(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562904
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】スライド扉の制動復帰装置
(51)【国際特許分類】
E05F 5/02 20060101AFI20190808BHJP
E05F 1/00 20060101ALI20190808BHJP
E05F 5/00 20170101ALI20190808BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
E05F5/02 C
E05F1/00 A
E05F5/02 D
E05F5/00 D
E05D15/06 119
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-512296(P2016-512296)
(86)(22)【出願日】2014年4月30日
(65)【公表番号】特表2016-520744(P2016-520744A)
(43)【公表日】2016年7月14日
(86)【国際出願番号】EP2014058817
(87)【国際公開番号】WO2014180729
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2017年1月24日
(31)【優先権主張番号】TV2013A000072
(32)【優先日】2013年5月9日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】515308800
【氏名又は名称】ボルトルッツィ・システミ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】BORTOLUZZI SISTEMI S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(72)【発明者】
【氏名】アドリアーノ・ジロット
(72)【発明者】
【氏名】ブルーノ・スポンガ
(72)【発明者】
【氏名】ルーチョ・モリネル
【審査官】
小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−127293(JP,A)
【文献】
特開2005−201031(JP,A)
【文献】
特開2006−207196(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02330269(EP,A1)
【文献】
国際公開第2011/007735(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00 − 5/12
E05D 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具(3)のための2枚のスライド扉(2a、2b)の制動復帰装置(1)であって、
樹脂材料で作られた直線状中空体(8a、8b)を備え、該直線状中空体(8a、8b)は、前記家具の天面部に一体化されたプロファイル部(31b、31a)に摺動可能に結合され、台車(11a、11b、14a、14b)を介して前記スライド扉(2a、2b)のいずれか一方に固定された同調体(10a、10b)に対して結合され、
前記直線状中空体(8a、8b)は、双方向衝撃吸収装置(19)を収容し、第1のガイド部又は第2のガイド部(6a、6b)と結合された第1又は第2のストローク制限磁化軸部(25a、25b、26a、26b)と選択的に接触し、
前記双方向衝撃吸収装置(19)は、軸部(21)によって軸方向に接続された一組の中空減速シリンダ(20a、20b)を備え、
前記軸部は、その中心線上にディスク(22)を有しており、該ディスク(22)と減速シリンダ(20a、20b)の対向端部との間には円筒形圧縮コイルばね(23a、23b)が介在しており、前記双方向衝撃吸収装置(19)は、静止状態で、前記減速シリンダ(20a、20b)が前記直線状中空体(8a、8b)の端部からわずかに突出するような寸法を有する
ことを特徴とするスライド扉の制動復帰装置。
【請求項2】
前記減速シリンダ(20a、20b)と同軸上に金属製のジャケット(24b、24a)が結合され、順に前記直線状中空体(8a、8b)の端部に同軸に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のスライド扉の制動復帰装置。
【請求項3】
