(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信管理装置が、端末装置の無線通信を、バックボーン回線を介して中継するアクセスポイントを備える複数の飛行体と前記バックボーン回線を介して通信を行う通信ステップと、
前記通信管理装置が、各前記飛行体の前記アクセスポイントの通信可能区域の予定の配置を表す予定配置情報を記憶する予定配置情報記憶ステップと、
前記通信管理装置が、各前記飛行体の前記アクセスポイントの通信可能区域の予定の配置を表す予定配置情報に基づいて、各前記飛行体へ、前記飛行体が飛行する区域を表す飛行区域情報を送る遠隔操縦ステップと、を含む通信管理方法であって、
前記通信管理装置は、前記飛行体から受信した撮像画像に基づいて人の密集を判定し、当該判定結果に基づいて前記通信可能区域の変更の配置を決定する、
通信管理方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る通信システムの構成例を示す図である。
図1において、複数の飛行体1は、無線通信回線によってバックボーンネットワーク200に接続されている。バックボーンネットワーク200は、例えばLTE(Long Term Evolution)等の通信方式の携帯電話ネットワークのバックボーンネットワークである。通信管理装置100は、通信回線によってバックボーンネットワーク200に接続されている。飛行体1と通信管理装置100とは、バックボーンネットワーク200の回線(バックボーン回線)を介して通信を行う。バックボーンネットワーク200は、通信回線によってインターネット210に接続されている。
【0013】
飛行体1は、無線LANアクセスポイントを搭載しており、該無線LANアクセスポイントによって空中で通信の中継を行う。端末220は、飛行体1の無線LANアクセスポイントに接続することによって、該無線LANアクセスポイントを介した通信を行うことができる。飛行体1の無線LANアクセスポイントは、端末220と、インターネット210に接続されるサーバ240や端末230との通信を、バックボーンネットワーク200を介して中継する。
【0014】
図2は、本実施形態に係る飛行体1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図3は、本実施形態に係る飛行体1の外観構成の一例を示す図である。まず
図3を参照して飛行体1の機械的構成を説明する。
図3において、飛行体1は、モータ60と、ロータRTとを備える。モータ60は、ロータRTを回転させることにより、飛行体1に揚力及び推進力を与える。この一例では、飛行体1は、モータ61〜64を備える。モータ61〜64は、対応するロータRT1〜RT4を回転させる。それぞれのモータ60に供給する駆動電流を制御することにより、飛行体1の飛行高度、方位、進行方向を制御することができる。
【0015】
飛行体1はカメラ40を備える。撮像部、すなわちカメラ40は、飛行体1の周辺の風景を撮像する。この一例では、カメラ40の撮像方向と、飛行体1の機首方位HDGとが一致している。この場合、カメラ40は、飛行体1の前方の風景を撮像する。カメラ40は、撮像した風景の画像を出力する。
【0016】
次に
図2を参照して飛行体1の機能的構成を説明する。
図2において、飛行体1は、飛行制御部10と、無線LANアクセスポイント20と、測位部30と、通信部50と、自律操縦部70と、電源部80とを備える。これら各部10、20、30、50、70及び80の機能は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、又は、CPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリにより構成され、それら各機能を実現するためのプログラムをCPUが実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0017】
測位部30は、飛行体1の位置を測定し、測定結果の測位値を出力する。該測位値は、水平方向の位置(緯度と経度)と、垂直方向の位置(高度)とを示す。測位部30は、垂直方向の位置の測定手段として高度計を備える。測位部30の水平方向の位置の測定手段として、例えば、GPS(Global Positioning System)を利用してもよく、又は、準天頂衛星(quasi-zenith satellites: QZS)などの全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s): GNSS)を利用してもよい。
【0018】
通信部50は、バックボーンネットワーク200を介して通信を行う。例えば、通信部50は、LTE等の通信方式の携帯電話ネットワークの基地局と通信を行い、該携帯電話ネットワークのバックボーンネットワーク200回線を介して、通信管理装置100と通信を行ったり、インターネット210に接続されるサーバ240や端末230と通信を行ったりする。通信部50は第1通信部に対応する。
【0019】
