特許第6562845号(P6562845)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562845
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】車両用内装品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20190808BHJP
   B29C 39/12 20060101ALI20190808BHJP
   B29C 41/18 20060101ALI20190808BHJP
   B29K 105/04 20060101ALN20190808BHJP
   B29L 9/00 20060101ALN20190808BHJP
   B29L 31/58 20060101ALN20190808BHJP
【FI】
   B60R13/02 Z
   B29C39/12
   B29C41/18
   B29K105:04
   B29L9:00
   B29L31:58
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-11273(P2016-11273)
(22)【出願日】2016年1月25日
(65)【公開番号】特開2017-132276(P2017-132276A)
(43)【公開日】2017年8月3日
【審査請求日】2018年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】390026538
【氏名又は名称】ダイキョーニシカワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮地 敏記
【審査官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0168151(US,A1)
【文献】 特開2007−216646(JP,A)
【文献】 特開2013−043571(JP,A)
【文献】 特開平04−105910(JP,A)
【文献】 特開平04−097807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 13/02
B60R 21/2165
B60K 37/00
B29C 39/00−39/44
B29C 41/00−41/52
B29C 43/00−43/58
B29C 44/00−44/60
B29K 105/04
B29L 9/00
B29L 31/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接する第1及び第2の表皮部材(35,37)を有する表皮(31)と発泡樹脂層(33)とからなるパッド(5)が基材(3)の表面に一体に形成された車両用内装品の製造方法であって、
上記第1及び第2の表皮部材(35,37)を、その端縁に延長部(51)が破断予定部(59)を介して付着した状態で成形し、
上記第1及び第2の表皮部材(35,37)を、その表面が互いに当接し、かつ両表皮部材(35,37)の延長部(51)を重ね合わせて互いに固定した準備状態で、両表皮部材(35,37)の上記延長部(51)付着側の端縁をミシンのガイド部(301)に対応させてミシンを作動させることにより、両表皮部材(35,37)の上記破断予定部(59)よりも内側に位置し、かつ両表皮部材(35,37)の上記延長部(51)付着側の端縁との間に一定の間隔を保つ縫合ライン(LN)で両表皮部材(35,37)を縫合糸(47)により縫合し、
上記破断予定部(59)を破断することで上記第1及び第2の表皮部材(35,37)から延長部(51)を切除し、
上記第1及び第2の表皮部材(35,37)における上記縫合ライン(LN)より内側の部分を展開させるとともに、当該展開部分の裏側に両表皮部材(35,37)における上記縫合ライン(LN)より外側の部分を突出させて突条部(35e,37e)を形成し、当該突条部(35e,37e)を跨ぐように両表皮部材(35,37)にテープ材(49)を貼り付けることにより、両表皮部材(35,37)に上記テープ材(49)が貼り付けられた表皮(31)を得て、
上記表皮(31)と上記基材(3)との間に発泡樹脂原料を注入して発泡硬化させることで、表皮(31)と発泡樹脂層(33)とからなるパッド(5)が基材(3)の表面に一体に形成された車両用内装品を得ることを特徴とする車両用内装品の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用内装品の製造方法において、
上記破断予定部(59)は、引きちぎり可能な薄肉部であり、
上記第1及び第2の表皮部材(35,37)は、薄肉部形成用の断面三角状の凸条部(207)が上記破断予定部(59)に対応するように形成された成形面(203)を有するスラッシュ成形型(201)を用いたスラッシュ成形により成形されることを特徴とする車両用内装品の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用内装品の製造方法において、