前記家具は、2つの側面部(4a、4b)、天面部(5)及び2つのスライド扉(2a、2b)を備え、該スライド扉は、互いに重複可能に互いに平行な面上にあり、前記天面部には、外扉(2a)のための第1のガイド部(6a)と、内扉(2b)のための、該第1のガイド部と平行であって前記天面部(5)の前端縁(7)に近接して配置された第2のガイド部(6b)とがあり、前記制動復帰装置(1)は、前記扉(2a、2b)それぞれと結合され、前記プロファイル部(31a)は、前記第1及び第2のガイド部(6a、6b)の間の中間領域に配置されるか、又は、前記前端縁(7)に対して反対方向にある第1のガイド部(6a)に隣接する領域に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスライド扉の制動復帰装置。
【請求項4】
前記直線状中空体(8a)は、実質的にU字状の金属製ブラケットを備える第1の台車(11a)を介して外扉(2a)に固定された同調体(10a)に対して結合され、該金属製ブラケットの一方の翼部が前記外扉(2a)の内側側壁(12a)の端部に近接して結合され、第1の車輪(13a)が該金属製ブラケットの他方の翼部と回動可能に結合され、前記第1のガイド部(6a)においてスライドし、第2の台車(14a)に備えられた実質的にU字状の金属製ブラケットの一方の翼部が前記外扉(2a)の前記内側側壁(12a)の反対側の端部に近接して結合されており、第2の車輪(15a)が該金属製ブラケットの他方の翼部と回転可能に結合し、前記第1のガイド部(6a)でスライドする
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のスライド扉の制動復帰装置。
【請求項5】
前記直線状中空体(8b)は、第1の台車(11b)を介して内扉(2b)に固定された同調体(10b)に対して結合され、前記第1の台車(11b)は、実質的にU字状の金属製ブラケットで構成され、該金属製ブラケットの一方の翼部は、前記内扉(2b)の内側側壁(12b)の端部に近接して結合されており、第1の車輪(13b)が該金属製ブラケットの他方の翼部と回動可能に結合され、第2のガイド部(6b)でスライドし、第2の台車(14b)に備えられた実質的にU字状の金属製ブラケットの一方の翼部が前記内扉(2b)の前記内側側壁(12b)の反対側の端部に近接して結合されており、第2の車輪(15b)が該金属製ブラケットの他方の翼部と回動可能に結合し、前記第2のガイド部(6b)でスライドする
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のスライド扉の制動復帰装置。
【請求項6】
前記第1のストローク制限磁化軸部(25a)と前記第2のストローク制限磁化軸部(25b)は、前記第1及び第2のガイド部(6a、6b)の間の中間領域に配置されたプロファイル部(31a)に結合され、前記第1のストローク制限磁化軸部(26a)と前記第2のストローク制限磁化軸部(26b)は、前記家具の天面部(5)の前端縁(7)に対して反対方向にある前記第1のガイド部(6a)に隣接する領域に配置された前記プロファイル部(31b)と結合されている
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のスライド扉の制動復帰装置。
【請求項7】
前記第1及び第2のストローク制限磁化軸部(25a、25b)は、前記直線状中空体(8a)に対して軸方向に整列して配置され、前記第1及び第2のストローク制限磁化軸部(26a、26b)は、前記直線状中空体(8b)に対して軸方向に整列して配置されており、前記第1のストローク制限磁化軸部(25a、26a)が前記家具の側端部(27a、27b)に近接し、他の前記第2のストローク制限磁化軸部(25b、26b)が前記スライド扉が移動した状態となり得る点に位置するように、前記第1及び第2のストローク制限磁化軸部(25a、25b、26a、26b)は関連付けされている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のスライド扉の制動復帰装置。
【請求項8】
家具(3)のための2枚のスライド扉(2a、2b)の制動復帰装置(1)であって、
樹脂材料で作られた直線状中空体(8a、8b)を備え、該直線状中空体(8a、8b)は、前記家具の天面部に一体化されたプロファイル部(31b、31a)に摺動可能に結合され、台車(11a、11b、14a、14b)を介して前記スライド扉(2a、2b)のいずれか一方に固定された同調体(10a、10b)に対して結合され、
前記直線状中空体(8a、8b)は、双方向衝撃吸収装置(19)を収容し、第1のガイド部又は第2のガイド部(6a、6b)と結合された第1又は第2のストローク制限磁化軸部(25a、25b、26a、26b)と選択的に接触し、
前記直線状中空体(8a、8b)はそれぞれ、2つの傾斜面(16a、16b)を画定するように、側面視で実質的に逆V字状に形成された上面部を備え、その頂点には、前記同調体(10a、10b)から横方向に突出した軸部(18a、18b)がスナップ作用でその中へ結合する第1の受座(17a、17b)を備える
