特許第6562913号(P6562913)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6562913MPEGメディアトランスポートのためのコンテンツ表現
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562913
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】MPEGメディアトランスポートのためのコンテンツ表現
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/236 20110101AFI20190808BHJP
   H04N 21/242 20110101ALI20190808BHJP
   H04N 21/6547 20110101ALI20190808BHJP
【FI】
   H04N21/236
   H04N21/242
   H04N21/6547
【請求項の数】12
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2016-527355(P2016-527355)
(86)(22)【出願日】2014年10月28日
(65)【公表番号】特表2016-541173(P2016-541173A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】KR2014010215
(87)【国際公開番号】WO2015065028
(87)【国際公開日】20150507
【審査請求日】2017年10月27日
(31)【優先権主張番号】61/896,577
(32)【優先日】2013年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/898,283
(32)【優先日】2013年10月31日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/525,103
(32)【優先日】2014年10月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】ブアジジ,イメド
(72)【発明者】
【氏名】パク,キョン−モ
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ソン−オ
(72)【発明者】
【氏名】リム,ヨン−クォン
【審査官】 冨田 高史
(56)【参考文献】
【文献】 Information technology - High efficiency coding and media delivery in heterogeneous environments -Part 1:MPEG media transport(MMT),ISO/IEC FDIS 23008-1,ISO/IEC,2014年 3月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 − 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ提供デバイスにおけるメディアデータを伝送する方法であって、
一つのパッケージを構成する2個以上のアセットを識別するステップと、
前記2個以上のアセットのうち少なくとも一つをコンポジション機能を使用しないデフォルトアセットとして決定し、残りの一つ以上のアセットを前記コンポジション機能を使用するエンリッチアセットとして決定するステップと、
前記デフォルトアセットに対応するメディアデータを含む第1のメディア処理ユニット(MPU)を構成し、前記エンリッチアセットに対応するメディアデータを含む第2のMPUを構成するステップと、
前記第1のMPU又は前記第2のMPUを伝送ユニットとして伝送するステップと、を含み、
前記コンポジション機能は、一つ以上のアセット間の空間的関係、一つ以上のアセット間の時間的関係、又は一つ以上のアセット間のイベントベース関係のうちの少なくとも一つを使用することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記フォルトアセットは、デオコンポーネントアセット及びオーディオコンポーネントアセットのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のMPU又は前記第2のMPUを送信する前に、前記オーディオコンポーネントアセットのオーディオコンポーネント表現時間を前記ビデオコンポーネントアセットのビデオコンポーネント表現時間と同期化するステップをさらに有することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フォルトアセットのデフォルトアセット表現時間と前記ンリッチアセットのエンリッチアセット表現時間を同期化するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
他のMPUの少なくとも一つのアセットと共有されるアセットタイムライン上に前記デフォルトアセットの位置を割り当てるステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のMPU又は前記第2のMPUは、MMTプロトコル(MMTP)を用いて伝送されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
メディアデータを伝送する装置であって、
一つのパッケージを構成する2個以上のアセットを識別し、前記2個以上のアセットのうち少なくとも一つをコンポジション機能を使用しないデフォルトアセットとして決定し、残りの一つ以上のアセットを前記コンポジション機能を使用するエンリッチアセットとして決定し、前記デフォルトアセットに対応するメディアデータを含む第1のメディア処理ユニット(MPU)を構成し、前記エンリッチアセットに対応するメディアデータを含む第2のMPUを構成するように構成される処理ユニットと、
前記第1のMPU又は前記第2のMPUを伝送ユニットとして送信するように構成される送信器と、を含み、
前記コンポジション機能は、一つ以上のアセット間の空間的関係、一つ以上のアセット間の時間的関係、又は一つ以上のアセット間のイベントベース関係のうちの少なくとも一つを使用することを特徴とする装置。
【請求項8】
前記フォルトアセットは、デオコンポーネントアセット及びオーディオコンポーネントアセットのうちの少なくとも一つであることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項9】
前記処理ユニットは、前記第1のMPU又は前記第2のMPUを送信する前に、前記オーディオコンポーネントアセットのオーディオコンポーネント表現時間を前記ビデオコンポーネントアセットのビデオコンポーネント表現時間と同期化するようにさらに構成されることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記処理ユニットは、前記フォルトアセットのデフォルトアセット表現時間と前記ンリッチアセットのエンリッチアセット表現時間を同期化するようにさらに構成されることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記処理ユニットは、他のMPUの少なくとも一つのアセットと共有されるアセットタイムライン上に前記セットの位置を割り当てるようにさらに構成されることを特徴とする請求項に記載の装置。
【請求項12】
前記送信器は、MMTプロトコル(MMTP)を用いて前記第1のMPU又は前記第2のMPUを送信するように構成されることを特徴とする請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にデータをトランスポート及び表現(presenting)することに関するもので、より詳細にはメディアタイプデータをトランスポート及び表現することに関する。
【背景技術】
【0002】
MPEGメディアランスポート(MMT)は、IP環境及び非IP環境でのマルチメディア配信のための標準である。MMTは、一般的にカプセル化(encapsulation)、配信(delivery)、シグナリング、及びコンポジシン(composition)を含む4つの機能を有する。それらのうち、コンポジションの目的は、MMTコンテンツ消費のために要求される情報を提供することである。コンポジションは、HTML5及び一部ツールとの空間関係、時間関係、及びイベントベース関係を提供する。しかしながら、MMTは、特定タイプのMMTコンテンツに対しては簡略化できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、上記のような従来技術の問題点を解決するために本発明の目的は、簡略化MPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のための方法を提供することにある。
【0004】
上記方法は、MPEGメディアトランスポート(MMT)パッケージ処理ユニット(MPU)の2つ以上のアセット(asset)を識別するステップを有する。
【0005】
また、上記方法は、2つ以上のアセットのうち少なくとも一つをデフォルトアセットとして定義し、残りの一つ以上のアセットをエンリッチ(enriched)アセットとして定義するステップを有する。少なくとも一つのデフォルトアセットは、コンポジション機能を含まない。
【0006】
上記方法は、一つ以上のエンリッチアセットからは独立した表現のために少なくとも一つのデフォルトアセットを設定するステップをさらに有する。
【0007】
上記方法は、少なくとも一つのデフォルトアセット及び一つ以上のエンリッチアセットを含むMPUを送信するステップを有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、簡略化されたMPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のための方法が提供される。上記方法は、MPEGメディアトランスポート(MMT)パッケージ処理ユニット(MPU)の2個以上のアセットを識別するステップと、2個以上のアセットのうち少なくとも一つをデフォルトアセットとして定義し、残りの一つ以上のアセットをエンリッチアセットとして定義するステップと、一つ以上のエンリッチアセットからは独立した表現のための少なくとも一つのデフォルトアセットを構成するステップと、少なくとも一つのデフォルトアセット及び一つ以上のエンリッチアセットを含むMPUを送信するステップとを有し、少なくとも一つのデフォルトアセットは、コンポジション機能を含まない。