上記第1及び第2の表皮部材(35,37)の一方の表皮部材に付着する延長部(51)の表面には、嵌合凸部(61)が形成されている一方、他方の表皮部材(35,37)に付着する延長部(51)の表面には、嵌合凹部(63)が形成され、
上記準備状態で、上記嵌合凸部(61)と上記嵌合凹部(63)とが互いに嵌合することで両延長部(51)が互いに固定されることを特徴とする車両用内装品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表皮と発泡樹脂層とからなるパッドが基材の表面に一体に成形された車両用内装品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、互いに隣接し、かつ互いに縫合された第1及び第2の表皮部材を有する表皮と発泡樹脂層とからなるパッドが基材の表面に一体に形成された車両用内装品が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平7−45128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1のような車両用内装品を構成する表皮の製造方法として、次のような方法が考えられる。
【0005】
まず、所望の車両用内装品の外形状に合わせて第1及び第2の表皮部材を立体的に成形し、上記第1及び第2の表皮部材を、その表面が互いに当接するように両表皮部材の端末を揃えて重ね合わせた状態で、上記端末を位置基準にしてミシンを作動させることにより、両表皮部材の端縁の内側に位置する縫合ラインで両表皮部材を互いに縫合する。次いで、上記第1及び第2の表皮部材における上記縫合ラインより内側の部分を展開させるとともに、当該展開部分の裏側に両表皮部材における上記縫合ラインより外側の部分を突出させて突条部を形成し、当該突出部分を跨ぐように両表皮部材にテープ材を貼り付けることにより、両表皮部材に上記テープ材が貼り付けられた表皮を得る。そして、上記表皮と上記基材との間に発泡樹脂原料を注入して発泡硬化させることで、上記発泡樹脂層を形成する。
【0006】
しかし、この製造方法では、縫合ラインを表皮部材の端縁近傍に設けようとすると、縫合作業時に、立体的に形成した表皮部材を平坦に変形させた上で表面が互いに当接するように重ね合わせた状態にする必要があり、表皮部材の端末を揃えた状態で保持することが難しく、上記第1及び第2の表皮部材を所望の縫合ラインで縫合できず、見栄えの悪化を招くおそれがある。また、表皮部材の端縁がミシン針の抜き刺し位置の内側に移動してしまうおそれがあることから、縫合ラインと両表皮部材の端縁との間隔を短くできない。したがって、両表皮部材の突条部の突出長さが長く設定され、両表皮部材に各表皮部材の隣接縁部と交差する折曲部を見栄え良く形成することが困難になる。また、発泡樹脂層形成時に、突条部が発泡樹脂原料の流れの妨げとなるおそれもある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表皮部材に折曲部を見栄え良く形成できるようにするとともに、突条部が発泡樹脂原料の流れの妨げとなることを防止することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、第1及び第2の表皮部材を、延長部が付着した状態でかつ、両延長部を互いに固定した状態で縫合するようにしたことを特徴とする。
【0009】
具体的には、本発明は、互いに隣接する第1及び第2の表皮部材を有する表皮と発泡樹脂層とからなるパッドが基材の表面に一体に形成された車両用内装品の製造方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
【0010】
すなわち、第1の発明は、上記第1及び第2の表皮部材を、その端縁に延長部が破断予定部を介して付着した状態で成形し、上記第1及び第2の表皮部材を、その表面が互いに当接し、かつ両表皮部材の延長部を重ね合わせて互いに固定した準備状態で、両表皮部材の上記延長部付着側の端縁をミシンのガイド部に対応させてミシンを作動させることにより、両表皮部材の上記破断予定部よりも内側に位置し、かつ両表皮部材の上記延長部付着側の端縁との間に一定の間隔を保つ縫合ラインで両表皮部材を縫合糸により縫合し、上記破断予定部を破断することで上記第1及び第2の表皮部材から延長部を切除し、上記第1及び第2の表皮部材における上記縫合ラインより内側の部分を展開させるとともに、当該展開部分の裏側に両表皮部材における上記縫合ラインより外側の部分を突出させて突条部を形成し、当該突条部を跨ぐように両表皮部材にテープ材を貼り付けることにより、両表皮部材に上記テープ材が貼り付けられた表皮を得て、上記表皮と上記基材との間に発泡樹脂原料を注入して発泡硬化させることで、表皮と発泡樹脂層とからなるパッドが基材の表面に一体に形成された車両用内装品を得ることを特徴とする。