ことを特徴とするスライド扉の制動復帰装置。
【請求項9】
家具(3)のための2枚のスライド扉(2a、2b)の制動復帰装置(1)であって、
樹脂材料で作られた直線状中空体(8a、8b)を備え、該直線状中空体(8a、8b)は、前記家具の天面部に一体化されたプロファイル部(31b、31a)に摺動可能に結合され、台車(11a、11b、14a、14b)を介して前記スライド扉(2a、2b)のいずれか一方に固定された同調体(10a、10b)に対して結合され、
前記直線状中空体(8a、8b)は、双方向衝撃吸収装置(19)を収容し、第1のガイド部又は第2のガイド部(6a、6b)と結合された第1又は第2のストローク制限磁化軸部(25a、25b、26a、26b)と選択的に接触し、
前記第1及び第2のストローク制限磁化軸部(25a、25b)はそれぞれ、前記プロファイル部(31a、31b)に結合可能な基礎部(30)から突出するスリーブ(29)に対して軸方向に配置された円筒状磁石(28)を備え、前記スリーブ(29)は、前記直線状中空体(8a、8b)のジャケット(24a、24b)内に選択的かつ摺動可能に配置することができる
ことを特徴とするスライド扉の制動復帰装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に家具等のための、扉を面一の閉状態又は他の状態にスライドさせる制動復帰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、通常のヒンジ付き扉の代替として、一般にキャビネットや家具、及びドアや窓枠、又は開放時に省スペースを必要とする閉鎖要素の他のアプリケーションに適用可能な解決手段が知られている。
【0003】
一般に、このタイプの扉は、一つ又は複数の扉で構成されており、各扉は、閉鎖される空間の天井、必要に応じて床に適用された上ガイド部と下ガイド部で構成されたレールによって案内される転動手段を備えたブラケットを有する。
【0004】
スライド扉を閉じたいときには必要に応じて係合を外すことが可能である開放位置へ、又は、扉を案内しながら閉じたいときには閉鎖位置へ、扉を復帰させるための装置を扉に取り付けることが知られている。
【0005】
従来のスライド扉について見出された課題は、実際には、扉を完全に開いたり、完全に閉じるときに、扉が部分的に閉じたまま又は部分的に開いたままとなる、あるいは、ドア枠又は家具の側面にバタンと当たることがあるということある。
【0006】
このような欠点に対する部分的な解決策は、扉の移動を助けて案内するように構成された装置について開示する特許文献1から知られている。この装置は、ダンパと、ばねと、上向きのL字状のガイド部の中を摺動可能な案内軸部を含む結合部材に結合された一対の歯の内側に収容可能な同調部材(entrainment element)と、が内部に配置された容器を備える。
【0007】
前記装置は、区画の一端に近接して配置されている。
【0008】
例えば、扉の開放時に、ある位置で装置は、案内軸部がL字状のガイド部を介して、安定した定常状態に配置されるまでダンパを作動させる同調部材と接続する。扉の閉鎖時に、同調部材は、ダンパを作動させると、一対の歯と接触し、扉が完全に閉じた状態となるまで扉と共にゆっくりと動く。
【0009】
しかしながら、このような解決策にはいくつかの欠点がある。前記装置は、実際には、例えばL字状のガイド部と、該ガイド部に入れられた軸部と、の間の部材間の遊びに非常に注意をしながら事前に組み立てが必要な複数の部材によって構成されており、構造面で複雑である。何らかの固着や摩擦が生じることで装置が作動しなくなるため、扉の正確な閉鎖や完全な開放ができなくなるためである。
【0010】
また、従来の復帰装置は、そのストローク中にリターンスプリングの力が一定ではないことに起因する他の不具合を有している。
【0011】
そのため、ばねの力が弱いために、ストロークの最後の部分に沿って扉が戻ってしまう問題が生じたり、反対に、扉の解除時に、ばねの力が強すぎて、ストロークの最後の部分で扉が開いてしまうという問題がある。
【0012】
これにより、機械的手段によって動作中に扉が復帰機構へ接続されるのに伴って、動作中に煩わしいノイズが発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1658785(A1) 号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、本発明の目的は、上記の技術的課題を解決し、引用された先行技術の欠点を排除し、固着することがなく、家具の壁にバタンと当たって閉まるのを防止しながら、ドア又は扉が最適に閉鎖されると共に案内されながら開放されるようにできる簡単な構造を有し、ドア又は扉に適用可能な制動復帰装置を提供することである。
【0015】