【0009】
本発明の他の態様によれば、簡略化されたMPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のためのシステムが提供される。上記システムは、第1のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセット及び第1のMPUの一つ以上のエンリッチアセットを含む第1のMPUをディスプレイ装置の受信器に送信するように構成される第1のデバイスと、第2のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセット及び第2のMPUの一つ以上のエンリッチアセットを含む第2のMPUをディスプレイ装置の受信器に送信するように構成される第2のデバイスと、を含み、第1のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセットは、デフォルトアセットタイムライン上に第1の位置を割り当てられる。第2のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセットは、デフォルトアセットタイムライン上に第2の位置を割り当てられ、ディスプレイ装置の受信器は、第1のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセット及び第2のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセットを受信した後、ディスプレイ装置は、第1のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセットのコンテンツ及び第2のMPUの少なくとも一つのデフォルトアセットのコンテンツを第1の位置及び第2の位置により決定されたデフォルトアセットタイムライン上に相対的時間で表示する。
【0010】
本発明のより完全な理解及びそれに従う利点は、添付された図面とともに考慮すれば、後述する詳細な説明を参照してより容易に理解できる。また上記図面で同一の参照番号は同一の構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるMPEGファイルを送信する無線システムの一例を示す図である。
図2】本発明による簡略化されたコンテンツ表現を配信するように構成されるMPEGメディアトランスポート(MMT)システムを示すブロック構成図である。
図3】本発明による簡略化されたMPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のためのディスプレイ装置を示すブロック構成図である。
図4】本発明によるMMTパッケージ、アセット、符号化、及びMPU間の例示関係を示す図である。
図5】本発明によるMMTペイロードヘッダーの構成の一例を示す図である。
図6】本発明による時限(timed)メディアフラグメントユニット(MFU)ヘッダーの構成の一例を示す図である。
図7】本発明による非時限(non-timed)メディアMFUヘッダーの構成の一例を示す図である。
図8】本発明による簡略化されたMPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のための方法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
本発明を詳細に説明するのに先立って、本明細書の全般にわたって使用される特定の単語及び語句の定義を開示することが望ましい。“含む(include)”及び “備える(comprise)”という語句だけではなく、その派生語(derivatives thereof)は、限定されない含有(inclusion)を意味する。“又は(or)”という用語は、“及び/又は(and/or)”の意味を包括する。“関連した(associated with)”及び“それと関連した(associated therewith)”という語句だけではなく、その派生語句は、“含む(include)”、“含まれる(be included within)”、“相互に接続する(interconnect with)”、“包含する(contain)”、“包含される(be contained within)”、“接続する(connect to or with)”、“結合する(couple to or with)”、“疎通する(be communicable with)”、“協力する(cooperate with)”、“相互配置する(interleave)”、“並置する(juxtapose)”、“近接する(be proximate to)”、“接する(be bound to or with)”、“有する(have)”、及び“特性を有する(have a property of)”などを意味することができる。制御部は、少なくとも1つの動作を制御する装置、システム又はその部分を意味するもので、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらのうちの2つ以上の組合せで実現することができる。特定の制御部に関連する機能は、集中しているか、あるいは近距離、又は遠距離に分散されることもあることに留意すべきである。特定の単語及び語句に関するこのような定義は、本明細書の全般にわたって規定されるもので、当業者には、大部分の場合ではなくても、多くの場合において、このような定義がそのように定義された単語及び語句の先行使用にはもちろん、将来の使用にも適用されるものであることが自明である。
【0014】
後述される図1図8及び、本発明の原理を説明するために使用される多様な実施形態は、単にその実施例を示すものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものとして捉えてはならない。本発明の原理が適切に配列された無線通信システムで実現できることは、当該技術分野で通常の知識を有する者には明らかである。
【0015】
図1は、本発明の原理によりメッセージを送信する例示的無線システム100を示す。図1に示す無線ネットワーク100の実施形態は、例示のみのためのものである。無線ネットワーク100の他の実施形態を、本発明の範囲から逸脱することなく使用できる。
【0016】
図1に示す実施形態において、無線システム100は、向上したNode B(eNB)101、eNB102、eNB103、及び他の類似した基地局又は中継局のような送信ポイント(TP)を含む。eNB101は、eNB102及びeNB103と通信する。また、eNB101は、インターネット、独自インターネットプロトコル(IP)ネットワーク、他のデータネットワーク又は類似したIPベースのシステムのような少なくとも一つのIPネットワーク130と通信する。システム100は、簡略化されたMMTコンテンツ表現のための少なくとも一つのMPEGメディアトランスポート(MMT)システム150を含む。
【0017】
ネットワークタイプに基づき、“送信ポイント”、“eNodeB”又は“eNB”の代わりに、“基地局”又は“アクセスポイント”のように他の公知の用語を使用できる。便宜のために、用語“eNodeB”及び“eNB”は、遠隔端末に無線アクセスを提供するネットワークインフラストラクチャ構成要素を称するために本特許文書で使用される。また、ネットワークタイプに基づき、“移動局”、“加入者ステーション”、“遠隔端末”、“無線端末”、又は“ユーザーデバイス”のような“ユーザー装置”又は“UE”の代わりに、他の公知の用語を使用できる。便宜のために、用語“ユーザー装置”及び“UE”は、この特許文書で、UEが(携帯電話又はスマートフォンのような)モバイルデバイスであるか、あるいは(デスクトップコンピュータ又はベンディングマシンのような)一般的に固定(stationary)装置と見なされるかにかかわらず、無線でeNBをアクセスする遠隔無線装置を称するために使用される。
【0018】
無線ネットワーク100は、eNBのような送信ポイント(TP)からUEに信号を伝達するダウンリンク(DL)、及びUEからeNBのような受信ポイントに信号を伝達するアップリンク(UL)を含む。DL信号は、情報コンテンツを伝達するデータ信号、DL制御情報(DCI)を伝達する制御信号、及びパイロット信号としても知られている参照信号(RS)を含む。eNBは、データ情報又はDCIを各物理的DL共有チャンネル(PDSCH)又は物理的DL制御チャンネル(PDCCH)を介して送信する。ダウンリンク割り当てに使用される可能なDCIフォーマットは、DCIフォーマット1A、1B、1C、1D、2、2A、2B、2C、及び2Dを含む。UEは、UEに対するダウンリンクユニキャスト受信方法を決定する送信モードで構成され得る。与えられた送信モードで、UEは、DCIフォーマット1A、及びDCIフォーマット1B、1D、2、2A、2B、2C、又は2Dのうちいずれか一つを用いてユニキャストダウンリンク割り当てを受信できる。eNBは、UE-共通RS(CRS)、チャンネル状態情報RS(CSI-RS)、及び復調RS(DMRS)を含む複数タイプのRSのうち一つ以上を送信する。CRSは、DLシステム帯域幅(BW)を通じて送信され、UEによりデータを復調するか、あるいは信号を制御するか、又は測定を遂行するために使用できる。CRSオーバーヘッドを減少させるために、eNBは、時間及び/又は周波数ドメインでCRSより少ない密度を有するCSI-RSを送信する。チャンネル測定のために、非ゼロ(non-zero)電力CSI-RS(NZP CSI-RS)リソースが使用され得る。干渉測定リソース(IMR)のために、ゼロ電力CSI-RS(ZP CSI-RS)に関連したCSI干渉測定(CSI-IM)リソースは、REF3で述べたように使用できる。UEは、eNBからの上位レイヤシグナリングを通じてCSI-RS送信パラメータを決定できる。DMRSは、各々のPDSCHのBWのみで送信され、UEは、DMRSを用いてPDSCHの情報を復調できる。
【0019】
