(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6562937
(24)【登録日】2019年8月2日
(45)【発行日】2019年8月21日
(54)【発明の名称】螺旋状にラップされた不織スリーブおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/76 20120101AFI20190808BHJP
D04H 1/54 20120101ALI20190808BHJP
B32B 1/08 20060101ALI20190808BHJP
B32B 5/02 20060101ALI20190808BHJP
【FI】
D04H1/76
D04H1/54
B32B1/08 A
B32B5/02 Z
【請求項の数】12
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2016-554818(P2016-554818)
(86)(22)【出願日】2014年11月24日
(65)【公表番号】特表2016-540136(P2016-540136A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(86)【国際出願番号】US2014067003
(87)【国際公開番号】WO2015077670
(87)【国際公開日】20150528
【審査請求日】2017年11月24日
(31)【優先権主張番号】14/550,621
(32)【優先日】2014年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/908,535
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503170721
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・パワートレイン・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL POWERTRAIN LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アキノ,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】デ・ラ・クルズ,ホセ
(72)【発明者】
【氏名】フォン,アルトゥーロ
(72)【発明者】
【氏名】アレニバル,ジーザス
【審査官】
長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2013/0199656(US,A1)
【文献】
特開2005−098371(JP,A)
【文献】
特開昭57−154447(JP,A)
【文献】
特開昭53−074174(JP,A)
【文献】
特表2015−516545(JP,A)
【文献】
特開平08−233194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00−43/00
D04H1/00−18/04
F16L9/00−11/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部部材を保護するための不織スリーブであって、
中心長手軸に沿って延びる筒状の不織壁を備え、前記筒状の不織壁は不織素材のストリップから形成され、前記不織素材のストリップは前記中心長手軸の周りを複数の周方向に延びるターン上で前記ストリップの対向する縁部が螺旋状の突合せ接合を形成するために互いに当接されて螺旋状にラップされ、前記対向する縁部は前記不織素材のストリップの溶解した素材により前記突合せ接合にわたって一体に固着され、
前記螺旋状の突合せ接合の隣接するターンの間に延びる前記不織素材が溶解されていない、不織スリーブ。
【請求項2】
反射性外側層をさらに含む、請求項1に記載の不織スリーブ。
【請求項3】
前記反射性外側層はホイルである、請求項2に記載の不織スリーブ。
【請求項4】
前記筒状の不織壁および前記反射性外側層の間に中間層をさらに含む、請求項2に記載の不織スリーブ。
【請求項5】
前記中間層が繊維ガラスである、請求項4に記載の不織スリーブ。
【請求項6】
前記反射性外側層および前記中間層は前記筒状の不織壁の周りに螺旋状にラップされる、請求項4に記載の不織スリーブ。
【請求項7】
前記中間層は前記反射性外側層および前記筒状の不織壁に接着層によって固着される、請求項6に記載の不織スリーブ。
【請求項8】
内部部材を保護するための、中心長手軸に沿って延びる筒状の壁を有する不織スリーブを製造する方法であって、
前記中心長手軸の周りで周方向に延びる複数のターン上で不織素材のストリップを螺旋状にラップするステップと、前記ストリップの対向する縁部を突合せ接合を形成するために互いに当接するステップと、前記対向する縁部を前記突合せ接合にわたって前記ストリップの溶解した素材によって一体に固着するステップと
前記対向する縁部を互いに当接するに先立ち、前記外側縁部の少なくとも1つに沿って素材を溶解するステップとを備える方法。
【請求項9】
前記対向する縁部の少なくとも1つに沿って素材を溶解する間、前記螺旋状の突合せ接合の隣接するターンの間に延びる不織素材の前記ストリップの中間領域の溶解を回避するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記筒状の不織壁の周りで反射性外側層をラップするステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記筒状に不織壁および前記反射性外側層の間に中間層を挟み込むステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記中間層を前記反射性外側層に固着して積層を形成するステップと、その後前記積層を前記筒状の不織壁の周りに螺旋状にラップするステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2013年11月25日に提出された米国仮出願整理番号61/908,535、および2014年11月21日に提出された米国特許出願整理番号14/550,621の利益を主張し、それらの全体をここに引用により援用する。
