採取し、計量し、そして分析のために液体窒素中で即時凍結させた。
【0115】
8.1.3.血漿バイオマーカー分析
血漿リポタンパク質中のコレステロールを、以前に記載されたように(German et al,1996.Nutr Res.1996;16:1239−49)、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定した。血漿トリグリセリド、総コレステロール、遊離コレステロール、及びグルコースを、Roche Diagnostics/Hitachi 914臨床分析機器をアッセイキット(Roche Diagnostics及びWako Chemicals)と共に使用して酵素比色アッセイにより決定した。食事欠乏ハムスターのアディポネクチン(B−bridge International)及びインスリン(Mercodia)の血漿濃度を、以前に記載されたように(Hung et al,2009,J.Diabetes 1:194−206)、マウスアディポネクチン及び超感受性ラットインスリンイムノアッセイキットを使用して決定した。食事欠乏ハムスターにおける血中グルコース濃度を、OneTouch Ultrameter(LifeScan)を使用して尾静脈サンプルにおいて測定した。
【0116】
8.1.4.肝臓脂質分析
凍結乾燥して挽いた肝臓サンプルを、加速溶媒抽出機(Dionex)を使用して100℃;13.8MPaで75/25ヘキサン/2−プロパノールを用いて抽出した。サンプル抽出物をRoche Diagnostic/Hitachi914臨床分析機器(Roche Diagnostics)で分析して、上記のキットを使用して肝臓トリグリセリド、総コレステロール、及び遊離コレステロールを決定した。
【0117】
8.1.5.糞便胆汁酸及びステロール分析
ハムスターを殺す直前の連続した3日間の間糞便を集め、そして凍結乾燥し、粉にして−20℃で貯蔵した。胆汁酸及びステロールを、以前に記載されたように(Hong et al,2007,.J Agric Food Chem.55:9750−7)HPLCにより測定した。
【0118】
8.1.6.統計的解析
全てのデータを平均±SDとして表す。対照と様々な食事群との間の差異をスチューデントの両側t検定により決定した。各群の分散が同じでない場合、差異の有意性をウェルチ検定を使用して決定した。ピアソン相関係数を、血漿総コレステロール、血漿アディポネクチン濃度、肝臓コレステロール、及びトリグリセリド濃度と肝臓遺伝子の発現との関係を調べるために計算した(JMP 7統計プログラム、SAS Institute)。有意性をP<0.05で定義した。
【0119】
8.2.結果
シャルドネ種子粉を与えられた動物は、Leucoselect(R)ブドウ種子抽出物で補われた食事を与えられた群のうちの1つ(L7)を除いて、市販のブドウ種子抽出物を補われた食事を与えられた動物と比較して総コレステロール及びLDLコレステロールの有意に減少した血漿レベルを有していた(図18〜19)。これらのデータは、シャルドネ種子粉が、総コレステロール及びLDLコレステロールの低下に関して、試験された市販のブドウ種子抽出物の1つ以外の全てより優れているということを示す。
【0120】
9.実施例5:シャルドネ種子粉の糞便微生物叢レベルに対する効果
9.1.材料及び方法
9.1.1.糞便サンプル
実施例1の動物から糞便を0日目(対照)及び20日目(シャルドネ種子粉補充食事、カベルネ種子粉補充食事、及び高脂肪対照食事)に採取した。これらの糞便を乾燥して凍結した。
【0121】
9.1.2.RNAの抽出及び定量
凍結糞便サンプルを10体積のRNAlater(R)−ICE(Applied
Biosystems,Foster City,CA,USA)に少なくとも24時間加えた。総RNAを、糞便総RNA精製キット(Norgen Biotek Corp.,Canada)を使用して製造者のプロトコルに従って調製した。
【0122】
単離したRNAの定量及び精製を分光光度法(A260/A280比)により確認した。cDNAを、各サンプルについて総RNA 250ng及びPrimeScriptTM RT試薬キット(Takara Bio Inc.,Shiga,Japan)を使用して製造者のプロトコルに従って製造した。
【0123】
腸細菌16S rRNA遺伝子発現の定量のための実時間PCRを、AB 7500 Realtime PCRシステム(Applied Biosystems,Foster City,CA,USA)を使用して行った。SYBR Premix Ex Taq(Takara Bio Inc.,Shiga,Japan)を使用して増幅を二連で行った。表1に示されるプライマーを使用して、以下の温度プロフィールを用いて増幅を行った:95℃で30秒間の1サイクル、及び95℃で5〜10秒間の変性の40サイクル、最適温度で5〜15秒のアニーリング、そして72℃で20秒間の伸長。
【0124】
【表1】
【0125】
9.2.結果
シャルドネ又はカベルネ種子粉を含有する高脂肪食事を与えられたハムスターの糞便サンプルの定量的実時間PCRの結果により、腸微生物叢がこれらの粉の摂取により調節されたということが明らかになった。4種の食事を与えられたハムスターからの糞便排泄物において測定された総細菌レベルを図20に示す。細菌部分集団の測定されたレベルを図21〜26に示す。
【0126】
シャルドネ種子粉を補った高脂肪食事を与えられたハムスターからの糞便サンプルは、高脂肪対照食事を与えられたハムスター由来の糞便サンプルと比較して、ビフィドバクテリウム属種、ラクトバチルス属種、及び腸内細菌科の有意に減少したレベル、並びにエンテロコッカス属種、クロストリジウムクラスターIV及びバクテロイデス・フラジリス群の細菌の有意に増加したレベルを示した。
【0127】
カベルネ種子粉を補った高脂肪食事を与えられたハムスター由来の糞便サンプルは、高脂肪対照食事を与えられたハムスター由来の糞便サンプルと比較して、腸内細菌科の有意に減少したレベル、並びにエンテロコッカス属種、及びバクテロイデス・フラジリス群の有意に増加したレベルを示した。
【0128】
10.特定の実施態様及び参照による加入
本出願において引用される全ての刊行物、特許、特許出願及び他の書類は、各個々の刊行物、特許、特許出願又は他の書類が本明細書において(for all purposes)個々に示されているのと同じ程度まで、本明細書においてそれらの全体が参照により本明細書に加入される。
【0129】
様々な特定の実施態様が説明され、そして記載されてきたが、当然のことながら、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が為され得る。
図1
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【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]