eNB102は、eNB102のカバレッジ領域120内の第1の複数のユーザー装置(UE)に対してネットワーク130に無線広帯域アクセスを提供する。第1の複数のUEは、スモールビジネス(SB)に位置するUE111、企業(E)内に位置するUE112、WiFiホットスポット(HS)に位置するUE113、第1の住居地(R)に位置するUE114、第2の住居地(R)に位置するUE115、及び携帯電話、無線ラップトップ、無線PDAのようなモバイルデバイス(M)であるUE116を含む。eNB103は、eNB103のカバレッジ領域125内に第2の複数のUEに対してネットワーク130に無線広帯域アクセスを提供する。第2の複数のUEは、UE115及びUE116を含む。一部の実施形態において、eNB101-103のうち一つ以上は、5G、LTE、LTE-A、WiMAX、又は他の進歩した無線通信技術を使用して相互に及びUE111-116と通信できる。
【0020】
点線は、単なる例示と説明を目的としてほぼ円形として示されるカバレッジ領域120、125のおおよその範囲を示す。カバレッジ領域120及び125のように、eNBに関連したカバレッジ領域が、自然の及び人為的な障害物に関連した無線環境の変動及びeNBの構成によって、不規則な形状を含む他の形状を有することは、明確に理解すべきである。
【0021】
以下、より詳細に説明するように、eNB101,102,103のうちいずれか一つ以上が、LTE-Advanced信号に対する測定及びディスカバリを遂行するように構成される。また、eNB101,102,103のうちいずれか一つ以上は、ビームフォーミングシステムのためのローオーバーヘッド同期化を遂行するように構成される。
【0022】
図1は無線ネットワーク100の一例を示すが、図1に対して多様な変形がなされ得る。例えば、無線ネットワーク100は、任意の個数のeNB及び任意の個数のUEを、適切な配置において含むことができる。また、eNB101は、任意の個数のUEと直接通信し、これらUEに対して、ネットワーク130への無線広帯域アクセスを提供できる。同様に、各eNB102-103は、ネットワーク130と直接通信して、UEに対して、ネットワーク130への直接無線広帯域アクセスを提供できる。さらに、eNB101,102、及び/又は103は、外部電話網又は他のタイプのデータネットワークのような他の、又は付加的外部ネットワークにアクセスを提供できる。
【0023】
UE111-116は、eNB101-103、ネットワーク130又はその組み合わせのうち一つ以上を介して、音声、データ、ビデオ、テレビ(ビデオ)会議、MMTコンテンツ及び/又は他の広帯域サービスにアクセスできる。所定の実施形態において、UE111-116のうち一つ以上を、WLAN(WiFi Wireless Local Area Network)のアクセスポイント(AP)に関連付けることができる。
【0024】
図1は無線ネットワーク100の一例を示すが、図1に対して多様な変形がなされ得る。例えば、無線ネットワーク100は、任意の個数のeNB及び任意の個数のUEを適切な配置を通じて含むことができる。また、eNB101は、任意の個数のUEと直接通信してそのUEにネットワーク130に無線広帯域アクセスを提供できる。同様に、各eNB102-103は、ネットワーク130と直接通信してUEにネットワーク130に対する直接無線広帯域アクセスを提供できる。さらに、eNB101,102、及び/又は103は、外部電話網又は他のタイプのデータネットワークのような他の、又は付加的外部ネットワークにアクセスを提供できる。
【0025】
図2は、本発明による簡略化されたMMTコンテンツ表現のためのMMTシステムのブロック構成図である。図2に示すMMTシステム150の実施形態は、例示のみのためのものである。他の実施形態を、本発明の範囲から逸脱することなく使用できる。
【0026】
MMTシステム150は、本発明の多様な実施形態を実現する無線又は有線通信システムにあり得る。MMTシステム150は、例えば図1の無線システム100のような無線通信システムで簡略化されたMMTコンテンツ表現のために構成される。MMTシステム150は、送信(TX)アンテナ205、送信(TX)処理回路210、受信(RX)アンテナ215、受信(RX)処理回路220、及びプロセッサ225を含む。
【0027】
送信器のようなTX処理回路210は、MMTパッケージ処理ユニット(MPU)を送信する。例えば、TX処理回路210は、ビデオ、オーディオ、及びHTML5ベースのコンテンツをディスプレイ装置に送信する。また、TX処理回路210は、TXアンテナ205の異なるアンテナ及びTXアンテナ205のアンテナの異なるポートに階層マッピングを通じて空間多重化を実行できる。所定の実施形態において、装置200は、有線接続を通じてMPUをディスプレイ装置に送信する。受信器のようなRX処理回路220は、MPUを要求するディスプレイ装置から受信(RX)アンテナ215を介して信号を受信する。例えば、RX処理回路220は、ビデオ、オーディオ、及びHTML5ベースのコンテンツに対する要請をディスプレイ装置から受信する。
【0028】
プロセッサ225は、装置200の全般的動作を制御する処理回路を含む。このような動作で、プロセッサ225は、ディスプレイ装置へのMPUの送信を制御する。また、プロセッサ225は、MPUのアセットを識別し、アセットのうち少なくとも一つをデフォルトアセットとして定義し、残りのアセットをエンリッチアセットとして定義する。プロセッサ225は、エンリッチアセットからは独立した表現のためにデフォルトアセットを構成し、デフォルトアセット及びエンリッチアセットを含むMPUの送信を制御する。
【0029】
例えば、ディスプレイ装置は、ビデオ、オーディオ、及びHTML5コンテンツを含む表現の受信に対する命令を受信できる。MMTシステム150は、ディスプレイ装置に表現を送信するための信号を受信する。MMTシステム150は、一つ以上のMPUのアセットを識別する。アセットは、MPUのオーディオ及びビデオアセットであり得る。MMTシステム150は、オーディオ及びビデオアセットをデフォルトアセットとして定義する。デフォルトアセットは、コンポジション機能を使用しない。コンポジション機能は、一つ以上のアセット間の空間的関係、一つ以上のアセット間の時間的関係、又は一つ以上のアセットとHTML5ベースのコンテンツとの間のイベントベースの関係のうち少なくとも一つを含む。(デフォルトアセットとして定義されないアセットのような)残りのアセットは、一般的にエンリッチアセットとして定義され得る。エンリッチアセットは、コンポジション機能を含む。デフォルトアセットは、それらの単純さにより、そしてコンポジション機能を使用しないため、エンリッチアセットに比べて速く伝送されるだけでなく、ディスプレイ装置によって速く処理及び表示できる。
【0030】
MMTシステム150は、デフォルトアセットが独立的に、又はエンリッチアセットのような他のアセットに対する依存性なしに表示できるようにデフォルトアセットを構成する。デフォルトアセットが独立的に表示するように構成することは、エンリッチアセットを表示するように構成されないディスプレイ装置を含むディスプレイ装置が、エンリッチアセットが受信及び表示されるか否かに関係なく、デフォルトアセットを表示する。MMTシステム150は、デフォルトアセット及びエンリッチアセットを含むMPUを、表現コンテンツのディスプレイのためのディスプレイ装置に送信する。
【0031】
また、MMTシステム150は、デフォルトアセットを相互に同期化する。例えば、MMTシステム150は、オーディオコンポーネントアセットのオーディオコンポーネント表現時間をビデオコンポーネントアセットのビデオコンポーネント表現時間と同期化する。したがって、ディスプレイ装置がデフォルトオーディオ及びビデオアセットを表示するとき、オーディオ及びビデオ表現コンポーネントが相互に適切に整列される。
【0032】
デフォルトアセットを定義して、アセットを相互に同期化し、デフォルトアセットを独立して動作するよう構成することにより、MMTシステム150は、相対的にシームレスな遷移で表現コンテンツをディスプレイ装置に提供する。例えば、ディスプレイ装置がディスプレイ上に表現を開始するときに、表現コンテンツの初期ストリーミング又はダウンロードは、(一時的ブロックスクリーンのような)表現遅延を発生しうる。しかしながら、ここで論議されるように、オーディオ及びビデオアセットのような一部アセットをデフォルトアセットとして定義することによって、ディスプレイ装置は、エンリッチコンテンツをまだストリーミング又はダウンロードしている間に、表現コンテンツの少なくともオーディオ及びビデオコンポーネントをディスプレイに速く表現できる。したがって、持続的(prolonged)ブラックスクリーンが発生しない。エンリッチコンテンツは、MMTシステム150により同期化され、ストリーミング又はダウンロードされるエンリッチコンテンツがディスプレイ装置により表現を始める状態にある場合、エンリッチコンテンツは、意図した時間に適切なオーディオ及びビデオコンテンツと同期して表現される。さらに、一部のディスプレイ装置は、エンリッチコンテンツをサポートすることができない。これらの場合、ここで論議されるように、オーディオ及びビデオアセットのような一部のアセットをデフォルトアセットとして定義及び設定することにより、ディスプレイ装置は、エンリッチコンテンツを無視する一方で、継続してデフォルトオーディオ及びビデオを再生できる。
【0033】
所定の実施形態において、MPUは、複数のMPUのうちいずれか一つであり、それによってMPUの各アセットのシーケンスがアセットタイムライン上にあり得る 。例えば、第1のMMTシステム150は第1のMPUを送信し、第2のMMTシステム150は第2のMPUを送信できる。第1のMMTシステム150は、第1のMPUの特定アセットに対して、アセット時間に従って第1の位置を割り当て、第2のMMTシステム150は、第2のMPUの特定アセットに対して、アセット時間に従って第2の位置を割り当てる。第1のMPUの特定アセットのコンテンツは、第2のMPUの特定アセットのコンテンツと重複しない。2個のMPUのアセットに第1の位置及び第2の位置を割り当てることにより、アセットは、ディスプレイ装置によりこれらの意図した順序又は位置に従って表現ディスプレイタイムライン上に表示され得る。所定の実施形態において、一つのMMTシステム150は、複数のMPUを送信し、アセットタイムラインでそれぞれのMPUのアセットに異なる位置を割り当てることができる。
【0034】
