特許第6562890号(P6562890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562890プレーティング編成方法及びそれに用いる横編機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562890
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】プレーティング編成方法及びそれに用いる横編機
(51)【国際特許分類】
   D04B 15/44 20060101AFI20190808BHJP
   D04B 1/00 20060101ALI20190808BHJP
   D04B 1/10 20060101ALI20190808BHJP
   D04B 7/26 20060101ALI20190808BHJP
   D04B 15/56 20060101ALI20190808BHJP
   D04B 15/70 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
   D04B15/44
   D04B1/00 Z
   D04B1/10
   D04B7/26 101
   D04B15/56 102
   D04B15/70
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-213361(P2016-213361)
(22)【出願日】2016年10月31日
(65)【公開番号】特開2018-71021(P2018-71021A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2018年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000151221
【氏名又は名称】株式会社島精機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100086830
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 明
(74)【代理人】
【識別番号】100096046
【弁理士】
【氏名又は名称】塩入 みか
(72)【発明者】
【氏名】森 淳
【審査官】 姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 英国特許出願公告第00239176(GB,A)
【文献】 特開2016−176159(JP,A)
【文献】 特開平06−002250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04B 15/44
D04B 1/00
D04B 1/10
D04B 7/26
D04B 15/56
D04B 15/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアのヤーンフィーダーから、少なくとも2本の編糸を引き揃えて、針床の編針に給糸し、前記少なくとも2本の編糸の一方が表糸として編地の表面に表れ、他方が添糸として編地の裏面に表れるように、編機により編成するプレーティング編成方法において、
針床に設けたシンカーのガイド面により、前記少なくとも2本の編糸をガイドしながら、編針に給糸すると共に、
前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸へ加える張力を、キャリアの移動中に、張力制御部により切り替えることにより、
張力が大きい方の編糸が前記ガイド面と前記編針のフック内で下側に位置して表糸となり、張力が小さい側の編糸が前記ガイド面と前記編針のフック内で上側に位置して添糸となるように、
前記少なくとも2本の編糸の表糸と添糸への割当を切り替えることを特徴とする、プレーティング編成方法。
【請求項2】
編地の編成データ中の、表糸と添糸の割当により実現する柄を表す柄データを、編機のコントローラにより読み出し、
読み出した柄データに従って、前記張力制御部により、前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸へ加える張力を切り替えることを特徴とする、請求項1のプレーティング編成方法。
【請求項3】
前記少なくとも2本の編糸を、共通のキャリアの下端部に設けられている一対のヤーンフィーダーから、個別に給糸することを特徴とする、請求項1または2のプレーティング編成方法。
【請求項4】