【0002】
発明の背景
1.技術分野
本発明は概ね保護繊維スリーブに関し、より具体的には螺旋状にラップされた不織保護スリーブに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
不織素材で保護繊維スリーブを製造する方法は知られており、保護スリーブを形成するために不織素材を螺旋状にラップすることもさらに知られている。典型的には、不織素材を螺旋状にラッピングする際、テープなどの接着層が、不織素材をラップされた形状に保持するために不織素材の外側表面の周りを螺旋状にラップする。残念ながら、不織素材の対向する端部の間に延びる不織素材の中間領域は覆っている接着層によって概ねラップされた形状に維持されるものの、端部領域は少なくとも部分的に剥がれがちで、繊維スリーブの保護性能を損なうほか、見た目もよくない。この問題は螺旋状にラップされた不織素材の端部が切断され後にそこに固着される様式でラップされる外側接着層を有するときに特に厄介である。端部が剥がれる可能性に加えて、基礎にある螺旋状にラップされた不織素材を適当な場所に保持するための追加的な接着層の必要により製造プロセスの、そして究極的には最終製品のコストが増加する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
発明の概要
本発明の一態様によれば、内部部材に保護をもたらす不織スリーブが提供される。不織スリーブは中心長手軸に沿って延びる筒状の不織壁を有する。筒状の不織壁は中心長手軸の周りで螺旋状にラップされた不織素材のストリップを含み、ストリップの対向する縁部は螺旋突合せ接合を形成するために互いに当接される。ストリップの対向する縁部は突合せ接合にわたってストリップの融解された素材で一体に固着される。そのようにして、ストリップは不織壁が望ましくない、ゆるい不織素材のストリップの端部分を有したり、あるいは作らないようその全体長に沿って筒状様式に確かに固着される。
【0005】
本発明の別の実施形態によれば、螺旋状の突合せ接合の間に延びる不織ストリップの中間領域は融解しないままであり、これにより、不融素材の中間領域が蛇行路をルート付けするにあたり高度の可撓性を有したままである。
【0006】
本発明の別の実施形態によれば、不織スリーブはさらに反射性外側層を含む。
本発明の別の実施形態によれば、不織スリーブはさらに筒状の不織壁および反射性外側層の間に中間スクリム層を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、反射性外側層および中間層は筒状の不織壁の周りで螺旋状にラップされる。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、筒状の不織壁を有し中心長手軸に沿って延びて内部に含まれる細長い部材に保護を提供する不織スリーブの製造方法が提供される。方法は不織素材のストリップを中心長手軸の周りで螺旋状にラッピングすることおよび螺旋状に延びる突合せ接合を形成するために不織ストリップの対向する縁部に互いの当接をもたらすことを含む。方法はさらに、加熱された縁部を融解するために不織素材の螺旋状のラッピングの間、不織素材の少なくとも1つの対向する縁部の加熱と、その後突合せ接合に沿った対向する縁部と不織ストリップの融解した素材とを一体に固着することを含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によれば、方法はさらに突合せ接合の形成に先立ち、加熱部にわたって縁部を通過させることにより対向する縁部の一方のみを加熱し、その後固着した螺旋状突合せ接合を形成するために加熱した縁部の融解素材と対向する加熱していない縁部の当接をもたらすことを含むことができる。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、方法はさらに、固着された突合せ接合を形成した後に筒状の不織壁の周りで反射性外側層をラッピングし、反射性外側層は基礎にある固着された突合せ接合の結果円筒状の滑らかな表面を形成することを含むことができる。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、方法はさらに中間スクリム層を筒状の不織壁および反射性外側層の間に挟み込むことを含むことができる。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、方法はさらに、まず積層ストリップを形成するために中間層を反射性外側層に固着し、その後積層ストリップを螺旋状にラップされた筒状不織壁の周りに螺旋状にラッピングすることを含むことができる。
【0013】
現在の本発明のこれらおよびその他の態様、特徴および利点は以下の現在の好ましい実施形態および最善形態の詳細な説明、添付の請求の範囲および図面との関係で検討されるとより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】内部部材保護のために本発明の一態様によって製造された不織スリーブの斜視図である。
【
図3】本発明によって製造されたスリーブの少なくとも一部分を形成するために螺旋状にラップされた不織ストリップを示す側面図である。
【
図4】本発明によるスリーブを製造する連続したステップを示すために用いられるプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
現在の好ましい実施形態の詳細な説明
図をより詳細に参照して、
図1は本発明の一態様によって製造された、後にスリーブ10と称される、保護的で、螺旋状にラップされた筒状の不織スリーブを示す。スリーブ10は、スリーブ10の中心長手軸14に沿って対向する端部16、18の間で伸びる筒状で螺旋状にラップされた不織壁12を有する。壁12は不織素材のストリップ20で形成され、ストリップ20は複数の周方向に延びる螺旋形のターンにわたって中心長手軸14の周りで螺旋状にラップされ、ストリップ20の対向する縁部22、24は螺旋状に延びる滑らかな突合せ接合26を形成するために互いの平坦な接合がもたらされる。対向する縁部22、24は螺旋状の突合せ接合26に沿って、これにわたって、不織ストリップ20の融解した、融合したとも称される素材によって一体的に固着され、そのようにして、螺旋状にラップされた壁12が突合せ接合26に沿って剥がれたり、あるいはスリーブの端部16、18と隣接するストリップ20の端部が緩み、固着されなくなるのを防止する。
