【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による多目的車両は、
走行装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータに電力を供給する電池と、
前記電池の電池温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによる検出温度に基づいて前記電池の放電電流上限値を設定する放電設定手段と、
前記電池から放電される電流が前記放電設定手段による設定放電電流上限値を超えないように前記電池の放電を制御しつつ前記電動モータを駆動制御する制御手段と、を備え、
前記検出温度が下降変化するとき、
前記検出温度が第1設定温度から前記第1設定温度よりも低温の第2設定温度に下降するまでの間、前記放電設定手段は、前記電池から放電される放電電流に対する
、0よりも大きい一定値の放電電流上限値を設定し、
前記検出温度が前記第2設定温度から前記第2設定温度よりも低温の第3設定温度に下降するまでの間、前記放電設定手段は、前記検出温度が低くなるほど放電電流上限値をより高電流値にする状態で、前記検出温度の下降変化に伴って放電電流上限値を上昇変化させて設定し、
前記検出温度が前記第3設定温度まで下降した後、前記放電設定手段は、前記検出温度の下降変化にかかわらず、放電電流上限値として前記電池が有する最大放電電流値を設定し、
前記検出温度が上昇変化するとき、
前記検出温度が前記第3設定温度よりも高温であり、かつ前記第1設定温度よりも低温である第4設定温度に上昇するまでの間、前記放電設定手段は、放電電流上限値として前記最大放電電流値を設定し、
前記検出温度が前記第4設定温度から前記第1設定温度に上昇するまでの間、前記放電設定手段は、前記検出温度が高くなるほど放電電流上限値をより低電流値にする状態で、前記検出温度の上昇変化に伴って放電電流上限値を下降変化させて設定する。
【0009】
電池温度の下降変化に伴って放電電流上限値が上昇変化させて設定されると、電池温度が下降し難くなる高温側の温度範囲を、第1設定温度から第2設定温度の温度範囲として設定する。電池温度の下降変化に伴って放電電流上限値が上昇変化させて設定されても、電池の劣化を抑制しつつ電動モータにできるだけ高電流値の電力を供給できる低温側の温度範囲を、第2設定温度から第3設定温度の温度範囲として設定する。
すると、前記した高温側の温度範囲(第1設定温度から第2設定温度の範囲)では、電池温度の下降変化にかかわらず、放電電流上限値が変化されずに一定値に維持されるので、電池温度の下降変化に放電があまり影響せず、電池温度をスムーズに下降させることができる。また、放電電流上限値が一定値に維持されるので、電池の放電による劣化が生じにくい。前記した低温側の温度範囲(第2設定温度から第3設定温度の範囲)では、電池温度の下降に伴って放電電流上限値が上昇変化させて設定されるので、電池の劣化を抑制しつつ電動モータにできるだけ高電流値の電力を供給できる。
【0010】
電池温度が上昇変化しても、放電電流上限値を変化させずに電池の最大放電電流値に維持させても、電池を劣化し難い状態に維持できる低温側の温度範囲での上限の電池温度を、第4設定温度として設定する。電池温度の上昇変化に伴って放電電流上限値が下降変化させて設定されることで、電池の劣化を生じ難くしつつ電動モータにできるだけ高電流値の電力を供給できる温度範囲を、第4設定温度から第1設定温度の温度範囲として設定する。
すると、電池温度が第4設定温度に上昇変化するまでは、電池温度が比較的低い状態で放電電流上限値が電池の最大放電電流値に維持されるので、電池を劣化し難くしつつ、電池の最大放電電流値での電流を電動モータに供給できる。第4設定温度から第1設定温度の温度範囲では、電池温度の上昇変化に伴って放電電流上限値が下降変化させて設定されるので、電池の劣化を抑制しつつ電動モータにできるだけ高電流値の電力を供給できる。