【0011】
第2の発明は、第1の発明に係る車両用内装品の製造方法において、上記破断予定部は、引きちぎり可能な薄肉部であり、上記第1及び第2の表皮部材は、薄肉部形成用の断面三角状の凸条部が上記破断予定部に対応するように形成された成形面を有するスラッシュ成形型を用いたスラッシュ成形により成形されることを特徴とする。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る車両用内装品の製造方法において、上記第1及び第2の表皮部材の一方の表皮部材に付着する延長部の表面には、嵌合凸部が形成されている一方、他方の表皮部材に付着する延長部の表面には、嵌合凹部が形成され、上記準備状態で、上記嵌合凸部と上記嵌合凹部とが互いに嵌合することで両延長部が互いに固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
第1の発明によれば、両表皮部材に延長部を設け、両延長部を互いに固定した状態で延長部の端縁を基準にして両表皮部材の縫合作業を行うので、縫合作業時に両表皮材の相対的な位置ずれを防止できる。また、縫合作業後に延長部を切除するので、延長部切除後の表皮部材の端縁と縫合ラインとの間隔、すなわち突条部の突出長さを短くできる。したがって、折曲部を見栄え良く形成できるともに、突条部が発泡樹脂原料の流れの妨げとなることを防止できる。
【0014】
また、ミシンの作動時に、両表皮部材の延長部付着側の端縁をミシンのガイド部に対応させるだけで縫合ラインを位置決めでき、表皮部材の縫合ラインに印を付ける作業が必要ないので、縫合作業が容易になる。
【0015】
第2の発明によれば、延長部を引っ張るだけで破断予定部を破断でき、破断予定部の位置を特定する作業が必要ないので、破断作業が容易になる。また、破断用の設備が不要となるので、製造コストを削減できる。
【0016】
第3の発明によれば、嵌合凸部と嵌合凹部とを嵌合させるだけで両表皮部材を位置決めできるので、留め具等で両表皮部材を仮止めする場合に比べ、位置決め作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】インストルメントパネルの斜視図である。
図2】第1及び第2の表皮部材の斜視図である。
図3図1のIII部拡大図である。
図4図3のIV−IV線における断面図である。
図5図3のV−V線における断面図である。
図6】第1及び第2の表皮部材の隣接縁部における折曲部交差箇所周りの斜視図である。
図7】第1及び第2の表皮部材の隣接縁部における端部を図6の矢印VII方向から見た矢視図である。
図8】本発明の実施形態に係る製造方法において、表皮材を成形する工程を示す製造工程図である。
図9】延長部が付着した状態の第1及び第2の表皮部材の斜視図である。
図10】本発明の実施形態に係る製造方法において、第1及び第2の表皮部材を重ね合わせた準備状態で互いに縫合する工程を示す製造工程図である。
図11図10の準備状態における第1及び第2の表皮部材の斜視図である。
図12】本発明の実施形態に係る製造方法において、延長部を切除する工程を示す製造工程図である。
図13】本発明の実施形態に係る製造方法において、ステッチ模様を形成する工程を示す製造工程図である。
図14】本発明の実施形態に係る製造方法において、第1及び第2の表皮部材にテープ材を貼り付ける工程を示す製造工程図である。
図15】本発明の実施形態に係る製造方法において、表皮材を下型にセットするとともに基材を上型にセットする工程を示す製造工程図である。
図16】本発明の実施形態に係る製造方法においてインストルメントパネルを成形する工程を示す製造工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0019】
図1図7は、右ハンドルの自動車の車両用内装品としてのインストルメントパネル1を示す。このインストルメントパネル1は、樹脂製基材3の表面に部分的に樹脂製パッド5が一体に形成されたものである。インストルメントパネル1の車幅方向右側寄りには、メーターフード部7が形成され、上記パッド5は、インストルメントパネル1の車体前端部分及びメーターフード部7を除くほぼ全体に亘って設けられている。したがって、インストルメントパネル1の車体前端部分及びメーターフード部7では、基材3が露出している。また、インストルメントパネル1のパッド5形成領域における車体前方左側寄りには、矩形状のヒンジ部9と、2つのY字を横向きにして車幅方向に対称に連結した形状の破断予定部11とでエアバッグドア12が区画形成されている。上記基材3は、例えば繊維入りポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂、ノリル(登録商標)等の樹脂材で射出成形されたものである。