この目的の範囲内で、本発明の目的は、容易に従来の家具の扉又はドアに適用されて制動復帰装置を提供することである。
【0016】
別の目的は、寸法や重量を抑えた低価格の制動復帰装置を提供することにある。
【0017】
本発明の別の目的は、様々な動きにおける摩擦や遊びの原因を抑制可能とすることで、扉の動き及びスライドを最適化することである。
【0018】
別の目的は、その動作中に煩わしいノイズが出ない制動復帰装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
これらの目的、及び以下でより明確となるその他の目的は、家具の天面部に一体化されたプロファイル部と摺動可能に結合され、自動的にかつスナップ作用を伴って、前記扉の一方に固定された同調体(entrainer)に結合可能である、樹脂材料で形成された直線状中空体を備え、該直線状中空体は、双方向衝撃吸収装置を収容し、第1のガイド部又は第2のガイド部と結合する第1又は第2のストローク制限磁化軸部と選択的に接触することを特徴とする、特に家具のためのスライド扉の制動復帰装置によって達成される。
【0020】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下の添付の図面において非限定的な例として示された、特定の、排他的ではない実施形態の詳細な説明からより明瞭になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】閉状態の2つの扉を有するキャビネットに適用された本装置の斜視図である。
【
図7】直線状中空体が磁化軸部と接触した状態における
図6と同様の図である。
【
図12】扉が重なった第1の状態における本装置の
図1と同様の図である。
【
図13】扉が重なった第2の状態における本装置の
図1と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図示の実施形態において、特定の実施例に関して示される個々の特徴は、実際には、他の実施形態に存在する他の異なる特徴と置換することができる。
【0023】
図面を参照するに、参照符号1は、特に家具3等に用いられるスライド可能な扉2a、2bのための装置全体を表している。
【0024】
特定の実施形態において、家具は、両側部4a、4bと、天面部5と、2つの扉2a、2bと、を備え、該扉は、互いに重複可能な状態とするために、互いに平行な平面上に配置されている。
【0025】
天面部5上には、内扉2bのための第1のガイド部6aと、該第1のガイド部6aと平行であり、天面部5の前端部7に近接して配置された第2のガイド部6bと、がある。
【0026】
したがって、本装置1は、各扉に結合され、樹脂材料で作られており、
図14に示すように、第1及び第2のガイド部6a、6bの間の中間領域に配置された適合プロファイル部31aに対して、又は、
図15に示すように、前端縁7の反対側にある、第1のガイド部6aに隣接する領域に配置された適合プロファイル部31bに対して、一対の第1のスライダ部9a、9bによって摺動可能に結合された直線状中空体8a、8bを備える。
【0027】
対応する第1の台車11aを介して前記外扉2aに固定された同調体10aに対して、直線状中空体8aを自動的にかつスナップ作用を伴って結合可能である。後者は、実質的にU字状の金属製ブラケットで構成され、その翼部の一方は、外扉2aの内側側壁12aの端部に近接して結合されており、第1の車輪13aが他方の翼部と回動可能に結合され、第1のガイド部6aに摺動可能に結合されている。
【0028】
第2の台車14aが外扉2aの内側側壁12aの反対側の端部に近接して結合されており、第2の車輪15aが第1のガイド部6aにおける他の翼部及び滑動部に対して回転可能に結合されている。
【0029】
同様に、対応する第1の台車11bを介して前記内扉2bに固定された同調体10bに対して、直線状中空体8bを自動的にかつスナップ作用を伴って結合可能である。後者は、実質的にU字状の金属製ブラケットで構成され、その翼部の一方は、内扉2bの内側側壁12bの端部に近接して結合されており、第1の車輪13bが他方の翼部と回動可能に結合され、第1のガイド部6bに摺動可能に結合されている。
【0030】
第2の台車14bが内扉2bの内側側壁12bの反対側の端部に近接して結合されており、第2の車輪15bが第2のガイド部6bにおける他の翼部と滑動部に対して回転可能に結合されている。
【0031】
直線状中空体8a、8bは、2つの傾斜面16a、16bを画定するように、側面視で実質的に逆V字状に形成された上面部を有し、その頂点には、同調体10a、10bから横方向に突出した軸部18a、18bがスナップ作用でその中へ結合する第1の受座17a、17bを備える。
【0032】