無線LANアクセスポイント20は、例えばIEEE802.11シリーズの通信方式の無線LANアクセスポイントである。無線LANアクセスポイント20は、端末220と通信を行い、該端末220と他の装置との間の通信の中継を行う。無線LANアクセスポイント20は、端末220の無線LAN外部との通信を、バックボーンネットワーク200を介して中継する。
【0020】
飛行制御部10は、モータ60に供給する駆動電流を制御することにより、飛行体1の飛行を制御する。飛行制御部10は、測位部30が測定した結果の測位値と通信部50が通信管理装置100から受信した飛行区域情報とに基づいて、飛行体1の飛行を制御する。飛行区域情報は、飛行体1が飛行する区域を表す情報である。飛行制御部10は、飛行区域情報と測位部30から出力される測位値とを比較しながら、飛行体1が飛行区域情報で表される区域内を飛行するように、モータ60の制御を行う。
【0021】
飛行制御部10は、通信部50によって、飛行体1の外部の装置からの飛行の制御を受け付けたり、又は、飛行体1の外部の装置へ飛行状態を示す飛行監視データを送信したりしてもよい。飛行監視データとして、例えば、カメラ40が撮像した画像が挙げられる。
【0022】
自律操縦部70は、無線LANアクセスポイント20の通信状況に応じて、飛行制御部10へ、高度の変更を指示する。飛行制御部10は、自律操縦部70から受けた高度の変更の指示に応じて、飛行体1の高度を変更するように、モータ60の制御を行う。
【0023】
電源部80は、飛行体1の電源であるバッテリーと、該バッテリーの充電残量を監視する電源監視部とを備える。電源部80は、バッテリーの充電残量を飛行制御部10へ通知する。飛行制御部10は、電源部80から通知されたバッテリーの充電残量に基づいて、所定の飛行制御処理を実行する。
【0024】
図4は、本実施形態に係る通信管理装置100の構成例を示す図である。
図4において、通信管理装置100は、通信部110と、遠隔操縦部112と、予定配置情報記憶部114と、配置変更部116とを備える。各部110、112、114及び116はデータを交換できるように構成されている。また、各部110、112、114及び116の機能は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、又は、CPU及びメモリにより構成され、それら各機能を実現するためのプログラムをCPUが実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
【0025】
通信部110は、バックボーンネットワーク200を介して飛行体1と通信を行う。例えば、通信部110は、LTE等の通信方式の携帯電話ネットワークのバックボーンネットワーク200を介して、飛行体1の通信部50と通信を行う。通信部110は第2通信部に対応する。
【0026】
予定配置情報記憶部114は、各飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定の配置を表す予定配置情報を記憶する。遠隔操縦部112は、予定配置情報記憶部114が記憶している予定配置情報に基づいて、各飛行体1へ、通信部110によって飛行区域情報を送る。
【0027】
配置変更部116は、通信部110が飛行体1から受信した通信状況情報に基づいて、予定配置情報記憶部114が記憶している予定配置情報の通信可能区域の予定の配置から変更する通信可能区域の変更の配置を決定する。通信部110が飛行体1から受信する通信状況情報は、該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信状況を示す情報である。遠隔操縦部112は、配置変更部116が決定した通信可能区域の変更の配置に基づいて、各飛行体1へ、通信部110によって飛行区域情報の変更の情報を送る。
【0028】
図5は、本実施形態に係る予定配置情報の構成例を示す図である。
図5において、予定配置情報は、飛行体1の識別情報(飛行体ID)と、通信可能区域の予定配置とを関連付けたものである。ある飛行体1の飛行体IDに関連付けられている通信可能区域の予定配置は、当該飛行体1が備える無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置される予定のエリアを表す情報である。例えば、飛行体ID「IDairp1」に関連付けられている通信可能予定区域情報area1は、飛行体ID「IDairp1」の飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置されるエリアを表す情報である。
図5に例示される予定配置情報によって、各飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置される予定のエリアが表される。複数の飛行体の各々に搭載された無線LANアクセスポイントの通信可能区域が複数のエリアに跨ることで、広範囲な無線LANサービスエリアを構築できる。
【0029】
図6は、本実施形態に係る通信可能予定区域情報の構成例を示す図である。通信可能予定区域情報は、飛行体1の飛行予定時刻と、当該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定配置との組の情報を有してもよい。
