(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562874
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】ハンドルバーのための固定アダプタ
(51)【国際特許分類】
B62J 6/16 20060101AFI20190808BHJP
【FI】
B62J6/16
【請求項の数】7
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-104516(P2016-104516)
(22)【出願日】2016年5月25日
(65)【公開番号】特開2016-222238(P2016-222238A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2019年5月21日
(31)【優先権主張番号】14/722,542
(32)【優先日】2015年5月27日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506154029
【氏名又は名称】センサータ テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ベンヤミン ルス
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュトッフェルス
【審査官】
米澤 篤
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−46677(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0048719(US,A1)
【文献】
特開2010−12862(JP,A)
【文献】
特開2013−108430(JP,A)
【文献】
特開2011−31819(JP,A)
【文献】
特開2005−297928(JP,A)
【文献】
特開2003−252274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルバーに実装される固定アダプタであって、前記固定アダプタは本体を含み、前記本体は、当該本体を前記ハンドルバーに固定するための底面のピンと、制御ユニットハウジングに固定的にロックするための上面のラッチとを有する、前記固定アダプタと、
前記固定アダプタに摺動可能に実装される前記制御ユニットハウジングとを含み、
前記制御ユニットハウジングは、前記固定アダプタの前記ラッチに係合するための実装領域を含み、さらにネジとともに固定的に結合された2つのハーフシェルまたは互いにスナップ結合された2つのハーフシェルを含む、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、前記制御ユニットハウジングがさらに、
振動ダンパと、
内部のプリント回路基板(PCB)と、
前記制御ユニットハウジングから突出する複数の操作スイッチであって、複数のスイッチのそれぞれが、様々な電気部品の操作のために前記内部のプリント回路基板(PCB)に連結される、前記複数の操作スイッチと、
を含む、前記装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、様々な電気部品の操作のための前記複数のスイッチが、ヘッドライト、クラクションスイッチおよびターンシグナルスイッチのための光学軸切換えスイッチを少なくとも備える、前記装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、前記振動ダンパが、前記ハンドルバーの外面に抗して配置される、前記装置。
【請求項5】
固定アダプタをハンドルバーに固定することであって、前記固定アダプタが本体を含み、前記本体が、当該本体を前記ハンドルバーに固定するための底面上のピンと、制御ユニットハウジングに固定的にロックするための上面上のラッチとを有する、前記固定することと、
前記制御ユニットハウジングの2つのハーフシェルを互いに固定することと、
前記固定アダプタと係合するように前記ハンドルバーに沿って前記制御ユニットハウジングを摺動させてることであって、前記制御ユニットハウジングが固定アダプタの前記ラッチに係合するための実装領域を含む、摺動させることを含み、
前記制御ユニットハウジングがさらに、
振動ダンパと、
内部のプリント回路基板(PCB)と、
前記制御ユニットハウジングから突出する複数の操作スイッチであって、複数のスイッチのそれぞれが、様々な電気部品の操作のために前記内部のプリント回路基板(PCB)に連結される、前記複数の操作スイッチとを含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、様々な電気部品を操作するための前記複数のスイッチが、ヘッドライト、クラクションスイッチおよびターンシグナルスイッチのための光学軸切換えスイッチを少なくとも備える、前記方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、前記振動ダンパが前記ハンドルバーの外面に抗して配置される、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般にアダプタに関し、より詳細には、ハンドルバーのための固定アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、金属またはプラスチックハウジング内に含まれる制御ユニットは、しばしば、ネジ留めされた金属ブラケットを使用してバーに実装およびクランプされ、且つハンドルバーでのオートバイ制御、ハンドルバーでのスノーモービル制御、ハンドルバーでの三輪車制御、ハンドルバーでの農業機器制御等などの多数の様々な用途に使用される。例えば、オートバイのハンドルバーに実装されるハウジング内の制御ユニットは、オートバイの乗員が、ヘッドライト、ターンシグナル(ウィンカー)をオンまたはオフにし、および/またはハンドルバー上にある乗員の手により関連する動作を実行することを可能にする制御を含むことができる。