編針とシンカーとを長手方向に沿って配列した針床と、編針に少なくとも2本の編糸を引き揃えて給糸するためのヤーンフィーダーを有するキャリアとを備え、前記シンカーは前記少なくとも2本の編糸をガイドするガイド面を備えている横編機において、
前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸へ加える張力を制御する張力制御部を備え、
前記張力制御部は、キャリアの移動中に、表糸とする編糸の張力が添糸とする編糸の張力よりも大きくなるように、前記少なくとも1本の編糸へ加える張力を切り替えることにより、前記少なくとも2本の編糸の表糸と添糸への割当を切り替えるように構成されていることを特徴とする、横編機。
【請求項5】
編地の編成データ中の、表糸と添糸の割当により実現する柄を表す柄データを読み出すコントローラを備え、
かつ読み出した柄データに従って、前記張力制御部により、前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸へ加える張力を切り替えるように構成されていることを特徴とする、請求項4の横編機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表糸と添糸とを切替自在なプレーティング編成方法と、それに用いる横編機とに関する。
【背景技術】
【0002】
プレーティング編成では、例えば2本の編糸を引き揃えて編針に給糸し、2本の編糸から成る編目を編成する。2本の編糸は異なるヤーンフィーダーから給糸し、編成方向に沿って一方のヤーンフィーダーを他方のヤーンフィーダーよりも先行させる。すると、先行のヤーンフィーダーからの編糸が表糸として編地の表面に表れ、後行のヤーンフィーダーからの編糸は添糸として編地の裏面に表れる。この方法では、ヤーンフィーダーの先行/後行により、表糸/添糸の関係が定まる。通常の編機は、編成中にヤーンフィーダーの先行/後行の関係を切り替える機構を持たないので、表糸/添糸の関係を編成中に切り替えることは難しい。
【0003】
特許文献1(実開昭52-51444)は、1対のヤーンフィーダーを1個のキャリアに取り付けると共に、一方のヤーンフィーダーをキャリアに対してキャリアの進行方向に揺動可能にすることを記載している。キャリッジが反転すると、表糸/添糸の関係を前のコースと同様にするには、一対のヤーンフィーダーの先行/後行の関係を切り替える必要がある。そして特許文献1では、キャリッジの反転時に一方のヤーンフィーダーを進行方向の後方側に揺動させることにより、次のコースでも表糸/添糸の関係を前のコースと同様にすることができる。
【0004】
特許文献2(特開2016-176159)は、可動のシンカーを備える横編機において、シンカーの軌跡と、編針の軌跡とを組み合わせて、表糸/添糸の順序を切り替えることを記載している。この場合、シンカーの軌跡は一定で、表糸/添糸の順序を切り替える際に、編針の軌跡を常時の軌跡から変化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52-51444
【特許文献2】特開2016-176159
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、新たな手法によりプレーティング編成での表糸/添糸の関係を、編成中に切り替えることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明のプレーティング編成方法は、キャリアのヤーンフィーダーから、少なくとも2本の編糸を引き揃えて、針床の編針に給糸し、前記少なくとも2本の編糸の一方が表糸として編地の表面に表れ、他方が添糸として編地の裏面に表れるように、編機により編成するプレーティング編成方法において、
針床に設けたシンカーのガイド面により、前記少なくとも2本の編糸をガイドしながら、編針に給糸すると共に、
前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸へ加える張力を、キャリアの移動中に、張力制御部により切り替えることにより、
張力が大きい方の編糸が前記ガイド面と前記編針のフック内で下側に位置して表糸となり、張力が小さい側の編糸が前記ガイド面と前記編針のフック内で上側に位置して添糸となるように、
前記少なくとも2本の編糸の表糸と添糸への割当を切り替えることを特徴とする。
【0008】
この発明の横編機は、編針とシンカーとを長手方向に沿って配列した針床と、編針に少なくとも2本の編糸を引き揃えて給糸するためのヤーンフィーダーを有するキャリアとを備え、前記シンカーは前記少なくとも2本の編糸をガイドするガイド面を備えている横編機において、