図6には、ある飛行体1の通信可能予定区域情報の例が示されている。
図6において、通信可能予定区域情報は、飛行体1の飛行予定時刻と、通信可能予定区域部分情報とを関連付けたものである。飛行体1の飛行予定時刻に関連付けられている通信可能予定区域部分情報は、複数の飛行体の各々の無線LANアクセスポイントの通信可能区域によって構築される広範囲な無線LANサービスエリアのうち、当該飛行予定時刻において当該飛行体1が備える無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置される予定のエリアを表す情報である。例えば、飛行体ID「IDairp1」の通信可能予定区域情報area1のうち、飛行予定時刻「12時00分から13時00分まで」に関連付けられている通信可能予定区域部分情報area1−1は、飛行予定時刻「12時00分から13時00分まで」において飛行体ID「IDairp1」の飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置される予定のエリアを表す情報である。
図6に例示される通信可能予定区域情報によって、飛行体1の飛行スケジュールに対応する当該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置される予定のエリアが表される。例えば、飛行体1の飛行スケジュールとして、飛行体1の飛行区域において開催されるイベントのスケジュールが挙げられる。これにより、予定配置情報に対して、イベントのスケジュールに対応する無線LANアクセスポイント20の通信可能区域が配置される予定のエリアを設定できる。
【0030】
次に
図7を参照して本実施形態に係る無線通信システムの動作を説明する。
図7は、本実施形態に係る通信管理方法の例を示すフローチャートである。
【0031】
(ステップS11)通信管理装置100において、遠隔操縦部112は、各飛行体1の飛行体IDに関連付けて予定配置情報記憶部114に記憶されている予定配置情報に基づいて、各飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定配置(緯度の範囲と経度の範囲)を取得する。
【0032】
遠隔操縦部112は、各飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定配置に対応する飛行区域情報を生成する。該飛行区域情報は、飛行体1の無線LANアクセスポイント20が無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定配置を実現するために、該飛行体1が飛行する区域(緯度の範囲と経度の範囲と高度の範囲)を表す情報である。遠隔操縦部112は、各飛行体1へ、通信部110によって該飛行区域情報を送る。
【0033】
各飛行体1は、通信部50によって、通信管理装置100から飛行区域情報を受信する。飛行体1において、通信部50は、通信管理装置100から受信した飛行区域情報を飛行制御部10へ出力する。飛行制御部10は、通信部50から受け取った飛行区域情報と、測位部30から出力される測位値とを比較しながら、飛行体1が飛行区域情報で表される区域内を飛行するように、モータ60の制御を行う。これにより、各飛行体1が自己の飛行区域情報で表される区域内を飛行することによって、該各飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定配置が実現される。
【0034】
(ステップS12)配置変更部116は、各飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更の有無を判断する。この判断の結果、少なくとも一つの飛行体1について無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更ありの場合にはステップS13に進み、全ての飛行体1について無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更なしの場合にはステップS14に進む。
【0035】
(ステップS13)配置変更部116は、ステップS12において無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定配置から変更すると判断した飛行体1について、該通信可能区域の変更の配置を決定する。配置変更部116は、通信部110が飛行体1から受信した通信状況情報に基づいて、該通信可能区域の変更の配置(緯度の範囲と経度の範囲と高度の範囲)を決定する。
【0036】
(ステップS14)通信管理装置100は、無線LANサービスの終了か否かを判断する。無線LANサービスの終了の場合には、
図7の処理を終了する。一方、無線LANサービスの継続の場合には、ステップS11に戻る。この場合、ステップS11において、遠隔操縦部112は、ステップS13において無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更の配置が決定された飛行体1については、該無線LANアクセスポイント20の信可能区域の変更の配置に対応する飛行区域情報を生成する。