【0020】
上記基材3は、車体前端部分において車幅方向に略平坦状に延びる前方面部13と、該前方面部13の後端全幅から車体後方に向かって略平坦状に一体に延出して略への字状に折れ曲がる一般面部15とを備えている。一般面部15の車体前端全幅及び車幅方向両端全幅には、裏側に凹む外周溝部17が形成されている。また、一般面部15の折れ曲がり箇所よりも若干車体前方には、裏側に凹む横溝部18が上記外周溝部17よりも浅く形成されている。この横溝部18は、その側壁部が開放側に向けて外側に傾斜するように断面台形状に形成されている。また、上記外周溝部17の車体前後方向に延びる部分より若干車幅方向内側の一般面部15には、車幅方向内側に向けて裏側に傾斜する傾斜部19が車幅方向両端縁に沿って形成されている。該傾斜部19は、基材3のエアバッグドア12対応箇所の外側に位置している。また、一般面部15の車体後方端縁には、裏側に突出する後側突出壁部21(図15及び図16参照)が全長に亘って一体に形成され、該後側突出壁部21の先端には、板状のフランジ部23(図15及び図16参照)が全長に亘って外側に一体に延設されている。フランジ部23のパッド5側の面には、図示しない突条シール部が連続して一体に突設されている。また、前方面部13の車幅方向両端の後端部と、一般面部15及びフランジ部23の車幅方向両端全幅には、板面を車幅方向に向けて裏側に突出する取付壁部25が一体に形成され、この取付壁部25の先端近傍には、当該取付壁部25にインストルメントパネル1の側部を構成する図示しないサイドパネルを取り付けるための複数の取付孔27が貫通形成されている。また、一般面部15には、樹脂注入口29(図15及び図16参照)が形成されている。
【0021】
上記パッド5は、表皮31と、該表皮31と上記基材3との間に発泡樹脂原料R(後述する)が充填されてなる発泡樹脂層33とで構成されている。
【0022】
上記表皮31は、上記基材3の一般面部15の横溝部18対応箇所で車体前後方向に2分割されて互いに隣接する車体前方側の第1の表皮部材35と、車体後方側の第2の表皮部材37とを備えている。これら表皮部材35,37は、サーモプラスチックウレタン(TPU)等のエラストマー樹脂材やポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂材でスラッシュ成形により成形されたものである。表皮31の車体後方端縁には、上記基材3のフランジ部23の突条シール部に当接して当該当接箇所をシールする当接シール部39が形成されている。一方、表皮31の車体前方端縁及び車幅方向両端縁には、上記発泡樹脂層33と上記基材3の外周溝部17の外側の側壁部17aとに挟まれた状態で上記発泡樹脂層33の圧力により上記基材3の側壁部17aに圧接する圧接シール部41が形成されている。
【0023】
第1の表皮部材35は、車幅方向に略平坦に延びて露出する平坦面部35aと、該平坦面部35aの車幅方向両端部に裏側に向かって一体に突出する側面部35bとを有し立体的な外観形状をしている。上記平坦面部35aと側面部35bとの境界には、折曲部35cが直線状に形成され、該折曲部35cは、第1の表皮部材35の第2の表皮部材37との隣接縁部と交差している。また、側面部35bの突出方向中途部には、先端側が基端側よりも車幅方向内側に位置するように屈曲部35dが形成され、当該屈曲部35dよりも先端側の側面部35bが、上記圧接シール部41に対応している。上記屈曲部35dよりも先端側の側面部35bを除く第1の表皮部材35の隣接縁部には、突条部35eが当該隣接縁部に沿うように連続して一体に突設されている。つまり、突条部35eは、第1の表皮部材35の隣接縁部における長手方向両端部を除く部分に形成され、第1の表皮部材35の隣接縁部における突条部35e非形成箇所は、上記圧接シール部41形成箇所に位置している。上記突条部35eの突出長さは、上記基材3の傾斜部19対応箇所の車幅方向外側で、上記基材3の傾斜部19対応箇所及び該傾斜部19対応箇所の車幅方向内側よりも短く設定されている。つまり、突条部35eの突出長さは、第1の表皮部材35の隣接縁部における折曲部35c交差箇所を含む部分で、他の部分よりも短く設定される。また、基材3の傾斜部19対応箇所の車幅方向外側での突条部35eの突出長さL1は、最も短く、2mmに設定され、基材3の傾斜部19対応箇所の車幅方向内側での突条部35eの突出長さL2は、最も長く、10mmに設定される。また、突条部35eの突出長さは上記基材3の傾斜部19対応箇所で、車幅方向内側に向けて徐々に長くなっている。また、第1の表皮部材35の隣接縁部の内側近傍には、裏側に膨出するように湾曲する湾曲部35fが当該隣接縁部の上記屈曲部35dよりも先端側の側面部35bを除く全長に沿って形成され、当該湾曲部35fには、縫製糸からなるステッチ模様43が全長に亘って縫製により形成されている。なお、上述したように、基材3の傾斜部19は、基材3のエアバッグドア12対応箇所の外側に位置しているので、第1の表皮部材35のエアバッグドア12近傍の隣接縁部における突条部35eの突出長さは、上記L2となる。なお、上記平坦面部35aの上記破断予定部11対応箇所には、複数の薄肉部35gが互いに間隔を空けて形成されている。また、上記平坦面部35aの前端全幅には、前側延出面部35hが裏側に向かって外側に傾斜するように一体に延設され、上記圧接シール部41を構成している。また、図6及び図7に示すが、上記平坦面部35a、屈曲部35dよりも基端側の側面部35b、及び屈曲部35dの表面には、全体に亘ってシボ模様が形成されている。