前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸へ加える張力を制御する張力制御部を備え、
前記張力制御部は、キャリアの移動中に、表糸とする編糸の張力が添糸とする編糸の張力よりも大きくなるように、前記少なくとも1本の編糸へ加える張力を切り替えることにより、前記少なくとも2本の編糸の表糸と添糸への割当を切り替えるように構成されている。
【0009】
この発明では、引き揃えた編糸はシンカーのガイド面でガイドされながら、即ちガイド面と接触することにより位置を規制されながら、編針のフックへ供給される。そして部材の位置関係では、ヤーンフィーダーが上に、フックが下にあり、その中間の高さで編糸はガイド面に接触する。この時、張力が大きい編糸は、ヤーンフィーダーからフックまで最短の経路を占めようとし、ガイド面で張力が小さい編糸の下方に位置しようとする。そして張力が大きい編糸(表糸)はフック内で下側に位置し、張力が小さい編糸(添糸)はフック内で上側に位置し、張力が大きい編糸が表糸となり、小さい編糸が添糸となる。
【0010】
ここで編糸への張力の大小を切り替えると、張力の大きい編糸がガイド面の下方へ移動し、張力の小さい編糸はガイド面の上方へ移動し、表糸と添糸の関係が逆になる。発明者はこれらのことを、引き揃えた2本の編糸が、張力の切替により、どのように運動するかを観察して確認した。即ち、張力の大きい編糸がガイド面の下方へ、小さい編糸がガイド面の上方へ移動し、これに伴って表糸/添糸の関係が反転した。この発明では、ガイド面でのガイドと張力の切替により、編成中に表糸と添糸の関係を切り替えることができる。これに伴い、編地の表面に表れる糸を切り替えることができ、プレーティング編地に所望のパターンを形成できる。またどの編糸を表糸とし、どの編糸を添糸とするかを、編糸の表糸と添糸への割当という。張力の制御は常時行う必要はなく、少なくとも表糸と添糸への割当を変更する際に行う。即ち、各編糸への張力が同じであると、表糸と添糸への割当は変化しない。そこで割当を変化させる際にのみ張力を切り替え、常時は各編糸への張力を共通にしても良い。各編糸の張力を制御しても良いが、一方の編糸の張力のみを制御し、他の編糸の張力を固定しても良い。
【0011】
好ましくは、編地の編成データ中の、表糸と添糸の割当により実現する柄を表す柄データを、編機のコントローラにより読み出し、読み出した柄データに従って、前記張力制御部により、前記少なくとも2本の編糸中の少なくとも1本の編糸に加える張力を切り替える。このようにすると、編成データに従った柄を、プレーティング編成中の張力の切替により実現できる。
【0012】
好ましくは、前記少なくとも2本の編糸を、共通のキャリアの下端部に設けられている一対のヤーンフィーダーから個別に給糸する。共通のキャリアを介して給糸するので、2個以上のキャリアから給糸するよりも、制御が簡単で、キャリアの数も少なくて済む。そして一対のヤーンフィーダーから個別に、即ち編糸がヤーンフィーダー内で接触しないように給糸する。このため編糸が互いに接触して、張力の差が小さくなることを抑制でき、表糸/添糸の関係が乱れることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例の横編機の正面図
図2】シンカーを経て編針への、編糸の供給経路を模式的に示す図
図3】実施例での表糸/添糸の切替前の状態を模式的に示す図
図4】実施例での表糸/添糸の切替後の状態を模式的に示す図
図5】実施例での表糸/添糸の切替アルゴリズムを示すフローチャート
図6】実施例での、張力の制御による表糸/添糸の切替を示す図
図7】複数のヤーンフィーダーを備えるキャリアの側面図
図8】実施例で編成したプレーティング編地
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1図8に、発明を実施するための最適実施例とその変形を示す。
【実施例】
【0015】
図1は用いる横編機2を示し、4は針床で、針床4は例えば前後一対、あるいは前後と上下で合計4枚、横編機2に設けられている。6はキャリッジで、針床4の編針を操作する。なお個々の編針毎にリニアモータを設けて、キャリッジ6を廃止しても良い。キャリッジ6は針床4の長手方向(図1の左右方向)に沿って往復し、キャリッジ6と一体の連行部8は、ヤーンフィーダー10を備えるキャリア11を、レール12に沿って連行する。
【0016】