【0011】
従って、電池温度の検出結果に基づいて放電電流上限値を設定して放電の制御を行い、電動モータにできるだけ高電流値の電力を供給しつつ、電池の放電による劣化を抑制するものにおいて、電池温度が高温側の温度範囲(第1設定温度から第2設定温度の範囲)で下降変化するとき、放電電流上限値が一定値に維持されることにより、電池温度をスムーズに下降させて電池温度を低温側の温度範囲にスムーズに下げることができ、電池の放電に起因する劣化をより低減させ易い。電池温度が低温側の温度範囲において上昇変化するとき、電池温度が維持可能な限界の温度(第4設定温度)に上がるまで放電電流上限値が電池の最大放電電流値に維持されることにより、電池の最大電流値に相当する高電流値の電力を電動モータにできるだけ長く供給できる。
【0012】
本発明による多目的車両は、
走行装置を駆動する電動モータと、
前記電動モータに電力を供給する電池と、
前記電池に電力を供給する発電機と、
前記電池の電池温度を検出する温度センサと、
前記温度センサによる検出温度に基づいて前記電池の放電電流上限値を設定する放電設定手段と、
前記温度センサによる検出温度に基づいて前記電池の充電電流上限値を設定する充電設定手段と、
前記電池から放電される電流が前記放電設定手段による設定放電電流上限値を超えないように前記電池の放電を制御しつつ前記電動モータを駆動制御し、かつ、前記発電機から前記電池に充電される電流が前記充電設定手段による設定充電電流上限値を超えないように前記電池の充電を制御する制御手段と、を備え、
前記検出温度が下降変化するとき、
前記検出温度が第1設定温度から前記第1設定温度よりも低温の第2設定温度に下降するまでの間、前記放電設定手段は、一定値の放電電流上限値を設定し、
前記検出温度が前記第2設定温度から前記第2設定温度よりも低温の第3設定温度に下降するまでの間、前記放電設定手段は、前記検出温度が低くなるほど放電電流上限値をより高電流値にする状態で、前記検出温度の下降変化に伴って放電電流上限値を上昇変化させて設定し、
前記検出温度が前記第3設定温度まで下降した後、前記放電設定手段は、前記検出温度の下降変化にかかわらず、放電電流上限値として前記電池が有する最大放電電流値を設定し、
前記検出温度が上昇変化するとき、
前記検出温度が前記第3設定温度よりも高温であり、かつ前記第1設定温度よりも低温である第4設定温度に上昇するまでの間、前記放電設定手段は、放電電流上限値として前記最大放電電流値を設定し、
前記検出温度が前記第4設定温度から前記第1設定温度に上昇するまでの間、前記放電設定手段は、前記検出温度が高くなるほど放電電流上限値をより低電流値にする状態で、前記検出温度の上昇変化に伴って放電電流上限値を下降変化させて設定し、
前記検出温度が下降変化するとき、
前記検出温度が前記第1設定温度から前記第2設定温度に下降するまでの間、前記充電設定手段は、一定値の充電電流上限値を設定し、
前記検出温度が前記第2設定温度から前記第3設定温度に下降するまでの間、前記充電設定手段は、前記検出温度が低くなるほど充電電流上限値をより高電流値にする状態で、前記検出温度の下降変化に伴って充電電流上限値を上昇変化させて設定し、
前記検出温度が前記第3設定温度まで下降した後、前記充電設定手段は、前記検出温度の下降変化にかかわらず、充電電流上限値として前記電池が有する最大充電電流値を設定し、
前記検出温度が上昇変化するとき、
前記検出温度が前記第4設定温度に上昇するまでの間、前記充電設定手段は、充電電流上限値として前記電池が有する最大充電電流値を設定し、
前記検出温度が前記第4設定温度から前記第1設定温度に上昇するまでの間、前記充電設定手段は、前記検出温度が高くなるほど充電電流上限値をより低電流値にする状態で、前記検出温度の上昇変化に伴って充電電流上限値を下降変化させて設定する。
【0013】