【0024】
第2の表皮部材37も、車幅方向に略平坦に延びる平坦面部37aと、該平坦面部37aの車幅方向両端部に裏側に向かって一体に突出する側面部37bとを有し立体的な外観形状をしている。上記平坦面部37aと側面部37bとの境界には、折曲部37cが上記第1の表皮部材35の折曲部35cと同一直線状に形成され、該折曲部37cは、第2の表皮部材37の第1の表皮部材35との隣接縁部と交差している。また、側面部37bの突出方向中途部には、先端側が基端側よりも車幅方向内側に位置するように屈曲部37dが形成され、当該屈曲部37dよりも先端側の側面部37bが上記圧接シール部41に対応している。第1及び第2の表皮部材35,37の平坦面部35a,37aは面一をなし、第1及び第2の表皮部材35,37の側面部35b,37bも面一をなしている。上記屈曲部37dよりも先端側の側面部37bを除く第2の表皮部材37の隣接縁部には、突条部37eが当該隣接縁部に沿うように連続して一体に突設されている。つまり、突条部37eは、第2の表皮部材37の隣接縁部における長手方向両端部を除く部分に形成され、第2の表皮部材37の隣接縁部における突条部37e非形成箇所は、上記圧接シール部41形成箇所に位置している。上記突条部37eの突出長さは、第1の表皮部材35の突条部35eと全長に亘って等しく設定されている。つまり、突条部37eの突出長さも、第2の表皮部材37の隣接縁部における折曲部37c交差箇所を含む部分で、他の部分よりも短く設定されている。また、第2の表皮部材37の隣接縁部の内側近傍には、裏側に膨出するように湾曲する湾曲部37fが当該隣接縁部の上記屈曲部37dよりも先端側の側面部37bを除く全長に沿って形成され、当該湾曲部37fには、縫製糸からなるステッチ模様45が全長に亘って縫製により形成されている。なお、上記第2の表皮部材37の平坦面部37aの後端全幅には、裏側に向かって一体に突出する後側突出面部37gが一体に形成され、該後側突出面部37gの先端には、上記当接シール部39が外側に一体に延設されている。また、図6及び図7にのみ示すが、上記平坦面部37a、屈曲部37dよりも基端側の側面部37b、及び屈曲部37dの表面には、全体に亘ってシボ模様が形成されている。
【0025】
両表皮部材35,37の突条部35e,37eの外側面は、全長に亘って車体前後方向に互いに当接している。また、両表皮部材35,37の突条部35e,37eの基端部は、全長に亘って縫合糸47により互いに縫合されている。一方、両表皮部材35,37の隣接縁部における長手方向両端部、すなわち突条部35e,37e非形成箇所は、互いに微小な間隔D(図7参照)を空けて対向している。さらに、両表皮部材35,37には、テープ材49が、その長手方向中途部で両表皮部材35,37の突条部35e,37eを跨ぐとともに両表皮部材35,37のステッチ模様43,45を裏側から覆い、かつその長手方向両端部で折り返されて上記両表皮部材35,37の隣接縁部における突条部35e,37e非形成箇所(屈曲部35d,37dよりも先端側の側面部35b,37bの隣接縁部)を表裏両側で跨ぐように貼り付けられている。
【0026】
上記発泡樹脂層33は、ウレタン発泡体等であり、例えば独立発泡と連通発泡とが約半分ずつ分布する半硬質構造である。当該発泡樹脂層33には、凹溝部33aが上記第1及び第2の表皮部材35,37の突条部35e,37eに対応するように形成され、当該凹溝部33aには、上記第1及び第2の表皮部材35,37の突条部35e,37eが上記テープ材49に覆われた状態で挿入されている。
【0027】
図8図16は、本発明の実施形態に係る車両用内装品の製造方法として、上述のように構成されたインストルメントパネル1の製造方法を示す。
【0028】
製造に際し、基材3、表皮31、及び図15及び図16に示す成形型101を用意する。成形型101は、下型である第1型103と上型である第2型105とを備え、上記第2型105には、注入ヘッド107が設けられているとともに、上記第1型103には、スライドコア109が流体圧シリンダ111の伸縮作動によりスライド可能に設けられている。図15及び図16中、105aは上記注入ヘッド107が挿着される挿着孔、113はキャビティである。また、図15及び図16中、表皮31の湾曲部35f,37fの図示を省略している。