【0003】
ハンドルバーへの実装というこのタイプの1つの欠点は、クランプおよび固定ネジのためには空間が必要とされることである。さらに、ハウジング内の感度の高い内部構成要素は、締め付けネジにより(例えば、ネジ回しによる締め付けを通じて)引き起こされる張力に依拠する変形を受けることがあり、これは、例えばハウジング上に含まれるボタンおよび/またはロッカー(rockers)の触覚に関する(ハプティックな)影響を及ぼし得る。
【0004】
必要とされるのは、内部空間を最適化し、道具を必要とせずに迅速且つ堅牢な実装を実現する、シンプルな固定アダプタである。
【発明の概要】
【0005】
以下は、本発明のいくつかの態様の基本的な理解を提供するために、本革新の単純化された概要を提示する。この概要は本発明の全容ではない。本発明の重要または不可欠の要素を特定することも、本発明の範囲を示すことも意図していない。この唯一の目的は、後述されるより詳細な説明の前置きとして単純化された形で本発明のいくつかの概念を提示することである。
【0006】
本発明は、ハンドルバーのための固定アダプタの方法および装置を提供する。
【0007】
ある態様において、本発明は、ハンドルバーに実装される固定アダプタを備える装置を特徴とし、固定アダプタは本体を備え、本体は、当該本体をハンドルバーに固定するための底面上のピンと、制御ユニットハウジングにしっかりとロックするための上面上のラッチとを有し、制御ユニットハウジングは固定アダプタに摺動可能に実装され、制御ユニットハウジングは固定アダプタのラッチに係合するための実装領域を備える。
【0008】
別の態様において、本発明は、固定アダプタをハンドルバーに固定することと、固定アダプタは本体を備え、本体は、当該本体をハンドルバーに固定するための底面上のピンと、制御ユニットハウジングにしっかりとロックするための上面上のラッチとを有し、制御ユニットハウジングの2つのハーフシェルを、ハンドルバーを囲んで固定することと、固定アダプタに係合するように、ハンドルバーに沿って制御ユニットハウジングを摺動させること、を含み、制御ユニットハウジングは、固定アダプタのラッチに係合するための実装領域を備える、方法を特徴とする。
【0009】
本発明の実施形態は、以下の利点のうちの1つまたは複数を有することができる。
【0010】
制御ユニットハウジングと共に固定アダプタを使用すると、制御ユニットハウジング内部の使用可能な空間が最適化され、道具無しで、ハンドルバーへの制御ユニットハウジングの迅速且つ堅牢な実装が可能となる。
【0011】
制御ユニットハウジング内部の使用可能な空間を最適化すると、制御ユニットハウジングの全体の大きさを増大させることなく、追加のスイッチ機能または導体基板の配置が可能となる。
【0012】
制御ユニットハウジングと共に固定アダプタを使用すると、顧客へ納品する前に、制御ユニットハウジングおよびその構成要素の組立てが可能となる。
【0013】
上記および他の特徴および利点が、以下の詳細な説明を読み、関連する図面を検討することにより明らかとなろう。先の一般的な説明および以下の詳細な説明が単に例示的なものであること、また、請求される態様を限定しないことの両方を理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明は、以下の図面と共に詳細な説明を参照することにより、より完全に理解されよう。
【0015】
【
図1A】例示的な固定アダプタの上部を示す図である。
【0016】
【
図1B】
図1Aの例示的な固定アダプタの底部を示す図である。
【0017】
【
図2】組立てられた制御ユニットハウジングの2つのシェル部を示す図である。
【0018】
【
図3A】ハンドルバーに実装される、組立てられた制御ユニットハウジングおよび固定アダプタを示す図である。
【0019】
【
図3B】
図3Aの制御ユニットハウジングの2つのシェル部のうちの1つの前面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
主題の革新技術が次に図面を参照して説明される。図面において、同様の参照数字は全体を通して同様の要素を指すのに使用される。以下の説明において、説明目的のため、多数の具体的な詳細が、本発明の完全な理解を提供するために述べられる。しかし、本発明がこれらの具体的な詳細なしで実施できることは明白であろう。他の例では、よく知ら得た構造およびデバイスが、本発明の記載を容易にするためにブロック図の形で示される。
【0021】
下記の説明において、「または(or)」という用語は、排他的な「または」ではなく、包括的な「または」を意味することが意図される。すなわち、特に指定がない限り、または文脈から明らかでない限り、「XはAまたはBを用いる」は、当然の包括的な置換のいずれかを意味することが意図される。すなわち、XがAを用い、XがBを用い、またはXがAとBの両方を用いる場合、「XはAまたはBを用いる」は前述の例のいずれかを満たす。さらに、対象の明細書および添付の図面において使用される冠詞「a」および「an」は、特に指定がない限り、または単数形を対象とすることが文脈から明らかでない限り、「1つまたは複数」を意味すると一般に解釈すべきである。