電池温度の下降変化に伴って充電電流上限値が上昇変化させて設定されると、電池温度が下降し難くなる高温側の温度範囲を、第1設定温度から第2設定温度の温度範囲として設定する。電池温度の下降変化に伴って電流上限値が上昇変化させて設定されても、電池の劣化を抑制しつつ電動モータにできるだけ高電流の電力を供給できる低温側の温度範囲を、第2設定温度から第3設定温度の温度範囲として設定する。
すると、前記した高温側の温度範囲(第1設定温度から第2設定温度の範囲)では、電池温度の下降変化にかかわらず、充電電流上限値が変化されずに一定値に維持されるので、電池温度の下降変化に充電があまり影響せず、電池温度をスムーズに下降させることができる。また、充電電流上限値が一定値に維持されるので、電池の充電による劣化が生じにくい。前記した低温側の温度範囲(第2設定温度から第3設定温度の範囲)では、電池温度の下降に伴って充電電流上限値が上昇変化させて設定されるので、電池の劣化を抑制しつつ電池にできるだけ高電流値の電力を供給できる。
【0014】
電池温度が上昇変化しても、充電電流上限値を変化させずに電池の最大充電電流値に維持させても、電池を劣化し難い状態に維持できる低温側の温度範囲での上限の電池温度を、第4設定温度として設定する。電池温度の上昇変化に伴って充電電流上限値が下降変化させて設定されることで、電池の劣化を生じ難くしつつ電池にできるだけ高電流値の電力を供給できる温度範囲を、第4設定温度から第1設定温度の温度範囲として設定する。
すると、電池温度が第4設定温度に上昇変化するまでは、電池温度が比較的低い状態で充電電流上限値が電池の最大充電電流値に維持されるので、電池を劣化し難くしつつ、電池の最大充電電流値での電流を電池に供給できる。第4設定温度から第1設定温度の温度範囲では、電池温度の上昇変化に伴って充電電流上限値が下降変化させて設定されるので、電池の劣化を抑制しつつ電池にできるだけ高電流値の電力を供給できる。
【0015】
従って、電池温度の検出結果に基づいて充電電流上限値を設定して充電の制御を行い、電池にできるだけ高電流値の電力を供給しつつ、電池の充電による劣化を抑制するものにおいて、電池温度が高温側の温度範囲(第1設定温度から第2設定温度の範囲)で下降変化するとき、充電電流上限値が一定値に維持されることにより、電池温度をスムーズに下降させて電池温度を低温側の温度範囲にスムーズに下げることができ、電池の充電に起因する劣化をより低減させ易い。電池温度が低温側の温度範囲において上昇変化するとき、電池温度が維持可能な限界の温度(第4設定温度)に上がるまで充電電流上限値が電池の最大充電電流値に維持されることにより、電池の最大電流値に相当する高電流値での電力を電池に長く供給できる。
【0016】
本発明においては、前記検出温度が前記第1設定温度から前記第1設定温度よりも高温の第5設定温度に上昇するまでの間、前記充電設定手段は、前記検出温度の変化にかかわらず、充電電流上限値として前記一定値の充電電流値を設定すると好適である。
【0017】
第1設定温度から第5設定温度の温度範囲において充電電流上限値が変更される場合、この温度範囲は、劣化が生じ易い高温の温度範囲であるのに加え、電池から出力される電流値が変化するので、劣化を抑制し難くなる。しかし、本構成によると、充電電流上限値が一定値に維持され、電池温度の変化にかかわらず電池に供給される電流値が変化しないので、電池の劣化をより抑制し易い。たとえば、一定値に維持される充電電流上限値として、充電に起因する発熱が電池に生じない充電電流上限値を設定すれば、電動モータに電力が供給されることに起因する電池温度の上昇がないので、劣化をより抑制し易い。
【0018】
本発明においては、前記第4設定温度は、前記第2設定温度と等しい温度であると好適である。
【0019】
本構成によれば、第4設定温度として第2設定温度と異なる温度を設定するのに比べ、温度センサによる検出温度と比較させるための設定温度の数が少ない簡素な制御構成を採用できる。