【0029】
ここで、表皮31を製造する工程について説明する。表皮31を製造するには、まず、図8に示すように、スラッシュ成形型201により、上記第1及び第2の表皮部材35,37と、両表皮部材35,37の端縁における突条部35e,37e先端に対応する部分に第2薄肉部59(後述する)を介して付着する位置決め用の延長部51と、不要部分(後述する)53とを構成する1枚の表皮材55を成形する。なお、延長部51は、両表皮部材35,37の端縁における突条部35e,37e先端に対応する部分のうち、上記突条部35e,37eの突出長さがL2よりも短い部分に対応する部分だけに付着している。図2中、延長部51を仮想線で示す。
【0030】
スラッシュ成形型201には、上記第1及び第2の表皮部材35,37の立体的な表面を成形する成形面203が形成されている。この成形面203には、薄肉部形成用の断面三角形状の第1凸条部205が、上記延長部51が付着した状態の第1及び第2の表皮部材35,37の外周縁に対応するように形成されているとともに、薄肉部形成用の断面三角状の第2凸条部207が、上記第1及び第2の表皮部材35,37と上記延長部51との境界、すなわち第2薄肉部59(後述する)に対応するように形成されている。また、上記成形面203における第1の表皮部材35に付着する延長部51の延出方向中途部に対応する箇所には、複数の平面視矩形状の凹部209が互いに間隔を空けて形成されている。一方、上記成形面203における第2の表皮部材37に付着する延長部51の延出方向中途部に対応する箇所には、複数の平面視矩形状の凸部211が互いに間隔を空けて一体に突設されている。さらに、上記成形面203には、上記第1及び第2の表皮部材35,37の湾曲部35f,37f成形用の膨出部213が形成されている。
【0031】
次に、上記スラッシュ成形型201を用いて上記表皮材55を成形する要領について説明する。
【0032】
まず、スラッシュ成形型201を加熱ヒータ(図示せず)により加熱し、その成形面を下に向けた状態で、TPU、PVC等の粉体樹脂原料が収容された原料収容ボックス(図示せず)を下方からセットする。そして、スラッシュ成形型201及び原料収容ボックスを反転させ、原料収容ボックス内の粉体樹脂原料をスラッシュ成形型201の成形面203に付着させる。これにより、成形面203に付着した粉体樹脂原料が型温により加熱溶融し始める。その後、スラッシュ成形型201及び原料収容ボックスを反転させて元の姿勢に戻し、余剰の粉体樹脂原料を原料収容ボックスに落下させる。そして、スラッシュ成形型201を原料収容ボックスから取り外し、加熱ヒータにより再度加熱する。これにより、成形面203に付着した未溶融の粉体樹脂原料が完全に溶融し、溶融樹脂層が形成される。さらにその後、スラッシュ成形型201をエアの吹付けにより冷却する。これにより、溶融樹脂層が硬化し、パッド5の外観形状に対応した立体的な外観形状を有する表皮材55が成形される。成形された表皮材55の第1凸条部205に対応する箇所には、引きちぎり可能な破断予定部としての第1薄肉部57が形成されているとともに、上記表皮材55の第2凸条部207に対応する箇所には、引きちぎり可能な破断予定部としての第2薄肉部59が形成されている。また、上記表皮材55の膨出部213に対応する箇所には、湾曲部35f,37fが形成されている。さらに、成形された表皮材55の凹部209に対応する箇所には、嵌合凸部61が形成され、成形された表皮材55の凸部211に対応する箇所には、嵌合凹部63が形成されている。
【0033】
その後、表皮材55を成形面203から剥がし、不要部分53を引っ張って第1薄肉部57を引きちぎる(破断する)ことで第1薄肉部57の外側の不要部分53を切除し、図9に示すように、上記延長部51が第2薄肉部59を介して付着した第1及び第2の表皮部材35,37を得る。第1の表皮部材35に付着した延長部51の表面には、上記嵌合凸部61が形成され、第2の表皮部材37に付着した延長部51の表面には、上記嵌合凹部63が形成されている。このように、不要部分53を引っ張るだけで切除でき、破断箇所を特定する作業が必要ないので、破断作業が容易になる。また、破断用の設備が不要となるので、製造コストを削減できる。
【0034】