図3は、本発明による簡略化されたMPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のためのディスプレイ装置300を示すブロック構成図である。ディスプレイ装置300の実施形態は、例示のみのためのものである。他の実施形態を、本発明の範囲から逸脱することなく使用できる。
【0035】
ディスプレイ装置300は、本発明の多様な実施形態を実現する無線通信システムで実現できる。ディスプレイ装置300は、例えば図1の無線システム100のような無線通信システムの通信ポイントに配置される。所定の実施形態において、ディスプレイ装置300は、移動局、加入局、タブレット、コンピュータ端末、テレビのようなUEである。一つの実施形態では、ディスプレイ装置300は、図1のUE116である。ディスプレイ装置300は、送信(TX)アンテナ305、送信(TX)処理回路310、受信(RX)アンテナ315、受信(RX)処理回路320、制御器325、及びディスプレイ301を含む。
【0036】
送信器のようなTX処理回路310は、表現コンテンツに対するMPEGメディアトランスポート(MMT)パッケージ処理ユニット(MPU)を要請する第1のMMTシステム150又は第2のMMTシステム150のうち少なくとも一つに信号を送信する。TX処理回路310は、TXアンテナ305の異なるアンテナ及びTXアンテナ305でアンテナの異なるポートへの階層マッピングを通じて空間多重化を実行できる。
【0037】
受信器のようなRX処理回路320は、第1のMMTシステム150又は第2のMMTシステム150のうち少なくとも一つにより伝送される表現コンテンツに対する入力MPUをRXアンテナ315から受信する。RX処理回路320は、受信された信号を処理して送信ポイントにより伝送される情報を識別する。
【0038】
制御器325は、プロセッサ、マルチプロセシングシステム、又は処理回路を含み、ディスプレイ装置300の全般的な動作を制御するように構成される。このような動作で、制御器325は、よく知られている原理に従ってRX処理回路320及びTX処理回路310によりチャンネル信号の受信及び送信を制御する。制御器325は、ディスプレイ301がMMTシステム150から送信されるMPUから表現コンテンツを表示するように制御する。
【0039】
MMTはIP環境及び非IP環境でのマルチメディア配信のための規格である。MMTは、一般的に、カプセル化、配信、シグナリング、及びコンポジションを含む4つの機能を有する。この4つの機能のうち、コンポジションの目的は、MMTコンテンツ消費のために要求される情報を提供することである。コンポジションは、HTML5及び一部のツールとの空間関係、時間関係、及びイベントベース関係を提供する。しかしながら、単純A/V MMTコンテンツに対して、コンポジションが必要でないことがある。
【0040】
MMTは、すべてのメディアタイプ及びコーデック(codec)のトランスポートをサポートする包括的なメディアストリーミングソリューションを提供する。MMTは、メディアタイプ又はコーディングフォーマットと関係なく制限されたペイロードタイプの集合をサポートし、異なるマルチメディア配信サービスに対する必要に相応する情報も提供するように設計されるトランスポートプロトコル(MMTP)を定義する。
【0041】
MMTPは、ストリーミング及びダウンロードモードをサポートし、ストリーミングモードは、ISOベースメディアファイルフォーマットファイルのパケット化されたストリーミングに対して最適化される(MPUモード)。ダウンロードモードは、一般ファイルのフレキシブル配信を許可する(GFDモード)。さらに、MMTPは、順方向誤り訂正(FEC)復旧データ及びシグナリングメッセージのようなストリーミングサポートデータを配信する。
【0042】
メディアコンテンツ及び関連メタデータの収集は、MMTパッケージを構築する。MMTパッケージは、一つ以上の送信エンティティからクライアントへ配信される。一つのオーディオ又はビデオコンテンツのようなMMTパッケージの各メディアコンポーネントは、MMTアセットを構成する。アセットは、実際の物理的位置とは関係ない識別子に関連付けられるか、または、そのアセットを提供するサービスプロバイダに関連付けられる。識別子により、アセットをグローバルユニークに識別できる。MMTは、特定識別メカニズムを特定しないが、このような目的のためにURI又はUUIDの使用を許可する。各々のアセットは、自身のタイムラインを有する。例えば、各々のアセットは、MMTパッケージにより生成された全体表現とは異なる長さを有しうる。
【0043】
配信目的のために、アセットは、特定符号化で符号化される。符号化は、(広告挿入の収容のような)表現目的のために、その後、MPUと呼ばれる複数のピース(piece)に分割され得る。それぞれのMPUは、クライアントの表現エンジンにより独立に消費されるアセットの一つの符号化を構成する。例えば、MPUは、ISOベースメディアファイルフォーマット(ISO-BMFF)ファイルとしてフォーマットされる。アセットの同一の符号化のMPUは、時間で重複されない。例えば、一つのアセットの同一の符号化の連続する2個のMPUは、同一のメディアサンプルを含まない。
【0044】
図4は、本発明によるMMTパッケージ、アセット、符号化、及びMPU間の例示的関係を示す。図4に示すMMT関係に対する実施形態は、単に例示のためのものである。他の実施形態は、本発明の範囲から逸脱することなく使用することができる。
【0045】
MMTにおいて、一つ以上のMPUからのデータは、MMTPを用いるクライアントにストリーミングされる。ユニキャストで、外部セッション制御プロトコルを使用するクライアントによりストリーミングセッションが開始される。マルチキャスト/ブロードキャストにおいて、クライアントは、MMTシグナリング又は外部シグナリングを用いて進行中のストリーミングセッションを探索する。外部表現ディスクリプションファイルの不在時に、クライアントは、クライアントでメディア処理を適切に設定するためにサービスのデフォルトオーディオ及びビデオコンポーネントを記述するMMTシグナリングを使用する。この場合、デフォルトオーディオ及びビデオコンポーネントは、オーディオ/ビデオ同期化を可能にするためにアセットタイムラインに対して同一の時間基準(原点)を使用する。送信エンティティにかけた時間同期化を通じて、メディアコンテンツプロバイダは、受信エンティティが複数のアセットのMPUからメディアデータの同期化表現を維持するように保証できる。表現タイムラインは、MMTパッケージのMPUに対する表現を左右する。
【0046】
所定の実施形態において、アセットタイムラインでMPUの位置を提供するデータは、MPUとともに提供される。定義は、次のように提供される。
【0047】
ボックスタイプ:‘mmpu’
コンテナ:File
強制(Mandatory):Yes
量(Quantity):一つ以上
MMT処理ユニット(‘mmpu’)ボックスは、現在のMPUが属するアセット識別子及びアセットタイムラインでの現在のMPUの位置、現在のMPUに関する他の情報を提供する。アセット識別子は、グローバルユニークなアセットの識別を提供する。MPU情報は、該当アセットにMPUのシーケンス番号を含む。MPUとともにトランスポート特性情報を格納するようにMMT処理ユニットが要求される場合、MMPUは、ファイルレベルで‘メタ(meta)’ボックスに格納される。
【0048】
上記した実施形態に対する構文(syntax)の例示は、次のように提供される。
【0049】
上記の構文例を参照して、フィールド“is_complete”は、MPUがMFU構成により記述されたすべてのメディアフラグメントユニット(MFU)を有するか否かを示す。フィールド“mpu_sequence_number”は、現在MPUのシーケンス番号を示す。例えば、アセットの第1のMPUは‘0’であるmpu_sequence_numberを有する。各々の後続MPUは‘1’ずつ増加するmpu_sequence_numberを持ち、それによって第2のMPUは‘1’であるmpu_sequence_numberを有し、第3のMPUは‘2’であるmpu_sequence_numberを有する。フィールド“position_in_asset_presentation_time”は、一つのアセットの同一の符号化のすべての(現在のMPUより小さいシーケンス番号を有する)以前MPUの表現時間の和に等しい整数を示す。フィールド“position_ID_scheme”は、asset_id_valueで使用されるアセットIDのスキーム(scheme)を識別する。複数のスキームは、コンテンツの識別を表現するために使用できる。例えば、scheme-length-valueは、コンテンツの識別を表現するために使用され得る。コンテンツの識別を表現するためにscheme-length-valueを使用する場合、新たな識別スキームは必要でないことがある。有効なスキームが、次の<表1>に記載される。
【0050】
【表1】
上記の実施形態に対する構文例は、次のように提供される。
【0051】
asset_ID_length:asset_id_valueの長さ
asset_ID_value:アセットに対する識別子を包含。このフィールドの値のフォーマットは、asset_id_schemeフィールドの値に特有である。
【0052】
所定の実施形態において、基本的な線形テレビサービスのように、制限された集合のメディアアセットを提供する基本MMTパッケージの消費を可能にするために、MMT受信器は、デフォルトオーディオ/ビデオ(及び一部の実施形態でテキスト)アセットを識別する。MMT受信器は、同期再生のためにそのタイムラインを整列する。デフォルトアセットは、MPTテーブル内で適切にマーキングされ、マーキングされたデフォルトアセットは、同一の時間原点を持つアセットタイムラインを有する。さらに、マーキングされたデフォルトアセットのそれぞれのMPUは、“mmpu”ボックスのアセットタイムライン上に自分の位置を搬送し、デフォルトアセットフラグが‘真(true)’又は“1”に設定される。
【0053】
完全なMPTは、すべてのアセットのリストを含むパッケージに関連した情報を有する。サブセットMPTは、完全なMPTの情報のうち一部を有する。MPTサブセット-0は、パケット消費に使用される最小情報を有する。MPTの例示構文は、以下の<表2>に提供される。
【0054】
【表2】