上述した無線通信システムの動作のステップS11において、遠隔操縦部112は、通信可能予定区域情報が飛行予定時刻に関連付けられている通信可能予定区域部分情報を有する場合には、現在時刻に対応する飛行予定時刻に関連付けられている通信可能予定区域部分情報に基づいて、飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定の配置(緯度の範囲と経度の範囲と高度の範囲)を取得するようにしてもよい。
【0037】
上述した実施形態によれば、複数の飛行体1に対して各々の予定配置情報に基づく飛行区域情報を送り、各飛行体1が該飛行区域情報で表される飛行区域に飛行することによって、無線LANアクセスポイントを搭載した複数の飛行体によって所望の無線LANサービスエリアを構築することができるという効果が得られる。
【0038】
[通信可能区域の変更の配置の決定方法の例]
本実施形態に係る通信可能区域の変更の配置の決定方法の例を説明する。この例では、飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信状況に応じて該無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の配置を変更する。
【0039】
飛行体1の通信部50は、自己の飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信状況を示す通信状況情報を通信管理装置100へ送信する。例えば、通信状況情報は、無線LANアクセスポイント20の端末収容数、無線LANアクセスポイント20のスループット、若しくは、無線LANアクセスポイント20のトラヒック量のうちいずれか、又は、それらのうちいずれか複数の組合せである。
【0040】
通信管理装置100の配置変更部116は、通信部110によって飛行体1から受信した通信状況情報に基づいて、該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定の配置から変更するか否かを判断する。例えば、飛行体1は、通信管理装置100へ、通信状況情報を定期的に送信する。配置変更部116は、飛行体1から受信した通信状況情報が、無線LANアクセスポイント20が混雑していることを示す場合に、該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定の配置から変更すると判断する。又は、配置変更部116は、飛行体1から受信した通信状況情報が、無線LANアクセスポイント20が空いていることを示す場合に、該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定の配置から変更すると判断する。
【0041】
配置変更部116は、飛行体1から受信した通信状況情報が、無線LANアクセスポイント20の端末収容数が閾値超過であること、若しくは、無線LANアクセスポイント20のスループットが閾値未満であること、若しくは、無線LANアクセスポイント20のトラヒック量が閾値超過であることのうちいずれか、又は、それらのうちいずれか複数を示す場合に、当該飛行体1の無線LANアクセスポイント20が混雑していると判断する。また、配置変更部116は、飛行体1から受信した通信状況情報が、無線LANアクセスポイント20の端末収容数が閾値未満であること、若しくは、無線LANアクセスポイント20のスループットが閾値超過であること、若しくは、無線LANアクセスポイント20のトラヒック量が閾値未満であることのうちいずれか、又は、それらのうちいずれか複数を示す場合に、当該飛行体1の無線LANアクセスポイント20が空いていると判断する。
【0042】
配置変更部116は、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の予定の配置から変更すると判断した飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更の配置を決定する。例えば、配置変更部116は、無線LANアクセスポイント20が混雑していると判断した飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の緯度又は経度を所定量だけずらした区域を変更の配置に決定する。該通信可能区域の緯度又は経度を所定量だけずらす方向は、任意の方向であってもよく、又は、予め定めてもよく、又は、隣接する通信可能区域の他の飛行体1のうち無線LANアクセスポイント20が空いている飛行体1の方向であってもよい。無線LANアクセスポイント20の通信可能区域をずらすことによって、無線LANアクセスポイント20の混雑の解消を試みることができる。
【0043】