横編機2の例えば上部側方に設けられた給糸部13から、編糸をヤーンフィーダー10へ供給し、引き揃えて針床4の編針へ給糸する。給糸部13では、例えばコーン14から成る糸源から編糸を張力制御部15へ供給し、張力制御部15により編糸に所望の張力を加える。張力制御部15では、例えば糸を供給するローラの回転速度をサーボモータにより制御し、ローラを介して張力を制御する。あるいは、アームの先端の小孔を介して編糸を供給し、アームに可変の付勢力を加える。ここでアームを付勢する力を変化させると、編糸の張力も変化する。
【0017】
張力制御部15には、これ以外に、編糸の供給長を測定するロータリーエンコーダ等を設けても良い。また張力切り替えの機構自体は、任意である。図1では、横編機2の上方から編糸を供給するが、側方から編糸を供給しても良い。以下、2本の編糸を引き揃えて給糸するものとするが、3本以上でも良い。ただし3本以上の編糸を引き揃えて編成する際は、表糸に十分大きな張力を加え、他の添糸には小さな張力を加えることになるが、添糸間での張力差を大きくすることが難しい。このため複数の添糸が編地の裏面に表れて、編地の裏面が混色する場合がある。
【0018】
ヤーンフィーダー10から、編針のフック18への、例えば2本の編糸24,25の供給を図2に示す。編成の方向(コース方向)は図2の右から左で、高い位置にあるヤーンフィーダー10から、シンカー先端のガイド面22でガイドされながら、編糸はフック18へ給糸される。そして2本の編糸24,25を引き揃えて、例えば1個あるいは2個のヤーンフィーダー10から給糸する。するとフック18の手前では張力が大きい編糸が下に、張力が小さい編糸が上に表れる。図1では1個のヤーンフィーダー10から編糸24,25を供給する例を示しているが、異なる2個のヤーンフィーダーからそれぞれ編糸24,25を供給するようにしても良い。
【0019】
図2のフック18aは編目を形成して針床内へ復帰済みであり、フック18b,フック18cは歯口側に進出した状態から針床側へ順次戻りつつある。またフック18a,18b,18cへ編糸をガイドするシンカーのガイド面を、それぞれ22a,22b,22cとする。
【0020】
図3は1組のフック18aとシンカー20a及びそのガイド面22aを示し、フック18,シンカー20は針床の長手方向に沿って所定のピッチで配置されている。19は編針で、先端に前記のフック18aがあり、編針19の種類はベラ針でも複合針等でも良い。シンカー20は例えば固定であるが、キャリッジ6により操作される可動のシンカーでも良い。針床4から見て、シンカー20の先端の面はガイド面22となり、ガイド面22は鉛直でも、あるいは鉛直面23に対して傾斜していても良く、傾斜角をθとする。図3では傾斜角θが15°の例を示すが、傾斜の向きが逆(傾斜角θが負)でも良い。
【0021】
図3は、編糸24,25への張力を切り替える直前あるいは張力切替の影響が及ぶ前の、フック18aとガイド面22aでの編糸24,25の状況を示す。編糸25の張力は編糸24の張力よりも大きく、張力が大きな編糸25はヤーンフィーダーからフック18aまで最短の経路を取ろうとし、ガイド面22aでの下側に位置し、張力の小さな編糸24がガイド面22aでの上側に位置する。フック18a内では、張力が大きな編糸25が下側に位置して表糸となり、張力が小さな編糸24が上側に位置して添糸となる。
【0022】
図4は、編糸24の張力が編糸25の張力よりも大きくなるように張力を切り替え、その影響がフック18cとガイド面22cまで及んだ際の状況を示す。張力が大きい編糸24が張力の小さな編糸25よりも下側に位置するように、ガイド面22cとフック18cでの編糸24,25の上下の関係が変化し、フック18c内では編糸24が下側に位置して表糸となり、編糸25が上側に位置して添糸となる。
【0023】
2本の編糸に加える張力(張力制御部15での張力)の比は、例えば2倍以上とし、過大な張力のために編糸が切れることを防止するため、好ましくは2倍以上で15倍以下、特に2倍以上で10倍以下とする。実施例では高張力側を40g/本、低張力側を5g/本、張力の比を8倍とした。しかし、高張力側を20g/本、低張力側を5g/本としても、表糸/添糸の関係を保って問題なく編成できた。なおg/本は編糸1本当たりの張力を表す単位である。
【0024】
なお2本の編糸が接触して張力差が小さくなることを防止するため、1個のヤーンフィーダーから給糸する場合、以下のようにすることが好ましい。即ち、ヤーンフィーダーは2本の編糸が接触せずに通過できる程度のサイズとし、ヤーンフィーダーの形状は楕円形等とし、その長軸方向を針床4の長手方向に直交させる。このようにすると、ヤーンフィーダー10及びキャリア内での、編糸間の接触を防止できる。