<表2>の構文例を通じて上記したフィールドにおいて、フィールド“table_id”は、MPTのIDを示す。完全なMPT及び各々のサブセットMPTは、異なるテーブル識別子を使用する。MPTのサブセット番号は“table_id”フィールドにより暗黙的に表現される。“table_id”フィールド値が隣接して割り当てられるので、MPTサブセット番号は“table_id”から推定される。例えば、MPTサブセット番号は、“table_id”フィールドの値及び基本MPTの“talbe_id”フィールドの差に等しい。MPTサブセット番号は、現在MPTのサブセット番号である。番号“0”は、基本MPTを示し、番号“1”乃至“14”は、MPTの異なるサブセットを示す。番号“15”は、完全なMPTを示す。
【0055】
フィールド“version”は、MPTのバージョンを示す。フィールド“table_id”が(“15”の値を表すように)完全なMPTを示す場合、フィールド“MPT_mode”が1に等しい値を有する場合のようにサブセット-0MPTが“table_id”フィールドと同一のバージョン値を有する場合、より低いサブセット番号を有するすべてのMPTサブセットがフィールド“MPT_mode”が0に等しい値を有する場合のように“table_id”フィールドと同一のバージョン値を有する場合、又はフィールド“MPT_mode”が2に等しい値を有する場合のようにMPTサブセットの処理が独立的である場合、MPTのより新たなバージョンが受信されるとすぐに、MPTのより新たなバージョンがMPTの旧バージョンに優先する。
【0056】
サブセット-0MPTがより新たなバージョンを有する場合、MMT受信ユニット内に予め格納された最大14までのより高いサブセット値を有するすべてのMPTサブセットは、フィールド“MPT_mode”が独立的なモードにある場合を除けば、期限が経過したように扱われる。MPTサブセット値が0に相当せずに、フィールド“MPT_mode”が1に等しい値を有する場合、MMT受信エンティティ内に格納されるサブセット0MPTと異なるバージョンを有するMPTサブセットのコンテンツは無視される。また、MPTサブセット値が0に相当せず、フィールド“MPT_mode”が0に等しい値を有する場合、MMT受信エンティティに格納されるより低いサブセットMPTサブセットと異なるバージョンを有するMPTサブセットのコンテンツは無視される。一実施形態において、バージョン変更は、モジュロ-256により増加する。
【0057】
フィールド“length”は、MPTの長さをバイト単位で示す。“length”フィールドは、次のフィールドの開始からMPTテーブルの最後バイトまでカウントする。値0は、フィールド“length”には全く使用されない。
【0058】
フィールド“MPT_mode”は、MPTサブセットメカニズムが使用される場合にMPTサブセット処理のモードを示す。順次的順序の処理モード及びMPTの0でないサブセット値を有する場合、MMT受信ユニットは、現在のMPTサブセットが処理される以前に現在受信されたMPTサブセットと同一のバージョンを有するより低いサブセット値を有するすべてのMPTサブセットを受信する。例えば、MMT受信ユニットは、同一のバージョンのサブセット-2MPTをまだ受信しない場合、サブセット-3MPTを処理できない。順序に関係ない処理モード及び非ゼロ値として設定される現在MPTのサブセット値を有する場合、MMT受信ユニットは、MMT受信ユニットに格納されているサブセット-0MPTが現在のMPTサブセットと同一のバージョンを有する限り、現在のMPTサブセットを受信した後又は受信に応答して、現在のMPTサブセットを処理する。
【0059】
独立的な処理モードにおいて、それぞれのMPTサブセットのバージョンは、個別的に管理される。このモードで、MPT構成要素は、それぞれのMPTサブセットが複数のMMT受信ユニットのうち少なくとも一つにより配信するように分割される。MPTサブセットの独立的なモードが多チャンネルの設置に使用される。例えば、サブセット-0MPTからサブセットNのMPTまでのMPTサブセットは、チャンネル0からチャンネルNまでの論理チャンネルとして割り当てられる。メディア制御インターフェース(MCI)メッセージがMCITサブセット及び関連MPTサブセットを両方とも搬送する場合、MCITのコンポジション情報モード(CI_mode)及びMPTのMPT_modeは、同一の値を有する。異なるMPTモードに対する値の一例は、次の<表3>に記載される。
【0060】
【表3】

フィールド“MMT_package_id”はグローバルユニークなパッケージの識別子である。フィールド“MMT_package_id”は、UTF-8文字(character)符号化を使用する。フィールド“MMT_package_id_length”は、MMT_package_id文字列のバイト長さである。フィールド“MMT_package_id_length”は、終端ヌル(terminating null)文字を排除する。フィールド“MMT_package_id_byte”は、MMT_package_id文字列(string)のバイトである。フィールド“MMT_package_id_byte”は、文字列中に終端ヌル文字を含まない。フィールド“MPT_descriptors”は、MPTに対するディスクリプタを提供する。フィールド“MPT_descriptors_length”は、ディスクリプタ構文ループの長さを識別する。ディスクリプタ構文ループの識別長さは、次のフィールドからディスクリプタ構文ループの最後までカウントされる。いくつかのディスクリプタは、構文ループに挿入され得る。例えば、構文ループは、追加パッケージ情報URLディスクリプタを含むことができる。追加パッケージ情報URLディスクリプタは、パッケージに対するパッケージ情報WebページのURLを示す。
【0061】
フィールド“MPT_descriptors_byte”は、ディスクリプタループで1バイトである。フィールド“number_of_assets”は、特定MPTにより情報が提供されるアセットの個数を示す。フィールド“asset_id”は、アセット識別子を示す。フィールド“asset_id”は、CIのAI要素の識別属性のうちいずれか一つに等しい終端ヌル文字なしのASCII文字列である。フィールド“asset_id_length”は、“asset_id”フィールドのバイト長さを示す。フィールド“asset_id_byte”は“asset_id”フィールドのバイトである。フィールド“mime_type”は、MIMEアセットのタイプを示す。フィールド“default_asset_flag”は、“default_asset_flag”フィールドが0に等しい値を有する場合、アセットがMMTパッケージのデフォルトアセットに属することを示す。フィールド“MPU_sequence_number”は、MPUのシーケンス番号である。MPU_sequence_numberフィールド値は、“presentation_time”フィールドにより示される時間でMCIに提供される。“presentation_time”フィールドは、“default_asset_flag”フィールドで1に等しい値を有するアセットの“MPU_sequence_number”フィールド値と同一のシーケンス値を有するMPUの第1のメディアサンプルの表現時間である。
【0062】
“packet_id”フィールドは、MMTPパケットヘッダーのGFDセッションの識別子を含む。フィールド“asset_clock_relation_flag”は、アセットがクロック基準としてNTP(Network Time Protocol)クロックを使用するか、あるいは他のクロックシステムを使用するかを示す。“asset_clock_relation_flag”の値が1に等しい場合、“asset_clock_relation_id”フィールドは、アセット送信に含まれる。“asset_clock_relation_flag”の値が0等しい場合、NTPクロックはアセットに使用される。フィールド“asset_clock_relation_id”は、アセットに対するクロック関係を識別する。“asset_clock_relation_id”フィールドは、アセットのCRI_descriptor()により配信されるクロック関係を参照する。“asset_clock_relation_id”フィールド値は、CRIディスクリプタにより提供されるclock_relation_id値のうちいずれか一つである。
【0063】
フィールド“asset_timescale_flag”は、“asset_timescale”フィールド情報が提供されるか否かを示す。“asset_timescale_flag”フィールドが1に等しい値を有する場合、“ asset_timescale”フィールドが含まれる。“asset_timescale _flag”フィールドが0に等しい値を有する場合、“asset_timescale”フィールドは90,000(90kHz)である。“location_count”は、アセットの位置情報の個数を示す。“location_count”フィールドが1に等しい値を有する場合、アセットは、一つの位置を通じて配信される。“location_count”フィールドが1以外の値を有する場合、アセットは、複数のチャンネル又は位置を通じて配信される。所定の実施形態において、アセットを様々なチャンネル又は位置を通じて配信することは、アセットの個別MPUが複数のチャンネル又は位置を通じて配信されるバルク(bulk)配信と称する。一つのアセットが複数のチャンネル又は位置を通じて配信される場合、MMT受信エンティティは、すべてのチャンネル又は位置からアセットのすべてのMPUを受信する。
【0064】
フィールド“asset_timescale”は、アセットに使用されるすべてのタイムスタンプに対するタイムユニットの情報を示す。フィールド“asset_timescale”は、秒当たりユニットの個数で表現される。フィールド“MMT_general_location_info_for_asset_location”は、アセットの位置情報を示す。アセットに対する一般的な位置基準情報は、8.3.13.2により定義できる。アセット位置を識別するための“location_type”フィールド値は、‘0x00’と‘0x06’との間にある。フィールド“asset_descriptors_length”は、次のフィールドの開始からアセットディスクリプタの構文ループの最後までカウントされるバイト数を識別する。フィールド“asset_descriptors_byte”はアセットディスクリプタのバイトである。