キャビネットの組み立ての際、直線状中空体8a、8bにまだ結合されていない扉2a、2bをスライドさせることによって、各同調体10a、10bの軸部18a、18bは、まず各傾斜面16a、16b上を摺動し、それからスナップ作用によって第1の受座17a、17bの中に配置されることによって、第1の受座17a、17bを止めることで、各直線状中空体8a、8bを止める。
【0033】
直線状中空体8a、8bは、その中に部分的かつ摺動可能に結合された軸部21によって軸方向に接続された一対の中空減速シリンダ部20a、20bを備える双方向衝撃吸収装置19を収容する。
【0034】
軸部21は、その中心線おいて、円筒形圧縮コイルばね23a、23bのディスク22と、減速シリンダ20a、20bの対向端部と、の間に介在するディスク22に有している。
【0035】
双方向衝撃吸収装置19の寸法は、停止時に減速シリンダ20a、20bが直線状中空体8a、8bの端部を越えてわずかに突出するようなものである。
【0036】
金属ジャケット24a、24bは、減速シリンダ20a、20bと同軸上にあり、直線状中空体8a、8bの端部に同軸上に配置されている。
【0037】
本装置1は、各直線状中空体8a、8bのために、第1のストローク制限磁化軸部25a、26a及び第2のストローク制限磁化軸部25b、26bを備えている。
【0038】
第1の磁化軸部25aと第2の磁化軸部25bは、第1及び第2のガイド部6a、6bの間の中間領域に配置された適合プロファイル部31aに結合されている。
【0039】
対照的に、第1の磁化軸部26aと第2の磁化軸部26bは、前端縁7に対して反対側にある第1のガイド部6aに隣接する領域に配置された適合プロファイル部31bと結合されている。
【0040】
第1及び第2の磁化軸部25a、25bは、直線状中空体8aと軸方向に整列して配置される一方で、第1及び第2の磁化軸部26a、26bは、直線状中空体部8bと軸方向に整列して配置される。
【0041】
磁化軸部25a、26aは、家具の側端部27a、27bに近接しており、他の磁化軸部25b、26bは扉が移動した状態となり得る点に位置するように、第1及び第2のストローク制限磁化軸部25a、25b、26a、26bは関連付けされている。
【0042】
第1及び第2の磁化軸部25a、25b、26a、26bの各々は、適合プロファイル部31a、31bに結合可能な基礎部30から突出するスリーブ29の軸方向に配置された円筒状の磁石28を備えている。
【0043】
スリーブ29は、直線状中空体8a、8bのジャケット24a、24bの内側に選択的かつ摺動可能に配置することができる。
【0044】
本装置は以下のように動作する。直線状中空体8a、8bを同調体10a、10bへの結合し、第1の台車部11a、11bと第2の台車部14a、14bにそれぞれ結合させた後、
図1に示すように、扉が閉鎖状態から開始し、扉、例えば外扉2aが開放されると、直線状中空体8aは、第1のストローク制限磁化軸部25aから外れた後、第2の磁化軸部25bに係合する。
【0045】
このように、磁石28は、ジャケット24aと接触し、直線状中空体8aの動作を遅くし、ばね23a、23bで留める。
【0046】
磁石の使用によれば、開放時と閉鎖時の両方で一定の力を用いることができる。
【0047】
したがって、磁石28は、ストローク制限に到達するまで、最適かつ連続的にジャケット24aを引き付けることができる。
【0048】
実際に、本発明は、意図された目標及び目的を完全に達成し、磁石の使用のおかげもあって、固着しなくなり、ドア又は扉を適切に案内しながら開閉することができる一方で、扉が家具の壁にバタンと当たって閉まるのを防止しつつ、既存のドアや扉を含む、ドア又は扉に適用することができる簡易な構造を備えた装置が得られることが見出された。
【0049】
また、装置の重量、寸法及びコストを抑制すると共に、扉の動きやスライドを最適化するように、様々な動きにおける摩擦や遊びの要素を抑制することができる。
【0050】
当然に、本発明の個々の構成要素の使用材料及び寸法は、特定の要件に応じてより適切なものであってもよい。
【0051】
特定の異なる機能をもたらす種々の手段は、図示された実施形態のみにおいて共存するものではなく、図示されていない多数の実施形態において存在してもよい。
【0052】
有利、便利等なものとして上述した特性は、除外しても、又は同等の特性により置換してもよい。
【0053】
本出願が優先権を主張するイタリア国特許出願第2013A000072号明細書の開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0054】
請求項に記載された技術的特徴に参照符号が付いている場合、それらの参照符号は、請求項の理解を容易にするためだけに入れられているので、そのような参照符号による例示によって指定される各要素の解釈に、そのような参照符号はいかなる限定的影響も及ぼさない。