【0016】
不織ストリップ20は、例として限定なく綿繊状または粉末状のポリエチレンテレフタレート(PET)または綿繊状または粉末状のポリプロピレン(PP)のような、熱溶性または可溶性の素材を少なくとも部分的に含んでいる、任意の適切な断熱不織素材少なくとも部分的に含んで形成される。ストリップ20はスリーブの直径をたとえば約1/2から3インチの間のような望まれる直径を形成して螺旋状にラップされるのに適した任意の幅を有して提供されることができ、その幅は対向する縁部22、24の間にわたって延びる距離によって規定される。ストリップ20が、例として限定なく、ワイヤーハーネスや流体運送パイプなどのような内部の細長い部材を保護し受けるのに望ましい完成スリーブの内側空洞31の直径と関連した外側直径を有するマンドレル28の形成中またはその前後などに螺旋状にラップされるにつれて、少なくともストリップ縁部22、24の1つは加熱部30を通じて加熱され、製造の容易化や経済性の理由により単一の縁部24のみが加熱される。加熱部30は例として限定なく、加熱ワイヤ、典型的には加熱された平坦な金属リボンを含むことができる。加熱部30はストリップ縁部22、24が少なくとも部分的に融解するよう、関連するストリップ縁部22、24の適切な程度の熱を適用することが認識されるべきである。そのようにして、加熱されたストリップ20の縁部24を形成する不織素材は少なくとも部分的に融解し、螺旋形状に完全にラップされるまで融解したままであり、こうして、ラップされる際、融解した縁部24は対向する加熱されない融解していない縁部24との平坦な当接にあたって接着剤の役割を果たす。そのようにして、ストリップ20が軸14の周りでマンドレル28上をラップされるとき、融解した縁部24が隣接する縁部22と平坦な当接をするようもたらされ、縁部24の少なくとも部分的に融解した、融解された素材が隣接する縁部22と固着関係で融合されて固化する。したがって、固着した螺旋状突合せ接合26は結合された接合として形成され、冷却にあたり、不織ストリップ20の融解され、後に冷却される素材を通じて、第2の接着素材を必要とすることなく、螺旋状にラップされた壁12の全長に沿って互いに縁部22、24を堅固かつ信頼性をもって固着する。そのようにして、後のサイズ設定操作などにおいて最終的な筒状の壁が切断されるときでも、縁部22、24が接合26の任意の場所で不意に互いに離れるのを防止する。さらに、接合26が突合せ接合で形成されているので、壁12の外側表面32が円筒状に滑らかに形成され、縁部を重ね合わせる製造において典型的に形成される持ち上げられた縁部のような任意の持ち上がった縁部なしで形成されることが認識されるべきである。こうして、持ち上がった縁部がないため、壁12は設置中や使用中などに近隣の物体にひっかかることがなく、こうして縁部22、24は分離または裂けにくくなり、さらに持ち上がった縁部がないため、壁12の外側表面32上に追加的な層を選択的に適用することが簡素化され、外側表面32への任意のそのような層の固着がより確実かつ信頼性の高いものとなる。
【0017】
縁部22、24の一方または両方に関わらず、縁部22、24を加熱して固着する間、縁部22、24の間および、螺旋形に延びる融合された突合せ接合26の隣接するターンの間で伸びる不織ストリップ20の中間領域34内の素材は、加熱された縁部24を融解する加熱部30の熱に晒されていないので、加熱されないままであり、すなわち溶解されないままであることが理解されるべきである。そのようにして、ラップされる際、中間領域34は固化またはその他の堅化を生じないので、「製造されたままの」可撓性の不織物質特性のままである。したがって、スリーブ10の可撓性は螺旋状に延び融解していない中間領域34によって促進され、スリーブ10は蛇行路上を容易にルート付けることができる。さらに、中間領域34が可撓性のままであるので、撓みが完全にまたは実質的に可撓性の促進された中間領域で発生し、固着されたやや固化された突合せ接合26では発生しないので、スリーブ10が傾いている間、固着された突合せ接合に過度の圧力がかかるのを避けることはできる。
【0018】
螺旋状にラップされた壁12を形成する際、反射性外側層36は壁12の周りにラップされることができる。反射性外側層は好ましくはアルミニウムのようなホイル層として提供され、代わりに内側の中間層38に固着される。中間層38は、例として、スパンボンドされた繊維ガラスや、例として、不透シートまたは穿刺耐性のあるフィルム層などの任意の適切な熱耐性のあるスクリム素材で提供されることができる。反射性外側層36および中間層38は好ましくは積層32を不織壁12の周りでラッピングするに先立ち積層40を形成するために任意の適切な接着層を通じて互いに固着される。ストリップとして提供される積層40はその後、単一のインラインプロセスにより壁12の形成に直接したがって不織ストリップ20と同様に壁12の周りに螺旋状にラップされる。積層32は壁12の外側表面32に任意の適切な熱耐性接着層を通じて結合されることができる。
【0019】
積層40を有する壁12のラッピングにおいて、切断操作においてスリーブ10の望ましい長さが形成される。スリーブ10を望ましい長さに切断するにあたり、端部16、18はきれいな切り口を有して形成され、壁12は仮に固着された突合せ接合がなければ一対の溶解した縁部22、24の間に形成されたであろうゆるい端部なしで筒状のままであることが保証される。
【0020】
現在の発明の多くの修正および変形が上記教示に照らして可能である。そのため、本発明は具体的に説明した以外で実施されてもよく、本発明の範囲は最終的に認められた請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。