【0065】
所定の実施形態において、完全なMPTは、パッケージ及びすべてのアセットのリストと関連した情報を含む。サブセットMPTは、完全なMPTの情報の一部を有する。MPTサブセット-0は、パッケージ消費に使用される最小情報を有する。MPTの例示的構文は、以下の<表4>に提供される。
【0066】
【表4】

<表4>の構文例を通じて上記したフィールドにおいて、フィールド“table_id”は、MPTのIDを示す。完全なMPT及び各々のサブセットMPTは、異なるテーブル識別子を使用する。MPTのサブセット番号は“table_id”フィールドにより暗黙的に表現される。“table_id”フィールド値が隣接して割り当てられるので、MPTサブセット番号は“table_id”から推定される。例えば、MPTサブセット番号は、“table_id”フィールドの値及び基本MPTの“talbe_id”フィールドの差に等しい。MPTサブセット番号は、現在MPTのサブセット番号である。番号“0”は、基本MPTを示し、番号“1”乃至“14”は、MPTの異なるサブセットを示す。番号“15”は、完全なMPTを示す。
【0067】
フィールド“version”は、MPTのバージョンを示す。フィールド“table_id”が(“15”の値を表すように)完全なMPTを示す場合、フィールド“MPT_mode”が1に等しい値を有する場合のようにサブセット-0MPTが“table_id”フィールドと同一のバージョン値を有する場合、より低いサブセット番号を有するすべてのMPTサブセットがフィールド“MPT_mode”が0に等しい値を有する場合のように“table_id”フィールドと同一のバージョン値を有する場合、又はフィールド“MPT_mode”が2に等しい値を有する場合のようにMPTサブセットの処理が独立的である場合、MPTのより新たなバージョンが受信されるとすぐに、MPTのより新たなバージョンがMPTの旧バージョンに優先する。
【0068】
サブセット-0MPTがより新たなバージョンを有する場合、MMT受信ユニット内に予め格納された最大14までのより高いサブセット値を有するすべてのMPTサブセットは、フィールド“MPT_mode”が独立的なモードにある場合を除けば、期限が経過したように扱われる。MPTサブセット値が0に相当せずに、フィールド“MPT_mode”が1に等しい値を有する場合、MMT受信エンティティ内に格納されるサブセット-0MPTと異なるバージョンを有するMPTサブセットのコンテンツは無視される。また、MPTサブセット値が0に相当せず、フィールド“MPT_mode”が0に等しい値を有する場合、MMT受信エンティティに格納されるより低いサブセットMPTサブセットと異なるバージョンを有するMPTサブセットのコンテンツは無視される。一実施形態において、バージョン変更は、モジュロ-256により増加する。
【0069】
フィールド“length”は、MPTの長さをバイト単位で示す。“length”フィールドは、次のフィールドの開始からMPTテーブルの最後バイトまでカウントする。値0は、フィールド“length”には全く使用されない。
【0070】
フィールド“MPT_mode”は、MPTサブセットメカニズムが使用される場合にMPTサブセット処理のモードを示す。順次的順序の処理モード及びMPTの0でないサブセット値を有する場合、MMT受信ユニットは、現在のMPTサブセットが処理される以前に現在受信されたMPTサブセットと同一のバージョンを有するより低いサブセット値を有するすべてのMPTサブセットを受信する。例えば、MMT受信ユニットは、同一のバージョンのサブセット-2MPTをまだ受信しない場合、サブセット-3MPTを処理できない。順序に関係ない処理モード及び非ゼロ値として設定される現在MPTのサブセット値を有する場合、MMT受信ユニットは、MMT受信ユニットに格納されているサブセット-0MPTが現在のMPTサブセットと同一のバージョンを有する限り、現在のMPTサブセットを受信した後又は受信に応答して、現在のMPTサブセットを処理する。
【0071】
独立的な処理モードにおいて、それぞれのMPTサブセットのバージョンは、個別的に管理される。このモードで、MPT構成要素は、それぞれのMPTサブセットが複数のMMT受信ユニットのうち少なくとも一つにより配信するように分割される。MPTサブセットの独立的なモードが多チャンネルの設置に使用される。例えば、サブセット-0MPTからサブセットNのMPTまでのMPTサブセットは、チャンネル0からチャンネルNまでの論理チャンネルとして割り当てられる。メディア制御インターフェース(MCI)メッセージがMCITサブセット及び関連MPTサブセット両方ともを搬送する場合、MCITのCI_mode及びMPTのMPT_modeは、同一の値を有する。異なるMPTモードに対する値の一例は、次の<表5>に記載される。
【0072】
【表5】
フィールド“MMT_package_id”はグローバルユニークなパッケージの識別子である。フィールド“MMT_package_id”は、UTF-8文字(character)符号化を使用する。フィールド“MMT_package_id_length”は、MMT_package_id文字列のバイト長さである。フィールド“MMT_package_id_length”は、終端ヌル文字を排除する。フィールド“MMT_package_id_byte”は、MMT_package_id文字列のバイトである。フィールド“MMT_package_id_byte”は、文字列中に終端ヌル文字を含まない。フィールド“MPT_descriptors”は、MPTに対するディスクリプタを提供する。フィールド“MPT_descriptors_length”は、ディスクリプタ構文ループの長さを識別する。ディスクリプタ構文ループの識別長さは、次のフィールドからディスクリプタ構文ループの最後までカウントされる。いくつかのディスクリプタは、構文ループ中に挿入され得る。例えば、構文ループは、追加パッケージ情報URLディスクリプタを含むことができる。追加パッケージ情報URLディスクリプタは、パッケージに対するパッケージ情報WebページのURLを示す。
【0073】
フィールド“MPT_descriptors_byte”は、ディスクリプタループで1バイトである。フィールド“number_of_assets”は、特定MPTにより情報が提供されるアセットの個数を示す。フィールド“asset_id”は、アセット識別子を示す。フィールド“asset_id”は、CIのAI要素の識別属性のうちいずれか一つに等しい終端ヌル文字なしのASCII文字列である。フィールド“asset_id_length”は、“asset_id”フィールドのバイト長さを示す。フィールド“asset_id_byte”は“asset_id”フィールドの一つのバイトである。フィールド“mime_type”は、MIMEアセットのタイプを示す。フィールド“default_asset_flag”は、“default_asset_flag”フィールドが0に等しい値を有する場合、アセットがMMTパッケージのデフォルトアセットに属することを示す。フィールド“MPU_info_count”は、表現情報が提供される現在アセットのMPUの個数を示す。
【0074】
フィールド“MPU_sequence_number”は、MPUのシーケンス番号である。MPU_sequence_numberフィールド値は、“presentation_time”フィールドにより示される時間でMCIに提供される。“presentation_time”フィールドは、“default_asset_flag”フィールドで1に等しい値を有するアセットの“MPU_sequence_number”フィールド値と同一のシーケンス値を有するMPUの第1のメディアサンプルの表現時間である。
【0075】
“packet_id”フィールドは、MMTPパケットヘッダーのGFDセッションの識別子を含む。フィールド“asset_clock_relation_flag”は、アセットがクロック基準としてNTPクロックを使用するか、あるいは他のクロックシステムを使用するかを示す。“asset_clock_relation_flag”の値が1に等しい場合、“asset_clock_relation_id”フィールドは、アセット送信に含まれる。“asset_clock_relation_flag”の値が0等しい場合、NTPクロックはアセットに使用される。フィールド“asset_clock_relation_id”は、アセットに対するクロック関係を識別する。“asset_clock_relation_id”フィールドは、アセットのCRI_descriptor()により配信されるクロック関係を参照する。“asset_clock_relation_id”フィールド値は、CRIディスクリプタにより提供されるclock_relation_id値のうちいずれか一つである(sub−clause8.3.13.1を参照)。
【0076】
フィールド“asset_timescale_flag”は、“asset_timescale”フィールド情報が提供されるか否かを示す。“asset_timescale_flag”フィールドが1に等しい値を有する場合、“ asset_timescale”フィールドが含まれる。“asset_timescale _flag”フィールドが0に等しい値を有する場合、“asset_timescale”フィールドは90,000(90kHz)である。“location_count”は、アセットの位置情報の個数を示す。“location_count”フィールドが1に等しい値を有する場合、アセットは、一つの位置を通じて配信される。“location_count”フィールドが1以外の値を有する場合、アセットは、複数のチャンネル又は位置を通じて配信される。所定の実施形態において、アセットを様々なチャンネル又は位置を通じて配信することは、アセットの個別MPUが複数のチャンネル又は位置を通じて配信されるバルク(bulk)配信と称する。一つのアセットが複数のチャンネル又は位置を通じて配信される場合、MMT受信エンティティは、すべてのチャンネル又は位置からアセットのすべてのMPUを受信する。
【0077】