次に、図10及び図11に示すように、第1及び第2の表皮部材35,37を、その表面が互いに当接し、かつ上記嵌合凸部61と嵌合凹部63とが互いに嵌合するように互いに重ね合わせて両表皮部材35,37の延長部51を互いに固定する。この状態(準備状態)で、両表皮部材35,37は、立体的な外観形状を変形させて延長部51付着側の端縁が全長に亘って互いに重なるように互いに重なり合っている。このように、嵌合凸部61と嵌合凹部63とを嵌合させるだけで両表皮部材35,37を位置決めできるので、留め具等で両表皮部材35,37を仮止めする場合に比べ、位置決め作業が容易になる。そして、この状態で、両表皮部材35,37の延長部51付着側の端縁をミシンのガイド部としての定規301に当接させ、両表皮部材35,37をミシンの押さえ板303と針板305との間に挟み込んだ状態で、ミシンを作動させてミシン針307を上下させる。これにより、両表皮部材35,37の第2薄肉部59よりも内側に位置し、かつ両表皮部材35,37の延長部51付着側の端縁との間に一定の間隔L(=L2)を保つ縫合ラインLNで両表皮部材35,37が縫合糸47により互いに縫合される。このように、両表皮部材35,37の延長部51付着側の端縁をミシンの定規301に当接させるだけで縫合ラインLNを位置決めでき、表皮部材35,37の縫合ラインLNに印を付ける作業が必要ないので、縫合作業が容易である。
【0035】
次に、図12に示すように、両表皮部材35,37における上記縫合ラインLNより内側の部分を面一をなすように展開してパッド5の外観形状に対応した立体的な元の外観形状に戻すとともに、当該展開部分の裏側に両表皮部材35,37における上記縫合ラインLNより外側の部分を突出させ、この状態で、延長部51を引っ張って第2薄肉部59を引きちぎる(破断する)ことで、両表皮部材35,37から延長部51を切除する。これにより、上記縫合ラインLNより外側の部分からなる突条部35e,37eが上記展開部分の裏側に形成される。このように、延長部51を引っ張るだけで切除でき、破断箇所を特定する作業が必要ないので、破断作業が容易になる。また、破断用の設備が不要となるので、製造コストを削減できる。
【0036】
その後、図13に示すように、両表皮部材35,37を押さえ板401と針板403との間に挟み込み、かつ両表皮部材35,37の湾曲部35f,37fを二本針ミシンの押さえ板401のスリット401aと針板403のスリット403aとに対応させた状態でミシンを作動させてミシン針405を上下させることにより、両表皮部材35,37の湾曲部35f,37fに、ステッチ模様43,45を全長に亘って形成する。
【0037】
その後、図14に示すように、両表皮部材35,37にテープ材49をその長手方向中途部で両表皮部材35,37の突出部分(突条部35e,37e)を跨ぐとともに両表皮部材35,37のステッチ模様43,45を裏側から覆い、かつその長手方向両端部で折り返されて上記両表皮部材35,37の隣接縁部における非縫合箇所(突条部35e,37e非形成箇所)を表裏両側で跨ぐように貼り付ける。これにより、両表皮部材35,37に上記テープ材49が貼り付けられた表皮31が得られる。
【0038】
次に、インストルメントパネル1を製造する要領について説明する。
【0039】
まず、図15に示すように、第2型105を上昇させて成形型101を型開きした状態で、流体圧シリンダ111を伸長作動させてスライドコア109を前進させた後、表皮31を第1型103にセットする。これにより、表皮31の車体前方側の端末がスライドコア109先端に当接し、スライドコア109先端により外方へ倒れないように保持される。この状態で、真空吸引孔(図示せず)からの負圧により表皮31を第1型103に密着させる。一方、第2型105に基材3をセットする。その際、基材保持装置(図示せず)で基材3が第2型105から落下しないように保持する。この状態で、基材3の樹脂注入口29が注入ヘッド107に連通している。
【0040】
次いで、図16に示すように、流体圧シリンダ111を収縮作動させてスライドコア109を後退させるとともに、第2型105を斜め上方から下降させて成形型101を型閉めする。これにより、表皮31の車体前方側の端末及び車幅方向両側の端末、すなわち圧接シール部41が基材3の外周溝部17の外側の側壁部17aに当接している。一方、表皮31の車体後方側の端末は、基材3のフランジ部23の突条シール部に当接して突条シール部が表皮31に食い込み、当該当接箇所をシールしている。
【0041】
その後、上記型閉め状態で、発泡樹脂原料(図示せず)を注入ヘッド107から基材3の樹脂注入口29からキャビティ113内の基材3と表皮31との間に注入する。発泡樹脂原料が発泡してその発泡圧により、表皮31の車体前方端縁及び車幅方向両端縁、すなわち圧接シール部41が基材3の外周溝部17の外側の側壁部17aに圧接して当該圧接箇所がシールされる。このとき、両表皮部材35,37の隣接縁部における圧接シール部41対応箇所に突条部37eが形成されず、当該箇所が変形し易くなっているので、当該箇所を発泡樹脂原料の発泡圧で基材3により確実に圧接させることができる。したがって、表皮31の圧接シール部41と基材3との間のシール性をより確実に確保できる。また、このとき、両表皮部材35,37の突条部35e,37e非形成箇所を表裏両側で跨ぐようにテープ材49が両表皮部材35,37に貼り付けられているので、両表皮部材35,37の隣接縁部の突条部35e,37e非形成箇所の間からの発泡樹脂原料の漏れが防止される。また、両表皮部材35,37の屈曲部35d,37dよりも先端側の側面部35b,37b、すなわち圧接シール部41形成箇所には、湾曲部35f,37f及びステッチ模様43が形成されていないので、圧接シール部41と基材3との間のシール性が確保されやすい。さらに、ステッチ模様43,45がテープ材49により裏側から覆われているので、ステッチ模様43,45の縫い穴からの発泡樹脂原料の漏れも防止される。