又は、配置変更部116は、無線LANアクセスポイント20が混雑していると判断した飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の高度を所定量だけ下げた区域を変更の配置に決定してもよい。無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の高度を下げることによって飛行体1の飛行区域の高度が下がることから、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域は狭くなるので、無線LANアクセスポイント20の混雑の解消に繋がる。
【0044】
また、例えば、配置変更部116は、無線LANアクセスポイント20が空いていると判断した飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の緯度又は経度を所定量だけずらした区域を変更の配置に決定する。該通信可能区域の緯度又は経度を所定量だけずらす方向は、任意の方向であってもよく、又は、予め定めてもよく、又は、隣接する通信可能区域の他の飛行体1のうち無線LANアクセスポイント20が混雑している飛行体1の方向であってもよい。無線LANアクセスポイント20の通信可能区域をずらすことによって、無線LANアクセスポイント20の空きの解消を試みることができる。
【0045】
又は、配置変更部116は、無線LANアクセスポイント20が空いていると判断した飛行体1について、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の高度を所定量だけ上げた区域を変更の配置に決定してもよい。無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の高度を上げることによって飛行体1の飛行区域の高度が上がることから、無線LANアクセスポイント20の通信可能区域は広くなるので、無線LANアクセスポイント20の空きの解消に繋がる。
【0046】
なお、飛行体1の無線LANアクセスポイント20が、自己が混雑しているか又は空いているかを判断し、この判断の結果である「混雑」又は「空き」を示す通信状況情報を通信部50によって通信管理装置100へ送信してもよい。
【0047】
また、飛行体1の無線LANアクセスポイント20は、通信可能区域の変更の配置が実施された後の通信状況情報を通信部50によって通信管理装置100へ送信してもよい。通信管理装置100の配置変更部116は、飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更の配置が実施された後の通信状況情報に基づいて、該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域を更に変更してもよい。また、通信管理装置100の配置変更部116は、飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の変更の配置が実施された後の通信状況情報に基づいて、該飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信可能区域を元の配置に戻してもよい。
【0048】
上述の通信可能区域の変更の配置の決定方法の例によれば、通信管理装置100が飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信状況に応じて該無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の配置を変更することで、無線LANサービスエリアの調整能力の向上を図ることができる。
ここでは、飛行体1が通信管理装置100へ、通信状況情報を定期的に送信する場合について説明したがこの例に限られない。例えば、飛行体1は、端末収容数や通信量が所定の閾値以上であると判定した場合に、通信管理装置100へ通信量等を送信するようにしてもよい。このようにすることで、飛行体1からのトリガとして、通信可能区域の変更を早期に行うことができる。
また、飛行体1の無線LANアクセスポイント20の通信状況に応じて該無線LANアクセスポイント20の通信可能区域の配置を変更する場合について説明したが、この例に限られない。例えば、飛行体1のカメラ40で周辺の画像を撮影し、通信管理装置100に送信する。通信管理装置100は、飛行体1から受信した画像を用いて、人の密集を判定し、配置を変更してもよい。
【0049】
[無線LANアクセスポイントの中継機能の発動の契機の例]
本実施形態に係る無線LANアクセスポイント20の中継機能の発動の契機の例を説明する。この例では、飛行体1が飛行区域情報で表される飛行区域に入った場合に、無線LANアクセスポイント20の中継機能を発動する。
【0050】
飛行体1の無線LANアクセスポイント20は、測位部30が測定した結果の測位値と通信部50が通信管理装置100から受信した飛行区域情報とに基づいて、該飛行区域情報が表す区域に該飛行体1が入ったか否かを判断する。無線LANアクセスポイント20は、該判断の結果、該飛行体が該区域に入ったと判断すると無線通信の中継機能を発動する。これにより、無線LANアクセスポイント20の無線通信の中継機能を予定の通信可能区域において発動することができるので、無線LANアクセスポイント20の電力消費の節電を図ることができる。
【0051】
[飛行体の自動操縦機能の例]