フィールド“asset_timescale”は、アセットに使用されるすべてのタイムスタンプに対するタイムユニットの情報を示す。フィールド“asset_timescale”は、秒当たりユニットの個数で表現される。フィールド“MMT_general_location_info_for_asset_location”は、アセットの位置情報を示す。アセットに対する一般的な位置基準情報は、8.3.12.2により定義できる。アセット位置を識別するための“location_type”フィールド値は、‘0x00’と‘0x06’との間にある。フィールド“asset_descriptors_length”は、次のフィールドの開始からアセットディスクリプタの構文ループの最後までカウントされるバイト数を識別する。フィールド“asset_descriptors_byte”はアセットディスクリプタのバイトである。
【0078】
一実施形態において、表現時間は、MPUヘッダーに含まれる。図5は、本発明によるMMTペイロードヘッダーの構成の一例を示す。MFUを搬送するペイロードにおいて、“T”フラグの値に従って追加情報が提供される。図6は、本発明による時限的メディアMFUヘッダーの構成の一例を示し、図7は、本発明による非時限的メディアMFUヘッダーの構成の一例を示す。
【0079】
フィールド“MPU fragment type”は、フラグメントタイプを示し、以下に示す<表6>から値を取る。
【0080】
【表6】
フィールド“timed flag”は、フラグメントが時限値を搬送するMPUからのものであるか否かを示す1ビットフィールドである。“timed flag”フィールド値が0に等しい場合、MPUは、時限的メディアを搬送する。“time flag”フィールド値が1に等しい場合、MPUは、非時限的メディアを搬送する。フィールド“f_i”は、フラグメンテーションインジケータがペイロードのデータユニットの分割に関する情報を含むか否かを示す2ビットフィールドである。<表7>は、以下に4個の例示的“f_i”フィールド値を示す。
【0081】
【表7】
フラグは、MMTペイロードで搬送される多様な情報の存在を表すために使用される。これらのフラグは、MMTペイロード内で同時に設定され得る。フィールド“aggregation_flag”は、2個以上のデータユニットがペイロードに存在する場合を示す1ビットフィールドである。例えば、“aggregation_flag”フィールドが1に等しい値を有する場合、“aggregation_flag”フィールドは、2個以上のデータユニットがペイロードに存在することにより、複数のデータユニットが集積(aggregated)されることを示す。“fragment_counter”フィールドは、現在のMMTペイロードが続く同一のデータユニットのフラグメントを含むペイロードの個数を特定する8ビットフィールドである。“fragment_counter”フィールドは、“aggregation_flag”フィールドが1に相当する値を有する場合、0に等しい値を有する。
【0082】
フィールド“DU_length”は、このフィールドに後続するデータの長さを表す16ビットフィールドである。“aggreator_length”フィールドが0に等しい値を有する場合、“DU_length”フィールドは提供されない。しかしながら、“aggregator_length”フィールドが1に等しい値を有する場合、“DU_length”フィールドは、ペイロードに集積されるデータユニットの個数と同じ回数だけペイロードに現れる。“DU_length”フィールドは、各々の集積されるデータユニットに先行する。フィールド“DU_Header”は、データユニットのヘッダーである。“DU_header”フィールドは、FTフィールドに左右される。ヘッダーは、Tフラグにより識別される時限的及び非時限的メディアに対して異なるセマンティクス(semantics)を有し、MFUフラグメントタイプのみに対して定義される。
【0083】
フィールド“MPU_sequence_number”は、このMPUフラグメントが属するMPUのシーケンス番号を示す32ビットフィールドである。フィールド“movie_fragment_sequence_number”は、このMFUのメディアデータが属するムービフラグメントのシーケンス番号を示す32ビットフィールドである。フィールド“sample_number”は、MFUのメディアデータが属するサンプルのサンプル番号を示す32ビットである。
【0084】
フィールド“Offset”は、参照するサンプル内でMFUのメディアデータを相殺する16ビットフィールドである。“subsample_priority”フィールドは、同一のMPUにより搬送する他のメディアデータと比較する場合、このMFUにより搬送するメディアデータの優先順位を示す8ビットフィールドである。“subsample_priority”フィールド値は、0と255との間にあり、より高い値がより高い優先順位を表す。フィールド“dependency_counter”は、MFU内のメディアデータに対する自分のメディア処理に左右されるデータユニットの個数を示す8ビットフィールドである。フィールド“Item_ID”は、、MFUの一部として搬送されるアイテムを識別する32ビットフィールドである。
【0085】
フィールド“presentation_timestamp”は、MPU内の最初のメディアサンプルの表現タイムスタンプを提供する64ビットフィールドである。タイムスタンプは、UTCタイムを表すNTPタイムスタンプとして提供される。存在時に、表現階層により提供される表現情報がこの情報に優先する。FTタイプ1に対して、いかなる追加的DUヘッダーも使用可能でない。RAPフラグは、時限的メディアである場合、そして非時限的MPUの一順位アイテムに対して、0及び1の値を有するFTのデータユニットだけでなく同期サンプル又はそのフラグメントを含むMFUに対してもマーキングするように設定される。
【0086】
所定の実施形態では、表現時間は、ディスクリプタを用いて識別される。ディスクリプタで表現時間を識別することにより、表現時間の追加は自動的に制御できる。“自動的”とは、人の介入及び他のエンティティの介入がないと定義される。MPTの例示的構文は、以下の<表8>に提供される。
【0087】
【表8】
<表8>の構文例を通じて上記したフィールドにおいて、フィールド“table_id”は、MPTのIDを示す。完全なMPT及び各々のサブセットMPTは、異なるテーブル識別子を使用する。MPTのサブセット番号は“table_id”フィールドにより暗黙的に表現される。“table_id”フィールド値が隣接して割り当てられるので、MPTサブセット番号は“table_id”から推定される。例えば、MPTサブセット番号は、“table_id”フィールドの値及び基本MPTの“talbe_id”フィールドの差に等しい。MPTサブセット番号は、現在MPTのサブセット番号である。番号“0”は、基本MPTを示し、番号“1”乃至“14”は、MPTの異なるサブセットを示す。番号“15”は、完全なMPTを示す。
【0088】
フィールド“version”は、MPTのバージョンを示す。フィールド“table_id”が(“15”の値を表すように)完全なMPTを示す場合、フィールド“MPT_mode”が1に等しい値を有する場合のようにサブセット-0MPTが“table_id”フィールドと同一のバージョン値を有する場合、より低いサブセット番号を有するすべてのMPTサブセットがフィールド“MPT_mode”が0に等しい値を有する場合のように“table_id”フィールドと同一のバージョン値を有する場合、又はフィールド“MPT_mode”が2に等しい値を有する場合のようにMPTサブセットの処理が独立的である場合、MPTのより新たなバージョンが受信されるとすぐに、MPTのより新たなバージョンがMPTの旧バージョンに優先する。
【0089】
サブセット-0MPTがより新たなバージョンを有する場合、MMT受信ユニット内に予め格納された最大14までのより高いサブセット値を有するすべてのMPTサブセットは、フィールド“MPT_mode”が独立的なモードにある場合を除けば、期限が経過したように扱われる。MPTサブセット値が0に相当せずに、フィールド“MPT_mode”が1に等しい値を有する場合、MMT受信エンティティ内に格納されるサブセット-0MPTと異なるバージョンを有するMPTサブセットのコンテンツは無視される。また、MPTサブセット値が0に相当せず、フィールド“MPT_mode”が0に等しい値を有する場合、MMT受信エンティティに格納されるより低いサブセットMPTサブセットと異なるバージョンを有するMPTサブセットのコンテンツは無視される。一実施形態において、バージョン変更は、モジュロ-256により増加する。
【0090】
フィールド“length”は、MPTの長さをバイト単位で示す。“length”フィールドは、次のフィールドの開始からMPTテーブルの最後バイトまでカウントする。値0は、フィールド“length”には全く使用されない。
【0091】
フィールド“MPT_mode”は、MPTサブセットメカニズムが使用される場合にMPTサブセット処理のモードを示す。順次的順序の処理モード及びMPTの0でないサブセット値を有する場合、MMT受信ユニットは、現在のMPTサブセットが処理される以前に現在受信されたMPTサブセットと同一のバージョンを有するより低いサブセット値を有するすべてのMPTサブセットを受信する。例えば、MMT受信ユニットは、同一のバージョンのサブセット-2MPTをまだ受信しない場合、サブセット-3MPTを処理できない。順序に関係ない処理モード及び非ゼロ値として設定される現在MPTのサブセット値を有する場合、MMT受信ユニットは、MMT受信ユニットに格納されているサブセット-0MPTが現在のMPTサブセットと同一のバージョンを有する限り、現在のMPTサブセットを受信した後又は受信に応答して、現在のMPTサブセットを処理する。
【0092】
独立的な処理モードにおいて、それぞれのMPTサブセットのバージョンは、個別的に管理される。このモードで、MPT構成要素は、それぞれのMPTサブセットが複数のMMT受信ユニットのうち少なくとも一つにより配信するように分割される。MPTサブセットの独立的なモードが多チャンネルの設置に使用される。例えば、サブセット-0MPTからサブセットNのMPTまでのMPTサブセットは、チャンネル0からチャンネルNまでの論理チャンネルとして割り当てられる。メディア制御インターフェース(MCI)メッセージがMCITサブセット及び関連MPTサブセット両方ともを搬送する場合、MCITのコンポジション情報モード(CI_mode)及びMPTのMPT_modeは、同一の値を有する。異なるMPTモードに対する値の一例は、次の<表9>に記載される。