【0022】
図1Aに示すように、例示的な固定アダプタ10は上部20を備える。上部20は、円形のハンドルバー(図示せず)の直径に適合する輪郭様式において成形され、且つ、ピン30を備える。ピン30は、上部20における小さな突出である。ピン30は、円形のハンドルバー(図示せず)における対応する孔に篏合し、これは、固定アダプタ10をハンドルバーに固定するのに使用される。実施形態において、固定アダプタ10は、金属またはプラスチックなどの高分子材料から製造できる。
【0023】
図1Bに示すように、固定アダプタ10は底部50をさらに備える。底部50は、ラッチ70を含むチャンネル60を備える。ラッチ70はチャンネル60内に押し下げられ、且つ反発(rebound)可能である。より具体的には、ラッチ70は、制御ユニットハウジングがラッチ70上をハンドルバーに沿って摺動されるときに押し下げられて、ラッチ70は反発し、制御ユニットハウジングの対応する実装領域において所定の位置にロックされる。これは以下でより詳細に述べる。
【0024】
図2に示すように、例示的な、組立てられた制御ユニットハウジング100は2つのシェル部110、120を備える。2つのシェル部110、120は、例えば1つまたは複数のネジにより互いに固定され、ハンドルバーを囲んで配置される。いったん互いにネジ留めされると、振動ダンパ130がハンドルバーに抗した状態に置かれる。ある実施形態において、振動ダンパ130はゴムから製造される。ある実施形態において、2つのシェル部110、120は、1つまたは複数のスイッチ140、150、160を備える。1つまたは複数のスイッチ140、150、160は、例えばヘッドライト、クラクションおよび/またはターンシグナルなどの様々な電気部品の操作に使用できる。
【0025】
実施形態において、1つまたは複数のスイッチ140、150、160に接続するための、プリント回路基板(PCB)を収容する内部キャリアが、組立てられた制御ユニットハウジング100内に含まれ得る。
【0026】
制御ユニットハウジング100は、実装領域170をさらに備える。実装領域170は、固定アダプタ10の底部50の幾何形状に適合する幾何形状を有し、これによりそれらは互いに接合できる。これは以下でより完全に説明される。
【0027】
実施形態において、制御ユニットハウジング100および/または1つまたは複数のスイッチ140、150、160は、金属またはプラスチックなどの高分子材料から製造される。
【0028】
図3Aに示すように、シェル部200およびシェル部210は互いに固定されて、組立てられた制御ハウジング230を形成する。固定アダプタ250の底部240は、ハンドルバー220に固定される。組立てられた制御ハウジング230は、固定アダプタ250上に位置されるまで、ハンドルバー220に沿って摺動または移動され、これが、組立てられた制御ハウジング230をハンドルバー220上にロックし、制御ハウジング230が、ハンドルバー220の周りを回転すること、またはハンドルバーに沿って移動することが防止される。
【0029】
図3Bに示すように、組立てられた制御ハウジング230の断面図が、当該ハウジングの、固定アダプタ250への取付けを示す。より詳細には、固定アダプタ250のピン300は、ハンドルバー220における対応する孔310に嵌合する。制御ユニットハウジング230が固定アダプタ250上へ移動されるとき、固定アダプタ250上のラッチ340は押し下げられ、その後、ラッチ340が制御ユニットハウジング230の実装領域330内に係合したときに反発し、制御ユニットハウジング230を固定アダプタ250にロックする。
【0030】
要するに、固定アダプタ250は、制御ユニットハウジング230とハンドルバー220との間の非確動の(non‐positive)接続を実現する。固定アダプタ250は、その外形により制御ユニットハウジング230の内側に配置され、ラッチ340によりロックされる。ハンドルバー220と固定アダプタ250との間の接続は、ピン300により実施される。
【0031】
ある実施形態において、ラッチ340を、道具(図示せず)を使用してチャンネル60内(
図1参照)へ配置することで実装領域330から解放することにより、制御ユニットハウジング230はハンドルバー220から取り外すことができる。
【0032】
いくつかの実施形態は、それらの派生物と共に「一実施形態」または「ある実施形態」という表現を使用して説明され得る。これらの用語は、実施形態に関して説明された特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。明細書の様々な箇所における「一実施形態において」というフレーズの出現は、必ずしも全てが同一の実施形態を参照するのではない。
【0033】
本発明が、その好ましい実施形態を参照して具体的に図示且つ説明されたが、添付の特許請求の範囲により規定される本出願の精神および範囲から逸脱することなく、形および詳細の様々な変更が可能であることが当業者に理解されよう。このような変形形態は、本出願の範囲に含まれることが意図される。このように本出願の実施形態の前述の記載は限定的であることを意図しない。むしろ、本発明に対するあらゆる限定は、以下の特許請求の範囲に示される。