本実施形態に係る飛行体1の自動操縦機能の例を説明する。この例では、無線LANアクセスポイント20の通信状況に応じて飛行体1の高度を自動的に変更する。
【0052】
飛行体1の自律操縦部70は、無線LANアクセスポイント20から通信状況の通知を受ける。例えば、無線LANアクセスポイント20が、自己が混雑しているか又は空いているかを判断し、この判断の結果である「混雑」又は「空き」を示す通信状況情報を自律操縦部70へ通知する。例えば、無線LANアクセスポイント20は、自己の端末収容数、自己のスループット、若しくは、自己のトラヒック量のうちいずれか、又は、それらのうちいずれか複数の組合せに基づいて、自己が混雑しているか又は空いているかを判断する。
【0053】
自律操縦部70は、無線LANアクセスポイント20から通知された通信状況情報が「混雑」である場合に、飛行体1の高度を所定量だけ下げることを飛行制御部10へ指示する。飛行制御部10は、自律操縦部70から受けた高度を所定量だけ下げる指示に応じて、飛行体1の高度を所定量だけ下げるように、モータ60の制御を行う。この飛行体1の高度が下がることによって無線LANアクセスポイント20の通信可能区域は狭くなるので、無線LANアクセスポイント20の混雑の解消に繋がる。
【0054】
自律操縦部70は、無線LANアクセスポイント20から通知された通信状況情報が「空き」である場合に、飛行体1の高度を所定量だけ上げることを飛行制御部10へ指示する。飛行制御部10は、自律操縦部70から受けた高度を所定量だけ上げる指示に応じて、飛行体1の高度を所定量だけ上げるように、モータ60の制御を行う。この飛行体1の高度が上がることによって無線LANアクセスポイント20の通信可能区域は広くなるので、無線LANアクセスポイント20の空きの解消に繋がる。
また、飛行体1は、予定区域内をランダムに飛行して通信量が多い位置を探索したり、カメラ40で撮影した映像で人が密集している方向に移動したりしてもよい。
【0055】
上述の自律操縦機能の例によれば、飛行体1が無線LANアクセスポイント20の通信状況に応じて自律で高度を変えることで、無線LANサービスエリアの調整能力の向上を図ることができる。
【0056】
[飛行体の遠隔操縦機能の例]
本実施形態に係る飛行体の遠隔操縦機能の例を説明する。この例は、飛行体1の電源であるバッテリーの充電残量が不足する場合の例である。
【0057】
飛行体1の電源部80は、飛行体1の電源であるバッテリーの充電残量を監視し、該充電残量を飛行制御部10へ通知する。飛行制御部10は、電源部80から通知されたバッテリーの充電残量が所定量未満である場合に、通信部50によってバッテリーの充電残量を通信管理装置100へ通知する。
【0058】
通信管理装置100の遠隔操縦部112は、飛行体1から通知されたバッテリーの充電残量に基づいて該飛行体1の帰還時期を計算する。この計算式は予め設定しておく。遠隔操縦部112は、該計算結果の帰還時期になると、通信部110によって該飛行体1へ帰還を指示する。飛行体1の飛行制御部10は、通信管理装置100から帰還の指示を受けると、飛行を開始した元の場所へ帰還するように飛行体1の飛行を制御する。
【0059】
遠隔操縦部112は、帰還を指示した第1飛行体1に代わる他の第2飛行体1に対して、第1飛行体1の無線LANアクセスポイント20が担当していた通信可能区域を代わりに担当するための飛行区域情報を通信部110によって送信する。第2飛行体1の飛行制御部10は、通信部50によって通信管理装置100から受信した飛行区域情報で表される飛行区域へ向かうように、第2飛行体1の飛行を制御する。第2飛行体1が該飛行区域情報で表される飛行区域に到着して無線LANアクセスポイント20が中継機能を発動することによって、第1飛行体1の無線LANアクセスポイント20が担当していた通信可能区域が第2飛行体1の無線LANアクセスポイント20によって実現される。
【0060】
また、遠隔操縦部112は、第1飛行体1の飛行区域に隣接する区域を飛行している他の第3飛行体1に対して、第2飛行体1が飛行区域情報で表される飛行区域に到着するまでの間、第1飛行体1の無線LANアクセスポイント20が担当していた通信可能区域の一部又は全てを担当するための飛行区域情報を通信部110によって送信してもよい。第3飛行体1の飛行制御部10は、通信部50によって通信管理装置100から受信した飛行区域情報で表される飛行区域へ向かうように、第3飛行体1の飛行を制御する。第3飛行体1が該飛行区域情報で表される飛行区域に到着して無線LANアクセスポイント20が中継機能を発動することによって、第2飛行体1が当該飛行区域に到着するまでの間、第1飛行体1の無線LANアクセスポイント20が担当していた通信可能区域を補うことができる。
【0061】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0062】
また、上述した飛行体1又は通信管理装置100の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0063】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。