【0093】
【表9】
フィールド“MMT_package_id”はグローバルユニークなパッケージの識別子である。フィールド“MMT_package_id”は、UTF-8文字(character)符号化を使用する。フィールド“MMT_package_id_length”は、MMT_package_id文字列のバイト長さである。フィールド“MMT_package_id_length”は、終端ヌル(terminating null)文字を排除する。フィールド“MMT_package_id_byte”は、MMT_package_id文字列のバイトである。フィールド“MMT_package_id_byte”は、文字列中に終端ヌル文字を含まない。フィールド“MPT_descriptors”は、MPTに対するディスクリプタを提供する。フィールド“MPT_descriptors_length”は、ディスクリプタ構文ループの長さを識別する。ディスクリプタ構文ループの識別長さは、次のフィールドからディスクリプタ構文ループの最後までカウントされる。いくつかのディスクリプタは、構文ループ中に挿入され得る。例えば、構文ループは、追加パッケージ情報URLディスクリプタを含むことができる。追加パッケージ情報URLディスクリプタは、パッケージに対するパッケージ情報WebページのURLを示す。
【0094】
フィールド“MPT_descriptors_byte”は、ディスクリプタループで1バイトである。フィールド“number_of_assets”は、特定MPTにより情報が提供されるアセットの個数を示す。フィールド“asset_id”は、アセット識別子を示す。フィールド“asset_id”は、CIのAI要素の識別属性のうちいずれか一つに等しい終端ヌル文字なしのASCII文字列である。フィールド“asset_id_length”は、“asset_id”フィールドのバイト長さを示す。フィールド“asset_id_byte”は“asset_id”フィールドの一つのバイトである。フィールド“mime_type”は、MIMEアセットのタイプを示す。フィールド“default_asset_flag”は、“default_asset_flag”フィールドが0に等しい値を有する場合、アセットがMMTパッケージのデフォルトアセットに属することを示す。フィールド“MPU_info_count”は、表現情報が提供される現在アセットのMPUの個数を示す。
【0095】
フィールド“MPU_sequence_number”は、MPUのシーケンス番号である。MPU_sequence_numberフィールド値は、“presentation_time”フィールドにより示される時間でMCIに提供される。“presentation_time”フィールドは、“default_asset_flag”フィールドで1に等しい値を有するアセットの“MPU_sequence_number”フィールド値と同一のシーケンス値を有するMPUの第1のメディアサンプルの表現時間である。
【0096】
“packet_id”フィールドは、MMTPパケットヘッダーのGFDセッションの識別子を含む。フィールド“asset_clock_relation_flag”は、アセットがクロック基準としてNTPクロックを使用するか、あるいは他のクロックシステムを使用するかを示す。“asset_clock_relation_flag”の値が1に等しい場合、“asset_clock_relation_id”フィールドは、アセット送信に含まれる。“asset_clock_relation_flag”の値が0等しい場合、NTPクロックはアセットに使用される。フィールド“asset_clock_relation_id”は、アセットに対するクロック関係を識別する。“asset_clock_relation_id”フィールドは、アセットのCRI_descriptor()により配信されるクロック関係を参照する。“asset_clock_relation_id”フィールド値は、CRIディスクリプタにより提供されるclock_relation_id値のうちいずれか一つである(sub−clause8.3.13.2を参照)。
【0097】
フィールド“asset_timescale_flag”は、“asset_timescale”フィールド情報が提供されるか否かを示す。“asset_timescale_flag”フィールドが1に等しい値を有する場合、“ asset_timescale”フィールドが含まれる。“asset_timescale _flag”フィールドが0に等しい値を有する場合、“asset_timescale”フィールドは90,000(90kHz)である。“location_count”は、アセットの位置情報の個数を示す。“location_count”フィールドが1に等しい値を有する場合、アセットは、一つの位置を通じて配信される。“location_count”フィールドが1以外の値を有する場合、アセットは、複数のチャンネル又は位置を通じて配信される。所定の実施形態において、アセットを様々なチャンネル又は位置を通じて配信することは、アセットの個別MPUが複数のチャンネル又は位置を通じて配信されるバルク(bulk)配信と称する。一つのアセットが複数のチャンネル又は位置を通じて配信される場合、MMT受信エンティティは、すべてのチャンネル又は位置からアセットのすべてのMPUを受信する。
【0098】
フィールド“asset_timescale”は、アセットに使用されるすべてのタイムスタンプに対するタイムユニットの情報を示す。フィールド“asset_timescale”は、秒当たりユニットの個数で表現される。フィールド“MMT_general_location_info_for_asset_location”は、アセットの位置情報を示す。アセットに対する一般的な位置基準情報は、8.3.13.2により定義できる。アセット位置を識別するための“location_type”フィールド値は、‘0x00’と‘0x06’との間にある。フィールド“asset_descriptors_length”は、次のフィールドの開始からアセットディスクリプタの構文ループの最後までカウントされるバイト数を識別する。フィールド“asset_descriptors_byte”はアセットディスクリプタのバイトである。
【0099】
以下に、<表10>は、MPUタイムスタンプディスクリプタの例示的構成を示す。
【0100】
【表10】
<表10>の構成例で示したフィールドにおいて、フィールド“descriptor_tag”は、一つの値に基づいてディスクリプタのタイプを示す。フィールド“descriptor_length”は、“descriptor_length”フィールド以後の次のバイトからディスクリプタの最後のバイトまでカウントするバイトの長さを示すフィールドである。フィールド“mpu_sequence_number”は、“mpu_presentation_time”フィールドで与えられた時間で表現されるMPUのシーケンス番号を示すフィールドである。“mpu_presentation_time”フィールドは、指定されたMPUの最初のアセットユニットの表現時間を表す64ビットのNTPタイムスタンプフォーマットフィールドである。
【0101】
図8は、本発明による簡略化されたMPEGメディアトランスポート(MMT)コンテンツ表現のための方法800の一例を示す。フローチャートが一連の順次的ステップを示すが、明示的に言及されない限り、そのシーケンスから、遂行の特定順序と関連して、ステップ又はその一部の遂行が同時に発生し、あるいは重複的な方式でなく連続的、又はステップの遂行が介在あるいは中間ステップの発生なしに例外的に示すとのいずれの推論も引かれてはならない。図示の例で示すプロセスは、例えばMMTシステム内の送信器チェーンにより実現される。
【0102】
ステップ805において、装置のプロセッサは、MPEGメディアトランスポート(MMT)パッケージ処理ユニット(MPU)の2個以上のアセットを識別する。ステップ810において、MMTシステムのプロセッサは、2個以上のアセットのうち少なくとも一つをデフォルトアセットとして定義され、残りの一つ以上のアセットをエンリッチアセットとして定義される。少なくとも一つのデフォルトアセットは、コンポジション機能を含まない。所定の実施形態において、少なくとも一つのデフォルトアセットは、少なくとも2個のデフォルトアセットであるビデオコンポーネントアセット及びオーディオコンポーネントアセットを含む。コンポジション機能は、一つ以上のアセット間の空間的関係、一つ以上のアセット間の時間的関係、または一つ以上のアセットとHTML5ベースのコンテンツとの間のイベントベースの関係のうち少なくとも一つをを含む。所定の実施形態において、一つ以上のエンリッチアセットは、コンポジション機能を含む。
【0103】
ステップ815において、MMTシステムのプロセッサは、一つ以上のエンリッチアセットからは独立した表現のために少なくとも一つのデフォルトアセットを構成する。ステップ820において、MMTシステムのプロセッサは、MPUを送信する前に、オーディオコンポーネントアセットのオーディオコンポーネント表現時間をビデオコンポーネントアセットのビデオコンポーネント表現時間に同期化する。ステップ825において、MMTシステムのプロセッサは、少なくとも一つのデフォルトアセットのデフォルトアセット表現時間と一つ以上のエンリッチアセットのエンリッチアセット表現時間を同期化する。
【0104】
ステップ830において、MMTシステムのプロセッサは、他のMPUの少なくとも一つのアセットと共有されるアセットタイムライン上に少なくとも一つのデフォルトアセットの位置を割り当てる。ステップ835において、MMTシステムのプロセッサは、少なくとも一つのデフォルトアセット及び一つ以上のエンリッチアセットを含むMPUを送信する。所定の実施形態において、MPUを送信するステップは、MMTプロトコル(MMTP)を用いてMPUをストリーミングするステップを有する。
【0105】
以上、本発明の詳細な説明においては具体的な実施形態に関して説明したが、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められる本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8