【0042】
しかる後、発泡樹脂原料が発泡硬化して、表皮31と発泡樹脂層33とからなるパッド5が基材3の表面に一体に形成されたインストルメントパネル1が得られる。
【0043】
したがって、上記実施形態によると、両表皮部材35,37に延長部51を設け、両延長部51を互いに固定した状態で延長部51の端縁を基準にして両表皮部材35,37の縫合作業を行うので、縫合作業時に両表皮材の相対的な位置ずれが防止できる。また、縫合作業後に延長部51を切除するので、延長部51切除後の表皮部材35,37の端縁と縫合ラインLNとの間隔、すなわち突条部35e,37eの突出長さを短くできる。したがって、折曲部35c,37cを見栄え良く形成できるとともに、突条部35e,37eが発泡樹脂原料の流れの妨げとなることを防止できる。
【0044】
また、突条部35e,37eが折曲部35c,37c交差箇所で短く形成されて曲がりやすくなっているので、各表皮部材35,37の隣接縁部における折曲部35c,37c交差箇所で曲げにより生じる応力が小さくなり、各表皮部材35,37の隣接縁部における折曲部35c,37c交差箇所周りの露出面構成部分が上記応力により変形して外観見栄えが悪化することが防止される。
【0045】
また、突条部35e,37eが各表皮部材35,37の基材3の傾斜部19対応箇所の車幅方向内側で長く形成されているので、発泡樹脂層33の凹溝部33aから突条部35e,37eが抜けにくくなり、表皮部材35,37の発泡樹脂層33からの離脱が防止される。
【0046】
また、突条部35e,37eがエアバッグドア12近傍の隣接縁部で長く形成されているので、エアバッグドア12の開作動による表皮部材35,37の発泡樹脂層33からの離脱が防止される。
【0047】
また、突条部35e,37eの突出長さが2mm以上に設定されているので、2mm未満に設定した場合に比べ、縫合強度が高められる一方、突条部35e,37eの突出長さが10mm以下に設定されているので、10mmより長くした場合に比べ、発泡樹脂層33形成時に発泡樹脂原料をキャビティ113内に行き渡らせやすい。
【0048】
また、ステッチ模様43,45が縫製により形成されているので、手造り感及び高級感が高められる。
【0049】
なお、上記実施形態では、第1及び第2の表皮部材35,37をスラッシュ成形により成形したが、真空成形により成形してもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、ステッチ模様43,45を第1及び第2の表皮部材35,37の両方に形成したが、第1及び第2の表皮部材35,37のいずれか一方のみに形成してもよいし、いずれにも形成しなくてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、ミシンの作動時に、両表皮部材35,37の延長部51付着側の端縁をミシンの定規301に対応させたが、針板305表面に形成されたガイド部としての刻線に対応させるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、第1の表皮部材35に付着する延長部51に嵌合凸部61を形成し、第2の表皮部材37に付着する延長部51に嵌合凹部63を形成したが、反対に、第1の表皮部材35に付着する延長部51に嵌合凹部63を形成し、第2の表皮部材37に付着する延長部51に嵌合凸部61を形成してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、嵌合凸部61と嵌合凹部63とを嵌合させることで両延長部51を互いに固定したが、嵌合凸部61と嵌合凹部63を設けず、留め具を用いて両延長部51を固定するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、表皮と発泡樹脂層とからなるパッドが基材の表面に一体に成形された車両用内装品の製造方法として有用である。
【符号の説明】
【0055】
1 インストルメントパネル
3 基材
5 パッド
31 表皮
33 発泡樹脂層
35 第1の表皮部材
35e 突条部
37 第2の表皮部材
37e 突条部
47 縫合糸
49 テープ材
51 延長部
59 第2薄肉部(破断予定部)
61 嵌合凸部
63 嵌合凹部
201 スラッシュ成形型
203 成形面
207 第2凸条部
301 定規
LN 縫合ライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16