【0025】
表糸/添糸の関係を定めるのは編糸に加わる張力差なので、例えば一方の編糸の張力を大きな張力と小さな張力の間で制御し、他方の編糸の張力を中間の張力に固定しても良い。この場合、他方の編糸の張力はテンションバネ等でほぼ一定に保っても良く、フィードバック等による制御を施す必要はない。
【0026】
張力制御部15において、張力の大小を切り替えた後に、実際に表糸/添糸の関係が反転するまでの距離は例えば1/5インチ〜1インチ程度で、張力制御部15からヤーンフィーダー10までの距離が長いとこの距離も長くなり、短いとこの距離も短くなる。好ましくは編機のコントローラはこの距離を記憶しておく。
【0027】
張力に大小の差を設けることにより、ガイド面22での編糸の上下関係が変化する。2本の編糸に同じ張力を加えている間、編糸の上下関係は変化しない。そこで常時は2本の編糸への張力を等しくし、表糸/添糸の関係を切り替えるときに、表糸にする編糸への張力を添糸にする編糸の張力よりも大きくし、表糸/添糸の切替が終わると、2本の編糸への張力を等しくしても良い。
【0028】
図5図6は、プレーティング編成での張力の制御を示す。図5は横編機での制御を示し、編成データ中に表糸と添糸とが割当されているので、これを読み出す。この割当では例えば、最初にどの編糸を表糸とし、どの編糸を添糸とするかが割当され、以降の編成でどの位置で表糸と添糸の割当を切り替えるかが指定されている。そこでこれらの割当を読み出し、記憶する(ステップ1)。
【0029】
表糸となる編糸の張力を大きく、添糸となる編糸の張力を小さくするように、張力制御部により張力を制御しながら、2本の編糸を引き揃えて給糸する(ステップ2)。
【0030】
そして表糸と添糸の関係を切り替える位置から、張力の切替後に表糸と添糸の関係が変化するまでの針の本数だけ手前の位置で、編糸に加える張力の大小を切り替え(ステップ3,4)、ステップ2へ戻る。
【0031】
2本の編糸に対する張力の切替と、表糸/添糸の関係の切替を、図6に模式的に示す。
【0032】
編成データに基づく柄を形成するために表糸/添糸の割当を切り替えるのではなく、編成データによらずに、表糸/添糸の割当をランダムに切り替えても良い。このようにすると色等がランダムに変化する編地が得られる。
【0033】
図7は、一対のヤーンフィーダー30a,30bを先端に備えるキャリア11を示す。キャリア11はレール12に沿って運動し、横編機の長手方向に沿っての前後一対の支持部材31,31の間に、一対のヤーンフィーダー30a,30bが、針床の長手方向に沿って同じ位置にあるように設けられている。一対のアイレット32a,32bを介してヤーンフィーダー30a,30bへ編糸24,25を給糸し、キャリア11の付近で一対の編糸24,25は互いに接触せずに、引き揃えて編針へ給糸される。
【0034】
好ましくは、アイレット32a,32bはレール12の長手方向(針床4の長手方向)に直角な面内に設け、張力制御部15からヤーンフィーダー30a,30bまでの間での、編糸24,25の接触を防止する。
【0035】
図8は実施例で編成するプレーティング編地(前身頃)80を模式的に示し、編成データ中の柄を指定するデータ(柄データ)に基づいて、表糸/添糸の割当を切り替える。そして張力を変化させるタイミングは、キャリッジの位置データ、あるいはどの針を選針しているかの選針データなどから定める。
【0036】
高い側の張力と低い側の張力を一定にする必要はなく、例えば高い側の張力を常時は5〜20g/本、低い側の張力を5〜20g/本とし、表糸/添糸の割当の切替時に高い側の張力を30g/本、低い側の張力を3g/本等と常時から異ならせて、編糸の切替を容易にしても良い。即ち、常時は表糸の張力と添糸の張力差を、表糸/添糸の割当の切替時の張力差よりも小さくしても良く、極端な場合、常時は表糸の張力と添糸の張力が等しくても良い。また一方の編糸の張力を例えば5g/本〜30g/本等の間で変化させ、他方の編糸の張力を例えば15g/本などに固定しても良い。
【符号の説明】
【0037】
2 横編機
4 針床
6 キャリッジ
8 連行部
10 ヤーンフィーダー
11 キャリア
12 レール
13 給糸部
14 コーン
15 張力制御部
16 コントローラ
18 フック
19 編針
20 シンカー
22 ガイド面
23 鉛直面
24,25 編糸
30a,b ヤーンフィーダー
31 支持部材
32a,b アイレット
80 プレーティング編地
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8